説明

シート収容装置及び画像記録装置

【課題】第1シートが載置される容器と、第2シートが載置されるトレイとを具備するシート収容装置において、容器に対してトレイを移動させる操作が簡易であって、第1シート及び第2シートが給送される向きに対してトレイが確実に位置決めされる手段を提供する。
【解決手段】給紙カセット14は、給送向き103へ給送される記録用紙が積層されて載置可能であり、上面が開口された容器20と、容器20の上面側に配置されており、給送向き103へ給送される記録用紙が積層されて載置可能であり、容器20の開口を覆う第1位置と当該開口から上記給送向き103の後側へ退避した第2位置とに移動可能なトレイ21とを具備する。トレイ21は、容器20の上側から第1位置及び第2位置に係脱されて、給送向き103に沿った方向に対して位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1シートが載置される容器と、第2シートが載置されるトレイとを具備するシート収容装置に関し、また、当該シート収容装置から第1シート又は第2シートを給送して画像記録を行う画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録用紙などのシートに画像記録を行う画像記録装置として、インクジェットプリンタやレーザプリンタが知られている。これらプリンタにおいて、所定の規格サイズのシートを複数枚積層させて収容し、画像記録の際にシートを1枚ずつ給送するシート収容装置が設けられていることが多い。このようなシート収容装置は、例えば給紙カセットとも称される。
【0003】
シート収容装置には、2種類の規格サイズのシートを同時に保持できるように、上下二段にシートを積載する構成が採用されたものがある。2種類めのシートを積載するトレイは、例えばセカンドトレイとも称される。このようなシート収容装置を具備する画像記録装置では、例えば、下側の給紙カセットに収容されたシート又は上側のセカンドトレイに積載されたシートに給紙ローラが選択的に当接できるように、セカンドトレイが、給紙ローラと当接可能な位置と給紙ローラから離れた位置とにスライド可能に構成されている。
【0004】
特許文献1には、第1トレイの上部に第2トレイが所定方向に摺動可能に設けられ、その第2トレイの摺動位置を第1トレイに対して位置決めするロック機構が設けられた供給トレイが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−230777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述された供給トレイの構成では、第2トレイは、ロック機構によってロックされないとしても、第1トレイに対して任意の位置に摺動可能なので、例えばユーザが、ロック機構によりロックされる位置以外へ第2トレイを摺動させて、供給トレイを使用するおそれがある。そうすると、給紙ローラが第1トレイ又は第2トレイにおける所定の位置へ配置されず、シートの給送不良が生じ得る。また、給紙ローラと第1トレイ又は第2トレイとの接触状況によっては、給紙ローラなどが破損するおそれもある。
【0007】
また、例えば、第1トレイに対する第2トレイの位置をロックするロック機構を用いたとしても、ロック機構と第1トレイ又は第2トレイとの係合などにはある程度のガタが設計上必要となる。したがって、第2トレイは摺動方向に対して完全に位置決めされず、ある程度ガタつくことになり、給紙ローラなどに対して第2トレイを正確に位置決めすることが難しい。
【0008】
また、ロック機構を解除しながら第2トレイを第1トレイに対して摺動させるには、ユーザが両手を用いて供給トレイを操作することとなり、交換すべきシートなどを片手に持ちながら操作することができず、操作性が良くないという問題がある。
【0009】
さらには、ロック機構を実現するには、複数の部品を組み付けることとなり、部品点数の増加や組立工数の増加など、コストアップの要因が増加するという問題がある。
【0010】
本発明は、前述された問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1シートが載置される容器と、第2シートが載置されるトレイとを具備するシート収容装置において、容器に対してトレイを移動させる操作が簡易であって、第1シート及び第2シートが給送される向きに対してトレイが確実に位置決めされる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 本発明に係るシート収容装置は、第1向きへ給送される第1シートが積層されて載置可能であり、少なくとも当該第1向きの前側の上面が開口された容器と、上記容器の上面側に配置されており、上記第1向きへ給送される第2シートが積層されて載置可能であり、上記容器の開口を覆う第1位置と当該開口から上記第1向きの後側へ退避した第2位置とに移動可能なトレイと、を具備する。上記トレイは、上記容器の上側から上記第1位置及び上記第2位置に係脱されて、上記第1向きに沿った方向に対して位置決めされたものである。
【0012】
容器には複数枚の第1シートが積層された状態で載置される。容器の上面は開口されており、この開口を通じて、給紙ローラなどから容器内の第1シートへ給送力が付与される。トレイが第2位置に位置されると、容器の開口が開放されて給紙ローラなどが容器内へ挿入され得る。給紙ローラなどによって第1シートに対して第1向きの給送力が付与されると、第1シートが第1向きへ1枚ずつ給送される。
