説明

シートを移送するための方法及び装置

交差編み繊維織布を製造する装置が2つの異なる方向に向けられた第1コンベアベルト(10)と第2コンベアベルト(20)からなり、第2コンベアベルト(20)は第1コンベアベルト(10)の側面に隣接している。装置の動作中に、第1コンベアベルト(10)は搬送領域(12)の第2コンベアベルト(20)に搬送される長手繊維織布セグメント(5)を移送する。第1コンベアベルト(10)による搬送中に、長手繊維織布セグメント(5)の搬送領域(35)が第1コンベアベルト(10)の側面に対して突出している。この装置は、搬送領域(12)で、長手繊維織布セグメント(5)が完全に外方向に伸びた状態で第2コンベアベルト(20)に移送されるのを保証するために、この搬送領域(35)の一部(36)を支持するための案内ベルト(60)を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にシートを2つの異なる方向に連続的に移送させることに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特にシートを搬送することに関し、シートは第1キャリアと第2キャリアにより順次搬送され、これらのキャリアは異なる方向に動き、ある瞬間に、シートは第1キャリアから第2キャリアに運ばれる。
【0003】
この技術状態に従うと、シートを移送させる方法は第1方向に動き且つ表面力によりシートを保持できる第1キャリアを適用することによりシートを第1方向に動かす工程であり、シートの保持具領域が第1キャリアにより保持され且つシートの搬送領域が第1キャリアに対して突出している工程と;シートを第1キャリアから第2方向に動き且つ表面力によりシートを保持できる第2キャリアに動かす工程であり、シートが第1キャリアにより搬送位置に配置され、全搬送領域が第2キャリアと重複する工程と;第2キャリアを適用することによりシートを第2方向に移送する工程とからなる。
【0004】
この既知の方法は、例えば、いわゆる交差編みファイバーウエブ(繊維織布)の製造工程の一部として適用される。このような繊維織布は2層又はそれ以上の繊維の層からなり、各層の繊維の方向は互いに対してある角度、例えば90度の角度である。
【0005】
以下に、例として、交差編み繊維織布の製造工程が記載され、交差編み繊維織布の各層の繊維は互いに対して90度の角度である。交差編み繊維織布製造工程の目的のため、第1エンドレスコンベアベルトおよび第2エンドレスコンベアベルトを有する装置が適用される。第2コンベアベルトは近接して取り付けられた状態で第1コンベアベルトの側面に隣接し、第1コンベアベルトに対して90度の角度で伸びている。
【0006】
交差編み繊維織布の製造のため、長手繊維織布が両コンベアベルト上に位置決めされる。長手繊維織布は繊維が1方向に、特に、繊維織布の側端部とほぼ平行である方向に伸びる繊維織布である。長手繊維織布は収納リール等に巻き取られ、コンベアベルトにより保持される。長手繊維織布は種々の方法で保持できる。通常の可能性に従うと、吸引力が適用され、圧力降下がコンベアベルトの支持表面の背部に現れ、コンベアベルトは複数の圧力開口部が設けられる。
【0007】
第1コンベアベルトで、第1コンベアベルトに対して90度の角度で伸びているナイフが設けられる。ナイフが適用されると、複数のセグメントが第1コンベアベルト上の長手繊維織布から連続的に切断され、第1コンベアベルトにより更に順次移送される。切断されたセグメントが、搬送位置として示される、第2コンベアベルトが第1コンベアベルトに隣接する位置にあると、第1コンベアベルトが停止し、セグメントが第2コンベアベルトに移送される。このように、セグメントは第2コンベアベルト上に配置された長手繊維織布上に残る。コンベアベルトの動きは連続的なセグメントが隣接する状態で長手繊維織布上に残るように互いに適合され、連続交差編み繊維織布が得られることが明らかである。
【0008】
交差編み繊維織布は長手繊維織布とセグメントが互いに接続されると形成される。長手繊維織布上にセグメントを固定することにより、種々の方法で、例えば、積層することにより実現される。
【0009】
