説明

シールリング組付装置

【課題】 軟質材からなり、リング形状が円形のシールリングをワークのシール溝に組付けるシールリング組付装置であって、組付の信頼性が高く、コストが安く、さらにシールリングの自動供給系を任意の位置に設置できるシールリング組付装置を提供すること。
【解決手段】 エアで導入管13を通って受入管14にシールリング2を圧送した後、エアの供給を停止し、シャッター21を開き受入管14をガイド管50のガイド孔51に繋ぐ。次に少なくとも旋回機構42を含む軸方向移動機構44によりシャフト31の中心軸Yから外れた位置に突出して設けた偏芯突起32を有するシャフト31をガイド孔51に移動させ、シールリング2をガイド孔先端52に適正な組付姿勢で装着させ、シャフト31を移動させ、ガイド孔先端52に繋がるワーク5のシール溝5aにシールリング2を組付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材質がゴムなどの軟質材で、断面形状が円形(Oリング)、あるいは円形と異なる異形形状、例えばX形状(Xリング)、四角(角リング)で、リング形状が円形のシールリングをシール溝に装着するシールリング組付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の従来技術のOリング組付装置(シールリング組付装置)は、先端外周に縮径したテーパガイド面が形成され、そのテーパガイド面の先端から逆に拡径した逆テーパガイド面が形成された括れ部にOリングを外挿状態で保持するピン部材と、そのピン部材に軸方向に相対移動可能に外装され、ピン部材の括れ部に保持されたOリングを押し込む押圧面が先端に形成されたガイド部材とを備え、ピン部材の先端をワークの凹穴に挿入し、その括れ部に保持されたOリングをピン部材のテーパガイド面とガイド部材の押圧面とで押圧してワークの凹穴に篏入させ、その上でガイド部材によりOリングを押し込んだ状態でピン部材を軸方向に後退させてその逆テーパガイド面でもってOリングの篏入時に発生した捩じれを除去にする。
【0003】
また、このOリング組付装置は、ピン部材とガイド部材がOリング組付装置を支持している支持フレームに対し相対移動可能にする駆動機構を備えている。即ち、駆動機構のシリンダ本体にピン部材を連結すると共に、駆動機構のシリンダロッドにガイド部材を連結し、シリンダロッドの伸長によりガイド部材が軸方向に移動してワークの凹穴にOリングを当接させ、その後さらに、シリンダロッドの伸長を続行することにより、シリンダ本体に連結されたガイド部材の押圧面がOリングに当接した状態になる。次いで、シリンダ本体をシリンダロッドの伸長と逆方向に移動させることにより、Oリングがワークの凹穴に装着された状態で、ピン部材から脱着される。
【0004】
さらに、Oリング組付装置は、Oリングをピン部材の括れ部に外挿するOリング自動供給系の装置を備える。この装置は、Oリングを一列に整列搬送する搬送体と、搬送体からOリングを取出すプッシャと、プッシャにOリングを正確に嵌め付ける押えと、Oリングをピン部材の括れ部に外挿するするため、プッシャからOリングを移載されるステージとを備え、さらにプッシャへのOリングと、プッシャからのOリングの移載のための駆動機構と、ステージに移動する駆動機構を備える。
【特許文献1】特開2000−161490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1によれば、ピン部材のテーパガイド面とガイド部材の押圧面とでOリングを押圧してワークの凹穴にOリングを篏入させる際、Oリングはワークの凹穴の外径側側面からの摩擦力により、Oリングの断面外周に沿う回転力を受け、この回転力により捻じれる。次いで、シリンダ本体をシリンダロッドの伸長と逆方向に移動させることにより、Oリングがワークの凹穴に装着された状態で、ピン部材から脱着され、この時、Oリングはピン部材の逆テーパガイド面からの摩擦力により、Oリングの断面外周に沿う上記の反対方向の回転力を受ける。摩擦面であるワークの凹穴の外径側側面とピン部材の逆テーパガイド面の粗さは必ずしも同じではなく、また、凹穴の外径側側面とOリングとの当接面積と、逆テーパガイド面側のOリングとの当接面積も同じではない。結果、篏入時の回転力と脱着時の回転力は等しくなく、Oリングがピン部材から脱着された時点で、Oリングの捻じれは、完全に除去されず、捻じれが残留し、この状態でワークに当接しているガイド部材を上方に移動させると、残留している捻じれによってOリングがワークの凹穴から外れることが起ることがあり、ワークの凹穴へのOリング組付の信頼性が低い問題がある。
【0006】
また、Oリング組付装置は、Oリングをワークの凹穴に組付ける際、ガイド部材の押圧面の中心軸をOリングのリングの中心軸と合うように正確にガイド部材の押圧面をOリングに当接させなければならない。このためシリンダロッドに連結しているガイド棒は、支持フレームに挿通され、挿通されたガイド棒の下方部位は支持フレームの挿通孔より小径にしスキマを設け、支持フレームより上方のガイド棒の上方部位は挿通孔より大径にし、下方部位と上方部位の間にテーパ面を形成して、テーパ面が支持フレームから浮き上がらせることで、ガイド部材の押圧面の中心軸がOリングのリングの中心軸に合うようにOリングの当接面に倣わせているが、前記のスキマとテーパ面とによる位置決めではガイド部材の押圧面の位置決めが不安定で不確実になるためワークの凹穴へのOリング組付の信頼性が低い問題がある。
