シールキット、リークテスト装置、およびリークテスト方法
【課題】 簡易かつローパワータイプの機構を含みながらも、正確にリークテストを行えるリークテスト装置に適したシールキットを提供する。
【解決手段】 開孔OPを塞ぐ栓SR4は、開孔OPの開孔面に対して交差するX方向等に沿う押さえる力PW1により、開孔OPの開孔外縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力PW1の消滅後も係り合いを維持する。
【解決手段】 開孔OPを塞ぐ栓SR4は、開孔OPの開孔面に対して交差するX方向等に沿う押さえる力PW1により、開孔OPの開孔外縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力PW1の消滅後も係り合いを維持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールキット、それを搭載するリークテスト装置、およびリークテスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークと称される容器の洩れ検査(リークテスト)では、通常、ワークに形成される開孔より、圧縮エアがそのワーク内に封入され、ワーク内の圧力低下の有無で、洩れの有無が判断される。そのため、ワークの開孔は、シール等で封止されたり、圧縮エアの封入口を接続されたりするが、シール箇所または封入口の接続部にて、洩れがあると、正確にリークテストができない。
【0003】
そのため、開孔は、洩れの無いように封止されなくてはならず、例えば、Oリング等のゴムシール材が、開孔を含む口部(例えば、筒状の部材)の端面に押し付けられることで、ワークのシール性(密封性)が担保される。ただし、このような場合、ゴムシール材を押し付ける力は、筒状の口部の軸方向対して作用し、口部を通じて、ワークの本体部にまで力が伝達する。
【0004】
すると、ワークが弾性体で薄肉低強度の場合、この伝達した力で、ワーク自体が弾性変形を起こし、これに起因して、ワークの容積が変化しかねない。そして、このように容積が変化してしまうと、内封されているエアの圧力も変化するため、正確な圧力低下が検知されず、リークテストの精度が低下する。
【0005】
また、ゴムシール材を押し付ける力が、ワークにおける壁面の繋ぎ目等、洩れ(割れ等)を起こしやすい易い箇所を塞ぐように作用した場合、洩れの箇所を有するワークであっても、内封されているエアの圧力に変化が生じず、そのワークが良品と誤判定されてしまうこともある。
【0006】
そこで、特許文献1のように、ワークにおける口部の端面に、ゴムシール部材を押しつけない装置が開発されている。この装置は、厚肉円筒のゴムシール部材の筒内部に、ワークの口部を通した上で、このゴムシール部材を軸方向に圧縮させることで弾性変形させ、変形したゴムシール部材の筒内壁で、口部の外周側面に圧接して、開孔を封止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3282891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この装置は、リークテスト中、ゴムシール部材を口部の軸方向のみに沿って継続的に押さえ続けなくてはならない上、厚肉円筒のゴムシール部材を圧縮変形させなくてはならないので、多大な力を要する。そのために、この装置は、複雑かつハイパワータイプなクランプ機構を含まなくてはならない。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、簡易かつローパワータイプの機構を含みながらも、正確にリークテストを行えるようにしたリークテスト装置に適したシールキット等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
シールキットは、容器のリークテストのために、その容器の開孔を封止する栓を含む。そして、この栓は、開孔の開孔面に対して交差する方向に沿う押さえる力により、開孔の外縁または開孔の内縁に係り合い、その開孔に通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力の消滅後も係り合いを維持する係合部を含む。
【0011】
このようになっていると、栓を押さえる力を継続的に供給されることに起因した栓の圧縮変形で、開孔が封止されていない。そのため、このシールキットを搭載するリークテスト装置において、栓を押さえる力を供給する機構等は、簡易かつローパワータイプで構わない。その上、このリークテスト装置では、開孔を栓で塞ぐために、一旦、栓を押さえる力が必要なものの、開孔を継続して塞いでおくために、この押さえる力は不要になる。そのため、栓を押さえる力に起因して、容器が変形したとしても、この押さえる力が消滅すれば、変形した容器は復元し、所定の容器体積に基づいて、正確なリークテストが行える。
【0012】
なお、一例として挙げられる栓は、係合部となる窪みを有しており、この窪みは、開孔の外縁の形状に相似な形状を自身の内縁の形状として含みつつ、自身の底に進むにつれて先細りしている。
【0013】
また、別の一例として挙げられる栓は、錐体で、係合部となる外縁を有しており、外縁は、開孔の内縁の形状に相似な形状を含む。
【0014】
また、栓は、容器に対する外内に流体を導く通路を含んでいても構わない。
【0015】
また、シールキットには、栓を押さえる力を供給するアクチュエータが含まれており、このアクチュエータは、栓につながれるロッドを有するとともに、ロッドを、往動、復動、または無負荷状態に切替えられるエア回路ユニットを含むと好ましい。
【0016】
なお、以上のシールキットを含むリークテスト装置も本発明といえる。
【0017】
また、栓を用いて、開孔を有する容器のリークテストを行うリークテスト方法では、開孔の開孔面に対して交差する方向に沿う押さえる力で開孔の外縁または開孔の内縁に係り合う栓により、開孔に通じる流体の流れを封止させる封止工程と、上記の係り合い状態を維持させたままで、栓を押さえる力を消滅させる消滅工程と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明のシールキットであれば、それを搭載するリークテスト装置は、簡易かつローパワータイプの機構を含みながらも、正確にリークテストを行える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】は、ワーク封止キットの栓を拡大図示した斜視図である。
【図2】は、検査対象用のワークが、ワーク封止キットにて封止されている状態を示す斜視図である。
【図3】は、検査対象用のワークが、ワーク封止キットにて封止されていない状態を示す斜視図である。
【図4】は、ワーク封止キットにおけるアクチュエータを示す断面図である。
【図5】における(A)〜(C)は、アクチュエータによって移動する栓を、段階的に示す断面図である。
【図6】における(A)〜(C)は、径の異なる開孔を封止する同一の栓を示す断面図である。
【図7】は、リークテスト装置のブロック図である。
【図8】は、ワークの斜視図である。
【図9】は、封止された状態を示すワークの斜視図である。
【図10】は、縦軸圧力、横軸時間、としたグラフで、(B)は検査対象用のワークの圧力変位を示すグラフで、(C)は比較用のワークの圧力変位を示すグラフで、(A)は、(B)と(C)とを重ね合わせるとともに、差圧を示すグラフである。