セグメントを第1コンベアベルトから第2コンベアベルトに移送するため、セグメントはセグメントの保持領域のみが第1コンベアベルト上に載り、セグメントの搬送領域が第1コンベアベルトに対して隣接するように第1コンベアベルト上に位置決めされる。特に、セグメントの搬送領域が第2コンベアベルトに隣接する第1コンベアベルトに対して突出している。このように、セグメントの搬送領域はセグメントが搬送位置にある場合第2コンベアベルト上に配置される。セグメントと第1コンベアベルト間の吸引力が解除され、第2コンベアベルトセグメントを保持するために活性化されるとすぐに、この第2コンベアベルトが第1コンベアベルトのセグメントを簡単な方法ではがし、さらにセグメントを直接移送することができる。第3コンベアベルト又はローラーを設けることができ、第1コンベアベルトから第2コンベアベルトにセグメントを移送させる作用がセグメントを長手繊維織布に対し押し付ける事により良好且つ確実な方法で行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
実際には、上述の製造工程により得られる交差編み繊維織布が不ぞろいになる状態が生じた。この点において、セグメントの搬送領域が常に第2コンベアベルト上の長手繊維織布上に適切に仕上がらない場合が生じる。例えば、搬送領域の端部の小領域がカールし、結果として、セグメントが長手繊維織布に接続されると二重に折り重なる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は切断セグメントを移送するための方法を提供することであり、第1コンベアベルトから第2コンベアベルトへのセグメントの移送が適切な方法で、即ち、セグメントの端部の一部がカールし又は折り重なることなく、実施されることを保証する対策がなされる。
【0012】
本発明の目的は一般的に以下のシート移送方法により達成される。即ち、本発明のシート移送方法は第1方向に動き且つ表面力によりシートを保持できる第1キャリアを適用することによりシートを第1方向に動かす工程であり、シートの保持具領域が第1キャリアにより保持され、シートの移送領域が第1キャリアに対して突出している工程と;シートを第1キャリアから第2方向に動き且つ表面力によりシートを保持できる第2キャリアに移送する工程であり、シートは第1キャリアにより搬送位置に置かれ、全搬送領域が第2キャリアと重複している工程と;第2キャリアを適用することによりシートを第2方向に移動させる工程とを具備し、シートの第1方向への移動中に、シートの搬送領域の少なくとも一部からなるシートの案内領域の案内が案内手段を適用することにより実施され、シートが搬送位置に到達すると案内が中止される。
【0013】
本発明の重要な態様において、本発明の方法が交差編み繊維織布を製造するために適用されると、セグメントの案内領域はセグメントが第1コンベアベルトにより搬送位置に搬送されるとき案内される。案内領域は第1コンベアベルトに対して突出しているセグメントの搬送領域の少なくとも一部からなる。セグメントが搬送領域に到達すると、案内動作が中止するので、セグメントは第2コンベアベルトに送られる。セグメントの搬送領域の少なくとも一部を案内することにより、この領域がカールし又は折り重ならないので、セグメントが第2コンベアベルト上の長手繊維織布上に完全に平坦な状態で載置される。有利な結果として、長手繊維織布とセグメントに基いて形成された交差編み繊維織布が規則的な構造を有し、全ての交差編み繊維織布が更なる用途のために有益になる。
【0014】
本発明は図面を参照し本発明の以下の記載に基いてより詳細に説明される。同一参照符号は同一又は類似の部品を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1−図3は本発明の好ましい実施例に従った交差編みファイバウエブ(繊維織布)2を製造するための装置1の種々の図を示す。
【0016】
交差編み繊維織布2は2つの長手繊維織布3、4に基いて製造される。簡明にするため、長手繊維織布3、4は図1及び図2にのみ示される。装置1は第1長手繊維織布3を第1方向に移送するための第1コンベアベルト10と、第2長手繊維織布3を第2方向に移送するための第2コンベアベルト20を具備している。例示において、コンベアベルト10、20は互いに対して90度の角度に伸びており、コンベアベルト10、20が互いに対して他の角度に向いていることは変わらない。第2コンベアベルト20は第1コンベアベルト10の側面に隣接している。
【0017】
通常、長手繊維織布3、4は装置1の動作中に回転されるリール31、41上に位置決めされ、長手繊維織布3、4がリール31、41に巻き取られる。リール31、41を受入れ且つ回転させるため、装置1は繰り出し装置32、42を具備している。更に、装置1は長手繊維織布3、4をコンベアベルト10、20の方向に案内するための案内装置33、43を具備している。
【0018】