【0013】
トレイが第1位置に位置されると、容器の開口をトレイが覆い、給紙ローラなどは、トレイに載置された第2シートに接触しうる。給紙ローラなどによって第2シートに対して第1向きの給送力が付与されると、第2シートが第1向きへ1枚ずつ給送される。なお、第1シートと第2シートとは、必ずしも異なるサイズや種類でなくともよい。
【0014】
トレイは、例えば容器に設けられたボスなどの係合部材に対して、容器の上側から第1位置及び第2位置にそれぞれ係脱され得る。この係合部材との係合によって、トレイが第1向きに沿った方向に対して位置決めされる。また、容器に対してトレイを上側へ引き上げることにより、トレイが係合部材から脱離される。
【0015】
なお、本明細書においては別段の定めがない限り、「方向」とは、例えば+,−のように相対する向きを有する直線で表されるものであり、「向き」とは、方向のうち例えば+若しくは−のように1つのアローヘッドを有する矢印で表されるものである。
【0016】
(2) 上記第1向きと交差し且つ上記容器に積層された第1シートの面に平行な第2方向に沿った軸を有するリンクによって上記容器と上記トレイとが回動自在に連結され、当該リンクの回動によって上記トレイが上記第1位置及び上記第2位置へ移動されるものであってもよい。
【0017】
リンクによって、容器とトレイとが連結されているので、トレイの紛失が防止される。また、リンクの回動に案内されて、トレイが第1位置及び第2位置に移動されるので、第1位置及び第2位置以外にトレイが配置されることがなく、かつトレイの移動が容易である。
【0018】
(3) 上記リンクは、上記トレイにおける上記第1向きの前側の上記第2方向の両端に一対設けられたものであってもよい。
【0019】
トレイにおける第1向きの前側にリンクが設けられているので、トレイの第1向きの後側を持ち上げるように、リンクに対してトレイを回動させることができる。これにより、第1向きの後側から容器内へシートを装填する作業が容易である。
【0020】
(4) 上記リンクは、上記トレイにおける上記第1向きの後側の上記第2方向の両端に一対設けられたものであってもよい。
【0021】
トレイにおける第1向きの後側にリンクが設けられているので、トレイの第1向きの後側を持って、トレイを第1位置又は第2位置へ移動させる動作が安定する。また、トレイの第1向きの前側を持ち上げるように、リンクに対してトレイを回動させることができるので、第1向きの前側から容器内へシートを装填する作業が容易である。
【0022】
(5) 上記リンクは、上記トレイにおける上記第2方向の両端の一対が、上記第1向きに沿った方向に並設された4節リンクであってもよい。
【0023】
4節リンクによって、容器とトレイとが平行な位置関係を保って相対移動されるので、トレイを第1位置又は第2位置へ移動させる動作が安定する。
【0024】
(6) 上記リンクは、上記トレイが上記第1位置に配置される第1回動位置と上記トレイが上記第2位置に配置される第2回動位置との間の第3回動位置において、その回動をロック可能なものであってもよい。
【0025】
第3回動位置においてリンクがロックされることによって、トレイと容器とが上下に離された状態で、4節リンクの回動が停止される。これにより、トレイと容器との間から容器内へシートを装填する作業が容易となる。
【0026】
(7) 本発明に係る画像記録装置は、前述されたシート収容装置が、上記第1向きを装着向きとして着脱される装置本体を具備する。この装置本体は、上記容器の開口から当該容器に載置された第1シートに当接して、当該第1シートを上記第1向きへ給送する第1姿勢、及び上記第1位置の上記トレイに載置された第2シートに当接して、当該第2シートを上記第1向きへ給送する第2姿勢に姿勢変化可能な給紙ローラと、上記シート収容装置から給送された第1シート又は第2シートに画像を記録する画像記録部と、を有する。
【0027】
シート収容装置は、第1向きを装着向きとして装置本体へ装着される。また、第1向きと反対向きがシート収容装置を装置本体から脱離させる向き(以下、「脱離向き」とも称される。)である。シート収容装置は、トレイが第1位置又は第2位置に位置せしめられて装置本体に装着されるので、このトレイの位置によって、給紙ローラが第1姿勢又は第2姿勢に姿勢変化して、第1シート又は第2シートを装置本体へ給送する。給紙ローラによってシート収容装置から給送されたシートに対して、画像記録部が画像記録を行う。
【0028】
(8) 上記トレイが、画像が記録された第1シート又は第2シートを積層状態で保持するものであってもよい。
【0029】
画像記録を終えた第1シート又は第2シートは、装置本体からシート収容装置のトレイ上へ排出されて、トレイに積層状態で保持される。これにより、シート収容装置のトレイが排紙トレイを兼ねるので、画像記録装置の小型化が実現される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、容器の上面側に配置されるトレイが、容器の上側から第1位置及び第2位置にそれぞれ係脱され得るので、この係合によって、トレイが第1向きに沿った方向に対して位置決めされる。また、容器に対してトレイを上側へ引き上げることにより、トレイは、ボスなどの係合部材から脱離される。これにより、容器に対してトレイを移動させる操作が簡易であり、かつ、第1シート又は第2シートの給送向きに対してトレイが確実に位置決めされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0032】