【0007】
さらに、Oリング組付装置は、Oリングをピン部材の括れ部に外挿するOリング自動供給系の装置を備えており、この装置は、メカニカルに駆動される機構となっているため、Oリング自動供給系の装置のコストが高くなる問題がある。また設置場所も制限される問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、シールリングをシール溝に組付ける信頼性が高く、コストが安く、さらにシールリングの自動供給系の装置を任意の位置に設置できるシールリング組付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、 軟質材のシールリングをワークのシール溝に組付けるシールリング組付装置であって、気体によって圧送される前記シールリングを導入する導入管と、前記導入管と交わり、前記導入管から前記シールリングが導入される受入管と、前記受入管に流入した前記気体を排出する排気孔と、前記受入管の一端に設けられ、閉状態において前記シールリングの移動を規制するシャッターと、前記シャッターを介在し前記受入管と繋がり、前記ワーク側の内径が前記シール溝の内径より小さいガイド管と、偏芯突起が設けられ前記受入室の前記シールリングを押動するシャフトと、前記シャフトを旋回しながら軸方向に移動する軸方向移動機構と、を設けた組付手段と、を備える。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記シャフトの旋回角度は180度以上である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記偏芯突起の前記シャフトの中心軸からの偏芯量は、前記シールリングの幅より大きく、且つ、前記シールリングの内径の半分より小さい。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記受入管の前記シャフト側の内周面および前記シャフトの少なくともいずれかに排気流路を備え、前記導入管から前記受入管へ流入した前記気体は、前記シャフト方向と前記シャッター方向に別れ、前記シャフト方向の前記気体は、前記排気流路から排出され、前記シャッター方向の前記気体は、前記排出孔から排出される。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記排気流路から排出される前記気体の流量は、前記排気孔からから排出される前記気体の流量より多い。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明では、シールリング組付装置のガイド管のワーク側の先端(以下、ガイド管先端)をワークのシール溝に繋ぐ。次に、シャッターが閉、導入管と受入管との交差する流路口を全開にし、導入管から受入管を通って排気孔に流れる気体の流れに乗って、シールリングは導入管のシャッター側に搬送され、その後、気体の供給が停止される。次にシャッターが開かれ、受入管がガイド管に繋がり、シャフトがガイド管へ移動できる状態になる。
【0015】
導入管のシャッター側に搬送されたシールリングは、シャッター上面を予めシール溝の底面に平行にすることで、シールリングをワークのシール溝に組付できる姿勢、即ち、シールリングがシール溝の底面に略平行になる姿勢(以後、適正な組付姿勢)でシャッター面に着座するが、シール溝への組付に不適正な姿勢(以後、不適正な組付姿勢)で導入管のシャッター側に留まる場合もある。即ち、シャッターは、圧送されたシールリングをガイド管に搬送するのを一旦、規制する。
【0016】
不適正な姿勢でシャッター側に留まったシールリングは、シャッターが全開された後、組付手段が作動して所定の位置にシャフトが移動し、次に、旋回にながら軸方向に移動する軸方向移動機構よりシャフトの偏芯突起はシャフトの中心軸を軸として旋回して、シールリングに当り、さらに偏芯突起がシールリングの内径側に入り込み、偏芯突起によりシールリングが回転され、適正な組付姿勢に修正される。次に、組付手段の軸方向移動により、シャフトが軸方向に移動して、シャフトの端面で適正な組付姿勢を維持しつつシールリングを押し、適正な組付姿勢でガイド管のワーク側に装着する。
【0017】
一方、適正な組付姿勢でシャッター面上に着座したシールリングは、旋回を含む組付手段の軸方向移動によりシャフトの端面で押されて適正な組付姿勢を維持しつつ、受入管からガイド管のワーク側に装着される。
【0018】
ガイド管のワーク側は、内径がシールリングの外径より小さいので、ガイド管のワーク側に装着されたシールリングは、ガイド孔の内周面から押え圧力を受け、適正な組付姿勢で保持される。また、ガイド管のワーク側の内径は、シールリングの外周が当接するシール溝の側面の内径より小さいので、ガイド管先端の内径をシール溝側面の内側に位置させ、ガイド管先端の内周をワークのシール溝に繋ぐことで、ガイド管のワーク側のシールリングは、組付手段により、シャフトの端面に押されてガイド管先端から離脱され、シール溝へ移動する。この時、シールリングはガイド管先端側の内周面の押え圧力から解除され、シール溝に所定の外径シメシロを持って組付られる。
