説明

シールド付電線及びその製造方法

【課題】製造が容易なシールド付電線を提供する。
【解決手段】シールド付電線1は、電線3と、電線3の長手方向に沿った長尺帯状で電線3に対して平行な状態で巻き付けられる導電シート5と、電線3に巻き付けられた導電シート5の外周に螺旋状に巻回して巻き付けられる長尺状の保護テープ7とからなる。電線の長手方向に沿って長尺帯状の導電シートを電線に対して平行な状態で巻き付けて所望の電線長に合わせて切断し、電線に巻き付けられた導電シートの外周に長尺状の保護テープを螺旋状に巻回して巻き付けて所望の電線長に合わせて切断する前記シールド付電線の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に配線されるシールド付電線及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤハーネスに対し電磁ノイズからの保護及び電磁ノイズの漏洩防止等の電磁波シールドを行う必要性からシールド付電線が用いられる。シールド付電線は電線を電磁波シールド材料によって覆うことにより製造されている。
【0003】
従来より行われているシールド付電線の製造は、電線を編組チューブに挿通させることにより長尺のシールド線を予め作製した後、シールド線を所定の長さに切断し、端部に端子を取り付けてハーネスに集束させることにより作製されており、シールド回路に合わせて個別に作製されることによりシールド回路に組み込まれている。
【0004】
図10はシールド付電線の別の製造方法に用いられる製造装置を示す(特許文献1参照)。この製造装置では、電線リール110と、ラッピングユニット120と、測長ユニット130と、端末加工ユニット140とが被覆電線100の引き出し方向に沿って順に配置されている。
【0005】
被覆電線100は芯線が絶縁被覆によって被覆されることにより形成されており、電線リール110に巻回された状態で引き出される。
【0006】
ラッピングユニット120は導電シートテープ150を巻き取ったテープリール121と、テープリール121から引き出された導電シートテープ150を案内する複数のガイドローラ122と、被覆電線100に導電シートテープ150を巻き付けるダイス125とを備えている。導電シートテープ150はアルミ箔等の金属箔に樹脂シートを積層することにより形成されており、被覆電線100に巻き付けられることによりシールド付電線160が形成される。
【0007】
測長ユニット130はシールド付電線160の供給長さを計測するものである。
【0008】
端末加工ユニット140は離隔されたフロントクランプ141及びリアクランプ142と、これらのクランプ141,142の間に配置された切断カッター143と、切断カッター143の両側に配置された切り込みカッター144,145,146,147とによって形成されている。端末加工ユニット140はシールド付電線160の端末に端子を圧着するための前処理を行うユニットである。
【0009】
図10に示す製造装置においては、電線リール110から被覆電線100を引き出し、ラッピングユニット120のダイス125を挿通させることにより導電シートテープ150を被覆電線100の外周に巻き付けてシールド付電線160を形成する。端末加工ユニット140はクランプ141,142がシールド付電線をクランプした状態で切断カッター143によってシールド付電線を前後に切断し、切り込みカッター144、147が導電シートテープ150に切り込み、切り込みカッター145、146が被覆電線100の絶縁被覆に切り込む。
【0010】
この切り込み状態で切り込みカッター144,147がワイヤハーネスの供給方向に沿った前後方向に移動することにより導電シートテープ150を剥ぎ取って被覆電線100を露出させ、切り込みカッター145,146がワイヤハーネスの供給方向に沿った前後方向に移動することにより被覆電線100から絶縁被覆を剥ぎ取って芯線を露出させる。これにより導電シートテープ150が剥ぎ取られた被覆電線100の絶縁被覆に端子の被覆把持部を加締めて取り付け、絶縁被覆が剥ぎ取られた被覆電線100の芯線に端子の芯線把持部を加締めて取り付ける。これによりシールド付電線160の端末に端子を接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第2929846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来のシールド付電線の製造方法においては、個々のシールド回路に応じた電線のサイズや組み合わせを選択して個々にシールド付電線を作製する必要があり、種類が多い場合にはその作製や管理が煩雑となっている。又、導電シートの押し出し成形機やシールド線の撚り合わせ機が必要であり、製造装置の構造が複雑となり、制御や操作が面倒となっている。さらに、端子の取り付けやコネクタへの挿入等の端末処理の自動化が困難であり、自動化するためには加工工数が多くなる問題を有している。
