説明

シンクライアントシステム、アプリケーションサーバ、デバイス管理装置、端末制御サーバ、通信方法

【課題】ユーザが操作命令を入力した端末とは異なる端末に、当該操作命令に基づく情報処理結果を出力することを可能とするシンクライアントシステム、アプリケーションサーバ、デバイス管理装置、端末制御サーバ、通信方法を提供する。
【解決手段】端末制御サーバ10は、デバイス管理DB20で管理されている出力端末の中から入力操作端末40により選択された画像表示クライアント50とアプリケーションサーバ30とを接続する。アプリケーションサーバ30は、入力操作端末40からのコンテンツ再生命令に基づき、コンテンツDB70から取得したコンテンツを画像表示クライアント50に送信し再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアント技術を用いて通信を行うシンクライアントシステム、アプリケーションサーバ、デバイス管理装置、端末制御サーバ、通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のシンクライアント(Thin client)と呼ばれる技術では、ユーザが使用するクライアント(コンピュータ)装置が入力操作や情報出力の処理を行い、入力操作や情報出力以外の情報処理をサーバ装置に集中させ、サーバ装置においてアプリケーションプログラムやデータを一元管理していた(例えば、特許文献1参照)。シンクライアント技術は、例えば、ユーザの手元にあるクライアント装置を用いて、自宅や会社に置いてあるサーバ装置のデスクトップ(操作画面)を遠隔操作して、クライアント装置に情報を表示するといった用途で用いられる。
【0003】
このようなシンクライアント技術では、クライアント装置には、ソフトウェアとして、クライアント装置をサーバ装置にネットワーク接続するための通信プログラム、クライアント装置をサーバ装置の入出力装置として機能させるためのリモートデスクトッププログラム、及び、これらのプログラムを稼動させるためのOS(Operating System:オペレーティングシステム)が最低限搭載されていればよい。クライアント装置に各種アプリケーションプログラム及びデータを搭載しないことで、クライアント装置の盗難等による情報漏えいの可能性を低減できるといったメリットがあるため、シンクライアント技術はセキュリティの向上に利用されていた。
【特許文献1】特開2004−171063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来におけるシンクライアント技術では、ユーザが使う1台のクライアント装置が、ユーザの入力操作を受け付ける機能と、画像等の情報を出力する機能との両方を備えていた。このため、入力操作に基づいた処理結果を、その入力操作が行われた端末とは異なる適切な端末から出力するといった制御を行うことができなかった。例えば、ユーザが動画を編集するための入力操作をパソコンに対して行った場合、そのパソコンでしか編集画面を確認することができず、TV(television:テレビジョン)やパーソナルコンピュータ等の他の適切なデバイスを用いて画面を再生することはできなかった。
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが操作命令を入力した端末とは異なる端末に、当該操作命令に基づく情報処理結果を出力することを可能とするシンクライアントシステム、アプリケーションサーバ、デバイス管理装置、端末制御サーバ、通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理を行い、該情報処理結果を出力する処理結果出力手段(例えば、図1中のアプリケーションサーバ30に対応)を含むシンクライアントシステムであって、前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末を管理するデバイス管理手段(例えば、図1中のデバイス管理DB20に対応)と、前記デバイス管理手段で管理されている出力端末の中から選択された出力端末と前記処理結果出力手段とを通信可能に接続する接続手段(例えば、図1中の端末制御サーバ10に対応)とを備え、前記処理結果出力手段は、前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を、前記接続手段で接続された出力端末に出力することを特徴とするシンクライアントシステムを提供する。
【0006】
