説明

シート状ワークの給紙方法及びシート状ワークの給紙装置。

【課題】積層された最下層のシート状ワークを傷めることなく、予め設定された基準位置に正確に位置合わせするシート状ワークの給紙方法及び給紙装置を提供する。
【解決手段】積層された最下層のシート状ワークn1を送り出す複数の給紙ローラKと、複数の給紙ローラKに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークn1との接離を調整するグレートQと、最下層のシート状ワークn1を送り出すためのゲートを形成するフロントゲージFk1と、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートG1とを備え、ゲートプレートG1は、ゲートの下側又は上側に配置され、ゲートプレートG1には、最下層のシート状ワークn1の当接を検知するセンサJが配され、上記給紙ローラKを回転させて最下層のシート状ワークn1の進行側先端をゲートプレートG1に当接させてから、ゲートを開く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール等のシート状ワークの給紙方法及びシート状ワークの給紙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール等のシート状ワーク印刷装置は、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークをフィードローラに送り出す給紙装置と、シート状ワークを印刷ユニット側に送り出すフィードローラと、シート状ワークに印刷を施す印刷ユニットとを備えており、シート状ワークの所定位置に正確に印刷を施すとともに、高速で印刷処理を行う。このため、シート状ワークの給紙装置には、シート状ワークを予め設定された基準位置から素早く印刷ユニット側に送り出すことが要求される。シート状ワークは、用途に応じて種々のサイズ、種々の異なる材質がある。
【0003】
従来、シート状ワーク(段ボールシート)の給紙装置は、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートを形成するフロントゲージとを備える。
【0004】
ここで、ゲートとは、フロントゲージの下端に形成される隙間であり、このゲート(隙間)がシート状ワークの厚みよりも大きければ、シート状ワークは、給紙ローラ側から印刷ユニット側に送り出されることとなり、このゲート(隙間)がシート状ワークの厚みよりも小さければ、シート状ワークは、給紙ローラ側から印刷ユニット側に送り出されることはない。
【0005】
特許文献1には、送りローラの外周には、最下層の板紙に当接可能な当接部及び最下層の板紙に当接不能な切欠部が設けられ、バキューム部により積層された板紙を吸引しつつ、送りローラを回転させることにより積層された板紙の最下層の板紙から順次前記ゲート間隙を通して側方へ搬出する給紙装置が開示されている(その請求項1)。特許文献2には、給紙ホッパ部のフロントガイド(フロントゲージ)に、積載された段ボールシートの送り出し側となる前方端を一旦保持して排出手段に受け渡す断面円弧状部分を有する重量支持部材が配設されている給紙装置が開示されている(その請求項1)。また、特許文献3には、段ボールシートの後端部側に、給紙開始直後の所定期間のみ段ボールシートを下流側へ向かって押圧して給紙を補助する補助給紙装置を設けた段ボールシートの給紙装置が開示されている(その請求項1)。つまり、従来のシート状ワークの給紙装置は、最下層のシート状ワークを間欠的に印刷ユニット側に送り出すために、給紙ローラの外周上に切り欠き部を設けたり(特許文献1)、最下層のシート状ワークに加わる積層重量を軽減するために、重量支持部材(フロントストッパ)が配されたり(特許文献2)、最下層のシート状ワークを押し出すために、給紙開始直後の所定期間のみシート状ワークを下流側へ向かって押圧して給紙を補助する補助給紙装置(バックストッパ)が配設されている(特許文献3)。また、複数のシート状ワーク(段ボールシート)を立設して整列させ一枚ずつ段ボール箱組立装置へ落下供給する供給装置が開示されている(特許文献4)。
【特許文献1】特開平9−156785号公報
【特許文献2】特開2000−191153号公報
【特許文献3】特開2002−362761号公報
【特許文献4】特許第3810021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のシート状ワークの給紙装置では、最下層のシート状ワークをゲートから印刷ユニット側に送り出せない不具合や複数枚のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出してしまうことによる紙詰りを防止することはできるが、最下層のシート状ワークが予め設定された基準位置に正確にセットされていない場合には、最下層のシート状ワークの基準位置と最下層のシート状ワークの進行方向の先端(スタート位置)とのずれの分だけ印刷の位置ずれが生じるという問題点を有する(特許文献1から3)。なお、シート状ワーク(段ボールシート)を落下供給させる供給装置の場合は、シート状ワークが落下する際に、供給装置や他のシート状ワークと不規則に接触することからシート状ワークの供給速度が一定せず、シート状ワークの姿勢も安定しないため、位置精度が必要とされる印刷ユニットへの供給は現実的ではない(特許文献4)。
【0007】
一般にシート状ワークの給紙装置では、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートを形成するフロントゲージの上流側下端を予め設定された基準位置としている。ここで、上流側とはシート状ワークの進行方向の反対側を指し、また下流側とはシート状ワークの進行方向の側を指す。一般に段ボールシート等のシート状ワークの給紙装置では、積層されたシート状ワークは、フロントゲージの上流側の面に押し当ててセットされる。給紙が進むと各シート状ワークはフロントゲージの上流側面に沿って降下するが、途中からフロントゲージの段ボールシート接触面が進行方向に向かって傾斜しているため、各シート状ワークはその傾斜に沿って降下するものの、シート状ワーク同士の摩擦やその上に積層されたシート状ワークの重量負荷などにより、シート状ワークの進行方向先端側とフロントゲージの上流側面には隙間が開いてくる。この隙間は、最下層のシート状ワークをゲートから印刷ユニット側に送り出す際に最下層のシート状ワークとその上に積層されたシート状ワークとに生じる摩擦力によって上記隙間が小さくなる傾向があるが一定ではない。また仮に、最初に、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークの先端を予め基準位置に正確に合わせておいたとしても、次に送り出されるシート状ワークが上記フロントストッパやバックストッパから離れる際の反動で動くため、次に最下層となるシート状ワークの位置が一定しない。最下層のシート状ワークの先端が基準位置から位置ずれすると、最下層のシート状ワークの基準位置であるフロントゲージの上流側下端と最下層のシート状ワークの進行方向の先端(スタート位置)とのずれの分だけ印刷の位置ずれが生じるという問題点を有する(特許文献1から3)。
【0008】
ここで、従来の給紙装置でも、シート状ワークを毎回の送出時にその進行側端面を一定位置に揃えようとする試みは行われている。例えば、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートが備わっている給紙装置では、当該グレートの昇降動作を利用して、シート状ワークを上下動することによって、回転する給紙ローラにシート状ワークを接触させて、シート状ワークを毎回の送出時にその進行側端面を一定位置に揃えようとする動作は試験的には可能である。しかしながら、グレートと給紙ローラの動作のタイミングをとることが機構的に難しく、試験運転などの低速運転では多少の効果はあるものの、実際の高速運転では実効を得ていないのが実情である。また、給紙ローラの回転駆動によって、シート状ワークの先端がフロントゲージに衝突してシート状ワークの進行側先端を傷めてしまう不具合が起こり易い。また、従来のメカ式(機械制御方式)の給紙装置では、給紙ローラの回転駆動力の制御が困難であり、電気式(電気制御方式)の給紙装置でも給紙ローラの回転角度の制御はできていなかった。