【0013】
図10に示すシールド付電線の製造装置においては、ラッピングユニット120や端末加工ユニット140が必要であり、装置全体が複雑となっている。このため制御や操作が面倒であり、加工費が高騰する問題を有している。
【0014】
そこで本発明は、製造が容易なシールド付電線を提供すると共に、導電シートが電線を覆った構造のシールド付電線を簡単に作製することが可能な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1記載の発明のシールド付電線は、電線と、この電線の長手方向に沿った長尺帯状で電線に対して平行な状態で巻き付けられる導電シートと、電線に巻き付けられた導電シートの外周に螺旋状に巻回して巻き付けられる長尺状の保護テープと、からなることを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明のシールド付電線の製造方法は、電線の長手方向に沿って長尺帯状の導電シートを電線に対して平行な状態で巻き付けて所望の電線長に合わせて切断し、電線に巻き付けられた導電シートの外周に長尺状の保護テープを螺旋状に巻回して巻き付けて所望の電線長に合わせて切断することを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のシールド付電線の製造方法であって、前記保護テープの裏面側が粘着面に形成されており、この粘着面が前記導電シートの外周に螺旋状に巻き付けられることにより前記導電シートを電線に固定することを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載のシールド付電線の製造方法であって、前記保護テープは螺旋状に前記導電シートの外周面に巻き付けられる際に導電シートの外周を一回りした巻回部の側部同士が重なるように電線の長手方向の軸に対して所定の角度に傾斜するとともに、所定の幅に設定されていることを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項2又は3記載のシールド付電線の製造方法で製造されるシールド付き電線であって、使用する電線を所望の長さに切断し、端末処理し、端子圧着を行った後、導電シートと保護テープを巻き付けたシールド付き電線であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、長尺帯状の導電シートを電線の長手方向に沿って巻き付け、この導電シートの外周に保護テープを螺旋状に巻き付けることにより導電シートが電線に固定されたシールド付電線となる。このような構造では、導電シートによって電磁波シールドが付与され、保護テープによって導電シートが確実に固定されるため、安定した電磁波シールドを行うことが可能なシールド付電線とすることができる。又、導電シート5の外周に保護テープが巻き付けられるため、導電シートの径を小さくすることができ、シールド付電線を細径化することができる。さらに、接地線と導電シートとの接続が長尺方向となるため、電磁波シールド性を向上させることができる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、導電シートを電線に巻き付けて所望の電線長に合わせて切断し、導電シートの外周に螺旋状に巻き付けた保護テープを所望の電線長に合わせて切断することにより、電線を導電シートが覆い、保護テープがこの導電シートを電線に固定した構造のシールド付電線を簡単に製造することができる。
【0022】
又、請求項2記載の発明によれば、導電シートを所望の電線長に合わせて切断することにより切断・端末処理をした電線の所望の位置に導電シートと保護テープを巻き付ける事で個々のシールド回路に応じたシールド付電線への適合が可能であり、これにより作製や管理が簡単となると共に端子やコネクタ等に対する端末処理を自動化することができる。
