シート片が粘着された転写シート及びシート片の貼着方法
【課題】エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の櫛目状に形成された溝の底面部に、情報等を表示するための複数のシート片を貼着する作業の工数を削減すると共に、その作業を容易とするシート片が粘着された転写シートを提供する。
【解決手段】基材シート2の基材2aの一面の全面に形成された第2粘着層2bにシート片3を粘着させると共に、シート片3の第1粘着層3bに粘着された離型紙4を、シート片3を介在させて残余の第2粘着層2bに粘着させて、三層からなるシート片3が粘着された転写シート1を形成した。
【解決手段】基材シート2の基材2aの一面の全面に形成された第2粘着層2bにシート片3を粘着させると共に、シート片3の第1粘着層3bに粘着された離型紙4を、シート片3を介在させて残余の第2粘着層2bに粘着させて、三層からなるシート片3が粘着された転写シート1を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータのステップの踏面部やライザ部に形成された溝の底面部において、文字や図柄よりなる情報を表示するために貼着される複数のシート片を粘着した転写シートと、シート片を溝の底面部に貼着するシート片の貼着方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エスカレータに広告等の表示手段を設けることが行われている。例えば、エスカレータの手摺り部分に広告等の情報が印刷されたシートを貼着したものがある。ところが、手摺り部分は幅が狭く、そこに表示できる情報には限度がある。また、エスカレータを利用する人の手が触れることにより、印刷した情報が薄れたりシートが剥がれたりする問題がある。このような問題を解決するものとして、エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の櫛目状に形成された溝の底面部に広告等の情報を表示することが行われている。図11に示すエスカレータ20は、ステップ21を構成する踏面部22及びライザ部23のうち、ライザ部23において櫛目状に形成された溝23aの底面部に文字6が表示されている。このように、溝23aを区画する凸条部23bがあるため、表示された文字6は、エスカレータの利用者の靴等により直に踏まれないので、擦り取られることが防止される。
【0003】
特許文献1に開示されている「表示機構付エスカレータ」では、ステップの踏面部或いはライザ部の櫛目状に形成された溝の底面部に、短冊状の表示片が貼着され、複数の表示片が全体として文字、図柄、記号等を表示するようになっている。
【0004】
また、特許文献2に開示されている「転写シート及びシート片貼着方法」では、櫛目状の溝を区画する凸条部の配置に対応して開口が形成され、その開口の間にシート片を粘着するための粘着層が形成された転写シートが提案されている。また、この転写シートを用いてシート片を溝の底面部に貼着する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−171788号公報
【特許文献2】WO2008/018224A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の表示機構では、表示片が、エスカレータの手摺り部分に設けられた場合とは異なり、剥がれる問題はないが、短冊状の表示片を一枚ずつステップの踏面部或いはライザ部の溝の底面部に貼着しなければならず、多大な工数がかかるという問題がある。
【0007】
一方、特許文献2の転写シート及びシート片貼着方法では、短冊状の表示片を一枚ずつ溝の底面部に貼着する手間を省くことができるようになっている。この転写シートを用いる時、エスカレータに対する施工現場で、シート片を、シート片が仮止めされている離型紙と共に、転写シートの粘着層に粘着させることが行われる。この粘着作業においては、転写シートの開口と、離型紙上に配置された複数のシート片のそれぞれの間とを一致させる位置決め作業が煩雑なものとなる。この位置決め作業を容易とするため、合成樹脂製の転写シートを、その厚さが0.7〜1.0mm程度の剛性があるものとしているが、なお作業は熟練技術を要する繊細なものである。
【0008】
また、転写シートに粘着されているシート片から離型紙を剥がした後、転写シートの開口と溝を区画する凸条部とを位置合わせするが、シート片の粘着材が凸条部に触れないように作業を進めなければならず、この作業も熟練技術を要するものである。
【0009】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の櫛目状に形成された溝の底面部に、情報等を表示するための複数のシート片を貼着する作業の工数を削減すると共に、その作業を容易とするシート片が粘着された転写シートを提供することにある。また、本発明は、このシート片が粘着された転写シートを用いて溝の底面部にシート片を貼着するシート片の貼着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するために請求項1に記載のシート片が粘着された転写シートの発明は、エスカレータのステップに櫛目状に形成された溝の底面部に貼着されて文字や図柄よりなる情報を表示するための複数のシート片が基材シートに粘着されると共に、その基材シートのシート片の間に開口部が形勢されたシート片が粘着された転写シートにおいて、前記基材シートの一面の全面には粘着層が形成され、前記開口部間の粘着層に前記シート片が粘着されると共に、離型紙がシート片を介在して残余の粘着層に粘着されたことを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、基材シートの開口部間の粘着層にシート片が粘着され、残余の粘着層に離型紙が粘着されるようにした。このため、エスカレータに対する施工現場で粘着層を備えた基材シートにシート片を粘着させる煩雑な作業を省くことができる。また、離型紙と、シート片と、基材シートとが、それぞれの間に粘着剤を介して粘着され一体状となっており、その一体状となったものを巻回することにより取り扱いを容易とすることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート片が粘着された転写シートにおいて、前記離型紙に、前記複数のシート片を横切る方向に分離線が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のシート片が粘着された転写シートにおいて、前記シート片の端部に小孔又は切欠きが形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シートにおいて、前記基材シートには、前記ステップの踏面部及びライザ部において、その踏面部の溝を基準にライザ部に対する位置を決めるための位置決め孔又は前記ライザ部の溝を基準に踏面部に対する位置を決めるための位置決め孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に記載のシート片の貼着方法発明は、請求項2ないし4のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シートを用いて、エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の溝の底面部に前記シート片を貼着するシート片の貼着方法であって、前記基材シートの開口部を前記溝を区画する凸条部に位置合わせすると共に、前記離型紙の長手方向に沿った一方の端部側又は中央部の離型紙を、前記分離線を境に前記基材シート及びシート片から剥がして、その離型紙が剥がされた部分の前記シート片を基材シートと共に前記溝の底面部に仮止めした後、残りの離型紙の全てを前記基材シート及びシート片から剥がして、前記シート片の全てを基材シートと共に前記溝の底面部に貼着し、その後、前記基材シートを取り除くことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、転写シートの開口部間の粘着層にシート片が粘着され、残余の粘着層に離型紙が粘着されているので、エスカレータに対する施工現場で転写シートにシート片を粘着させる煩雑な作業を省くことができるシート片が粘着された転写シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態のシート片が粘着された転写シートの分解斜視図。