【0009】
そこで本発明の目的は、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを傷めることなく、予め設定された基準位置に正確に位置合わせするシート状ワークの給紙方法及びシート状ワークの給紙装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1記載のシート状ワークの給紙方法は、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするフロントゲージとを備え、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をフロントゲージに当接させてから、ゲートを開くことを特徴とする。また、本発明の請求項5記載のシート状ワークの給紙装置は、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするフロントゲージとを備え、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をフロントゲージに当接させてから、ゲートを開くことを特徴とする。
【0011】
これらの発明によれば、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端面をフロントゲージに当接させてから、フロントゲージを昇降動させてゲートを開くことにより、最下層のシート状ワークの進行側先端を傷めることなく、予め設定された基準位置であるフロントゲージの位置に正確に位置合わせすることができる。
【0012】
本発明の請求項2記載のシート状ワークの給紙方法は、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートを形成するフロントゲージと、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートとを備え、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させてから、ゲートを開くことを特徴とする。また、本発明の請求項6記載のシート状ワークの給紙装置は、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出すためのゲートを形成するフロントゲージと、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートとを備え、上記ゲートプレートは、上記ゲートの下側又は上側に配置され、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させてから、ゲートを開くことを特徴とする。
【0013】
これらの発明によれば、積層された多数のシート状ワークに接触し易いフロントゲージは昇降動させずに、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートを備え、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させてから、ゲートを開くことにより、積層された多数のシート状ワークには負荷をかけることなく、最下層のシート状ワークの先端を傷めることなく、予め設定された基準位置であるゲートプレートの位置に正確に位置合わせすることができる。また、上記ゲートプレートが、上記ゲートの下側又は上側に配置されることで、ゲートプレートの昇降動の範囲を最小限とすることができる。
【0014】
本発明の請求項3記載のシート状ワークの給紙方法は、積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートを形成するフロントゲージと、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートとを備え、上記給紙ローラが上記グレートより僅かに突出する中間位置までグレートを下降させてから、給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートを閉じた状態のゲートプレートに当接させ、その後、給紙ローラを一旦停止させてグレートを給紙ローラが設定高さまで突出するグレートの最下降位置までグレートをさらに下降させるとともに、ゲートを開いて最下層のシート状ワークの進行側先端とゲートプレートとの当接を解除し、次いで給紙ローラを回転させてシート状ワークを送り出すことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、上記給紙ローラが上記グレートより僅かに突出する中間位置までグレートを下降させてから、上記給紙ローラを回転させることで、上記給紙ローラにて最下層のシート状ワークをゲートプレートに当接させるのに必要な駆動力だけが得られ、最下層のシート状ワークがゲートプレートに当接した状態では、上記給紙ローラは一旦停止することから、最下層のシート状ワークには過大な力が加わることはなく、最下層のシート状ワークの進行側先端や上記給紙ローラとの接触面を痛めること無く位置合わせすることができる。また、上記グレートから上記給紙ローラが設定高さまで突出するグレートの最下降位置では、ゲートプレートはゲートを開いて最下層のシート状ワークの進行側先端とゲートプレートとの当接を解除し、次いで給紙ローラを回転させてシート状ワークを送り出すので、送り出される最下層のシート状ワークには無理な力が掛からず、最下層のシート状ワークの進行側先端や全体の変形を発生させることなく、ゲートを通過させることができる。
【0016】
本発明のシート状ワークの給紙方法は、前記複数の給紙ローラは、駆動軸毎に独立した駆動手段が備わり、前記給紙ローラを微小角度回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させることが好ましい。また、本発明のシート状ワークの給紙装置は、前記複数の給紙ローラは、駆動軸毎に独立した駆動モータが備わり、前記給紙ローラを微小角度回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させることが好ましい。ここで、給紙ローラを微小角度回転させるとは、給紙ローラの駆動手段である駆動モータの回転角度を位相制御することにより、給紙ローラを微小角度回転させることを指し、本文では、給紙ローラを10度未満の回転角度で回転させることを微小角度回転と定義する。しかしそれぞれの給紙ローラの微小角度回転量を必ずしも等しくする必要はない。最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させた後は、給紙ローラと最下層のシート状ワークは微小量スリップし、最下層のシート状ワークの進行側先端を傷めないようにすることが必要なため、必要以上のシート駆動力を与えないように、駆動軸が4軸の給紙ローラでは、2軸の給紙ローラの回転量を他の2軸の給紙ローラの回転量より少なくするようにしてもよい。つまり静摩擦に打ち勝つための初期駆動のみ4軸駆動とし、いったん駆動開始した後は2軸のみの駆動に切り替えるようにしてもよい。
【0017】
上記複数の給紙ローラの駆動軸毎に独立した駆動手段である駆動モータが設けられていることで、上記複数の給紙ローラをそれぞれ独立して回転角度制御することができ、最下層のシート状ワークの進行側先端の位置ずれに見合う周長だけ上記給紙ローラを微小角度回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させることができるので、上記給紙ローラの回転には無駄がない。また、最下層のシート状ワークを送出し終わった給紙ローラから順に回転を停止させることにより、確実に最下層のシート状ワークのみを送出するため、複数枚のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出してしまうことによる紙詰りの心配がない。
【0018】
