説明

シンチレータ部材、放射線検出器及び放射線モニタ

【課題】放射線、特にベータ線を高感度で測定することができ、機械的強度を向上したシンチレータ部材及びそれを用いた放射線検出器を提供する。
【解決手段】放射線の入射により蛍光を生じるシンチレータ14と、シンチレータ14の放射線入射面の表面に成膜され、光の透過を阻止させる反射層16と、反射層16の表面に設けられた遮光層17と、遮光層17の表面に設けられた保護層18とからなり、シンチレータの機械的強度を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を光に変換するシンチレータ部材、シンチレータ部材を有する放射線検出器及び放射線モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
原子力施設などにおける放射能汚染を監視する放射線モニタには、シンチレータを有する放射線検出器が備えられている。シンチレータの一種である固体シンチレータとして、スチレンやトルエンなどの有機溶剤にアントラセン、スチルベンゼンなどの蛍光体を溶解して、ポリスチレン、ポリビニルトルエンのように高分子化したプラスチックシンチレータがある。これは、結晶性の有機系シンチレータなどと比較して薄膜の大面積化、長尺形状などへの成形加工が容易であり、更に軽量かつ柔軟性があることで耐衝撃性にも優れ、かつ低コストで入手性が良いことから様々な放射線検出器に用いられている。また、材料の比重が小さくγ線感度が低いことから、β線を測定対象とした高感度な放射線検出器に適用されている。
【0003】
上記放射線検出器において、プラスチックシンチレータが発する蛍光は微弱で、検出には光電子増倍管が必要となる。このため、放射線検出器のケースは外光を遮断した構造となっており、その内部に格納されるプラスチックシンチレータと光電子増倍管は、プラスチックシンチレータが発した蛍光を集光して検出できるように配置されている。
【0004】
ケースには放射線入射窓が設けられており、プラスチックシンチレータはその表面が放射線入射窓の面に接近又は密着するように配置される。放射線入射窓はβ線を透過させつつ外光を遮断する目的から、通常はポリエステルなどの樹脂フィルムの片面或いは両面にアルミのような遮光材料を蒸着した薄膜の窓材が、1枚又は数枚重ねた状態で設置されている(特許文献1,2)。
【0005】
このような放射線検出器は、測定時になるべく測定対象物に近接するような位置に検出面を設置しているが、検出面の薄膜の放射線入射窓材は撓みやすく、外力に対して極めて脆い。このため、測定対象物が特に不定形で表面が平らでない場合やメンテナンス中に、放射線入射窓は測定対象物や工具がぶつかることにより破損することがある。
【0006】
そこで、プラスチックシンチレータの表面上に接着層を介してアルミ層、保護層からなる遮光膜シートを熱転写などで貼り付け一体化したシンチレータ部材が提案されている。それにより、遮光性を良好にし機械的な強度を確保したシンチレータ部材としている(特許文献3)。
【0007】
このように、放射線検出器に用いられるシンチレータ部材では、β線の検出感度を向上させるとともに、機械的強度の低下を防ぐことが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−231187号公報
【特許文献2】実開昭62−16486号公報
【特許文献3】特開2007−147581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の放射線検出器に用いられるプラスチックシンチレータにおいて、発光した蛍光は、プラスチックシンチレータ内で等方的角度に一様に広がる。その蛍光は、例えば平板形状のプラスチックシンチレータの場合、空気層との屈折率差によって生じる臨界角でプラスチックシンチレータ内を全反射伝播する蛍光成分と、プラスチックシンチレータの外に放出される蛍光成分に分けられる。後者は遮光膜で反射され、多くの蛍光成分はプラスチックシンチレータを透過して反対側に放出される。両者はいずれもプラスチックシンチレータの表面状態に依るところが大きく、プラスチックシンチレータの表面に接着層が存在すると蛍光吸収を招くため集光量が減少する要因となる。また、接着層は数μm程度の厚みが必要と考えられ、これはβ線透過を阻害する点で無視できない厚みである。
【0010】