【図2】シート片が粘着された転写シートの正面図。
【図3】離型紙に粘着されたシート片を示し、(a)はシート片に分割される前の態様を示す平面図、(b)はシート片に分割された後の態様を示す平面図。
【図4】シート片の端部を示す一部平面図。
【図5】並列するシート片の一側の端部を示す一部平面図。
【図6】第2実施形態の並列するシート片の一側の端部を示す一部平面図。
【図7】第2実施形態の並列するシート片の一側の端部を示す一部平面図。
【図8】第3実施形態の転写シートが踏面部の溝を基準にライザ部に対して位置決めされる態様を示す斜視図。
【図9】シート片を溝の底面部に貼着する工程を(a)〜(d)の順に示す一部断面図。
【図10】ライザ部に情報が示された態様をしめす斜視図。
【図11】従来技術のライザ部に文字が表示された態様を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜5及び図9、10を用いて説明する。なお、従来技術と同一の構成については、その説明において用いた同一の符号を用いるものとする。
【0019】
図1、2に示すように、本実施形態のシート片3が粘着された転写シート1は、離型紙4と、文字や図柄等の情報を表示するためのシート片3群と、基材シート2とを備えている。シート片3は、シート片基材3aと、シート片基材3aの離型紙4側に形成された第1粘着層3bとよりなり、基材シート2は、基材2aと、基材2aのシート片3側に形成された第2粘着層2bとよりなる。そして、離型紙4、シート片3群及び基材シート2が、第1粘着層3b及び第2粘着層2bにより三層に粘着されている。この三層の粘着工程は、工場内の装置を用いて行われるので、作業者の熟練技術に頼らず、従って工数もかからず、シート片3と開口部2cとの位置決めが精度よく行われる。各シート片3は、その表面に保護のためのラミネート層(図示しない)が固着されている。
【0020】
基材2aには、エスカレータ20のライザ部23の複数の凸条部23b(図11参照)の挿通が可能なように、凸条部23bの厚さとピッチに対応するように開口部2cが形成されている。この開口部2cの数は、後述するシート片3の貼着作業上、シート片3の数よりも一つ以上多く設ける必要がある。また、開口部2cの長さは、シート片3の長さよりも長くする必要があるが、作業性の点から、ライザ部23の高さと同等の長さにすることが望ましい。
【0021】
第2粘着層2bは、基材2aの一面の全面に形成されており、全てのシート片3と、シート片3が存在しない部分において離型紙4を粘着するようになっている。この第2粘着層2bを形成する粘着剤は公知の粘着剤の中から適宜選択して用いることができるが、その粘着力が、シート片3の第1粘着層3bの粘着力よりも弱いものである必要がある。
【0022】
本実施形態では、基材2aとしてポリエチレンテレフタレート(PET)製のシートが好適に用いられているが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系合成樹脂でもよく、ポリスチレン(PS)でもよい。なお、ポリオレフィン系合成樹脂を用いる場合は、半透明である点及び難粘着性である点等を考慮し、シート片3の位置を示す表示をしたり、粘着性を高める表面処理をしたりすることが好ましい。
【0023】
また、基材2aの厚さは材質に応じて適宜選択することができるが、基材2aの剛性が、離型紙4の剛性と比較して同等又は弱くなるような厚さであることが好ましい。具体的な基材2aの厚さとしては、PET製の基材2aの場合、厚さが0.07〜0.7mmの範囲にあることが好ましく、厚さが0.07〜0.3mmの範囲にあることがより好ましい。基材2aの厚さがこの範囲を超えて厚い場合、三層からなる転写シート1を巻回して取り扱いを容易とすることが難しく、基材2aの厚さがこの範囲を超えて薄い場合、後述するシート片3の貼着作業が困難となる。基材2aの厚さが0.07〜0.3mmの範囲にあれば、転写シート1の巻回も容易であり、作業性も良好である。
【0024】
離型紙4は、紙材からなる基材4cの一面(第1粘着層3b側の面)を離型処理面4bとしたもので、本実施形態では、幅端側の位置に、長手方向に沿って延びる分離線4aが形成されている。この分離線4aは、幅端側の一ヶ所に設けるばかりでなく、幅方向の中央部の二ヶ所に設けるようにしてもよい。これらの分離線4aの作用については、後述する。
【0025】
また、分離線4aは、分離が容易なミシン目としてもよいが、本実施形態のように切断線であることが好ましい。即ち、離型紙4は複数のシート片3に支持されて分離することがないので、取り扱いに問題が生じることはない。
【0026】
図3を用いて、離型紙4に粘着された複数のシート片3の形成工程を説明する。図3(a)に示すように、一ヶ所のライザ部23用として、先ず、文字6がプリントされ、更にその上にラミネートフィルムが熱圧着された表示シート5を作製する。そして、表示シート5の裏面に第1粘着層3bを形成し、表示シート5を、予め分離線4aが形成された離型紙4に粘着する。次に、ライザ部23の凸条部23bのピッチ及び厚さに対応させて、表示シート5を複数のシート片3に区画するために、トムソン刃状の工具を用いて切れ込みを入れ、溝23aと対応する部分を残して、表示シート5の余剰の部分を離型紙4から取り除く。複数のシート片3が、ライザ部23の溝23aの位置に対応して、配置された状態を図3(b)に示す。
【0027】
このように、表示シート5に切れ込みを入れる場合、離型紙4の厚さが薄ければ、離型紙4が分断されるほどの切れ込みを入れることになり、シート片3の第1粘着層3bから離型紙4を剥がすことができないことも起こり得る。すると、離型紙4の厚さを比較的厚いものとする必要がある。しかし、同時に基材2aの厚さが厚い場合にあっては、上記のように転写シート1を巻回することが難しくなるので、この点からも基材2aとしては、薄いものが好適に用いられることになる。
【0028】
図4に示すように、本実施形態では、表示シート5を作成する際に、文字6をプリントするばかりでなく、少なくとも一つのシート片3の端部3cに配置位置表示手段としての配置番号7がプリントされている。ここに示される「D1」は、基準となるライザ部23から、順次A0、A1、・・・、A9、B0、・・・、C0・・・、D0と割り当てられた次のライザ部23であることを示す配置番号7である。
【0029】