【図11】は、ワーク封止キットの栓を拡大図示した斜視図である。
【図12】における(A)〜(C)は、アクチュエータによって移動する栓を、段階的に示す断面図である。
【図13】は、検査対象用のワークが、アクチュエータと配管とに連なる栓で封止されている状態を示す斜視図である。
【図14】は、通路を含む栓と配管とを示す断面図である。
【図15】は、通路を含む栓と配管とを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。逆に、便宜上、断面図でなくてもハッチングを使用することもある。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
【0021】
図7は、リークテスト装置59を示すブロック図である。このリークテスト装置59は、図8に示すようなワーク49と称される口部41(41A〜41C)を有する容器に、洩れの原因となる欠損(割れ等)の有無を確認する(なお、口部41の形状の一例としては、円筒のような筒が挙げられる)。
【0022】
なお、図7では、検査対象となるワーク49Pと、このワーク49Pに対する検査(リークテスト)のために用いる比較用ワーク49Qと、を用いたリークテスト装置59が、一例として図示されているが、これに限定されるものではない。また、図8に示されるワーク49も一例である。
【0023】
リークテスト装置59は、図7に示すように、2つのワーク封止キット51(51P・51Q)、圧縮エア供給源52、配管53(53P・53Q・53R)、電磁弁54(54P・54Q)、および差圧計55、を含む。
【0024】
ワーク封止キット51は、ワーク49の口部41を封止する種々部材の集合体である。例えば、図9に示すように、欠損の無いことを確認された比較用のワーク49Qは、3つの口部41(41A〜41C)が栓SR(SR1〜SR3)で塞がれる。すなわち、3つの栓SR1〜SR3が、ワーク封止キット51Qと称されてもよい。ただし、圧縮エアがワーク49Qに流れ込むように、口部41Cを塞ぐ栓SR3には、配管53がつなげられる(なお、栓SR1は口部41Aの開孔OPを完全に塞ぎ、栓SR2は口部41Bの開孔OPを完全に塞ぐ)。
【0025】
一方、検査対象用のワーク49Pも、図2に示すように、3つの口部41(41A〜41C)が栓SR(SR4〜SR6)で塞がれる。詳説すると、栓SR6は、図9における栓SR3同様に、配管53をつなげられた栓であり、栓SR5は、図9における栓SR2同様に、配管53をつなげられていない栓である。そして、栓SR4は、アクチュエータ29につなげられている。この栓SR4およびアクチュエータ29を含むワーク封止キット51Pに関しては後述する(なお、栓SR4は口部41Aの開孔OPを完全に塞ぎ、栓SR5は口部41Bの開孔OPを完全に塞ぐ)。
【0026】
圧縮エア供給源52は、空気を圧縮して、ワーク49に供給するものである。なお、流体の例としては、エアを挙げているが、これに限定されるものではなく、その他の流体(チッソ等の気体)であっても構わない。
【0027】
配管53は、圧縮エア供給源52から検査対象用のワーク49Pまで、圧縮エア供給源52から比較用のワーク49Qまで、さらには、ワーク49Pからワーク49Qまでに、圧縮エアを流せるようにするものである(例えば、弾性材料で形成されたチューブが挙げられる)。つまり、配管53は、圧縮エア供給源52、ワーク49P、およびワーク49Qを環状につなげ、これら部材に圧縮エアを流せるようにする。
【0028】
なお、便宜上、圧縮エア供給源52とワーク49Pとの間に介在する配管53を配管53P、圧縮エア供給源52とワーク49Qとの間に介在する配管53を配管53Q、ワーク49Pとワーク49Qとの間に介在する配管53を配管53R、と称することがある。
【0029】
電磁弁54は、配管53に取り付けられ、弁を開閉することで、この配管53に流れる圧縮エアの流れを制御するものである。なお、配管53Pに取り付けられた電磁弁54を電磁弁54P、配管53Qに取り付けられた電磁弁54を電磁弁54Q、と称することがある。
【0030】
差圧計55は、配管53Rに絞り(不図示)を入れることで、絞り前後の差圧を測定する計器である。すなわち、差圧計55は、配管53Rに取り付けられることで、ワーク49Pにおける圧力とワーク49Qにおける圧力との差を測定する。
【0031】
そして、以上のようなリークテスト装置59は、以下のようにしてリークテストを行う。
【0032】
なお、理解を容易にすべく、横軸に時間、縦軸にワーク49の圧力としたグラフを図10A〜図10Cに示す。なお、図10Bはワーク49Pの圧力変化を示したグラフで、図10Cはワーク49Qの圧力変化を示したグラフで、図10Aは図10Bと図10Cとを重ね合わせたグラフである(図10Aでは、便宜上、グラフ線が完全重複する場合、若干、グラフ線をずらして図示する)。
【0033】
まず、電磁弁54P・54Qが開き、圧縮エア供給源52から定圧の圧縮エアが、配管53P・53Qを通じて、ワーク49P・49Qに流れ込む。そして、圧縮エアに対するワーク49P・49Qの形状の安定化、および、断熱変化によって変化したワーク49P・49Q内部のエア温度の安定化、のために、圧縮エア供給源52の不図示のバルブが開いたまま、一定時間放置される(なお、このように、圧縮エアがワーク49P・49Qに供給される工程を加圧工程、この加圧工程に要する時間を加圧時間、と称する)。
【0034】
次に、圧縮エア供給源52のバルブが閉じられ、さらに、電磁弁54P・54Qも閉じられる。そして、電磁弁54P・54Qの閉動作に起因するワーク49P・49Qの圧力変化が安定化するまで、一定時間放置される(なお、このように電磁弁54P・54Q等を閉鎖した後に放置する工程を平衡工程、平衡工程に要する時間を平衡時間、と称する)。
【0035】
さらに、平衡時間の経過後、さらに別の一定時間の経過が計測される(この一定時間を検出経過時間と称する)。そして、検出経過時間経過時の差圧が測定される(この差圧を判定差圧と称するとともに、検出経過時間を経て判定差圧を測定する判定工程と称する)。判定差圧が特定されると、その判定差圧が所定の閾値(閾となる差圧の値)を越えるか否かが判断される。そして、判定差圧が閾値を越える場合、ワーク49Pには欠損がある(すなわちリークが有る)と判定され、判定差圧が閾値を越え無い場合、ワーク49Pには欠損が無い(すなわちリークが無い)と判定される。
【0036】
ここで、ワーク封止キット51P[シールキット]に含まれる栓SR4およびアクチュエータ29について、図1〜図6を用いて詳説する。
【0037】
栓SR4は、図1に示すように、ワーク49Pのリークテストのために、そのワーク49Pの口部41Aに係り合うことで、その口部41Aに形成される開孔OPを封止するもので、本体11とその本体11の内部に形成される窪み[係合部]12とを含む。
【0038】
本体11は、例えば、外周面11Sと底面11Bとを有する柱(円柱等)で、ゴムまたは樹脂等の弾性材料で形成される。
【0039】
窪み12は、本体11の表面(例えば、底面11Bの反対面)から内部に向けて入り込んでおり、入口12Pを開孔OPの外縁(別表現すると、口部41Aにおける先端の外周囲面積)よりも大きくする一方、内底12Bを開孔OPの外縁よりも小さくする。
【0040】