本発明の目的は、放射線を高感度で測定することができ、機械的強度を向上したシンチレータ部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明のシンチレータ部材は、放射線の入射により蛍光を生じるシンチレータと、前記シンチレータの放射線入射面の表面に成膜され、光の透過を阻止させる反射層と、前記反射層の表面に設けられた遮光層と、前記遮光層の表面に設けられた保護層とから成ることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のシンチレータ部材は、放射線の入射により蛍光を生じるシンチレータと、前記シンチレータの放射線入射面の表面に成膜され、光の透過を阻止させる反射層と、前記反射層の表面に設けられ遮光材料を含む保護層とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、シンチレータ部材の機械的強度を向上し、蛍光の集光性を改善し、かつ、放射線の透過を妨害する材料を最小にし、放射線検出器に用いて放射線を高感度で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1に係る放射線モニタの一例を示す図。
【図2】本発明の実施形態1に係るシンチレータ部材を有する放射線検出器の断面図。
【図3】本発明の実施形態1に係るシンチレータ部材の断面図。
【図4】本発明の実施形態2に係るシンチレータ部材を示す図。
【図5】保護部材の一例を示す図。
【図6】保護部材の他の例を示す図。
【図7】保護部材の他の例を示す図。
【図8】本発明の実施形態3に係る放射線モニタの洗浄装置の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るシンチレータ部材、放射線検出器及び放射線モニタの実施形態について図面を参照して説明する。実施形態2以降においては、実施形態1と共通する点についての説明を省略する。
【0016】
(実施形態1)
本実施形態の放射線モニタの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る放射線モニタの一例を示す図である。
【0017】
放射線モニタは、測定対象により様々なタイプがあるが、シンチレータ部材を有する放射線検出器と、サンプル蓄積部と、サンプリング収集装置と、サンプリング状況監視センサと、データ処理部と、データ出力装置と、ユーザ入力装置とで構成される。
【0018】
本実施形態の放射線モニタの例として、ダストモニタがあり、図1は、このダストモニタの概要を示している。
【0019】
ダストモニタは、気体中の粒子状放射性物質の濃度を測定するものである。図1のダストモニタにおいて、サンプル蓄積部は、シンチレータ部材1を有する放射線検出器2にてサンプルを測定するために一時的に測定対象のダストを保持する集塵ろ過部3であり、具体的には、ダストを集塵したろ紙である。放射線検出器2は集塵ろ過部3に対向して配置される。
【0020】
サンプリング収集装置は、データ処理部7から出力される信号に基づき、測定対象を含む気体を集塵ろ過部3に収集する装置である。集塵ろ紙に気体を導く配管、ろ紙巻き取り機構4、集塵ろ過部3から測定終了済の気体を排気するための配管、気体を移送するサンプリングポンプ5、データ処理部7からの信号に基づき気体の収集を制御する制御部から構成される。
【0021】
サンプリング状況監視センサ6は、サンプリング状態を監視してデータ処理部7に入力するセンサであり、サンプリング流量を監視するセンサ(流量計、圧力計)、測定時間などを監視するセンサなどである。
【0022】
データ処理部7は、放射線検出器2と、サンプリング状況監視センサ6、ユーザ入力装置8から入力される信号を用いて、予めプログラムされたロジックに従い、制御信号をサンプリング収集装置に送信し、また、その結果をデータ出力装置9へ出力する。
【0023】
データ出力装置9は、データ処理部7から出力される演算結果を表示、印刷又は伝送する装置である。例えば、液晶ディスプレイ、プリンタ、伝送モジュールなどである。
【0024】
ユーザ入力装置8は、データ処理部7に対して、ユーザが信号を入力するための装置である。例えばマウス、キーボードなどである。
【0025】
放射線モニタの他の例として、測定対象をふき取るスミヤ式のモニタがある。
この場合、サンプル蓄積部は、測定対象をふき取ったろ紙である。サンプリング収集装置は、ろ紙をデータ処理部からの信号に基づき駆動するふき取り駆動部である。