ライザ部23の溝23aに複数のシート片3が貼着されて情報等が表示された場合、その情報等の表示は短期間では除去されず、長期のものは数ヶ月に亘って表示が維持される。従って、一部のシート片3が損傷したり汚れたりして美観が損なわれた時、当該ライザ部23のシート片3の全てを貼り換えることが好ましい。この貼り換え用の転写シート1を発注する際、配置番号7により転写シート1を特定できるので、工場への発注等を容易且つ確実に行うことができる。
【0030】
また、施工現場でシート片3の貼着作業にミスが生じた場合、貼り換えのための転写シート1を工場から取り寄せる必要があるが、その場合にあっても、配置番号7を確認することにより転写シート1を特定することができる。
【0031】
上記配置番号7と同様の作用をもつものとして、図5に示すように、シート片3の端部3cに配置位置表示手段としてのドット8をプリントすることが行われるようにしてもよい。この実施形態では、左から順にシート片31〜35が配置され離型紙4に粘着されている。そして、5番目のシート片35の端部3cにドット8がプリントされていることから、この転写シート1は、基準となるライザ部23から5番目のライザ部23に用いられているものであることが容易に認識される。
【0032】
次に、図9を用いて、シート片3をライザ部23の溝23aの底面部23cに貼着する方法について説明する。
図9(a)に示すように、ライザ部23の凸条部23bに基材シート2の開口部2cが対応するように転写シート1を配置し、シート片3に粘着している離型紙4の分離線4aから上側の部分を、シート片3から剥がす。
【0033】
そして、図9(b)に示すように、第1粘着層3bが露出した部分のシート片3を、上下位置を調整しつつ溝23aの底面部23cに貼着させる。この貼着は、シート片3の底面部23cに対する仮止めとして行われるものである。図から理解できるように、分離線4aの位置以下の部分における離型紙4は、溝23aを横断する方向(紙面に直交する方向)に配置されているので、仮止めに供された部分以外のシート片3は溝23aの外側にある。そして、全てのシート片3の仮止め位置に問題がないことを確認した後、次の工程に移る。
【0034】
図9(c)に示すように、全ての離型紙4を取り除き、シート片3を基材シート2と共に底面部23cに貼着させる。そして、押圧治具等を用い、基材シート2を介してシート片3を底面部23cに押し付け、シート片3を底面部23cに第1粘着層3bを介して貼着させる。
【0035】
更に、図9(d)に示すように、シート片3から基材シート2を取り除けば、シート片3の底面部23cに対する貼着作業が完了する。この基材シート2を取り除く作業は、第1粘着層3bの粘着力よりも第2粘着層2bの粘着力のほうが弱いので、底面部23cからシート片3を浮き上がらせることなく容易に行うことができる。
【0036】
なお、分離線4aの位置が離型紙4の上側端部に近い位置にある場合の上記方法に替えて、図示しないが、離型紙4の下側端部に近い位置に分離線4aを設けた場合も、離型紙4の中央部の二ヶ所に分離線4aを設けた場合も、同様の方法でシート片3を底面部23cに貼着することができる。即ち、シート片3の下端部側を仮止めしてから全体を貼着する方法、或いは、シート片3の中央部を仮止めしてから全体を貼着する方法とすることができる。
【0037】
また、転写シート1の長さがライザ部23或いは踏面部22の幅に比べて短い場合等、転写シート1をライザ部23或いは踏面部22の幅方向の左右に偏ることなく配置するためには、溝23aの数を数えること等が必要である。一方、踏面部22には、エスカレータ利用者の安全のために黄線等の中間線が付されている場合がある。このような中間線がある場合、図1に示すように、基材シート2には、長手方向の中間位置を示すように、その幅端部に目印2dが付されているので、この目印2dを中間線に合わせることにより、転写シート1の配置を容易に行うことができる。
【0038】
上記シート片3の貼着方法で施工され、エスカレータの複数のライザ部23にシート片3が貼着されて、全体としてエスカレータの昇降方向の情報が表示された実施形態を図10に示す。この実施形態では、鴨の親子が漫画風に表現されており、昇りのエスカレータ15には鴨の後姿17が表示され、降りのエスカレータ16には鴨の前姿18が表示されている。このような表示があることにより、エスカレータに向かう人は、遠くからエスカレータの昇りと降りとのそれぞれを容易に区別することができる。
【0039】
エスカレータの昇降を区別するためには、鴨以外の動物の後姿と前姿とを表示してもよく、その他、人の歩く姿や走る姿、車或いは飛行機等の乗り物を表示してもよい。勿論、矢印を表示することでもよいが、単に安全のために昇降の区別を付けるだけの感が否めず、漫画風を含むグラフィック表示することの方が、エスカレータを利用する人に対する癒し効果も伴うのでより好ましい。
【0040】
また、癒し効果の点では、昇降一対のエスカレータを擬似回転体のように捉え、回転木馬、メリーゴーランド、回転寿司、競馬、ジェットコースター等を表す図柄を昇降するライザ部23に表示して、あたかも回転木馬等が回転しているように表現することも好ましい。
【0041】
更に、デパート等のエスカレータにおいては、昇りのエスカレータに上の階の売り場案内を表示したり、降りのエスカレータに下の階の売り場案内を表示したりすれば、買い物客は、売り場案内板で立ち止まることなく、上下の階の売り場の情報を得ることができる。
【0042】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、基材シート2の基材2aの一面の全面に形成された第2粘着層2bにシート片3を粘着させると共に、シート片3の第1粘着層3bに粘着された離型紙を、シート片3を介在させて残余の第2粘着層2bに粘着させて、三層からなる転写シート1を形成した。このため、従来技術と異なり、施工現場における基材シート2にシート片3を貼着するための熟練技術と作業工数とを省くことが可能なシート片3が粘着された転写シート1を提供することができる。
【0043】
(2)上記実施形態では、基材2aの剛性が、離型紙4の剛性と比較して同等又は弱くなるように、基材2aの材質と厚さを選択した。このため、表示シート5に対する切れ込みのために離型紙4の厚さを比較的厚いものとしても、転写シート1の撓みやすさが得られ、転写シート1を巻回すること等ができるので、工場から施工現場への搬送等における取り扱いを容易とすることができる。
【0044】
(3)上記実施形態では、離型紙4にその長手方向に沿った分離線4aを形成した。このため、離型紙4の一部を分離線4aから分離して取り除き、シート片3の第1粘着層3bの一部を露出させることにより、その露出部分を用いて、シート片3の底面部23cに対する貼着の仮止めができるので、シート片3の貼着作業を容易とすることができる。
【0045】
(4)上記実施形態では、シート片3の端部3cに配置番号7をプリントした。このため、この配置番号7により、配置番号7が付されたシート片3が貼着されたライザ部23の位置を、基準となるライザ部23に対する位置として認識することができる。従って、貼着作業のやり直しや修繕のための貼り直しのために、当該ライザ部23に対応する転写シート1の工場への発注を間違いなく行うことができる。
【0046】
(5)上記実施形態では、シート片3の端部3cに、配置番号7に替えてドット8をプリントするようにした。このため、このドット8が付されたシート片35が、左端のシート片31から5番目に位置することを知ることにより、ライザ部23の位置が基準のライザ部23から5番目であることを知ることができる。従って、エスカレータに乗る人が殆ど視認することができない大きさのドット8により、美観を損なうことなくライザ部23の配置を知ることができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図6、7を用いて説明する。