[図面の説明]
図1は、本発明の第1実施形態に係る複合機10の外観構成を示す斜視図である。図2は、プリンタ部11の内部構成を示す模式図である。図3は、トレイ21が第1位置とされた給紙カセット14の外観構成を示す斜視図である。図4は、トレイ21が第2位置とされた給紙カセット14の外観構成を示す斜視図である。図5は、第1位置のトレイ21が持ち上げられた状態の給紙カセット14の外観構成を示す給送向き103後端側から視た斜視図である。図6は、本発明の第2実施形態に係る給紙カセット14を模式的に示す断面図である。図7は、本発明の第3実施形態に係る給紙カセット14を模式的に示す断面図である。図8は、第3実施形態に係る給紙カセット14において、リンク76,77が第3回動位置でロックされた状態を模式的に示す断面図である。図9は、本発明の第4実施形態に係る給紙カセット14を模式的に示す断面図である。図10は、第4実施形態に係る給紙カセット14において、トレイ21が第1位置又は第2位置以外の位置とされた状態を模式的に示す断面図である。
【0033】
[複合機10の概略構成]
複合機10は、プリンタ部11及びスキャナ部12を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。複合機10のうちプリンタ部11が、本発明に係る画像記録装置に相当する。したがって、複合機10においてプリント機能以外の機能は任意のものであり、本発明に係る画像記録装置は、例えばスキャナ部12が省略された単機能のプリンタとして実施されてもよい。
【0034】
複合機10のプリンタ部11は、主にコンピュータやデジタルカメラなどの外部情報機器と接続され得る。外部情報機器から送信された画像データや文書データを含む記録データに基づいて、プリンタ部11が被記録媒体としての記録用紙に画像や文書を記録する。また、複合機10にはカード形式のメモリなどの各種記憶媒体が装着され得る。この記憶媒体に記憶された画像データなどに基づいても、プリンタ部11が記録用紙に画像を記録し得る。
【0035】
図1に示されるように、複合機10の外形は、横幅及び奥行きが高さよりも大きい幅広薄型の略直方体である。複合機10の下部がプリンタ部11である。複合機10は、正面側に開口13を有する。開口13の内側に、給紙カセット14が挿入されている。給紙カセット14は、図1に示される状態から、手前側に引き出されることによって、複合機10の本体から外され得る。なお、本明細書においては、図1に示される通常の使用状態における上下方向を基準として上向き又は下向きが示される。また、図1において参照符号101で示される向きが給紙カセット14の装着向き101であり、参照符号102で示される向きが給紙カセットの脱離向き102である。この装着向き101が、本発明における第1向きに相当する。また、複合機10において給紙カセット14を除く部分が、本発明に係る装置本体に相当し、給紙カセット14が本発明に係るシート収容装置に相当する。また、複合機10の幅方向104が、本発明における第2方向に相当する。
【0036】
複合機10の上部がスキャナ部12である。スキャナ部12は、いわゆるフラットベッドスキャナとして構成されているが、スキャナ部12の構成は本発明に直接関係しないので、ここではその詳細な説明が省略される。
【0037】
複合機10の正面上部に操作パネル15が設けられている。操作パネル15は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するための装置であって、各種操作ボタンや液晶表示部から構成されている。複合機10は、操作パネル15からの操作指示に基づいて動作する。複合機10が外部情報機器に接続されている場合には、この外部情報機器からプリンタドライバ又はスキャナドライバを介して送信される指示に基づいても複合機10が動作する。また、複合機10の正面にスロット部16が設けられている。カード形式のメモリカードは、スロット部16に装着されてデータの読み書きが可能となる。
【0038】
[プリンタ部11の概略構成]
以下、プリンタ部11の概略構成が説明される。図2に示されるように、複合機10の底側に給紙カセット14が配置されている。給紙カセット14は、容器20とトレイ21とを有する。給紙カセット14の詳細な構成については後述されるが、容器20は、例えばA4サイズなどの所定サイズ以下の記録用紙が保持可能である。もっとも、容器20にスライドトレイを設けてトレイ面を拡大可能とすれば、所定サイズ(例えばA4サイズ)の記録用紙より大きな記録用紙(例えばリーガルサイズ)を容器20に保持させることもできる。
【0039】
容器20の奥側には分離板22が設けられている。分離板22は、その上端がプリンタ部11の背面側(図2における右側)へ傾倒されている。後述される給紙ローラ57の回転によって容器20から給送された記録用紙17が、例え重送されたとしても、これらの記録用紙17は分離板22によって分離され、且つ分離された最上位置の記録用紙17のみが分離板22の傾斜を上向きへ案内される。なお、記録用紙17は、本発明に係る第1シートの一例である。
【0040】
トレイ21は、容器20の上面の一部を閉塞する。詳細については後述されるが、容器20の上面は開口されており、その開口の一部を選択的に閉塞するように、トレイ21の配置が変更可能である。トレイ21は、容器20とは別個に画像記録前の記録用紙18を積載するセカンドトレイとして機能し、かつ、画像記録後の記録用紙17,18を積載状態で保持する排紙トレイとしても機能する。容器20からトレイ21へは、後述される用紙搬送路23によって記録用紙が搬送可能である。画像記録は、記録用紙17,18の搬送過程において画像記録ユニット24によって行われる。なお、記録用紙18は、本発明に係る第2シートの一例である。