装置1は第1コンベアベルト10上に位置決めされた第1長手繊維織布3のセグメント5を切断するためのナイフ51を有する切断装置50を具備している。第1長手繊維織布3はナイフ51の下方を動きながら、ナイフ51は第1長手繊維織布3のセグメント5を切断するように規則的に活性化される。例示のように、図3において、セグメント5が示され、セグメント5は透明であるように図示されているので、装置1の下部が見える。
【0019】
本発明の重要な態様によると、装置1は第1コンベアベルト10に対して平行であり第2コンベアベルト20により隣接される第1コンベアベルト10の側面に沿って伸びる案内ベルト60を具備している。図4において、案内ベルト60の一部はより詳細に示される。図4において、簡明のため透明であるように図示されたセグメント5の一部が示されている。案内ベルト60は案内ベルト60が広がる位置で横方向に突出する多数の部分61を具備している。図3及び図4において、案内ベルト60の比較的狭い部分が参照番号62で示される。
【0020】
装置1は第2コンベアベルト20の一部の上方に伸び且つ第2方向に移動可能である第3コンベアベルト70を具備している。簡明のため、第3コンベアベルト70が図2のみに示される。さらに、装置1はセグメント5と第2長手繊維織布4を相互に接続するための積層装置80を具備している。
【0021】
以下において、本発明の装置1が使用される場合に、交差編み繊維織布2の製造方法を実施する方法が記載されている。
【0022】
第1長手繊維織布3は第1長手繊維織布3の固定装置領域34のみが第1コンベアベルト10により支持され、第1長手繊維織布3の搬送領域35が第1コンベアベルト10の側面に対して突出するように第1コンベアベルト10上に広げられる。この第1長手繊維織布3が第1長手繊維織布3の切断されたセグメント5に向かって進む。
【0023】
第1長手繊維織布3が固定装置領域34の位置で第1コンベアベルト10により保持される。例示において、第1コンベアベルト10は複数の開口部11から成るので、第1コンベアベルト10は下方圧力が開口部11の被覆されていない側で優位になると第1長手繊維織布3に吸引力を作用させることができる。同様な方法で、セグメント5は固定装置領域34の位置で第1コンベアベルト10により保持される。
【0024】
第1長手繊維織布3は第1コンベアベルト10により切断装置50に動かされる。切断装置50の位置で、ナイフ51が第1長手繊維織布3のセグメント5を切断するために連続的に使用される。
【0025】
切断装置50から開始する場合、切断セグメント5がさらに第1コンベアベルト10により移送されると、搬送領域35の少なくとも一部が案内ベルト60により支持される。特に、第1コンベアベルト10の移動方向の前面部36であるセグメント5の搬送領域35の一部36は案内ベルト60の突出部61により完全に支持される。案内ベルト60は、例えば、静電気に基いてセグメント5の搬送領域35を保持するように適合される。
【0026】
切断装置50からセグメント5が第2コンベアベルト20と一致する搬送領域12への切断セグメント5の動作中に、案内ベルト60は第1コンベアベルト10の速度にほぼ等しい速度で動くので、セグメント5の搬送領域35は上述の方法で支持されたままである。セグメント5が搬送領域12に到達すると、第1コンベアベルト10は停止し、セグメント5は第2コンベアベルト20に運ばれる。
【0027】
セグメント5が第1コンベアベルト10によりまだ保持されている間、案内ベルト60は更に移動するので、案内ベルト60の突出部61がセグメント5の搬送領域35下から動き、案内ベルト60の突出部61によりはじめに支持された前面部36は第2コンベアベルト20上の第2長手繊維織布4上にある。続いて、第1コンベアベルト10によりセグメント5に作用する吸引力が解放されるので、セグメント5は第1コンベアベルト10により保持されず、第2コンベアベルト20とともに移動可能である。例示において、第2コンベアベルト20が第1コンベアベルト10と同様にセグメント5を保持する。
【0028】
第1コンベアベルト10から第2コンベアベルト20へのセグメント5の移送中に、セグメント5は上部側で第3コンベアベルト70により案内される。セグメント5を第2長手繊維織布4に押し付けるために、第2コンベアベルト20と第3コンベアベルト70は互いに対して移動し、第2コンベアベルト20と第3コンベアベルト70はコンベアベルト20、70間の小距離がほんのわずかになるまで、第2コンベアベルト20と第3コンベアベルト70が互いに向って進む。第3コンベアベルト70のみが移動可能であるが、例えば、第3コンベアベルト70と第2コンベアベルト20が移動することも可能である。第1コンベアベルト10から第2コンベアベルト20へのセグメント5の搬送が妨害される状況を防止するため、セグメント5が搬送領域12内に配置され、第2コンベアベルト20に運ばれる場合に、第2コンベアベルト20と第3コンベアベルト70間の距離がより大きいことが望ましい。
