説明

シャワーなどのための給水装置

シャワーなどのための給水装置(1)により、水温の調整、および、特にレジオネラ菌のコロニー形成の効果的防止を容易にすることができ、このために、それは、水流の前記調節手段(5)の下流にあり、専用の管路(9)によって給水装置(1)と排水管とを互いに連結する分岐管路(8)と;ローズ(6)または排水管の方へ水流を逸らさせやすくする、前記分岐管路(8)で水流を逸らすための手段(10)と;前記調節手段(5)と前記分岐管路(8)との間で、または、前記専用の管路(9)に配置され、温度表示手段(19)に連結される温度検出手段(12)と;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水流の少なくとも1つの吸込み管路と、その水流の調節手段と、給水のための少なくとも1つのシャワー・ローズまたはノズルとを含む種類のシャワー、浴槽などのための給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばシャワー操作において水流を所望の温度にさせる問題は、毎日経験することである。通常ユーザは、シャワー・ローズからの水流をシャワー・プレートまたは浴槽に落下させるように前記調節手段を操作し、水流が所望の温度になるまで風呂排水管に流し、一方で、ユーザは、シャワーを浴びる前に部分的に水流に触れることによって温度を確認する。したがって、そのような操作が、特に室温がより低い冬の間ユーザに苦痛を与えることになる。
【0003】
そのような苦痛を緩和するため、ボイラー内部の水が所望の温度に到達するまで給水することができないシステムが提案された。この急場しのぎの処置は、一方で、ボイラーが本質的に特定のユーザのみまたは住居のみのために動く独立した水の加熱のみの状況において適するものであり、他方で、いずれにせよ、加熱された水の前にシャワーから強制的に供給される管路にすでに含まれる冷水の問題は克服できないので、部分的にその目的を満たすだけである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の基礎となる技術的な問題は、従来技術に関して言及される欠点を取り除くことができる給水装置を提供することである。上記で特定されたような給水装置によって解決される問題は、*水流の前記調節手段の下流にあり、専用の管路によって給水装置と排水管とを互いに連結する分岐管路と;*ローズまたは排水管の方へ水流を逸らさせやすくする、前記分岐管路で水流を逸らすための手段と;*前記調節手段と前記分岐管路との間で、または、前記専用の管路に配置され、温度表示手段に連結される温度検出手段と;を含むことにおいて特徴付けられる。
【0005】
本発明の給水装置の主な利点は、前記表示手段により検査可能な所望の温度の達成を可能にし、一方で、所望の温度が達成された場合にシャワー・ローズの方へ前記水流を送る可能性を有して排水管の方へ水流が直接逸らされ、したがって待機およびシャワーを浴びる前の直接的な確認の苦痛を取り除くことができることである。
【0006】
本発明の好ましい実施態様によれば、給水装置において、逸らすための手段は、前記専用の管路によってローズを排水管に連結することができ、ローズを乾燥するように保ち、レジオネラ菌、危険な細菌性伝染病の原因となるバクテリアのコロニー形成防止のためのガイドラインによって必要とされる予防措置を取ることができる。そのような予防措置は、病院、ホテル、兵舎などのようなコミュニティにおいて絶対に必要で、実際に必要とされるまたは承認された標準規格になろうとしている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、以下の例および添付の図面に関して、範例となりかつ非制限的な目的のために提供されたその使用のいくつかの様式と共にその2つの実施態様により以下に開示される。そこにおいて、
【図1】図1から3は、本発明の給水装置の第1実施例を概略的に示し、異なる操作上の状況を示すものである。
【図2】図1から3は、本発明の給水装置の第1実施例を概略的に示し、異なる操作上の状況を示すものである。
【図3】図1から3は、本発明の給水装置の第1実施例を概略的に示し、異なる操作上の状況を示すものである。
【図4】図4は、本発明の給水装置の第2の実施態様を概略的に示す。
【図5A】図5Aおよび5Bは、それぞれ給水装置の実施態様を組み込んでいるシャワー・キャビンの2つの例を示す。
【図5B】図5Aおよび5Bは、それぞれ給水装置の実施態様を組み込んでいるシャワー・キャビンの2つの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から3に関して、本発明の包括的に1として示される給水装置の第1の実施態様が以下に開示される。本発明は、本実施態様において冷水の吸込み管路2と熱水の吸込み管路3とによって構成される水流の少なくとも1つの吸込み管路を含む。それらは、包括的に5として示される前記水流の調節手段で唯一の供給管4において収束し、その供給管4はシャワーのシャワー・ローズ6、または、給水のための他の種類のノズルに連結されている。具体的には、本発明の装置は、水道水:シャワー、浴槽、洗面器などのいかなる供給システム、または、洗濯機、食器洗い機のような家庭用の装置、および、工業用のタイプの機械の特定の温度で熱水を用いる他のいかなるシステムにも適用される。
