説明

シート、紙箱およびシートの開穿方法

【課題】シートを破損させることなく細長い開口部を確実に形成する。
【解決手段】開口部26の輪郭を形成するシート部分100を該輪郭の全周に亘ってカッタにより切断することで、開口部26の輪郭を形成し、該切断部分で囲まれたシート部分102をピン150により押し込んで残りのシート部分103から分離することで、シート2に細長い開口部26を形成する場合において、前記のピン150による押し込みの際にピン150と前記残りのシート部分103とが干渉することを避けるために、開口部26の一部が開口部26の短手方向外側へ膨出するように開口部26の輪郭を形成し、ピン150による前記シート部分102の押し込みを、前記膨出する部分を含む部分において行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長い開口部を有するシート、該シートを用いて組み立てられた紙箱、及びシートに細長い開口部を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブランクシートを用いて組み立てられる紙箱に関して、例えば特許文献1には、紙箱の前面部に再封用の差し込み口を設け、開封後に蓋部の下端を差し込み口に差し込むことで紙箱が再封されるようにした技術が開示されている。かかる技術において、再封用の差し込み口は、ブランクシートに形成された切り込みにより構成される。
【0003】
しかし、このように再封用の差し込み口を切り込みで構成する場合、差し込み口を拡げなければ、差し込み口に蓋部下端を差し込むことができないため、容易に再封できないことがある。
【0004】
この問題に鑑みて、再封用の差し込み口を、切り込みに代えて細長い開口部で構成することが考えられる。この場合、差し込み口の短手方向に関して、差し込み口を拡げなくてもある程度の幅を確保することができ、蓋部下端を差し込み口へ容易に差し込むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−113835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紙箱用のブランクシートに開口部を形成する場合は、先ず、該開口部の輪郭を形成するシート部分をカッタで切断する。続いて、該切断部分で囲まれたシート部分を残りのシート部分から分離させるようにピンで落とし込み、これにより、ブランクシートに開口部が形成される。
【0007】
ところが、上記の再封用の差し込み口として細長い開口部をブランクシートに形成する場合、開口部の短手方向の幅が上記のピンの外径と同程度になることがあり、ピンによる落とし込みの際にピンが開口部周縁のシート部分に干渉することがある。よって、この場合、ピンによる落とし込みが不完全となったり、ブランクシートの破損を招いたりすることがある。
【0008】
そこで、本発明は、開口部の輪郭を形成するシート部分をカッタで切断した後に、該切断部分で囲まれたシート部分を残りのシート部分から分離させるようにピンで押し込むことで、シートに細長い開口部を形成する場合において、シートを破損させることなく開口部を確実に形成することを、基本的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係るシートは、
細長い開口部の輪郭を形成するシート部分が該輪郭の全周に亘ってカッタにより切断され且つ該切断部分で囲まれたシート部分がピンにより押し込まれて残りのシート部分から分離されることで、前記開口部が形成されたシートであって、
前記開口部に、前記切断部分で囲まれたシート部分が前記ピンにより押し込まれるときに該ピンと前記残りのシート部分とが干渉することを避けるために前記開口部の短手方向外側へ膨出した膨出部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る紙箱は、上記のシートを用いて組み立てられた紙箱であって、
底面部と、該底面部から立ち上がる周壁部と、該周壁部の上端開口部を塞ぐ蓋部と、を備え、
前記細長い開口部は、前記蓋部の一部を差し込むために前記周壁部に設けられた差し込み口であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るシートの開穿方法は、
シートに細長い開口部を形成するシートの開穿方法であって、
前記開口部の輪郭を形成するシート部分を該輪郭の全周に亘ってカッタにより切断することで前記輪郭を形成する輪郭形成工程と、