【0019】
以上により、シールリングはワークのシール溝に所定の外径シメシシロを持って組付られ、また、ガイド管先端の内周面の内径はシールリングが自然落下しない寸法にすれば良いので、従来技術のシールリング断面回りの捻れによる組付不具合は起こらず、さらには、ガイド管先端の内径をシール溝の側面の内側に位置させガイド管先端の内周をワークのシール溝に繋ぐので、従来技術での押圧面の位置決めの不確実よる組付不具合は起らず、シールリングを組付ける信頼性が向上する。
【0020】
また、シールリングのシールリング組付装置への供給は、大気より圧力の高い気体(以下、気体)、例えばエアをホースに供給し、ホースを通ってシールリングを圧送すると共に、シールリングのシール溝への組付前工程で実施されるガイド管のワーク側のシールリングの装着は、組付手段により行なわれるので、従来技術のOリングをピン部材の括れ部に外挿する機械式のOリング自動供給系の装置は不要となり、シールリングの自動供給系を任意の位置に設置でき、しかもコストの安いシールリング組付装置を提供できる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明では、シャフトの中心軸を軸とした旋回角度は、シャフトがシャッター上面からシールリングの外径寸法の位置を基点に、シャッター方向に旋回する角度で180度以上であるので、偏芯突起は中心軸を軸として180度以上、シャッター方向に旋回する。従って、不適正な組付姿勢のシールリングがあると、シャフトが180度旋回する間に偏芯突起がシールリングに当り、さらにシールリングの内径側に入り込み、偏芯突起によりシールリングが回転され、旋回が終了するまでにシールリングを適正な組付姿勢に修正する。結果、シールリング組付装置の信頼性が向上する。
【0022】
また、請求項3に記載の発明では、偏芯突起のシャフトの中心軸からの偏芯量がシールリングの幅より大きくシールリングの内径の半分より小さいので、偏芯突起は中心軸の回りを旋回しながら不適正な組付姿勢のシールリングの内径側に入り込むことができ、偏芯突起とシャフトの端面とで不適正な組付姿勢のシールリングを回転させ、適正な組付姿勢に修正する。結果、シールリング組付装置の信頼性が向上する。
【0023】
また、請求項4に記載の発明では、導入管に流入した気体は、排気孔と排気流路とに分岐され、排気流路から排出される気体は、シャフトが挿入された方向に流し大気へ排出さする。排気流路に流れる気体は、シールリングが導入管から受入管に圧送される際、シールリングがシャッター上面に対し略垂直に立ってシャッターに向かって移動するのを防ぎ、シールリングの先頭を持上げ斜めに移動させ、シールリングの先頭を受入管の内壁に当らせる。排気孔へ流れた気体は、先頭が持上ったシールリングをシャッターに向けて吹付け、シャッター上面にシールリングを適正な組付姿勢で着座させる。
【0024】
また、請求項5に記載の発明では、排気流路から排出される気体の流量は、排気孔から排出される流量より多いので、シールリングが導入管から受入管に圧送される際、排気流路に流れる気体によりシールリングはシャッター上面に対し平行姿勢になる。平行姿勢になったシールリングは、排気孔に流れる気体によりシャッター方向に吹付けられてシャッター上面に適正な組付姿勢で着座する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係わるシールリング組付装置の断面図である。シールリング組付装置1は、圧送部10と、機械駆動部30と、ガイド管50と、シャッター部20から構成され、図中のシールリング2は搬送途中の状態を示し、矢印Bは図示していないエア供給源(供給源)から供給されるエア(気体)の流れを示す。
【0027】
圧送部10は、ブロック11と管12を備え、ブロック11には、受入管14と、受入管14に斜交する導入管13が設けられ、導入管13は管12の管路を含む。管12には、シールリング2を導入管13に供給するホース3が接続され、導入管13の流路径はシールリング2の外径Dより大きい。
【0028】
ブロック11の下面には、受入管14を開閉するシャッター21が配備され、ブロック11の上面側の受入管14には、シャフト31が微小間隙を持って摺動可能に内接する。シャフト31の下面31c(端面)と、シャッター21との間の受入管14はシールリング2を受入れる受入室15を形成する。
【0029】
また、シャッター21には開閉機構22が連結され、シャッター部20が構成され、空圧でシャッター21が開閉される。
【0030】
機械駆動部30は、カムフォロア33を備えるシャフト31と、シャフト31に連結されるロッド34aを有する駆動装置34と、駆動装置34を固定する支持台35と、カムフォロア33が倣うカム溝37を設けたカムガイド38とから構成される。
【0031】
シャフト31の上端側は、上記したようにロッド34aにネジ結合され、ネジ結合部は接着材が塗布され緩み防止がなされる。シャフト31には、カムフォロア33がシャフト31の中心軸Yに対し直交しボルト33aで固定される。シャフト31の下面31cには、略円錐形状の偏芯突起32が設けられる。偏芯突起32は、シャフト31の中心軸Yを軸とし、シールリング2の幅Wを半径とする円柱の外側で、シールリング2の内径(直径)dを直径とする円柱の内側に位置する。