【0029】
第2長手繊維織布4とそこに横たわるセグメント5の全体が第2コンベアベルト20により更に移動し、その後、全体が第2長手繊維織布4とそこに横たわるセグメント5が積層装置80で互いに決定的に接続される事実により、積層装置80内の交差編み繊維織布2であるように製作される。交差編み繊維織布2は案内装置55を介して且つリール装置56に向かって積層装置80から移動する。リール装置56において、ローラー57があり、交差編み繊維織布2がこのローラー57に巻き取られる。ローラー57とそこ巻き取られた交差編み繊維織布2はリールに巻き取られた第1長手繊維織布3を有するリール31とリール41に巻き取られた第2長手繊維織布4を有するリール41に基いて得られ、且つ多くの用途がある最終製品である。
【0030】
案内ベルト60は第1コンベアベルト10から第2コンベアベルト20へのセグメント5の搬送が適切な方法で実施される状況を得る重要な役割を演じている。案内ベルト60を適用することにより、セグメント5が完全に平坦な状態で第2長手繊維織布4上で終了することが保証される。案内ベルト60のない場合、搬送領域35の一部、特に、搬送領域35の前面部36がカールし、セグメント5が完全に外方向に伸びた第2長手繊維織布4上に載置されない実際の機会がある。その代わり、セグメント5のカールされた部分は、下方に横たわる第2長手繊維織布4上にしっかりと押し付けられ且つ積層装置80内でこの長手繊維織布4に接続される場合、最終的に折り重なる。
【0031】
案内ベルト60が第1コンベアベルト10から第2コンベアベルト20への移送を妨害できないことを保証するため、案内ベルト60の2つの継続する突出部61間の距離が第1方向でセグメント5の次元より大きいことが重要である。
【0032】
有利なことに、案内ベルト60はセグメント5の搬送領域35と保持領域34がほぼ同一面で伸びていることを保証するように適合される。このことを考慮して、案内ベルト60は案内ベルト60の支持表面と第1コンベアベルト10の支持表面がほぼ同一面であるように、第1コンベアベルト10に対して配置される。
【0033】
本発明の範囲内で、装置1の種々の構成部の実用上の実現のための種々の可能性が存在する。
【0034】
第1長手繊維織布3と切断セグメント5を支持し且つ移送するために作用する第1コンベアベルト10は、前述のように、吸引力により第1長手繊維織布3とセグメント5を保持するように適合される。これは第1コンベアベルト10が他の適切な方法で第1長手繊維織布3とセグメント5を保持するように適合される事実を変えるものではなく、一般的に、第1コンベアベルト10が第1長手繊維織布3とセグメント5の下部表面の少なくとも一部に引力を作用させる。類似の方法において、第2長手繊維織布4とそこに横たわるセグメント5を支持するように作用する第2コンベアベルト20は吸引力と異なる他の方法で長手繊維織布4とそこに横たわるセグメント5を保持するように適合される。
【0035】
第1コンベアベルト10と第2コンベアベルト20の少なくとも一つは、端部が互いに隣接する、2つ又はそれ以上の部分に分割される。例えば、第1コンベアベルト10は2つの部分からなり、部分の側部は互いに隣接し、切断装置50の位置にある。コンベアベルト10、20の分割の利点は各部分が異なる速度で動けることである。
【0036】
案内ベルト60は静電気に基いてセグメント5の搬送領域の少なくとも前面部36を保持できる鋼鉄ストリップとして実現できる。案内ベルト60を、例えば、立毛を有する織物ストリップとして実現することが可能である。ベルト60の代わりに、例えば、セグメント5の搬送領域35の少なくとも一部を保持するための可動構成吸引カップを適用することも可能である。
【0037】
装置1が第2長手繊維織布4及びセグメント5を相互接続するための積層装置80からなることは必須でない。例えば、第2長手繊維織布4の上部表面に接着剤の自己接着層を設けることもできる。この場合、セグメント5と第2長手繊維織布4間の接続はセグメント5が第2長手繊維織布4と接触すると直ちに得られる。このような場合、セグメント5を第2長手繊維織布4に対して押し付けるための第3コンベアベルト70を適用することは必須でない。その代わりに、ローラー等を適用することで充分である。
