説明

シールド性能評価回路、シールド性能評価方法、およびシールドケース

【課題】差動モードおよびコモンモードに対応した、平衡ケーブルのシールド性能評価のためのシールド性能評価回路、シールド性能評価方法、およびシールドケースを得る。
【解決手段】シールド性能評価回路は、平衡ケーブルの両端で平衡ケーブルのシールド導体をシールドケースの筐体に接続するとともに、平衡ケーブルの線路導体をシールドケースの筐体内に配備された不平衡線路の一端に接続し、一方のシールドケースの不平衡線路の他端を出力ポートに接続し、他方のシールドケースの不平衡線路の他端に該シールドケースの筐体に接地された終端抵抗を接続し、平衡ケーブルにノイズを注入するために平衡ケーブルの予め定めた位置の近傍に平衡ケーブルと電磁結合された結合器を配備し、結合器に入力ポートが接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シールド付き平衡ケーブルのシールド性能評価のためのシールド性能評価回路、シールド性能評価方法、およびシールドケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーブルのシールド性能を測定する方法としては、表面伝達インピーダンス法、銅パイプ法、吸収クランプ法が知られている。特に、吸収クランプ法は、周波数帯域30MHz〜1GHzまでの比較的広帯域にわたるケーブルのシールド性能を測定する方法として、妨害波規制の測定方法に採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−20174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ケーブル伝送において、高速な信号を伝送する場合、伝送特性の改善およびEMIの観点から、不平衡ケーブルではなく、例えばツイナックスケーブルのような平衡ケーブルが使われる。そのため、従来の方法では、平衡ケーブル固有の伝送モードである差動モードおよびコモンモードに対応したシールド性能を評価できないという問題がある。
【0005】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、差動モードおよびコモンモードに対応した、平衡ケーブルのシールド性能評価のためのシールド性能評価回路、シールド性能評価方法、およびシールドケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るシールド性能評価回路は、平衡ケーブルのシールド性能を評価するとともにシールドケース、出力ポートおよび入力ポートを備えるシールド性能評価回路において、上記シールドケースは、上記平衡ケーブルが接続されるケーブル接続口と、上記平衡ケーブルを外部に引き出すとともに地導体と信号導体から構成される出力コネクタと、上記ケーブル接続口と上記出力コネクタとを接続するとともに地導体と信号導体から構成される上記平衡ケーブルの芯線数と同じ数の不平衡線路と、を備え、各上記平衡ケーブルの線路導体の一端が第1の上記シールドケースの上記不平衡線路の信号導体に接続されるとともに、各上記平衡ケーブルのシールド導体の一端が上記第1のシールドケースの不平衡線路の地導体および上記第1のシールドケースのケーブル接続口の周辺の導体に接続され、各上記平衡ケーブルの線路導体の他端が第2の上記シールドケースの上記不平衡線路の信号導体に接続されるとともに、各上記平衡ケーブルのシールド導体の他端が上記第2のシールドケースの不平衡線路の地導体および上記第2のシールドケースのケーブル接続口の周辺の導体に接続され、上記出力ポートは、上記第1のシールドケースの出力コネクタに接続され、上記入力ポートは、上記平衡ケーブルの予め定めた位置の近傍に配置されるとともに上記平衡ケーブルにノイズを注入するために上記平衡ケーブルと電磁結合された結合器に接続されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るシールド性能評価回路は、平衡ケーブルの両端で平衡ケーブルのシールド導体をシールドケースの筐体に接続するとともに、平衡ケーブルの線路導体をシールドケースの筐体内に配備された不平衡線路の一端に接続し、一方のシールドケースの不平衡線路の他端を出力ポートに接続し、他方のシールドケースの不平衡線路の他端に該シールドケースの筐体に接地された終端抵抗を接続し、平衡ケーブルにノイズを注入するために平衡ケーブルの予め定めた位置の近傍に平衡ケーブルと電磁結合された結合器を配備し、結合器に入力ポートが接続されるので、平衡ケーブル固有の伝送モードである差動モードおよびコモンモードを考慮しており、平衡ケーブルのシールド性能評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路を用いたシールド性能評価方法の一例を示すものである。