本発明によれば、シンクライアントシステムの処理結果出力手段は、入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を、デバイス管理手段で管理されている出力端末の中から選択されて接続手段により接続された出力端末に出力するため、ユーザが操作命令を入力した端末とは異なる端末に、当該操作命令に基づく情報処理結果を出力することが可能となる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシンクライアントシステムにおいて、前記接続手段は、接続済の出力端末から別の出力端末に接続を切り替える切替機能を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ユーザは、例えば、接続済の出力端末で映像コンテンツを視聴している最中に、別の出力端末に切り替えて当該別の出力端末で視聴することが可能となる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、入力操作端末からの操作命令を受信する操作命令受信手段と、前記操作命令受信手段により受信した操作命令に基づく情報処理結果を、前記入力操作端末とは別の出力端末に出力する処理結果出力手段とを備えたことを特徴とするアプリケーションサーバを提供する。
本発明によれば、入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を、入力操作端末とは別の出力端末に出力することが可能となる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のアプリケーションサーバにおいて、前記別の出力端末は、前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末として予め管理されている複数の出力端末の中から前記入力操作端末によって選択されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、入力操作端末のユーザは適切な出力端末を選択することが可能となる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、入力操作端末と、該入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末と、の対応関係を管理するデバイス管理手段を備えたことを特徴とするデバイス管理装置を提供する。
本発明によれば、デバイス管理装置で管理されている情報に基づいて、ユーザが操作命令を入力した入力操作端末とは異なる出力端末に、当該操作命令に基づく情報処理結果を出力することが可能となる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末の中から選択された出力端末と、該出力端末への前記情報処理結果の出力を制御するアプリケーションサーバと、を接続する接続手段を備えたことを特徴とする端末制御サーバを提供する。
本発明によれば、入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末の中から選択された出力端末と、該出力端末への情報出力を制御するアプリケーションサーバとを接続することにより、入力操作端末とは異なる出力端末に情報処理結果を出力することが可能となる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の端末制御サーバにおいて、前記情報処理結果を出力する出力端末を前記入力操作端末のユーザに選択させる画面を表示する出力端末選択手段をさらに備えたことを特徴とする。
本発明によれば、入力操作端末のユーザは、表示された画面を用いて、情報処理結果を出力すべき出力端末を選択することができる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、入力操作端末へのユーザ操作に基づき情報処理を行い、該情報処理結果を出力するアプリケーションサーバを含むシンクライアントシステムが行う通信方法であって、デバイス管理装置が、前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末を管理するデバイス管理ステップと、端末制御サーバが、前記デバイス管理装置で管理されている出力端末の中から選択された出力端末と、前記アプリケーションサーバとを接続する接続ステップと、前記アプリケーションサーバが、前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を、前記端末制御サーバにより接続された出力端末に出力する処理結果出力ステップとを備えたことを特徴とする通信方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シンクライアントシステムの処理結果出力手段は、入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を、デバイス管理手段で管理されている出力端末の中から選択されて接続手段により接続された出力端末に出力するため、ユーザが操作命令を入力した端末とは異なる端末に、当該操作命令に基づく情報処理結果を出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
