シンクライアントシステム及びサーバ管理装置
【課題】マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上を実現する。
【解決手段】シンクライアントシステム1は、シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置3―1,3―2,3―3とサーバ管理装置7とクライアント装置5とを有する。各サーバ装置3―1,3―2,3―3は、自装置の画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する資源情報をサーバ管理装置7に送信する。サーバ管理装置7は、送信された資源情報を記憶する。クライアント装置5は、ユーザからの指示に従って、資源情報の送信要求をサーバ管理装置7に送信する。サーバ管理装置7は、送信要求を受けて資源情報をクライアント装置5に送信する。クライアント装置5は、送信された資源情報を表示する。
【解決手段】シンクライアントシステム1は、シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置3―1,3―2,3―3とサーバ管理装置7とクライアント装置5とを有する。各サーバ装置3―1,3―2,3―3は、自装置の画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する資源情報をサーバ管理装置7に送信する。サーバ管理装置7は、送信された資源情報を記憶する。クライアント装置5は、ユーザからの指示に従って、資源情報の送信要求をサーバ管理装置7に送信する。サーバ管理装置7は、送信要求を受けて資源情報をクライアント装置5に送信する。クライアント装置5は、送信された資源情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアント環境下において、マルチモニタ対応の医療業務アプリケーションを実行するシンクライアントシステム及びサーバ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シンクライアントシステムと呼ばれるコンピュータネットワークシステムが構築されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。シンクライアントシステムは、ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置(シンクライアント)とを有する。サーバ装置は、複数のアプリケーションを管理する。クライアント装置は、ネットワークを介してサーバ装置を遠隔操作してサーバ装置に所望のアプリケーションを実行させ、実行結果をクライアント装置のモニタに表示する。
【0003】
医療業務に関するアプリケーションの1つとして、マルチモニタ対応のアプリケーションがある。マルチモニタ対応のアプリケーションは、複数のモニタを使用することを前提として画面デザインや動作設計がなされている。つまりマルチモニタ対応のアプリケーションが要求するハードウェア資源にサーバ装置のハードウェア資源が適合していなければならない。
【0004】
シンクライアント環境下では、マルチモニタ対応のアプリケーションが要求するハードウェア資源に適合しないハードウェア資源を有するサーバ装置で当該アプリケーションが実行されてしまう場合がある。この場合、当該アプリケーションは、正しく動作されない。従って、ユーザは、ハードウェア資源の知識を有していなければならない。ハードウェア資源の知識がないユーザは、シンクライアント環境下において当該アプリケーションを実行する際に大変な困難を強いられている。このように、シンクライアント環境下におけるマルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上が望まれている。
【特許文献1】特開2005―221664号公報
【特許文献2】特開2004―28477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上を実現するシンクライアントシステム及びサーバ管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面に係るシンクライアントシステムは、シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置とサーバ管理装置とクライアント装置とを具備するシンクライアントシステムであって、前記サーバ管理装置は、前記複数のサーバ装置のそれぞれに関する画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する資源情報を記憶し、前記クライアント装置は、ユーザからの指示に従って、前記資源情報の送信要求を前記サーバ管理装置に送信し、前記サーバ管理装置は、前記送信された送信要求を受けて前記資源情報を前記クライアント装置に送信し、前記クライアント装置は、前記送信された資源情報を受信し、前記受信された資源情報を表示する、ことを特徴とすることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2局面に係るシンクライアントシステムは、シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置とサーバ管理装置とクライアント装置とを具備するシンクライアントシステムであって、前記サーバ管理装置は、前記複数のサーバ装置のそれぞれに関する画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する第1資源情報を記憶し、前記クライアント装置は、医療業務に係わるマルチモニタ対応のアプリケーションを選択し、前記選択されたアプリケーションに関するアプリ情報を前記サーバ管理装置に送信し、前記サーバ管理装置は、前記送信されたアプリ情報を受信し、前記受信されたアプリ情報に対応するアプリケーションを実行するために必要な画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する第2資源情報と前記第1資源情報との一致度を前記複数のサーバ装置のそれぞれについて算出し、少なくとも前記算出された一致度のうちの所定値よりも大きい一致度に対応する第1資源情報を前記クライアント装置に送信し、前記クライアント装置は、前記送信された第1資源情報を受信し、前記受信された第1資源情報を表示する、ことを特徴とすることを特徴とする。
【0008】
本発明の第3局面に係るサーバ管理装置は、クライアント装置とネットワークを介して接続された複数のサーバ装置に関する情報を管理するサーバ管理装置であって、前記複数のサーバ装置のハードウェア構成に関する資源情報を記憶する記憶手段と、前記クライアント装置からの前記資源情報の要求に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記資源情報又は前記資源情報の検索結果に関する情報を、前記クライアント装置に送信する送信手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係わるシンクライアントシステム及びサーバ管理装置を説明する。
【0011】
(構成)
図1は、医療業務に係わるシンクライアントシステム1の構成を示す図である。図1に示すように、シンクライアントシステム1は、シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された少なくとも一台のサーバ装置3、クライアント装置5、及びサーバ管理装置7を有する。図1においてサーバ装置3は、第1サーバ装置3―1、第2サーバ装置3―2、及び第3サーバ装置3―3の3台であるが、1台以上であれば何台であっても構わない。以下、説明の簡単のため、サーバ装置について言及する場合は、第1サーバ装置3―1、第2サーバ装置3―2、及び第3サーバ装置3―3を区別せずにまとめてサーバ装置3と呼ぶことにする。また、図1においてクライアント装置5は、一台のみ示されているがネットワークに接続されているクライアント装置は複数台であっても構わない。ネットワークは、例えば、TCP/IPをもとにEthernet(登録商標)等の規格に準拠して構築される。
【0012】
サーバ装置3は、医療業務に関するマルチモニタ対応の複数のアプリケーションを集中管理するシンクライアント用のサーバコンピュータである。図2は、サーバ装置3のハードウェア構成を示す図である。図2に示すように、サーバ装置3は、制御部31を中枢として、記憶部33、表示部35、及び通信部37を有する。
【0013】
記憶部33は、制御部31が直接データを読み書きするメモリ等の主記憶装置と、外部記録媒体としてのHDD(hard disk drive)やSDD(super density disk)等の補助記憶装置を有する。記憶部33は、OS(operating system:基本ソフトウェア)プログラムや、医療業務に関するマルチモニタ対応の複数のアプリケーション(以下、業務アプリと呼ぶことにする)のプログラム、シンクライアント用サーバアプリケーション(以下、サーバアプリと呼ぶことにする)のプログラム、ハードウェア資源送信アプリケーション(以下、資源情報送信アプリと呼ぶことにする)のプログラムを記憶する。また、記憶部33は、クライアント装置5やサーバ管理装置7のネットワーク上のホスト名、IPアドレス、接続ポート等の通信設定に関する情報を通信設定ファイルとして記憶している。
【0014】
OSとしては、ウィンドウズ(登録商標)、リナックス(登録商標)、ユニックス(登録商標)等の既存のOSが本実施形態に適用可能である。
【0015】
業務アプリは、上述のように、マルチモニタ対応のアプリケーションである。マルチモニタ対応のアプリケーションは、モニタの制御方法に関し、大別して2つに分けられる。1つ目は、複数のモニタの画面を仮想的に1つの画面とみなし、1つのモニタとして用いる方法である。2つ目は、複数のモニタを独立して用いる方法である。本実施形態に係わる業務アプリは、どちらの方法でも適用可能である。業務アプリとしては、画像処理(2次元画像処理や3次元画像処理)のためのアプリケーションやPACS(画像管理)のためのアプリケーション、電子カルテ作成のためのアプリケーション、レポート作成のためのアプリケーション等の医療業務に係わるあらゆるアプリケーションが適用可能である。
【0016】
業務アプリの種類に応じて最適なハードウェア資源がある。ハードウェア資源とは、画面解像度、画面色数(階調数)、モニタの接続台数、モニタタイプ、モニタの制御方法、画像処理用のハードウェア処理能力(例えば、DSP(digital signal processor)の有無)、OS情報等である。業務アプリは、最適なハードウェア資源に合わせて動作設計されている。従って、互いに異なる種類の業務アプリは、サーバ装置3に要求するハードウェア資源が異なる。
【0017】
サーバアプリは、クライアント装置5と画面共有するためのアプリケーションである。サーバアプリとしては、マイクロソフト社のRemote-Desktopや、シマンテック社のPCAnyWhere等の既存のどのシンクライアント用のサーバアプリケーションでも可能である。
【0018】
資源情報送信アプリは、例えば、OSの常駐プログラムとして実装される。常駐プログラムは、コンピュータの起動と同時に起動されるプログラムである。常駐プログラムは、ウィンドウズ(登録商標)ではサービスと呼ばれ、リナックス(登録商標)やユニックス(登録商標)ではデーモンと呼ばれている。資源情報送信アプリは、サーバ管理装置7に自装置のハードウェア資源に関する情報(以下、資源情報と呼ぶことにする)のデータを送信するためのアプリケーションである。
【0019】
表示部35は、少なくとも1つのビデオカードと少なくとも1以上のモニタとを有する。ビデオカードは、複数且つ高精度のモニタをサポートするための専用ビデオカード(グラフィックボード、グラフィックスボード、グラフィックカード、グラフィックスカード)である。ビデオカードの枚数は、ビデオカードがサポートするモニタの数や表示部35が有するモニタの数に応じて決定される。例えば、1枚のビデオカードが2つのモニタを接続可能であり、全部で4台のモニタを接続するためには、2枚のビデオカードを有さなければならない。モニタとしては、例えばCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスが適宜利用可能である。医用業務に用いられるモニタとしては、横長型(ランドスケールタイプ)や縦長型(ポートレートタイプ)、標準型等のモニタタイプがある。医用業務に用いられる画面解像度としては、7M(3072×2304)や5M(2592×1944)、4M(2304×1728)、3M(2048×1536)、2M(1600×1200)等の高解像度が要求されている。
【0020】
なお、後述するように、サーバ装置3で起動される業務アプリの表示画面はクライアント装置5のモニタに表示されるので、サーバ装置3は、モニタを有さなくてもよい。
【0021】
通信部37は、ネットワークを介してクライアント装置5やサーバ管理装置7とネットワーク通信するためのネットワークデバイスを有する。通信部37は、制御部31の制御の元にネットワークを介してクライアント装置5とサーバ管理装置7と種々のデータを送受信する。通信時において通信部37は、通信相手に関する通信設定ファイルを記憶部33から読み出して、通信相手とネットワークを介して通信する。
【0022】
制御部31は、サーバ装置3の中枢として機能するCPU(central processor unit)である。制御部31は、ユーザのログオンを契機として記憶部33に記憶されているOSを展開して、サーバ装置3の各部を制御する。また、制御部31は、ユーザのログオンを契機として記憶部33に記憶されている資源情報送信アプリを展開して、通信部37に資源情報をサーバ管理装置7に送信させる。制御部31は、OS展開中において、ユーザからのクライアント装置5を介した指示を受けて、記憶部33に記憶されているサーバアプリを展開して、クライアント装置5と表示画面を共有する。サーバアプリの展開中において、制御部31は、ユーザからのクライアント装置5を介した指示を受けて、記憶部33に記憶されている業務アプリを展開して、業務アプリを実行する。業務アプリの実行中の表示画面のデータは、通信部37によりネットワークを介してクライアント装置5に供給される。また、制御部31は、通信部37を介してクライアント装置5からの入力信号を入力する。