すなわち、窪み12は、内底12Bに向かうにつれて先細りした形状(テーパ状)である。また、窪み12の入り込み方向の深さは、口部41Aの全長、すなわち、開孔OPの面に対して交差(直交等)する方向における口部41Aの長さ、よりも短いと好ましい。
【0041】
なお、便宜上、本体11に対する窪み12の入り込み方向をX方向、このX方向に対して交差(直交等)する面方向をYZ面方向、と称する(例えば、図1の栓SR4では、X方向が本体11の軸方向と一致し、YZ面方向が本体11の底面11Bおよび口部41Aにおける開孔OPの面方向と一致する)。
【0042】
アクチュエータ29は、図2および図3に示すように、栓SR4を移動させる装置である。アクチュエータ29は、エアシリンダー21と、エアシリンダー21に対してエアを供給するエア回路ユニット26と、を含む。
【0043】
エアシリンダー21は、図4の断面図に示すように、筒状の中空22に、ロッド23を備えるピストン24を取り付けており、ロッド23を往動、復動、または無負荷状態にさせる機構を含む。なお、ロッド23の先端は、栓SR4の底面11Bにつなげられる。
【0044】
エア回路ユニット26は、エアを供給するエア供給源27、エア供給源27につなげられることでエアを流す配管28A、エアシリンダー21の中空22に連なる2つの通気口22(22B・22C)に取り付けられる配管28B・28C、および、配管28Aからのエアの流れを調整する電磁弁(例えば、5ポート3位電磁弁)VEを、含む。
【0045】
そして、このアクチュエータ29によって、栓SR4は、ワーク49Pの口部41Aに着脱される。この着装動作について、図4および図5A〜図5Cを用いて説明する{なお、便宜上、ワーク49Pの長手方向をY方向、X方向とY方向とに交差(直交等)する方向をZ方向、とする}。
【0046】
図5Aは、エア供給源27からのエアが、電磁弁VEによって配管28Bに流され、通気口(例えば、ロッド23を往動のためにエアを導入させるための通気口)22Bを通じて中空22に入った場合に、ロッド23が動く状態を示す。詳説すると、図5Aは、白色矢印の示すように、ロッド23がワーク49Pの口部41Aに近づいていく往動状態を示す(なお、YZ面方向における栓SR4の窪み12と口部41Aとの位置合わせは、予め高精度に設定されている)。
【0047】
図5Bは、ロッド23が口部41Aに向かって進行することで、栓SR4の窪み12が、口部41Aの開孔OPを覆うとともに、口部41Aの先端付近を覆う状態を示す。窪み12は、開孔OPの外縁の形状に相似な形状を自身の内縁12Sの形状として含みつつ、自身の底に進むにつれて先細りしている{なお、別表現すると、内縁12Sは、栓SR4の内面であり、内縁12Sの形状は、窪み12の入り込み方向に対する交差面(直交面等)における形状を意味する}。
【0048】
そのため、窪み12内に、口部41Aが入り込んでいくと、窪み12の内縁12Sと口部41Aの先端における外周部分(開孔OPの外縁)とが接触する。このような接触が生じ、栓SR4が弾性変形する場合、開孔OPの外縁には、口部41Aの先端から根元に至る方向(X方向)に押さえられる力PW1がかかるとともに、開孔OPの外縁を締め付ける力PW2がかかる(別表現すると、力PW2は、開孔OPの外縁から開孔OPの開孔面の中心に向かう逆放射方向に押さえつけられる力である)。
【0049】
図5Cは、電磁弁VEが、配管28B・28Cを外気に通じさせることで、ピストン24に与えられていた負荷を消滅させた状態を示す。すなわち、ピストン24に負荷がかからないことで、ロッド23が不動な状態(無負荷状態)を、図5Cは示す。
【0050】
そして、このようなロッド23につなげられた栓SR4は、窪み12の内縁12Sと口部41Aの先端における開孔OPの外縁とを接触させた状態にさせているものの、開孔OPの外縁に、力PW1をかけない。すなわち、開孔OPの外縁には、その外縁を締め付ける力PW2しかかからない。しかしながら、力PW2が開孔OPの外縁にかかることで、栓SR4の窪み12は、開孔OPの外縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れ(ワーク49P内部から外部への流体の流れ)を封止する。
【0051】
要は、開孔OPを塞ぐ栓SR4は、開孔OPの開孔面に対して交差するX方向等に沿う押さえる力PW1により、開孔OPの外縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力PW1の消滅後も係り合いを維持する(なお、力PW1で、開孔OPの外縁に係り合う栓SR4により、開孔OPに通じる流体の流れを封止させる工程を、封止工程と称し、栓SR4と開孔OPの外縁との係り合い状態を維持させたままで、栓SR4を押さえる力である力PW1を消滅させる工程を、消滅工程と称する)。
【0052】
このようになっていると、栓SR4を押さえる力を継続的に供給されることに起因した栓SR4の圧縮変形で、開孔OPが封止されていないので、かかる力を供給する装置(機構)は、簡易かつローパワータイプで構わない。例えば、上述してきたエアシリンダー21を含むアクチュエータ29であって構わない。
【0053】
また、アクチュエータ29のような移動装置は1台でワーク49Pを封止するので、複数の移動装置が不要になる。そのため、リークテスト装置59は、構成が簡素化された構成となるだけでなく、部品点数の抑制によって、リークテスト装置59のコストも抑えられる。
【0054】
その上、このような栓SR4が口部41Aに取り付けられる場合に、力PW1が開孔OPの外縁にかかることに起因して、ワーク49Pが変形したとしても、力PW1は後に消滅(解放)されることから、変形したワーク49Pは変形前の状態に復元する。そのため、所定のワーク49Pの容器体積に基づいて、正確なリークテストが行える。
【0055】
また、力PW1が開孔OPの外縁にかかっていると、ワーク49Pに存在した欠損がそのワーク49Pの変形によって塞がれ、正確なリークテストが行えない場合があるが、栓SR4を用い、かつ消滅工程において力PW1を消滅させれば、このような問題は起きない。
【0056】
また、栓SR4は、図6A〜6Cに示すように(なお、図6Aは図5Cと同図で、図6Bの開孔OPは図6Aの開孔OPよりも大きく、図6Cの開孔OPは図6Aの開孔OPよりも小さい)、開孔OPの大きさ、詳説すると、開孔OPの外縁が種々異なっていても、同一の栓SR4で、リークテストが行える。要は、開孔OPの大きさに合わせて、栓SR4を交換することなく、リークテストが行える(汎用性の高い栓SR4といえる)。
【0057】
なお、開孔OPの外縁が、窪み12における最小内縁(例えば、内底12Bの周縁)から最大内縁の範囲(例えば、入口12Pの周縁)に収まる大きさでなければ、そのような外縁を有する口部41Aに、栓SR4が使用できないことは、言うまでもない。
【0058】
また、図示されていないが、エア供給源27からのエアが、電磁弁VEによって配管28Cに流され、通気口(例えば、ロッド23を復動のためにエアを導入させるための通気口)22Cを通じて中空22に入った場合に、ロッド23、ひいては栓SR4は、口部41Aから乖離する。
【0059】
[実施の形態2]
実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その部材の種々説明を省略する。
【0060】