【0032】
駆動装置34は、ロッド34a、シリンダ34bと、ロッド34aを接続したピストン(図示せず)とを備え、ロッド34aは空圧により軸方向に往復運動すると共に、シャフト31の中心軸Yを中心に回転できる可能に配設される。従って、ロッド34aと、シャフト31は一体となって回転できる。
【0033】
図2は、図1のブロック11のA矢視図である。ブロック11の下面には、溝11b(図2)が設けれ、溝11bとシャッター上面21aとで受入室15に流入する大気より圧力の高いエア(以下、エア)を開放する排気孔11aが形成される。シャフト31の下面31cには、導入管13に流入したエアが分岐して大気に排出される流路31b(排気流路)が設られ、流路31bはブロック11の受入管14の内周面上方に設けた流路11cを介在して流路孔11dへ連通され、流路31bと、流流路11cと、流路孔11dとでバイパス流路31aが形成される。バイパス流路31aの最小流路断面は、排気孔11aの最小流路断面積の約2倍に設定される。尚、受入管14の内周面とシャフト31の外周面との微小間隙は、エアを大気に対しシールするクリアランスシール機能を果たす。
【0034】
また、バイパス流路31aの流路口11eにエアを供給し、バイパス流路31aは流路31bから受入室15内のシールリング2にエアを吹付ける吹付流路31dとすることもできる。吹付流路31dは、バイパス流路31aとは別にシャフト31に設けても良い。
【0035】
また、流路口11eに図示の一点鎖線で囲まれエア回路45を設けても良い。エア回路45は、排気弁46の一端と、供給弁47の一端を共に流路口11eに接続し、排気弁46の他端は大気に開放し、供給弁47の他端はエア供給源(図示せず)に接続する。排気弁46と、供給弁47を切換えることにより、バイパス流路31aを排気用流路と、エア供給用の吹付流路の両流路として使用できる。尚、排気弁46の最小流路断面は、排気孔11aの最小流路断面積の約20倍以上が好ましい。
【0036】
次に、組付手段の構成を説明する。カムガイド38は、円筒38aの下端にフランジ38bを備える。フランジ38bは、カムガイド38とシャフト31とが同軸を保ち、ブロック11の上面と支持台35の下面とに挟まれ、多数本のボルト4で支持台35と共にブロック11に固定される。
【0037】
カムガイド38の円筒38aには、カムフォロア33が内接するカム溝37が設けられ、カム溝37は、円筒38aの上側から下側に向かって順次、直線溝37abと、螺旋溝37bcと、直線溝37cdと繋がって形成される。シャフト31は、カム溝37にカムフォロア33が倣い、中心軸Yの上下方向(以下軸方向)に移動する。即ち、ロッド34aが上方から下方へ移動すると、シャフト31は、(直線溝37abに倣う移動量L1の直線移動,螺旋溝37bcに倣う移動量L2の旋回,直線溝37cdに倣う移動量L3の直線移動)のシャッター21方向に近づく軸方向移動をし、ロッド34aが下方から上方移動すると、(直線溝37cdに倣う移動量L3の直線移動,螺旋溝37bcに倣う移動量L2、旋回,直線溝37abに倣う移動量L1の直線移動)のシャッター21から離れる軸方向移動をする。
【0038】
直線溝37abの上端37aの位置は、シャフト31が上方に移動した時、受入管14から離脱しない条件と、エア供給時にシャフト31が導入管13の流路(導入管13と受入管14の交叉流路)を全開にする条件とを確保できる位置であれば良い。
【0039】
直線溝37cdの下端37dの位置は、シャフト31が下方向移動してガイド管50のガイド孔51の先端52(以下、ガイド孔先端52)側に装着されるシールリング2をワーク5のシール溝5aに組付できる条件が確保できれば良い。即ち、組付完了した時点でのシャフト31の下面31cとシール溝5aの底面5cの間の距離がシールリング2の高さH以上を確保できれば良い。
【0040】
螺旋溝37cの回転角度は、シャフト31の端面31cが閉状態のシャッター上面21aからシールリング2の外径寸法Dの位置を基点に、シャッター21方向に旋回する角度で180度以上回転できれば良い。図1の実施形態では、旋回する角度を180度、旋回の直線移動量L2はシールリング2がガイド孔先端52に至る距離に設定している。
【0041】
また、シャフト31の端面31cが閉状態のシャッター上面21aからシールリング2の外径寸法Dの位置を基点に、シャッター21方向に向かう移動量が、シールリングの外径D以上であれば良い。
【0042】
また、上記の螺旋溝37bcの回転角度と、移動距離が確保できれば、シャフト31は、カム溝37の上端37aからカム溝37の下端37dの間の軸方向移動が旋回だけの移動でも、あるいは旋回移動と直線移動の組合せた移動でも良い。
【0043】
組付手段40は、少なくともカムフォロア33と螺旋溝37bcによる旋回機構42を含む軸方向移動機構44を備える。即ち、組付手段40は、前記の旋回機構42と、カムフォロア33と直線溝37abによる直線移動機構41、および、カムフォロア33と直線溝37cdによる直線移動機構43のうち少なくとも旋回機構42を備える。軸方向移動機構44は、シャフト31が中心軸Y上に移動する機構であれば良く、旋回機構42でも、直線移動機構41、43でも、また他の軸方向に移動する機構でも良い。