【図3】この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路を用いたシールド性能評価方法の他の一例を示すものである。
【図4】この発明の実施の形態4に係るシールド性能評価回路の第1のシールド性能評価装置の筐体の外観図である。
【図5】この発明の実施の形態4に係るシールド性能評価回路の第1のシールド性能評価装置の内部構造図である。
【図6】この発明の実施の形態5に係るシールド性能評価回路の第1のシールド性能評価装置の内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のシールド性能評価回路の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路の構成図である。
この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路は、図1に図示するように、平衡ケーブルTL1の両端にはそれぞれ第1のシールドケースD1と第2のシールドケースD2が接続されている。
【0010】
第1のシールドケースD1のシールド接続口COMB1において、平衡ケーブルTL1の2本の芯線はそれぞれ不平衡線路TL2、TL3の信号導体に接続されるとともに、平衡ケーブルTL1のシールド導体は不平衡線路TL2、TL3の地導体およびシールド接続口COMB1周辺の第1のシールドケースD1の筐体に接続される。
不平衡線路TL2、TL3の他端では、地導体が第1のシールドケースD1の筐体に接続された出力コネクタCON1、CON2に対し、それぞれ不平衡線路TL2、TL3と出力コネクタCON1、CON2の地導体同士と信号導体同士が電気的に接続される。
【0011】
第2のシールドケースD2のシールド接続口COMB2において、平衡ケーブルTL1の2本の芯線がそれぞれ不平衡線路TL4、TL5の信号導体に接続されるとともに、平衡ケーブルTL1のシールド導体が不平衡線路TL4、TL5の地導体およびシールド接続口COMB2周辺の第2のシールドケースD2の筐体に接続される。
不平衡線路TL3、TL4の他端では、地導体が第2のシールドケースD2の筐体に接続されるとともに、信号導体が終端抵抗R1、R2によって終端された出力コネクタCON3、CON4に対し、それぞれ不平衡線路TL4、TL5と出力コネクタCON2、CON3の地導体同士と信号導体同士が電気的に接続される。
【0012】
出力ポートP1、P2はそれぞれ出力コネクタCON1、CON2に接続される。入力ポートP3は、平衡ケーブルTL1の任意の区間において、平衡ケーブルTL1のシールド導体外側に対して電磁結合された、結合器CPLに接続される。
【0013】
この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路は、平衡ケーブルの両端で平衡ケーブルのシールド導体をシールドケースの筐体に接続するとともに、平衡ケーブルの線路導体をシールドケースの筐体内に配備された不平衡線路の一端に接続し、一方のシールドケースの不平衡線路の他端を出力ポートに接続し、他方のシールドケースの不平衡線路の他端に該シールドケースの筐体に接地された終端抵抗を接続し、平衡ケーブルにノイズを注入するために平衡ケーブルの予め定めた位置の近傍に平衡ケーブルと電磁結合された結合器を配備し、結合器に入力ポートが接続されるので、平衡ケーブル固有の伝送モードである差動モードおよびコモンモードを考慮しており、平衡ケーブルのシールド性能評価ができるという効果を奏する。
【0014】
なお、この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路は、1対の平衡線路からなる平衡ケーブルTL1のシールド性能を評価する回路であるが、3本以上の平衡線路を一体化した平衡ケーブルでも、不平衡線路および出力コネクタの数を増やすことにより同様にシールド性能を評価することができる。
また、第2のシールドケースD2の代りにシールド付き終端抵抗を用いても同様に平衡ケーブルのシールド性能を評価することができる。このとき、平衡ケーブルの線路導体の他端がシールド付きの終端抵抗に接続されるとともに、平衡ケーブルのシールド導体の他端がシールド付き終端抵抗シールドに接続される。
【0015】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路を用いたシールド性能評価方法の一例を示すものである。