実施の形態1では、栓SR4は、窪み12を有し、その窪み12の内面12Sが変形することで、ワーク49Pの口部41Aに係り合い、開孔OPが封止されていた。しかし、栓SR4の形状は、窪み12を有する栓SR4に限定されるものではない。
【0061】
例えば、図11に示すように、栓SR4は、錐体で、外縁[係合部]13Sを有しており、この外縁13Sが、開孔OPの内縁の形状に相似な形状を含んでいてもよい{なお、別表現すると、外縁13Sは、栓SR4の表面であり、外縁13Sの形状は、錐体の軸方向に対する交差面(直交面等)における形状を意味する}。
【0062】
このような栓SR4であっても、図12Aに示すように、ロッド23の先端に、錐体の栓SR4の外底13Bがつながっていると、ロッド23の動きによって、ワーク49Pの開孔OPを封止できる。
【0063】
詳説すると、エア供給源27からのエアが、電磁弁VEによって配管28Bに流され、通気口22Bを通じて中空22に入った場合に、図12Aの白色矢印の示すように、ロッド23がワーク49Pの口部41Aに近づいていく。
【0064】
そして、ロッド23が口部41Aに向かって進行することで、図12Bに示すように、栓SR4の外縁13Sが、開孔OPに嵌るとともに、その開孔OPの内縁を塞ぐ(なお、錐体の栓SR4の先端面13Tの周縁は、開孔OPの内縁よりも小さい一方、栓SR4の外底13Bの周縁は開孔OPの内縁よりも大きい)。
【0065】
このように、栓SR4が開孔OPを塞ぐと、栓SR4の外縁13Sと開孔OPの内縁とが接触する。このような接触が生じ、栓SR4が弾性変形する場合、開孔OPの内縁には、口部41Aの先端から根元に至る方向(X方向)に押さえられる力PW1がかかるとともに、開孔OPの内縁を押し広げる力PW3がかかる(別表現すると、力PW3は、開孔OPの中心に開孔OPの内縁に向かう放射方向に押し広げる力である)。
【0066】
この後、電磁弁VEが、配管28B・28Cを外気に通じさせることで、ピストン24に与えられていた負荷が消滅し、図12Cに示すように、ピストン24に負荷がかからないことで、ロッド23が不動な状態(無負荷状態)になる。
【0067】
そして、このようなロッド23につなげられた栓SR4は、自身の外縁13Sと、開孔OPの内縁とを接触させた状態にさせているものの、開孔OPの内縁に、力PW1をかけない。すなわち、開孔OPの内縁には、その内縁を押し広げる力PW3しかかからない。しかしながら、力PW3が開孔OPの内縁にかかることで、栓SR4の外縁13Sは、開孔OPの内縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れを封止する。
【0068】
要は、開孔OPを塞ぐ栓SR4は、開孔OPの開孔面に対して交差するX方向等に沿う押さえる力PW1により、開孔OPの内縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力PW1の消滅後も係り合いを維持する(なお、力PW1で、開孔OPの内縁に係り合う栓SR4により、開孔OPに通じる流体の流れを封止させる工程を、封止工程と称し、栓SR4と開孔OPの内縁との係り合い状態を維持させたままで、栓SR4を押さえる力である力PW1を消滅させる工程を、消滅工程と称する)。
【0069】
そして、このような栓SR4が口部41Aに取り付けられる場合、実施の形態1で説明した栓SR4と同様の作用効果が奏ずる。
【0070】
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0071】
例えば、リークテスト装置59に装着されたワーク49Pへのエア供給は、図2および図3に示すように、栓SR6につなげられた配管53を流れるエアが進入していた。しかし、これに限定されるものではない。
【0072】
例えば、図13および図14に示すように、栓SR4に配管53がつなげられていても構わない。詳説すると、栓SR4の窪み12に連なるとともに、栓SR4の外周面11Sにも連なる空洞で、通路15が形成され(要は、ワーク49Pに対する外内に流体を導く通路15が栓SR4に形成され)、その通路15に、配管53がつなげられていても構わない。もちろん、図15に示すように、錐体の栓SR4にて、錐体の先端面13Tに連なるとともに、栓SR4の外縁13Sにも連なる空洞で、通路15が形成されていても構わない。
【0073】
また、エア回路ユニット26における電磁弁VEとしては、図4に示すように、5ポート3位電磁弁が挙げられているが、これに限定されることはなく、その他の弁であっても構わない。
【0074】
なお、ワーク49Pの内圧によって、開孔OPの外縁または内縁に係り合う栓SR4が外れることのないように、栓SR4と開孔OPの外縁または内縁との摩擦力が、ワーク49Pの内圧に勝るように、設定されている。
【符号の説明】
【0075】
SR 栓
11 栓の本体
11B 栓の底面
11S 栓の外周面
12 栓の窪み[係合部]
12P 窪みの入口
12B 窪みの内底
12S 窪みの内縁
13 栓の本体
13S 栓の外縁[係合部]
13B 栓の外底
13T 栓の先端面
15 通路
21 エアシリンダー
22 エアシリンダーの中空
23 ロッド
24 ピストン
26 エア回路ユニット
27 エア供給源
28 配管
29 アクチュエータ
41 口部
OP ワークの開孔
49 ワーク[容器]
51 ワーク封止キット
51P ワーク封止キット[シールキット]
51Q ワーク封止キット
52 圧縮エア供給源
53 配管
54 電磁弁
55 差圧計
59 リークテスト装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールキット、それを搭載するリークテスト装置、およびリークテスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークと称される容器の洩れ検査(リークテスト)では、通常、ワークに形成される開孔より、圧縮エアがそのワーク内に封入され、ワーク内の圧力低下の有無で、洩れの有無が判断される。そのため、ワークの開孔は、シール等で封止されたり、圧縮エアの封入口を接続されたりするが、シール箇所または封入口の接続部にて、洩れがあると、正確にリークテストができない。
【0003】
そのため、開孔は、洩れの無いように封止されなくてはならず、例えば、Oリング等のゴムシール材が、開孔を含む口部(例えば、筒状の部材)の端面に押し付けられることで、ワークのシール性(密封性)が担保される。ただし、このような場合、ゴムシール材を押し付ける力は、筒状の口部の軸方向対して作用し、口部を通じて、ワークの本体部にまで力が伝達する。
【0004】
すると、ワークが弾性体で薄肉低強度の場合、この伝達した力で、ワーク自体が弾性変形を起こし、これに起因して、ワークの容積が変化しかねない。そして、このように容積が変化してしまうと、内封されているエアの圧力も変化するため、正確な圧力低下が検知されず、リークテストの精度が低下する。
【0005】
また、ゴムシール材を押し付ける力が、ワークにおける壁面の繋ぎ目等、洩れ(割れ等)を起こしやすい易い箇所を塞ぐように作用した場合、洩れの箇所を有するワークであっても、内封されているエアの圧力に変化が生じず、そのワークが良品と誤判定されてしまうこともある。
【0006】