【0041】
給紙ローラ57は、給紙カセット14が複合機10の装置本体内に装着されたときに、容器20の上側に配設されるように構成されている。給紙ローラ57は、容器20に対して、その開口の装置奥側(図2における右側)から内部へ挿入されて、容器20内に積載された記録用紙17と接触する。給紙ローラ57は、アーム58の先端に支持されている。給紙ローラ57は、不図示のモータを駆動源として駆動伝達機構を介して回転される。
【0042】
アーム58は、その基端部が基軸59に支持されて、基軸59を回動中心軸として回転可能である。このアーム58の回転によって、給紙ローラ57が、容器20に対して接離可能に上下動する。アーム58は、自重により又はバネなどに付勢されて下側へ弾性付勢されている。このため、アーム58は、通常において容器20側へ回転し、容器20が挿抜される際に容器20により上側へ押しやられて回転する。アーム58が弾性付勢によって下側へ回転すると、給紙ローラ57が容器20内の記録用紙17に圧接する。その状態で、給紙ローラ57が回転されると、給紙ローラ57のローラ面と記録用紙17との間の摩擦力により、最上位置の記録用紙17が給送向き103へ送り出される。記録用紙17は、その前端が分離板22に当接して斜め上向きへ案内され、用紙搬送路23へ給送される。なお、この給送向き103は、前述された装着向き101と同じ向きであり、本発明における第1向きに相当する。また、図2には示されていないが、トレイ21が第2姿勢にされると、アーム58が上向きへ回動されて、給紙ローラ57がトレイ21上の記録用紙18と当接する。そして、給紙ローラ57が回転されることによって、トレイ21から記録用紙18が用紙搬送路23へ給送される。
【0043】
用紙搬送路23は、容器20における分離板22の上側から、上方へUターンして装置正面側へ延びるいわゆるUターンパスとして形成されている。図には示されていないが、用紙搬送路23は、画像記録ユニット24などが配設されている箇所以外は、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されている。これらガイド面は、プリンタ部11の筐体などに固定されている。
【0044】
用紙搬送路23において、記録用紙17,18は、搬送ローラ60〜63によって搬送され、その搬送過程において画像記録ユニット24により画像記録が行われる。画像記録ユニット24は、インクジェット方式や電子写真方式、或いは感熱記録方式など、種々の記録方式のものが適用され得る。この画像記録ユニット24が、本発明における画像記録部に相当する。画像記録が行われた記録用紙17,18は、用紙搬送路23から給紙カセット14のトレイ21上へ排出される。
【0045】
[給紙カセット14の構成]
図3から図5に示されるように、給紙カセット14は、大別すると、容器20と、トレイ21と、リンク26,27とを有する。このリンク26,27によって、トレイ21が、図3に示される第1位置と図4に示される第2位置とに移動される。給紙カセット14が、本発明におけるシート収容装置に相当する。
【0046】
容器20は、平面視が長方形の薄皿形状であり、その内部にA4サイズなどの複数枚の記録用紙17を積載した状態で収容可能に構成されている。また、容器20は、その内部に一対のサイドガイド31,32を備えている。サイドガイド31,32は、容器20内に積層状態で収容される記録用紙17の幅方向両端に当接して、複数枚の記録用紙17を容器20内の所定位置に積層状態で保持するものである。このサイドガイド31,32は、記録用紙17のサイズに対応して、容器20の幅方向へスライドさせることができる。
【0047】
容器20は、装置奥側に、つまり給送向き103の前端に分離板22を備えている。分離板22は、容器20の内壁面の一部を構成しており、給送向き103の前端において、記録用紙17の幅方向に渡って設けられている。また、分離板22は、その下端側に対して上端側が給送向き103へ傾斜している。各図には現れていないが、分離板22における幅方向104の中央には、上下方向に渡って複数の爪が設けられている。各爪は、分離板22から容器20の内側へ若干突出しており、上下に所定間隔で一列に並べられている。容器20又はトレイ21から記録用紙17,18が給送向き103へ給送されると、その記録用紙17,18の前端は分離板22に当接する。給紙ローラ57によって複数枚の記録用紙17,18が重送されても、爪によって複数枚の記録用紙17,18の前端が捌かれて、最上位の1枚の記録用紙17,18のみ分離板22の傾斜に沿って上向きへ案内される。
【0048】
分離板22には、その上端から下方へ延びて厚み方向(給送向き103にほぼ沿った方向)へ貫通する切欠き34,35が形成されている。この切欠き34,35には、後述されるトレイ21の突片43,44が挿通される。切欠き34,35は、爪33の両側に一対が形成されている。
【0049】