【0048】
本実施形態のシート片3は、上側の端部3dを剥がしやすいように、小孔9又は切欠き10が形成されている。図6に示すように、シート片3の上側の端部3dには、小孔9が形成され、この小孔9に図示しない先端が尖った工具を引掛けて、底面部23cに貼着されているシート片3の端部3dを剥がし、シート片3を底面部23cから容易に取り除くことができる。また、図7に示すように、シート片3の上側の端部3dには、小孔9に替えて、切欠き10が形成され、この切欠き10に先端が尖った工具を引掛けて、底面部23cからシート片3の端部3dを剥がすことが容易となっている。
【0049】
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)上記実施形態では、シート片3の上側の端部3dを剥がしやすいように、端部3dに小孔9又は切欠き10を形成した。このため、小孔9又は切欠き10に先端が尖った工具を引掛けることを容易に行うことができ、端部3dを剥がして、底面部23cからシート片3を取り除くことを容易に行うことができる。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を、第1、2実施形態と異なる部分を中心に図8を用いて説明する。
【0051】
本実施形態のシート片3が粘着された転写シート1の基材シート2には、その上側の左右(左側のみを図示)に角孔状の位置決め孔11が形成されている。この位置決め孔11を用いることにより、図9(a)を示して説明したように、ライザ部23の凸条部23bに基材シート2の開口部2cを対応させ、且つ、上下方向の所定の位置に転写シート1を配置することを容易に行うことができる。
【0052】
具体的には、図8に示すように、踏面部22の二ヶ所(左方のみを図示)の溝22aに挟入状態で設置した角棒状の位置決め棒12に、基材シート2の位置決め孔11を外嵌させれば、転写シート1は左右及び上下の所定の位置に懸架される。そして、離型紙4の一部を分離線4aを境に剥がして、シート片3の仮止め作業を行うことができる。
【0053】
なお、図示しないが、転写シート1を踏面部22に位置合わせするために、ライザ部23の溝23aに設置した位置決め棒12に基材シート2の位置決め孔11を外嵌させることもできる。この場合、位置決め孔11は基材シート2の下側に形成される。
【0054】
(7)上記実施形態では、転写シート1の基材シート2の上側の左右に角孔状の位置決め孔11を形成した。このため、ライザ部23の凸条部23bに基材シート2の開口部2cを対応させ、且つ、上下方向の所定の位置に転写シート1を配置することを容易に行うことができる。
【0055】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ シート片3を長尺の長方形としたが、角部を円弧とすること。
・ ライザ部23にシート片3を貼着するようにしたが、踏面部22にシート片3を貼着すること。
・ 離型紙4を、紙材からなる基材4cの一面を離型処理面4bとしたものとしたが、基材4cを、粘着剤に対して離型性を有する合成樹脂製シートとすること。
・ 位置決め孔11を角孔とし位置決め棒12を角棒状としたが、位置決め孔11の形状を円又は長円等の丸孔とし、位置決め棒12の形状を、この丸孔に対応した形状とすること。また、位置決め孔11を二ヶ所に形成したが、一ヶ所又は三ヶ所以上に形成すること。
【0056】
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(イ)前記基材シートの剛性が、前記離型紙の剛性と比較して同等又は弱いことを特徴とする請求項1に記載のシート片が粘着された転写シート。このように構成した場合、シート片が粘着された転写シート1を巻回することが容易となり、工場から施工現場へ搬送する場合等の取り扱いが容易となる。
(ロ)前記基材シートの粘着層の粘着力が、前記シート片を前記溝の底面部に貼着するために形成された粘着層の粘着力よりも弱いことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シート。このよに構成した場合、溝の底面部に貼着したシート片から基材シートを剥がすことを容易に行うことができる。
(ハ)請求項5に記載のシート片の貼着方法の発明において、前記基材シートの開口部を前記溝を区画する凸条部に位置合わせする際、前記基材シートに形成された位置決め孔を、前記踏面部或いはライザ部に設置した位置決め棒に外嵌させ、前記シート片が粘着された転写シートを前記ライザ部或いは踏面部に位置決めすることを特徴とするシート片の貼着方法。このように構成した場合、シート片が粘着された転写シートを、ライザ部或いは踏面部の左右及び上下の所定位置に位置合わせをすることを容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0057】
1…転写シート、2…基材シート、2c…開口部、3,31,32,33,34,35…シート片、3c,3d…端部、4…離型紙、4a…分離線、6…文字、9…小孔、10…切欠き、11…位置決め孔、15,16,20…エスカレータ、22…踏面部、22a,23a…溝、23…ライザ部、23b…凸条部、23c…底面部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータのステップの踏面部やライザ部に形成された溝の底面部において、文字や図柄よりなる情報を表示するために貼着される複数のシート片を粘着した転写シートと、シート片を溝の底面部に貼着するシート片の貼着方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エスカレータに広告等の表示手段を設けることが行われている。例えば、エスカレータの手摺り部分に広告等の情報が印刷されたシートを貼着したものがある。ところが、手摺り部分は幅が狭く、そこに表示できる情報には限度がある。また、エスカレータを利用する人の手が触れることにより、印刷した情報が薄れたりシートが剥がれたりする問題がある。このような問題を解決するものとして、エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の櫛目状に形成された溝の底面部に広告等の情報を表示することが行われている。図11に示すエスカレータ20は、ステップ21を構成する踏面部22及びライザ部23のうち、ライザ部23において櫛目状に形成された溝23aの底面部に文字6が表示されている。このように、溝23aを区画する凸条部23bがあるため、表示された文字6は、エスカレータの利用者の靴等により直に踏まれないので、擦り取られることが防止される。
【0003】
特許文献1に開示されている「表示機構付エスカレータ」では、ステップの踏面部或いはライザ部の櫛目状に形成された溝の底面部に、短冊状の表示片が貼着され、複数の表示片が全体として文字、図柄、記号等を表示するようになっている。
【0004】
また、特許文献2に開示されている「転写シート及びシート片貼着方法」では、櫛目状の溝を区画する凸条部の配置に対応して開口が形成され、その開口の間にシート片を粘着するための粘着層が形成された転写シートが提案されている。また、この転写シートを用いてシート片を溝の底面部に貼着する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−171788号公報