図1は、シンクライアントシステムの全体構成図である。同図に示すように、シンクライアントシステムは、端末制御サーバ(「接続手段」に対応)10、デバイス管理DB20、アプリケーションサーバ(「処理結果出力手段」に対応)30、入力操作端末40、画像表示クライアント(「出力端末」に対応)50、Webサーバ60を含んで構成される。これらの各装置は、CPU(Central Processing Unit)、プログラム等のソフトウェアを記憶したメモリ、通信インタフェース等を備えた通信装置である。なお、同図には、入力操作端末40と画像表示クライアント50とを、それぞれ1つずつしか表示していないが、実際には複数存在する。
【0016】
入力操作端末40は、入力操作が可能な端末であり、例えば携帯電話機である。本実施形態に係る入力操作端末40は、例えばWebブラウザを有しており、Webサーバ60と接続することにより入力操作に関するインタラクティブな通信が可能である。以後、本明細書においては、既存の携帯電話機でも利用可能であることを意識し、HTTPを用いたインタラクティブな通信を前提に記載を行っているが、シンクライアントのような異なる技術を用いることも、本発明は適応可能である。
【0017】
画像表示クライアント50は、入力操作端末40からの操作命令に基づくアプリケーションサーバ30による情報処理結果を出力可能なクライアントである。本実施形態では、画像表示クライアント50は、コンテンツDB70に記憶されているコンテンツの中から入力操作端末40により選択された映像・画像コンテンツ、あるいはアプリケーションサーバ30内のアプリケーションによる情報処理結果に基づき、画面を表示するクライアントであるものとする。画像表示クライアント50は、大型ディスプレイと映像端子で接続されており、アプリケーションサーバ30から送信されてくる映像・画像を大型ディスプレイに出力する。
【0018】
コンテンツDB70は、映像コンテンツ等の各種コンテンツを記憶するデータべースサーバである。
Webサーバ60は、入力操作端末40と、コンテンツDB70、端末制御サーバ10、アプリケーションサーバ30との間のインターネット通信を制御する。本明細書においては、便宜上Webサーバと呼んでいるが、技術としてWeb技術に制約するものではないということを付け加えておく。
デバイス管理DB20は、複数の入力操作端末各々と、当該入力操作端末各々に対するユーザの入力操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な1又は複数の出力端末と、の対応関係のリストを管理するデータベースサーバである。その対応関係は、端末制御サーバ10により、アプリケーションサーバ30に引き継がれる。
【0019】
例えば、図1に示す入力操作端末40のユーザ識別子が識別子Aであり、画像表示クライアント50の識別子が識別子Bであり、入力操作端末40に対するユーザの入力操作命令に基づく情報処理結果を画像表示クライアント50に表示可能である場合、デバイス管理DB20は、識別子Aと識別子Bとを対応付けたリストを管理する。なお、識別子はユーザの通信サービス加入者番号、電話番号、メールアドレス、機種の固体番号、移動通信オペレータが払い出したSIMカード情報等を用いることができる。
【0020】
端末制御サーバ10は、デバイス管理DB20において入力操作端末と対応付けられて管理されている出力端末の中から選択された出力端末と、アプリケーションサーバ30とを通信可能に接続する。本実施形態では、端末制御サーバ10は、入力操作端末40に対するユーザの視聴端末決定入力に基づいて、入力操作端末40と対応付けられて管理されている画像表示クライアント50と、アプリケーションサーバ30とを接続するものとする。
アプリケーションサーバ30は、入力操作端末40に対するユーザの入力操作命令に基づいて情報処理を行い、当該情報処理の結果を、端末制御サーバ10により接続された画像表示クライアント50に出力する。
【0021】
図2(a)は、従来のアプリケーションサーバ300、クライアント400の機能構成図であり、図2(b)は、本発明の実施形態に係るアプリケーションサーバ30、入力操作端末40、画像表示クライアント50の機能構成図である。
従来技術では、図2(a)に示すように、1台のクライアント400が、ユーザの入力操作を送信する機能と、ユーザの入力操作命令に基づいてアプリケーションサーバ300が情報処理を行った結果を表示する機能とを備えていた。
一方、本発明の実施形態では、図2(b)に示すように、ユーザの入力操作命令を送信する入力操作送信機能43を備える入力操作端末40と、入力操作命令に基づいてアプリケーションサーバ30が情報処理を行った結果を表示する画面情報表示機能53を備える画像表示クライアント50と、が分離されている。
