説明

シールアセンブリの製造方法

【課題】典型的なPTFEシールの利点を保ちながら、その欠点を克服または最小限にするシールアセンブリを提供する。
【解決手段】シールアセンブリは、ボアを有するハウジングと、ボア内で回転する、外側転走面を有するシャフトとの間に動的流体シールを設ける。シールアセンブリは、ハウジングのボア内にシールアセンブリを支持するための剛性キャリヤを備える。可撓性部材は剛性キャリヤに取付けられる。可撓性部材は、使用中に可撓性部材が撓むことができるエラストマー材料から形成される。封止要素は、外側転走面の周りに可撓性部材によって保持される。封止要素は、硬度が可撓性部材のエラストマー材料の硬度よりも比較的大きい非ポリテトラフルオロエチレンのベアリンググレードプラスチック材料から形成される。封止要素は、可撓性部材が撓むときに可撓性部材とともに動く。封止要素は、複数の螺旋状に巻いた回旋の状態で、外側転走面に沿って延在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は概して、ハウジングと、ハウジングに対して回転する、外側転走面を有するシャフトとの間に動的流体シールを設けるために使用されるシールアセンブリに関する。より詳細には、本発明は、封止要素を形成するために使用される材料および形状を含む、このようなシールアセンブリにおいて使用されるこのような封止要素、ならびにこのような封止要素を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
シールアセンブリは、ボアを有するハウジングと、ボアから突出しかつハウジングに対して回転する、外側転走面を有するシャフトとの間に動的流体シールを設けることで周知である。このようなシールアセンブリは典型的には、シールアセンブリをボアに支持するための剛性キャリヤを備える。シールアセンブリとハウジングとの間にプレス嵌め接続をもたらすために、ゴムから形成された取付つばがしばしば剛性キャリヤの周りに成形され、それによって、ボア内で外側転走面の周りにシールアセンブリを位置合せする。剛性キャリヤは、シャフトの外側転走面を取囲み、シャフトの外側転走面を動的に封止する封止要素、たとえばリップシールを支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−068889号公報
【特許文献2】米国特許第3490775号明細書
【特許文献3】特開昭58−222813号公報
【特許文献4】特開昭56−127437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
封止要素、たとえばリップシールはしばしばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成される。なぜなら、PTFEは優れた耐熱性および耐薬品性、ならびに低い摩擦係数をもたらすためである。しかしながら、PTFEの耐磨耗性は比較的低く、高価であり、その使用は特定の封止の用途のみに限定されるか、または環境による損傷からPTFEを保護するために追加の対策が必要である。
【0005】
本発明の目的は、典型的なPTFEシールの利点を保ちながら、その欠点を克服または最小限にするシールアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明および利点の簡単な概要
本発明の第1の局面によって構成されるシールアセンブリは、ボアを有するハウジングと、ボア内で回転する、外側転走面を有するシャフトとの間に動的流体シールを設けるよう動作する。外側転走面は、ハウジングに対して動作軸を中心に回転する。シールアセンブリは、ハウジングのボア内および外側転走面の周りにシールアセンブリを支持するための剛性キャリヤを含む。エラストマー材料からなる可撓性部材が剛性キャリヤに取付けられる。可撓性部材は、外側転走面が動作軸を中心に回転するとき、外側転走面と封止関係を有するように封止要素を柔軟に保持する。封止要素は、非ポリテトラフルオロエチレン(非PTFE)ベアリンググレードプラスチック材料から形成される。非PTFE材料の硬度は、可撓性部材のエラストマー材料の硬度よりも比較的大きい。
【0007】
このシールアセンブリの1つの利点は、封止要素のために非PTFEベアリンググレードプラスチック材料を使用できることである。これによって、PTFEなどの従来の材料よりも大幅にコストが削減され、動的流体封止に好適な耐磨耗性がより高い材料がもたらされる。従来、このような材料の剛性の性質、すなわちシャフトがボアにおいて位置ずれを起こしたときに封止要素が不均一に磨耗し、したがってシャフトとの封止関係を悪化さ