【特許文献2】WO2008/018224A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の表示機構では、表示片が、エスカレータの手摺り部分に設けられた場合とは異なり、剥がれる問題はないが、短冊状の表示片を一枚ずつステップの踏面部或いはライザ部の溝の底面部に貼着しなければならず、多大な工数がかかるという問題がある。
【0007】
一方、特許文献2の転写シート及びシート片貼着方法では、短冊状の表示片を一枚ずつ溝の底面部に貼着する手間を省くことができるようになっている。この転写シートを用いる時、エスカレータに対する施工現場で、シート片を、シート片が仮止めされている離型紙と共に、転写シートの粘着層に粘着させることが行われる。この粘着作業においては、転写シートの開口と、離型紙上に配置された複数のシート片のそれぞれの間とを一致させる位置決め作業が煩雑なものとなる。この位置決め作業を容易とするため、合成樹脂製の転写シートを、その厚さが0.7〜1.0mm程度の剛性があるものとしているが、なお作業は熟練技術を要する繊細なものである。
【0008】
また、転写シートに粘着されているシート片から離型紙を剥がした後、転写シートの開口と溝を区画する凸条部とを位置合わせするが、シート片の粘着材が凸条部に触れないように作業を進めなければならず、この作業も熟練技術を要するものである。
【0009】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の櫛目状に形成された溝の底面部に、情報等を表示するための複数のシート片を貼着する作業の工数を削減すると共に、その作業を容易とするシート片が粘着された転写シートを提供することにある。また、本発明は、このシート片が粘着された転写シートを用いて溝の底面部にシート片を貼着するシート片の貼着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するために請求項1に記載のシート片が粘着された転写シートの発明は、エスカレータのステップに櫛目状に形成された溝の底面部に貼着されて文字や図柄よりなる情報を表示するための複数のシート片が基材シートに粘着されると共に、その基材シートのシート片の間に開口部が形勢されたシート片が粘着された転写シートにおいて、前記基材シートの一面の全面には粘着層が形成され、前記開口部間の粘着層に前記シート片が粘着されると共に、離型紙がシート片を介在して残余の粘着層に粘着されたことを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、基材シートの開口部間の粘着層にシート片が粘着され、残余の粘着層に離型紙が粘着されるようにした。このため、エスカレータに対する施工現場で粘着層を備えた基材シートにシート片を粘着させる煩雑な作業を省くことができる。また、離型紙と、シート片と、基材シートとが、それぞれの間に粘着剤を介して粘着され一体状となっており、その一体状となったものを巻回することにより取り扱いを容易とすることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート片が粘着された転写シートにおいて、前記離型紙に、前記複数のシート片を横切る方向に分離線が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のシート片が粘着された転写シートにおいて、前記シート片の端部に小孔又は切欠きが形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シートにおいて、前記基材シートには、前記ステップの踏面部及びライザ部において、その踏面部の溝を基準にライザ部に対する位置を決めるための位置決め孔又は前記ライザ部の溝を基準に踏面部に対する位置を決めるための位置決め孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に記載のシート片の貼着方法発明は、請求項2ないし4のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シートを用いて、エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の溝の底面部に前記シート片を貼着するシート片の貼着方法であって、前記基材シートの開口部を前記溝を区画する凸条部に位置合わせすると共に、前記離型紙の長手方向に沿った一方の端部側又は中央部の離型紙を、前記分離線を境に前記基材シート及びシート片から剥がして、その離型紙が剥がされた部分の前記シート片を基材シートと共に前記溝の底面部に仮止めした後、残りの離型紙の全てを前記基材シート及びシート片から剥がして、前記シート片の全てを基材シートと共に前記溝の底面部に貼着し、その後、前記基材シートを取り除くことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、転写シートの開口部間の粘着層にシート片が粘着され、残余の粘着層に離型紙が粘着されているので、エスカレータに対する施工現場で転写シートにシート片を粘着させる煩雑な作業を省くことができるシート片が粘着された転写シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態のシート片が粘着された転写シートの分解斜視図。
【図2】シート片が粘着された転写シートの正面図。
【図3】離型紙に粘着されたシート片を示し、(a)はシート片に分割される前の態様を示す平面図、(b)はシート片に分割された後の態様を示す平面図。
【図4】シート片の端部を示す一部平面図。
【図5】並列するシート片の一側の端部を示す一部平面図。
【図6】第2実施形態の並列するシート片の一側の端部を示す一部平面図。
【図7】第2実施形態の並列するシート片の一側の端部を示す一部平面図。
【図8】第3実施形態の転写シートが踏面部の溝を基準にライザ部に対して位置決めされる態様を示す斜視図。
【図9】シート片を溝の底面部に貼着する工程を(a)〜(d)の順に示す一部断面図。
【図10】ライザ部に情報が示された態様をしめす斜視図。
【図11】従来技術のライザ部に文字が表示された態様を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜5及び図9、10を用いて説明する。なお、従来技術と同一の構成については、その説明において用いた同一の符号を用いるものとする。
【0019】
図1、2に示すように、本実施形態のシート片3が粘着された転写シート1は、離型紙4と、文字や図柄等の情報を表示するためのシート片3群と、基材シート2とを備えている。シート片3は、シート片基材3aと、シート片基材3aの離型紙4側に形成された第1粘着層3bとよりなり、基材シート2は、基材2aと、基材2aのシート片3側に形成された第2粘着層2bとよりなる。そして、離型紙4、シート片3群及び基材シート2が、第1粘着層3b及び第2粘着層2bにより三層に粘着されている。この三層の粘着工程は、工場内の装置を用いて行われるので、作業者の熟練技術に頼らず、従って工数もかからず、シート片3と開口部2cとの位置決めが精度よく行われる。各シート片3は、その表面に保護のためのラミネート層(図示しない)が固着されている。
【0020】
