説明

シール包装装置、及びシール包装方法並びにその包装体

【課題】ゴミの減量化に貢献でき、且つ商品を見栄え良く包装することができるシール包装装置、シール包装方法を提供する。
【解決手段】被包装物Wを載承する略平板状の下地材aを載置する下地材載せ部2と、前記下地材a上の被包装物Wに被せるフィルムを繰り出すフィルムロール配置部4と、前記フィルムロール配置部4に配置したフィルムロール12からフィルムを引き出し、フィルムを下地材載せ部の上方に展張保持するフィルムフィード手段7と、前記フィルムが下地材上の被包装物を覆うように、フィルムフィード手段或いは前記下地材載せ部を相対的に移動させる移動手段と、被包装物を覆ったフィルムの縁を、被包装物を載せた下地材表面に熱溶着するシール手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下地材上に載せた被包装物にフィルムを被せ、そのフィルムの縁を下地材の表面にシールして包装するシール包装に関する。
【背景技術】
【0002】
品物を収容する凹部が形成された容器(トレイ)に品物を収容し、その容器の凹部表面にフィルムを被せ、該フィルムの周縁を凹部の周囲に形成されたフランジ部分に熱溶着してシールするトップシール式包装装置は種々開発され、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このトップシール式の包装は、被包装物及びトレイ全体をフィルムで覆い、該フィルムの端部をトレイの底面側に折り込んで包装するオーバーラップ式の包装方式に比べて使用するフィルムの量を略半減できるという利点がある。
しかし、トップシール式の包装において使用される容器(トレイ)は、凹部が形成された容器であるため、品物を取り出して用済み後に容器を廃棄する際、嵩が増してしまい、ゴミの減量化に貢献することが出来ないという問題がある。
【0004】
又、凹部に品物を入れるので、形が不安定な品物の場合、容器に入れる際に該品物が容器の縁に当たって形が崩れたりし、形が整ったまま容器に入れることが難下地材いう問題がある。
また、上記容器では凹部の上端部周縁にフランジ部が水平に突設され、そのフランジ部表面にフィルムが熱溶着される。その為、熱溶着されるフィルムのシール部より内側の部分(凹部の開口周縁部分)は前記熱溶着の熱により不透明になり、斜め上方から品物を見た場合、前記不透明部分で品物が見難いという問題がある。
そして、上記のようにシール包装された品物がスーパーマーケット等の陳列台に陳列された場合、品物が見難くなり、当該商品がお客に選ばれにくくなるという問題がある。
【0005】
又、ゴミの減量化のために容器(トレイ)を使用しないで包装する方法として、ビニール袋の中に下地材を入れ、その下地材の上に肉の切り落としや、ブロック等を載せ、ビニール袋の開口部をシーラーで封止するという方法が一部で採用されている。しかし、この場合商品は袋に入れられているだけなので商品の見栄えが悪く、購買意欲を低下させるという問題を有する。更に、スーパーマーケットのバックヤードで包装する場合にビニール袋の開口部から下地材、商品を入れるため、作業しにくく、生産性に劣るという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−294210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、ゴミの減量化に貢献でき、且つ商品を見栄え良く包装することができるシール包装装置、シール包装方法及び包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する為に本発明のシール包装装置は、被包装物を載承する略平板状の下地材を載置する下地材載せ部と、前記下地材上の被包装物に被せるフィルムを繰り出すフィルムロール配置部と、前記フィルムロール配置部に配置したフィルムロールからフィルムを引き出し、フィルムを下地材載せ部の上方に展張保持するフィルムフィード手段と、前記フィルムが下地材上の被包装物を覆うように、フィルムフィード手段或いは前記下地材載せ部を相対的に移動させる移動手段と、被包装物を覆ったフィルムの縁を、被包装物を載せた下地材表面に熱溶着するシール手段と、を備えた構成を特徴とする(請求項1)。