そこで、特許文献1のように、ワークにおける口部の端面に、ゴムシール部材を押しつけない装置が開発されている。この装置は、厚肉円筒のゴムシール部材の筒内部に、ワークの口部を通した上で、このゴムシール部材を軸方向に圧縮させることで弾性変形させ、変形したゴムシール部材の筒内壁で、口部の外周側面に圧接して、開孔を封止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3282891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この装置は、リークテスト中、ゴムシール部材を口部の軸方向のみに沿って継続的に押さえ続けなくてはならない上、厚肉円筒のゴムシール部材を圧縮変形させなくてはならないので、多大な力を要する。そのために、この装置は、複雑かつハイパワータイプなクランプ機構を含まなくてはならない。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、簡易かつローパワータイプの機構を含みながらも、正確にリークテストを行えるようにしたリークテスト装置に適したシールキット等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
シールキットは、容器のリークテストのために、その容器の開孔を封止する栓を含む。そして、この栓は、開孔の開孔面に対して交差する方向に沿う押さえる力により、開孔の外縁または開孔の内縁に係り合い、その開孔に通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力の消滅後も係り合いを維持する係合部を含む。
【0011】
このようになっていると、栓を押さえる力を継続的に供給されることに起因した栓の圧縮変形で、開孔が封止されていない。そのため、このシールキットを搭載するリークテスト装置において、栓を押さえる力を供給する機構等は、簡易かつローパワータイプで構わない。その上、このリークテスト装置では、開孔を栓で塞ぐために、一旦、栓を押さえる力が必要なものの、開孔を継続して塞いでおくために、この押さえる力は不要になる。そのため、栓を押さえる力に起因して、容器が変形したとしても、この押さえる力が消滅すれば、変形した容器は復元し、所定の容器体積に基づいて、正確なリークテストが行える。
【0012】
なお、一例として挙げられる栓は、係合部となる窪みを有しており、この窪みは、開孔の外縁の形状に相似な形状を自身の内縁の形状として含みつつ、自身の底に進むにつれて先細りしている。
【0013】
また、別の一例として挙げられる栓は、錐体で、係合部となる外縁を有しており、外縁は、開孔の内縁の形状に相似な形状を含む。
【0014】
また、栓は、容器に対する外内に流体を導く通路を含んでいても構わない。
【0015】
また、シールキットには、栓を押さえる力を供給するアクチュエータが含まれており、このアクチュエータは、栓につながれるロッドを有するとともに、ロッドを、往動、復動、または無負荷状態に切替えられるエア回路ユニットを含むと好ましい。
【0016】
なお、以上のシールキットを含むリークテスト装置も本発明といえる。
【0017】
また、栓を用いて、開孔を有する容器のリークテストを行うリークテスト方法では、開孔の開孔面に対して交差する方向に沿う押さえる力で開孔の外縁または開孔の内縁に係り合う栓により、開孔に通じる流体の流れを封止させる封止工程と、上記の係り合い状態を維持させたままで、栓を押さえる力を消滅させる消滅工程と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明のシールキットであれば、それを搭載するリークテスト装置は、簡易かつローパワータイプの機構を含みながらも、正確にリークテストを行える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】は、ワーク封止キットの栓を拡大図示した斜視図である。
【図2】は、検査対象用のワークが、ワーク封止キットにて封止されている状態を示す斜視図である。
【図3】は、検査対象用のワークが、ワーク封止キットにて封止されていない状態を示す斜視図である。
【図4】は、ワーク封止キットにおけるアクチュエータを示す断面図である。
【図5】における(A)〜(C)は、アクチュエータによって移動する栓を、段階的に示す断面図である。
【図6】における(A)〜(C)は、径の異なる開孔を封止する同一の栓を示す断面図である。
【図7】は、リークテスト装置のブロック図である。
【図8】は、ワークの斜視図である。
【図9】は、封止された状態を示すワークの斜視図である。
【図10】は、縦軸圧力、横軸時間、としたグラフで、(B)は検査対象用のワークの圧力変位を示すグラフで、(C)は比較用のワークの圧力変位を示すグラフで、(A)は、(B)と(C)とを重ね合わせるとともに、差圧を示すグラフである。
【図11】は、ワーク封止キットの栓を拡大図示した斜視図である。
【図12】における(A)〜(C)は、アクチュエータによって移動する栓を、段階的に示す断面図である。
【図13】は、検査対象用のワークが、アクチュエータと配管とに連なる栓で封止されている状態を示す斜視図である。
【図14】は、通路を含む栓と配管とを示す断面図である。
【図15】は、通路を含む栓と配管とを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。逆に、便宜上、断面図でなくてもハッチングを使用することもある。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
【0021】
図7は、リークテスト装置59を示すブロック図である。このリークテスト装置59は、図8に示すようなワーク49と称される口部41(41A〜41C)を有する容器に、洩れの原因となる欠損(割れ等)の有無を確認する(なお、口部41の形状の一例としては、円筒のような筒が挙げられる)。
【0022】
なお、図7では、検査対象となるワーク49Pと、このワーク49Pに対する検査(リークテスト)のために用いる比較用ワーク49Qと、を用いたリークテスト装置59が、一例として図示されているが、これに限定されるものではない。また、図8に示されるワーク49も一例である。
【0023】
リークテスト装置59は、図7に示すように、2つのワーク封止キット51(51P・51Q)、圧縮エア供給源52、配管53(53P・53Q・53R)、電磁弁54(54P・54Q)、および差圧計55、を含む。
【0024】
ワーク封止キット51は、ワーク49の口部41を封止する種々部材の集合体である。例えば、図9に示すように、欠損の無いことを確認された比較用のワーク49Qは、3つの口部41(41A〜41C)が栓SR(SR1〜SR3)で塞がれる。すなわち、3つの栓SR1〜SR3が、ワーク封止キット51Qと称されてもよい。ただし、圧縮エアがワーク49Qに流れ込むように、口部41Cを塞ぐ栓SR3には、配管53がつなげられる(なお、栓SR1は口部41Aの開孔OPを完全に塞ぎ、栓SR2は口部41Bの開孔OPを完全に塞ぐ)。
【0025】
一方、検査対象用のワーク49Pも、図2に示すように、3つの口部41(41A〜41C)が栓SR(SR4〜SR6)で塞がれる。詳説すると、栓SR6は、図9における栓SR3同様に、配管53をつなげられた栓であり、栓SR5は、図9における栓SR2同様に、配管53をつなげられていない栓である。そして、栓SR4は、アクチュエータ29につなげられている。この栓SR4およびアクチュエータ29を含むワーク封止キット51Pに関しては後述する(なお、栓SR4は口部41Aの開孔OPを完全に塞ぎ、栓SR5は口部41Bの開孔OPを完全に塞ぐ)。
