説明

シート搬送装置および記録装置

【課題】搬送される各種シートをプラテンに適切に吸着させることが可能なシート搬送装置を提供する。
【解決手段】シート搬送面に複数の吸引穴24を有するプラテン14、複数の吸引穴に連通するダクト26、ダクト内を減圧して複数の吸引穴にシートを吸着する吸着力を発生させるファン25、複数の吸引穴を選択的に開閉して前記吸着力を発生させる吸引穴を選択するための吸引穴選択部材27を有し、吸引穴選択部材27は、プラテン14のシート搬送面とは反対の背面側に、当該プラテンに対して移動可能に設けられ、複数の吸引穴の少なくとも一部を閉塞可能な閉塞面30と、閉塞面に形成されかつ複数の吸引穴のうち対応する吸引穴に移動することによりダクトの内部と当該対応する吸引穴を連通させる複数の吸引選択穴31とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、シート搬送装置およびこれを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プラテン面にシートを吸着させながら画像を形成する記録装置において、プラテンのシートを吸着可能な吸着エリアを搬送方向と直交する方向のシートの幅に応じて変更する技術を開示している。この技術によれば、シートの吸着性能の低下を抑制し、記録ヘッドとシートとを接触させずに、良好な画像形成が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−153604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような記録装置では、シート端部が跳ね上がりやすいカール特性を有するシートに画像形成を実施する場合には、良好な画像を形成するために、シートの吸着力を高めることで、シートのカールを抑制して記録ヘッドとシートとの接触を防ぐ。
【0005】
しかしながら、シート搬送方向への機械的剛性が弱い、言い換えれば腰が弱いと言われるシートを強力に吸着すると、シートはプラテン上で座屈して記録ヘッドと接触する可能性がある。さらに、画像形成が進行してシートの座屈量が増加すると記録ヘッドとシート端部が衝突して紙ジャムが発生する可能性もある。
【0006】
また、シートのインク吸収能力を超えた量のインクをシートに記録する場合は、シート裏面へのインク浸透によって、シートはプラテン面形状をならってしまい、搬送抵抗が増加してシートに座屈が生じやすくなる。この場合には、シートは、プラテン吸着による搬送抵抗も加味されるため、シートを搬送不可能になる可能性もある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものである。その目的は、シート端部が跳ね上がりやすいカール特性を有するシートや、シート搬送方向への機械的剛性が弱い、いわゆる腰が弱いシートなどの搬送される各種シートをプラテンに適切に吸着させることが可能なシート搬送装置およびこれを備えた記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシート搬送装置は、シート搬送面に複数の吸引穴を有するプラテンと、前記複数の吸引穴に連通するダクトと、前記ダクト内を減圧して前記複数の吸引穴にシートを吸着する吸着力を発生させる減圧手段と、前記複数の吸引穴を選択的に開閉して前記吸着力を発生させる吸引穴を選択するための吸引穴選択部材と、を有し、前記吸引穴選択部材は、前記プラテンのシート搬送面とは反対の背面側に、当該プラテンに対してスライド可能に設けられ、前記複数の吸引穴の少なくとも一部を閉塞可能な閉塞面と、当該閉塞面に形成されかつ前記複数の吸引穴のうち対応する吸引穴に移動することにより前記ダクトの内部と当該対応する吸引穴を連通させる複数の吸引選択穴とを有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送方向と直交する方向のシート端部が跳ね上がりやすいカール特性を有するシートや、シート搬送方向への機械的剛性が弱い、いわゆる腰が弱いシートなどの各種シートのプラテンへの適切な吸着が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプラテン吸引部の構成を示す斜視図。
【図2】(a)はプラテン、(b)は吸引穴選択部材の構成を示す図。
【図3】吸引穴選択部材の動作図。
【図4】プラテンに発生する吸着力分布を示す図
【図5】本発明の第2実施形態に係るプラテン吸引部の構成を示す図。
【図6】図5の吸引選択部材の動作図。
【図7】図5のプラテン吸引穴開閉動作図。