前記カッタによる切断部分で囲まれたシート部分をピンにより押し込んで残りのシート部分から分離する分離工程と、を有し、
前記輪郭形成工程では、前記分離工程において前記ピンと前記残りのシート部分とが干渉することを避けるために前記開口部の一部が該開口部の短手方向外側へ膨出するように前記輪郭を形成し、
前記分離工程では、前記切断部分で囲まれたシート部分のうち、前記膨出する部分を含む部分においてを前記ピンにより押し込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、開口部の輪郭を形成するシート部分をカッタで切断した後に、該切断部分で囲まれたシート部分を残りのシート部分から分離させるようにピンで押し込むことで、シートに細長い開口部を形成する場合において、該開口部に、上記のピンによる押し込みの際にピンと前記残りのシート部分とが干渉することを避けるために開口部の短手方向外側へ膨出した膨出部が設けられる。そのため、ピンの押し込みによるシートの分離が不確実になることで開口部が確実に形成されなかったり、シートの破損を招いたりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る紙箱を示す斜視図である。
【図2】図1に示す紙箱の形成に使用されるブランクシートの平面図である。
【図3】図2に示すブランクシートを組み立てる手順を示す斜視図である。
【図4】図2に示すブランクシートを組み立てる手順を示す斜視図である。
【図5】図2に示すブランクシートを組み立てる手順を示す斜視図である。
【図6】組み立てが完了した状態の紙箱を示す斜視図である。
【図7】紙箱を開封した状態を示す斜視図である。
【図8】紙箱を解体した状態を示す斜視図である。
【図9】ブランクシートに差し込み口を形成する手順を示す斜視図である。
【図10】ブランクシートに差し込み口を形成する手順を示す斜視図である。
【図11】差し込み口を拡大して示す紙箱の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語)を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。また、以下の説明において、同一又は類似の構成部分には同一の符号を用いている。
【0015】
図1は、本実施形態に係る紙箱1を示す斜視図である。紙箱1は、例えば薬品や化粧品の容器等を包装するために使用されるものであり、図2に示すように複数のパネル部からなるブランクシート2を用いて組み立てられる。
【0016】
図1に示すように、紙箱1は、底面部14と、底面部14から立ち上がる筒状周壁4と、筒状周壁4の上端開口を塞ぐ蓋部15とを備える。蓋部15は、筒状周壁4の上端の一部に折り目72を介して連設され且つ筒状周壁4の上端開口を塞ぐ上面部16と、上面部16に折り目71を介して連設され且つ筒状周壁4の外周面の一部を被覆する被覆部17とを有する。被覆部17は、筒状周壁4の外周面に接着される周壁接着部20と、上面部16に連なったままの状態で周壁接着部20から切り離し可能であり且つ該切り離し後の蓋部15により筒状周壁4の上端開口を閉じたときに筒状周壁4に係止可能な係止部22とを有する。周壁接着部20と係止部22との境界には、複数の切り込みからなるミシン目91が形成されている。係止部22の先端には、筒状周壁4に形成された後述の差し込み口26に差し込まれる差し込み片24が設けられている。
【0017】
筒状周壁4は、蓋部15の上面部16が連設された後面部6と、後面部6に対向配置され且つ蓋部15の被覆部17に被覆される前面部8と、前面部8と後面部6とに跨る一対の側面図10,12とからなる。
【0018】
前面部8には、上述の係止部22の差し込み片24を差し込むための差し込み口26が形成されている。差し込み口26は、例えば三日月状に屈曲した細長い開口部で構成されている。このように開口部で構成された差し込み口26は、切り込みで構成された差し込み口とは異なり、差し込み口26の短手方向に関してある程度の幅を有するため、蓋部15の差し込み片24を差し込み口26に差し込みやすくなっている。差し込み口26は、その長手方向中央部が最上部となるように設けられており、差し込み口26への差し込み片24の差し込みが、差し込み口26の長手方向中央部から開始されるようにしてある。また、図11に示すように、差し込み口26の長手方向中央部には、上方に膨出する後述の膨出部110が設けられている。さらに、前面部8には、差し込み口26の上縁に連なる複数の切り込み104(104a,104b,104c,104d,104e)が設けられている。これらの切り込み104を設けることにより、差し込み口26の上縁部を容易に撓ませることができるため、差し込み口26への差し込み片24の差し込みが一層容易になっている。