【0023】
クライアント装置5は、サーバ装置3に比して小規模のハードウェア資源を有するコンピュータ(シンクライアント)である。クライアント装置5は、ネットワークを介して複数のサーバ装置(3―1,3―2,3―3)のうちの特定のサーバ装置(例えば、3―1)を遠隔操作して、所望の業務アプリを実行する。図3は、クライアント装置5のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、クライアント装置5は、制御部51を中枢として、記憶部53、表示部55、操作部57、及び通信部59を有する。
【0024】
記憶部53は、OSプログラムや、シンクライアント用クライアントアプリケーション(以下、クライアントアプリと呼ぶことにする)のプログラム、サーバ装置3の資源情報等を表示するためのアプリケーション(以下、表示アプリと呼ぶことにする)のプログラム、サーバ装置3を予約するためのアプリケーション(以下、予約アプリと呼ぶことにする)のプログラムを記憶する。また、記憶部53は、サーバ装置3やサーバ管理装置7のネットワーク上のホスト名、IPアドレス、接続ポート等の通信設定に関する情報を通信設定ファイルとして記憶している。
【0025】
クライアントアプリは、サーバ装置3と画面共有するためのアプリケーションである。クライアントアプリとしては、サーバアプリに対応するマイクロソフト社のRemote-Desktopや、シマンテック社のPCAnyWhere等の既存のどのアプリケーションでも可能である。
【0026】
表示アプリは、サーバ管理装置7から、ネットワークに接続されているサーバ装置3の資源情報を取得し、表示部55のモニタに表示するためのアプリケーションである。この際、オプション機能として、サーバ装置3のハードウェア資源と所望の業務アプリが要求するハードウェア資源との一致度を表示してもよい。
【0027】
予約アプリは、所望のサーバ装置3の予約をサーバ管理装置7に登録するためのアプリケーションである。
【0028】
表示部55は、少なくとも1つのビデオカードと少なくとも1以上のモニタとを表示する。ビデオカードは、複数且つ高精度のモニタをサポートするための専用ビデオカードである。ビデオカードの枚数は、ビデオカードがサポートするモニタの数や表示部55が有するモニタの数に応じて決定される。なお、クライアント装置5のモニタの画面解像度がサーバ装置3のモニタの画面解像度よりも小さい場合、スクロールバーの付いたウィンドウが起動され、操作部57を介してスクロールバーをスライドさせることで、表示画面全体を表示させることが可能である。クライアント装置5のモニタの画面色数(例えば、グレイレベル)がサーバ装置3から送信される表示画像の画面色数よりも少ない場合、表示画像の画面色数を削減して表示する。例えば、クライアント装置5のモニタのグレイレベルが8ビット、サーバ装置3から送信される表示画像のグレイレベルが2048ビットの場合、表示画像のグレイレベルを8ビット以下に削減して表示する。
【0029】
操作部57は、ユーザからの各種指令や情報入力を受け付ける。操作部57としては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスが適宜利用可能である。
【0030】
通信部59は、ネットワークデバイスを有し、制御部51の制御のもとネットワークを介してサーバ装置やサーバ管理装置と種々のデータを送受信する。
【0031】
制御部51は、クライアント装置5の中枢として機能するCPUを有する。制御部51は、記憶部53に記憶されているOSを展開して、クライアント装置5の各部を制御する。制御部51は、OS展開中において、ユーザからの操作部57を介した指示を受けて、記憶部53に記憶されているクライアントアプリを展開して、サーバ装置3と表示画面を共有する。クライアントアプリの展開中において、制御部51は、サーバ装置3からの表示画面のデータを受けて、表示画面を表示部55に表示させる。また、制御部51は、OS展開中において、ユーザからの操作部57を介して指示を受けて、記憶部53に記憶されている表示アプリを展開して、表示アプリを実行する。また、制御部51は、OS展開中において、ユーザからの操作部57を介して指示を受けて、記憶部53に記憶されている予約アプリを展開して、予約アプリを実行する。
【0032】
サーバ管理装置7は、ネットワークに接続されているサーバ装置3を管理する。図4は、サーバ管理装置7のハードウェア構成を示す図である。図4に示すようにサーバ管理装置7は、制御部71を中枢として、記憶部73、表示部75、及び通信部77を有する。
【0033】
記憶部73は、OSプログラムを記憶する。また、記憶部73は、各サーバ装置3から送信されるハードウェア資源に関する資源情報をサーバ装置3の識別情報に関連付けて記憶する。サーバ装置3の識別情報は、例えば、サーバ名やIPアドレス等のサーバ装置3を一意に特定可能な情報である。また、記憶部73は、クライアント装置からの予約情報を記憶する。予約情報については後述する。また、記憶部73は、サーバ装置3やクライアント装置5のネットワーク上のホスト名、IPアドレス、接続ポート等の通信設定に関する情報を通信設定ファイルとして記憶している。
【0034】
表示部75は、少なくとも1つのビデオカードと少なくとも1以上のモニタとを表示する。なお、表示部75は、モニタを有さなくともよい。
【0035】
通信部77は、ネットワークデバイスを有し、ネットワークを介してサーバ装置3やクライアント装置5と種々のデータを送受信する。
【0036】
制御部71は、サーバ管理装置7の中枢として機能するCPUを有する。制御部71は、記憶部73に記憶されているOSプログラムを展開して、サーバ管理装置7の各部を制御する。
【0037】
上記構成を有するシンクライアントシステム1は、サーバ装置3とクライアント装置5とサーバ管理装置7との連携により、サーバ装置3のハードウェア資源に関する資源情報をクライアント装置5のモニタに表示させるハードウェア資源表示処理を行なう。また、シンクライアントシステム1は、サーバ装置3とクライアント装置5とサーバ管理装置7との連携により、所望のハードウェア資源を有するサーバ装置3を予約するサーバ予約処理を行なう。以下、ハードウェア資源表示処理とサーバ予約処理とについての詳細をそれぞれ説明する。
【0038】
(ハードウェア資源表示処理)
ハードウェア資源表示処理は、資源情報送信・記憶処理と資源情報表示・サーバアクセス処理とに分けられる。資源情報送信・記憶処理は、サーバ管理装置7がサーバ装置3から送信される資源情報を記憶する処理である。資源情報表示・サーバアクセス処理は、クライアント装置5がサーバ管理装置7から資源情報を取得して表示し、所望の業務アプリを実行するためにクライアント装置5が所望のサーバ装置3にアクセスする処理である。
【0039】
図5は、資源情報送信・記憶処理の典型的な流れを示す図である。この資源情報送信・記憶処理は、ネットワークに接続されている各サーバ装置3により個別に行なわれる。
【0040】
ユーザ等によりOSが起動されると、サーバ装置3は、資源情報送信アプリを起動する(ステップSA1)。資源情報送信アプリの起動中、サーバ装置3は、自装置に関する資源情報を定期的にサーバ管理装置7に送信する(ステップSA2)。この際、サーバ装置3は、シンクライアント用のライセンス数もサーバ管理装置7へ送信してもよい。ライセンス数とは、サーバにネットワーク経由で同時接続できる最大ユーザ数である。さらに、サーバ装置3は、定期的にユーザの使用状況を確認してサーバ管理装置7に送信してもよい。使用状況とは、例えば、サーバ装置3が空いているか否かを示す情報や、使用しているユーザの人数、使用しているユーザの識別情報、CPUの稼働率等である。具体的には、サーバ装置3は、ウィンドウズ(登録商標)OSの場合、nbtstatコマンドを用いて、自装置にログオンしているユーザの人数や識別情報をサーバ管理装置7に送信する。またサーバ装置3は、監査ポリシーにユーザのログオン・ログオフのイベントを出力するように設定しておき、このイベントを定期的にチェックすることでログインしているユーザの人数や識別情報を取得したりする。なお、ユーザの識別情報は、例えば、ユーザ名やユーザID等のユーザを一意に特定できる情報である。また、サーバ管理装置7は、サーバ装置3に問合わせ(NtQuerySysteminformation)を行い、CPUの稼働率に関する情報を取得する。
【0041】
サーバ管理装置7は、サーバ装置3から送信された資源情報や、ライセンス数、使用状況等を記憶する(ステップSA3)。この際、資源情報等は、送信元のサーバ装置3の識別情報に関連付けられて記憶される。
【0042】
以上で資源情報送信・記憶処理が終了する。
【0043】
次に、資源情報表示・サーバアクセス処理について説明する。資源情報表示・サーバアクセス処理は、単にサーバ装置毎に資源情報を表示するもの(第1の資源情報表示・サーバアクセス処理)と、所望の業務アプリが要求するハードウェア資源と各サーバ装置が有するハードウェア資源との一致度が高い順に資源情報を表示するもの(第2の資源情報表示・サーバアクセス処理)とがある。
【0044】
図6は、第1の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れを示す図である。まず、ユーザは、ユーザ認証のため、ユーザ名やパスワード等のユーザ識別情報を入力する。ユーザ識別情報の入力を受けるとクライアント装置5は、ユーザのログオンを許可する(ステップSB1)。ログオンは、OSが提供するユーザ認証により行なわれる。ログオンの許可後、ユーザは、クライアント装置5上で資源情報の表示アプリの起動を要求する。表示アプリの起動要求を受けるとクライアント装置5は、記憶部53に記憶されている表示アプリのプログラムを展開して表示アプリを起動する(ステップSB2)。表示アプリの起動後、クライアント装置5は、サーバ管理装置7に資源情報の送信を要求する。送信の要求を受信するとサーバ管理装置7は、ネットワーク上に接続されているサーバ装置3の資源情報等(資源情報、ライセンス数、使用状況)のデータを読み出して、クライアント装置5に送信する(ステップSB3)。資源情報を受信するとクライアント装置5は、受信された資源情報等の一覧をクライアント装置5の表示部55のモニタに表示する(ステップSB4)。
【0045】
図7は、資源情報等の一覧の表示例を示す図である。図7に示すように、資源情報等は、「サーバ情報」というタイトルを有するウィンドウW1に表示される。ウィンドウW1には、ネットワーク上に接続されているサーバ装置3のアイコンI1が含まれている。アイコンI1には、そのアイコンI1に対応するサーバ装置3が空いていることを示す「vacant」の文字列M1や、空いてないことを示す「occupied」の文字列M2が重ねて表示される。空いているか否かは、サーバ管理装置7からの使用状況により特定される。各アイコンI1の下には、資源情報等が表形式で表示される。図7の表示レイアウトでは、資源情報等として、サーバ名、モニタ数、モニタタイプが表示されている。これら以外にも、ライセンス数や、現在のログオンユーザ数、OS情報、画面解像度、画面階調数、画像処理ハードウェア有無、CPU稼働率等を表示してもよい。このように、資源情報等を表示することで、ユーザは、目的の業務アプリを実行可能なハードウェア資源を有するサーバ装置3を特定することが可能となる。
【0046】
なお、資源情報等の表示例は、図7の例に限定されない。例えば、図8に示すように、サーバ装置3が空いているか否かと資源情報とを表形式で表示するウィンドウW2を表示してもよい。
【0047】
図6に戻り、第1の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れの続きを説明する。ステップSB4において資源情報等が表示されると、クライアント装置5は、操作部57を介してユーザが所望の業務アプリを実行するのに好適なサーバ装置3を選択することを待機している。(ステップSB5)。例えば、ユーザが図7の所望のアイコンI1をマウスでダブルクリックすることにより、クリックされたアイコンI1に対応するサーバ装置3が選択される。
【0048】
所望のサーバ装置3が選択されると、クライアント装置5は、選択されたサーバ装置3に対応するクライアントアプリを起動する(ステップSB6)。具体的には、クライアント装置5は、選択されたサーバ装置3のIPアドレスや、ユーザの識別情報、ユーザのパスワードを引数として、クライアントアプリを起動する。
【0049】
クライアントアプリ起動後、クライアント装置5は、選択されたサーバ装置3にサーバアプリの起動要求を送信する。サーバアプリの起動要求を受けたサーバ装置3は、サーバアプリを起動する(ステップSB7)。サーバアプリ起動後、サーバ装置3は、サーバ装置3のログオン画面のデータをクライアント装置5に送信する。
【0050】
ログオン画面のデータを受信すると、クライアント装置5は、このログオン画面を表示部55のモニタに表示する(ステップSB8)。ログオン画面が表示されるとユーザは、操作部57を介してログオン画面上にユーザ認証のためのユーザ識別情報を入力する。クライアント装置5は、入力されたユーザ認証情報をサーバ装置3に送信する。
【0051】
サーバ装置3は、送信されたユーザ認証情報を引数として、ユーザ認証する(ステップSB9)。ユーザ認証に成功すると、サーバ装置3は、クライアント装置5にログオン通知をする。なおユーザ認証の際、サーバ装置3は、ユーザのログオン時に同一ユーザが既に同一サーバ装置3にログオンしているか否かを判定する。同一ユーザがログオンしていないと判定した場合には、サーバ装置3は、当該ユーザのログオンを許可する。同一ユーザが既にログオンしていると判定した場合には、サーバ装置3は、当該ユーザを自動的にログオフさせる。これにより、同一ユーザがサーバ装置3のハードウェア資源を独占することを防止できる。この判定処理は、例えば、同一ユーザ判定用アプリケーションにより実行される。この同一ユーザ判定用アプリケーションは、OS起動時に自動的に起動されるように設定されているとよい。具体的には、同一ユーザ判定用アプリケーションをスタートアップに登録しておくことで、OS起動時に同一ユーザ判定処理を実行することができる。