【0022】
アプリケーションサーバ30は、通信機能31の操作命令受信機能311で入力操作命令を受信し、入力操作解析機能33で入力操作命令の内容を解析し、関連性認識機能34で、予め端末制御サーバ10から通知されている接続情報に基づいて、入力操作端末40からの入力操作命令に基づく情報処理結果の送信先を認識する。画面情報生成機能32は、入力操作端末40からの入力操作命令に基づいて、情報処理結果としての画面情報を生成する。通信機能31の処理結果出力機能312は、送信先となる画像表示クライアント50に情報処理結果を送信する。
【0023】
図3は、端末制御サーバ10の機能構成図である。同図に示すように、端末制御サーバ10は、接続部11と出力端末選択部12とを備えている。
接続部11は、デバイス管理DB20で入力操作端末40と対応付けられて管理されている出力端末の中から入力操作端末40により選択された出力端末と、アプリケーションサーバ30とを接続する。
【0024】
接続部11は、切替機能111を備えている。切替機能111は、接続済の出力端末を、任意のタイミングで、別の出力端末に切り替えることが可能である。また、ユーザが入力操作を行う入力操作端末40を、任意のタイミングで、別の端末に切り替えることも可能である。
出力端末選択部12は、アプリケーションサーバ30による情報処理結果を出力する出力端末を入力操作端末40のユーザに選択させる選択画面を表示する。
【0025】
(処理フロー)
次に、図4〜図8に示すシーケンスチャートを参照して、本実施形態に係るシンクライアントシステムが実行する映像コンテンツ再生の処理手順の一例について説明する。図4には、大まかな処理手順を示す。
図4に示すように、まず、入力操作端末40は、コンテンツDB70から所望のコンテンツを検索する(ステップS1)。
次に、入力操作端末40は、端末制御サーバ10にアクセスし、視聴端末(出力端末)となる画像表示クライアント50を選択する(ステップS2)。
次に、端末制御サーバ10は、アプリケーションサーバ30と画像表示クライアント50とを接続する(ステップS3)。
【0026】
次に、アプリケーションサーバ30は、入力操作端末40からの入力操作命令に基づいて、コンテンツに対する操作として再生を決定し、コンテンツDB70に接続してコンテンツを画像表示クライアント50に出力する(ステップS4)。
なお、入力操作端末40が端末制御サーバ10に直接接続可能な場合には、ステップS2、S3、S1、S4の順に処理を行ってもよい。また、出力される情報がアプリケーションサーバ30で生成される場合、S1は省略される。
【0027】
次に、各ステップにおける処理手順について詳細に説明する。
(コンテンツ検索〜視聴端末選択)
次に、図5を参照して、図4のステップS1〜S2における処理手順を詳細に説明する。
まず、ユーザは、入力操作端末40を操作して、コンテンツを検索する指示を行う。これにより、入力操作端末40は、ユーザによるコンテンツ検索指示を検知し(ステップS101)、コンテンツ選択画面の表示を要求するためのHTTPリクエスト(HTTP req)をコンテンツDB70に送信する(ステップS102)。
【0028】
コンテンツDB70は、Webサーバ60経由で入力操作端末40からHTTPリクエストを受信すると、コンテンツ選択画面を表示するための情報を生成し(ステップS103)、当該情報を含むHTTPレスポンス(HTTP res)を入力操作端末40に送信する(ステップS104)。
入力操作端末40は、HTTPレスポンスをコンテンツDB70から受信すると、コンテンツ選択画面をディスプレイに表示する。ユーザは、表示されたコンテンツ選択画面を見て、所望のコンテンツを決定する入力を行う(ステップS105)。これにより、入力操作端末40は、決定されたコンテンツの情報を含むHTTPリクエストを送信する(ステップS106)。
【0029】
端末制御サーバ10は、入力操作端末40からのHTTPリクエストを受信すると、HTTPリクエストの送信元及びHTTPリクエストの内容から、入力操作端末40のユーザ識別子及びコンテンツを認識する(ステップS107)。
次に、端末制御サーバ10の出力端末選択部12は、入力操作端末40のユーザ識別子と対応付けられて管理されている出力端末の識別子をデバイス管理DB20から取得して、視聴端末選択画面を表示するための情報を生成する(ステップS201)。そして、出力端末選択部12は、当該情報を含むHTTPレスポンスを返信する(ステップS202)。
【0030】
入力操作端末40は、HTTPレスポンスを端末制御サーバ10から受信すると、視聴端末選択画面を表示する。ユーザは、表示された視聴端末選択画面を見て、視聴端末として画像表示クライアント50を決定する入力を行う(ステップS203)。入力操作端末40は、決定された視聴端末の情報を含むHTTPリクエストを送信する(ステップS204)。