【0009】
本実施態様において、調節手段5は一対の蛇口7を含むが、いかなる調節装置および/または湯水混合水栓がその調節手段に含まれてもよいと考えられることは明らかである。供給管4で、装置1は水流の前記調節手段5に関して下流に配置される分岐管路8を含む。それゆえに、それは、すでに混合された水を受容して、専用の管路9によって前記供給管4を排水管(図示せず)に連結する。
【0010】
排水管として、例えばシャワーまたは浴槽を家庭雑排水に連結している配管と理解される。したがって、専用の管路9は、水が集まる部分のすぐ下流で前記配管に連結される、または、それは浴槽またはシャワー・プレートに開いていてもよい。
【0011】
前記分岐管路8で、装置1は、供給管4によりローズ6の方へすでに混合された水流を逸らす、または、専用の管路により排水管の方へ水流を逸らすために配置される、10として示される前記水流を逸らすための手段を含む。逸らすための手段10は、シャワーの使用後、供給管4およびローズ6の安全な排水を可能にするように、前記専用の管路9(図3)によって排水管に前記少なくとも1つのローズまたはノズル6を連結するために適当である。そのような排水によって、ローズは乾燥して保つことができ、25℃から50℃まで変化している温度で湿った環境および空気中のカビと、例えばレジオネラ菌のバクテリア増殖のような細菌コロニーとの形成を防ぐ。
【0012】
本発明の好適な変形例によれば、前記逸らすための手段は、排水管の方へ水流を逸らす構成で配置されることができ、それは、ユーザがシャワー後にそのような構成を選ぶ必要のないようにローズ6が前記排水管に連結される構成と一致することができる。
【0013】
本実施態様において、逸らすための手段は、ノブ21(図5A)によって容易に操作可能なスリーウェイ弁を含む。ノブのおかげで、次の構成を選ぶことができる:供給管4が排水管に連結される(図1);供給管4がローズ6に連結される(図2);および、ローズが直接排水管に連結され、供給管は閉じられる(図3)。
【0014】
本発明によると、装置1はしたがって、温度の検出のための手段を含み、例えば、分岐管路5の上流に配置された、または、図面に示されない実施態様によれば、前記調節手段5と前記分岐管路8との間、または同様に前記専用の管路9上に配置された熱電対センサ12を含む(図1から3)。
【0015】
本実施態様において、センサ12の位置により、そのような供給によっても水温を確認することができる。センサ12は例えば、音響の警報、光の警報13(図5A)、または、摂氏または華氏で水流の温度を示す表示(図4および5B)さえも含むことができる、包括的に19として示される温度表示手段に連結される。前記表示手段で、給水装置は、例えば小さい英数字キーボード15または一対の+−キーのような特定の所望の温度値の入力のための手段を含む。
【0016】
図4に関して、同じ参照番号が使われている装置1の第2の実施態様は自動操作タイプであり、そこで、前記逸らすための手段10は、作動装置によって温度12の検出のための前記手段に従動する。この実施態様において、前記逸らすための手段10は、センサ12によって検出された水流が到達した温度に基づいて前記作動装置によって自動的に変化することができる。
【0017】
本実施態様において、作動システムは、特に前記専用の管路10上の第1の電気弁16と、水流の前記調節手段5とローズ6との間で配置される第2の電気弁17との1以上の電気弁を含む。
【0018】
このように、前の実施態様の手動での制御の代わりに、流れが逸らされて前記第1の電気弁16を開き、一方で水流がリクエストされた温度に到達し、それが起こると、第1の電気弁16は閉じられ、第2の電気弁は開かれて、給水することができる。電気弁16、17の両方を同時に開けることにより、すでに説明された利点でローズ6を排水管に連結することができる。この場合、本質的に前記調節手段に重ねられる逸らすための手段は、冷水および熱水の吸込み管路2、3に配置された、電気駆動の調節装置18を含むことができる。そのような方法において、ユーザは所望の温度を入力する必要があるだけであり;一方で水流は、排水管に逸らされ、またリクエストされた温度に調整される。温度を検出しているセンサ12の位置により、突然の温度低下の場合には水流を止めることができる。
【0019】
本発明はまた、装置が水の分配システムに連結される構造に一体化されるシャワー・キャビン20のように一体化された構造に言及する(図5Aおよび5B)。第1のバージョン(図5A)は、前記蛇口7と、前記弁11を駆動するための追加のノブ21とで手動調整システムの使用を提供することができる。第2のバージョン(図5B)は完全に自動化され、所望の温度を入力し、水の流れの開始および供給の開始を制御するシャワーに関して遠隔で配置されるキーボードを有する。もちろん、ここで示される解決法の間の中間のバージョンは、可能である。