【0052】
ログオン通知がなされるとクライアント装置5は、所望の業務アプリの起動要求をサーバ装置に送信する。業務アプリの起動要求を受けるとサーバ装置5は、起動要求された業務アプリのプログラムを展開して、業務アプリを起動する(ステップSB10)。業務アプリが起動されるとサーバ装置3は、クライアント装置5からの指示に従って業務アプリを実行する。表示画面のデータは、サーバ装置3からクライアント装置5へリアルタイムに送信され、表示部55のモニタに表示される。
【0053】
以上で第1の資源情報表示・サーバアクセス処理が終了する。
【0054】
その後、業務アプリを使用し終わるとユーザは、サーバアプリの終了要求をする。ユーザにより操作部57を介してサーバアプリの終了要求がなされると、クライアント装置5は、クライアント5は、サーバアプリの終了要求をサーバ装置3に送信する。サーバアプリの終了要求を受信すると、サーバ装置3は、ユーザをログオフして、サーバアプリを終了する。
【0055】
サーバアプリと同時にクライアントアプリを終了させることも可能である。まず、クライアントアプリを終了する。まず、ユーザにより操作部57を介してサーバアプリの終了要求がなされると、クライアント装置5は、クライアントアプリを終了する。これと同時にクライアント装置5は、サーバアプリの終了要求をサーバ装置3に送信する。サーバアプリの終了要求を受信すると、サーバ装置3は、ユーザをログオフして、サーバアプリを終了する。
【0056】
次に第2の資源情報表示・サーバアクセス処理について説明する。図9は、第2の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れを示す図である。まず、ユーザは、ユーザ認証のため、ユーザ名やパスワード等のユーザ識別情報を入力する。ユーザ識別情報の入力を受けるとクライアント装置5は、ユーザのログオンを許可する(ステップSC1)。ログオン許可後、ログオンの許可後、ユーザは、クライアント装置5上で資源情報の表示アプリの起動を要求する。表示アプリの起動要求を受けるとクライアント装置5は、記憶部53に記憶されている表示アプリのプログラムを展開して表示アプリを起動する(ステップSC2)。
【0057】
表示アプリの起動後、クライアント装置5は、業務アプリの選択画面を表示部55に表示し、ユーザにより操作部57を介して業務アプリが選択されることを待機している(ステップSC3)。選択画面には、例えば、CT(X線コンピュータ断層撮影装置)、UL(超音波診断装置)、XR(X線診断装置)、MR(磁気共鳴イメージング装置)、PET(陽電子放出コンピュータ断層撮影装置)などの画像の種類(すなわち、画像発生源であるモダリティ)を選択するための画像種選択画面がある。画面解像度は、画像の種類によって概ね決定される。例えば、XRでは1760×1760×10ビットであり、MRでは512×512×16ビットである。
【0058】
また、選択画面には、例えば、2次元画像処理、3次元画像処理、画像参照、画像読影、レポート作成、電子カルテ作成等の業務目的を選択するための業務目的選択画面がある。2次元画像処理としては、例えば、フィルミングやファイリング等が選択可能である。3次元画像処理としては、例えば、ボリュームレンダリングや画素値投影法が選択可能である。2次元画像処理であれば、全画面分のスペースが要求され、3次元画像処理であれば、基本的には4コマ(全画面の4分の1)分程度のスペースが要求される。選択された業務アプリに関する業務アプリ情報(業務アプリを識別するための情報。ここでは、画像種を識別するための情報と業務目的を識別するための情報)は、クライアント装置5によりサーバ管理装置7に送信される。
【0059】
なお、上記方法では、処理対象の画像種と業務目的とを選択することで、業務アプリが選択されるとした。しかしながら本実施形態は、これに限定する必要はない。例えば、業務アプリを直接選択するとしてもよい。
【0060】
業務アプリを示す業務アプリ情報が選択されると、サーバ管理装置7は、選択された業務アプリを正しく動作させるために必要なハードウェア資源を決定する(ステップSC4)。すなわち、サーバ管理装置7は、選択された業務アプリ示すコードを入力とし、その業務アプリに必要なハードウェア資源に関する資源情報を出力とするテーブルを記憶部73に記憶している。テーブルの一例としては、画像種を示すコードを入力として、画面解像度やモニタ数、モニタタイプ、モニタの制御方法を示すコードを出力するテーブルである。
【0061】
次にサーバ管理装置7は、決定されたハードウェア資源と各サーバ装置との一致度を算出する(ステップSC5)。以下、一致度の算出処理の具体例を説明する。サーバ管理装置7は、記憶部73に記憶されている各サーバ装置3の資源情報を参照することにより、現在接続されているサーバ装置3の中から、決定された画面解像度以上の画面解像度を有するサーバ装置3を特定する。必要な画面解像度を有するサーバ装置3には、必要な画面解像度を有さないサーバ装置3よりも高い点数が加点される。例えば、必要な画面解像度を有するサーバ装置3には10点を、必要な画面解像度を有さないサーバ装置3には0点が加点される。また、サーバ管理装置7は、画像処理種に応じて加点する。例えば、3次元画像処理が選択された場合、ハードウェアがついている場合には、そのサーバ装置3に加点する。そのサーバ装置3のユーザ数と最大ユーザ数との差に応じてサーバ装置3に加点する。例えば、最大ユーザ数が所定値よりも大きく、且つ現在のログオンユーザ数が最大ユーザ数よりも少ない場合、そのサーバ装置3には最高点(例えば、10点)が加点される。そして、そのサーバ装置3のCPU稼働率に応じて、サーバ装置3に加点する。例えば、CPU稼働率が所定値以下の場合、そのサーバ装置3に最高点(10点)を加点する。CPU稼働率が所定値よりも大きければ大きいほど、最高点よりも小さい点数を加点する。全ての項目について検討されると、合計点数をサーバ装置3ごとに算出する。
【0062】
一致度が算出されるとサーバ管理装置7は、クライアント装置5に一致度情報と資源情報とを送信する(ステップSC6)。一致度情報と資源情報とを受信するとクライアント装置5は、資源情報を一致度の大きい順に一覧で表示する(ステップSC7)。
【0063】
図10は、資源情報の一覧の表示例を示す図である。図10に示すように、「サーバ情報」というタイトルを有するウィンドウW3が表示される。ウィンドウW3には、ネットワーク上に接続されているサーバ装置3のアイコンI2が表示されている。例えば、一致度の高いサーバ装置3に対応するアイコンI2を左側に表示する。各アイコンI2には、ステップSC3において選択された業務アプリが要求するハードウェア資源を有することを示す「operable」の文字列M3や、有さないことを示す「NG」の文字列M4が重ねて表示される。ハードウェア資源を有するか否かは、例えば、一致度が所定値以上か否かで決定される。
【0064】
なお、資源情報の表示例は、図10の例に限定されない。例えば、図11に示すように、ハードウェア資源を有するか否かと資源情報とを表形式で表わすウィンドウW4を表示してもよい。また、一致度を表示してもよい。
【0065】
なおステップSC6においてサーバ管理装置7は、ステップSC5で算出された全ての一致度情報のうちの一部分のみをクライアント装置5に送信してもよい。例えば、予め設定された所定値よりも大きい一致度のみがクライアント装置5に送信されてもよい。この場合、この所定値よりも大きい一致度に対応する資源情報のみがクライアント装置5に送信されるとよい。
【0066】
またステップSC6においてサーバ管理装置7は、ステップSC5で算出された全ての一致度情報をクライアント装置5に送信しなくともよい。この場合、例えば、予め設定された所定値よりも大きい一致度に対応する資源情報のみがクライアント装置5に送信されるとよい。すなわち、業務アプリを選択することで、ネットワークに接続されているサーバ装置3のうち、選択された業務アプリを正常に動作できるサーバ装置3を自動検索することもできるのである。
【0067】
資源情報の一覧が表示されると、ユーザは、操作部57を介して、目的の業務アプリを実行するのに好適なサーバ装置3を選択する(ステップSC8)。例えば、ユーザにより、図10のアイコンI2をマウスでダブルクリックすることにより、サーバ装置3が選択される。
【0068】
ステップSC8以後の処理(ステップSC9〜ステップSC13)の流れは、図6のステップSB5以後の処理(ステップSB6〜ステップSB10)と同様なので説明を省略する。
【0069】
なお、第2の資源情報表示・サーバアクセス処理の流れは、図9に記載の流れに限定されない。例えば、ステップSC8において所望のサーバ装置8がユーザにより選択されるとしたが、一致度の最も高いサーバ装置3を自動的に選択するとしてもよい。この際、ステップSC7とステップSC8とは省略可能である。
【0070】
(サーバ装置予約処理)
図12は、サーバ装置予約処理の典型的な流れを示す図である。まず、ユーザは、ユーザ認証のため、ユーザ名やパスワード等のユーザ識別情報を入力する。ユーザ識別情報の入力を受けるとクライアント装置5は、ユーザのログオンを許可する(ステップSD1)。ログオンの許可後、クライアント装置5は、記憶部53に記憶されている予約アプリのプログラムを展開して予約アプリを起動する(ステップSD2)。予約アプリの起動後、クライアント装置5は、サーバ管理装置7に資源情報の送信を要求する。送信の要求を受信するとサーバ管理装置7は、ネットワーク上に接続されているサーバ装置3の資源情報等(資源情報、ライセンス数、使用状況)のデータを読み出して、クライアント装置5に送信する(ステップSD3)。資源情報を受信するとクライアント装置5は、受信された資源情報等と予約期間の入力欄とを含む予約画面を表示部55のモニタに表示する(ステップSD4)。予約画面を表示するとクライアント装置5は、ユーザにより操作部57を介して予約対象のサーバ装置3が選択され、予約期間が指定されるのを待機する(ステップSD5)。
【0071】
ユーザにより操作部57を介して所望のサーバ装置3が選択され、予約期間が指定されると、クライアント装置5は、予約情報を発行する(ステップSD6)。予約情報は、少なくとも予約番号、予約対象のサーバ装置3のIPアドレス、予約期間を含む。なお、予約期間が指定されていない場合、クライアント装置5は、予約エラーとし、再び予約画面を表示する。
【0072】
予約情報を発行するとクライアント装置5は、予約情報をサーバ管理装置7に送信する。予約情報を受信するとサーバ管理装置7は、予約情報に従って予約を登録する(ステップSD7)。具体的には、サーバ管理装置7は、予約対象のサーバ装置3のライセンス数と予約済みのユーザ数とを比較する。予約済みのユーザ数がライセンス数に等しい又は多い場合、予約不可であると決定する。予約不可であると決定された場合、サーバ管理装置7は、予約不可通知をクライアント装置5に送信する。予約不可通知を受信すると、クライアント装置5は予約不可である旨を表示部55のモニタに表示する。一方、予約済みのユーザ数がライセンス数以下の場合、サーバ管理装置7は、予約可能と判定する。予約可能と判定された場合、サーバ管理装置7は、指定された条件で予約を登録する。すなわち、ユーザ識別情報と予約情報とは、互いに関連付けられて記憶部73に記憶される。
【0073】
予約が登録されるとサーバ管理装置7は、予約登録通知をクライアント装置5に送信する。送信された予約登録通知を受信すると、クライアント装置5は、予約情報を表示部55のモニタに表示する(ステップSD8)。
【0074】
以上でサーバ装置予約処理が終了する。
【0075】
予約処理の終了後におけるサーバ装置3の動作の典型例を簡単に説明する。サーバ装置3は、ユーザからのログオン要求があった場合、ログオン要求をしたユーザがログオン要求した時刻に当該サーバ装置3を予約しているか否かをサーバ管理装置7に問い合わせる。予約しているとサーバ管理装置7が応答した場合、サーバ装置3は、当該ユーザからのログオンを受付ける。予約していないとサーバ管理装置7が応答した場合、サーバ装置3は、予約済みのユーザ数がライセンス数に等しい又はそれ以上か否か、すなわちサーバ装置3が空いているか否かをサーバ管理装置7に問い合わせる。予約済みのユーザ数がライセンス数に等しい又はそれ以上であるとサーバ管理装置7が応答した場合、サーバ装置3は、当該ユーザからのログオンを受付ける。予約済みのユーザ数がライセンス数以下であるとサーバ管理装置7が応答した場合、サーバ装置3は、当該ユーザからのログオンを受付けない。
【0076】
なお、サーバ装置予約処理は、図12に示した流れのみに限定されない。例えば、ステップSD5において予約期間を指定することなく、予約を行なってもよい。この場合の処理の典型的な流れを以下に簡単に説明する。
【0077】
ステップSD5においてユーザは、操作部57を介して少なくとも1つの予約対象のサーバ装置3を、予約期間を指定せずに選択する。予約対象が選択されるとクライアント装置5は、予約対象のサーバ装置3のIPアドレスと予約番号とを含む予約情報を発行する。サーバ管理装置7は、予約情報に従って予約を登録する。この際、サーバ管理装置7は、ユーザ名とユーザの通知先(例えば、ユーザの電子メールのアドレス)とを関連付けて記憶する。予約登録の終了後も、各サーバ装置5は、資源情報(使用状況)を定期的にサーバ管理装置7に送信している。サーバ管理装置7は、定期的に使用状況を参照し、予約対象のサーバ装置3が使用可能か否かを判定する。使用可能な場合、使用可能な旨のメッセージを、通知先に送信する。例えば、メッセージは、そのサーバ装置3を予約した順番の早い順に送信される。通知を受けとったユーザは、図6や図9に示した手順に従って、予約対象のサーバ装置3にアクセスする。