【0023】
又、導電シートにより保護テープを長めに切断する事で、電線と導電シートを固定することができる。又、導電シートと保護ケープを所望の位置にだけ付けるため、導電シートと保護テープの除去が不用になる。
【0024】
又、請求項2記載の発明によれば、電線を導電シートが覆い、この導電シートの外周に保護テープを螺旋状に巻き付けるだけで良いため、製造装置を簡単にすることができ、その制御や操作が容易となる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、保護テープの裏面側が粘着面となっており、この粘着面が導電シートの外周に巻き付けられるため、導電シートを電線に確実に固定することができる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、導電シートの外周に保護テープを螺旋状に巻き付ける際に、隣り合っている保護テープの側部同士が重なるため、隣り合っている保護テープが相互に固定される。このため保護テープを強固に固定することができ、これにより導電シートを確実に電線に固定することができる。
【0027】
請求項5記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態のシールド付電線の斜視図である。
【図2】シールド付電線を展開した状態を示す平面図である。
【図3】シールド付電線を示す斜視図である。
【図4】電線に導電シートを巻き付ける巻き付け装置を示す斜視図である。
【図5】巻き付け爪を倒れ回動した状態を示す巻き付け装置の斜視図である。
【図6】(a)は第1巻き付け爪を説明する正面図、(b)は第2巻き付け爪を説明する正面図である。
【図7】巻き付け装置に対して電線及び導電シートを供給する状態を示す斜視図である。
【図8】電線に巻き付けられた後の導電シートへの処理を示す斜視図である。
【図9】(a)、(b)は導電シートに対する処理を示す斜視図である。
【図10】シールド付電線の製造に用いられる従来の製造装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。図1〜図3は本発明の一実施形態のシールド付電線1を示し、図4〜図9はシールド付電線1の製造手順を示す。
【0030】
図1に示すようにシールド付電線1は、少なくとも1本の電線と接地線からなる電線3と、少なくとも1本の電線と接地線からなる電線3を覆う導電シート5と、導電シート5の外周に巻き付けられる保護テープ7とを備えている。
【0031】
電線3は芯線が絶縁被覆(図示省略)によって覆われることにより形成されている。それぞれの電線3の一側の端末3aは導電シート5から露出しており、この端末3aには端子8が接続されている。図示を省略するが、端子8は加締めによって電線3の芯線に接続される芯線把持部と、加締めによって電線3の絶縁被覆に固定される被覆把持部とによって形成されている。
【0032】
導電シート5は電線3の長手方向に沿った長尺帯状となっている。導電シート5は電線3に巻き付けられることにより、電線3に電磁波シールド性を付与するものである。導電シート5はアルミ箔、銅箔等の金属箔に絶縁樹脂からなる樹脂層を積層した構造となっており、金属箔が電線3側に位置した状態で電線3を覆うが、樹脂層が電線3側に位置した状態であっても良い。導電シート5は薄いシート状となっており、これにより導電シート5を電線3に巻き付けて被覆しても、電線3が曲げやすく機器内での配索作業に支障となることがない。
【0033】
図2に示すように導電シート5は長尺帯状となっているシート本体5aと、シート本体5aの長手方向の両側部のシート側部5b、5cとによって形成されており、複数の電線3を合わせた幅よりも大きな幅寸法のものが用いられる。電線3への巻き付けに際し、導電シート5はシート本体5aが電線3に対して平行な状態となっており、この状態で両側部のシート側部5b、5cが相互に重ね合わせられるように電線3に巻き付けられる。これにより複数の電線3が束ねられたシールド付き電線を形成することができる。
【0034】
導電シート5が複数の電線3に巻き付けられた状態では、図3に示すようにシート側部5b、5cがラップした状態となる。このため、導電シート5の巻き付けにより電線3に対して確実な電磁波シールド性を付与することができる。