【0026】
圧縮エア供給源52は、空気を圧縮して、ワーク49に供給するものである。なお、流体の例としては、エアを挙げているが、これに限定されるものではなく、その他の流体(チッソ等の気体)であっても構わない。
【0027】
配管53は、圧縮エア供給源52から検査対象用のワーク49Pまで、圧縮エア供給源52から比較用のワーク49Qまで、さらには、ワーク49Pからワーク49Qまでに、圧縮エアを流せるようにするものである(例えば、弾性材料で形成されたチューブが挙げられる)。つまり、配管53は、圧縮エア供給源52、ワーク49P、およびワーク49Qを環状につなげ、これら部材に圧縮エアを流せるようにする。
【0028】
なお、便宜上、圧縮エア供給源52とワーク49Pとの間に介在する配管53を配管53P、圧縮エア供給源52とワーク49Qとの間に介在する配管53を配管53Q、ワーク49Pとワーク49Qとの間に介在する配管53を配管53R、と称することがある。
【0029】
電磁弁54は、配管53に取り付けられ、弁を開閉することで、この配管53に流れる圧縮エアの流れを制御するものである。なお、配管53Pに取り付けられた電磁弁54を電磁弁54P、配管53Qに取り付けられた電磁弁54を電磁弁54Q、と称することがある。
【0030】
差圧計55は、配管53Rに絞り(不図示)を入れることで、絞り前後の差圧を測定する計器である。すなわち、差圧計55は、配管53Rに取り付けられることで、ワーク49Pにおける圧力とワーク49Qにおける圧力との差を測定する。
【0031】
そして、以上のようなリークテスト装置59は、以下のようにしてリークテストを行う。
【0032】
なお、理解を容易にすべく、横軸に時間、縦軸にワーク49の圧力としたグラフを図10A〜図10Cに示す。なお、図10Bはワーク49Pの圧力変化を示したグラフで、図10Cはワーク49Qの圧力変化を示したグラフで、図10Aは図10Bと図10Cとを重ね合わせたグラフである(図10Aでは、便宜上、グラフ線が完全重複する場合、若干、グラフ線をずらして図示する)。
【0033】
まず、電磁弁54P・54Qが開き、圧縮エア供給源52から定圧の圧縮エアが、配管53P・53Qを通じて、ワーク49P・49Qに流れ込む。そして、圧縮エアに対するワーク49P・49Qの形状の安定化、および、断熱変化によって変化したワーク49P・49Q内部のエア温度の安定化、のために、圧縮エア供給源52の不図示のバルブが開いたまま、一定時間放置される(なお、このように、圧縮エアがワーク49P・49Qに供給される工程を加圧工程、この加圧工程に要する時間を加圧時間、と称する)。
【0034】
次に、圧縮エア供給源52のバルブが閉じられ、さらに、電磁弁54P・54Qも閉じられる。そして、電磁弁54P・54Qの閉動作に起因するワーク49P・49Qの圧力変化が安定化するまで、一定時間放置される(なお、このように電磁弁54P・54Q等を閉鎖した後に放置する工程を平衡工程、平衡工程に要する時間を平衡時間、と称する)。
【0035】
さらに、平衡時間の経過後、さらに別の一定時間の経過が計測される(この一定時間を検出経過時間と称する)。そして、検出経過時間経過時の差圧が測定される(この差圧を判定差圧と称するとともに、検出経過時間を経て判定差圧を測定する判定工程と称する)。判定差圧が特定されると、その判定差圧が所定の閾値(閾となる差圧の値)を越えるか否かが判断される。そして、判定差圧が閾値を越える場合、ワーク49Pには欠損がある(すなわちリークが有る)と判定され、判定差圧が閾値を越え無い場合、ワーク49Pには欠損が無い(すなわちリークが無い)と判定される。
【0036】
ここで、ワーク封止キット51P[シールキット]に含まれる栓SR4およびアクチュエータ29について、図1〜図6を用いて詳説する。
【0037】
栓SR4は、図1に示すように、ワーク49Pのリークテストのために、そのワーク49Pの口部41Aに係り合うことで、その口部41Aに形成される開孔OPを封止するもので、本体11とその本体11の内部に形成される窪み[係合部]12とを含む。
【0038】
本体11は、例えば、外周面11Sと底面11Bとを有する柱(円柱等)で、ゴムまたは樹脂等の弾性材料で形成される。
【0039】
窪み12は、本体11の表面(例えば、底面11Bの反対面)から内部に向けて入り込んでおり、入口12Pを開孔OPの外縁(別表現すると、口部41Aにおける先端の外周囲面積)よりも大きくする一方、内底12Bを開孔OPの外縁よりも小さくする。
【0040】
すなわち、窪み12は、内底12Bに向かうにつれて先細りした形状(テーパ状)である。また、窪み12の入り込み方向の深さは、口部41Aの全長、すなわち、開孔OPの面に対して交差(直交等)する方向における口部41Aの長さ、よりも短いと好ましい。
【0041】
なお、便宜上、本体11に対する窪み12の入り込み方向をX方向、このX方向に対して交差(直交等)する面方向をYZ面方向、と称する(例えば、図1の栓SR4では、X方向が本体11の軸方向と一致し、YZ面方向が本体11の底面11Bおよび口部41Aにおける開孔OPの面方向と一致する)。
【0042】
アクチュエータ29は、図2および図3に示すように、栓SR4を移動させる装置である。アクチュエータ29は、エアシリンダー21と、エアシリンダー21に対してエアを供給するエア回路ユニット26と、を含む。
【0043】
エアシリンダー21は、図4の断面図に示すように、筒状の中空22に、ロッド23を備えるピストン24を取り付けており、ロッド23を往動、復動、または無負荷状態にさせる機構を含む。なお、ロッド23の先端は、栓SR4の底面11Bにつなげられる。
【0044】
エア回路ユニット26は、エアを供給するエア供給源27、エア供給源27につなげられることでエアを流す配管28A、エアシリンダー21の中空22に連なる2つの通気口22(22B・22C)に取り付けられる配管28B・28C、および、配管28Aからのエアの流れを調整する電磁弁(例えば、5ポート3位電磁弁)VEを、含む。
【0045】
そして、このアクチュエータ29によって、栓SR4は、ワーク49Pの口部41Aに着脱される。この着装動作について、図4および図5A〜図5Cを用いて説明する{なお、便宜上、ワーク49Pの長手方向をY方向、X方向とY方向とに交差(直交等)する方向をZ方向、とする}。
【0046】
図5Aは、エア供給源27からのエアが、電磁弁VEによって配管28Bに流され、通気口(例えば、ロッド23を往動のためにエアを導入させるための通気口)22Bを通じて中空22に入った場合に、ロッド23が動く状態を示す。詳説すると、図5Aは、白色矢印の示すように、ロッド23がワーク49Pの口部41Aに近づいていく往動状態を示す(なお、YZ面方向における栓SR4の窪み12と口部41Aとの位置合わせは、予め高精度に設定されている)。
【0047】
図5Bは、ロッド23が口部41Aに向かって進行することで、栓SR4の窪み12が、口部41Aの開孔OPを覆うとともに、口部41Aの先端付近を覆う状態を示す。窪み12は、開孔OPの外縁の形状に相似な形状を自身の内縁12Sの形状として含みつつ、自身の底に進むにつれて先細りしている{なお、別表現すると、内縁12Sは、栓SR4の内面であり、内縁12Sの形状は、窪み12の入り込み方向に対する交差面(直交面等)における形状を意味する}。