この発明の実施の形態2に係るシールド性能評価方法では、この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路を用いるので、そのシールド性能評価回路の構成部分には同一符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態2に係るシールド性能評価方法では、シールド性能評価回路の出力ポートP1、P2と入力ポートP3とをマルチポートネットワークアナライザNAに接続し、Sパラメータを測定する。測定したSパラメータを元に、結合器を介して平衡ケーブルTL1のシールドに注入される信号、すなわち印加ノイズ波形から平衡ケーブルTL1の信号線に漏れ込むコモンモードノイズ成分と差動モードノイズ成分への変換量を計算から求めることができる。
【0016】
次に測定したSパラメータの計算方法について説明する。
マルチポートネットワークアナライザNAでは、式(1)に示す3ポートのスタンダードSパラメータSが得られる。これを元に、式(2)を用いてミックスドモードSパラメータSへ変換することができる。
ミックスドモードSパラメータSにおいて、印加ノイズ波形からコモンモードノイズ成分への変換量はSCSとなり、差動モードノイズ成分への変換量はSdSとなる。
コモンモードノイズ成分への変換量SCSと、差動モードノイズ成分への変換量SdSを観測することで、ケーブルの耐ノイズ性能が評価できる。
【0017】
【数1】

【0018】
なお、この実施の形態2では、マルチポートネットワークアナライザNAを用いた測定の例を示したが、一般的な2ポートのネットワークアナライザを用いて、出力ポートP1、P2および入力ポートP3とネットワークアナライザの2つの測定端子をつなぎ換え、ネットワークアナライザに接続されないポートに無反射終端器を接続することにより、3ポートのスタンダードSパラメータSを取得しても同様の結果が得られる。
【0019】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路を用いたシールド性能評価方法の他の一例を示すものである。
この発明の実施の形態3に係るシールド性能評価方法では、この発明の実施の形態1に係るシールド性能評価回路を用いるので、そのシールド性能評価回路の構成部分には同一符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態3に係るシールド性能評価方法では、シールド性能評価回路の出力ポートP1、P2nにはオシロスコープOSCを接続し、入力ポートP3にはパルスジェネレータPGを接続する。
パルスジェネレータPGからインパルス波形を出力し、結合器CPLを介して平衡ケーブルTL1に印加することで、差動モードのノイズ波形およびコモンモードのノイズ波形をオシロスコープOSCにより測定する。
【0020】
次に測定したノイズ波形の計算方法について説明する。
オシロスコープOSCでは、出力ポートP1、P2から出力されるシングルエンドの各ノイズ波形V1、V2が得られる。これを元に、式(3)を用いて差動モードのノイズ波形Vdと、コモンモードのノイズ波形Vcへ変換する。差動モードのノイズ波形Vd、コモンモードのノイズ波形Vcを観測して、平衡ケーブルTL1の耐ノイズ性能を評価する。
【0021】
【数2】

【0022】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4に係るシールド性能評価回路の第1のシールド性能評価装置の筐体の外観図である。
この発明の実施の形態4に係るシールド性能評価回路の第1のシールドケースD1の筐体は、一側壁が省かれた有底の角筒1、角筒1の開口を閉じる前面パネル2、角筒1の1側壁を閉じる蓋3により構成されている。角筒1、前面パネル2、および蓋3は表面接触抵抗が小さく剛性の高く導電性を有する。
角筒1は鉄板を隙間なく溶接し、表面にニッケルメッキを施したものである。前面パネル2、蓋3はシールド性が十分に確保できるよう、外周全体にわたって隙間がないように、角筒1にねじで締め付けて固定する。
出力コネクタ4は、シールド性が確保できるよう、角筒1の底に開けられた穴に隙間なく取り付ける。
平衡ケーブル5のシールド外皮導体6は、表面接触抵抗が小さい導体からなるクランプ7で隙間なく挟み込んで、クランプ7と電気的導通を確保し、クランプ7は前面パネル2と隙間なく接続して電気的導通を確保する。
【0023】
図5は、この発明の実施の形態4に係るシールド性能評価回路の第1のシールド性能評価装置の内部構造図である。図5(a)は、第1のシールド性能評価装置を上方から見た横断面図である。図5(b)は、第1のシールド性能評価装置を横から見た縦断面図である。