【0020】
シャワーの他に、装置は浴槽構造の自動補充にも使うことができる。自動的なバージョンにおいて、浴槽の給水は、所望の温度に到達して自動的に発生する。このような場合、浴槽内部で水位検知器に連結される流れを遮断する手段が提供される。
【0021】
あるいは、前記手段は、特定の長さの時間の後タイマーによって、または、例えば、供給管に適用される水流メータによって検出されたある程度の量の給水の後、操作されることができる。そのような方法で、ユーザは、浴槽を満たした後、水流を遮断する心配はなくなる。
【0022】
上記の開示された給水装置に、さらなる付随した必要性を満たすため、当業者はいくつかの追加的な変更および変形を達成することができるが、本発明の保護範囲内のすべては、添付の請求の範囲に記載されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの水流の吸込み管路(2、3)と、該水流の調節手段(5)と、給水のための少なくとも1つのシャワー・ローズ(6)またはノズルとを含む、シャワーなどのための給水装置(1)であって、水流の該調節手段(5)の下流にあり、専用の管路(9)によって給水装置(1)と排水管とを互いに連結する分岐管路(8)と;該ローズ(6)または該排水管の方へ水流を逸らさせやすくする、該分岐管路(8)で水流を逸らすための手段(10)と;該調節手段(5)と該分岐管路(8)との間で、または、該専用の管路(9)に配置され、温度表示手段(19)に連結される温度検出手段(12)と;を含むことにおいて特徴付けられる、シャワーなどのための給水装置(1)。
【請求項2】
前記逸らすための手段(19)が前記専用の管路(9)を通じて前記少なくとも1つのローズ(6)またはノズルを前記排水管に連結するのに適している、請求項1記載の給水装置(1)。
【請求項3】
前記逸らすための手段(19)において、排水管の方へ水流を逸らす構成が、前記少なくとも1つのローズ(6)またはノズルが排水管に連結される構成と一致する、請求項2記載の給水装置(1)。
【請求項4】
前記調節手段(5)が熱水と冷水との湯水混合水栓を含み、前記少なくとも1つの吸込み管路が冷水吸込み管路(2)と熱水吸込み管路(3)とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の給水装置(1)。
【請求項5】
前記逸らすための手段(10)は、作動装置(16、17)により前記温度検出手段(12)に従動する、請求項1〜4のいずれかに記載の給水装置(1)。
【請求項6】
前記逸らすための手段(10)の構成が、水流が到達した温度に基づいて前記作動装置(16、17)によって自動的に変化する、請求項5記載の給水装置(1)。
【請求項7】
前記作動装置が1以上の電気弁(16、17)を含む、請求項5または6記載の給水装置(1)。
【請求項8】
前記専用の管路(9)上の電気弁(16)と、水流の前記調節手段(5)と前記ローズ(6)または同等のノズルとの間の他の電気弁(17)とを含む、請求項4および7記載の給水装置(1)。
【請求項9】
前記表示手段(19)が、音響および/または光の警報(13)、および/または水流温度が表される表示(14)を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の給水装置(1)。
【請求項10】
所望の温度値の入力(15)のための手段を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の給水装置(1)。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つにおいて定義された給水装置(1)を含む、シャワー構造(20)。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1つにおいて定義された給水装置(1)を含む、浴槽構造。
【請求項13】
水位検知器、タイマーまたは供給管に適用される水流メータを含む水流を遮断するための手段が提供される、請求項12記載の浴槽構造。
【請求項14】
いかなる家庭用または産業用装置にも熱水を供給するための請求項1から10記載の給水装置(1)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2011−500990(P2011−500990A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528495(P2010−528495)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054129
【国際公開番号】WO2009/047586
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(510100601)シモネスチ エス.アール.エル. (1)
【Fターム(参考)】