端末制御サーバ10の出力端末選択部12は、入力操作端末40からのHTTPリクエストを受信すると、視聴端末として決定された画像表示クライアント50を認識する(ステップS205)。
【0031】
(アプリケーションサーバと画像表示クライアントの接続)
次に、図6を参照して、図4のステップS3において端末制御サーバ10の接続部11が行うアプリケーションサーバ30と画像表示クライアント50との接続の処理手順を詳細に説明する。ここでは、アプリケーションサーバ30と画像表示クライアント50とは、SIP(Session Initiation Protocol)に従って接続されるものとする。
【0032】
まず、端末制御サーバ10は、Invite no SDPを画像表示クライアント50に送信する(ステップS301)。画像表示クライアント50は、Invite no SDPを端末制御サーバ10から受信すると、200 offer 1を返信する(ステップS302)。
端末制御サーバ10は、200 offer 1を画像表示クライアント50から受信すると、Invite offer 1をアプリケーションサーバ30に送信する(ステップS303)。アプリケーションサーバ30はInvite offer 1を受信すると、応答としてInvite answer 1を返信する(ステップS304)。
【0033】
端末制御サーバ10は、アプリケーションサーバ30からのInvite answer 1に対する応答として、ackをアプリケーションサーバ30に送信するとともに(ステップS305)、ステップS302における画像表示クライアント50からの200 offer 1に対する応答として、Ack answer 1を画像表示クライアント50に送信する(ステップS306)。
これにより、アプリケーションサーバ30と画像表示クライアント50とが接続される(ステップS307)。
【0034】
(アプリケーションサーバとコンテンツDBの接続/再生/操作)
次に、図7を参照して、図4のステップS4における処理手順について詳細に説明する。
端末制御サーバ10は、図5のステップS204におけるHTTPリクエストに対する応答として、HTTPレスポンスを入力操作端末40に送信する(ステップS401)。
入力操作端末40はHTTPレスポンスを受信すると、入力操作送信機能43は、コンテンツの再生、停止、編集等の、コンテンツに関する操作を決定する画面を取得するためのHTTPリクエストを、アプリケーションサーバ30に送信する(ステップS402)。
【0035】
アプリケーションサーバ30は、操作一覧を表示するための情報を生成し(ステップS403)、当該情報を含むHTTPレスポンスを返信する(ステップS404)。
入力操作端末40は、アプリケーションサーバ30からのHTTPレスポンスを受信すると、操作一覧を表示する。ユーザは、操作一覧の中から、例えば再生の操作を決定する(ステップS405)。これにより、入力操作端末40の入力操作送信機能43は、決定された操作の情報を含むHTTPリクエストをアプリケーションサーバ30に送信する(ステップS406)。
【0036】
アプリケーションサーバ30は再生の命令を処理に反映した後(ステップS407)、HTTPリクエストをコンテンツDB70に送信する(ステップS408)。
これにより、コンテンツDB70とアプリケーションサーバ30とが接続され、アプリケーションサーバ30は、ユーザにより選択されたコンテンツをコンテンツDB70からダウンロードする(ステップS409)。アプリケーションサーバ30の処理結果出力機能312は、ダウンロードしたコンテンツを、ステップS4で接続された画像表示クライアント50に送信し、画像表示クライアント50にてコンテンツを再生する(ステップS410)。
【0037】
(デバイスシームレス)
次に、図8を参照して、画像表示クライアント50がコンテンツを再生している途中で、端末制御サーバ10の切替機能111が、コンテンツを再生する視聴端末をシームレスに入力操作端末40に切り替える際の処理手順について説明する。ここでは、携帯電話用インターネットプロトコルとRTP(Real-time Transport Protocol)とを同時接続し、RTPセッションのSIP制御を行うものとする。
アプリケーションサーバ30が画像表示クライアント50でコンテンツを再生しているときに(ステップS501)、ユーザは新規視聴端末を入力操作端末40に決定する入力を入力操作端末40に対して行う(ステップS502)。これにより、入力操作端末40は、決定された新規視聴端末の情報を含むHTTPリクエストを端末制御サーバ10に送信する(ステップS503)。
【0038】