容器20の上面は、ほぼ全面が開口されている。この容器20の開口には、トレイ21が設けられている。トレイ21は、容器20の上部において給紙向き103に沿って第1位置と第2位置とに移動可能である。図3に示されるように、トレイ21が第1位置にあると、容器20の開口における給送向き103の前側が開放される。この状態において、開放された開口から給紙ローラ57が容器20内へ侵入して、容器20に収容された記録用紙17に当接し得る。トレイ21が第2位置にあると、容器20の開口における給送向き103の前側が閉塞される。この状態において、給紙ローラ57は、後述されるサイドガイド41,42によってトレイ21上の所定の位置に積層された記録用紙18と当接し得る。
【0050】
図3及び図4に示されるように、トレイ21は、幅方向の寸法が容器20とほぼ同じであって、給送向き103に沿った方向の寸法が容器20に比べて短い長方形薄皿状の部材である。トレイ21は、その給送向き103の前側部分が、記録用紙18をほぼ水平に積載した状態で収容可能に構成されている。トレイ21の前側部分には、容器20と同様に、一対のサイドガイド41,42を備えている。サイドガイド41,42は、トレイ21上に積層される記録用紙18の幅方向両端に当接して、複数枚の記録用紙18をトレイ21上の所定位置に積層状態で保持するものである。このサイドガイド41,42は、記録用紙17のサイズに対応して、トレイ21の幅方向へスライドさせることができる。
【0051】
図3及び図4に示されるように、トレイ21における給送向き103の後側部分には、上面が平らな平面40が形成されている。この平面40が、画像記録後の記録用紙17,18が積層される排紙トレイとして機能する。つまり、画像記録後の記録用紙17,18は、平面40上に積層されて保持される。
【0052】
[容器20とトレイ21との係合]
図4及び図5に示されるように、容器20において幅方向に対向して立設された側壁36,37には、上向きへ突出するボス51〜54が形成されている。各ボス51〜54は、同等な形状であって、それぞれが後述されるトレイ21の孔55,56と夫々係合する。
【0053】
図5に示されるように、トレイ21における給送向き103の後端の裏面には、ボス51〜54が挿通可能な孔55,56が夫々形成されている。この孔55,56は、トレイ21における後端の両隅部によって形成されており、完全な孔の形状をなしていない。
【0054】
図3に示されるように、トレイ21が第1位置とされたときに、ボス53,54が孔55,56にそれぞれ挿通されて、トレイ21における後端の両隅部に当接する。これにより、トレイ21が給送向き103に対して位置決めされる。また、図4に示されるように、トレイ21が第2位置とされたときに、ボス51,52が孔55,56にそれぞれ挿通されて、トレイ21における後端の両隅部に当接する。これにより、トレイ21が給送向き103に対して位置決めされる。なお、トレイ21が第1位置とされたときには、ボス51,52は、トレイ21の裏面側へ挿入されるが、ボス51,52はトレイ21の側壁以外とは当接しえないので、このボス51,52は、給送向き103に対してトレイ21を位置決めしない。
【0055】
前述されたように、トレイ21には、給送向き103へ向かって突出する突片43,44が設けられている。図4に示されるように、突片43,44は、トレイ21が第2位置とされたときに、分離板22の切欠き34,35に挿通される。この切欠き34,35が突片43,44を下方から支持する。
【0056】
[リンク26,27]
図3及び図5に示されるように、トレイ21における給送向き103の前側であって幅方向の両端には、一対のリンク26,27が設けられている。リンク26,27は、容器20にトレイ21を回動自在に連結する部材である。このリンク26,27の回動によって、トレイ21が第1位置と第2位置とに移動される。
【0057】
リンク26,27は、それぞれが平板形状の長尺部材である。トレイ21における幅方向の両端であって給送向き103の前端側に、リンク26,27の一端が回動自在に連結されている。リンク26,27は、トレイ21に対して、給送向き103と直交し且つ容器20に積層された記録用紙17の面に平行な軸線方向105周りに回動自在である。この軸線方向105は、幅方向104と一致する。また、容器20の側壁36,37に、リンク26,27の他端が回動自在に連結されている。リンク26,27は、容器20に対して、軸線方向105周りに回動自在である。このリンク26,27によって、容器20に対してトレイ21が回動自在に連結されている。
【0058】
リンク26,27は、容器20に対して起伏しながら、トレイ21を回動させて、第1位置又は第2位置へトレイ21を移動させる。また、図5に示されるように、第1位置のトレイ21は、リンク26,27との連結部分を回動中心として、その給送向き103の後端側が容器20に対して上側へ持ち上げられるように回動可能である。これにより、容器20の開口が大きく開放されて、容器20内への記録用紙17の装填が容易となる。なお、各図には示されていないが、トレイ21が第2位置にあるときでも、同様に、トレイ21が容器20に対して上側へ回動可能である。
【0059】
[給紙カセット14の使用方法]
以下に、給紙カセット14の使用方法が説明される。図5に示されるように、トレイ21の給送向き103の後端側が容器20に対して上側へ持ち上げられることによって、容器20に所望のサイズの記録用紙が装填される。トレイ21を容器20上へ戻すと、容器20のボス53,54がトレイ21の孔55,56へ挿入されて、トレイ21が、容器20に対して給送向き103に対して位置決めされる。
【0060】
また、図3及び図4に示されるように、トレイ21が第1位置又は第2位置のいずれの位置にあっても、トレイ21に対して、給送向き103の前側から給送向きと反対向きへ記録用紙を差し込むことによって、トレイ21のサイドガイド41,42の間に記録用紙が装填される。