【0078】
以上述べたように本実施形態によれば、シンクライアント環境下において、ネットワークに接続されている複数のサーバ装置3のハードウェア資源をサーバ管理装置7が管理しており、これらハードウェア資源に関する情報がユーザの要求に応じてクライアント装置5に表示されることで、マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上が実現する。
【0079】
(変形例)
図13は、本実施形態の変形例に係わるシンクライアントシステム2の構成を示す図である。図13に示すように、シンクライアントシステム2は、サーバ装置3とクライアント装置5とサーバ管理装置7とに加え、さらに業務情報データベース装置9を備える。
【0080】
サーバ管理装置7の記憶部73は、業務アプリ識別情報とユーザ識別情報と検査識別情報とを関連付けて記憶する。業務アプリ識別情報は、継続する業務アプリの識別情報を含む。検査識別情報は、業務アプリの処理対象である検査情報の識別情報である。識別情報としては、例えば、検査UIDがある。検査情報については、後述する。
【0081】
業務情報データベース装置9は、業務を引継ぐために必要な業務情報データベースを記憶している大容量の記録媒体を実装しているコンピュータである。業務情報データベースは、検査識別情報と検査情報とを関連付けて記憶している。検査情報は、医療業界で一般的に用いられる検査情報だけでなく、患者情報と画像情報とも含むものとする。本実施形態に係わる検査情報は、例えば撮影予定枚数、撮影予定時刻、医用画像撮影装置の種類、及び医用画像撮影装置の番号等の検査に関する情報、例えば患者IDや患者名等の患者に関する情報、例えば画像番号や画像撮影時刻等の医用画像に関する情報を有する。また、この検査情報は、業務アプリの処理前の画像情報だけでなく、処理後の画像情報をも含むものとする。また、検査情報は、継続する業務アプリの処理条件(画像処理の各種パラメータ等)も含む。業務情報データベースは、複数のサーバ装置3間で医用情報を共有するために設けられている。
【0082】
サーバ装置3の記憶部33は、さらに業務を継続するためのアプリケーション(以下、業務継続アプリを呼ぶことにする)のプログラムを記憶している。サーバ装置3の制御部31は、OS展開中、クライアント装置5からの要求を受けて業務継続アプリを展開し、サーバ装置3の各部を制御することにより業務継続アプリを実行する。
【0083】
上記のように、業務アプリの種類に応じて最適に動作させるためのハードウェア資源が異なる。従って、一台のサーバ装置は、全ての業務アプリを最適に動作させることはできない。ところで、一人の患者について複数のモダリティで検査する場合がある。例えば、一人の患者について、CTとXRとで検査する場合がある。CT向けに最適なサーバ装置とXR向けに最適なサーバ装置とは、異なる。従って、例えば、CT向けのサーバ装置で画像診断した後、XR向けのサーバ装置に移動して画像診断する場合がある。この場合、XR向けのサーバ装置で画像診断する場合、新たに同一の患者情報や検査情報を読み込まなければならない。
【0084】
変形例に係わるシンクライアントシステム2は、複数のサーバ装置3間で情報を共有可能とする。これにより、ユーザがサーバ装置3を切り替えた場合に、ユーザが患者情報や検査情報を再入力する手間を失くすことができる。
【0085】
以下、変形例に係わるシンクライアントシステム2の業務継続処理の典型的な流れを説明する。業務継続処理は、継続対象の業務に関する情報を保存するための業務情報保存処理と、保存された情報に基づいて業務を再開する業務再開処理とに分けられる。
【0086】
図14は、業務情報保存処理の典型的な流れを示す図である。ユーザは、ログオフ前に操作部57を介して、表示部55に表示されている、業務の継続を要求するためのボタンを押す。このボタンが押されることを契機として、クライアント装置5は、業務アプリを起動しているサーバ装置3に業務継続アプリの起動要求を送信する。起動要求を受けるとサーバ装置3は、業務継続アプリを起動する(ステップSE1)。業務継続アプリが起動されるとサーバ装置3は、ユーザ識別情報と起動されている業務アプリに関する業務アプリ識別情報と検査識別情報とをサーバ管理装置7に送信する。サーバ管理装置7は、ユーザ識別情報と業務アプリ識別情報と検査識別情報とを関連付けて記憶する(ステップSE2)。また、業務アプリが起動されるとサーバ装置3は、業務情報データベース装置9に、検査識別情報と実行していた業務に関する業務処理情報とを送信する。業務情報データベース装置9は、送信された検査識別情報と検査情報とを関連付けて業務情報データベースに記憶する(ステップSE3)。
【0087】
以上で業務情報保存処理が終了する。
【0088】
図15は、業務再開処理の典型的な流れを示す図である。なお、図14のサーバ装置3と図15のサーバ装置3とは、同じでも異なってもどちらでも構わない。
【0089】
ユーザにより操作部57を介して業務継続アプリの継続要求を受けるとクライアント装置5は、サーバ装置3に業務継続アプリの起動要求を送信する(ステップSF1)。この際、クライアント装置5により起動要求とともに、継続要求をしたユーザ識別情報もサーバ装置5に送信される。起動要求を受けたサーバ装置3は、業務継続アプリを起動する(ステップSF2)。業務継続アプリが起動されると、サーバ装置3は、業務の継続を要求するための要求画面のデータをクライアント装置5に送信する。要求画面のデータを受信すると、クライアント装置5は、要求画面をクライアント装置5のモニタに表示する(ステップSF3)。要求画面には、業務の継続を要求するためのボタンが表示される。ユーザにより操作部57を介して要求ボタンが押される契機としてクライアント装置5は、ユーザ識別情報とともに引継ぎ要求をサーバ装置3に送信する。
【0090】
継続の要求を受信するとサーバ装置3は、ユーザ識別情報をサーバ管理装置7に送信する。ユーザ識別情報を受信するとサーバ管理装置7は、ユーザ識別情報をキーとして記憶部73を検索して、このユーザ識別情報に関連付けられた業務アプリ識別情報と検査識別情報とを読み出す(ステップSF4)。読み出された業務アプリ識別情報と検査識別情報とは、サーバ管理装置7によりサーバ装置3に送信される。サーバ装置3は、受信された業務アプリ識別情報に対応する業務アプリを起動する(ステップSF5)。業務アプリの起動後、サーバ装置3は、検査識別情報を業務情報データベース装置9に送信する。検査識別情報を受信すると業務情報データベース装置9は、この検査識別情報をキーとして業務情報データベース装置のデータベースを検索し、その検査識別情報に対応する検査情報を読み出す(ステップSF6)。読み出された検査情報は、業務情報データベース装置9によりサーバ装置3に送信される。サーバ装置3は、送信された検査情報を受信すると、ユーザからのクライアント装置5を介した指示に従って、実行している業務アプリで検査情報を処理する。従って、サーバ装置3は、前回の業務を再現することができる。
【0091】
かくして本実施形態の変形例に係わるシンクライアントシステムは、マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上を実現する。
【0092】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態に係わるシンクライアントシステムの構成を示す図。
【図2】図1のサーバ装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】図1のクライアント装置のハードウェア構成を示す図。
【図4】図1のサーバ管理装置のハードウェア構成を示す図。
【図5】図1のシンクライアントシステムによる資源情報送信・記憶処理の典型的な流れを示す図。
【図6】図1のシンクライアントシステムによる第1の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れを示す図。
【図7】図6のステップSB4において表示される資源情報等の一覧の表示例を示す図。
【図8】図6のステップSB4において表示される資源情報等の一覧の他の表示例を示す図。
【図9】図1のシンクライアントシステムによる第2の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れを示す図。
【図10】図9のステップSC7において表示される資源情報等の一覧の表示例を示す図。
【図11】図9のステップSC7において表示される資源情報等の一覧の他の表示例を示す図。
【図12】図1のシンクライアントシステムによるサーバ装置予約処理の典型的な流れを示す図。
【図13】本実施形態の変形例に係わるシンクライアントシステムの構成を示す図。
【図14】変形例に係わるシンクライアントシステムによる業務情報保存処理の典型的な流れを示す図。
【図15】変形例に係わるシンクライアントシステムによる業務再開処理の典型的な流れを示す図。
【符号の説明】
【0094】
1…シンクライアントシステム、3…サーバ装置、5…クライアント装置、7…サーバ管理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアント環境下において、マルチモニタ対応の医療業務アプリケーションを実行するシンクライアントシステム及びサーバ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シンクライアントシステムと呼ばれるコンピュータネットワークシステムが構築されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。シンクライアントシステムは、ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置(シンクライアント)とを有する。サーバ装置は、複数のアプリケーションを管理する。クライアント装置は、ネットワークを介してサーバ装置を遠隔操作してサーバ装置に所望のアプリケーションを実行させ、実行結果をクライアント装置のモニタに表示する。
【0003】
医療業務に関するアプリケーションの1つとして、マルチモニタ対応のアプリケーションがある。マルチモニタ対応のアプリケーションは、複数のモニタを使用することを前提として画面デザインや動作設計がなされている。つまりマルチモニタ対応のアプリケーションが要求するハードウェア資源にサーバ装置のハードウェア資源が適合していなければならない。
【0004】
シンクライアント環境下では、マルチモニタ対応のアプリケーションが要求するハードウェア資源に適合しないハードウェア資源を有するサーバ装置で当該アプリケーションが実行されてしまう場合がある。この場合、当該アプリケーションは、正しく動作されない。従って、ユーザは、ハードウェア資源の知識を有していなければならない。ハードウェア資源の知識がないユーザは、シンクライアント環境下において当該アプリケーションを実行する際に大変な困難を強いられている。このように、シンクライアント環境下におけるマルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上が望まれている。
【特許文献1】特開2005―221664号公報
【特許文献2】特開2004―28477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上を実現するシンクライアントシステム及びサーバ管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面に係るシンクライアントシステムは、シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置とサーバ管理装置とクライアント装置とを具備するシンクライアントシステムであって、前記サーバ管理装置は、前記複数のサーバ装置のそれぞれに関する画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する資源情報を記憶し、前記クライアント装置は、ユーザからの指示に従って、前記資源情報の送信要求を前記サーバ管理装置に送信し、前記サーバ管理装置は、前記送信された送信要求を受けて前記資源情報を前記クライアント装置に送信し、前記クライアント装置は、前記送信された資源情報を受信し、前記受信された資源情報を表示する、ことを特徴とすることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2局面に係るシンクライアントシステムは、シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置とサーバ管理装置とクライアント装置とを具備するシンクライアントシステムであって、前記サーバ管理装置は、前記複数のサーバ装置のそれぞれに関する画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する第1資源情報を記憶し、前記クライアント装置は、医療業務に係わるマルチモニタ対応のアプリケーションを選択し、前記選択されたアプリケーションに関するアプリ情報を前記サーバ管理装置に送信し、前記サーバ管理装置は、前記送信されたアプリ情報を受信し、前記受信されたアプリ情報に対応するアプリケーションを実行するために必要な画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する第2資源情報と前記第1資源情報との一致度を前記複数のサーバ装置のそれぞれについて算出し、少なくとも前記算出された一致度のうちの所定値よりも大きい一致度に対応する第1資源情報を前記クライアント装置に送信し、前記クライアント装置は、前記送信された第1資源情報を受信し、前記受信された第1資源情報を表示する、ことを特徴とすることを特徴とする。
【0008】