基材2aには、エスカレータ20のライザ部23の複数の凸条部23b(図11参照)の挿通が可能なように、凸条部23bの厚さとピッチに対応するように開口部2cが形成されている。この開口部2cの数は、後述するシート片3の貼着作業上、シート片3の数よりも一つ以上多く設ける必要がある。また、開口部2cの長さは、シート片3の長さよりも長くする必要があるが、作業性の点から、ライザ部23の高さと同等の長さにすることが望ましい。
【0021】
第2粘着層2bは、基材2aの一面の全面に形成されており、全てのシート片3と、シート片3が存在しない部分において離型紙4を粘着するようになっている。この第2粘着層2bを形成する粘着剤は公知の粘着剤の中から適宜選択して用いることができるが、その粘着力が、シート片3の第1粘着層3bの粘着力よりも弱いものである必要がある。
【0022】
本実施形態では、基材2aとしてポリエチレンテレフタレート(PET)製のシートが好適に用いられているが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系合成樹脂でもよく、ポリスチレン(PS)でもよい。なお、ポリオレフィン系合成樹脂を用いる場合は、半透明である点及び難粘着性である点等を考慮し、シート片3の位置を示す表示をしたり、粘着性を高める表面処理をしたりすることが好ましい。
【0023】
また、基材2aの厚さは材質に応じて適宜選択することができるが、基材2aの剛性が、離型紙4の剛性と比較して同等又は弱くなるような厚さであることが好ましい。具体的な基材2aの厚さとしては、PET製の基材2aの場合、厚さが0.07〜0.7mmの範囲にあることが好ましく、厚さが0.07〜0.3mmの範囲にあることがより好ましい。基材2aの厚さがこの範囲を超えて厚い場合、三層からなる転写シート1を巻回して取り扱いを容易とすることが難しく、基材2aの厚さがこの範囲を超えて薄い場合、後述するシート片3の貼着作業が困難となる。基材2aの厚さが0.07〜0.3mmの範囲にあれば、転写シート1の巻回も容易であり、作業性も良好である。
【0024】
離型紙4は、紙材からなる基材4cの一面(第1粘着層3b側の面)を離型処理面4bとしたもので、本実施形態では、幅端側の位置に、長手方向に沿って延びる分離線4aが形成されている。この分離線4aは、幅端側の一ヶ所に設けるばかりでなく、幅方向の中央部の二ヶ所に設けるようにしてもよい。これらの分離線4aの作用については、後述する。
【0025】
また、分離線4aは、分離が容易なミシン目としてもよいが、本実施形態のように切断線であることが好ましい。即ち、離型紙4は複数のシート片3に支持されて分離することがないので、取り扱いに問題が生じることはない。
【0026】
図3を用いて、離型紙4に粘着された複数のシート片3の形成工程を説明する。図3(a)に示すように、一ヶ所のライザ部23用として、先ず、文字6がプリントされ、更にその上にラミネートフィルムが熱圧着された表示シート5を作製する。そして、表示シート5の裏面に第1粘着層3bを形成し、表示シート5を、予め分離線4aが形成された離型紙4に粘着する。次に、ライザ部23の凸条部23bのピッチ及び厚さに対応させて、表示シート5を複数のシート片3に区画するために、トムソン刃状の工具を用いて切れ込みを入れ、溝23aと対応する部分を残して、表示シート5の余剰の部分を離型紙4から取り除く。複数のシート片3が、ライザ部23の溝23aの位置に対応して、配置された状態を図3(b)に示す。
【0027】
このように、表示シート5に切れ込みを入れる場合、離型紙4の厚さが薄ければ、離型紙4が分断されるほどの切れ込みを入れることになり、シート片3の第1粘着層3bから離型紙4を剥がすことができないことも起こり得る。すると、離型紙4の厚さを比較的厚いものとする必要がある。しかし、同時に基材2aの厚さが厚い場合にあっては、上記のように転写シート1を巻回することが難しくなるので、この点からも基材2aとしては、薄いものが好適に用いられることになる。
【0028】
図4に示すように、本実施形態では、表示シート5を作成する際に、文字6をプリントするばかりでなく、少なくとも一つのシート片3の端部3cに配置位置表示手段としての配置番号7がプリントされている。ここに示される「D1」は、基準となるライザ部23から、順次A0、A1、・・・、A9、B0、・・・、C0・・・、D0と割り当てられた次のライザ部23であることを示す配置番号7である。
【0029】
ライザ部23の溝23aに複数のシート片3が貼着されて情報等が表示された場合、その情報等の表示は短期間では除去されず、長期のものは数ヶ月に亘って表示が維持される。従って、一部のシート片3が損傷したり汚れたりして美観が損なわれた時、当該ライザ部23のシート片3の全てを貼り換えることが好ましい。この貼り換え用の転写シート1を発注する際、配置番号7により転写シート1を特定できるので、工場への発注等を容易且つ確実に行うことができる。
【0030】
また、施工現場でシート片3の貼着作業にミスが生じた場合、貼り換えのための転写シート1を工場から取り寄せる必要があるが、その場合にあっても、配置番号7を確認することにより転写シート1を特定することができる。
【0031】
上記配置番号7と同様の作用をもつものとして、図5に示すように、シート片3の端部3cに配置位置表示手段としてのドット8をプリントすることが行われるようにしてもよい。この実施形態では、左から順にシート片31〜35が配置され離型紙4に粘着されている。そして、5番目のシート片35の端部3cにドット8がプリントされていることから、この転写シート1は、基準となるライザ部23から5番目のライザ部23に用いられているものであることが容易に認識される。
【0032】
次に、図9を用いて、シート片3をライザ部23の溝23aの底面部23cに貼着する方法について説明する。
図9(a)に示すように、ライザ部23の凸条部23bに基材シート2の開口部2cが対応するように転写シート1を配置し、シート片3に粘着している離型紙4の分離線4aから上側の部分を、シート片3から剥がす。
【0033】
そして、図9(b)に示すように、第1粘着層3bが露出した部分のシート片3を、上下位置を調整しつつ溝23aの底面部23cに貼着させる。この貼着は、シート片3の底面部23cに対する仮止めとして行われるものである。図から理解できるように、分離線4aの位置以下の部分における離型紙4は、溝23aを横断する方向(紙面に直交する方向)に配置されているので、仮止めに供された部分以外のシート片3は溝23aの外側にある。そして、全てのシート片3の仮止め位置に問題がないことを確認した後、次の工程に移る。
【0034】
図9(c)に示すように、全ての離型紙4を取り除き、シート片3を基材シート2と共に底面部23cに貼着させる。そして、押圧治具等を用い、基材シート2を介してシート片3を底面部23cに押し付け、シート片3を底面部23cに第1粘着層3bを介して貼着させる。
【0035】
更に、図9(d)に示すように、シート片3から基材シート2を取り除けば、シート片3の底面部23cに対する貼着作業が完了する。この基材シート2を取り除く作業は、第1粘着層3bの粘着力よりも第2粘着層2bの粘着力のほうが弱いので、底面部23cからシート片3を浮き上がらせることなく容易に行うことができる。
【0036】
なお、分離線4aの位置が離型紙4の上側端部に近い位置にある場合の上記方法に替えて、図示しないが、離型紙4の下側端部に近い位置に分離線4aを設けた場合も、離型紙4の中央部の二ヶ所に分離線4aを設けた場合も、同様の方法でシート片3を底面部23cに貼着することができる。即ち、シート片3の下端部側を仮止めしてから全体を貼着する方法、或いは、シート片3の中央部を仮止めしてから全体を貼着する方法とすることができる。
【0037】