【0061】
記録用紙がそれぞれ装填された給紙カセット14は、複合機10の開口13に対して着脱される。トレイ21が第1位置とされていると、容器20の開口において、給送向き103の前端側、つまり分離板22側が開放される。この開放された前端側から給紙ローラ57が容器20内へ進入して、容器20に収容された記録用紙17に当接する。給紙ローラ57によって記録用紙17が給送向き103へ給送されると、記録用紙17の前端が分離板22に当接して、爪によって捌かれながら傾斜上向きへ案内されて用紙搬送路23へ給送される。
【0062】
画像記録ユニット24によって画像記録が行われて、用紙搬送路23から排出された記録用紙17は、トレイ21の平面40上に積層状態で支持される。つまり、トレイ21が排紙トレイとして機能する。また、トレイ21が第1位置とされていると、容器20の開口における給送向き103の後端側が閉塞されるので、開口13内へ進入した塵埃などが容器20に進入して記録用紙17に付着することが防止される。
【0063】
トレイ21に装填された記録用紙に画像記録を行う際には、給紙カセット14が複合機10から脱離されて、トレイ21が第1位置から第2位置へ移動される。前述されたように、トレイ21は、リンク26,27によって容器20に対して回動自在に連結されているので、リンク26,27の回動に案内されるようにトレイ21を移動させると、トレイ21が第1位置から第2位置へ移動される。また、第2位置においては、容器20のボス51,52がトレイ21の孔55,56に挿通されて、トレイ21が給送向き103に対して位置決めされる。また、トレイ21の突片43,44が分離板22の切欠き34,35に挿通され、これらを介してトレイ21が分離板22によって下側から支持される。
【0064】
トレイ21が第2位置とされた給紙カセット14は、再び複合機10に装着される。トレイ21が第2位置とされていると、容器20の開口において、給送向き103の前端側、つまり分離板22側が閉塞される。この閉塞された前端側に、トレイ21に積載された記録用紙18が配置され、この記録用紙18に給紙ローラ57が当接する。そして、給紙ローラ57によってトレイ21上の記録用紙18が給送向き103へ給送されると、記録用紙18の前端が分離板22に当接して、爪によって捌かれながら傾斜上向きへ案内されて用紙搬送路23へ給送される。画像記録ユニット24によって画像記録が行われて、用紙搬送路23から排出された記録用紙18は、トレイ21の平面40上に積層状態で支持される。
【0065】
[本実施形態による作用効果]
前述されたように、本実施形態に係る複合機10によれば、容器20の上側に配置されるトレイ21が、容器20に対して第1位置及び第2位置にそれぞれ係脱されるので、この係合によって、トレイ21が給送向き103に沿った方向に対して位置決めされる。また、容器20に対してトレイ21を上側へ持ち上げることにより、トレイ21が、ボス51〜54から脱離される。これにより、容器20に対してトレイ21を移動させる操作が簡易であり、かつ、容器20及びトレイ21が給送向き103に対して確実に位置決めされる。
【0066】
以下に、本発明の第2実施形態が説明される。第2実施形態に係る複合機10は、第1実施形態に係る複合機10におけるリンク26,27の配置が異なる。したがって、第1実施形態と異なるリンク66についてのみ詳細な説明がなされ、その他の構成については詳細な説明が省略される。なお、第2実施形態において、前述された第1実施形態と同一の参照符号で示される部材は、第1実施形態と同様のものである。
【0067】
[リンク66]
リンク66は、トレイ21における給送向き103の後側であって幅方向の両端に一対が設けられている。なお、図6においては、リンク66のみが示されているが、前述されたリンク26,27と同様に、リンク66に対して紙面と垂直な方向(幅方向104)に対向して他のリンクが並設されている。リンク66は、容器20にトレイ21を回動自在に連結する部材である。このリンク66の回動によって、トレイ21が第1位置と第2位置とに移動される。
【0068】
リンク66は、平板形状の長尺部材であり、トレイ21における給送向き103の後端側に、その一端が回動自在に連結されている。リンク66とトレイ21との連結構造は、前述されたリンク26,27と同様なので詳細な説明が省略される。リンク66は、容器20に対して起伏しながら、トレイ21を回動させて、第1位置又は第2位置へトレイ21を移動させる。また、第1位置又は第2位置のトレイ21は、リンク66との連結部分を回動中心として、その給送向き103の前端側が容器20に対して上側へ持ち上げられるように回動可能である。これにより、容器20の開口が大きく開放されて、容器20内への記録用紙17の装填が容易となる。
【0069】
[容器20とトレイ21との係合]
図6に示されるように、容器20において幅方向に対向して立設された側壁36(図3等参照)には、側壁36の上端から上側へ突出する3つのボス67〜69が設けられている。トレイ21には、給送向き103の後端付近及び中央より若干前端付近に、ボス67〜69が挿入可能な孔70,71が形成されている。なお、図6には、容器20及びトレイ21における幅方向の片側に設けられたボス67〜69及び孔70,71のみが示されているが、容器20及びトレイ21における幅方向の反対側にも、同様のボス及び孔がそれぞれ形成されている。
【0070】