本発明の第3局面に係るサーバ管理装置は、クライアント装置とネットワークを介して接続された複数のサーバ装置に関する情報を管理するサーバ管理装置であって、前記複数のサーバ装置のハードウェア構成に関する資源情報を記憶する記憶手段と、前記クライアント装置からの前記資源情報の要求に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記資源情報又は前記資源情報の検索結果に関する情報を、前記クライアント装置に送信する送信手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係わるシンクライアントシステム及びサーバ管理装置を説明する。
【0011】
(構成)
図1は、医療業務に係わるシンクライアントシステム1の構成を示す図である。図1に示すように、シンクライアントシステム1は、シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された少なくとも一台のサーバ装置3、クライアント装置5、及びサーバ管理装置7を有する。図1においてサーバ装置3は、第1サーバ装置3―1、第2サーバ装置3―2、及び第3サーバ装置3―3の3台であるが、1台以上であれば何台であっても構わない。以下、説明の簡単のため、サーバ装置について言及する場合は、第1サーバ装置3―1、第2サーバ装置3―2、及び第3サーバ装置3―3を区別せずにまとめてサーバ装置3と呼ぶことにする。また、図1においてクライアント装置5は、一台のみ示されているがネットワークに接続されているクライアント装置は複数台であっても構わない。ネットワークは、例えば、TCP/IPをもとにEthernet(登録商標)等の規格に準拠して構築される。
【0012】
サーバ装置3は、医療業務に関するマルチモニタ対応の複数のアプリケーションを集中管理するシンクライアント用のサーバコンピュータである。図2は、サーバ装置3のハードウェア構成を示す図である。図2に示すように、サーバ装置3は、制御部31を中枢として、記憶部33、表示部35、及び通信部37を有する。
【0013】
記憶部33は、制御部31が直接データを読み書きするメモリ等の主記憶装置と、外部記録媒体としてのHDD(hard disk drive)やSDD(super density disk)等の補助記憶装置を有する。記憶部33は、OS(operating system:基本ソフトウェア)プログラムや、医療業務に関するマルチモニタ対応の複数のアプリケーション(以下、業務アプリと呼ぶことにする)のプログラム、シンクライアント用サーバアプリケーション(以下、サーバアプリと呼ぶことにする)のプログラム、ハードウェア資源送信アプリケーション(以下、資源情報送信アプリと呼ぶことにする)のプログラムを記憶する。また、記憶部33は、クライアント装置5やサーバ管理装置7のネットワーク上のホスト名、IPアドレス、接続ポート等の通信設定に関する情報を通信設定ファイルとして記憶している。
【0014】
OSとしては、ウィンドウズ(登録商標)、リナックス(登録商標)、ユニックス(登録商標)等の既存のOSが本実施形態に適用可能である。
【0015】
業務アプリは、上述のように、マルチモニタ対応のアプリケーションである。マルチモニタ対応のアプリケーションは、モニタの制御方法に関し、大別して2つに分けられる。1つ目は、複数のモニタの画面を仮想的に1つの画面とみなし、1つのモニタとして用いる方法である。2つ目は、複数のモニタを独立して用いる方法である。本実施形態に係わる業務アプリは、どちらの方法でも適用可能である。業務アプリとしては、画像処理(2次元画像処理や3次元画像処理)のためのアプリケーションやPACS(画像管理)のためのアプリケーション、電子カルテ作成のためのアプリケーション、レポート作成のためのアプリケーション等の医療業務に係わるあらゆるアプリケーションが適用可能である。
【0016】
業務アプリの種類に応じて最適なハードウェア資源がある。ハードウェア資源とは、画面解像度、画面色数(階調数)、モニタの接続台数、モニタタイプ、モニタの制御方法、画像処理用のハードウェア処理能力(例えば、DSP(digital signal processor)の有無)、OS情報等である。業務アプリは、最適なハードウェア資源に合わせて動作設計されている。従って、互いに異なる種類の業務アプリは、サーバ装置3に要求するハードウェア資源が異なる。
【0017】
サーバアプリは、クライアント装置5と画面共有するためのアプリケーションである。サーバアプリとしては、マイクロソフト社のRemote-Desktopや、シマンテック社のPCAnyWhere等の既存のどのシンクライアント用のサーバアプリケーションでも可能である。
【0018】
資源情報送信アプリは、例えば、OSの常駐プログラムとして実装される。常駐プログラムは、コンピュータの起動と同時に起動されるプログラムである。常駐プログラムは、ウィンドウズ(登録商標)ではサービスと呼ばれ、リナックス(登録商標)やユニックス(登録商標)ではデーモンと呼ばれている。資源情報送信アプリは、サーバ管理装置7に自装置のハードウェア資源に関する情報(以下、資源情報と呼ぶことにする)のデータを送信するためのアプリケーションである。
【0019】
表示部35は、少なくとも1つのビデオカードと少なくとも1以上のモニタとを有する。ビデオカードは、複数且つ高精度のモニタをサポートするための専用ビデオカード(グラフィックボード、グラフィックスボード、グラフィックカード、グラフィックスカード)である。ビデオカードの枚数は、ビデオカードがサポートするモニタの数や表示部35が有するモニタの数に応じて決定される。例えば、1枚のビデオカードが2つのモニタを接続可能であり、全部で4台のモニタを接続するためには、2枚のビデオカードを有さなければならない。モニタとしては、例えばCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスが適宜利用可能である。医用業務に用いられるモニタとしては、横長型(ランドスケールタイプ)や縦長型(ポートレートタイプ)、標準型等のモニタタイプがある。医用業務に用いられる画面解像度としては、7M(3072×2304)や5M(2592×1944)、4M(2304×1728)、3M(2048×1536)、2M(1600×1200)等の高解像度が要求されている。
【0020】
なお、後述するように、サーバ装置3で起動される業務アプリの表示画面はクライアント装置5のモニタに表示されるので、サーバ装置3は、モニタを有さなくてもよい。
【0021】
通信部37は、ネットワークを介してクライアント装置5やサーバ管理装置7とネットワーク通信するためのネットワークデバイスを有する。通信部37は、制御部31の制御の元にネットワークを介してクライアント装置5とサーバ管理装置7と種々のデータを送受信する。通信時において通信部37は、通信相手に関する通信設定ファイルを記憶部33から読み出して、通信相手とネットワークを介して通信する。
【0022】
制御部31は、サーバ装置3の中枢として機能するCPU(central processor unit)である。制御部31は、ユーザのログオンを契機として記憶部33に記憶されているOSを展開して、サーバ装置3の各部を制御する。また、制御部31は、ユーザのログオンを契機として記憶部33に記憶されている資源情報送信アプリを展開して、通信部37に資源情報をサーバ管理装置7に送信させる。制御部31は、OS展開中において、ユーザからのクライアント装置5を介した指示を受けて、記憶部33に記憶されているサーバアプリを展開して、クライアント装置5と表示画面を共有する。サーバアプリの展開中において、制御部31は、ユーザからのクライアント装置5を介した指示を受けて、記憶部33に記憶されている業務アプリを展開して、業務アプリを実行する。業務アプリの実行中の表示画面のデータは、通信部37によりネットワークを介してクライアント装置5に供給される。また、制御部31は、通信部37を介してクライアント装置5からの入力信号を入力する。
【0023】
クライアント装置5は、サーバ装置3に比して小規模のハードウェア資源を有するコンピュータ(シンクライアント)である。クライアント装置5は、ネットワークを介して複数のサーバ装置(3―1,3―2,3―3)のうちの特定のサーバ装置(例えば、3―1)を遠隔操作して、所望の業務アプリを実行する。図3は、クライアント装置5のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、クライアント装置5は、制御部51を中枢として、記憶部53、表示部55、操作部57、及び通信部59を有する。
【0024】
記憶部53は、OSプログラムや、シンクライアント用クライアントアプリケーション(以下、クライアントアプリと呼ぶことにする)のプログラム、サーバ装置3の資源情報等を表示するためのアプリケーション(以下、表示アプリと呼ぶことにする)のプログラム、サーバ装置3を予約するためのアプリケーション(以下、予約アプリと呼ぶことにする)のプログラムを記憶する。また、記憶部53は、サーバ装置3やサーバ管理装置7のネットワーク上のホスト名、IPアドレス、接続ポート等の通信設定に関する情報を通信設定ファイルとして記憶している。
【0025】
クライアントアプリは、サーバ装置3と画面共有するためのアプリケーションである。クライアントアプリとしては、サーバアプリに対応するマイクロソフト社のRemote-Desktopや、シマンテック社のPCAnyWhere等の既存のどのアプリケーションでも可能である。
【0026】
表示アプリは、サーバ管理装置7から、ネットワークに接続されているサーバ装置3の資源情報を取得し、表示部55のモニタに表示するためのアプリケーションである。この際、オプション機能として、サーバ装置3のハードウェア資源と所望の業務アプリが要求するハードウェア資源との一致度を表示してもよい。
【0027】
予約アプリは、所望のサーバ装置3の予約をサーバ管理装置7に登録するためのアプリケーションである。
【0028】
表示部55は、少なくとも1つのビデオカードと少なくとも1以上のモニタとを表示する。ビデオカードは、複数且つ高精度のモニタをサポートするための専用ビデオカードである。ビデオカードの枚数は、ビデオカードがサポートするモニタの数や表示部55が有するモニタの数に応じて決定される。なお、クライアント装置5のモニタの画面解像度がサーバ装置3のモニタの画面解像度よりも小さい場合、スクロールバーの付いたウィンドウが起動され、操作部57を介してスクロールバーをスライドさせることで、表示画面全体を表示させることが可能である。クライアント装置5のモニタの画面色数(例えば、グレイレベル)がサーバ装置3から送信される表示画像の画面色数よりも少ない場合、表示画像の画面色数を削減して表示する。例えば、クライアント装置5のモニタのグレイレベルが8ビット、サーバ装置3から送信される表示画像のグレイレベルが2048ビットの場合、表示画像のグレイレベルを8ビット以下に削減して表示する。
【0029】
操作部57は、ユーザからの各種指令や情報入力を受け付ける。操作部57としては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスが適宜利用可能である。
【0030】
通信部59は、ネットワークデバイスを有し、制御部51の制御のもとネットワークを介してサーバ装置やサーバ管理装置と種々のデータを送受信する。
【0031】
制御部51は、クライアント装置5の中枢として機能するCPUを有する。制御部51は、記憶部53に記憶されているOSを展開して、クライアント装置5の各部を制御する。制御部51は、OS展開中において、ユーザからの操作部57を介した指示を受けて、記憶部53に記憶されているクライアントアプリを展開して、サーバ装置3と表示画面を共有する。クライアントアプリの展開中において、制御部51は、サーバ装置3からの表示画面のデータを受けて、表示画面を表示部55に表示させる。また、制御部51は、OS展開中において、ユーザからの操作部57を介して指示を受けて、記憶部53に記憶されている表示アプリを展開して、表示アプリを実行する。また、制御部51は、OS展開中において、ユーザからの操作部57を介して指示を受けて、記憶部53に記憶されている予約アプリを展開して、予約アプリを実行する。
【0032】
サーバ管理装置7は、ネットワークに接続されているサーバ装置3を管理する。図4は、サーバ管理装置7のハードウェア構成を示す図である。図4に示すようにサーバ管理装置7は、制御部71を中枢として、記憶部73、表示部75、及び通信部77を有する。
【0033】
記憶部73は、OSプログラムを記憶する。また、記憶部73は、各サーバ装置3から送信されるハードウェア資源に関する資源情報をサーバ装置3の識別情報に関連付けて記憶する。サーバ装置3の識別情報は、例えば、サーバ名やIPアドレス等のサーバ装置3を一意に特定可能な情報である。また、記憶部73は、クライアント装置からの予約情報を記憶する。予約情報については後述する。また、記憶部73は、サーバ装置3やクライアント装置5のネットワーク上のホスト名、IPアドレス、接続ポート等の通信設定に関する情報を通信設定ファイルとして記憶している。
【0034】
表示部75は、少なくとも1つのビデオカードと少なくとも1以上のモニタとを表示する。なお、表示部75は、モニタを有さなくともよい。
【0035】
通信部77は、ネットワークデバイスを有し、ネットワークを介してサーバ装置3やクライアント装置5と種々のデータを送受信する。
【0036】
制御部71は、サーバ管理装置7の中枢として機能するCPUを有する。制御部71は、記憶部73に記憶されているOSプログラムを展開して、サーバ管理装置7の各部を制御する。
【0037】
上記構成を有するシンクライアントシステム1は、サーバ装置3とクライアント装置5とサーバ管理装置7との連携により、サーバ装置3のハードウェア資源に関する資源情報をクライアント装置5のモニタに表示させるハードウェア資源表示処理を行なう。また、シンクライアントシステム1は、サーバ装置3とクライアント装置5とサーバ管理装置7との連携により、所望のハードウェア資源を有するサーバ装置3を予約するサーバ予約処理を行なう。以下、ハードウェア資源表示処理とサーバ予約処理とについての詳細をそれぞれ説明する。
【0038】
(ハードウェア資源表示処理)