【0038】
さらに、セグメント5を第1コンベアベルト10から第2長手繊維織布4に直接載せることは必須ではない。例えば、最終的にセグメント5を第2コンベアベルト20上に直接載せること且つ第2長手繊維織布4を実質的に上側からセグメント5上に続いて広げることも可能である。
【0039】
本発明の範囲が上記の例に限定されず、いくつかの変形及びその改造が添付の請求項に規定されるように本発明の範囲から逸脱することなく可能であることが当業者にとって明らかであろう。
【0040】
前述のように、本発明は交差編み繊維織布を製造する工程との関連で説明される。これは本発明が他の分野で適用可能であるという事実を変更するものでない。いずれの場合も、本発明はキャリアの第1キャリアからキャリアの第2キャリアへの搬送のために、シートがキャリアの第1キャリアに対して突出し、且つシートの突出部分が上方向又は下方向にカールし、結果としてシートが完全に外方向に伸びる状態でキャリアの第2キャリア上に載る状況で有益な解決法を提供する。
【0041】
本発明によれば、シートが第1コンベアベルト10により搬送領域12に移送される期間中に、シートの突出した搬送領域35の少なくとも一部36を案内するための案内ベルト60のような案内手段が提供される。案内手段の案内機能はこれらの手段がシートの搬送領域35の部分36を支持できるように第1コンベアベルト10に対して案内手段を配置することにより実現できる。本発明の範囲内で、案内手段の変形が実現でき、例えば、案内手段は上部から搬送領域35の部分36を保持するように適合される。
【0042】
前述において、第1コンベアベルト10及び第2コンベアベルト20を具備する交差編み繊維織布を製造するための装置1が説明された。コンベアベルト10、20は2つの異なる方向に向けられ、第2コンベアベルト20は第1コンベアベルト10の側に隣接している。装置1の動作中、第1コンベアベルト10は搬送領域12での第2コンベアベルト20に送られる長手繊維織布セグメント5を移送する。
【0043】
第1コンベアベルト10による搬送中に、長手繊維織布セグメント5の搬送領域35は第1コンベアベルト10の側に対して突出している。装置は、搬送領域12において、長手繊維織布5が完全に外方向に伸びた状態で第2コンベアベルト20に移送されることを保証するため、この搬送領域35の部分36を支持するための案内ベルト60を具備している。
【0044】
本発明の重要な態様に従うと、リール31と第1コンベアベルト10間の位置で第1長手繊維織布3を案内するための案内装置33は2個の回転可能に配置された案内ローラー38を有する可動構成案内部材37および案内部材37を支持し且つ案内するためのフレーム39を具備している。例示において、案内部材37は水平方向に可動である。
【0045】
案内装置33は案内手段37の一部をフレーム39に対して決定し且つ設定するための制御手段(図示せず)を具備する。このプロセスにおいて、基本的条件は第1長手繊維織布3の張力をある最小レベルに維持する必要があることである。一方、制御手段が第1長手繊維織布3内の張力を測定するように適合され、他方、張力の測定値と張力の要求最小値の比較に基いてフレーム39に対して案内部材37の動きを実現するように適合される可動部材37(図示せず)を制御するように適合される。実際の実施例において、移動手段は、例えば、電気モータから成る。
【0046】
案内装置33の案内部材37が水平方向に可動である事実により、リール31の近傍で且つ第1コンベアベルト10上の第1長手繊維織布3の速度の可能な差異を補償することが可能である。第1長手繊維織布3の張力をあるレベルに維持するため、例えば、案内部材37が固定位置を有する場合及び第1長手繊維織布3の速度がリール3で第1コンベアベルト10の速度よりより早い場合、リール31と案内装置33間の通路に発生する第1長手繊維織布3の低下が防止される。案内装置33の適用により、リール31の第1長手繊維織布3からの巻取りは、セグメント5が第1コンベアベルト10上の第1長手繊維織布3から切断され第1長手繊維織布3が結果として動かない場合、中止する必要があり、且つ次のセグメント5を切断するため、第1長手繊維織布3がセグメント5の距離にわたって第1コンベアベルト10上を更に動く場合再始動を必要とする。その代わりに、リール31はほぼ一定の速度で連続的に回転する。
【0047】