【0044】
ガイド管50は、ブロック11の下面にボルト6で固定され、ガイド管50の上面にはシャッター21が開閉可能にする溝が設けられる。ガイド管50は、シャッター21が開状態で受入管14に同軸で連通するガイド孔51が設けられる。
【0045】
ガイド孔51は、順次、シャッター21側の導入部51a、移行部51b、ガイド部51cが接続され形成される。導入部51aの内径は、受入管14の内径、および、シールリング2の外径Dより僅かに大きい。移行部51bとガイド部51cの接続位置の内径は、導入部51aの内径より小さく、ガイド孔先端52側の内径より大きく、好ましくはシールリング2の外径Dより僅かに小さい。即ち、ガイド部51cは、ガイド孔先端52側が少なくともガイド孔先端52に向かうにつれ僅かに内径が小さなる縮径したテーパ状であるのが好ましい。また、ガイド部51cは、シールリング2の外径Dより僅かに小さいストレート状でも良い。移行部51bは、導入部51aからガイド部51cにスムーズに移行するように細められる。
【0046】
尚、本実施形態は、ガイド孔51が、導入部51a、移行部51b、ガイド部51cから形成されているが、この形成に限らない。例えば、ガイド孔51に導入部51a、移行部51bを配設せず、ガイド孔51がテーパ状のガイド部51cを形成し、シャッター21側のガイド孔51の入口内径は受入管14の内径、および、シールリング2の外径Dより僅かに大きく、ガイド孔先端52側の内径はシールリング2の外径Dより僅かに小さい。
【0047】
ガイド孔先端52側の内径は、シールリング2の外径Dより小さく、且つシールリング2の外周が当接するシール溝5aの側面5b(以下シール溝側面5b)の内径より小さい。
【0048】
シールリング組付装置1とワーク5の関係は、ワーク5が架台7の所定位置に配置され、シールリング組付装置1が移動して、シールリング組付装置1のガイド管50のガイド孔先端52の端面がワーク5の上面に当接し、且つシール溝側面5bの内側に配置され、ガイド部51cがシール溝5aに繋がる。
【0049】
尚、偏芯突起32がワーク5のシール溝5aの底面5cに当る場合は、図3に示すようにバネ63の力に抗し偏芯突起62がシャフト61の内側に引込む構造にすれば良い。
【0050】
また、図1ではガイド管50は、ブロック11の下面に設けられているが、ブロック11の下面側を延長してガイド管50とし、ガイド孔51を設けても良い。
【0051】
次に、図1の実施形態の作用と効果について説明する。
【0052】
(シールリングが適正な組付姿勢でシャッター上面に着座する場合)
図4は、シャッター上面に適正組付姿勢で着座した場合のシールリング組付の一連の工程を示す。各工程は以下の通りである。
【0053】
(工程1):シール組付リング組付装置1がワーク5の所定位置に移動する。シャフト31の下面31cが導入管13を全開にする位置に位置し、シャッター21は閉状態にある。
【0054】
(工程2):ホース3からエアが供給される。エアの流れ(導入管13,受入室15,排気孔11a,大気)により、シールリング2が導入管13を通過して受入室15に圧送されたシールリング2は、大気に排出されるエアに吹付けられ、細線で示される動きをし、適正な組付姿勢でシャッター上面21aに着座(規制)する。
【0055】
(工程3):ホース3(図1)からのエア供給が停止され、シャッター21が開かれる。シールリング2は受入室15で工程2の状態を保持する。
【0056】
(工程4):組付手段40の直線溝37abに倣う直線移動機構41(図1)により、シャフト31は下方に距離L1直線移動する。シールリング2は受入室15で工程3の状態を保持する。
【0057】
(工程5):組付手段40の旋回機構42(図1)によりシャフト31が下方に旋回して、シャフト31の下面31cがシールリング2に当り、引き続きシャフト31はシールリング2を適正な組付姿勢を保ちつつ押し、180度、旋回して下方に距離L2移動し、シールリング2は適正な組付姿勢でガイド孔先端52に至る(実線図示のシールリング2)。この時、シールリング2はガイド管50のガイド孔先端52側の内周面から僅かな押え圧力を受ける。
【0058】
(工程6):組付手段40の直線溝37cdに倣う直線移動機構43(図1)により、シャフト31は下方に距離L3直線移動し、ガイド孔先端52側の内周面からシールリング2を脱離させる。この時、シールリング2はガイド孔先端52側の内周面からの押え圧力が解除され、シール溝5aに所定のシメシロをもって組付られる。
【0059】
(工程7):シャフト31は、組付手段40により(直線移動機構43による上方向の直線移動,旋回機構42による上方向の旋回移動,直線移動機構41による上方向の直線移動)の各移動が、順次行われ、その後、シャッター21は閉じられ、工程1の状態に戻り、シールリング2のシール溝5aへの組付が完了する。
【0060】
尚、図4の細線で示されるシールリング2は各工程の途中の状態を示す。
【0061】