【0026】
放射線モニタの更に別の例として、ガスモニタがある。
この場合、サンプル蓄積部は、サンプリングした測定対象の気体を蓄積する容器である。サンプリング収集装置は、サンプル蓄積部(ガスサンプラ)に気体を導く配管と、ガスサンプラから測定済みの気体を排気するための配管と、気体を収集するためのポンプ、データ処理部からの信号に基づき気体の流量を制御する制御部で構成される。
【0027】
また、放射線検出器に測定対象を近づけて検出する放射線モニタ、例えば人、物の表面汚染を直接測定する放射線モニタがあるが、この場合、サンプルを蓄積する必要がないので、サンプル蓄積部は存在しない。サンプリング収集装置は放射線検出器の駆動部の形態をとる。
【0028】
図2は、本実施形態に係るシンチレータ部材を有する放射線検出器の断面図であり、図3は、本実施形態に係るシンチレータ部材の断面図である。
【0029】
放射線検出器2は、遮光ケース11と、遮光ケース11の開口部に固定されたシンチレータ部材1と、遮光ケース11内の底部に配置された光電子増倍管12とで構成される。なお、図2において、シンチレータ部材1を板状又は枠形状の透明補強部材13の上に載置するようにしているが、この透明補強部材13は省いてもよい。
【0030】
シンチレータ部材1は、平板状でプラスチックのシンチレータ14と、放射線を透過させる積層薄膜15とから構成され、一体とした放射線入射窓としている。積層薄膜15は、反射層16、遮光層17、保護層18の順に構成され、反射層16はシンチレータ14の放射線入射面の表面に直接成膜される。
【0031】
シンチレータ14に、例えば代表的なプラスチックシンチレータ材料を用いた場合、放射線の入射により発する蛍光は、波長が約420nmである。反射層16は、その蛍光を効率良く反射し、光の透過を阻止する特性を備える材料である。例えば、アルミニウムや二酸化チタン(TiO)などの反射材を用いれば表面反射率80%以上が得られる。この反射材をシンチレータ14の表面に形成する方法としては、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法による成膜装置が適用できる。
【0032】
反射層16は、アルミニウムなどを蒸着した薄膜の場合、成膜欠陥に起因するピンホールが確率的に存在し、酸化チタンなどの薄膜は全体的に光が透過して十分な遮光が得られない。このため、反射層16の全表面上に光の透過を阻止する遮光層17が積層される。遮光層17の材料として、例えばカーボンブラックやチタンブラックを含有した樹脂材が用いられる。
【0033】
保護層18は、遮光層17の全表面上に積層される。ここで、窓材の損傷は、製造時や運用時の偶発事故のほかに、人が誤って爪先や鉛筆、シャープペンシルの芯先で突いたり、引っ掻くなどしたことも要因の一つであると言われている。
【0034】
例えばJIS K5600-5-4(ISO/DIN 15184)の引っ掻き硬度(鉛筆法)準拠で表すと、人の爪先硬度は一般に2H前後と言われており、鉛筆などの芯は通常B〜Hの間が良く利用されている。上記したように積層薄膜15はシンチレータ14の表面に直接形成され、かつ、シンチレータ14は透明補強部材13の上に載置されていることから、積層薄膜15の表面に印加される局所応力は全体に分散され、積層薄膜15は容易に破壊されない。よって、保護層18の表面硬度を2H以上にすることで、上記要因による破壊を更に減少させることができる。保護層18の材料として、例えばガラス系、アクリル系樹脂などが適用できる。
【0035】
また、積層薄膜15が静電気放電(ESD)破壊を受ける可能性や帯電によって埃などが窓材表面に吸着し、埃に含まれるラドン子孫核種の放射性物質の影響で放射線のバックグラウンドが増加する可能性が懸念されるため、保護層18の表面は導電性を与え、かつ接地する。一般に帯電防止に効果のある表面抵抗値は1010Ω/cm以下であることから、保護層18の表面の表面抵抗値は1010Ω/cm以下とする。
【0036】
このように、積層薄膜15は、反射層16をシンチレータ14の表面に直接形成することで、シンチレータ14の蛍光を効率良く反射させることができる。また、反射層16の全表面に遮光層17を積層することで、確率的に生じるピンホールを遮光できる。更に、遮光層17の全表面に保護層18を積層することで、遮光層17を外力から保護することができる。
【0037】