せることを考慮して、このような材料は封止要素のためには使用されてこなかった。本発明のシールアセンブリでは、シャフトがボアにおいて位置ずれを起こしたときに可撓性部材は撓むことが可能である。したがって、封止要素が可撓性部材とともに動くので、可撓性部材によって保持される封止要素の可撓性はより小さい可能性がある。
【0008】
本発明の別の局面では、封止要素は、複数の螺旋状に巻いた回旋の状態で、外側転走面の周りに延在する。回旋は、シールの内部(「油の側」)のほうに戻るようにシールの下に入るいかなる流体の方向も変えるようにポンプの役割を果たす流体力学効果をもたらす。回旋は、一条のねじの形態である場合もあれば複数条のねじの形態である場合もあり、所望であれば、1方向のものである場合もあれば2方向のものである場合もある。
【0009】
本発明はさらに、複数の螺旋状に巻いた回旋を有するシールアセンブリを製造する方法を提供する。この方法は、ストック部品内に破断線を規定するために、封止材料からなるストック部品の面内に螺旋状に延在する溝を形成することを含む。ストック部品は次いで、破断線に沿って割れて、封止要素を形成する。破断線を規定するために溝を形成することによって、シールアセンブリを製造する方法は、複数の回旋を有する封止要素を形成するための単純で、費用対効果の高い手順を提供する。
【0010】
本発明のこれらの利点および特徴は、添付の図面に関連して考慮されるときに以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるように容易に認識されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるシールアセンブリの部分断面図である。
【図2】動作軸を中心に回転するシャフトの位置ずれを示すシールアセンブリの部分断面図である。
【図3】シールアセンブリの封止要素の斜視図である。
【図4】シールアセンブリの代替的な封止要素の斜視図である。
【図5】本発明の代替的な実施例によるシールアセンブリの封止要素の部分断面図である。
【図5A】図5に示される封止要素を形成するために使用される、非PTFE材料からなる円筒形ストック部品の部分断面図である。
【図6】本発明の代替的な実施例によるシールアセンブリの封止要素の部分断面図である。
【図6A】図6に示される封止要素を形成するために使用される、非PTFE材料からなる円筒形ストック部品の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
いくつかの図全体にわたって同様の数字が同様のまたは対応する部分を示す図を参照して、本発明のシールアセンブリは概して10で示される。シールアセンブリ10は、動的流体シールが必要とされる多数の用途に非常に適している。このような用途は、自動車での用途および産業上の用途を含んでもよい。シールアセンブリ10は、シャフトシールシステム11で使用するために本明細書において示される。
【0013】
図1を参照して、シャフトシールシステム11は、ボア14を有するハウジング12と、ボア14内で回転する、外側転走面15を有するシャフト16との間に動的流体シールを設けるためにシールアセンブリ10を使用する。外側転走面15は、ハウジング12に対して動作軸Aを中心に回転する。図1では、外側転走面15は、シャフト16にプレス嵌めされる環状の磨耗スリーブ28によってもたらされる。磨耗スリーブ28は、製造されたすべり面をもたらすためなどの当業者に周知の目的でシャフト16にプレス嵌めされる。当業者によってさらに認識されるように、本発明は磨耗スリーブ28がなくても実施され得るであろう。磨耗スリーブ28は、ボア14の中でシャフト16とともに回転する。ハウジング12のボア14は、シャフト16の周りに配置された円筒形の階段状ボア壁17と、ボア壁17に横向きに配置された環状の軸方向に面する肩部19とともに形成される。
【0014】
キャリヤ18は、ボア14にシールアセンブリ10を支持する。キャリヤ18は、U字型ベース部20と、ベース部20の端部から径方向に内側に延在する環状フランジ22とを含む。キャリヤ18は好ましくは、金属などの剛性材料から形成される。エラストマー取付つば24は、シールアセンブリ10をボア14にプレス嵌めするために剛性キャリヤ18の周りに環状に形成され、それによってハウジング12内に流体を保持するための仕切りをもたらす。エラストマー取付つば24は、プレス嵌めをもたらすためにボア壁17および肩部19を押す。保持リング32は、シールアセンブリ10をボア14内に固定するために、ハウジング12に同様に形作られたポケット34内に設置されてもよい。
【0015】