例示された案内装置33の重要な特徴はこの装置33が第1長手繊維織布3の片側と排他的に接触し、第1長手繊維織布3の他方が非接触のままであることである。第1長手繊維織布3が、言わば、案内部材37の周囲にループを形成し、両案内ローラー38はループの内部で第1長手繊維織布3と接触している。
【0048】
リール31と第1コンベアベルト10間の位置で第1長手繊維織布3を案内するための案内装置33の構成に関して前述で注目されたものは装置1の他の案内装置43、55、即ち、リール41と第2コンベアベルト20間の位置で第2長手繊維織布4を案内するための案内装置55と、第2コンベアベルト20と巻き取り装置56のローラー57間の位置で交差組繊維織布2を案内するための案内装置55に類似の方法で適用できる。
【0049】
第2長手繊維織布4の片側が非接触のままである事実の結果として、リール41の近傍で、例えば、接着層を有する第2長手繊維織布4を提供することができる。第2長手繊維織布4に接着剤を塗ることは、その結果として、第1長手繊維織布3と第2長手繊維織布4の切断セグメント5を接続するための積層装置80が削除できるので、有利な選択肢である。案内装置43がリール41をほぼ一定の速度で回転可能である事実は接着剤を第2長手繊維織布4に均一に塗れる状況をもたらす。
【0050】
図5において、巻き戻し装置42の近傍に配置された接着装置85が図示されている。接着装置85は第2長手繊維織布4を案内するための接着ローラー86と、この長手繊維織布4上に接着剤を塗るための接着剤スプレー87を具備している。好ましくは、接着ローラー86の中心シャフトは図5に示されるように巻き戻し装置42のフレーム45に接続される。第2長手繊維織布4は接着ローラー86と接着剤スプレー87間に通されるので、リール41の動作中に片側で接着ローラー86により支持され、他方で接着剤が供給される。第2長手繊維織布4の幅の少なくともほぼ一部が接着剤スプレー87によりカバーされるように接着剤スプレー87が設計されることは明らかである。変形実施例において、接着剤スプレー87は可動的に構成される。
【0051】
第1長手繊維織布3のセグメント5が接着剤により第2長手繊維織布4に結合される場合、第1長手繊維織布3のセグメント5が積層により第2長手繊維織布4に結合される場合より良好な機械的特性を有する交差組繊維織布2が得られる。積層工程において、熱可塑性接着剤が適用され、接着工程において、より強力な接着を確立でき且つより高温度耐性を有する反応性接着剤が適用される。さらに、接着剤の適用は製造される交差組繊維織布2の特性を最終用途に適合させるためのより良好な可能性を提供する。
【0052】
可動構成案内部材37を有する案内装置33の適用は長手繊維織布3、4または交差編み織布2を案内することに限定されない。この応用に依存して、案内部材37は水平方向以外の他の方向、例えば、垂直方向に動かしても良い。しかしながら、このような場合、案内されるべき織布内の張力による案内部材37の重さの影響を除去するための対策を取る必要がある。
【0053】
案内装置33の案内部材37が2つの案内ローラー38を具備し、案内ローラー38の数が1つ又は複数であることは必須ではない。
【0054】
図2に示されるセグメント5と第2長手繊維織布4を相互接続するための積層装置80を有する本発明による装置が適用される場合、第2長手繊維織布4の上部表面が静電気によりセグメント5を固定する既知の方法で活性化されることは有利である。このようにセグメント5が第2長手繊維織布により保持されることが実現されるので、第2長手繊維織布4とその上のセグメント5が案内装置55に沿って動くとセグメント5が第2長手繊維織布4から落下する恐れがない。したがって、この場合、積層装置80が案内装置55とリール装置56間に位置決めされた装置の実施例を有することが可能である。可動構成案内部材を有する案内装置55の動作により、第2長手繊維織布4とセグメント5の全体がほぼ一定の速度で案内装置55とリール装置56間で移動することができる。したがって、積層工程は連続的に且つ均一な状態で実施できる。このような積層工程は不連続的に生じさせることを必要とする工程で好まれる。
【0055】
セグメント5が静電気に基いて第2長手繊維織布4により保持されることは必須でなく、本発明の範囲内で任意の表面力が適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明の好ましい実施例に従うと交差編み繊維織布を製造する装置の第1方向の長手部分を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示される装置の第2方向に示される長手部分を示す側面図である。
