説明

シロ−イノシトールの製造方法

【課題】シロ−イノシトールの製造方法を提供する。
【解決手段】シロ−イノシトールデヒドロゲナーゼと、NAD+またはNADP+存在下でミオ−イノシトールを酸化しシロ−イノソースを生成する反応を触媒するミオ−イノシトール2−デヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.18)とを共存させた溶液中、pH6.0〜8.5で、かつNAD+またはNADP+存在下で、ミオーイノシトールを基質として、シロ−イノシトールへ酵素変換反応させる、シローイノシトールの製造方法。シロ−イノシトールデヒドロゲナーゼは、特定のアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の理化学的性質を有するシロ−イノシトールデヒドロゲナーゼ。
反応:下記反応式に示すように、シロ−イノシトールとシロ−イノソース間の酸化還元反応を触媒し、NADHまたはNADPH存在下で、シロ−イノソースを立体特異的にシロ−イノシトールへ還元する。
【化1】

【請求項2】
さらに、下記の理化学的性質を有する、請求項1に記載のシロ−イノシトールデヒドロゲナーゼ。
(1)分子量および会合特性 : 38〜46kダルトン、2または3量体を形成する。
(2)補酵素 : NAD+若しくはNADP+又はNADH若しくはNADPHを補酵素とする。
(3)活性化重金属 : Co2+イオンの存在下で活性化される。
(4)阻害重金属 : Sn2+イオンの存在下で阻害される。
(5)至適pH : pH5〜9で活性を有する。
【請求項3】
以下の(A)または(B)のタンパク質。
(A)配列番号28に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(B)配列番号28に記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有し、シロ−イノシトールとシロ−イノソース間の酸化還元反応を触媒し、NADHまたはNADPH存在下で、シロ−イノソースを立体特異的にシロ−イノシトールへ還元する酵素活性を有するタンパク質。
【請求項4】
以下の(A)または(B)のタンパク質をコードするDNA。
(A)配列番号28に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(B)配列番号28に記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有し、シロ−イノシトールとシロ−イノソース間の酸化還元反応を触媒し、NADHまたはNADPH存在下で、シロ−イノソースを立体特異的にシロ−イノシトールへ還元する酵素活性を有するタンパク質。
【請求項5】
以下の(a)または(b)のDNA。
(a)配列番号27に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA。
(b)配列番号27に記載の塩基配列もしくは同塩基配列に相補的な塩基配列を有するDNAとストリジェントな条件下でハイブリダイズし、シロ−イノシトールとシロ−イノソース間の酸化還元反応を触媒し、NADHまたはNADPH存在下で、シロ−イノソースを立体特異的にシロ−イノシトールへ還元する酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
【請求項6】
請求項4または5に記載のDNAを含むベクター。
【請求項7】
請求項4または5に記載のDNA、または請求項6に記載のベクターを保持する形質転換微生物。
【請求項8】
形質転換する宿主が大腸菌である請求項7に記載の形質転換微生物。
【請求項9】
請求項7または8に記載の形質転換微生物を培養し、培養物からシロ−イノシトールデヒドロゲナーゼを採取することを特徴とする、シロ−イノシトールデヒドロゲナーゼの製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載のシロ−イノシトールデヒドロゲナーゼと、NAD+またはNADP+存在下でミオ−イノシトールを酸化しシロ−イノソースを生成する反応を触媒するミオ−イノシトール2−デヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.18)とを共存させた溶液中、pH6.0〜8.5で、かつNAD+またはNADP+存在下で、ミオーイノシトールを基質として、シロ−イノシトールへ酵素変換反応させることを特徴とする、シローイノシトールの製造方法。
【請求項11】
溶液中に、シロ−イノソースを0.01〜3%になるように添加することを特徴とする、請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
【請求項12】
溶液中に、シロ−イノソースを0.2〜0.5%になるように添加することを特徴とする、請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
【請求項13】
溶液中に、Co塩および/または、Mg塩を0.01〜5.0mMになるように添加することを特徴とする、請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
【請求項14】
溶液中に、Co塩および/または、Mg塩を0.2〜2.0mMになるように添加することを特徴とする、請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
【請求項15】
溶液中のミオ−イノシトール濃度が5〜22%になるように調製し、酵素反応で生成したシロ−イノシトールを反応溶液中で結晶化させ、シロ−イノシトールを系外に結晶として、ろ別することを特徴とする、請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
【請求項16】
シロイノシトールデヒドロゲナーゼが以下の(A)または(B)のタンパク質である請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
(A)配列番号28に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(B)配列番号28に記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有し、シロ−イノシトールとシロ−イノソース間の酸化還元反応を触媒し、NADHまたはNADPH依存下で、シロ−イノソースを立体特異的にシロ−イノシトールへ還元する酵素活性を有するタンパク質。
【請求項17】
シロイノシトールデヒドロゲナーゼが以下の(a)または(b)のDNAによってコードされるタンパク質である請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
(a)配列番号27に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA。
(b)配列番号27に記載の塩基配列もしくは同塩基配列に相補的な塩基配列を有するDNAとストリジェントな条件下でハイブリダイズし、シロ−イノシトールとシロ−イノソース間の酸化還元反応を触媒し、NADHまたはNADPH依存下で、シロ−イノソースを立体特異的にシロ−イノシトールへ還元する酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
【請求項18】
シロイノシトールデヒドロゲナーゼが以下の(C)または(D)のタンパク質である請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
(C)配列番号2、4、6、8、10、12または14に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(D)配列番号2、4、6、8、10、12または14に記載のアミノ酸配列において、
1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有し、シロ−イノシトールとシロ−イノソース間の酸化還元反応を触媒し、NADHまたはNADPH存在下で、シロ−イノソースを立体特異的にシロ−イノシトールへ還元する酵素活性を有するタンパク質。
【請求項19】
シロイノシトールデヒドロゲナーゼが以下の(c)または(d)のDNAによってコードされるタンパク質である請求項10に記載のシローイノシトールの製造方法。
(c)配列番号1、3、5、7、9、11または13に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA。
(d)配列番号1、3、5、7、9、11または13に記載の塩基配列もしくは同塩基配列に相補的な塩基配列を有するDNAとストリジェントな条件下でハイブリダイズし、シロ−イノシトールとシロ−イノソース間の酸化還元反応を触媒し、NADHまたはNADPH存在下で、シロ−イノソースを立体特異的にシロ−イノシトールへ還元する酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。

【図1】
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【公開番号】特開2012−228264(P2012−228264A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160384(P2012−160384)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2010−86459(P2010−86459)の分割
【原出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】