環状バッフル30は、ごみおよび破片がシールに侵入することを防ぐためのラビリンス経路を規定するために、磨耗スリーブ28に据付けられてもよく、剛性キャリヤ18のU字型ベース部20によって規定される環状チャンバ内に位置決めされてもよい。ごみおよび破片を閉じ込めることにさらに役立てるために、所望であれば、フィルタ26がラビリンス内に配置されてもよく、キャリヤ18または磨耗スリーブ28に取付けられてもよい。フィルタ26がキャリヤ18に取付けられると、磨耗スリーブ28および環状バッフル30は、シャフト16が動作軸Aを中心に回転するときにフィルタ26に対して回転する。
【0016】
エラストマー材料からなる可撓性部材36は、剛性キャリヤ18に取付けられ、剛性キャリヤ18から垂下される。エラストマー材料の硬度は、可撓性部材36が形状を維持しながら使用中に撓むことができるような大きさであり、たとえば25〜75のショアーA硬度または50未満のショアーD硬度である。エラストマー材料は、ゴムまたは他の同様の材料を含んでもよい。
【0017】
可撓性部材36は、動作軸Aに概して平行に位置する長手方向部分39を含む。第1の環状リップ40および第2の環状リップ42は、剛性キャリヤ18の環状フランジ22を受けるためのノッチ44を間に規定するために、長手方向部分39から径方向に外側に突出する。これは、可撓性部材36を環状フランジ22に封止可能に固定する。可撓性部材36は、長手方向部分39から径方向に内側に突出する第3のリップ46および第4のリップ48も含む。第3のリップ46および第4のリップ48の各々と外側転走面15との間に間隙が維持されてもよい。
【0018】
可撓性部材36は、外側転走面15の周りに、径方向に作用する封止要素38を柔軟に保持する。好ましい実施例では、可撓性部材36は封止要素38に成形される。可撓性部材36は、剛性キャリヤ18の環状フランジ22と封止要素38との間で環状ヒンジ36の役割を果たす。封止要素38は、可撓性部材36に対して封止要素38を保持するために可撓性部材36と摩擦成形接触する外面50を含む。他の実施例では、外面50は可撓性部材36に化学的に結合される。封止要素38はさらに、外側転走面15と封止関係にある、外側転走面15に沿って軸方向に延在する径方向に内側の環状封止面52を含む。同時に、可撓性部材36の第3のリップ46は、軸方向に1方向に動くことから封止要素38を保持するように封止要素38と当接する。
【0019】
図2を参照して、封止要素38は、シャフト16が剛性キャリヤ18に対して径方向に位置ずれを起こすとき(大幅に誇張して図示)可撓性部材36が剛性キャリヤ18に対して撓むように可撓性部材36とともに動く。同時に、径方向に内側の環状封止面52は、外側転走面15との封止関係を維持する。したがって、可撓性部材36は封止要素38の可撓性延長部の役割を果たし、シャフト16がボア14内で振れ状況または他の位置ずれ状況を経験するときでさえ、径方向に内側の環状封止面52が外側転走面15との封止関係を維持できるようにする。
【0020】
封止要素38は、非ポリテトラフルオロエチレン(非PTFE)ベアリンググレードプラスチック材料から形成される。非PTFE材料は多少のPTFE充填剤を含んでもよいが、そのレベルは50重量%または容量%未満であることが認識されるべきである。非PTFE材料は好ましくは、可撓性部材36を形成するエラストマー材料の硬度よりも硬度が比較的大きい熱可塑性材料である。したがって、封止要素38は可撓性部材36よりも剛性である。非PTFE材料は、1平方インチあたり5000ポンドよりも大きい引張強さを示し、1平方インチあたり5000ポンドよりも大きい圧縮強さを示す(ASTM D638を使用して引張強さを測定し、ASTM D695を使用して圧縮強さを測定する)。さらに、非PTFE材料の磨耗係数「k」は、200X10-10in.3−min/ft.lbs.hr未満である。
【0021】
封止要素38を形成するために使用される非PTFE材料は、ナイロン、アセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET−P)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)などの任意のイミド化された、半結晶性のもしくは非晶質のベアリンググレード熱可塑性プラスチック、または列挙されたものと同様の特性を有する他の材料を含んでもよい。以下の表1は、これらの材料が引張強さ、圧縮強さおよび耐磨耗性の点でいかにPTFEに匹敵するかを示す。
【0022】
【表1】

【0023】
図3を参照して、封止要素38は、複数の螺旋状に巻いた回旋58の状態で、その第1の端部54と第2の端部56との間に延在する。したがって、封止要素38は、円筒形のスパイラルの形状をしている。図1を再び参照して、可撓性部材36は、動的流体シールを設けるために、外側転走面15と封止関係を有するように複数の回旋58の各々を付勢する。