端末制御サーバ10は、HTTPリクエストを端末制御サーバ10から受信すると、Invite no SDPを端末制御サーバ10に送信する(ステップS504)。入力操作端末40は、Invite no SDPを端末制御サーバ10から受信すると、200 offer 1を端末制御サーバ10に送信する(ステップS505)。
端末制御サーバ10は、200 offer 1を入力操作端末40から受信すると、Invite offer 1をアプリケーションサーバ30に送信する(ステップS506)。アプリケーションサーバ30は、Invite offer 1を端末制御サーバ10から受信すると、Invite answer 1を端末制御サーバ10に返信する(ステップS507)。
【0039】
端末制御サーバ10は、Invite answer 1をアプリケーションサーバ30から受信すると、応答としてackをアプリケーションサーバ30に返信する(ステップS508)。
さらに、端末制御サーバ10は、アプリケーションサーバ30と画像表示クライアント50との接続を解除するために、byeを画像表示クライアント50に送信する(ステップS509)。画像表示クライアント50は、byeを端末制御サーバ10から受信すると、応答としてbyeを端末制御サーバ10に送信する(ステップS510)。
【0040】
端末制御サーバ10は、byeを画像表示クライアント50から受信すると、ステップS505における端末制御サーバ10からの200 offer 1への応答として、Ack answer 1を入力操作端末40に送信する(ステップS511)。
これにより、入力操作端末40とアプリケーションサーバ30とのRTP/RTSPによるセッションが確立され、アプリケーションサーバ30は入力操作端末40にコンテンツを送信する(ステップS512)。
【0041】
最後に、端末制御サーバ10は、ステップS503におけるHTTPリクエストに対する応答として、HTTPレスポンスを入力操作端末40に送信する(ステップS513)。
このように、端末制御サーバ10は、出力端末切替の際に、Codecの違い等の端末差分を吸収して、シームレスな切り替えを行うことができる。
【0042】
以上説明したように、アプリケーションサーバ30は、入力操作端末40からの操作命令に基づく情報処理結果を、デバイス管理DB20で管理されている出力端末の中から選択されて接続された画像表示クライアント50に出力するため、ユーザが入力操作した端末とは異なる端末に、当該入力操作に基づく情報処理結果を出力することが可能となる。これにより、ユーザは、デバイスの制約を受けることなく、周りにある適切な端末で操作し、それと異なる適切な端末で視聴することが可能となる。例えば、ユーザは、入力操作を携帯電話機で行い、動画をTV画面で楽しんだり、映像編集画面をTV画面に表示して映像編集を行うことが可能となる。また、アプリケーションサーバ30が情報処理を行い、コンテンツ配信等のサービス提供を出力端末に行うため、新しいサービスを提供するためのアプリケーションをアプリケーションサーバ30に追加するだけで、入力操作端末や出力端末に新たなアプリケーションを追加することなく、ユーザはサービスの利用が可能になる。
【0043】
また、任意のタイミングで、出力端末を異なるCodecを持つ端末に切り替えることも可能となる。なお、この場合、出力端末で映像再生のために用いる画面表示アプリケーションソフトウェアとして、圧縮された動画ファイルをデコード可能であるもの(いわゆるメディアPlayer)を用いることも可能である。
なお、上述した実施形態では、シンクライアントシステムは複数の装置で構成されているとして説明したが、これに限定されることはなく、これらの装置の機能を備えた1つの装置でシンクライアントシステムが構成されていてもよい。また、上述した実施形態では、アプリケーションサーバ30による情報処理結果の一例として、コンテンツDB70から取得された映像コンテンツについて説明したが、これに限定されることはなく、テキストデータ、漫画等の画像データ、音響データ、Web画面、映像編集画面の出力等、様々な情報処理結果が考えられる。また、本発明のシンクライアントシステムは、映像の視聴のみならず、出張先でのプレゼンテーションや、店頭での販売促進等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係るシンクライアントシステムの全体構成図である。
【図2】(a)は、従来のアプリケーションサーバ、クライアントの機能構成図であり、(b)は、本発明の実施形態に係るアプリケーションサーバ、入力操作端末、画像表示クライアントの機能構成図である。
【図3】同実施形態に係る端末制御サーバの機能構成図である。