本発明のシート状ワークの給紙装置は、前記フロントゲージ又はゲートプレートには、シート状ワークの当接を検知するセンサが配されることが好ましい。前記フロントゲージ又はゲートプレートに配されたセンサが最下層のシート状ワークの当接を検知し、当接検知信号を制御回路に送出することで、最下層のシート状ワークの進行側先端が前記フロントゲージ又はゲートプレートに当接すると同時に、制御回路が前記給紙ローラに停止信号を送出して前記給紙ローラを強制停止させる。上記センサとしては、マイクロスイッチ、圧力センサなどの接触式センサが好ましいが、非接触式センサを使用することも可能である。
【0019】
本発明のシート状ワークの給紙方法は、上記給紙ローラが最下層のシート状ワークの送出を完了してから次のシート状ワークの送出を開始するまでの待機時間に、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークをフロントゲージまたはゲートプレートに当接させることが好ましい。上記待機時間を有効利用することで、シート状ワークの給紙装置のタクトタイムを改善できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のシート状ワークの給紙方法によれば、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端面をフロントゲージに当接させてから、フロントゲージを昇降動させてゲートを開くことにより、最下層のシート状ワークの先端を傷めることなく、予め設定された基準位置であるフロントゲージの位置に正確に位置合わせすることができる。また、フロントゲージは昇降動させずに、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートを備え、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させてから、ゲートを開くことにより、積層された多数のシート状ワークには負荷をかけることなく、最下層のシート状ワークの先端を予め設定された基準位置であるフロントゲージの位置に正確に位置合わせすることができる。また、上記ゲートプレートが、上記ゲートの下側又は上側に配置されることで、ゲートプレートの昇降動の範囲を最小限とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を引用しながら説明する。
【0022】
(従来例)
図10は、従来例の段ボールシートの給紙装置X1とその動作を模式的に示す側面図である。従来例の段ボールシートの給紙装置X1は、積層された段ボールシートn(n1,n2,n3,・・・)のうちの最下層の段ボールシートn1をその摩擦回転力により印刷ユニット側に配置されたフィードローラR1の方向に送り出す複数の給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)と、複数の給紙ローラKに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラKと最下層のシート状ワークn1との接離を調整するグレートQと、グレートQとフィードローラR1の間に配されて給紙ローラKの上端とその上端が同じ高さに設定され最下層の段ボールシートn1を載せて給紙ローラK側からフィードローラR1側へと橋渡しする橋渡し板Eと、この橋渡し板Eとで最下層の段ボールシートn1のみを印刷ユニット側に送り出すための段ボールシート一枚分の厚みdよりも大きく、段ボールシート二枚分の厚み2dよりも小さいゲート(隙間)iを形成するフロントゲージFk1を備える。従来のフロントゲージFk1は、設定条件調整の際等に駆動手段等により昇降動させることが可能な場合があるが、通常は設定位置に固定されている。ゲート(隙間)iは、フロントゲージFk1の下端と橋渡し板Eの上端との高さの差iである(図10(a))。段ボールシートnの進行方向aの方向にあるフロントゲージFk1側の反対側には、バックストッパBが配され、最下層の段ボールシートn1の上の段ボールシートn2,n3,・・・の後端を受けており、最下層の段ボールシートn1とその上の段ボールシートn2,n3,・・・の後端とを離すことで、最下層の段ボールシートn1にかかる上からの重量負荷を軽減する。グレートQの下側には、サクションボックスSが配され、エアー吸引により、最下層の段ボールシートn1をバックストッパBからグレートQ側に引き寄せる。フィードローラR1は搬送ベルトUを駆動するベルトローラR2と同期回転し、段ボールシートn1を搬送ベルトUにより搬送して、進行方向aの方向にある印刷ユニット(図示せず)に送り出す。
【0023】
次に、従来例の段ボールシートの給紙装置X1の給紙方法について、以下に説明する。図11は、従来例の段ボールシートの給紙装置X1の動作を模式的に示すタイミングチャートである。図11(a)は、縦軸を複数の給紙ローラKの回転速度Vとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。図11(b)は、縦軸をグレートQの昇降位置Lとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。図11(c)は、縦軸をゲート(隙間)iとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。ここで、積層された段ボールシートn(n1,n2,n3,・・・)のうちの最下層の段ボールシートn1は、最初は、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端(積層された段ボールシートの側の下端)のP−P線上に配置されている場合で説明する(図10(a))。ここで、上流側とは段ボールシートnの進行方向aの反対側を指し、また下流側とは段ボールシートnの進行方向aの側を指す。
【0024】
複数の給紙ローラKが最下層の段ボールシートn1に接した状態で回転することで、その回転摩擦力により、最下層の段ボールシートn1は、進行方向aの方向に送り出され、加速されて所定の搬送速度となり、フィードローラR1および搬送ベルトUにより給紙ユニット側に搬送される(図10(b))。複数の給紙ローラKの回転速度Vの加速に合わせてグレートQは下降し、複数の給紙ローラKが回転速度Vkとなった状態ではグレートQは最下降位置−Laとなる。ゲート(隙間)iは、常に、段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できる隙間であり、かつ、段ボールシート二枚分(厚み2d)が通過できない隙間となっている(図11(c))。最下層の段ボールシートn1をフロントゲージFk1から進行方向aの側に送り出した後、グレートQが複数の給紙ローラKの上端よりも高い位置である最上昇位置Laにせり上がり、グレートQの上端とフロントゲージFk1の下端との隙間は段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できない隙間となるため、次に送出される段ボールシートn2の進行方向aの側の先端がフロントゲージFk1の段ボールシートn側の面に接する(図10(c))。そして、給紙ローラKがその回転を減速して、グレートQが下降し、サクションボックスSのエアー吸引により、次に送出される段ボールシートn2は、バックストッパBからグレートQ側に引き寄せられ、バックストッパBから外れた反動で、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上から、ギャップwだけ離れてしまう(位置ずれしてしまう)(図10(d))。ギャップwは、例えば段ボールシートnがバックストッパBから外れた反動が一定しない等の理由から、不確かな値である。
【0025】