前記下地材は、紙製、樹脂製(例えば、樹脂シート、発泡樹脂シート、樹脂板等)、薄い木製板、或いは異種素材を貼り合わせた積層シート等で、フィルムを熱溶着しにくい素材に対しては、熱溶着を可能とする表面処理(樹脂のラミネート、コーティング処理等)が施されている。また、下地材の表面は無地(白色)でもよいが、載せる商品に応じて着色、模様を印刷したものを用い、商品を目立つようにしてもよい。
【0009】
被包装物の表面を覆うフィルムはストレッチフィルムに限らず、伸縮性のないフィルム(例えば、ポリプロピレンフィルム)でもよい。その場合、フィルムの弛みを無くす為に弛みを内側に折り込むための折り込み板を設け、弛みを取り除いた後、熱溶着するようにしてもよい。
前記フィルムフィード手段は、フィルムロール配置部に配置したフィルムロールに繋がるフィルムの先端部を掴んで所定長さ引き出し、その引き出したフィルムを下地材載せ部の上方に展張保持するもので、その引き出し方式はフィルムの先端を掴む部材を移動させる方式、或いはフィルムの幅方向両側を無端回動する上下のベルトで挟み、該ベルトの駆動でフィルムを引き出す方式等、何れでもよい。
【0010】
前記フィルムフィード手段が展張保持するフィルムを、下地材載せ部に載置した下地材上の被包装物に被せる為に、フィルムフィード手段或いは下地材載せ部を移動手段によって移動させるが、その移動方式は移動させる部材によって適宜選択し、手動或いは電動のいずれでもよい。例えば、フィルムフィード手段を下地材載せ部に対して上下させる方式の場合、該フィルムフィード手段の一端を回転中心とする上下回動、或いは水平状態での上下平行移動等、何れでもよい。
【0011】
又、前記シール手段は被包装物を覆うフィルムの縁を下地材の表面に熱溶着するもので、シールの形態は下地材の外形(例えば、矩形)に沿って四辺をシールする形態が基本であるが、被包装物によっては対向する二辺のみ、或いは三辺のみをシールしてもよい。
【0012】
上記手段によれば、被包装物を載せた平板状の下地材を下地材載せ部に載せ、フィルムフィード手段を操作してフィルムロールからフィルムを引き出して展張保持し、フィルムフィード手段又は前記下地材載せ部を相対的に移動させることで前記下地材上の被包装物をフィルムで覆い、且つ被包装物より外側のフィルムの縁を下地材の表面に熱溶着することができる。即ち、平板状の下地材に載せた被包装物をフィルムで覆い、フィルムの周囲を下地材表面に熱溶着することで、被包装物を下地材上に安定して保持できる。そして、フィルムで覆われる被包装物はシール部(下地材)表面より上方に突出するため、被包装物(商品)が見易くなる。また、被包装物を載せる下地材は平板状であるため、凹部を備えた容器(トレイ)に比べて減量化に大きく貢献できる。
【0013】
前記フィルムフィード手段は、例えば、フィルムロールに繋がるフィルムの先端部をクランプ部材で掴み、そのフィルムを掴んだクランプ部材をフィルムの繰り出し方向に移動させてフィルムを引き出す方式の場合、フィルムの引き出し方向に沿って前後摺動するフィルム先端クランプ部を備え、フィルム先端が待機する位置への前記クランプ部の往動(前進)により該クランプ部が開動してフィルム先端を挾着し、フィルム先端クランプ部の復動(後退)によりフィルムを引き出す構成とする(請求項2)。
具体的には、例えば、クランプ部を構成する上下部材の一方(下部材)を該フィルム先端クランプ部の往動に連係して自動的に開閉動作し、フィルム先端を上下部材で挾着する。
又、フィルム先端クランプ部をフィルムの引き出し方向に沿って摺動させる動作は、手動方式或いはモータやシリンダ等を用いた自動方式の何れでもよい。
【0014】
上記手段によれば、フィルム先端クランプ部が、フィルム先端が待機する位置への往復動作がされるだけで、フィルムの先端がクランプされ、確実に引き出して展張することができる。
【0015】
又、前記フィルムフィード手段は、フィルムロールから引き出したフィルムの幅方向両側縁を挾着保持する保持部を備えた構成とする(請求項3)。