【0024】
複数の回旋58は、外側転走面15の周りに巻着または巻付けられた非PTFE材料の連続的なストランドを備える。複数の回旋58の各々は、外側転走面15が動作軸Aを中心に回転するときに封止要素38が外側転走面15に沿って軸方向に拡張および収縮できるように互いに対して軸方向に可動である。図3および図4の例では、外側転走面15に沿って軸方向に拡張された封止要素38が示されている。
【0025】
図3の好ましい実施例では、封止要素38は、第1の端部54および第2の端部56の各々において外側転走面15を完全に取囲む先細りになった同心リング60、62を含む。この実施例では、封止要素38は螺旋状の形状で同心リング60、62の間に延在する。これは、封止要素38にとってスリンキーのような(slinky-like)形状を生出す。図
4の代替的な実施例では、同心リング60、62は除去され、封止要素38全体は、螺旋状の形状で端部54、56の間に延在して、外側転走面15の周りに巻かれたコイルのような形状を生出す。
【0026】
図5を参照して、封止要素38の別の代替的な実施例では、封止要素38の外面50は中に外部溝64を規定する。外部溝64は、螺旋状の形状で、封止要素38の第1の端部54と第2の端部56との間に延在する。同様に、図6に示されるさらなる代替的な実施例では、封止要素38の径方向に内側の環状封止面52は、中に第1の内部溝66を規定する。内部溝66は、螺旋状の形状で、封止要素38の第1の端部54と第2の端部56との間に延在する。第2の内部溝70も、第1の内部溝66を横切って、径方向に内側の環状封止面52に規定される。内部溝66、70は、ハウジング12内に流体をさらに保持するために封止要素38に流体力学機能をもたらすように意図される。もちろん、さらなる溝(図示せず)または当業者に周知の他の流体力学機構(図示せず)が径方向に内側の環状封止面52に形成され得るであろう。図5および図6は複数の外部溝64および内部溝66、70を示しているように見えるが、複数の数字は便宜上使用されており、図5に実際に示される外部溝64は1つだけであり、図6に実際に示される外部溝64は1つだけであり、内部溝66、70は2つである。これは溝64、66、70の螺旋状の性質に起因する。
【0027】
図5Aおよび図6Aを参照して、シールアセンブリ10を製造する方法も本発明によって提供される。この方法は、部品72内に螺旋状の破断線68を規定するために、非PTFE材料からなる円筒形ストック部品72内に封止要素38の外部溝64および/または第1の内部溝66を形成することを含む。溝64、66は、非PTFE材料の特性を考慮して、部品72に成形または機械加工されることが可能である。可撓性部材36は好ましくは、溝64および/または66を形成した後に部品72の上に成形または結合される。可撓性部材36は次いで、環状リップ40、42によって剛性キャリヤ18の環状フランジ22の上に据付けられる。
【0028】
一旦可撓性部材36および部品72が剛性キャリヤ18に固定されると、図5および/または図6に示されるように、部品72は破断線68に沿って割れて、封止要素38を形成する。これは好ましくは、部品72が外側転走面15上に嵌合されると部品72が破断線68に沿って割れるように、直径が外側転走面15よりもわずかに小さい部品72を形成することによって達成される。このような手順は特別なツーリングを必要とするかもしれない。さらに、封止要素38は、外側転走面15上に嵌合されると、解ける。すなわち、複数の回旋58が外側転走面15の周りに拡張される。この解きによって、結合された可撓性部材36はねじれて伸び、したがって、封止要素38と外側転走面15との間の封止関係にさらなる荷重機能がもたらされる。実際には、複数の回旋58の各々は、封止の際に独立して、外側転走面15に逆らって動作することになる。複数の回旋58は、シールの内部(「油の側」)のほうに戻るようにシールの下に入るいかなる流体の方向も変えるようにポンプの役割を果たす流体力学効果をもたらす。複数の回旋58は、一条のねじの形態である場合もあれば複数条のねじの形態である場合もあり、所望であれば、1方向のものである場合もあれば2方向のものである場合もある。
本発明の実施例は、次のようなものであってもよい。
【0029】
(実施例1)