従来の段ボールシートの給紙装置X1とその給紙方法では、段ボールシートn(n1,n2,n3,・・・)は積層され、フロントゲージFk1の上流側面に押し当ててセットされる。給紙が進むと各段ボールシートn1,n2,n3,・・・はフロントゲージFk1の上流側面に沿って降下するが、途中からフロントゲージFk1の段ボールシート接触面が進行方向aに向かって傾斜しているため、各段ボールシートn1,n2,n3,・・・はその傾斜に沿って降下するものの、段ボールシート同士の摩擦やその上に積層された段ボールシートの重量負荷などにより、段ボールシートの進行方向先端側とフロントゲージFk1の上流側面には隙間が開いてくる。例えば最下層の段ボールシートn1がフィードローラR1側に送出されると、次の段ボールシートn2は互いの段ボールシート間(n1とn2)の摩擦力のためにわずか送出方向に搬送力を得て移動し、次の段ボールシートn2の進行方向先端側とフロントゲージFk1の上流側面との隙間が小さくなる傾向がある。しかし次の段ボールシートn2はその上側の段ボールシートn3との間により大きな摩擦力が生じているので(接触面積が大きい)、フロントゲージFk1に当接するまでの搬送力は得られない。また積層された段ボールシートの残数によって荷重が減少するため、その搬送力は一定ではない。給紙速度が大きくなると、上記の搬送力はいっそう低下してくる。したがって、予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端と段ボールシートnの進行方向先端側との隙間wは一定せず、位置ずれと位置ばらつきが生じてしまう。
【0026】
そして、次に送出される段ボールシートn2の進行方向aの側の先端を予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に揃えようとしても、給紙ローラKがその回転を減速する状態では、グレートQは給紙ローラKがグレートQより僅かに突出する中間位置Lcまで下降しておらず(図11(b))、給紙ローラKが回転開始する状態では、グレートQがさらに下降して、グレートQの上端とフロントゲージFk1の下端との隙間は段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できる大きさになりつつあるため、段ボールシートn2の進行方向aの側の先端を予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に揃えることはできない。最初の最下層の段ボールシートn1についても、実際には上述のようにシート給紙装置X1による正確な位置合わせは困難である。
【0027】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態の段ボールシートの給紙装置を模式的に示す側面図であり、図1(b)は、図1(a)の一点鎖線円内の部分拡大図である。本発明の段ボールシートの給紙装置Z1は、最下層のシート状ワーク(例えばn1)のみを印刷ユニット側に送り出すためのゲート(隙間)iをその昇降動により開いたり閉じたりするフロントゲージFg1を備える。ゲート(隙間)iは、フロントゲージFg1の下端と橋渡し板Eの上端との高さの差iであり、フロントゲージFg1の下端と給紙ローラKの上端との高さの差hと一致する(図1(b))。フロントゲージFg1は、駆動手段である駆動モータMf1により昇降動するものであり、最下層のシート状ワーク1枚毎に、シート状ワークの進行側先端をフロントゲージに当接させて昇降動する。なお、従来の段ボールシートの給紙装置では、フロントゲージが設定条件調整の際に駆動手段等により昇降動する機構の給紙装置はあったが、本発明のように、駆動手段(駆動モータ)により、最下層のシート状ワーク1枚毎に、シート状ワークの進行側先端をフロントゲージに当接させて昇降動する機構の給紙装置ではなかった。また、複数の給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)の駆動手段である駆動モータMka,Mkb,Mkc,MkdとグレートQの駆動手段(駆動モータ)Mqは、それぞれ独立して駆動する。本発明の段ボールシートの給紙装置Z1の上記以外の機構は、従来例の段ボールシートの給紙装置X1と同様である。
【0028】
本発明の第1の実施形態の給紙方法について、以下に説明する。図2は、本発明の第1の実施形態の段ボールシートの給紙装置とその動作を模式的に示す側面図である。図3は、本発明の第1の実施形態の段ボールシートの給紙装置の動作を模式的に示すタイミングチャートである。図3(a)は、縦軸を複数の給紙ローラKの回転速度Vとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。図3(b)は、縦軸をグレートQの昇降位置Lとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。図3(c)は、縦軸をゲート(隙間)iとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。積層された段ボールシートn(n1,n2,n3,・・・)のうちの最下層の段ボールシートn1は、後述する位置合わせ方法と同様に、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFg1の上流側下端(積層された段ボールシートの側の下端)のP−P線上に正確に位置決めされている(図2(a))。
【0029】
複数の給紙ローラKが最下層の段ボールシートn1に接した状態で回転することで、その回転摩擦力により、最下層の段ボールシートn1は、進行方向aの方向に送り出され、加速されて所定の搬送速度となり、フィードローラR1および搬送ベルトUにより給紙ユニット側に搬送される(図2(b))。グレートQは最下降位置−Laとなっており(図3(b))、ゲート(隙間)iは段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できる隙間であり、かつ、段ボールシート二枚分(厚み2d)が通過できない隙間となっている(図3(c))。最下層の段ボールシートn1をフロントゲージFg1から進行方向aの側のフィードローラR1側に送り出した後、複数の給紙ローラKはその回転を減速する。複数の給紙ローラKa,Kb,Kc,Kdは、それぞれ駆動軸毎に独立した駆動モータMka,Mkb,Mkc,Mkdが備わり、最下層の段ボールシートn1を送出し終わった給紙ローラKdからKd,Kc,Kb,Kaの順に回転を停止させることにより、確実に最下層の段ボールシートn1のみを送出するため、複数枚の段ボールシートを印刷ユニット側に送り出してしまう心配がない。また、給紙ローラKの回転減速カーブの傾斜を任意に調整できるため、必要に応じて回転減速カーブの傾斜を緩くすることができる。複数の給紙ローラKはその回転を減速し、グレートQが複数の給紙ローラKの上端よりも高い位置である最上昇位置Laにせり上がり、グレートQの上端とフロントゲージFg1の下端との隙間は段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できない隙間となるため、次に送出される段ボールシートn2の進行方向aの側の先端がフロントゲージFg1の上流側面に接する(図2(c))。
【0030】
次に、フロントゲージFg1が所定量だけ下方向cdに下降する。ここで、所定量とは、例えばグレートQの上昇量(下降量)に応じた量である。そして、グレートQが下降し、サクションボックスSのエアー吸引により、次に送出される段ボールシートn2は、バックストッパBからグレートQ側に引き寄せられ、バックストッパBから外れた反動で、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFg1の上流側下端のP−P線上から、ギャップwだけ離れてしまう(位置ずれしてしまう)(図2(d))。このときのゲート(隙間)iは、段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できない大きさである(図3(c))。
【0031】