【図8】本発明が適用されるインクジェットプリンタ本体の一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図8は、本発明が適用される記録装置としてのインクジェットプリンタの構成を示す斜視図である。この記録装置は、ロール紙1、ロール紙を画像形成部に搬送するラインフィードローラ10とピンチローラ12、シートにインク滴を吐出する記録ヘッドを搭載するキャリッジ6、キャリッジ6を支持するガイド9、および、ロール紙を裁断するロータリカッタ15を有する。記録ヘッドを搭載するキャリッジ6に対向して、記録ヘッドと所定ギャップ離れた位置にシートを吸着支持するためのプラテン14が配置されている。プラテン14は、後述するように、ロール紙1を吸着可能になっている。記録ヘッドからインク滴を吐出しながらキャリッジ6がガイド9に沿って往復運動しつつ、ラインフィードローラ10とピンチローラ12が、キャリッジ6の方向切り換えのタイミングに応じて所定量ずつロール紙を排紙方向に繰り出すことにより、画像が形成される。印字終了後、ロータリカッタ15でロール紙1を裁断して、シートを排紙ガイド17に沿って落下させる。環境センサ23は、その検知情報に応じた出力信号により画像形成動作の最適化を図るものであり、プリンタ周辺部の温度や湿度等の環境情報を検知する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1はプリンタ本体に収容されるプラテン吸引部の構成を示す。プラテン吸引部はプラテン14、吸引穴選択部材27、駆動機構28、ダクト26および減圧手段としてのファン25を含む。シートが搬送されるプラテン14のシート搬送面には、画像形成の際にシートをプラテン14に吸着させるための複数の吸引穴24が形成されている。プラテン14は、ダクト26の開口部26aを覆うように設けられている。ファン25が駆動されると、ダクト内26に一連のエアフローが形成され、複数の吸引穴24に連通するダクト26内が減圧され、複数の吸引穴24にシートを吸着する吸着力が発生する。
【0013】
吸引穴選択部材27は、所定領域の吸引穴24の一部を選択的に開閉し、駆動機構28と不図示のリンク等によって連結され、プラテン14のシート搬送面とは反対の背面側でスライド可能に支持され、ダクト26の内部に収容されている。
【0014】
図2はプラテン14および吸引穴選択部材27のシート搬送領域の一部をそれぞれ示している。吸引穴選択部材27は、複数の吸引穴24の少なくとも一部を閉塞する閉塞面30を備える。この閉塞面30には、プラテン14に対する位置に応じて、プラテン14に形成される複数の吸引穴24のうち、吸着力を発生される吸引選択穴31を選択する複数の吸引選択穴31が形成されている。吸引穴選択部材27の複数の吸引選択穴31以外の平面は、吸引選択穴31が対応する吸引穴24と一致すると、この対応する吸引穴24とダクト26の内部とを連通してシートを吸着する吸着力を発生させる。一方、吸引選択穴31が対応する吸引穴24と一致しない場合には、当該吸引穴24は閉塞面30により閉塞され、ダクト26内部との連通が遮断されてシートを吸着しない。
【0015】
図3はプラテン14のシート搬送領域の一部を示し、吸引穴選択部材27の動作によって吸引穴24を開閉するときの状態説明図である。図3(a)は、一の吸引選択穴31が2つの隣り合う吸引穴24と一致している状態を示している。吸引穴選択部材27が、プラテン14に対し、駆動機構28によりシート搬送方向と直交する方向に距離pだけスライドすると、図3(b)に示すように、吸引穴(開)24aの一部は吸引穴選択部材27により塞がれて吸引穴(閉)24bとなる。これにより、開放されているプラテン14の吸引穴(開)24aの数は半分に少なくなり、吸引穴選択部材27の移動によって単位領域あたりのシートを吸着可能な吸引穴24の数を変更することが可能となる。
【0016】
図4は上記吸引穴選択部材27の移動前後におけるシート幅方向のシート吸着力分布を示している。なお、図4において、シート幅をW、吸引穴選択部材27による吸引穴開閉域の長さをLとする。吸引穴選択部材27を移動させていない状態(図3(a)に示した状態)では、吸引穴24はすべて吸着可能な吸引穴(開)24aとなり、シート吸着力はシート幅W全域でf(a−b−e一f)となり、シート幅方向において均等である。
【0017】
一方、吸引穴選択部材27を移動させた状態(図3(b)に示した状態)では、シート中央部の吸引領域42(:L)は、シートを吸着可能な吸引穴(開)24aは吸引穴選択部材27を移動させる前の半分となる。そして、シート両端部の吸引領域41、43は、シートを吸着する吸引穴(開)24aの数に変化がなく、プラテン単位領域あたりの吸引穴(開)24aの数は吸引領域42より多くすることができる。その結果、吸引穴選択部材27を移動させれば、シート吸着力は(a−b−c−d−e−f)のごとく、シート両端部でf、シート内部の吸引領域(シート内部領域)42で0.5fのようにプラテン14の吸着力を設定することができる。上記構成によれば、シート両端部の吸引領域41,42における単位領域29bあたりの吸着力をシート内部吸引領域42の単位領域29aよりも高くすることができ、薄いシートで両端部がカールしやすい特性を有するシートの吸着に適用可能となる。シート端部が跳ね上がりやすいカール特性を有するシートや低剛性の各種シートに対して、本構成は、最良なプラテン吸引を提供することが可能である。上記特性を有するシートの一例としては、和紙、新聞紙の形態に類する薄さで坪量が比較的小さいシートや、布織紙等が該当する。
【0018】