また、転写シート1の長さがライザ部23或いは踏面部22の幅に比べて短い場合等、転写シート1をライザ部23或いは踏面部22の幅方向の左右に偏ることなく配置するためには、溝23aの数を数えること等が必要である。一方、踏面部22には、エスカレータ利用者の安全のために黄線等の中間線が付されている場合がある。このような中間線がある場合、図1に示すように、基材シート2には、長手方向の中間位置を示すように、その幅端部に目印2dが付されているので、この目印2dを中間線に合わせることにより、転写シート1の配置を容易に行うことができる。
【0038】
上記シート片3の貼着方法で施工され、エスカレータの複数のライザ部23にシート片3が貼着されて、全体としてエスカレータの昇降方向の情報が表示された実施形態を図10に示す。この実施形態では、鴨の親子が漫画風に表現されており、昇りのエスカレータ15には鴨の後姿17が表示され、降りのエスカレータ16には鴨の前姿18が表示されている。このような表示があることにより、エスカレータに向かう人は、遠くからエスカレータの昇りと降りとのそれぞれを容易に区別することができる。
【0039】
エスカレータの昇降を区別するためには、鴨以外の動物の後姿と前姿とを表示してもよく、その他、人の歩く姿や走る姿、車或いは飛行機等の乗り物を表示してもよい。勿論、矢印を表示することでもよいが、単に安全のために昇降の区別を付けるだけの感が否めず、漫画風を含むグラフィック表示することの方が、エスカレータを利用する人に対する癒し効果も伴うのでより好ましい。
【0040】
また、癒し効果の点では、昇降一対のエスカレータを擬似回転体のように捉え、回転木馬、メリーゴーランド、回転寿司、競馬、ジェットコースター等を表す図柄を昇降するライザ部23に表示して、あたかも回転木馬等が回転しているように表現することも好ましい。
【0041】
更に、デパート等のエスカレータにおいては、昇りのエスカレータに上の階の売り場案内を表示したり、降りのエスカレータに下の階の売り場案内を表示したりすれば、買い物客は、売り場案内板で立ち止まることなく、上下の階の売り場の情報を得ることができる。
【0042】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、基材シート2の基材2aの一面の全面に形成された第2粘着層2bにシート片3を粘着させると共に、シート片3の第1粘着層3bに粘着された離型紙を、シート片3を介在させて残余の第2粘着層2bに粘着させて、三層からなる転写シート1を形成した。このため、従来技術と異なり、施工現場における基材シート2にシート片3を貼着するための熟練技術と作業工数とを省くことが可能なシート片3が粘着された転写シート1を提供することができる。
【0043】
(2)上記実施形態では、基材2aの剛性が、離型紙4の剛性と比較して同等又は弱くなるように、基材2aの材質と厚さを選択した。このため、表示シート5に対する切れ込みのために離型紙4の厚さを比較的厚いものとしても、転写シート1の撓みやすさが得られ、転写シート1を巻回すること等ができるので、工場から施工現場への搬送等における取り扱いを容易とすることができる。
【0044】
(3)上記実施形態では、離型紙4にその長手方向に沿った分離線4aを形成した。このため、離型紙4の一部を分離線4aから分離して取り除き、シート片3の第1粘着層3bの一部を露出させることにより、その露出部分を用いて、シート片3の底面部23cに対する貼着の仮止めができるので、シート片3の貼着作業を容易とすることができる。
【0045】
(4)上記実施形態では、シート片3の端部3cに配置番号7をプリントした。このため、この配置番号7により、配置番号7が付されたシート片3が貼着されたライザ部23の位置を、基準となるライザ部23に対する位置として認識することができる。従って、貼着作業のやり直しや修繕のための貼り直しのために、当該ライザ部23に対応する転写シート1の工場への発注を間違いなく行うことができる。
【0046】
(5)上記実施形態では、シート片3の端部3cに、配置番号7に替えてドット8をプリントするようにした。このため、このドット8が付されたシート片35が、左端のシート片31から5番目に位置することを知ることにより、ライザ部23の位置が基準のライザ部23から5番目であることを知ることができる。従って、エスカレータに乗る人が殆ど視認することができない大きさのドット8により、美観を損なうことなくライザ部23の配置を知ることができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図6、7を用いて説明する。
【0048】
本実施形態のシート片3は、上側の端部3dを剥がしやすいように、小孔9又は切欠き10が形成されている。図6に示すように、シート片3の上側の端部3dには、小孔9が形成され、この小孔9に図示しない先端が尖った工具を引掛けて、底面部23cに貼着されているシート片3の端部3dを剥がし、シート片3を底面部23cから容易に取り除くことができる。また、図7に示すように、シート片3の上側の端部3dには、小孔9に替えて、切欠き10が形成され、この切欠き10に先端が尖った工具を引掛けて、底面部23cからシート片3の端部3dを剥がすことが容易となっている。
【0049】
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)上記実施形態では、シート片3の上側の端部3dを剥がしやすいように、端部3dに小孔9又は切欠き10を形成した。このため、小孔9又は切欠き10に先端が尖った工具を引掛けることを容易に行うことができ、端部3dを剥がして、底面部23cからシート片3を取り除くことを容易に行うことができる。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を、第1、2実施形態と異なる部分を中心に図8を用いて説明する。
【0051】
本実施形態のシート片3が粘着された転写シート1の基材シート2には、その上側の左右(左側のみを図示)に角孔状の位置決め孔11が形成されている。この位置決め孔11を用いることにより、図9(a)を示して説明したように、ライザ部23の凸条部23bに基材シート2の開口部2cを対応させ、且つ、上下方向の所定の位置に転写シート1を配置することを容易に行うことができる。
【0052】
具体的には、図8に示すように、踏面部22の二ヶ所(左方のみを図示)の溝22aに挟入状態で設置した角棒状の位置決め棒12に、基材シート2の位置決め孔11を外嵌させれば、転写シート1は左右及び上下の所定の位置に懸架される。そして、離型紙4の一部を分離線4aを境に剥がして、シート片3の仮止め作業を行うことができる。
【0053】
なお、図示しないが、転写シート1を踏面部22に位置合わせするために、ライザ部23の溝23aに設置した位置決め棒12に基材シート2の位置決め孔11を外嵌させることもできる。この場合、位置決め孔11は基材シート2の下側に形成される。
【0054】
(7)上記実施形態では、転写シート1の基材シート2の上側の左右に角孔状の位置決め孔11を形成した。このため、ライザ部23の凸条部23bに基材シート2の開口部2cを対応させ、且つ、上下方向の所定の位置に転写シート1を配置することを容易に行うことができる。
【0055】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ シート片3を長尺の長方形としたが、角部を円弧とすること。
・ ライザ部23にシート片3を貼着するようにしたが、踏面部22にシート片3を貼着すること。