【0048】
そのため、窪み12内に、口部41Aが入り込んでいくと、窪み12の内縁12Sと口部41Aの先端における外周部分(開孔OPの外縁)とが接触する。このような接触が生じ、栓SR4が弾性変形する場合、開孔OPの外縁には、口部41Aの先端から根元に至る方向(X方向)に押さえられる力PW1がかかるとともに、開孔OPの外縁を締め付ける力PW2がかかる(別表現すると、力PW2は、開孔OPの外縁から開孔OPの開孔面の中心に向かう逆放射方向に押さえつけられる力である)。
【0049】
図5Cは、電磁弁VEが、配管28B・28Cを外気に通じさせることで、ピストン24に与えられていた負荷を消滅させた状態を示す。すなわち、ピストン24に負荷がかからないことで、ロッド23が不動な状態(無負荷状態)を、図5Cは示す。
【0050】
そして、このようなロッド23につなげられた栓SR4は、窪み12の内縁12Sと口部41Aの先端における開孔OPの外縁とを接触させた状態にさせているものの、開孔OPの外縁に、力PW1をかけない。すなわち、開孔OPの外縁には、その外縁を締め付ける力PW2しかかからない。しかしながら、力PW2が開孔OPの外縁にかかることで、栓SR4の窪み12は、開孔OPの外縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れ(ワーク49P内部から外部への流体の流れ)を封止する。
【0051】
要は、開孔OPを塞ぐ栓SR4は、開孔OPの開孔面に対して交差するX方向等に沿う押さえる力PW1により、開孔OPの外縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力PW1の消滅後も係り合いを維持する(なお、力PW1で、開孔OPの外縁に係り合う栓SR4により、開孔OPに通じる流体の流れを封止させる工程を、封止工程と称し、栓SR4と開孔OPの外縁との係り合い状態を維持させたままで、栓SR4を押さえる力である力PW1を消滅させる工程を、消滅工程と称する)。
【0052】
このようになっていると、栓SR4を押さえる力を継続的に供給されることに起因した栓SR4の圧縮変形で、開孔OPが封止されていないので、かかる力を供給する装置(機構)は、簡易かつローパワータイプで構わない。例えば、上述してきたエアシリンダー21を含むアクチュエータ29であって構わない。
【0053】
また、アクチュエータ29のような移動装置は1台でワーク49Pを封止するので、複数の移動装置が不要になる。そのため、リークテスト装置59は、構成が簡素化された構成となるだけでなく、部品点数の抑制によって、リークテスト装置59のコストも抑えられる。
【0054】
その上、このような栓SR4が口部41Aに取り付けられる場合に、力PW1が開孔OPの外縁にかかることに起因して、ワーク49Pが変形したとしても、力PW1は後に消滅(解放)されることから、変形したワーク49Pは変形前の状態に復元する。そのため、所定のワーク49Pの容器体積に基づいて、正確なリークテストが行える。
【0055】
また、力PW1が開孔OPの外縁にかかっていると、ワーク49Pに存在した欠損がそのワーク49Pの変形によって塞がれ、正確なリークテストが行えない場合があるが、栓SR4を用い、かつ消滅工程において力PW1を消滅させれば、このような問題は起きない。
【0056】
また、栓SR4は、図6A〜6Cに示すように(なお、図6Aは図5Cと同図で、図6Bの開孔OPは図6Aの開孔OPよりも大きく、図6Cの開孔OPは図6Aの開孔OPよりも小さい)、開孔OPの大きさ、詳説すると、開孔OPの外縁が種々異なっていても、同一の栓SR4で、リークテストが行える。要は、開孔OPの大きさに合わせて、栓SR4を交換することなく、リークテストが行える(汎用性の高い栓SR4といえる)。
【0057】
なお、開孔OPの外縁が、窪み12における最小内縁(例えば、内底12Bの周縁)から最大内縁の範囲(例えば、入口12Pの周縁)に収まる大きさでなければ、そのような外縁を有する口部41Aに、栓SR4が使用できないことは、言うまでもない。
【0058】
また、図示されていないが、エア供給源27からのエアが、電磁弁VEによって配管28Cに流され、通気口(例えば、ロッド23を復動のためにエアを導入させるための通気口)22Cを通じて中空22に入った場合に、ロッド23、ひいては栓SR4は、口部41Aから乖離する。
【0059】
[実施の形態2]
実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その部材の種々説明を省略する。
【0060】
実施の形態1では、栓SR4は、窪み12を有し、その窪み12の内面12Sが変形することで、ワーク49Pの口部41Aに係り合い、開孔OPが封止されていた。しかし、栓SR4の形状は、窪み12を有する栓SR4に限定されるものではない。
【0061】
例えば、図11に示すように、栓SR4は、錐体で、外縁[係合部]13Sを有しており、この外縁13Sが、開孔OPの内縁の形状に相似な形状を含んでいてもよい{なお、別表現すると、外縁13Sは、栓SR4の表面であり、外縁13Sの形状は、錐体の軸方向に対する交差面(直交面等)における形状を意味する}。
【0062】
このような栓SR4であっても、図12Aに示すように、ロッド23の先端に、錐体の栓SR4の外底13Bがつながっていると、ロッド23の動きによって、ワーク49Pの開孔OPを封止できる。
【0063】
詳説すると、エア供給源27からのエアが、電磁弁VEによって配管28Bに流され、通気口22Bを通じて中空22に入った場合に、図12Aの白色矢印の示すように、ロッド23がワーク49Pの口部41Aに近づいていく。
【0064】
そして、ロッド23が口部41Aに向かって進行することで、図12Bに示すように、栓SR4の外縁13Sが、開孔OPに嵌るとともに、その開孔OPの内縁を塞ぐ(なお、錐体の栓SR4の先端面13Tの周縁は、開孔OPの内縁よりも小さい一方、栓SR4の外底13Bの周縁は開孔OPの内縁よりも大きい)。
【0065】
このように、栓SR4が開孔OPを塞ぐと、栓SR4の外縁13Sと開孔OPの内縁とが接触する。このような接触が生じ、栓SR4が弾性変形する場合、開孔OPの内縁には、口部41Aの先端から根元に至る方向(X方向)に押さえられる力PW1がかかるとともに、開孔OPの内縁を押し広げる力PW3がかかる(別表現すると、力PW3は、開孔OPの中心に開孔OPの内縁に向かう放射方向に押し広げる力である)。
【0066】
この後、電磁弁VEが、配管28B・28Cを外気に通じさせることで、ピストン24に与えられていた負荷が消滅し、図12Cに示すように、ピストン24に負荷がかからないことで、ロッド23が不動な状態(無負荷状態)になる。
【0067】
そして、このようなロッド23につなげられた栓SR4は、自身の外縁13Sと、開孔OPの内縁とを接触させた状態にさせているものの、開孔OPの内縁に、力PW1をかけない。すなわち、開孔OPの内縁には、その内縁を押し広げる力PW3しかかからない。しかしながら、力PW3が開孔OPの内縁にかかることで、栓SR4の外縁13Sは、開孔OPの内縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れを封止する。
【0068】