【図3】図3は図1に示される装置の一部を示す上面図である。
【図4】図4は、図1に示される装置の案内ベルトの一部及び長手方向の繊維織布の切断部分を示す図である。
【図5】図5は図2の詳細部Aの変形例を示す。
【符号の説明】
【0057】
1 装置
2 交差編み繊維織布
3、4 長手繊維織布
5 セグメント
10、20 コンベアベルト
31、41 リール
32、42 巻戻し装置
33、43 案内装置
37 案内部材
39 フレーム
50 切断装置
51 ナイフ
57 ローラー
60 案内ベルト
70 コンベアベルト
80 積層装置
85 接着装置
86 接着ローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート(5)を移送させる方法において、
第1方向に移動可能であり且つ表面力により前記シート(5)を保持できる第1キャリア(10)を適用することにより前記シート(5)を第1方向に動かす工程であり、前記シート(5)の保持領域(34)が前記第1キャリア(10)により保持され、前記シート(5)の搬送領域(35)が前記第1キャリア(10)に対して突出している工程と;
前記シート(5)を前記第1キャリア(10)から第2方向に動き且つ表面力により前記シート(5)を保持できる第2キャリア(20)に移送させる工程であり、前記シート(5)が前記第1キャリア(10)により前記全搬送領域(35)が前記第2キャリア(20)と重複する搬送位置に配置される工程と;
前記第2キャリア(20)を適用することにより前記シート(5)を第2方向に移動させる工程と;
を具備し、前記シート(5)を前記第1方向に移動中に、前記シート(5)の前記搬送領域(35)の少なくとも一部からなる前記シート(5)の案内領域(36)の案内は、前記シート(5)が前記搬送位置に到達すると、案内が中止される案内手段(35)を適用することにより生じることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記案内手段(60)が表面力により前記シート(5)の前記案内領域(36)を保持できることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記案内手段(60)は前記シート(5)の前記案内領域(36)と前記シート(5)の前記保持領域(34)がほぼ等しい高さで伸びるのを保証するように適合されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記案内手段(6)が前記第1方向に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
前記シート(5)の前記案内領域(36)の案内が生じる期間中に、前記案内手段(60)が移動する速度が前記第1キャリア(10)が移動する速度にほぼ等しいことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記シート(5)の前記案内領域(36)の前記案内の中止が前記案内手段(60)と前記第1キャリア(10)の速度差を検知することにより生じることを特徴とする請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
前記案内領域(36)が前記方向の前面領域(36)である前記シート(5)の前記搬送領域(35)の一部からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
シート(5)を第1方向に移動させ且つ表面力によりシート(5)を保持するように適合された可動第1キャリア(10)と;
シート(5)を第2方向に移動させ、表面力によりシート(5)を保持するように適合され、前記第1キャリア(10)および前記第2キャリア(20)が搬送領域(12)の位置でぴったり取り付けた状態で互いに隣接している可動第2キャリア(20)と;
前記搬送領域(12)の範囲内で、前記第1キャリア(10)により保持されたシート(5)の一部(36)を案内するための案内手段(60)と;
を具備する請求項1乃至7の何れかに記載の方法を実行するための装置(1)。
【請求項9】
前記案内手段(60)がシート(5)を表面力により保持するように適合されることを特徴とする請求項8記載の装置(1)。
【請求項10】
前記第1キャリア(10)の接触領域と、前記シート(5)と接触するように適合された、前記案内手段(60)の接触領域(61)がほぼ等しい高さに配置されることを特徴とする請求項8又は9記載の装置(1)。
【請求項11】