・ 離型紙4を、紙材からなる基材4cの一面を離型処理面4bとしたものとしたが、基材4cを、粘着剤に対して離型性を有する合成樹脂製シートとすること。
・ 位置決め孔11を角孔とし位置決め棒12を角棒状としたが、位置決め孔11の形状を円又は長円等の丸孔とし、位置決め棒12の形状を、この丸孔に対応した形状とすること。また、位置決め孔11を二ヶ所に形成したが、一ヶ所又は三ヶ所以上に形成すること。
【0056】
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(イ)前記基材シートの剛性が、前記離型紙の剛性と比較して同等又は弱いことを特徴とする請求項1に記載のシート片が粘着された転写シート。このように構成した場合、シート片が粘着された転写シート1を巻回することが容易となり、工場から施工現場へ搬送する場合等の取り扱いが容易となる。
(ロ)前記基材シートの粘着層の粘着力が、前記シート片を前記溝の底面部に貼着するために形成された粘着層の粘着力よりも弱いことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シート。このよに構成した場合、溝の底面部に貼着したシート片から基材シートを剥がすことを容易に行うことができる。
(ハ)請求項5に記載のシート片の貼着方法の発明において、前記基材シートの開口部を前記溝を区画する凸条部に位置合わせする際、前記基材シートに形成された位置決め孔を、前記踏面部或いはライザ部に設置した位置決め棒に外嵌させ、前記シート片が粘着された転写シートを前記ライザ部或いは踏面部に位置決めすることを特徴とするシート片の貼着方法。このように構成した場合、シート片が粘着された転写シートを、ライザ部或いは踏面部の左右及び上下の所定位置に位置合わせをすることを容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0057】
1…転写シート、2…基材シート、2c…開口部、3,31,32,33,34,35…シート片、3c,3d…端部、4…離型紙、4a…分離線、6…文字、9…小孔、10…切欠き、11…位置決め孔、15,16,20…エスカレータ、22…踏面部、22a,23a…溝、23…ライザ部、23b…凸条部、23c…底面部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスカレータのステップに櫛目状に形成された溝の底面部に貼着されて文字や図柄よりなる情報を表示するための複数のシート片が基材シートに粘着されると共に、その基材シートのシート片の間に開口部が形勢されたシート片が粘着された転写シートにおいて、前記基材シートの一面の全面には粘着層が形成され、前記開口部間の粘着層に前記シート片が粘着されると共に、離型紙がシート片を介在して残余の粘着層に粘着されたことを特徴とするシート片が粘着された転写シート。
【請求項2】
前記離型紙に、前記複数のシート片を横切る方向に分離線が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート片が粘着された転写シート。
【請求項3】
前記シート片の端部に小孔又は切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート片が粘着された転写シート。
【請求項4】
前記基材シートには、前記ステップの踏面部及びライザ部において、その踏面部の溝を基準にライザ部に対する位置を決めるための位置決め孔又は前記ライザ部の溝を基準に踏面部に対する位置を決めるための位置決め孔が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シート。
【請求項5】
請求項2ないし4のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シートを用いて、エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の溝の底面部に前記シート片を貼着するシート片の貼着方法であって、前記基材シートの開口部を前記溝を区画する凸条部に位置合わせすると共に、前記離型紙の長手方向に沿った一方の端部側又は中央部の離型紙を、前記分離線を境に前記基材シート及びシート片から剥がして、その離型紙が剥がされた部分の前記シート片を基材シートと共に前記溝の底面部に仮止めした後、残りの離型紙の全てを前記基材シート及びシート片から剥がして、前記シート片の全てを基材シートと共に前記溝の底面部に貼着し、その後、前記基材シートを取り除くことを特徴とするシート片の貼着方法。
【請求項1】
エスカレータのステップに櫛目状に形成された溝の底面部に貼着されて文字や図柄よりなる情報を表示するための複数のシート片が基材シートに粘着されると共に、その基材シートのシート片の間に開口部が形勢されたシート片が粘着された転写シートにおいて、前記基材シートの一面の全面には粘着層が形成され、前記開口部間の粘着層に前記シート片が粘着されると共に、離型紙がシート片を介在して残余の粘着層に粘着されたことを特徴とするシート片が粘着された転写シート。
【請求項2】
前記離型紙に、前記複数のシート片を横切る方向に分離線が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート片が粘着された転写シート。
【請求項3】
前記シート片の端部に小孔又は切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート片が粘着された転写シート。
【請求項4】
前記基材シートには、前記ステップの踏面部及びライザ部において、その踏面部の溝を基準にライザ部に対する位置を決めるための位置決め孔又は前記ライザ部の溝を基準に踏面部に対する位置を決めるための位置決め孔が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シート。
【請求項5】
請求項2ないし4のうちいずれか一項に記載のシート片が粘着された転写シートを用いて、エスカレータのステップの踏面部或いはライザ部の溝の底面部に前記シート片を貼着するシート片の貼着方法であって、前記基材シートの開口部を前記溝を区画する凸条部に位置合わせすると共に、前記離型紙の長手方向に沿った一方の端部側又は中央部の離型紙を、前記分離線を境に前記基材シート及びシート片から剥がして、その離型紙が剥がされた部分の前記シート片を基材シートと共に前記溝の底面部に仮止めした後、残りの離型紙の全てを前記基材シート及びシート片から剥がして、前記シート片の全てを基材シートと共に前記溝の底面部に貼着し、その後、前記基材シートを取り除くことを特徴とするシート片の貼着方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−144002(P2011−144002A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5945(P2010−5945)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(508143063)大和工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(508143063)大和工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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