プリント基板8上に実装されたストリップ線路9には、基板エッジコネクタ10を介し、同軸ケーブル11が接続される。同軸ケーブルは同軸構造の出力コネクタ4に接続される。平衡ケーブル5の芯線はストリップ線路9に半田付けされる。
また、平衡ケーブル5のシールド外皮導体6はクランプ7を介して角筒1に電気的に接続され、さらにプリント基板8のグラウンドプレーン12に最短距離で接続される。
また、グラウンドプレーン12は、プリント基板8に設けられたネジ穴により、ネジ13とナット14を用いて角筒1上の留め具15に対し電気的に接続される。
ストリップ線路9は平衡ケーブル5の特性インピーダンス(たとえば差動インピーダンス100Ω、コモンモードインピーダンス25Ω)に整合するよう設計する。また、ストリップ線路9の配線パターンは対称構造とし、配線長を等しくする。
【0024】
図4と図5は1対の平衡線路からなるケーブルに対するシールドケースの構成図を示しているが、複数の平衡線路を一体化したケーブルの場合は、不平衡線路および出力コネクタの数を増やすことによって対応できる。
【0025】
なお、この発明の実施の形態4に係る第1のシールドケースD1では、不平衡線路TL2、TL3をプリント基板8上に形成したストリップ線路9で構成しているが、マイクロストリップ線路または同軸ケーブルで構成しても良い。
また、実施の形態4においては、第1のシールドケースD1について説明したが、第2のシールドケースD2も同様に構成することができる。
【0026】
実施の形態5.
図6は、この発明の実施の形態5に係るシールド性能評価回路の第1のシールド性能評価装置の内部構造図である。
この発明の実施の形態5に係る第1のシールド性能評価装置は、この発明の実施の形態4に係る第1のシールド性能評価装置に電子部品16と電源17を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
電子部品16は、ノイズ評価を行い、例えば増幅器であり、ストリップ線路9の間に実装されている。また、電子部品16が電力を必要とするので、例えば一次電池または二次電池などの電源17を角筒1の中に配備し、供給している。電子部品16と電源17との間を電源コード18で接続している。
【0027】
なお、この発明の実施の形態5においては、電力を必要とする電子部品16を用いているが、電力の供給を必要としない例えばコモンモードチョークなどのパッシブデバイスでも良い。
また、実施の形態5においては、第1のシールドケースD1について説明したが、第2のシールドケースD2も同様に構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、ケーブル伝送を含む産業用機器のEMI試験およびイミュニティ試験に適用が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 角筒、2 前面パネル、3 蓋、4 出力コネクタ、5 平衡ケーブル、6 シールド外皮導体、7 クランプ、8 プリント基板、9 ストリップ線路、10 基板エッジコネクタ、11 同軸ケーブル、12 グラウンドプレーン、13 ネジ、14 ナット、15 留め具、16 電子部品、17 電源、18 電源コード、COMB1、COMB2 ケーブル接続口、CON1、CON2、CON3、CON4 出力コネクタ、CPL 結合器、D1 第1のシールド性能評価装置、D2 第2のシールド性能評価装置、NA マルチポートネットワークアナライザ、OSC オシロスコープ、P1、P2 出力ポート、P3 入力ポート、PG パルスジェネレータ、R1、R2 終端抵抗、TL1 平衡ケーブル、TL2、TL3、TL4、TL5 不平衡線路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平衡ケーブルのシールド性能を評価するとともにシールドケース、出力ポートおよび入力ポートを備えるシールド性能評価回路において、
上記シールドケースは、上記平衡ケーブルが接続されるケーブル接続口と、上記平衡ケーブルを外部に引き出すとともに地導体と信号導体から構成される出力コネクタと、上記ケーブル接続口と上記出力コネクタとを接続するとともに地導体と信号導体から構成される上記平衡ケーブルの芯線数と同じ数の不平衡線路と、を備え、

各上記平衡ケーブルの線路導体の一端が第1の上記シールドケースの上記不平衡線路の信号導体に接続されるとともに、各上記平衡ケーブルのシールド導体の一端が上記第1のシールドケースの不平衡線路の地導体および上記第1のシールドケースのケーブル接続口の周辺の導体に接続され、