また、積層薄膜15は、層数に応じて成膜コストが増加するため、1つの層に多くの機能を持たせて、層数を削減できれば、成膜コストを抑制することができる。このため、保護層18に、遮光性と導電性と表面硬度を備える材料を使用することで、反射層16と保護層18の2層で積層薄膜15が成立できる。
【0038】
本実施形態のシンチレータ部材により、シンチレータ部材の機械的強度を向上し、蛍光の集光性を改善し、かつ、放射線の透過を妨害する材料を最小にし、β線を高感度で測定することができる。
【0039】
(実施形態2)
放射線検出器の放射線入射面のサイズはシンチレータサイズに依存する。このため、測定対象の面積及び容量が大きい場合、大面積の検出面を要するモニタに使用する放射線検出器は、大面積のシンチレータが要求される。
【0040】
本実施形態のシンチレータ部材は、実施形態1で示した複数枚のシンチレータ部材を並置し、保護部材により繋ぎ合わせて一体化し、放射線検出器の放射線入射窓としたものである。
【0041】
図4は、本実施形態に係るシンチレータ部材を示す図である。
実施形態1におけるシンチレータ部材1を1単位として、単位シンチレータ部材22とする。格子状の保護部材23を複数枚の単位シンチレータ部材22の間に接合と遮光を兼ねるように設置し、全体をシンチレータ部材21とする。
【0042】
図5は、保護部材の一例を示す図であり、図6,7は、保護部材の他の例を示す図である。
保護部材23は、単位シンチレータ部材22同士を保持固定するものであって、放射線透過方向に向け断面が細くなる形状、例えば楔型、半円形、台形などの形状としてもよい。保護部材23は、単位シンチレータ部材22の表面(保護層18の表面)から突出しており、外力から保護する機能を有する。保護部材23は、全体が遮光性を有する材料で構成されるか、少なくとも保護層18の表面から突出する部分が遮光性を有する別材料としてもよい。なお、シンチレータ部材21全体を大面積の透明補強部材の上に載置するようにしてもよい。
【0043】
図5において、保護部材23の単位シンチレータ部材22と接する接触部分24は、高い反射率を持つような部材とするか、又は高い反射率を持つように加工されていてもよい。また、接触部分24は、単位シンチレータ部材22のシンチレータ14の発光波長に対して、シンチレータ14と同一又は類似の光学的特性、例えば屈折率や透過率を有する部分を有し、接触している単位シンチレータ部材22と光学的に接合する部材とするか、又は光学的に接合するように加工されていてもよい。いずれの場合もシンチレータ14が発する蛍光を効効率的に光電子増倍管に導くことができる。
【0044】
また、図6に示すように、単位シンチレータ部材22と保護部材23の間の隙間を埋めるような遮光シート25を設置してもよいし、図7に示すように、保護部材23を覆うように接着面を持つ遮光シート25を設置してもよい。
【0045】
本実施形態のシンチレータ部材21において、保護部材23は、外力から保護する保護具の機能と単位シンチレータ部材22の接合機能に加え、シンチレータ内側接合部では光反射又はシンチレータ14と類似の光学的特性を有し光学的な接合機能を兼ね、かつ遮光機能を持っている。
【0046】
本実施形態のシンチレータ部材21は、β線感度低下の抑制だけでなく、保護部材23により、シンチレータ部材21の自重撓みを抑制して検出面を大型化することができる。これにより、十分な強度が確保され、測定対象物が平らでない場合であっても、外力から保護することができる。また、平面化されるので、実施形態3に示すような洗浄装置における、接触部材の接触、吹き付け、吸い込みなどが容易となる。
【0047】
(実施形態3)
放射線モニタでは、ガスサンプラのように測定対象を検出面に密着させた場合、放射線入射窓が汚染される場合がある。その場合、BG計数値を人がチェックして、BGが高い場合は放射線入射窓もしくは放射線検出器を外して放射線入射窓の表面を拭くというようなメンテナンスが必要であり、また、汚染防止シートを設けることもあった。
【0048】
本実施形態の放射線モニタは、放射線検出器の放射線入射窓であるシンチレータ部材の表面の汚染を除去する洗浄装置を備えている。シンチレータ部材は、実施形態1のシンチレータ部材1又は実施形態2のシンチレータ部材21である。
【0049】
図8は、本実施形態に係る放射線モニタの洗浄装置の一例を示す図である。