【0035】
保護テープ7は絶縁性を有した可撓性の長尺状のテープが用いられる。保護テープ7は電線3に巻き付けられた導電シート5の外周に螺旋状に巻回されることにより巻き付けられる。保護テープ7が導電シート5に臨む裏面7aは粘着剤が塗布された粘着面9となっており、この粘着面9を導電シート5の外周に向けた状態で保護テープ7を螺旋状に巻回する。これにより粘着面9が導電シート5を外周から固定するため、導電シート5を電線3に確実に固定することができ、導電シート5による電磁波シールドを良好に行うことができる。
【0036】
保護テープ7は所定の幅α(図1参照)を有しており、導電シート5外周への螺旋状の巻回は隣接した巻回部の側部が相互に重なるように行われる。すなわち図3に示すように、保護テープ7を導電シート5の外周面に一回り巻き付けた第1巻回部10と第1巻回部10に続いて保護テープ7を導電シート5の外周面に一回り巻き付けた第2巻回部11との間において、これらの巻回部10、11の側部10a及び11aが相互に重なるように保護テープ7が導電シート5の外周に巻き付けられるものである。このような側部10a、11aが相互に重なり合うような巻き付けを行うため、保護テープ7は電線3の長手方向の軸γに対して所定の角度βで傾斜した状態で巻き付けられる。角度βとしては、30°以下、好ましくは20〜10°の範囲内で適宜選定することができる。
【0037】
以上のようなシールド付電線1では、導電シート5によって電磁波シールドが付与され、保護テープ7によって導電シート5が確実に固定されるため、安定した電磁波シールドを行うことができる。又、導電シート5を電線3と平行な状態で巻き付け、この導電シート5の外周に保護テープ7を螺旋状に巻き付けて電線3に固定しているため、導電シート5の径を小さくすることができる。これによりシールド付電線1を細径化することができる。又、接地線(ドレン線)と導電シート5の接触が長尺方向で密接となるため電磁波シールド性能が向上する。
【0038】
次に、シールド付電線1の製造を説明する。
【0039】
シールド付電線1の製造は、切断・端末処理(皮ムキ、端子圧着)された電線3の長手方向に沿って導電シート5を平行な状態で巻き付け、この巻き付け後に導電シート5を所望の電線長に合わせて切断し、その後、電線3に巻き付けられた導電シート5の外周に保護テープ7を螺旋状に巻回して巻き付けて所望の電線長に合わせて切断することにより行われる。このような製造では、電線3を覆う導電シート5を電線3に固定したシールド付電線1を簡単に製造することができる。
【0040】
又、導電シート5を所望の電線長に合わせて切断することにより、導電シート5の切断部分から電線3の端末を露出させて電線3の端末に対し端子8を接続することが可能となり、導電シートや保護テープの除去が不用になる。これにより個々のシールド回路に応じた形状や大きさのシールド付電線1を製造することが可能であり、シールド付電線1の作製や管理が簡単となると共に端子やコネクタ等に対する端末処理を自動化することができる。さらに、電線3を導電シート5が覆い、この導電シート5の外周に保護テープ7を螺旋状に巻き付けるだけで良いため、製造装置を簡単にすることができ、製造時の制御や操作が容易となる。
【0041】
図4〜図9は電線3の長手方向に沿って導電シート5を巻き付けるための巻き付け装置20を示す。巻き付け装置20の装置本体22の上部には、電線3及び導電シート5が挿通する巻き付け用溝21が形成されている。又、装置本体22には第1巻き付け爪23及び第2巻き付け爪25が配置される。これらの巻き付け爪23,25は巻き付け用溝21の長手方向に沿って順に配置されるものであり、第1巻き付け爪23が巻き付け用溝21の上流側に、第2巻き付け爪25が下流側に配置されている。
【0042】
図6に示すように、第1巻き付け爪23及び第2巻き付け爪25は鈎形状となっており、巻き付け用溝21側には円弧状の巻き付け凹部23a,25aが形成されている。第1巻き付け爪23及び第2巻き付け爪25は装置本体22に対して回動可能となっており、それぞれが倒れ方向に回動することにより巻き付け凹部23a、25aが巻き付け用溝21に臨んで、巻き付け用溝21内の導電シート5を上方から押さえ付けるようになっている。
【0043】