(シールリングが受入室で不適正な組付姿勢になる場合:ケース1)
図5は、シールリング2が不適正な組付姿勢で受入室15に圧送された場合のシールリング組付の一連の工程を示す。図5の工程1と、工程6と、工程7のシールリング2の挙動は、図1の工程1と、工程6と、工程7の場合と同じである。図5の工程2から工程5のシールリング2の挙動は以下の通りである。
【0062】
(工程2):ホース3からエアが供給される。エアの流れ(導入管13,受入室15,排気孔11a,大気)により、シールリング2が導入管13を通過して受入室15に圧送されるが、適正な組付姿勢でシャッター上面21aに着座せず、例えば細線で示される挙動をし、シャフト31の中心軸Y上でシャッター上面21aに対し垂直な姿勢で留まる(規制)。
【0063】
(工程3):ホース3からのエア供給が停止され、シャッター21が開かれる。シールリング2は受入室15で工程2の状態を保持する。
【0064】
(工程4):組付手段40の直線溝37abに倣う直線移動機構41(図1)により、シャフト31は下方に距離L1直線移動する。この時、シャフト31の下面31cはシールリング2の外周に接し、シールリング2は受入室15で工程3の状態を保持する。
【0065】
(工程5):組付手段40の螺旋溝37bcに倣う旋回機構42(図1)により、シャフト31は下方に旋回移動すると、偏芯突起32はシールリング2の側面に当り、中心軸Yを軸として旋回し、シールリング2の内径側に入り込み、偏芯突起32とシャフト31の下面31cとによりシールリング2は細線で示される動きをしながら、回転され、徐々に適正な組付姿勢へと修正され、旋回移動距離L2、下方に移動して適正な組付姿勢でガイド孔先端52に至る(実線図示のシールリング2)。この時、シールリング2はガイド管50のガイド孔51cの内周面から僅かな押え圧力を受ける。図4の細線は各工程の途中の状態を示す。
【0066】
尚、前述の説明ではシャッター21は、組付手段40の直線溝37abに倣う直線移動機構41による移動が開始される前に開かれるが、偏芯突起32の構造が図1で示される場合は、偏芯突起32がシャッター上面21aに当る前にシャッター21を全開にしても良く、偏芯突起32の構造が図3で示される場合は、シャフト31がシャッター上面よりシールリングの高さHの位置に来る前にシャッター21を全開にしても良よい。
【0067】
(シールリングが受入室で不適正な組付姿勢になる場合:ケース2)
ケース2は、偏芯突起32がケース1の偏芯突起32に対し90度ずれた位置に取付けらる。従って、前述のケース1の工程2において、シールリング2の外径線が偏芯突起32の軸X(図6)にくる。ケース2では、工程4のシールリング2の挙動と、工程5のスタート時のシールリング2の姿勢がケース1と異なる。他の工程はケース1と同じである。図6は、ケース2の工程3と、工程4の説明図である。図中、シャフト31と、工程3、工程4−1、工程4−1aのシールリング2は断面でなく外形を示す。
【0068】
(工程3):ホース3からエア供給が停止され、シャッター21が開かれる。シールリング2は受入室15で工程2の状態(シャフト31の中心軸Y上でシャッター上面21aに対し垂直な姿勢)を保持する。
【0069】
(工程4):図6の(工程4−1)は、シャフト31が直線移動機構41により下方に直線移動して偏芯突起32の先端側がシールリング2の外径線に接した状態を示す。図示の(工程4−1a)は図6の(工程4−1)のM−M断面図である。
【0070】
(工程4−2)は、シャフト31がさらに下方に直線移動した途中の状態を示す。即ち、シャフト31が前記の接した位置からに下方に移動すると、接点がシールリング2の外径線からずれて、シールリング2の垂直な姿勢が斜めに傾きはじめ、この傾きはシャフト31が下方に移動するにつれて大きくなる。
【0071】
(工程4−3)は、シャフト31が下方に距離L1直線移動し、直線溝37abに倣う直線移動が終了した時点の状態を示す。この時点で、さらに傾は大きくなり、偏芯突起32がシールリング2の内径に入り込む。この時点は、旋回機構42による下方の旋回のスタート点であり、また、この時点のシールリング2の状態は、ケース1の工程5の途中のシールリング2の状態に相当する。以降の工程はケース1と同様でシールリング2はシール溝5aに所定の直径シメシロを持って組付られる。
【0072】
尚、本実施形態では、シールリング2の供給及び組付において、最も劣悪な姿勢である、シールリング2が立った状態にて説明を行しているが、これに限定されるものではなく、例えば、シールリング2が受入室15の内周壁に倒れかかった姿勢でも同様の効果を奏することができる。
【0073】
(工程5と工程6におけるガイド孔とシールリングの作用)
ガイド孔51の導入部51aの内径は、受入管14の内径およびシールリング2の内径より僅かに大きく、且つガイド孔51と受入管14は同軸関係にあるので、シールリング2は受入室15から導入部51aにスムーズに移る。また、移行部51bは、導入部51aとガイド部51cをスムーズに繋いでいるので、シールリング2は導入部51aからガイド部51cにスムーズに移る。
【0074】