シート端部のカール防止という観点では、カール発生を防止するため、プラテン吸着力を高くする必要がある。しかし、シートの機械的剛性が弱いという観点では、シートの搬送方向に加わる吸着力による負荷を軽減し、プラテンのシート搬送面上でのシートの座屈を抑制するようにプラテン吸着力を低くする必要がある。
【0019】
本実施形態では、シートの幅方向(搬送方向に直交する方向)の各領域に最適な吸着力を設定することが可能である。吸引穴選択部材27を移動させて、シート端部のプラテン吸着力をシート内部に対し高くることで、シート両端部のカールによる紙浮き抑制が可能となり、その結果、シートと記録ヘッドとの擦れを防止できる。そして、プラテンの吸着によってシート表面の変形を発生させないように、低い吸着力をシートに作用させることも同時に可能である。その結果、シートの搬送精度の低下や座屈による紙詰まりの発生を抑えることが可能となる。なお、本実施形態の構成は、本発明の実施形態の一例であり、シートの種類に応じて吸引穴選択部材27を移動して、プラテン吸着力分布を設定してもよい。
【0020】
図8に示すインクジェットプリンタは、温度または湿度センサ23を搭載している。例えば、フィルムコート紙等、シートの基材が帯電しやすいシートでは、低温環境では必然的に空気中の飽和水蒸気量も小さくなるため、シートはより帯電しやすい状態となる。プリンタ本体における画像形成動作では、ロール状態からシートを繰り出す動作で生じる剥離帯電や、シートと搬送経路を形成する部材との摺擦よって生じる搬送帯電が発生してしまう。そして、プラテン14や排紙ガイド17にシートが静電気によって貼り付いてしまい搬送精度低下や、プラテンにシートが貼り付いて座屈する搬送不良を招く可能性がある。このような環境においては、プラテン吸着力を低下させて、シートの搬送帯電の発生を緩和させることで上記不具合を効果的に抑制できる。温度または湿度センサ23の検出する温度あるいは湿度情報に基づいて、吸引穴選択部材を移動してプラテンのシート搬送面における吸着力分布を変更することも可能である。
【0021】
[第2の実施形態]
図5から図7は本発明の別の実施形態を示す。本実施形態は、プラテン上において、シートの先端位置に応じて、シート搬送方向の吸着力分布を切り替え可能な装置構成である。図5は本発明構成を用いて、プラテン上におけるシート先端位置に応じて吸引穴選択部材をシフトさせて、搬送方向下流側の吸引領域を拡大する装置構成を示す。その目的は、プラテン上の非通紙域における吸引穴がシートで閉塞されないことにより、ファン25により発生するシートの吸着力低下を防止し、下流搬送領域の吸引穴にシート先端位置に応じて順次吸着力を発生させることである。
【0022】
第2の実施形態に係るプラテン14Aおよび吸引穴選択部材27Aは、インクジェットプリンタ内において、図1と同様な位置に配置される。図5に示すように、プラテン14Aには吸引穴24が複数形成され、これらは上流側搬送領域Yaと下流側搬送領域Ybに区分されている。図示しないが、下流側搬送領域Ybの吸引穴24は、シート通紙面より相対的に低い位置に形成されている。吸引穴選択部材27Aは、下流側搬送領域Ybの吸引穴28の少なくとも一部を閉塞可能な閉塞面30Aと、この閉塞面30Aに形成され、吸引穴選択部材27Aの位置に応じて、下流側搬送領域Ybの対応する吸引穴28をダクト26内部と連通させて吸着力を発生させる吸引穴28を選択するための吸引選択穴31Aとを有する。
【0023】
上記構成のインクジェットプリンタでは、シート先端がプラテン14の上流側搬送領域Yaの吸引穴24を閉塞する位置までシートを搬送したのちに印字動作を開始し、以後ラインフィードローラ10の間欠搬送に同期してキャリッジ6を往復動作させて画像を形成する。
【0024】
図6は印字開始後のシート先端位置(S1〜S5)と吸引穴選択部材27Aのシフト動作と下流搬送領域Ybの吸引穴24の開閉状況を記載したものである。
【0025】
第1ステップ:印字開始するために、ファン25を駆動した状態でシート先端を位置S1まで搬送し、吸引穴選択部材27の閉塞面30Aによって下流搬送領域Ybの各吸引穴24bをダクト26と連通しない状態(閉塞状態)にして画像形成を開始する。
【0026】
第2ステップ:キャリッジ6の動作に応じて、シート先端の位置S2までの搬送過程において、吸引穴選択部材27を距離p1だけ搬送方向に直交する方向にシフトすると、下流搬送領域Ybの吸引穴24の一部は、対応する吸引選択穴31Aによりダクト26の内部と連通し、シートに吸着力を作用させる吸引穴(開)24aとなり、そのほかは吸引穴(閉)24bとなる。
【0027】
第3〜第5ステップ:シートがシート搬送方向にプラテン14Aの下流搬送領域Ybの吸引穴24のすべて閉塞するまで、シートの各間欠搬送に同期して、上記第2ステップ同様に吸引穴選択部材27Aのシフト動作を繰り返し行う。
【0028】
上記のような吸引穴選択部材27Aの動作によって、プラテン14Aの下流搬送部Ybの吸引穴24の開閉状態はシートの先端位置の進行に同期して図7に示すよう変遷していく。すなわち、シ一トの先端位置がプラテン搬送路上に位置した状態で、プラテンの吸引穴のうち、シートで閉塞されている上流部は吸着力が作用し、シートで閉塞されていない搬送方向下流側(下流部)の吸引穴はすべて閉塞状態とする。これにより、吸引圧の低下を抑制して安定したシート吸着を実現できる。