そして、給紙ローラKがグレートQより僅かに突出する中間位置LcまでグレートQを下降させてから、給紙ローラKが最下層の段ボールシートn2に接した状態で回転することで、その回転摩擦力により、最下層の段ボールシートn2は、進行方向aの方向に送り出され、ゲート(隙間)iは、段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できない大きさであることから(図3(c))、段ボールシートn2の進行側先端がフロントゲージFg1の上流側面に当接させられ、最下層の段ボールシートn2は、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFg1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされる(図2(e))。複数の給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)は、それぞれ駆動軸毎に独立した駆動モータMka,Mkb,Mkc,Mkdが備わり、複数の給紙ローラKをそれぞれ独立して回転角度制御することができ、最下層の段ボールシートn2の進行側先端の位置ずれに見合う給紙ローラKの周長だけ複数の給紙ローラKを微小角度回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をフロントゲージFg1の上流側面に当接させることができるので、複数の給紙ローラKの回転には無駄がない。段ボールシートnの大きさにもよるが、通常、複数の給紙ローラKの回転角度は、10度未満である。
【0032】
そして、フロントゲージFg1は、所定量だけ上方向cuに上昇し、最初の位置(図2(a)の位置)に戻る(図2(f))。フロントゲージFg1が最初の位置(図2(a)の位置)に戻るため、ゲート(隙間)iは、段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できる隙間であり、かつ、段ボールシート二枚分(厚み2d)が通過できない隙間となる(図3(c))。最初の最下層の段ボールシートn1についても、上述の図2(d)と(e)に示す位置合わせ方法と同様にフロントゲージFg1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされる。
【0033】
本発明の第1の実施形態によれば、上記給紙ローラKにて最下層のシート状ワーク(例えばn2)の進行側先端面をフロントゲージFg1の上流側面に当接させてから、フロントゲージFg1を昇降動させてゲートiを段ボールシート一枚分(厚みd)だけが通過できる隙間が開くことにより、最下層のシート状ワークnの先端が、予め設定された基準位置であるフロントゲージFg1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされることとなる。また、最下層のシート状ワーク(例えばn2)の進行側先端の位置ずれに見合う給紙ローラKの周長だけ複数の給紙ローラKを微小角度回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をフロントゲージFg1の上流側面に当接させることができるので、複数の給紙ローラKの回転には無駄がなく、最下層のシート状ワークの進行側先端がフロントゲージFg1の上流側面に当接させられた後、複数の給紙ローラKが必要以上にスリップ回転して最下層のシート状ワークを痛めるようなことがない。
【0034】
(第2の実施形態)
図4(a)は、本発明の第2の実施形態の段ボールシートの給紙装置Z2を模式的に示す側面図である。図4(b)は、図4(a)の一点鎖線円内の部分拡大図である。本発明の第2の実施形態の段ボールシートの給紙装置Z2は、フロントゲージFk1の真下に、フロントゲージFk1と向かい合う位置にゲートプレートG1が設けられている。また、複数の給紙ローラKから送出された最下層のシート状ワーク(例えばn1)を搬送ベルトUに受け渡すための橋渡し板Eが給紙ローラKと搬送ベルトUとの間で、グレートQの下側に設置されている。ゲートプレートG1は、駆動手段である駆動モータMg1により昇降動し、当該ゲート(隙間)iをその昇降動により開いたり閉じたりするものであり、橋渡し板Eに内蔵されている(図4(b))。ゲートプレートG1は、最下層のシート状ワーク1枚毎に、昇降動する。フロントゲージFk1の下端の厚みtとゲートプレートG1の上端の厚みtは、その寸法が一致する。ゲートプレートG1,複数の給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)の駆動手段である駆動モータMka,Mkb,Mkc,MkdとグレートQの駆動手段(駆動モータ)Mqは、それぞれ独立して駆動する。ゲート(隙間)iは、フロントゲージFk1の下端と橋渡し板Eの上端との高さの差、または、フロントゲージFk1の下端とゲートプレートG1の上端との高さの差のいずれか狭いほうの隙間iであり、ゲートプレートG1が橋渡し板Eに内蔵された状態でのゲートiは、フロントゲージFk1の下端と給紙ローラKの上端との高さの差hと一致する(図4(b))。そして、ゲートプレートG1の上流側面には、最下層のシート状ワークの当接を検知するセンサJが配されており、センサJからの検知信号により、上記駆動手段(駆動モータ)を制御する制御回路Cが橋渡し板Eに内蔵されている(図4(b))。
【0035】
図5は、本発明を適用した第2の実施形態の段ボールシートの給紙装置Z2の給紙動作を模式的に示す側面図である。本発明の第2の実施形態の給紙方法について、以下に説明する。図6は、本発明の段ボールシートの給紙装置Z2の動作を模式的に示すタイミングチャートである。図6(a)は、縦軸を複数の給紙ローラKの回転速度Vとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。図6(b)は、縦軸をグレートQの昇降位置Lとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。図6(c)は、縦軸をゲート(隙間)iとし、横軸を装置位相θとした場合のタイミングチャートを表す。積層された段ボールシートn(n1,n2,n3,・・・)のうちの最下層の段ボールシートn1は、後述する位置合わせ方法と同様に、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされており、ゲートプレートG1は橋渡し板Eに内蔵された状態となっている(図5(a))。
【0036】
複数の給紙ローラKが最下層の段ボールシートn1に接した状態で回転することで、その回転摩擦力により、最下層の段ボールシートn1は、進行方向aの方向に送り出され、加速されて所定の搬送速度となり、フィードローラR1および搬送ベルトUにより給紙ユニット側に搬送される(図5(b))。グレートQは最下降位置−Laとなっており、(図6(b))、ゲート(隙間)iは段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できる隙間であり、かつ、段ボールシート二枚分(厚み2d)が通過できない隙間となっている(図6(c))。そして、最下層の段ボールシートn1をフロントゲージFk1から進行方向aの側に送り出した後、グレートQが複数の給紙ローラKの上端よりも高い位置である最上昇位置Laにせり上がり、グレートQの上端とフロントゲージFk1の下端との隙間は段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できない隙間となるため、次に送出される段ボールシートn2の進行方向aの側の先端がフロントゲージFk1の上流側面に接する(図5(c))。
【0037】
次に、ゲートプレートG1が所定量だけ上方向cuに上昇する。ここで、所定量とは、例えばグレートQの上昇量(下降量)に応じた量である。フロントゲージFk1とゲートプレートG1とは当接しているか、隙間があったとしても段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できない大きさである。そして、グレートQが給紙ローラKがグレートQより僅かに突出する中間位置Lcまで下降し(図6(b))、サクションボックスSのエアー吸引により、次に送出される段ボールシートn2は、バックストッパBからグレートQ側に引き寄せられ、バックストッパBから外れた反動で、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上から、ギャップwだけ離れてしまう(位置ずれしてしまう)(図5(d))。
【0038】
