説明

シームリッパー及びシームリッパー製造方法

【課題】 上記従来技術は、切刃を加工する場合、砥石の形状・直径・回転数・当てる角度・力等を考えながら加工する必要があり、熟練を要するものであるため、誰でもできる作業ではない。
よって、安定してよく切れるシームリッパーを量産することは難しいのが現状です。
【解決手段】 中心より折り曲げるべく、上下対象に形成したシームリッパー本体の先端部に切刃を挟持して固定してなること。切刃が、カミソリ刃であること。切刃に孔を穿設してなること。中心より折り曲げるべく、上下対称に形成したシームリッパー本体を略V字形に形設する形設工程と、先端部に切刃を挿入する挿入工程と、切刃を挟持・固定する圧着工程とからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫い目をほどいたり、ボタンの穴をあけたり、糸目を切るのに使用するシームリッパー及びシームリッパー製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、図8に示す形状が主たるもので、シームリッパー本体SH(鋼材)をプレスで打ち抜きし、焼入れし、研磨、メッキ後、砥石にて切刃KHを加工形成しているのが現状です。
【発明の概要】

【発明が解決使用とする課題】
【0003】
上記従来技術は、切刃KHを加工する場合、砥石の形状・直径・回転数・当てる角度・力等を考えながら加工する必要があり、熟練を要するものであるため、誰でもできる作業ではない。
よって、安定してよく切れるシームリッパーSRを量産することは難しいのが現状です。
【0004】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、シームリッパー本体に切刃を挟持して固定するもので、特にカミソリ刃を使用することにより、切れ味がよく、品質が安定し、量産可能なシームリッパー及びシームリッパー製造方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するため、シームリッパーは中心より折り曲げるべく、上下対称に形成したシームリッパー本体の先端部に切刃を挟持して固定してなること。切刃が、カミソリ刃であること。切刃に孔を穿設してなること。また、製造方法において、中心より折り曲げるべく、上下対称に形成したシームリッパー本体を略V字形に形設する形設工程と、先端部に切刃を挿入する挿入工程と、切刃を挟持・固定する圧着工程とからなること。
【発明の効果】
【0006】
シームリッパーにおいて、
1)シームリッパー本体の先端部に、切刃を挟持して固定することにより、簡単な構造で ありながら、確実にボタンの穴をあけたり、糸目を切ることができる。
2)切刃を、カミソリ刃とすることにより、切れ味を向上させてなることができる。
3)切刃に孔をもうけることにより、強固に固定でき、ずれることなく使用できる。
4)シームリッパー本体の後端部に柄を一体に設けることにより、例えば、オールステン レス製のシームリッパーができ、廃棄する時も分解することなく廃棄できる。
5)切刃の先端面を斜状に形成することによりスムーズに切れる。
シームリッパー製造方法において、
1)切れ味のよいシームリッパーを製造できる。
2)切刃の孔に凸片を圧着することにより、品質が安定したシームリッパーを製造できる。
3)量産可能なシームリッパーを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施例を示すシームリッパーのシームリッパー本体の展開平面図。
【図2】本発明の第1実施例を示すシームリッパーの切刃の正面図。。
【図3】本発明の第1実施例を示すシームリッパーの正面図。
【図4】本発明の第1実施例を示すシームリッパー製造方法の形設工程の正面図。
【図5】本発明の第1実施例を示すシームリッパー製造方法の形設工程の側面図。
【図6】本発明の第1実施例を示すシームリッパー製造方法の挿入工程の正面図。
【図7】本発明の第1実施例を示すシームリッパー製造方法の圧着工程の正面図。
【図8】本発明の第2実施例を示すシームリッパーの展開平面図。
【図9】本発明の第2実施例を示すシームリッパーの正面図。
【図10】従来例を示すシームリッパーの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1は、ステンレス製の薄板を打ち抜き、中心Tより折り曲げるべく、上下対称に形成したシームリッパー本体で、先端部2は、案内部2aと挿入部2bとにより構成される。
3は、上記シームリッパー本体1の先端部2に挟持して固定してなる切刃で、カミソリ刃とすることが望ましく、先端面を斜状に形成し、孔3aを穿設してある。
【0009】
シームリッパーSR1は上記シームリッパー本体1と切刃3を組み合わせ、後述するシームリッパー製造方法により完成したものに、合成樹脂製等による柄Eに圧入してある。
【0010】
つぎに、シームリッパー製造方法について説明する。
1)まず、上記シームリッパー本体1を中心Tより折り曲げるべく上下対称に形成したシ ームリッパー本体1を略V字形に形設する形設工程。(図4・図5)
2)先端部2の案内部2aと挿入部2b間に、切刃3を挿入する挿入工程。(図6)
3)切刃3を挟持・固定すべく、加圧すると共に、切刃3の孔3aを係止・固定する凸片 THを形設する圧着工程。(図7)
からなるものである。
なお、上記工程後において柄(図示せず)を取り付けて完成品とするものである。
【0011】
次に、第2実施例におけるシームリッパーについて説明する。
このシームリッパー本体21は、上記と同様なシームリッパー本体1の後端部に幅広の柄E1を一体に設けてなるものである。(図8)
【0012】
このシームリッパー本体21を使用し、上記シームリッパー製造方法と同様な手順により製造したものがシームリッパーSR2であり、柄E1も一体に加工できるものである。
【0013】
上記各実施例において、シームリッパー本体の材質や大きさ等、また、切刃の材質や大きさ等は、特に限定するものではなく、必要に応じて決めればよい。
また、必要に応じて先端部を保護するキャップを設けてもよい。
【符号の説明】
【0014】
1−−−シームリッパー本体
2−−−先端部
2a−−案内部
2b−−挿入部
3−−−切刃
3a−−孔
T−−−中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心より折り曲げるべく、上下対称に形成したシームリッパー本体の先端部に切刃を挟持して固定してなることを特徴とするシームリッパー。
【請求項2】
切刃が、カミソリ刃であることを特徴とする請求項1記載のシームリッパー。
【請求項3】
切刃に孔を穿設してなることを特徴とする請求項1又は2記載のシームリッパー。
【請求項4】
切刃の先端面を斜状に形成してなることを特徴とする請求項1,2又は3記載のシームリッパー。
【請求項5】
シームリッパー本体の後端部に柄を一体に設けてなることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のシームリッパー。
【請求項6】
中心より折り曲げるべく、上下対称に形成したシームリッパー本体を略V字形に形設する形設工程と、先端部に切刃を挿入する挿入工程と、切刃を挟持・固定する圧着工程とからなることを特徴とするシームリッパー製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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