ボアを有するハウジングと、ハウジングに対して動作軸を中心にボア内で回転する、外側転走面を有するシャフトとの間に動的流体シールを設けるためのシールアセンブリであって、剛性キャリヤと、前記剛性キャリヤに取付けられたエラストマー材料からなる可撓性部材と、硬度が前記エラストマー材料の硬度よりも比較的大きい非ポリテトラフルオロエチレンベアリンググレードプラスチック材料から作られた封止要素とを備え、前記封止要素は、前記可撓性部材によって保持され、シャフトの外側転走面の周りを封止するように前記剛性キャリヤに対して前記可撓性部材とともに動くための径方向に内側の環状封止面を有する、アセンブリ。
【0030】
(実施例2)
前記封止要素は、動的流体シールを設けるために複数の螺旋状に巻いた回旋の各々がシャフトの外側転走面と封止関係にあるように、前記複数の回旋の状態で、その第1の端部と第2の端部との間に延在する、実施例1に記載のアセンブリ。
【0031】
(実施例3)
前記複数の回旋は、巻着された非ポリテトラフルオロエチレンベアリンググレードプラスチック材料の連続的なストランドを備える、実施例2に記載のアセンブリ。
【0032】
(実施例4)
前記封止要素は、前記端部の各々に先細りになった同心リングを含む、実施例3に記載のアセンブリ。
【0033】
(実施例5)
前記径方向に内側の環状封止面は、螺旋状の形状で前記端部の間に延在する第1の内部溝を中に規定する、実施例2に記載のアセンブリ。
【0034】
(実施例6)
前記径方向に内側の環状封止面はさらに、螺旋状の形状で前記端部の間に、前記第1の内部溝を横切って延在する第2の内部溝を中に規定する、実施例5に記載のアセンブリ。
【0035】
(実施例7)
前記剛性キャリヤは環状フランジを含み、前記可撓性部材はさらに、前記環状フランジから垂下され、前記環状フランジと前記封止要素との間で作用する環状ヒンジとして規定される、実施例1に記載のアセンブリ。
【0036】
(実施例8)
前記環状ヒンジは、そこから径方向に外側に突出する第1および第2の環状リップを含み、前記環状リップは、前記環状ヒンジを前記環状フランジに封止可能に固定するために前記剛性キャリヤの前記環状フランジを受けるためのノッチを間に規定する、実施例9に記載のアセンブリ。
【0037】
(実施例9)
前記環状ヒンジは、前記封止要素の前記第1の端部を軸方向に保持するために、径方向に内側に突出し、前記封止要素の第1の端部と当接する第3のリップを含む、実施例10に記載のアセンブリ。
【0038】
(実施例10)
前記非ポリテトラフルオロエチレンベアリンググレードプラスチック材料は、引張強さが1平方インチあたり5000ポンドよりも大きく、圧縮強さが1平方インチあたり5000ポンドよりも大きい熱可塑性材料としてさらに規定される、実施例1に記載のアセンブリ。
【0039】
(実施例11)
前記熱可塑性材料の磨耗係数は、200X10-10in.3−min/ft.lbs.hr未満である、実施例10に記載のアセンブリ。
【0040】
(実施例12)
前記熱可塑性材料は、ナイロン、アセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、およびポリアミドイミドのうちいずれか1つを含む、実施例10に記載のアセンブリ。
【0041】
(実施例13)
シールアセンブリであって、キャリヤと、動的流体シールを設けるために、回転するシャフトの外側転走面の周りを封止するための、前記キャリヤによって支持される複数の螺旋状に巻いた回旋の状態で延在する封止要素とを備える、アセンブリ。
【0042】
(実施例14)
前記封止要素は第1および第2の端部を含み、前記複数の回旋は巻着された材料の連続的なストランドを前記端部の間に備える、実施例13に記載のアセンブリ。
【0043】
(実施例15)
前記封止要素は、前記第1および第2の端部の各々に先細りになった同心リングを含む、実施例14に記載のアセンブリ。
【0044】
(実施例16)
外側転走面と封止関係を有するように前記封止要素を柔軟に保持するための、前記キャリヤに取付けられたエラストマー材料からなる可撓性部材を含む、実施例13に記載のアセンブリ。
【0045】
(実施例17)
前記封止要素は径方向に内側の環状封止面を含み、前記径方向に内側の環状封止面は、螺旋状の形状で前記端部の間に延在する第1の内部溝を中に規定する、実施例14に記載のアセンブリ。
【0046】
(実施例18)
前記径方向に内側の環状封止面はさらに、螺旋状の形状で前記端部の間に、前記第1の内部溝を横切って延在する第2の内部溝を中に規定する、実施例17に記載のアセンブリ。
【0047】
(実施例19)
前記キャリヤは環状フランジを含み、前記可撓性部材はさらに、前記環状フランジから垂下され、前記環状フランジと前記封止要素との間で作用する環状ヒンジとして規定される、実施例18に記載のアセンブリ。
【0048】
(実施例20)