【0019】
図3及び図4に示すように、各側面部10,12は、複数のパネル部、具体的には後述の3つのパネル部60a〜60c,62a〜62cが互いに重ね合わされて構成されている。各側面部10,12の上端には、上面部16の下面に接着させるための接着片30が折り目83,84を介して連設されている。各側面部10,12の上端にはまた、接着片30の内側に重ねられる内側片32が折り目81,82を介して連設されている。本実施形態において、接着片30は、側面部10,12において最も外側に配置されるパネル部60c,62cに連設され、内側片32は、側面部10,12において最も内側に配置されるパネル部60a,62aに連設されている。
【0020】
ただし、接着片30は、側面部10,12において最も内側に配置されるパネル部60a,62a以外のいずれのパネル部60b,60c,62b,62cに連設されるようにしてもよく、内側片32は、接着片30に連設されたパネル部よりも内側に配置されたパネル部であればいずれのパネル部60a,60b,62a,62bに連設されるようにしてもよい。また、接着片30及び/又は内側片32は、いずれか一方の側面部の上端に連設されるようにしてもよい。
【0021】
図2は、組み立てられたときに箱の内側に配置される面側から見たブランクシート2の平面図である。図2に示すように、ブランクシート2は、底面部14を構成する底面パネル部64と、前面部8を構成する前面パネル部58と、後面部6を構成する後面パネル部56と、一方の側面部10を構成する3つの側面パネル部60a,60b,60cと、他方の側面部12を構成する3つの側面パネル部62a,62b,62cと、上面部16を構成する上面パネル部66と、被覆部17を構成する被覆パネル部67とを有する。
【0022】
図中の上下方向において上から順に、被覆パネル部67、上面パネル部66、後面パネル部56、底面パネル部64、及び前面パネル部58が、折り目71〜74を介して直線状に並んで連設されている。前面パネル部58には差し込み口26が設けられている。前面パネル部58に差し込み口26を形成する方法については後述する。
【0023】
一方の側面部10は、組み立てられたときに最も内側に配置される第1の側面パネル部60aと、第1の側面パネル部60aの外側に配置される第2の側面パネル部60bと、第2の側面パネル部60bの外側、すなわち最も外側に配置される第3の側面パネル部60cとで構成される。同様に、他方の側面部12は、組み立てられたときに最も内側に配置される第1の側面パネル部62aと、第1の側面パネル部62aの外側に配置される第2の側面パネル部62bと、第2の側面パネル部62bの外側、すなわち最も外側に配置される第3の側面パネル部62cとで構成される。第1の側面パネル部60a,62aは、底面パネル部64に折り目77,78を介して連設され、第2の側面パネル部60b,62bは、後面パネル部56に折り目75,76を介して連設され、第3の側面パネル部60c,62cは、前面パネル部58に折り目79,80を介して連設されている。後面パネル部56と第2の側面パネル部60b,62bとの境界と、前面パネル部58と第3の側面パネル部60c,62cとの境界とには、複数の切り込みからなるミシン目92〜95が形成されている。また、第3の側面パネル部60c,62cと接着片30との境界にも、複数の切り込みからなるミシン目96,97が形成されており、これにより、接着片30が側面部10,12の上端から切り離し可能となっている。
【0024】
第1の側面パネル部60a,62a、第2の側面パネル部60b,60b、及び接着片30の外側の面には、シール部S1〜S3が所定箇所に設けられている(図3〜図5参照)。また、周壁接着部20の内側の面にもシール部S4が所定箇所に設けられている。シール部S1〜S4には、ブランクシート2の組立て前に予め接着剤が塗布される。
【0025】