図6に示されるように、トレイ21が第1位置とされたときに、ボス68,69と孔70,71とがそれぞれ係合して、トレイ21が給送向き103に沿った方向へ移動することを制限する。また、トレイ21が第2位置とされたときに、ボス67,68と孔70,71とがそれぞれ係合して、トレイ21が給送向き103に沿った方向へ移動することを制限する。
【0071】
前述されたように、トレイ21における第1向き103の後端側にリンク66が設けられることにより、トレイ21の第1向き103の後端側を持って、トレイ21を第1位置又は第2位置へ移動させる動作が安定する。また、トレイ21の第1向き103の前端側を持ち上げるように、リンク66に対してトレイを回動させることができるので、第1向き103の前端側から容器20内へ記録用紙を装填する作業が容易である。
【0072】
以下に、本発明の第3実施形態が説明される。第3実施形態に係る複合機10は、第1実施形態に係る複合機10におけるリンク26,27の配置及び数が異なる。したがって、第1実施形態と異なるリンク76,77についてのみ詳細な説明がなされ、その他の構成については詳細な説明が省略される。なお、第3実施形態において、前述された第1実施形態と同一の参照符号で示される部材は、第1実施形態と同様のものである。
【0073】
[リンク76,77]
図7に示されるように、リンク76,77は、トレイ21における給送向き103の前端側及び後端側であって幅方向の両端に一対が設けられている。リンク76,77は、容器20にトレイ21を回動自在に連結する部材である。なお、図7及び図8においては、トレイ21において幅方向の片側のリンク76,77のみが示されているが、リンク76,77に対して紙面と垂直な方向(幅方向104)に対向して他のリンクがそれぞれ並設されている。つまり、リンク76,77は、第1向き103に沿った方向に並設された4節リンクである。このリンク76,77の回動によって、トレイ21が第1位置と第2位置とに移動される。
【0074】
リンク76,77は、平板形状の長尺部材であり、トレイ21における給送向き103の前端側及び後端側に、その一端がそれぞれ回動自在に連結されている。リンク76,77とトレイ21との連結構造は、前述されたリンク26,27と同様なので詳細な説明が省略される。リンク76,77は、容器20に対して起伏しながら、トレイ21を回動させて、第1位置又は第2位置へトレイ21を移動させる。
【0075】
なお、本実施形態においても、容器20に3つのボス67〜69が設けられ、トレイ21にはボス67〜69が挿入可能な孔70,71が形成されているが、これらは前述された第2実施形態と同様なので、詳細な説明が省略される。
【0076】
図8に示されるように、リンク76,77は、トレイ21が第1位置に配置される第1回動位置(図7(A)参照)とトレイ21が第2位置に配置される第2回動位置(図7(B)参照)との間の第3回動位置において、その回動がロック可能である。リンク76,77のロックは、例えば、リンク76,77に半球形状の突出部を設けるとともに、この突出部と係合する凹陥部を側壁36に形成することによって実現される。
【0077】
リンク76,77によって構成される4節リンクによって、容器20とトレイ21とが平行な位置関係を保って相対移動されるので、トレイ21を第1位置又は第2位置へ移動させる動作が安定する。
【0078】
また、3回動位置においてリンク76,77がロックされることによって、容器20とトレイ21と上下に離された状態で、リンク76,77の回動が停止される。これにより、容器20とトレイ21との間から容器20内へ記録用紙17を装填する作業が容易となる。
【0079】
なお、4節リンクを構成する各リンク76,77の配置は、トレイ21の前端側及び後端側に限定されず、前述された作用効果が奏される範囲において適宜変更されてもよい。
【0080】
以下に、本発明の第4実施形態が説明される。第4実施形態に係る複合機10は、第1実施形態に係る複合機10におけるリンク26,27が省略されたものである。したがって、第1実施形態と異なる容器20とトレイ21との係合構造についてのみ詳細な説明がなされ、その他の構成については詳細な説明が省略される。なお、第2実施形態において、前述された第1実施形態と同一の参照符号で示される部材は、第1実施形態と同様のものである。
【0081】
[容器20とトレイ21との係合]
図9に示されるように、前述された第2実施形態と同様に、容器20において幅方向に対向して立設された側壁36には、側壁36の上端から上側へ突出する3つのボス67〜69が設けられている。トレイ21には、給送向き103の後端付近及び中央より若干前端付近に、ボス67〜69が挿入可能な孔70,71が形成されている。なお、図9には、容器20及びトレイ21における幅方向の片側に設けられたボス67〜69及び孔70,71のみが示されているが、容器20及びトレイ21における幅方向の反対側にも、同様のボス及び孔がそれぞれ形成されている。
【0082】
図9に示されるように、トレイ21が第1位置とされたときに、ボス68,69と孔70,71とがそれぞれ係合して、トレイ21が給送向き103に沿った方向へ移動することを制限する。また、トレイ21が第2位置とされたときに、ボス67,68と孔70,71とがそれぞれ係合して、トレイ21が給送向き103に沿った方向へ移動することを制限する。
【0083】