前記環状ヒンジは、そこから径方向に外側に突出する第1および第2の環状リップを含み、前記環状リップは、前記環状ヒンジを前記環状フランジに封止可能に固定するために前記キャリヤの前記環状フランジを受けるためのノッチを間に規定する、実施例19に記載のアセンブリ。
【0049】
(実施例21)
前記環状ヒンジは、前記封止要素の前記第1の端部を軸方向に保持するために、径方向に内側に突出し、前記封止要素の第1の端部と当接する第3のリップを含む、実施例20に記載のアセンブリ。
【0050】
(実施例22)
前記封止要素は、非ポリテトラフルオロエチレンベアリンググレードプラスチック材料から形成される、実施例13に記載のアセンブリ。
【0051】
(実施例23)
前記非ポリテトラフルオロエチレンベアリンググレードプラスチック材料は、引張強さが1平方インチあたり5000ポンドよりも大きく、圧縮強さが1平方インチあたり5000ポンドよりも大きい熱可塑性材料としてさらに規定される、実施例22に記載のアセンブリ。
【0052】
(実施例24)
前記熱可塑性材料の磨耗係数は、200X10-10in.3−min/ft.lbs.hr未満である、実施例23に記載のアセンブリ。
【0053】
(実施例25)
前記熱可塑性材料は、ナイロン、アセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、およびポリアミドイミドのうちいずれか1つを含む、実施例23に記載のアセンブリ。
【0054】
(実施例26)
シャフトシールシステムであって、概して円筒形の壁を有するボアと、前記壁に横向きに配置された環状の肩部とともに形成されるハウジングと、前記ボア内に動作軸を中心に配置された、外側転走面を有するシャフトと、前記シャフトの周りに配置され、剛性キャリヤを有するシールアセンブリとを備え、エラストマー材料からなる可撓性部材は前記剛性キャリヤに取付けられ、径方向に作用する封止要素は、前記シャフトの前記外側転走面と封止関係を有するように前記可撓性部材によって柔軟に保持され、前記封止要素は、硬度が前記エラストマー材料よりも比較的大きい非ポリテトラフルオロエチレンベアリンググレードプラスチック材料から形成され、前記封止要素は、複数の螺旋状に巻いた回旋の状態で前記外側転走面の周りに延在する、シャフトシールシステム。
【0055】
(実施例27)
前記封止要素は、前記外側転走面に面する径方向に内側の環状封止面を含み、前記径方向に内側の環状封止面は、螺旋状の形状で前記外側転走面の周りに延在する第1の内部溝を中に規定する、実施例26に記載のアセンブリ。
【0056】
(実施例28)
前記径方向に内側の環状封止面はさらに、螺旋状の形状で前記外側転走面の周りに、前記第1の内部溝を横切って延在する第2の内部溝を中に規定する、実施例27に記載のアセンブリ。
【0057】
(実施例29)
前記剛性キャリヤは環状フランジを含み、前記可撓性部材はさらに、前記外側転走面と封止関係を有するように前記複数の回旋の各々を付勢するために、前記環状フランジから垂下され、前記環状フランジと前記封止要素との間で作用する環状ヒンジとして規定される、実施例26に記載のアセンブリ。
【0058】
(実施例30)
前記環状ヒンジは、そこから径方向に外側に突出する第1および第2の環状リップを含み、前記環状リップは、前記環状ヒンジを前記環状フランジに封止可能に固定するために前記剛性キャリヤの前記環状フランジを受けるためのノッチを間に規定する、実施例29に記載のアセンブリ。
【0059】
(実施例31)
前記環状ヒンジは、前記封止要素の前記第1の端部を軸方向に保持するために、径方向に内側に突出し、前記封止要素の第1の端部と当接する第3のリップを含む、実施例30に記載のアセンブリ。
【0060】
(実施例32)
ボアを有するハウジングと、ハウジングに対して動作軸を中心にボア内で回転する、外側転走面を有するシャフトとの間に動的流体シールを設けるために、剛性キャリヤと、剛性キャリヤに取付けられたエラストマー材料からなる可撓性部材と、可撓性部材によって保持され、封止材料からなるストック部品から形成される封止要素とを有するシールアセンブリを製造する方法であって、封止材料からなるストック部品内に破断線を規定するために、封止材料からなるストック部品の面内に螺旋状に延在する溝を形成するステップと、動的流体シールを設けるために、シャフトの外側転走面の周りを封止するための、複数の螺旋状に巻いた回旋を有する封止要素を形成するために、溝が形成された後に封止材料からなるストック部品を破断線に沿って割るステップとを備える、方法。
【0061】
(実施例33)
溝を形成した後に封止材料からなるストック部品上に可撓性部材を成形するステップを含む、実施例32に記載の方法。
【0062】
(実施例34)