ガイド部51cはガイド孔先端52に向かうにつれ僅か内径が小さくなるテーパ状で、ガイド部51cの傾きは、シールリング2が自然落下しない程度の微小量で、ガイド部51cの内径はシールリング2の外径より僅かに小さく、シールリング2がガイド部51cを移動中、シールリング2はガイド部51cの内周面から徐々に僅かな押さえ圧しか受けないので、シールリング断面回りにほとんど捻じれない。
【0075】
ガイド孔先端52の内径はシールリング2の外径Dより小さいので、ガイド孔先端52に至ったシールリング2は、ガイド孔先端52のガイド部51cの内周面から押え圧力を受け、適正組付姿勢を保持できる。また、ガイド孔先端52の内径は、シールリング2の外周が当接するシール溝5aの側面5bの内径より小さく、ガイド孔先端52の内径をシール溝側面5bの内側に位置させ、ガイド孔先端52がワーク5のシール溝5aに繋がるようにシールリング組付装置1が移動する。従って、ガイド孔先端52のシールリング2は、組付手段40の直線移動機構43によるシャフト31の軸方向移動でガイド孔先端52から離脱され、シール溝5aへ移動する。この時、前記押え圧力が解除され、シールリング2はシール溝5aに所定の外径シメシシロを持って組付られる。
【0076】
以上から、組付手段40によりシールリング2はガイド孔先端52に適正な組付姿勢で装着され、そこからシール溝5aに所定の外径シメシシロを持って組付られるので、従来技術で起るシールリング断面回りの捻れによる組付不具合や、押圧面の位置決めの不確実よる組付不具合は発生せず、シールリング組付1の信頼性が向上し、信頼性の高いシールリング組付装置1を提供できる。
【0077】
また、シールリング2のシールリング組付装置1への供給は、エアでホース3を通ってシールリング2を圧送すると共に、シールリング2のシール溝5aへの組付前工程で実施されるガイド孔先端52側のシールリング2の装着は、組付手段40により行なわれるので、従来技術のOリングをピン部材の括れ部に外挿する機械式のOリング自動供給系の装置は不要となり、シールリング2の自動供給系(図示せず)を任意の位置に設置でき、しかもコストの安いシールリング組付装置1を提供できる。
【0078】
シャフト31の中心軸Yを軸とした旋回機構17の回転角度は、シャフト31がシャッター上面21aからシールリング2の外径寸法Dの位置を基準に、シャッター21方向に旋回する角度で180度以上であるので、偏芯突起32も中心軸Yを軸として180度以上旋回する。従って、不適正な組付姿勢のシールリング2があると、シャフト31が少なくとも180度旋回する間に、偏芯突起32がシールリング2に当り、さらにシールリング2の内径側に入り込み、偏芯突起32によってシールリング2が回転され、適正な組付姿勢に修正され、引続き軸方向移動機構44によりシャフト31が下方に移動してガイド孔先端52の内径に適正な組付姿勢で装着される。結果、シールリング組付装置1の信頼性が向上する。
【0079】
尚、旋回機構42の旋回角度は180より小さくても各種の条件を整えれば、シールリング2を適正な組付姿勢に修正することが出来る。例えば、偏芯突起32の長さがシールリングの外径Dの半分であれば、旋回角度は90度以上で良い。また、偏芯突起32から中心軸Yを中心の90度回転した位置に新たに偏芯突起32を設ければ、旋回角度は90度以上で良い。
【0080】
また、偏芯突起32のシャフト31の中心軸Yからの偏芯量がシールリングの幅Wより大きくシールリング内径d(直径)の内径の半分より小さいので、偏芯突起32は中心軸Yの回りを旋回しながら不適正な組付姿勢のシールリング2の内径側に入り込むことができ、偏芯突起32とシャフト31の端面とで不適正な組付姿勢のシールリング2を回転させ、適正な組付姿勢に修正する。結果、シールリング組付装置1の信頼性が向上する。即ち、偏芯突起32はシャフト31の中心軸Yを軸とし、シールリング2の幅Wを半径とする円柱の外側で、シールリング2の内径(直径)を直径とすると円柱の内側に位置する。
【0081】
図7は、バイパス流路31aからエアが排出される説明図である。導入管13に流入したエアは、排気孔11a(図1)とバイパス流路31aとに分岐され、バイパス流路31aから排出されるエアは、シャフト31が挿入された方向(上方向)に流れる。バイパス流路31aに流れる矢印Cで示されるエアは、シールリング2が導入管13から受入室15に圧送される際、シールリング2の先頭2aが直下するのを防ぎ、適正な組付姿勢を確保できるように移動しているシールリング2の先頭2aを持上げて斜めに落下させ、シールリングの先頭2aを受入管14の内壁に当らせる。そして排気孔11aに排出される矢印Dで示されるエアをシャッター21方向に向けてシールリング2に吹付け、シャッター上面21aにシールリング2を適正な組付姿勢で着座させる。結果、シールリング組付装置1の信頼性が向上する。
【0082】
バイパス流路31aの最小流路面積は排気孔11aの最小流路面積より約2倍大きいので、バイパス流路31aから排出される気体の流量は、排気孔11aから排出される流量より多くなり、シールリング2が導入管13から受入室15に圧送される際、バイパス流路31aに流れるエアによりシールリング2は適正な組付姿勢、即ちシール溝5aの底面5cに対し平行姿勢になる。平行姿勢になったシールリング2は、排気孔11aに流れるエアによりシール溝底面5cに平行なシャッター21方向に吹付けられてシャッター上面21aに適正な組付姿勢で着座する。結果、シールリング組付装置1の信頼性が向上する。