図10に示されるように、トレイ21が第1位置又は第2位置以外の位置において容器20の上側へ載置されると、ボス67〜69及び孔70,71がいずれとも係合しないので、容器20に対してトレイ21が浮いた状態となる。したがって、ユーザは、トレイ21が所定の位置にないことを一目瞭然に把握することができる。また、複合機10の開口13に設けられたガイドレールなどの係合部材と給紙カセット14とを協働させて、容器20に対してトレイ21が浮いた状態であれば、給紙カセット14が開口13に装着できない構造とすると、ユーザは、トレイ21が第1位置又は第2位置以外の位置にあることを目視せずとも容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る複合機10の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部11の内部構成を示す模式図である。
【図3】図3は、トレイ21が第1位置とされた給紙カセット14の外観構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、トレイ21が第2位置とされた給紙カセット14の外観構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、第1位置のトレイ21が持ち上げられた状態の給紙カセット14の外観構成を示す給送向き103後端側から視た斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態に係る給紙カセット14を模式的に示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態に係る給紙カセット14を模式的に示す断面図である。
【図8】図8は、第3実施形態に係る給紙カセット14において、リンク76,77が第3回動位置でロックされた状態を模式的に示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の第4実施形態に係る給紙カセット14を模式的に示す断面図である。
【図10】図10は、第4実施形態に係る給紙カセット14において、トレイ21が第1位置又は第2位置以外の位置とされた状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0085】
11・・・プリンタ部(画像記録装置、装置本体)
14・・・給紙カセット(シート収容装置)
20・・・容器
21・・・トレイ
24・・・画像記録ユニット(画像記録部)
26,27,66,76,77・・・リンク
57・・・給紙ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1向きへ給送される第1シートが積層されて載置可能であり、少なくとも当該第1向きの前側の上面が開口された容器と、
上記容器の上面側に配置されており、上記第1向きへ給送される第2シートが積層されて載置可能であり、上記容器の開口を覆う第1位置と当該開口から上記第1向きの後側へ退避した第2位置とに移動可能なトレイと、を具備し、
上記トレイは、上記容器の上側から上記第1位置及び上記第2位置に係脱されて、上記第1向きに沿った方向に対して位置決めされたものであるシート収容装置。
【請求項2】
上記第1向きと交差し且つ上記容器に積層された第1シートの面に平行な第2方向に沿った軸を有するリンクによって上記容器と上記トレイとが回動自在に連結され、当該リンクの回動によって上記トレイが上記第1位置及び上記第2位置へ移動される請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項3】
上記リンクは、上記トレイにおける上記第1向きの前側の上記第2方向の両端に一対設けられたものである請求項2に記載のシート収容装置。
【請求項4】
上記リンクは、上記トレイにおける上記第1向きの後側の上記第2方向の両端に一対設けられたものである請求項2に記載のシート収容装置。
【請求項5】
上記リンクは、上記トレイにおける上記第2方向の両端の一対が、上記第1向きに沿った方向に並設された4節リンクである請求項2に記載のシート収容装置。
【請求項6】
上記リンクは、上記トレイが上記第1位置に配置される第1回動位置と上記トレイが上記第2位置に配置される第2回動位置との間の第3回動位置において、その回動をロック可能なものである請求項5に記載のシート収容装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載のシート収容装置が、上記第1向きを装着向きとして着脱される装置本体を具備し、
上記装置本体は、
上記容器の開口から当該容器に載置された第1シートに当接して、当該第1シートを上記第1向きへ給送する第1姿勢、及び上記第1位置の上記トレイに載置された第2シートに当接して、当該第2シートを上記第1向きへ給送する第2姿勢に姿勢変化可能な給紙ローラと、
上記シート収容装置から給送された第1シート又は第2シートに画像を記録する画像記録部と、を有する画像記録装置。
【請求項8】
上記トレイが、画像が記録された第1シート又は第2シートを積層状態で保持するものである請求項7に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−150025(P2010−150025A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332166(P2008−332166)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】