各上記平衡ケーブルの線路導体の他端が第2の上記シールドケースの上記不平衡線路の信号導体に接続されるとともに、各上記平衡ケーブルのシールド導体の他端が上記第2のシールドケースの不平衡線路の地導体および上記第2のシールドケースのケーブル接続口の周辺の導体に接続され、
上記出力ポートは、上記第1のシールドケースの出力コネクタに接続され、
上記入力ポートは、上記平衡ケーブルの予め定めた位置の近傍に配置されるとともに上記平衡ケーブルにノイズを注入するために上記平衡ケーブルと電磁結合された結合器に接続されていることを特徴とするシールド性能評価回路。
【請求項2】
平衡ケーブルのシールド性能を評価するとともにシールドケース、出力ポートおよび入力ポートを備えるシールド性能評価回路において、
上記シールドケースは、上記平衡ケーブルが接続されるケーブル接続口と、上記平衡ケーブルを外部に引き出すとともに地導体と信号導体から構成される出力コネクタと、上記ケーブル接続口と上記出力コネクタとを接続するとともに地導体と信号導体から構成される上記平衡ケーブルの芯線数と同じ数の不平衡線路と、を備え、
各上記平衡ケーブルの線路導体の一端が第1の上記シールドケースの上記不平衡線路の信号導体に接続されるとともに、各上記平衡ケーブルのシールド導体の一端が上記第1のシールドケースの不平衡線路の地導体および上記第1のシールドケースのケーブル接続口の周辺の導体に接続され、
各上記平衡ケーブルの線路導体の他端がシールド付きの終端抵抗に接続されるとともに、各上記平衡ケーブルのシールド導体の他端が上記シールド付き終端抵抗シールドに接続され、
上記出力ポートは、上記第1のシールドケースの出力コネクタに接続され、
上記入力ポートは、上記平衡ケーブルの予め定めた位置の近傍に配置されるとともに上記平衡ケーブルにノイズを注入するために上記平衡ケーブルと電磁結合された結合器に接続されていることを特徴とするシールド性能評価回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシールド性能評価回路の出力ポートと入力ポートとをネットワークアナライザに接続し、上記出力ポートと上記入力ポートとの間のマルチポートSパラメータを測定し、測定されたマルチポートSパラメータから差動モードSパラメータおよびコモンモードSパラメータを同時に算出することを特徴とするシールド性能評価方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のシールド性能評価回路の出力ポートにオシロスコープを接続し、該シールド性能評価回路の入力ポートにパルスジェネレータを接続し、上記パルスジェネレータからインパルス波形を出力して結合器を介して平衡ケーブルに印加されることによって生じたノイズを、上記オシロスコープの複数のチャンネルで測定し、測定したノイズ波形を演算処理して、差動モードのノイズ波形およびコモンモードのノイズ波形を上記オシロスコープにより同時に測定することを特徴とするシールド性能評価方法。
【請求項5】
密閉構造で導体からなる筐体と、
上記筐体の一面に平衡ケーブルを差し込むことができるように設けられた開放口であるケーブル接続口と、
上記ケーブル接続口に取り付けられたとともに上記平衡ケーブルのシールド導体と上記筐体とを隙間なく接続できるように成形された導体のクランプと、
上記筐体の一面に設けられるとともに上記筐体と共通のグラウンドを持ち、且つ外部から上記筐体内部にまで芯線が貫通している複数の同軸コネクタからなる出力コネクタと、
上記筐体の内部に配置されととともに上記ケーブル接続口の近傍および上記出力コネクタの近傍で上記筐体と共通のグラウンドを持ち、且つ上記ケーブル接続口から差し込まれた上記ケーブルの芯線と上記出力コネクタの芯線とを接続する不平衡線路と、とからなることを特徴とするシールドケース。
【請求項6】
上記不平衡線路が基板上のストリップ配線によって構成されることを特徴とする請求項5に記載のシールドケース。
【請求項7】
上記ストリップ配線の途中にノイズ対策デバイスまたはノイズ評価デバイスを実装することを特徴とする請求項6に記載のシールドケース。
【請求項8】
上記筐体内に一次電池または二次電池を内蔵したことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のシールドケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−106859(P2011−106859A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259786(P2009−259786)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】