【0083】
図8は、吹付流路31dからエアをシールリング2に吹付ける説明図である。
【0084】
また、バイパス流路31aの流路口11e(図1)に図示していないエア供給源からエアを供給し、バイパス流路31aを吹付流路31dとして使う。排気路流11aをシャッター21側に設けることで、流路口11e(図1)にエアを供給すると、吹付流路31dであるバイパス流路31a(流路11d,流路11c,流路11b)のシャフト31の流路11bから、真直ぐシャッター21方向に向かって矢印Eで示されるエアが噴出され、受入室15のシールリング2に吹付け、排気孔11a(図1)から排出するので、シールリング2は適正な組付姿勢でシャッター上面21aに着座する。結果、シールリング組付装置1の信頼性が向上する。
【0085】
また、バイパス流路31aの流路口11eにエア回路45を接続する。供給弁47を閉じ、排気弁46を開き、受入室15に流入するエアを大気に排出し、バイパス流路31aを排気用の流路に使う。その後、排気弁46を閉じ、供給弁47を開きエアをイパス流路31aの流路口11eにエアを供給し、シャフト31の流路11bから、真直ぐシャッター21方向にエアを噴出し、バイパス流路31aを吹付流路31dとして使う。結果、シールリング組付装置1の信頼性が向上する。
【0086】
シールリング2が受入室15からガイド管50のガイド孔先端52まで搬送される過程で、シールリング2の外周側がガイド孔51の内周面から徐々に押さえ圧受けるが、ガイド管50のガイド孔51は、少なくともガイド孔先端52側が縮径されるテーパ状で、テーパはシールリング2が自然落下しない程度であれば良いので、この押さえ圧は僅かで、シールリング断面回りの捻じれはほとんど発生せずスムーズに搬送され、適正な組付姿勢でガイド孔先端52に装着される。結果、シールリング組付装置1の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態に係わるシールリング組付装置の断面図である。
【図2】図1のブロックのA矢視図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係わる偏芯突起の断面図である。
【図4】図1のシールリング組付工程(適正姿勢の場合)の説明図である。
【図5】図1のシールリング組付工程(不適正姿勢の場合)の説明図である。
【図6】図1のシールリング組付工程(他の不適正姿勢の場合)の説明図である。
【図7】バイパス流路の作用の説明図である。
【図8】吹付流路の作用の説明図である。
【符号の説明】
【0088】
1 シールリング組付装置
2 シールリング
5 ワーク
5a シール溝
11a 排気孔
13 導入管
14 受入管
21 シャッター
31、61 シャフト
31b 排気流路
32、62 偏芯突起
40 組付手段
44 軸方向移動機構
50 ガイド管
Y 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質材のシールリングをワークのシール溝に組付けるシールリング組付装置であって、
気体によって圧送される前記シールリングを導入する導入管と、
前記導入管と交わり、前記導入管から前記シールリングが導入される受入管と、
前記受入管に流入した前記気体を排出する排気孔と、
前記受入管の一端に設けられ、閉状態において前記シールリングの移動を規制するシャッターと、
前記シャッターを介在し前記受入管と繋がり、前記ワーク側の内径が前記シール溝の内径より小さいガイド管と、
偏芯突起が設けられ前記受入室の前記シールリングを押動するシャフトと、
前記シャフトを旋回しながら軸方向に移動する軸方向移動機構と、を備えるシールリング組付装置。
【請求項2】
前記シャフトの旋回角度は180度以上である、ことを特徴とする請求項1に記載のシールリング組付装置。
【請求項3】
前記偏芯突起の前記シャフトの中心軸からの偏芯量は、前記シールリングの幅より大きく、且つ、前記シールリングの内径の半分より小さい、ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のシールリング組付装置。
【請求項4】
前記受入管の前記シャフト側の内周面および前記シャフトの少なくともいずれかに排気流路を備え、前記導入管から前記受入管へ流入した前記気体は、前記シャフト方向と前記シャッター方向に別れ、前記シャフト方向の前記気体は、前記排気流路から排出され、前記シャッター方向の前記気体は、前記排出孔から排出される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシールリング組付装置。
【請求項5】
前記排気流路から排出される前記気体の流量は、前記排気孔からから排出される前記気体の流量より多い、ことを特徴とする請求項4に記載のシールリング組付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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