そして、グレートQが最下降位置−Laまで下降し(図6(b))、給紙ローラKが最下層の段ボールシートn2に接した状態で回転することで、その回転摩擦力により、最下層の段ボールシートn2は、進行方向aの方向に送り出され、その進行側先端がゲートプレートG1の上流側面に当接させられる。このとき、ゲートiは閉じている(図6(c))。ゲートプレートG1の上流側面には、最下層の段ボールシートn2の当接を検知するセンサJが配されている(図4(b))。最下層の段ボールシートn(n2)の進行側先端がゲートプレートG1に当接すると同時に、ゲートプレートG1に配されたセンサJが最下層の段ボールシートn2の当接を検知して当接検知信号を制御回路Cに送出するため、制御回路Cが給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)の駆動手段である駆動モータMka,Mkb,Mkc,Mkdに停止信号を送出して給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)を強制停止させる。上記センサJとしては、マイクロスイッチ、圧力センサなどの接触式センサが好ましいが、非接触式センサを使用することも可能である。
【0039】
そして、最下層の段ボールシートn2は、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFkの上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされる(図5(e))。ゲートプレートG1は、所定量だけ下方向cdに下降し、橋渡し板Eに内蔵される最初の位置(図5(a)の位置)に戻るため、ゲート(隙間)iは、段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できる隙間であり、かつ、段ボールシート二枚分(厚み2d)が通過できない隙間となる(図6(c))。最初の最下層の段ボールシートn1についても、上述の図5(d)と(e)に示す位置合わせ方法と同様にフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされる。
【0040】
本発明の第2の実施形態によれば、積層された多数のシート状ワークに接触し易いフロントゲージFk1は昇降動させずに、ゲート(隙間)iをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートG1を備え、ゲートプレートG1の上流側面には、最下層の段ボールシートn2の当接を検知するセンサJが配されており、上記給紙ローラKにて最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行側先端をゲートプレートG1の上流側面に当接すると同時に、ゲートプレートG1に配されたセンサJが最下層の段ボールシートn2の当接を検知して当接検知信号を制御回路Cに送出するため、制御回路Cが給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)の駆動モータMka,Mkb,Mkc,Mkdに停止信号を送出して給紙ローラKを強制停止させる。そしてゲートプレートG1の昇降動によりゲートiを開くことで、積層された多数のシート状ワークには負荷をかけることなく、最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされることとなる。
【0041】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態の段ボールシートの給紙装置Z3とその給紙動作を模式的に示す側面図である。本発明の第3の実施形態の段ボールシートの給紙装置Z3は、ゲートプレートG2がフロントゲージFk1の下流側面(フィードローラR1の側の面)の下方に取り付けられている。ゲートプレートG2の位置はゲートiの上側である(図7(b))。ゲートプレートG2は、駆動手段である駆動モータMg2により昇降動し、ゲートiをその昇降動により開いたり閉じたりするものであり、最下層のシート状ワーク1枚毎に、昇降動する。ゲート(隙間)iは、フロントゲージFk1の下端と橋渡し板Eの上端との高さの差、または、ゲートプレートG2の下端と橋渡し板Eの上端との高さの差のいずれか狭いほうの隙間iであり、ゲートプレートG2の下端がフロントゲージFk1の下端よりも高い位置に上昇した状態でのゲートiは、フロントゲージFk1の下端と給紙ローラKの上端との高さの差hと一致する(図7(b))。
【0042】
本発明の第3の実施形態の給紙方法について、以下に説明する。積層された段ボールシートn(n1,n2,n3,・・・)のうちの最下層の段ボールシートn1は、後述する位置合わせ方法と同様に、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上からフロントゲージFk1の下端の厚みtだけ前方の位置に正確に位置決めされており、ゲートプレートG2は上昇した状態となっている(図8(a))。このフロントゲージFk1の下端の厚みtだけ前方の位置情報を電気的または機械的にオフセットすることにより、最下層の段ボールシートn1は、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされたことと等価になる。
【0043】
複数の給紙ローラKが最下層の段ボールシートn1に接した状態で回転することで、その回転摩擦力により、最下層の段ボールシートn1は、進行方向aの方向のフィードローラR1の側に送り出され、加速されて所定の搬送速度となり、フィードローラR1および搬送ベルトUにより給紙ユニット側に搬送される(図8(b))。最下層の段ボールシートn1をフロントゲージFk1から進行方向aのフィードローラR1の側に送り出した後、グレートQが複数の給紙ローラKの上端よりも高い位置にせり上がり、グレートQの上端とフロントゲージFk1の下端との隙間は段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できない隙間となるため、次に送出される段ボールシートn2の進行方向aの側の先端がフロントゲージFk1の上流側面に接する(図8(c))。
【0044】
次に、ゲートプレートG2が所定量だけ下方向cdに下降する。ここで、所定量とは、例えばグレートQの上昇量(下降量)に応じた量である。そして、グレートQが下降し、サクションボックスSのエアー吸引により、次に送出される段ボールシートn2は、バックストッパBからグレートQ側に引き寄せられ、バックストッパBから外れた反動で、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上から、ギャップwだけ離れてしまう(位置ずれしてしまう)(図8(d))。
【0045】
そして、給紙ローラKがこのときの最下層の段ボールシートn2に接した状態で回転することで、その回転摩擦力により、最下層の段ボールシートn2は、進行方向aの方向に送り出され、その進行側先端がゲートプレートG2の上流側面に当接させられ、最下層の段ボールシートn2は、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFkの上流側下端のP−P線上からフロントゲージFk1の下端の厚みtだけ前方の位置に正確に位置決めされる(図8(e))。このフロントゲージFk1の下端の厚みtだけ前方の位置情報を電気的または機械的にオフセットすることにより、最下層の段ボールシートn1は、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされたことと等価になる。そして、ゲートプレートG2は、所定量だけ上方向cuに上昇し、最初の位置(図8(a)の位置)に戻るため、ゲート(隙間)iは、段ボールシート一枚分(厚みd)が通過できる隙間であり、かつ、段ボールシート二枚分(厚み2d)が通過できない隙間となる。最初の最下層の段ボールシートn1についても、上述の図8(d)と(e)に示す位置合わせ方法と同様にフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上からフロントゲージFk1の下端の厚みtだけ前方の位置に正確に位置決めされる。
【0046】