図4は第1巻き付け爪23及び第2巻き付け爪25が共に立ち上がり方向に回動することにより、巻き付け用溝21の上方が開放された状態であり、巻き付け用溝21には導電シート5がU字形となるように挿入され、この導電シート5の内側に電線3が挿入される。なお、電線3は図8に示すように、端末に端子8が取り付けられた状態でシールド付電線1の製造に用いられる。
【0044】
図5は第1巻き付け爪23及び第2巻き付け爪25を倒れ方向に回動させた状態を示す。上流側の第1巻き付け爪23が倒れ回動することにより、第1巻き付け爪23は図6(a)で示すように、巻き付け凹部23aが巻き付け用溝21内の導電シート5に当接すると共に一方のシート側部5bを電線3方向に曲げる。これにより第1巻き付け爪23は導電シート5が電線3を包み込むように一方のシート側部5bを巻き込む。又、図6(b)で示すように、下流側の第2巻き付け爪25は巻き付け凹部25aが巻き付け用溝21内の導電シート5に当接すると共に他方のシート側部5cを電線3の方向に曲げる。これにより第2巻き付け爪25は導電シート5の他方のシート側部5cが一方のシート側部5bと重なり合うように他方のシート側部5cを巻き込む。
【0045】
図7は以上の巻き付け爪23、25の倒れ状態に対し、電線3及び導電シート5を巻き付け用溝21内で長手方向に供給した状態を示す。上述したように第1巻き付け爪23及び第2巻き付け爪25が導電シート5のシート側部5b、5cを電線3方向に曲げるため、導電シート5が電線3の長手方向に沿って巻き付けられた状態となって巻き付け用溝21から引き出される。引き出しが所望の電線長となったとき、切り込み刃27が下降して導電シート5の長手方向の所望位置にスリット28を形成する。
【0046】
そして図8及び図9に示すように、スリット28を境にして導電シート5を引きちぎる。図9(b)において、符号29は導電シート5を引きちぎった切り離し部であり、この切り離し部29を次にセットする導電シート5の位置とすることができる。これにより切り離し部29を電線3のセット位置と同じにすることができ、サイクルタイムを短縮することが可能となる。
【符号の説明】
【0047】
1 シールド付電線
3 電線
5 導電シート
5a シート本体
5b、5c シート側部
7 保護テープ
7a 裏面
9 粘着面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と、この電線の長手方向に沿った長尺帯状で電線に対して平行な状態で巻き付けられる導電シートと、電線に巻き付けられた導電シートの外周に螺旋状に巻回して巻き付けられる長尺状の保護テープと、からなることを特徴とするシールド付電線。
【請求項2】
電線の長手方向に沿って長尺帯状の導電シートを電線に対して平行な状態で巻き付けて所望の電線長に合わせて導電シートを切断し、電線に巻き付けられた導電シートの外周に長尺状の保護テープを螺旋状に巻回して巻き付けて所望の電線長に合わせて保護テープを切断することを特徴とするシールド付電線の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載のシールド付電線の製造方法であって、
前記保護テープの裏面側が粘着面に形成されており、この粘着面が前記導電シートの外周に螺旋状に巻き付けられることにより前記導電シートを電線に固定することを特徴とするシールド付電線の製造方法。
【請求項4】
請求項2又は3記載のシールド付電線の製造方法であって、
前記保護テープは螺旋状に前記導電シートの外周面に巻き付けられる際に導電シートの外周を一回りした巻回部の側部同士が重なるように電線の長手方向の軸に対して所定の角度に傾斜するとともに、所定の幅に設定されていることを特徴とするシールド付電線の製造方法。
【請求項5】
請求項2又は3記載の製造方法で製造されるシールド付き電線であって、
使用する電線を所望の長さに切断し、端末処理し、端子圧着を行った後、導電シートと保護テープを巻き付けた自動車用シール付ワイヤーハーネスであることを特徴とするシールド付電線。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−4354(P2013−4354A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135328(P2011−135328)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】