図3〜図6に基づき、ブランクシート2を組み立てる手順について説明する。図3に示すように、先ず、第1の側面パネル部60a,62aを折り目77,78に沿って略直角に折り曲げる。続いて、図4に示すように、後面パネル部56を折り目73に沿って略直角に折り曲げた後、第2の側面パネル部60b,62bを折り目75,76に沿って略直角に折り曲げ、第1の側面パネル部60a,62aの外側の面に第2の側面パネル部60b,62bを貼り合わせる。次に、図5に示すように、前面パネル部58を折り目74に沿って略直角に折り曲げた後、第3の側面パネル部60c,62cを折り目79,80に沿って略直角に折り曲げ、第2の側面パネル部60b,62bの外側の面に第3の側面パネル部60c,62cを貼り合わせる。これにより、接着片30の内側に内側片32が重ねられる(図1参照)。最後に、薬品の容器等の収容物を箱の内部に収容した状態で蓋部15を閉じることで、図6に示すようにブランクシート2の組立てが完了し、これにより紙箱1の内部に収容物が封入される。蓋部15を閉じる際、具体的には、接着片30と内側片32を折り目81〜84に沿って内側に折り曲げた状態で、上面パネル部66を折り目72に沿って略直角に折り曲げ、接着片30の外側の面に上面パネル部66を貼り合わせる。さらに、被覆パネル部67を折り目71に沿って略直角に折り曲げ、前面パネル部58の外側の面に被覆パネル部67の周壁接着部20を貼り合わせる。これにより、蓋部15の上面部16が接着片30に接着され、蓋部15の被覆部17が前面部8に接着されることから、蓋部15の接着が紙箱1の前面と上面の2面で行われることとなる。そのため、紙箱の前面のみで蓋部の接着を行う場合に比べて、開封前に誤って蓋部15が開いてしまうことを一層確実に防止することができる。
【0026】
紙箱1に収容物が封入された状態において、紙箱1を押さえながら蓋部15の先端に設けられた差し込み片24を摘んで引き上げることにより、図7に示すように紙箱1を開封することができる。具体的に、かかる開封操作により、蓋部15の被覆部17において、ミシン目91に沿って係止部22が周壁接着部20から切り離されるとともに、蓋部15の上面部16の下面に接着された接着片30が、ミシン目96,97に沿って第3の側面パネル部60,62cから切り離され、これにより、蓋部15を開くことができる。このようにして紙箱1を開封すると、接着片30が側面部10,12から切り離されるが、開封前に接着片30の内側に重ねられていた内側片32は、側面部10,12の上端に連設された状態が維持される。紙箱1をいったん開封した後に蓋部15を閉じるとき、蓋部15の先端の差し込み片24を前面部8の差し込み口26に差し込むことで、蓋部15の係止部22を前面部8に係止することができ、これにより、一旦開封した紙箱1に薬品の容器等の収容物を再封入することが可能となる。このとき、蓋部15の上面部16は、内側片32の外側に重ねられることとなるため、蓋部15の上面部16と側面部10,12の上端との間の隙間を内側片32により概ね塞ぐことができる。
【0027】
開封後の紙箱1を廃棄する際、図8に示すように、側面部10,12を外側に倒すようにしながら、第3の側面パネル部60c,62cをミシン目94,95に沿って前面部8から切り離し、第2の側面パネル部60b,62bをミシン目92,93に沿って後面部6から切り離すことで、側面部10,12を前面部8及び後面部6から容易に切り離すことができる。これにより、紙箱1を容易に薄板状にすることができ、廃棄時の利便性が高められる。
【0028】
続いて、図9及び図10を参照しながら、ブランクシート2に差し込み口26を形成する方法について説明する。
【0029】
差し込み口26は、輪郭形成工程と分離工程とを経て形成される。
【0030】
先ず、輪郭形成工程では、差し込み口26の輪郭を形成するシート部分100を、該輪郭の全周に亘って図示しないカッタにより切断し、これにより、差し込み口26の輪郭を形成する。この差し込み口26の輪郭形成は、差し込み口26が概略三日月状に形成されるように且つ差し込み口26に膨出部110が設けられるように行う。膨出部110は、次の分離工程においてピン150が上記の切断部分100で囲まれたシート部分102を除く残りのシート部分103に干渉することを避けるために差し込み口26の短手方向外側へ膨出して設けられる。また、膨出部110は、差し込み口26の長手方向中央部に配置されるように、且つ、後述のピン150の下面形状に対応した形状、具体的には例えば半円状となるように設けられる。このようにして膨出部110が設けられるように差し込み口26の輪郭を形成することで、上記シート部分102の短手方向の幅は、上記シート部分102の長手方向中央部において比較的大きく確保される。
【0031】
なお、輪郭形成工程では、差し込み口26の輪郭形成と併せて、差し込み口26に連なる上記複数の切り込み104(104a,104b,104c,104d,104e)を形成する。
【0032】