ハードウェア資源表示処理は、資源情報送信・記憶処理と資源情報表示・サーバアクセス処理とに分けられる。資源情報送信・記憶処理は、サーバ管理装置7がサーバ装置3から送信される資源情報を記憶する処理である。資源情報表示・サーバアクセス処理は、クライアント装置5がサーバ管理装置7から資源情報を取得して表示し、所望の業務アプリを実行するためにクライアント装置5が所望のサーバ装置3にアクセスする処理である。
【0039】
図5は、資源情報送信・記憶処理の典型的な流れを示す図である。この資源情報送信・記憶処理は、ネットワークに接続されている各サーバ装置3により個別に行なわれる。
【0040】
ユーザ等によりOSが起動されると、サーバ装置3は、資源情報送信アプリを起動する(ステップSA1)。資源情報送信アプリの起動中、サーバ装置3は、自装置に関する資源情報を定期的にサーバ管理装置7に送信する(ステップSA2)。この際、サーバ装置3は、シンクライアント用のライセンス数もサーバ管理装置7へ送信してもよい。ライセンス数とは、サーバにネットワーク経由で同時接続できる最大ユーザ数である。さらに、サーバ装置3は、定期的にユーザの使用状況を確認してサーバ管理装置7に送信してもよい。使用状況とは、例えば、サーバ装置3が空いているか否かを示す情報や、使用しているユーザの人数、使用しているユーザの識別情報、CPUの稼働率等である。具体的には、サーバ装置3は、ウィンドウズ(登録商標)OSの場合、nbtstatコマンドを用いて、自装置にログオンしているユーザの人数や識別情報をサーバ管理装置7に送信する。またサーバ装置3は、監査ポリシーにユーザのログオン・ログオフのイベントを出力するように設定しておき、このイベントを定期的にチェックすることでログインしているユーザの人数や識別情報を取得したりする。なお、ユーザの識別情報は、例えば、ユーザ名やユーザID等のユーザを一意に特定できる情報である。また、サーバ管理装置7は、サーバ装置3に問合わせ(NtQuerySysteminformation)を行い、CPUの稼働率に関する情報を取得する。
【0041】
サーバ管理装置7は、サーバ装置3から送信された資源情報や、ライセンス数、使用状況等を記憶する(ステップSA3)。この際、資源情報等は、送信元のサーバ装置3の識別情報に関連付けられて記憶される。
【0042】
以上で資源情報送信・記憶処理が終了する。
【0043】
次に、資源情報表示・サーバアクセス処理について説明する。資源情報表示・サーバアクセス処理は、単にサーバ装置毎に資源情報を表示するもの(第1の資源情報表示・サーバアクセス処理)と、所望の業務アプリが要求するハードウェア資源と各サーバ装置が有するハードウェア資源との一致度が高い順に資源情報を表示するもの(第2の資源情報表示・サーバアクセス処理)とがある。
【0044】
図6は、第1の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れを示す図である。まず、ユーザは、ユーザ認証のため、ユーザ名やパスワード等のユーザ識別情報を入力する。ユーザ識別情報の入力を受けるとクライアント装置5は、ユーザのログオンを許可する(ステップSB1)。ログオンは、OSが提供するユーザ認証により行なわれる。ログオンの許可後、ユーザは、クライアント装置5上で資源情報の表示アプリの起動を要求する。表示アプリの起動要求を受けるとクライアント装置5は、記憶部53に記憶されている表示アプリのプログラムを展開して表示アプリを起動する(ステップSB2)。表示アプリの起動後、クライアント装置5は、サーバ管理装置7に資源情報の送信を要求する。送信の要求を受信するとサーバ管理装置7は、ネットワーク上に接続されているサーバ装置3の資源情報等(資源情報、ライセンス数、使用状況)のデータを読み出して、クライアント装置5に送信する(ステップSB3)。資源情報を受信するとクライアント装置5は、受信された資源情報等の一覧をクライアント装置5の表示部55のモニタに表示する(ステップSB4)。
【0045】
図7は、資源情報等の一覧の表示例を示す図である。図7に示すように、資源情報等は、「サーバ情報」というタイトルを有するウィンドウW1に表示される。ウィンドウW1には、ネットワーク上に接続されているサーバ装置3のアイコンI1が含まれている。アイコンI1には、そのアイコンI1に対応するサーバ装置3が空いていることを示す「vacant」の文字列M1や、空いてないことを示す「occupied」の文字列M2が重ねて表示される。空いているか否かは、サーバ管理装置7からの使用状況により特定される。各アイコンI1の下には、資源情報等が表形式で表示される。図7の表示レイアウトでは、資源情報等として、サーバ名、モニタ数、モニタタイプが表示されている。これら以外にも、ライセンス数や、現在のログオンユーザ数、OS情報、画面解像度、画面階調数、画像処理ハードウェア有無、CPU稼働率等を表示してもよい。このように、資源情報等を表示することで、ユーザは、目的の業務アプリを実行可能なハードウェア資源を有するサーバ装置3を特定することが可能となる。
【0046】
なお、資源情報等の表示例は、図7の例に限定されない。例えば、図8に示すように、サーバ装置3が空いているか否かと資源情報とを表形式で表示するウィンドウW2を表示してもよい。
【0047】
図6に戻り、第1の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れの続きを説明する。ステップSB4において資源情報等が表示されると、クライアント装置5は、操作部57を介してユーザが所望の業務アプリを実行するのに好適なサーバ装置3を選択することを待機している。(ステップSB5)。例えば、ユーザが図7の所望のアイコンI1をマウスでダブルクリックすることにより、クリックされたアイコンI1に対応するサーバ装置3が選択される。
【0048】
所望のサーバ装置3が選択されると、クライアント装置5は、選択されたサーバ装置3に対応するクライアントアプリを起動する(ステップSB6)。具体的には、クライアント装置5は、選択されたサーバ装置3のIPアドレスや、ユーザの識別情報、ユーザのパスワードを引数として、クライアントアプリを起動する。
【0049】
クライアントアプリ起動後、クライアント装置5は、選択されたサーバ装置3にサーバアプリの起動要求を送信する。サーバアプリの起動要求を受けたサーバ装置3は、サーバアプリを起動する(ステップSB7)。サーバアプリ起動後、サーバ装置3は、サーバ装置3のログオン画面のデータをクライアント装置5に送信する。
【0050】
ログオン画面のデータを受信すると、クライアント装置5は、このログオン画面を表示部55のモニタに表示する(ステップSB8)。ログオン画面が表示されるとユーザは、操作部57を介してログオン画面上にユーザ認証のためのユーザ識別情報を入力する。クライアント装置5は、入力されたユーザ認証情報をサーバ装置3に送信する。
【0051】
サーバ装置3は、送信されたユーザ認証情報を引数として、ユーザ認証する(ステップSB9)。ユーザ認証に成功すると、サーバ装置3は、クライアント装置5にログオン通知をする。なおユーザ認証の際、サーバ装置3は、ユーザのログオン時に同一ユーザが既に同一サーバ装置3にログオンしているか否かを判定する。同一ユーザがログオンしていないと判定した場合には、サーバ装置3は、当該ユーザのログオンを許可する。同一ユーザが既にログオンしていると判定した場合には、サーバ装置3は、当該ユーザを自動的にログオフさせる。これにより、同一ユーザがサーバ装置3のハードウェア資源を独占することを防止できる。この判定処理は、例えば、同一ユーザ判定用アプリケーションにより実行される。この同一ユーザ判定用アプリケーションは、OS起動時に自動的に起動されるように設定されているとよい。具体的には、同一ユーザ判定用アプリケーションをスタートアップに登録しておくことで、OS起動時に同一ユーザ判定処理を実行することができる。
【0052】
ログオン通知がなされるとクライアント装置5は、所望の業務アプリの起動要求をサーバ装置に送信する。業務アプリの起動要求を受けるとサーバ装置5は、起動要求された業務アプリのプログラムを展開して、業務アプリを起動する(ステップSB10)。業務アプリが起動されるとサーバ装置3は、クライアント装置5からの指示に従って業務アプリを実行する。表示画面のデータは、サーバ装置3からクライアント装置5へリアルタイムに送信され、表示部55のモニタに表示される。
【0053】
以上で第1の資源情報表示・サーバアクセス処理が終了する。
【0054】
その後、業務アプリを使用し終わるとユーザは、サーバアプリの終了要求をする。ユーザにより操作部57を介してサーバアプリの終了要求がなされると、クライアント装置5は、クライアント5は、サーバアプリの終了要求をサーバ装置3に送信する。サーバアプリの終了要求を受信すると、サーバ装置3は、ユーザをログオフして、サーバアプリを終了する。
【0055】
サーバアプリと同時にクライアントアプリを終了させることも可能である。まず、クライアントアプリを終了する。まず、ユーザにより操作部57を介してサーバアプリの終了要求がなされると、クライアント装置5は、クライアントアプリを終了する。これと同時にクライアント装置5は、サーバアプリの終了要求をサーバ装置3に送信する。サーバアプリの終了要求を受信すると、サーバ装置3は、ユーザをログオフして、サーバアプリを終了する。
【0056】
次に第2の資源情報表示・サーバアクセス処理について説明する。図9は、第2の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れを示す図である。まず、ユーザは、ユーザ認証のため、ユーザ名やパスワード等のユーザ識別情報を入力する。ユーザ識別情報の入力を受けるとクライアント装置5は、ユーザのログオンを許可する(ステップSC1)。ログオン許可後、ログオンの許可後、ユーザは、クライアント装置5上で資源情報の表示アプリの起動を要求する。表示アプリの起動要求を受けるとクライアント装置5は、記憶部53に記憶されている表示アプリのプログラムを展開して表示アプリを起動する(ステップSC2)。
【0057】
表示アプリの起動後、クライアント装置5は、業務アプリの選択画面を表示部55に表示し、ユーザにより操作部57を介して業務アプリが選択されることを待機している(ステップSC3)。選択画面には、例えば、CT(X線コンピュータ断層撮影装置)、UL(超音波診断装置)、XR(X線診断装置)、MR(磁気共鳴イメージング装置)、PET(陽電子放出コンピュータ断層撮影装置)などの画像の種類(すなわち、画像発生源であるモダリティ)を選択するための画像種選択画面がある。画面解像度は、画像の種類によって概ね決定される。例えば、XRでは1760×1760×10ビットであり、MRでは512×512×16ビットである。
【0058】
また、選択画面には、例えば、2次元画像処理、3次元画像処理、画像参照、画像読影、レポート作成、電子カルテ作成等の業務目的を選択するための業務目的選択画面がある。2次元画像処理としては、例えば、フィルミングやファイリング等が選択可能である。3次元画像処理としては、例えば、ボリュームレンダリングや画素値投影法が選択可能である。2次元画像処理であれば、全画面分のスペースが要求され、3次元画像処理であれば、基本的には4コマ(全画面の4分の1)分程度のスペースが要求される。選択された業務アプリに関する業務アプリ情報(業務アプリを識別するための情報。ここでは、画像種を識別するための情報と業務目的を識別するための情報)は、クライアント装置5によりサーバ管理装置7に送信される。
【0059】
なお、上記方法では、処理対象の画像種と業務目的とを選択することで、業務アプリが選択されるとした。しかしながら本実施形態は、これに限定する必要はない。例えば、業務アプリを直接選択するとしてもよい。
【0060】
業務アプリを示す業務アプリ情報が選択されると、サーバ管理装置7は、選択された業務アプリを正しく動作させるために必要なハードウェア資源を決定する(ステップSC4)。すなわち、サーバ管理装置7は、選択された業務アプリ示すコードを入力とし、その業務アプリに必要なハードウェア資源に関する資源情報を出力とするテーブルを記憶部73に記憶している。テーブルの一例としては、画像種を示すコードを入力として、画面解像度やモニタ数、モニタタイプ、モニタの制御方法を示すコードを出力するテーブルである。
【0061】
次にサーバ管理装置7は、決定されたハードウェア資源と各サーバ装置との一致度を算出する(ステップSC5)。以下、一致度の算出処理の具体例を説明する。サーバ管理装置7は、記憶部73に記憶されている各サーバ装置3の資源情報を参照することにより、現在接続されているサーバ装置3の中から、決定された画面解像度以上の画面解像度を有するサーバ装置3を特定する。必要な画面解像度を有するサーバ装置3には、必要な画面解像度を有さないサーバ装置3よりも高い点数が加点される。例えば、必要な画面解像度を有するサーバ装置3には10点を、必要な画面解像度を有さないサーバ装置3には0点が加点される。また、サーバ管理装置7は、画像処理種に応じて加点する。例えば、3次元画像処理が選択された場合、ハードウェアがついている場合には、そのサーバ装置3に加点する。そのサーバ装置3のユーザ数と最大ユーザ数との差に応じてサーバ装置3に加点する。例えば、最大ユーザ数が所定値よりも大きく、且つ現在のログオンユーザ数が最大ユーザ数よりも少ない場合、そのサーバ装置3には最高点(例えば、10点)が加点される。そして、そのサーバ装置3のCPU稼働率に応じて、サーバ装置3に加点する。例えば、CPU稼働率が所定値以下の場合、そのサーバ装置3に最高点(10点)を加点する。CPU稼働率が所定値よりも大きければ大きいほど、最高点よりも小さい点数を加点する。全ての項目について検討されると、合計点数をサーバ装置3ごとに算出する。
【0062】
一致度が算出されるとサーバ管理装置7は、クライアント装置5に一致度情報と資源情報とを送信する(ステップSC6)。一致度情報と資源情報とを受信するとクライアント装置5は、資源情報を一致度の大きい順に一覧で表示する(ステップSC7)。
【0063】