前記案内手段(60)が前記第1方向に移動可能であることを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載の装置(1)。
【請求項12】
前記案内手段がエンドレスコンベアベルト(60)からなることを特徴とする請求項11記載の装置(1)。
【請求項13】
前記コンベアベルト(60)が少なくとも2つの異なる型の領域からなり、1つの型の領域(61)の位置で、横断方向のコンベアベルト(60)の次元が領域(62)の他の型の位置の次元と異なることを特徴とする請求項12記載の装置(1)。
【請求項14】
前記シート(5)を受入れ、且つシート(5)に接続されるべき織布(4)を有するリール(41)を受け入れるためのフレーム(45)と;接着剤を前記織布(4)に塗るための接着装置(85)とをさらに具備することを特徴とする請求項8乃至13の何れかに記載の装置(1)。
【請求項15】
前記接着装置(85)が前記リール(41)を受け入れるための前記フレーム(45)の近傍に配置されることを特徴とする請求項14記載の装置(1)。
【請求項16】
フレーム(39)と、前記織布(2、3、4)と接触する案内部材(37)を具備し、前記案内部材(37)が前記フレーム(39)に対して移動可能であることを特徴とする織布(2、3、4)を案内するための案内装置(33、43、55)。
【請求項17】
前記案内装置(37)が前記織布(2、3、4)の片側と排他的に接触するように適合されることを特徴とする請求項16記載の案内装置(33、43、55)。
【請求項18】
前記案内部材(37)が一方向のほぼ直線に沿って前記フレーム(39)に対して可動であり、前記一方向が好ましくは水平方向であることを特徴とする請求項16又は17記載の案内装置(33、43、55)。
【請求項19】
前記フレーム(39)に対して前記案内部材(37)を移動させるための移動手段と;前記案内部材(37)の位置を前記フレーム(39)に対して決定し、且つ前記移動手段を制御するための制御手段とを更に具備し、前記移動手段が好ましくは電気モータから成ることを特徴とする請求項16乃至18の何れかに記載の案内装置(33、43、55)。
【請求項20】
前記案内部材(37)が少なくとも1つの回転可能に配置された案内ローラー(38)からなることを特徴とする請求項16乃至19の何れかに記載の案内装置(33、43、55)。
【請求項21】
前記請求項16乃至20の何れかに従った少なくとも1つの案内装置(33、43、55)を具備することを特徴とする請求項8乃至15の何れかに記載の装置(1)。
【請求項22】
シート(5)を移送するための方法において、
第1方向に移動可能であり、表面力により前記シート(5)を保持できる第1キャリアを適用することにより前記シート(5)を第1方向に移動させる工程と;
前記シート(5)を前記第1キャリア(10)から織布(4)に搬送する工程であり、前記織布(4)が第2方向に移動可能であり且つ表面力により前記織布(4)を保持できる第2キャリア(20)により支持される工程と;
前記第2キャリア(20)を適用することによりシート(5)を第2方向に移動させ、前記シート(5)が前記織布(4)により支持される工程と;
を具備し、前記第2方向に前記シート(5)を移動中に、前記織布(4)が表面力により前記シート(5)を保持するように活性化されることを特徴とする方法。
【請求項23】
前記織布(4)と前記シート(5)が案内装置、好ましくは、請求項16乃至20の何れかに従った案内装置(55)に沿って動かされ、前記織布(4)と前記シート(5)が前記案内装置(55)を超えた位置で互いに固定して接続されることを特徴とする請求項22記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−522057(P2007−522057A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553072(P2006−553072)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/NL2005/000100
【国際公開番号】WO2005/077799
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(506152520)ベイラー ベヒアー ビー.ブイ. (4)
【氏名又は名称原語表記】Beiler Beheer B.V.
【住所又は居所原語表記】Middelgraaf 62, 5032 EG Tilburg, The Netherlands
【Fターム(参考)】