次の分離工程では、切断部分100で囲まれたシート部分102をピン150により押し込んで残りのシート部分103から分離させる。具体的には、シート2を水平に配置した状態で、切断部分100で囲まれたシート部分102を、上下方向に沿って配置された丸棒状のピン150の下端により下方へ押し込むことにより、落とし込む。このとき、ピン150による押し込みは、シート部分102のうち膨出部110に相当する部分を含む部分、すなわち、シート部分102の長手方向中央部において行う。シート部分102の長手方向中央部は、シート部分102の短手方向に関して最大の幅を有するため、ピン150と残りのシート部分103との干渉を回避しつつ、ピン150によるシート部分102の押し込みを確実に行うことができる。よって、ピン150との接触による残りのシート部分103の破損を防止しつつ、シート部分102の落とし込みによる差し込み口26の形成を確実に行うことができる。
【0033】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0034】
例えば、上述の実施形態では、紙箱用のブランクシートに開口部を形成する場合について説明したが、本発明は、紙箱以外の種々の用途に用いるシートに開口部を形成する場合にも等しく適用することができる。
【0035】
また、上述の実施形態では、三日月状に屈曲した開口部を形成する場合について説明したが、本発明は、三日月状以外の種々の形状の細長い開口部を形成する場合にも等しく適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1:紙箱、2:ブランクシート、4:周壁部、14:底面部、15:蓋部、17:被覆部、26:差し込み口(細長い開口部)、100:輪郭を形成するシート部分(切断部分)、102:切断部分で囲まれたシート部分、103:残りのシート部分、110:膨出部、150:ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い開口部の輪郭を形成するシート部分が該輪郭の全周に亘ってカッタにより切断され且つ該切断部分で囲まれたシート部分がピンにより押し込まれて残りのシート部分から分離されることで、前記開口部が形成されたシートであって、
前記開口部に、前記切断部分で囲まれたシート部分が前記ピンにより押し込まれるときに該ピンと前記残りのシート部分とが干渉することを避けるために前記開口部の短手方向外側へ膨出した膨出部が設けられていることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記膨出部は、前記開口部の長手方向中央部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシートを用いて組み立てられた紙箱であって、
底面部と、該底面部から立ち上がる周壁部と、該周壁部の上端開口部を塞ぐ蓋部と、を備え、
前記細長い開口部は、前記蓋部の一部を差し込むために前記周壁部に設けられた差し込み口であることを特徴とする紙箱。
【請求項4】
前記蓋部は、前記周壁部の一部を覆う被覆部を備え、
前記差し込み口は、前記被覆部の下端部を差し込み可能に設けられ、
前記差し込み口において、前記膨出部は上方へ膨出するように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の紙箱。
【請求項5】
シートに細長い開口部を形成するシートの開穿方法であって、
前記開口部の輪郭を形成するシート部分を該輪郭の全周に亘ってカッタにより切断することで前記輪郭を形成する輪郭形成工程と、
前記カッタによる切断部分で囲まれたシート部分をピンにより押し込んで残りのシート部分から分離する分離工程と、を有し、
前記輪郭形成工程では、前記分離工程において前記ピンと前記残りのシート部分とが干渉することを避けるために前記開口部の一部が該開口部の短手方向外側へ膨出するように前記輪郭を形成し、
前記分離工程では、前記切断部分で囲まれたシート部分のうち、前記膨出する部分を含む部分においてを前記ピンにより押し込むことを特徴とするシートの開穿方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−126548(P2011−126548A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284085(P2009−284085)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000156846)カンナル印刷株式会社 (7)
【Fターム(参考)】