図10は、資源情報の一覧の表示例を示す図である。図10に示すように、「サーバ情報」というタイトルを有するウィンドウW3が表示される。ウィンドウW3には、ネットワーク上に接続されているサーバ装置3のアイコンI2が表示されている。例えば、一致度の高いサーバ装置3に対応するアイコンI2を左側に表示する。各アイコンI2には、ステップSC3において選択された業務アプリが要求するハードウェア資源を有することを示す「operable」の文字列M3や、有さないことを示す「NG」の文字列M4が重ねて表示される。ハードウェア資源を有するか否かは、例えば、一致度が所定値以上か否かで決定される。
【0064】
なお、資源情報の表示例は、図10の例に限定されない。例えば、図11に示すように、ハードウェア資源を有するか否かと資源情報とを表形式で表わすウィンドウW4を表示してもよい。また、一致度を表示してもよい。
【0065】
なおステップSC6においてサーバ管理装置7は、ステップSC5で算出された全ての一致度情報のうちの一部分のみをクライアント装置5に送信してもよい。例えば、予め設定された所定値よりも大きい一致度のみがクライアント装置5に送信されてもよい。この場合、この所定値よりも大きい一致度に対応する資源情報のみがクライアント装置5に送信されるとよい。
【0066】
またステップSC6においてサーバ管理装置7は、ステップSC5で算出された全ての一致度情報をクライアント装置5に送信しなくともよい。この場合、例えば、予め設定された所定値よりも大きい一致度に対応する資源情報のみがクライアント装置5に送信されるとよい。すなわち、業務アプリを選択することで、ネットワークに接続されているサーバ装置3のうち、選択された業務アプリを正常に動作できるサーバ装置3を自動検索することもできるのである。
【0067】
資源情報の一覧が表示されると、ユーザは、操作部57を介して、目的の業務アプリを実行するのに好適なサーバ装置3を選択する(ステップSC8)。例えば、ユーザにより、図10のアイコンI2をマウスでダブルクリックすることにより、サーバ装置3が選択される。
【0068】
ステップSC8以後の処理(ステップSC9〜ステップSC13)の流れは、図6のステップSB5以後の処理(ステップSB6〜ステップSB10)と同様なので説明を省略する。
【0069】
なお、第2の資源情報表示・サーバアクセス処理の流れは、図9に記載の流れに限定されない。例えば、ステップSC8において所望のサーバ装置8がユーザにより選択されるとしたが、一致度の最も高いサーバ装置3を自動的に選択するとしてもよい。この際、ステップSC7とステップSC8とは省略可能である。
【0070】
(サーバ装置予約処理)
図12は、サーバ装置予約処理の典型的な流れを示す図である。まず、ユーザは、ユーザ認証のため、ユーザ名やパスワード等のユーザ識別情報を入力する。ユーザ識別情報の入力を受けるとクライアント装置5は、ユーザのログオンを許可する(ステップSD1)。ログオンの許可後、クライアント装置5は、記憶部53に記憶されている予約アプリのプログラムを展開して予約アプリを起動する(ステップSD2)。予約アプリの起動後、クライアント装置5は、サーバ管理装置7に資源情報の送信を要求する。送信の要求を受信するとサーバ管理装置7は、ネットワーク上に接続されているサーバ装置3の資源情報等(資源情報、ライセンス数、使用状況)のデータを読み出して、クライアント装置5に送信する(ステップSD3)。資源情報を受信するとクライアント装置5は、受信された資源情報等と予約期間の入力欄とを含む予約画面を表示部55のモニタに表示する(ステップSD4)。予約画面を表示するとクライアント装置5は、ユーザにより操作部57を介して予約対象のサーバ装置3が選択され、予約期間が指定されるのを待機する(ステップSD5)。
【0071】
ユーザにより操作部57を介して所望のサーバ装置3が選択され、予約期間が指定されると、クライアント装置5は、予約情報を発行する(ステップSD6)。予約情報は、少なくとも予約番号、予約対象のサーバ装置3のIPアドレス、予約期間を含む。なお、予約期間が指定されていない場合、クライアント装置5は、予約エラーとし、再び予約画面を表示する。
【0072】
予約情報を発行するとクライアント装置5は、予約情報をサーバ管理装置7に送信する。予約情報を受信するとサーバ管理装置7は、予約情報に従って予約を登録する(ステップSD7)。具体的には、サーバ管理装置7は、予約対象のサーバ装置3のライセンス数と予約済みのユーザ数とを比較する。予約済みのユーザ数がライセンス数に等しい又は多い場合、予約不可であると決定する。予約不可であると決定された場合、サーバ管理装置7は、予約不可通知をクライアント装置5に送信する。予約不可通知を受信すると、クライアント装置5は予約不可である旨を表示部55のモニタに表示する。一方、予約済みのユーザ数がライセンス数以下の場合、サーバ管理装置7は、予約可能と判定する。予約可能と判定された場合、サーバ管理装置7は、指定された条件で予約を登録する。すなわち、ユーザ識別情報と予約情報とは、互いに関連付けられて記憶部73に記憶される。
【0073】
予約が登録されるとサーバ管理装置7は、予約登録通知をクライアント装置5に送信する。送信された予約登録通知を受信すると、クライアント装置5は、予約情報を表示部55のモニタに表示する(ステップSD8)。
【0074】
以上でサーバ装置予約処理が終了する。
【0075】
予約処理の終了後におけるサーバ装置3の動作の典型例を簡単に説明する。サーバ装置3は、ユーザからのログオン要求があった場合、ログオン要求をしたユーザがログオン要求した時刻に当該サーバ装置3を予約しているか否かをサーバ管理装置7に問い合わせる。予約しているとサーバ管理装置7が応答した場合、サーバ装置3は、当該ユーザからのログオンを受付ける。予約していないとサーバ管理装置7が応答した場合、サーバ装置3は、予約済みのユーザ数がライセンス数に等しい又はそれ以上か否か、すなわちサーバ装置3が空いているか否かをサーバ管理装置7に問い合わせる。予約済みのユーザ数がライセンス数に等しい又はそれ以上であるとサーバ管理装置7が応答した場合、サーバ装置3は、当該ユーザからのログオンを受付ける。予約済みのユーザ数がライセンス数以下であるとサーバ管理装置7が応答した場合、サーバ装置3は、当該ユーザからのログオンを受付けない。
【0076】
なお、サーバ装置予約処理は、図12に示した流れのみに限定されない。例えば、ステップSD5において予約期間を指定することなく、予約を行なってもよい。この場合の処理の典型的な流れを以下に簡単に説明する。
【0077】
ステップSD5においてユーザは、操作部57を介して少なくとも1つの予約対象のサーバ装置3を、予約期間を指定せずに選択する。予約対象が選択されるとクライアント装置5は、予約対象のサーバ装置3のIPアドレスと予約番号とを含む予約情報を発行する。サーバ管理装置7は、予約情報に従って予約を登録する。この際、サーバ管理装置7は、ユーザ名とユーザの通知先(例えば、ユーザの電子メールのアドレス)とを関連付けて記憶する。予約登録の終了後も、各サーバ装置5は、資源情報(使用状況)を定期的にサーバ管理装置7に送信している。サーバ管理装置7は、定期的に使用状況を参照し、予約対象のサーバ装置3が使用可能か否かを判定する。使用可能な場合、使用可能な旨のメッセージを、通知先に送信する。例えば、メッセージは、そのサーバ装置3を予約した順番の早い順に送信される。通知を受けとったユーザは、図6や図9に示した手順に従って、予約対象のサーバ装置3にアクセスする。
【0078】
以上述べたように本実施形態によれば、シンクライアント環境下において、ネットワークに接続されている複数のサーバ装置3のハードウェア資源をサーバ管理装置7が管理しており、これらハードウェア資源に関する情報がユーザの要求に応じてクライアント装置5に表示されることで、マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上が実現する。
【0079】
(変形例)
図13は、本実施形態の変形例に係わるシンクライアントシステム2の構成を示す図である。図13に示すように、シンクライアントシステム2は、サーバ装置3とクライアント装置5とサーバ管理装置7とに加え、さらに業務情報データベース装置9を備える。
【0080】
サーバ管理装置7の記憶部73は、業務アプリ識別情報とユーザ識別情報と検査識別情報とを関連付けて記憶する。業務アプリ識別情報は、継続する業務アプリの識別情報を含む。検査識別情報は、業務アプリの処理対象である検査情報の識別情報である。識別情報としては、例えば、検査UIDがある。検査情報については、後述する。
【0081】
業務情報データベース装置9は、業務を引継ぐために必要な業務情報データベースを記憶している大容量の記録媒体を実装しているコンピュータである。業務情報データベースは、検査識別情報と検査情報とを関連付けて記憶している。検査情報は、医療業界で一般的に用いられる検査情報だけでなく、患者情報と画像情報とも含むものとする。本実施形態に係わる検査情報は、例えば撮影予定枚数、撮影予定時刻、医用画像撮影装置の種類、及び医用画像撮影装置の番号等の検査に関する情報、例えば患者IDや患者名等の患者に関する情報、例えば画像番号や画像撮影時刻等の医用画像に関する情報を有する。また、この検査情報は、業務アプリの処理前の画像情報だけでなく、処理後の画像情報をも含むものとする。また、検査情報は、継続する業務アプリの処理条件(画像処理の各種パラメータ等)も含む。業務情報データベースは、複数のサーバ装置3間で医用情報を共有するために設けられている。
【0082】
サーバ装置3の記憶部33は、さらに業務を継続するためのアプリケーション(以下、業務継続アプリを呼ぶことにする)のプログラムを記憶している。サーバ装置3の制御部31は、OS展開中、クライアント装置5からの要求を受けて業務継続アプリを展開し、サーバ装置3の各部を制御することにより業務継続アプリを実行する。
【0083】
上記のように、業務アプリの種類に応じて最適に動作させるためのハードウェア資源が異なる。従って、一台のサーバ装置は、全ての業務アプリを最適に動作させることはできない。ところで、一人の患者について複数のモダリティで検査する場合がある。例えば、一人の患者について、CTとXRとで検査する場合がある。CT向けに最適なサーバ装置とXR向けに最適なサーバ装置とは、異なる。従って、例えば、CT向けのサーバ装置で画像診断した後、XR向けのサーバ装置に移動して画像診断する場合がある。この場合、XR向けのサーバ装置で画像診断する場合、新たに同一の患者情報や検査情報を読み込まなければならない。
【0084】
変形例に係わるシンクライアントシステム2は、複数のサーバ装置3間で情報を共有可能とする。これにより、ユーザがサーバ装置3を切り替えた場合に、ユーザが患者情報や検査情報を再入力する手間を失くすことができる。
【0085】
以下、変形例に係わるシンクライアントシステム2の業務継続処理の典型的な流れを説明する。業務継続処理は、継続対象の業務に関する情報を保存するための業務情報保存処理と、保存された情報に基づいて業務を再開する業務再開処理とに分けられる。
【0086】
図14は、業務情報保存処理の典型的な流れを示す図である。ユーザは、ログオフ前に操作部57を介して、表示部55に表示されている、業務の継続を要求するためのボタンを押す。このボタンが押されることを契機として、クライアント装置5は、業務アプリを起動しているサーバ装置3に業務継続アプリの起動要求を送信する。起動要求を受けるとサーバ装置3は、業務継続アプリを起動する(ステップSE1)。業務継続アプリが起動されるとサーバ装置3は、ユーザ識別情報と起動されている業務アプリに関する業務アプリ識別情報と検査識別情報とをサーバ管理装置7に送信する。サーバ管理装置7は、ユーザ識別情報と業務アプリ識別情報と検査識別情報とを関連付けて記憶する(ステップSE2)。また、業務アプリが起動されるとサーバ装置3は、業務情報データベース装置9に、検査識別情報と実行していた業務に関する業務処理情報とを送信する。業務情報データベース装置9は、送信された検査識別情報と検査情報とを関連付けて業務情報データベースに記憶する(ステップSE3)。
【0087】
以上で業務情報保存処理が終了する。
【0088】
図15は、業務再開処理の典型的な流れを示す図である。なお、図14のサーバ装置3と図15のサーバ装置3とは、同じでも異なってもどちらでも構わない。
【0089】
ユーザにより操作部57を介して業務継続アプリの継続要求を受けるとクライアント装置5は、サーバ装置3に業務継続アプリの起動要求を送信する(ステップSF1)。この際、クライアント装置5により起動要求とともに、継続要求をしたユーザ識別情報もサーバ装置5に送信される。起動要求を受けたサーバ装置3は、業務継続アプリを起動する(ステップSF2)。業務継続アプリが起動されると、サーバ装置3は、業務の継続を要求するための要求画面のデータをクライアント装置5に送信する。要求画面のデータを受信すると、クライアント装置5は、要求画面をクライアント装置5のモニタに表示する(ステップSF3)。要求画面には、業務の継続を要求するためのボタンが表示される。ユーザにより操作部57を介して要求ボタンが押される契機としてクライアント装置5は、ユーザ識別情報とともに引継ぎ要求をサーバ装置3に送信する。
【0090】
継続の要求を受信するとサーバ装置3は、ユーザ識別情報をサーバ管理装置7に送信する。ユーザ識別情報を受信するとサーバ管理装置7は、ユーザ識別情報をキーとして記憶部73を検索して、このユーザ識別情報に関連付けられた業務アプリ識別情報と検査識別情報とを読み出す(ステップSF4)。読み出された業務アプリ識別情報と検査識別情報とは、サーバ管理装置7によりサーバ装置3に送信される。サーバ装置3は、受信された業務アプリ識別情報に対応する業務アプリを起動する(ステップSF5)。業務アプリの起動後、サーバ装置3は、検査識別情報を業務情報データベース装置9に送信する。検査識別情報を受信すると業務情報データベース装置9は、この検査識別情報をキーとして業務情報データベース装置のデータベースを検索し、その検査識別情報に対応する検査情報を読み出す(ステップSF6)。読み出された検査情報は、業務情報データベース装置9によりサーバ装置3に送信される。サーバ装置3は、送信された検査情報を受信すると、ユーザからのクライアント装置5を介した指示に従って、実行している業務アプリで検査情報を処理する。従って、サーバ装置3は、前回の業務を再現することができる。