洗浄装置31は、図1の放射線モニタでは、データ処理部7から出力される洗浄制御信号に基づき、シンチレータ部材の表面の洗浄を行うが、シンチレータ部材の表面に接触させる接触部材32と、接触部材32を移動させる接触面移動機構33で構成される。シンチレータ部材に付着した汚染物質を、接触部材32に移すことで除去する。また、シンチレータ部材の表面に流体を吹付ける流体吹付け機構、又は、シンチレータ部材の表面を吸引する吸引機構を設け、シンチレータ部材の表面に付着した汚染物質を除去してもよい。
【0050】
また、データ処理部7が、ユーザ入力装置8からの入力信号に基づき予めプログラムされたロジックに従い、洗浄制御信号を出力してもよいし、予め組込まれた判定ロジックに従い、洗浄制御信号を出力してもよい。
【0051】
本実施形態の放射線モニタは、汚染防止シートを用いていないのでβ線の透過を妨げることもなく、また、メンテナンスを必要とせずシンチレータ部材の表面の汚染を除去することができる。
【符号の説明】
【0052】
1,21…シンチレータ部材、2…放射線検出器、11…遮光ケース、12…光電子増倍管、13…透明補強部材、14…シンチレータ、15…積層薄膜、16…反射層、17…遮光層、18…保護層、22…単位シンチレータ部材、23…保護部材、31…洗浄装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の入射により蛍光を生じるシンチレータと、前記シンチレータの放射線入射面の表面に成膜され、光の透過を阻止させる反射層と、前記反射層の表面に設けられた遮光層と、前記遮光層の表面に設けられた保護層とから成ることを特徴とするシンチレータ部材。
【請求項2】
放射線の入射により蛍光を生じるシンチレータと、前記シンチレータの放射線入射面の表面に成膜され、光の透過を阻止させる反射層と、前記反射層の表面に設けられ遮光材料を含む保護層とから成ることを特徴とするシンチレータ部材。
【請求項3】
前記保護層は、所定の硬度と導電性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシンチレータ部材。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のシンチレータ部材を複数並置し、前記複数のシンチレータ部材の間に保護部材を設置したことを特徴とするシンチレータ部材。
【請求項5】
前記保護部材は、放射線透過方向に向け断面が細くなる形状であることを特徴とする請求項4に記載のシンチレータ部材。
【請求項6】
前記保護部材の前記複数のシンチレータ部材に接している部分は、光反射機能を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のシンチレータ部材。
【請求項7】
前記保護部材の前記複数のシンチレータ部材に接している部分は、前記シンチレータと同一又は類似の光学的特性を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のシンチレータ部材。
【請求項8】
前記保護部材と前記複数のシンチレータ部材の間に遮光シートを設置したことを特徴とする請求項4又は5に記載のシンチレータ部材。
【請求項9】
前記保護部材を遮光シートで覆ったことを特徴とする請求項4又は5に記載のシンチレータ部材。
【請求項10】
遮光ケースと、前記遮光ケースに放射線入射窓として固定した請求項1ないし9のいずれかに記載のシンチレータ部材と、前記遮光ケース内に設置した光電子増倍管とから成ることを特徴とする放射線検出器。
【請求項11】
請求項10に記載の放射線検出器と、前記放射線検出器に対向して配置され測定対象を保持するサンプル蓄積部と、測定対象を前記サンプル蓄積部に収集するサンプリング収集装置と、サンプリング状況監視センサと、データ処理部と、データ出力装置と、ユーザ入力装置とで構成され、
前記データ処理部は、前記放射線検出器、前記サンプリング状況監視センサ、及び前記ユーザ入力装置から入力される信号により、前記サンプリング収集装置へ制御信号を送信し、前記データ出力装置へ測定結果を出力することを特徴とする放射線モニタ。
【請求項12】
前記放射線検出器に前記シンチレータ部材の表面の汚染を除去する洗浄装置を備えたことを特徴とする請求項11に記載の放射線モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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