【0029】
上記実施形態では、吸引穴選択部材27Aをシート搬送方向に直交する方向に移動させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、シート搬送方向に移動させることもできるし、それ以外の方向に移動させることも可能である。
【符号の説明】
【0030】
1…ロール紙
6…キャリッジ
10…ラインフィードローラ
14,14A…プラテン
24…吸引穴
24a…吸引穴(開)
24b…吸引穴(閉)
25…ファン
26…ダクト
27,27A…吸引穴選択部材
28…駆動機構
29a…吸着力が相対的に低いプラテン単位領域
29b…吸着力が相対的に高いプラテン単位領域
30,30A…閉塞面
31,31A…吸引選択穴
41,43…シート両端部の吸引領域
42…シート内部の吸引領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート搬送面に複数の吸引穴を有するプラテンと、
前記複数の吸引穴に連通するダクトと、
前記ダクト内を減圧して前記複数の吸引穴にシートを吸着する吸着力を発生させる減圧手段と、前記複数の吸引穴を選択的に開閉して前記吸着力を発生させる吸引穴を選択するための吸引穴選択部材と、を有し、
前記吸引穴選択部材は、前記プラテンのシート搬送面とは反対の背面側に、当該プラテンに対してスライド可能に設けられ、前記複数の吸引穴の少なくとも一部を閉塞可能な閉塞面と、当該閉塞面に形成されかつ前記複数の吸引穴のうち対応する吸引穴に移動することにより前記ダクトの内部と当該対応する吸引穴を連通させる複数の吸引選択穴とを有する、ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記吸引穴選択部材を移動させる駆動機構をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記吸引穴選択部材は、その移動により、前記シート搬送面における吸着力分布を変更するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記吸引穴選択部材は、前記シート搬送面におけるシートの幅方向の吸着力分布を均等な状態から、その移動により、シートの幅方向のシート両端部に対応する前記シート搬送面の吸着力が、シート内部領域に対応する前記シート搬送面の吸着力よりも高くなる状態にするように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
温度又は湿度を検出する検出手段をさらに有し、
前記吸引穴選択部材は、検出手段の検出する温度あるいは湿度情報に基づいて、移動されて前記シート搬送面における吸着力分布を変更するように形成されている、ことを特徴とする請求項3又は4に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記吸引穴選択部材は、前記プラテン上において搬送されるシートの先端位置の進行に応じて移動され、前記シート搬送方向における吸着力分布を変更するように形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置
【請求項7】
前記吸引穴選択部材は、前記シートの先端が前記シート搬送面をシート搬送方向に進行する過程において、前記シートの先端より前記シート搬送方向の上流部となる前記吸引穴は吸着力が作用するように前記ダクトと連通させ、前記シート搬送方向の下流部となる前記吸引穴は吸着力が作用しないように前記ダクトと連通させないように形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
シート搬送装置でシートを搬送しつつ当該シートに画像を記録する記録装置であって、
前記シート搬送装置は、
シート搬送面に複数の吸引穴を有するプラテンと、
前記複数の吸引穴に連通するダクトと、
前記ダクト内を減圧して前記複数の吸引穴にシートを吸着する吸着力を発生させる減圧手段と、前記複数の吸引穴を選択的に開閉して前記吸着力を発生させる吸引穴を選択するための吸引穴選択部材と、を有し、
前記吸引穴選択部材は、前記プラテンのシート搬送面とは反対の背面側に、当該プラテンに対してスライド可能に設けられ、前記複数の吸引穴の少なくとも一部を閉塞可能な閉塞面と、当該閉塞面に形成されかつ前記複数の吸引穴のうち対応する吸引穴に移動することにより前記ダクトの内部と当該対応する吸引穴を連通させる複数の吸引選択穴とを有する、ことを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−218407(P2012−218407A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89444(P2011−89444)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】