【0091】
かくして本実施形態の変形例に係わるシンクライアントシステムは、マルチモニタ対応アプリケーションの実行に関する利便性の向上を実現する。
【0092】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態に係わるシンクライアントシステムの構成を示す図。
【図2】図1のサーバ装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】図1のクライアント装置のハードウェア構成を示す図。
【図4】図1のサーバ管理装置のハードウェア構成を示す図。
【図5】図1のシンクライアントシステムによる資源情報送信・記憶処理の典型的な流れを示す図。
【図6】図1のシンクライアントシステムによる第1の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れを示す図。
【図7】図6のステップSB4において表示される資源情報等の一覧の表示例を示す図。
【図8】図6のステップSB4において表示される資源情報等の一覧の他の表示例を示す図。
【図9】図1のシンクライアントシステムによる第2の資源情報表示・サーバアクセス処理の典型的な流れを示す図。
【図10】図9のステップSC7において表示される資源情報等の一覧の表示例を示す図。
【図11】図9のステップSC7において表示される資源情報等の一覧の他の表示例を示す図。
【図12】図1のシンクライアントシステムによるサーバ装置予約処理の典型的な流れを示す図。
【図13】本実施形態の変形例に係わるシンクライアントシステムの構成を示す図。
【図14】変形例に係わるシンクライアントシステムによる業務情報保存処理の典型的な流れを示す図。
【図15】変形例に係わるシンクライアントシステムによる業務再開処理の典型的な流れを示す図。
【符号の説明】
【0094】
1…シンクライアントシステム、3…サーバ装置、5…クライアント装置、7…サーバ管理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置とサーバ管理装置とクライアント装置とを具備するシンクライアントシステムであって、
前記サーバ管理装置は、前記複数のサーバ装置のそれぞれに関する画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する資源情報を記憶し、
前記クライアント装置は、ユーザからの指示に従って、前記資源情報の送信要求を前記サーバ管理装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信された送信要求を受けて前記資源情報を前記クライアント装置に送信し、
前記クライアント装置は、前記送信された資源情報を受信し、前記受信された資源情報を表示する、
ことを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項2】
前記複数のサーバ装置のそれぞれは、自装置に関する前記資源情報を前記サーバ管理装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信された資源情報を受信し、前記受信された資源情報を記憶する、
ことを特徴とする請求項1記載のシンクライアントシステム。
【請求項3】
前記クライアント装置は、前記複数のサーバ装置のうちの特定のサーバ装置をユーザからの指示に応じて選択し、前記選択された特定のサーバ装置に関する予約情報を発行し、前記発行された予約情報を前記サーバ管理装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信された予約情報を受信し、前記受信された予約情報に従って前記特定のサーバ装置の予約を登録する、
ことを特徴とする請求項1記載のシンクライアントシステム。
【請求項4】
前記ネットワークに接続された業務情報データベース装置をさらに備え、
前記クライアント装置は、ユーザからの指示に従って、前記複数のサーバ装置のうちの特定のサーバ装置に実行させている医療業務に関するマルチモニタ対応のアプリケーションの継続要求を前記特定のサーバ装置に送信し、
前記特定のサーバ装置は、前記送信された継続要求を受けて、前記アプリケーションの識別情報と前記ユーザの識別情報と前記アプリケーションの処理対象である検査の識別情報とを前記サーバ管理装置に送信し、前記検査識別情報と検査情報とを前記業務情報データベース装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信された前記アプリケーションの識別情報と前記ユーザの識別情報と前記検査識別情報とを関連付けて記憶し、
前記業務情報データベース装置は、前記送信された検査識別情報と前記検査情報とを関連付けて記憶する、
ことを特徴とする請求項1記載のシンクライアントシステム。
【請求項5】
前記クライアント装置は、前記ユーザからの指示を受けて、業務の再開要求と前記ユーザの識別情報とを前記特定のサーバ装置に送信し、
前記特定のサーバ装置は、前記送信された再開要求を受けて、前記送信されたユーザの識別情報を前記特定のサーバ管理装置に送信し、
前記特定のサーバ管理装置は、前記送信されたユーザの識別情報に関連付けられた前記アプリケーションの識別情報と前記検査識別情報とを読み出して前記特定のサーバ装置に送信し、
前記特定のサーバ装置は、前記送信されたアプリケーションの識別情報に対応するアプリケーションを起動し、前記送信された検査識別情報を前記業務情報データベース装置に送信し、
前記業務データベース装置は、前記送信された検査識別情報に関連付けられた前記検査情報を読み出して前記特定のサーバ装置に送信する、
ことを特徴とする請求項4記載のシンクライアントシステム。
【請求項6】
シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置とサーバ管理装置とクライアント装置とを具備するシンクライアントシステムであって、
前記サーバ管理装置は、前記複数のサーバ装置のそれぞれに関する画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する第1資源情報を記憶し、
前記クライアント装置は、医療業務に係わるマルチモニタ対応のアプリケーションを選択し、前記選択されたアプリケーションに関するアプリ情報を前記サーバ管理装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信されたアプリ情報を受信し、前記受信されたアプリ情報に対応するアプリケーションを実行するために必要な画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する第2資源情報と前記第1資源情報との一致度を前記複数のサーバ装置のそれぞれについて算出し、少なくとも前記算出された一致度のうちの所定値よりも大きい一致度に対応する第1資源情報を前記クライアント装置に送信し、
前記クライアント装置は、前記送信された第1資源情報を受信し、前記受信された第1資源情報を表示する、
ことを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項7】
クライアント装置とネットワークを介して接続された複数のサーバ装置に関する情報を管理するサーバ管理装置であって、
前記複数のサーバ装置のハードウェア構成に関する資源情報を記憶する記憶手段と、
前記クライアント装置からの前記資源情報の要求に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記資源情報又は前記資源情報の検索結果に関する情報を、前記クライアント装置に送信する送信手段と、
を具備することを特徴とするサーバ管理装置。
【請求項1】
シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置とサーバ管理装置とクライアント装置とを具備するシンクライアントシステムであって、
前記サーバ管理装置は、前記複数のサーバ装置のそれぞれに関する画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する資源情報を記憶し、
前記クライアント装置は、ユーザからの指示に従って、前記資源情報の送信要求を前記サーバ管理装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信された送信要求を受けて前記資源情報を前記クライアント装置に送信し、
前記クライアント装置は、前記送信された資源情報を受信し、前記受信された資源情報を表示する、
ことを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項2】
前記複数のサーバ装置のそれぞれは、自装置に関する前記資源情報を前記サーバ管理装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信された資源情報を受信し、前記受信された資源情報を記憶する、
ことを特徴とする請求項1記載のシンクライアントシステム。
【請求項3】
前記クライアント装置は、前記複数のサーバ装置のうちの特定のサーバ装置をユーザからの指示に応じて選択し、前記選択された特定のサーバ装置に関する予約情報を発行し、前記発行された予約情報を前記サーバ管理装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信された予約情報を受信し、前記受信された予約情報に従って前記特定のサーバ装置の予約を登録する、
ことを特徴とする請求項1記載のシンクライアントシステム。
【請求項4】
前記ネットワークに接続された業務情報データベース装置をさらに備え、
前記クライアント装置は、ユーザからの指示に従って、前記複数のサーバ装置のうちの特定のサーバ装置に実行させている医療業務に関するマルチモニタ対応のアプリケーションの継続要求を前記特定のサーバ装置に送信し、
前記特定のサーバ装置は、前記送信された継続要求を受けて、前記アプリケーションの識別情報と前記ユーザの識別情報と前記アプリケーションの処理対象である検査の識別情報とを前記サーバ管理装置に送信し、前記検査識別情報と検査情報とを前記業務情報データベース装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信された前記アプリケーションの識別情報と前記ユーザの識別情報と前記検査識別情報とを関連付けて記憶し、
前記業務情報データベース装置は、前記送信された検査識別情報と前記検査情報とを関連付けて記憶する、
ことを特徴とする請求項1記載のシンクライアントシステム。
【請求項5】
前記クライアント装置は、前記ユーザからの指示を受けて、業務の再開要求と前記ユーザの識別情報とを前記特定のサーバ装置に送信し、
前記特定のサーバ装置は、前記送信された再開要求を受けて、前記送信されたユーザの識別情報を前記特定のサーバ管理装置に送信し、
前記特定のサーバ管理装置は、前記送信されたユーザの識別情報に関連付けられた前記アプリケーションの識別情報と前記検査識別情報とを読み出して前記特定のサーバ装置に送信し、
前記特定のサーバ装置は、前記送信されたアプリケーションの識別情報に対応するアプリケーションを起動し、前記送信された検査識別情報を前記業務情報データベース装置に送信し、
前記業務データベース装置は、前記送信された検査識別情報に関連付けられた前記検査情報を読み出して前記特定のサーバ装置に送信する、
ことを特徴とする請求項4記載のシンクライアントシステム。
【請求項6】
シンクライアント環境下において互いにネットワークを介して接続された複数のサーバ装置とサーバ管理装置とクライアント装置とを具備するシンクライアントシステムであって、
前記サーバ管理装置は、前記複数のサーバ装置のそれぞれに関する画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する第1資源情報を記憶し、
前記クライアント装置は、医療業務に係わるマルチモニタ対応のアプリケーションを選択し、前記選択されたアプリケーションに関するアプリ情報を前記サーバ管理装置に送信し、
前記サーバ管理装置は、前記送信されたアプリ情報を受信し、前記受信されたアプリ情報に対応するアプリケーションを実行するために必要な画面解像度、画面色数、モニタ数、及びモニタの制御方法の少なくとも1つに関する第2資源情報と前記第1資源情報との一致度を前記複数のサーバ装置のそれぞれについて算出し、少なくとも前記算出された一致度のうちの所定値よりも大きい一致度に対応する第1資源情報を前記クライアント装置に送信し、
前記クライアント装置は、前記送信された第1資源情報を受信し、前記受信された第1資源情報を表示する、
ことを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項7】
クライアント装置とネットワークを介して接続された複数のサーバ装置に関する情報を管理するサーバ管理装置であって、
前記複数のサーバ装置のハードウェア構成に関する資源情報を記憶する記憶手段と、
前記クライアント装置からの前記資源情報の要求に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記資源情報又は前記資源情報の検索結果に関する情報を、前記クライアント装置に送信する送信手段と、
を具備することを特徴とするサーバ管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−165260(P2010−165260A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8180(P2009−8180)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]