本発明の第3の実施形態によれば、積層された多数のシート状ワークに接触し易いフロントゲージFk1は昇降動させずに、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートG2を備え、上記給紙ローラKにて最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行側先端をゲートプレートG2の上流側面に当接させてから、ゲートを開くことにより、積層された多数のシート状ワークには負荷をかけることなく、最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFkの上流側下端のP−P線上からフロントゲージFkの下端の厚みtだけ前方の位置に正確に位置決めされ、このフロントゲージFk1の下端の厚みtだけ前方の位置情報を電気的または機械的にオフセットすることにより、最下層の段ボールシートn1は、進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされたことと等価になる。
【0047】
(第4の実施形態)
図9(a)は、本発明の第4の実施形態の段ボールシートの給紙装置Z4を模式的に示す側面図である。図9(b)は、図9(a)の一点鎖線円内の部分拡大図である。本発明の第4の実施形態の段ボールシートの給紙装置Z4は、ゲートプレートG2がフロントゲージFk1の下方側に内蔵されている。ゲートプレートG2の上流側面は予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上にあり、ゲートプレートG2の下端の厚みt1はフロントゲージFk1の下端の厚みtと同じか小さい(図9(b))。ゲートプレートG2の位置は、ゲートiの上側である(図9(b))。ゲートプレートG2は、駆動手段である駆動モータMg2により昇降動し、ゲートiをその昇降動により開いたり閉じたりするものであり、最下層のシート状ワーク1枚毎に、昇降動する。ゲート(隙間)iは、フロントゲージFk1の下端と橋渡し板Eの上端との高さの差、または、ゲートプレートG2の下端と橋渡し板Eの上端との高さの差のいずれか狭いほうの隙間iであり、ゲートプレートG2がフロントゲージFk1に内蔵された状態でのゲートiは、フロントゲージFk1の下端と給紙ローラKの上端との高さの差hと一致する(図9(b))。
【0048】
本発明の第4の実施形態によれば、ゲートプレートG2の上流側面を予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に合わせて、ゲートプレートG2がフロントゲージFk1の下方側に内蔵されていることから、積層された多数のシート状ワークに接触し易いフロントゲージFk1は昇降動させずに、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートG2を備え、上記給紙ローラKにて最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行側先端をゲートプレートG2の上流側面に当接させてから、ゲートを開くことにより、積層された多数のシート状ワークには負荷をかけることなく、最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFkの上流側下端のP−P線上に正確に位置決めされることとなる。
【0049】
ここで、図9(b)では、板状のゲートプレートG2をフロントゲージFk1に内蔵させた構成となっているが、櫛の歯状のゲートプレートG2をフロントゲージFk1に内蔵させたり、フロントゲージFk1の下端部そのものをゲートプレートG2に置き換えた構成でもよい。いずれの場合でも、ゲートプレートG2の上流側面を予め設定された基準位置であるフロントゲージFk1の上流側下端のP−P線上に合わせることにより、最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行方向aの方向の先端が予め設定された基準位置であるフロントゲージFkの上流側下端のP−P線上にオフセットしなくとも正確に位置決めされる。
【0050】
これら本発明によれば、ゲートプレートG1(G2)が、ゲートiの下側(又は上側)に配置されることで、ゲートプレートG1(G2)の昇降動の範囲を最小限とすることができる。また、一般にフロントゲージFk1(Fg1)は、その上流側面が積層された多数のシート状ワークの進行方向aの方向の先端のガイドとなることから、進行方向aの方向にシート状ワークnの積層量に応じた重量負荷が加わることとなるので、その昇降動作には大掛かりな駆動機構が必要となる場合があるが、本発明の第2から第4の実施形態によれば、最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行側先端のみを当接させる小型(小面積で小重量)のゲートプレートG1(G2)を昇降動作させればよいため、小さな駆動機構で足りる。また、既存のシート状ワークの給紙装置X1に小規模の改造を加えることにより、本発明のシート状ワークの給紙装置Z2やZ3、Z4とすることも可能である。
【0051】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、ゲートプレートG1(G2)を上昇(下降)するタイミングは、上述のタイミングに限定されるものではなく、最下層のシート状ワーク(例えばn1)がフロントゲージFk1から送り出されてから、給紙ローラKが次のシート状ワーク(例えばn2)に接した状態で回転するまでのタイミングであればよい。また、本発明のシート状ワークの給紙方法は、上記給紙ローラKが最下層のシート状ワーク(例えばn1)の送出を完了してから次のシート状ワーク(例えばn2)の送出を開始するまでの待機時間に、上記給紙ローラKにて最下層のシート状ワーク(例えばn2)をフロントゲージFk1の上流面またはゲートプレートG1(G2)の上流面に当接させることが好ましい。上記待機時間を有効利用することで、シート状ワークの給紙装置のタクトタイムを改善できる。
【0052】
また、本発明のシート状ワークの給紙方法は、上記給紙ローラKが上記グレートQより僅かに突出する中間位置までグレートQを下降させてから、上記給紙ローラKを回転開始させて、上記給紙ローラKにて最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行側先端をゲートプレートG1(G2)の上流面に当接させ、上記給紙ローラKが設定高さまで突出する上記グレートQの最下降位置では、上記給紙ローラKを回転停止させることが好ましい。上記給紙ローラKが上記グレートQより僅かに突出する中間位置までグレートQを下降させてから、上記給紙ローラKを回転開始させることで、上記給紙ローラKにて最下層のシート状ワーク(例えばn1)をゲートプレートG1(G2)の上流面に当接させるのに必要な駆動力だけが得られ、最下層のシート状ワーク(例えばn1)がゲートプレートG1(G2)の上流面に当接した状態では、上記給紙ローラKは停止することから、最下層のシート状ワーク(例えばn1)には過大な力が加わらず、最下層のシート状ワーク(例えばn1)を痛めることがない。本発明のシート状ワークの給紙装置Z1(Z2,Z3)は、上記複数の給紙ローラKの駆動軸毎にそれぞれ駆動手段である駆動モータが設けられていることが好ましい。上記複数の給紙ローラKの駆動軸毎に駆動モータが設けられていることで、上記複数の給紙ローラKをそれぞれ独立して駆動することができ、例えば、最下層のシート状ワークn1を送出し終わった給紙ローラKdからKc,Kb,Kaの順に回転を停止させることにより、確実に最下層のシート状ワーク(例えばn1)のみを送出するため、複数枚のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出してしまうことによる紙詰りの心配がない。しかしそれぞれの給紙ローラKa,Kb,Kc,Kdの微小角度回転量を必ずしも等しくする必要はない。最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行側先端をフロントゲージFg1又はゲートプレートG(G1,G2)に当接させた後は、給紙ローラKa,Kb,Kc,Kdと最下層のシート状ワーク(例えばn1)は微小量スリップし、最下層のシート状ワーク(例えばn1)の進行側先端を傷めないようにすることが必要なため、必要以上のシート駆動力を与えないように、駆動軸が4軸の給紙ローラKa,Kb,Kc,Kdでは、2軸の給紙ローラ(例えばKc,Kd)の回転量を他の2軸の給紙ローラ(例えばKa,Kb)の回転量より少なくするようにしてもよい。つまり静摩擦に打ち勝つための初期のみ4軸駆動し、いったん駆動後は2軸のみの駆動に切り替えるようにしてもよい。前記フロントゲージFg1又はゲートプレートG(G1,G2)には、最下層のシート状ワークnの当接を検知するセンサJが配されることが好ましい。センサJが最下層の段ボールシートnの当接を検知して当接検知信号を制御回路Cに送出するため、最下層の段ボールシートnの進行側先端が前記フロントゲージFg1又はゲートプレートG(G1,G2)に当接すると同時に、制御回路Cが給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)の駆動手段である駆動モータMka,Mkb,Mkc,Mkdに停止信号を送出して給紙ローラK(Ka,Kb,Kc,Kd)を強制停止させる。前記フロントゲージFg1又はゲートプレートG(G1,G2)の上流側面に接触式センサJが配置されることが好ましいが、非接触式センサを上記以外の所定位置に配置することも対応可能である。