要は、開孔OPを塞ぐ栓SR4は、開孔OPの開孔面に対して交差するX方向等に沿う押さえる力PW1により、開孔OPの内縁に係り合い、開孔OPに通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力PW1の消滅後も係り合いを維持する(なお、力PW1で、開孔OPの内縁に係り合う栓SR4により、開孔OPに通じる流体の流れを封止させる工程を、封止工程と称し、栓SR4と開孔OPの内縁との係り合い状態を維持させたままで、栓SR4を押さえる力である力PW1を消滅させる工程を、消滅工程と称する)。
【0069】
そして、このような栓SR4が口部41Aに取り付けられる場合、実施の形態1で説明した栓SR4と同様の作用効果が奏ずる。
【0070】
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0071】
例えば、リークテスト装置59に装着されたワーク49Pへのエア供給は、図2および図3に示すように、栓SR6につなげられた配管53を流れるエアが進入していた。しかし、これに限定されるものではない。
【0072】
例えば、図13および図14に示すように、栓SR4に配管53がつなげられていても構わない。詳説すると、栓SR4の窪み12に連なるとともに、栓SR4の外周面11Sにも連なる空洞で、通路15が形成され(要は、ワーク49Pに対する外内に流体を導く通路15が栓SR4に形成され)、その通路15に、配管53がつなげられていても構わない。もちろん、図15に示すように、錐体の栓SR4にて、錐体の先端面13Tに連なるとともに、栓SR4の外縁13Sにも連なる空洞で、通路15が形成されていても構わない。
【0073】
また、エア回路ユニット26における電磁弁VEとしては、図4に示すように、5ポート3位電磁弁が挙げられているが、これに限定されることはなく、その他の弁であっても構わない。
【0074】
なお、ワーク49Pの内圧によって、開孔OPの外縁または内縁に係り合う栓SR4が外れることのないように、栓SR4と開孔OPの外縁または内縁との摩擦力が、ワーク49Pの内圧に勝るように、設定されている。
【符号の説明】
【0075】
SR 栓
11 栓の本体
11B 栓の底面
11S 栓の外周面
12 栓の窪み[係合部]
12P 窪みの入口
12B 窪みの内底
12S 窪みの内縁
13 栓の本体
13S 栓の外縁[係合部]
13B 栓の外底
13T 栓の先端面
15 通路
21 エアシリンダー
22 エアシリンダーの中空
23 ロッド
24 ピストン
26 エア回路ユニット
27 エア供給源
28 配管
29 アクチュエータ
41 口部
OP ワークの開孔
49 ワーク[容器]
51 ワーク封止キット
51P ワーク封止キット[シールキット]
51Q ワーク封止キット
52 圧縮エア供給源
53 配管
54 電磁弁
55 差圧計
59 リークテスト装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器のリークテストのために、上記容器の開孔を封止する栓を含むシールキットにあって、
上記栓は、上記開孔の開孔面に対して交差する方向に沿う押さえる力により、上記開孔の外縁または上記開孔の内縁に係り合い、上記開孔に通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力の消滅後も係り合いを維持する係合部を含むシールキット。
【請求項2】
上記栓は、上記係合部となる窪みを有しており、
上記窪みは、上記開孔の外縁の形状に相似な形状を自身の内縁の形状として含みつつ、自身の底に進むにつれて先細りしている請求項1に記載のシールキット。
【請求項3】
上記栓は、錐体で、上記係合部となる外縁を有しており、
上記外縁は、上記開孔の内縁の形状に相似な形状を含む請求項1に記載のシールキット。
【請求項4】
上記栓は、上記容器に対する外内に流体を導く通路を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のシールキット。
【請求項5】
上記栓を押さえる力を供給するアクチュエータが含まれており、
上記アクチュエータは、上記栓につながれるロッドを有するとともに、上記ロッドを、往動、復動、または無負荷状態に切替えられるエア回路ユニットを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のシールキット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートキットを含むリークテスト装置。
【請求項7】
開孔を有する容器のリークテストを行うリークテスト方法にあって、
上記開孔の開孔面に対して交差する方向に沿う押さえる力で、上記開孔の外縁または上記開孔の内縁に係り合う栓により、上記開孔に通じる流体の流れを封止させる封止工程と、
上記の係り合い状態を維持させたままで、上記栓を押さえる力を消滅させる消滅工程と、
を含むリークテスト方法。
【請求項1】
容器のリークテストのために、上記容器の開孔を封止する栓を含むシールキットにあって、
上記栓は、上記開孔の開孔面に対して交差する方向に沿う押さえる力により、上記開孔の外縁または上記開孔の内縁に係り合い、上記開孔に通じる流体の流れを封止するとともに、押さえる力の消滅後も係り合いを維持する係合部を含むシールキット。
【請求項2】
上記栓は、上記係合部となる窪みを有しており、
上記窪みは、上記開孔の外縁の形状に相似な形状を自身の内縁の形状として含みつつ、自身の底に進むにつれて先細りしている請求項1に記載のシールキット。
【請求項3】
上記栓は、錐体で、上記係合部となる外縁を有しており、
上記外縁は、上記開孔の内縁の形状に相似な形状を含む請求項1に記載のシールキット。
【請求項4】
上記栓は、上記容器に対する外内に流体を導く通路を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のシールキット。
【請求項5】
上記栓を押さえる力を供給するアクチュエータが含まれており、
上記アクチュエータは、上記栓につながれるロッドを有するとともに、上記ロッドを、往動、復動、または無負荷状態に切替えられるエア回路ユニットを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のシールキット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートキットを含むリークテスト装置。
【請求項7】
開孔を有する容器のリークテストを行うリークテスト方法にあって、
上記開孔の開孔面に対して交差する方向に沿う押さえる力で、上記開孔の外縁または上記開孔の内縁に係り合う栓により、上記開孔に通じる流体の流れを封止させる封止工程と、
上記の係り合い状態を維持させたままで、上記栓を押さえる力を消滅させる消滅工程と、
を含むリークテスト方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−194003(P2012−194003A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57018(P2011−57018)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】
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