【図4】同実施形態に係るシンクライアントシステムが実行する主な処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図5】図4のステップS1〜S2における詳細な処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図6】図4のステップS3における詳細な処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図7】図4のステップS4における詳細な処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図8】同実施形態に係る端末制御サーバの切替機能が、視聴端末を切り替える際の処理手順を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0045】
10 端末制御サーバ
11 接続部
111 切替機能
12 出力端末選択部
20 デバイス管理DB
30 アプリケーションサーバ
31 通信機能
311 操作命令受信機能
312 処理結果出力機能
32 画面情報生成機能
33 入力操作解析機能
34 関連性認識機能
40 入力操作端末
43 入力操作送信機能
50 画像表示クライアント
53 画面情報表示機能
60 Webサーバ
70 コンテンツDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理を行い、該情報処理結果を出力する処理結果出力手段を含むシンクライアントシステムであって、
前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末を管理するデバイス管理手段と、
前記デバイス管理手段で管理されている出力端末の中から選択された出力端末と前記処理結果出力手段とを通信可能に接続する接続手段とを備え、
前記処理結果出力手段は、
前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を、前記接続手段で接続された出力端末に出力することを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項2】
前記接続手段は、接続済の出力端末から別の出力端末に接続を切り替える切替機能を備えたことを特徴とする請求項2に記載のシンクライアントシステム。
【請求項3】
入力操作端末からの操作命令を受信する操作命令受信手段と、
前記操作命令受信手段により受信した操作命令に基づく情報処理結果を、前記入力操作端末とは別の出力端末に出力する処理結果出力手段と
を備えたことを特徴とするアプリケーションサーバ。
【請求項4】
前記別の出力端末は、前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末として予め管理されている複数の出力端末の中から前記入力操作端末によって選択されたものであることを特徴とする請求項3に記載のアプリケーションサーバ。
【請求項5】
入力操作端末と、該入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末と、の対応関係を管理するデバイス管理手段を備えたことを特徴とするデバイス管理装置。
【請求項6】
入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末の中から選択された出力端末と、該出力端末への前記情報処理結果の出力を制御するアプリケーションサーバと、を接続する接続手段を備えたことを特徴とする端末制御サーバ。
【請求項7】
前記情報処理結果を出力する出力端末を前記入力操作端末のユーザに選択させる画面を表示する出力端末選択手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の端末制御サーバ。
【請求項8】
入力操作端末へのユーザ操作に基づき情報処理を行い、該情報処理結果を出力するアプリケーションサーバを含むシンクライアントシステムが行う通信方法であって、
デバイス管理装置が、前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を出力可能な出力端末を管理するデバイス管理ステップと、
端末制御サーバが、前記デバイス管理装置で管理されている出力端末の中から選択された出力端末と、前記アプリケーションサーバとを接続する接続ステップと、
前記アプリケーションサーバが、前記入力操作端末からの操作命令に基づく情報処理結果を、前記端末制御サーバにより接続された出力端末に出力する処理結果出力ステップと
を備えたことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−33477(P2010−33477A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197234(P2008−197234)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】