【0053】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施形態の段ボールシートの給紙装置を模式的に示す側面図であり、図1(b)は、図1(a)の一点鎖線円内の部分拡大図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態の段ボールシートの給紙装置とその動作を模式的に示す側面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態の段ボールシートの給紙装置の動作を模式的に示すタイミングチャートである。
【図4】図4(a)は、本発明の第2の実施形態の段ボールシートの給紙装置を模式的に示す側面図であり、図4(b)は、図4(a)の一点鎖線円内の部分拡大図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態の段ボールシートの給紙装置の動作を模式的に示す側面図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態の段ボールシートの給紙装置の動作を模式的に示すタイミングチャートである。
【図7】図7(a)は、本発明の第3の実施形態の段ボールシートの給紙装置を模式的に示す側面図であり、図7(b)は、図7(a)の一点鎖線円内の部分拡大図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施形態の段ボールシートの給紙装置の動作を模式的に示す側面図である。
【図9】図9(a)は、本発明の第4の実施形態の段ボールシートの給紙装置を模式的に示す側面図であり、図9(b)は、図9(a)の一点鎖線円内の部分拡大図である。
【図10】図10は、従来例の段ボールシートの給紙装置とその動作を模式的に示す側面図である。
【図11】図11は、従来例の段ボールシートの給紙装置の動作を模式的に示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0055】
Z1,Z2,Z3,Z4 シート状ワークの給紙装置(段ボールシートの給紙装置)、
Fg1,Fk1 フロントゲージ、
G,G1,G2 ゲートプレート、
Mf1,Mg1,Mg2 駆動モータ(駆動手段)、
h フロントゲージと給紙ローラとの隙間、
i ゲート(フロントゲージと橋渡し板との隙間)、
J センサ、
Q グレート、
P 基準位置、
K 給紙ローラ、
B バックストッパ、
E 橋渡し板、
S サクションボックス、
n,n1,n2,・・ シート状ワーク(段ボールシート)、
d シート状ワークの厚み(段ボールシートの厚み)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするフロントゲージとを備え、
上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をフロントゲージに当接させてから、ゲートを開くことを特徴とするシート状ワークの給紙方法。
【請求項2】
積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートを形成するフロントゲージと、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートとを備え、
上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させてから、ゲートを開くことを特徴とするシート状ワークの給紙方法。
【請求項3】
積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートを形成するフロントゲージと、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートとを備え、
上記給紙ローラが上記グレートより僅かに突出する中間位置までグレートを下降させてから、給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートを閉じた状態のゲートプレートに当接させ、その後、給紙ローラを一旦停止させてグレートを給紙ローラが設定高さまで突出するグレートの最下降位置までグレートをさらに下降させるとともに、ゲートを開いて最下層のシート状ワークの進行側先端とゲートプレートとの当接を解除し、次いで給紙ローラを回転させてシート状ワークを送り出すことを特徴とするシート状ワークの給紙方法。
【請求項4】
前記複数の給紙ローラは、駆動軸毎に独立した駆動手段が備わり、前記給紙ローラを微小角度回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のシート状ワークの給紙方法。
【請求項5】
積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークのみを印刷ユニット側に送り出すためのゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするフロントゲージとを備え、
上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をフロントゲージに当接させてから、ゲートを開くことを特徴とするシート状ワークの給紙装置。
【請求項6】
積層されたシート状ワークのうちの最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出す複数の給紙ローラと、複数の給紙ローラに対する突出量をその昇降動により調整することで給紙ローラと最下層のシート状ワークとの接離を調整するグレートと、最下層のシート状ワークを印刷ユニット側に送り出すためのゲートを形成するフロントゲージと、当該ゲートをその昇降動により開いたり閉じたりするゲートプレートとを備え、
上記ゲートプレートは、上記ゲートの下側又は上側に配置され、上記給紙ローラを回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させてから、ゲートを開くことを特徴とするシート状ワークの給紙装置。
【請求項7】
前記複数の給紙ローラは、駆動軸毎に独立した駆動モータが備わり、前記給紙ローラを微小角度回転させて最下層のシート状ワークの進行側先端をゲートプレートに当接させることを特徴とする請求項5又は6記載のシート状ワークの給紙装置。
【請求項8】
前記フロントゲージ又はゲートプレートには、シート状ワークの当接を検知するセンサが配されることを特徴とする請求項5又は6記載のシート状ワークの給紙装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−29553(P2009−29553A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193852(P2007−193852)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000147774)株式会社石川製作所 (36)
【Fターム(参考)】