可撓性部材が封止材料からなるストック部品上に成形された後に、可撓性部材を剛性キャリヤに固定するステップを含む、実施例33に記載の方法。
【0063】
(実施例35)
封止材料からなるストック部品の面内に螺旋状に延在する溝を形成するステップはさらに、面内に螺旋状に延在する溝を成形するステップとして規定される、実施例32に記載の方法。
【0064】
(実施例36)
破断線をさらに規定するために、他の面に対向する、封止材料からなるストック部品の第2の面上に螺旋状に延在する溝を成形するステップを含む、実施例35に記載の方法。
【0065】
(実施例37)
封止材料からなるストック部品の面内に螺旋状に延在する溝を形成するステップはさらに、面内に螺旋状に延在する溝を機械加工するステップとして規定される、実施例32に記載の方法。
【0066】
(実施例38)
破断線をさらに規定するために、他の面に対向する、封止材料からなるストック部品の第2の面上に螺旋状に延在する溝を機械加工するステップを含む、実施例37に記載の方法。
【0067】
明らかに、本発明の多くの修正例および変形例が上述の教示の観点で可能である。本発明は、特許請求の範囲内に具体的に記載されたものとは異なる方法で実施され得る。標準的な図面の規則に従ってシールアセンブリ10を示すために部分断面図が利用されることも認識されるべきである。したがって、シールアセンブリ10の各構成要素は、いくつかの図には明確に示されていないが、外側転走面15の周りに環状に延在する。
【符号の説明】
【0068】
10 シールアセンブリ、38 封止要素、環状封止面52。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボアを有するハウジングと、ハウジングに対して動作軸を中心にボア内で回転する、外側転走面を有するシャフトとの間に動的流体シールを設けるために、剛性キャリヤと、剛性キャリヤに取付けられたエラストマー材料からなる可撓性部材と、可撓性部材によって保持され、封止材料からなるストック部品から形成される封止要素とを有するシールアセンブリを製造する方法であって、
封止材料からなるストック部品内に破断線を規定するために、封止材料からなるストック部品の面内に螺旋状に延在する溝を形成するステップと、
動的流体シールを設けるために、シャフトの外側転走面の周りを封止するための、複数の螺旋状に巻いた回旋を有する封止要素を形成するために、溝が形成された後に封止材料からなるストック部品を破断線に沿って割るステップとを備える、方法。
【請求項2】
溝を形成した後に封止材料からなるストック部品上に可撓性部材を成形するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
可撓性部材が封止材料からなるストック部品上に成形された後に、可撓性部材を剛性キャリヤに固定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
封止材料からなるストック部品の面内に螺旋状に延在する溝を形成するステップはさらに、面内に螺旋状に延在する溝を成形するステップとして規定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
破断線をさらに規定するために、他の面に対向する、封止材料からなるストック部品の第2の面上に螺旋状に延在する溝を成形するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
封止材料からなるストック部品の面内に螺旋状に延在する溝を形成するステップはさらに、面内に螺旋状に延在する溝を機械加工するステップとして規定される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
破断線をさらに規定するために、他の面に対向する、封止材料からなるストック部品の第2の面上に螺旋状に延在する溝を機械加工するステップを含む、請求項6に記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図6A】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−72915(P2012−72915A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−9831(P2012−9831)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【分割の表示】特願2007−528013(P2007−528013)の分割
【原出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】