説明

シロ−イノシトールの製造方法

【課題】 高純度のシロ−イノシトールを工業規模で効率よく製造する。
【解決手段】 シロ−イノシトール及びシロ−イノシトール以外の中性糖を含有する混合液に、該混合液中の溶解シロ−イノシトールの2モル倍以上のホウ酸及び金属塩を加え、かつ該混合液のpHを8.0〜11.0に調整することにより、シロ−イノシトール・ホウ酸複合体を形成させ、前記複合体を混合液から分離し、分離した複合体を酸に溶解して酸性溶液又は酸性懸濁液を調製し、イオン交換樹脂等を用いた精製法又は水溶性有機溶媒を用いた析出法によって該酸性溶液又は酸性懸濁液からシロ−イノシトールを精製する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロ−イノシトール及びシロ−イノシトール以外の中性糖を含有する混合液に、該混合液中に溶解したシロ−イノシトールの2倍モル以上の量のホウ酸及び金属塩を加え、かつ該混合液のpHを8.0〜11.0に調整してシロ−イノシトール・ホウ酸複合体を形成させる第1の工程、前記複合体を混合液から分離する第2の工程、分離した複合体を酸に溶解させてシロ−イノシトールとホウ酸に開裂させる第3の工程、第3の工程で得られた酸性溶液又は酸性懸濁液からシロ−イノシトールを単離精製する第4の工程を含む、シロ−イノシトールの製造方法。
【請求項2】
前記第1の工程において、加えるホウ酸及び金属塩の量が、前記混合液中に溶解したシロ−イノシトールの2倍モル以上、かつ3倍モル以下であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1の工程において、前記混合液のpHを9.0〜10.0に調整することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記金属塩が、NaCl、NaHCO3、Na2CO3、Na2SO4、NaHSO4、NaH2PO4、Na2HPO4、Na3PO4、硼砂、KCl、KHCO3、K2CO3、K2SO4、KHSO4、KH2PO4、K2HPO4、K3PO4、MgCl2、MgCO3、およびMgSO4からなる群より選ばれる1種または2種類以上の金属塩である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記シロ−イノシトール及びシロ−イノシトール以外の中性糖を含有する混合液が、シロ−イノソースを含有する溶液中でシロ−イノソースを還元することにより得られるミオ−イノシトール及びシロ−イノシトールを含有する混合液である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第3の工程において、前記複合体を酸に溶解させて得られた溶液を0.1規定以上の酸性に調整し、かつ、前記第4の工程において、前記酸性溶液を強酸性イオン交換樹脂、及び強塩基性イオン交換樹脂又はホウ酸選択的吸着樹脂に接触させた後、該酸性溶液からシロ−イノシトールを析出させることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第4の工程において、前記酸性溶液又は酸性懸濁液に水溶性有機溶媒を加えてシロ−イノシトールを析出させることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記水溶性有機溶媒がエタノール又はメタノールであり、前記酸性溶液又は酸性懸濁液に対して、エタノールを0.3〜3倍容、又はメタノールを0.3〜5倍容加えることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記水溶性有機溶媒がエタノール又はメタノールであり、前記酸性溶液又は酸性懸濁液に対して、エタノールを0.6〜1.5倍容、またはメタノールを0.9容〜2倍容加えることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
シロ−イノソースを含有する溶液中において、シロ−イノソースを水素化ホウ素金属塩を用いて還元し、ミオ−イノシトール及びシロ−イノシトールを含有する混合液を得る第1の工程、前記混合液に酸を加えて混合液中のシロ−イノシトール・ホウ酸複合体を溶解させ、かつ溶液を0.01規定以上の酸性溶液に調整する第2の工程、及び前記酸性溶液に、水溶性有機溶媒をミオ−イノシトールが析出しない量で加えて、シロ−イノシトールのみを析出させる第3の工程を含む、シロ−イノシトールの製造方法。
【請求項11】
前記第3の工程において、加える水溶性有機溶媒がエタノール、メタノール又は1−プロパノールであり、前記酸性溶液に対して、エタノールを0.2〜0.4倍容、メタノールを0.2〜0.8倍容、又は1−プロパノールを0.2〜0.4倍容加えることを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第3の工程において、加える水溶性有機溶媒がエタノール、メタノール又は1−プロパノールであり、前記酸性溶液に対して、エタノールを0.35〜0.45倍容、メタノールを0.45〜0.55倍容、又は1−プロパノールを0.35〜0.45倍容加えることを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−187688(P2010−187688A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86459(P2010−86459)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【分割の表示】特願2005−514651(P2005−514651)の分割
【原出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】