前記保持部が挾着するフィルムの幅方向の両側縁とは、引き出されたフィルムの引き出し方向と平行な左右側縁を言う。
引き出したフィルムの幅方向両側縁を挾着保持する保持部は、フィルムフィード手段の下降に連係してフィルムを挾着する機構、或いはフィルムフィード手段の下降に連係させず独立してフィルムを挾着する機構等、何れでもよい。要は、フィルムの縁を下地材表面に熱溶着する以前にフィルムの挾着保持、即ちフィルムの展張保持が完了していればよい。
【0016】
上記手段によれば、フィルムフィード手段によって引き出されたフィルムの幅方向の側縁も保持部で挾着されるので、フィルムの四方が張った状態で、被包装物に対してフィルムを覆い被せることが可能になる。
【0017】
また、前記シール手段は、前記フィルムフィード手段に配置した発熱体と、前記下地材載せ部側に対応配置した受け部とで構成されている(請求項4)。
また、シール手段を構成する発熱体(ヒータ)としては、例えばニクロム線(抵抗線)が一般的である。又、受け部としては、耐熱性を備えた弾性体が好適である。
そして、前記シール手段を構成する発熱体と受け部は、それぞれ定着固定されていてもよいが、少なくとも一方が弾発移動自在に構成されていてもよい(請求項5)。例えば、下地材載せ部側に配置する受け部をバネ部材で上方に付勢し、下地材載せ部に載置された下地材の周縁部及び該部を覆うフィルムを、発熱体に対して弾性的に圧接するようにする。
【0018】
上記手段によれば、被包装物に被せたフィルムの縁を下地材の表面に確実に熱溶着することができる。そして、発熱体又は受け部の一方が、シール方向(鉛直方向)に弾発移動自在に構成されている場合は、下地材やフィルムを必要以上に圧着することがないので、下地材やフィルムが損傷せず、綺麗にシール包装することができる。
【0019】
また、前記シール手段は、前記フィルムフィード手段が装備する保持部より内側に配置する(請求項6)。そして、前記保持部によるフィルムの挾着位置は、下地材を載承する下地材載せ部より下方に位置させる(請求項7)。
【0020】
上記手段によれば、被包装物に被せられるフィルムはシール手段(発熱体)より外側に配置した保持部で展張保持されるため、シール手段による下地材表面へのフィルムの熱溶着を、展張状態の下で行うことができ、フィルムと下地材を確実にシールすることができる。しかも、保持部によるフィルムの挾着位置が下地材載せ部より下方に位置することで、フィルムを緊張状態で下地材の表面に押し付けることができ、フィルムを下地材に確実に熱溶着することができる。
【0021】
また、シール包装に使用するフィルムとしては伸縮性のないフィルムでもよいが、伸縮性のあるストレッチフィルムを使用した場合(請求項8)は、被包装物に被せたフィルムの中を真空にすることなく、下地材上に載せた被包装物の形態に合わせてフィルムが密着して包装されるので、フィルムに弛みがなく、見栄えのよい包装を簡単な構成で実現できる。
【0022】
また、本発明に係るシール包装方法は、略平板状の下地材に被包装物を載せ、被包装物をフィルムで覆い、フィルムの周縁を下地材表面に熱溶着するシール包装方法であって、略平板状の下地材上に被包装物を載せる被包装物載置工程と、フィルムをフィルムロールから引き出して下地材上方に展張保持するフィルムフィード工程と、下地材上の被包装物を展張状態のフィルムで覆う被覆工程と、被包装物に被せたフィルムの縁を前記下地材表面に熱溶着するシール工程と、を備える(請求項9)。
前記被覆工程は、展張保持したフィルムを、被包装物を載せた下地材に対して移動させる、或いは展張保持したフィルムに対して下側から被包装物を載せた下地材を移動させて被覆する。
【0023】
又、シール包装装置に使用する包装体は、略平板状の下地材と、その下地材上に載置される被包装物を覆い、該被包装物より外側に延出する縁部分が前記下地材表面に熱溶着されるフィルムとからなることを特徴とする(請求項10)。
【発明の効果】
【0024】
本発明のシール包装装置は請求項1記載の構成により、平板状の下地材に載せた被包装物をフィルムで覆い、フィルムの周囲を下地材表面に熱溶着するため、被包装物を下地材上に安定して保持できる。そして、フィルムで覆われる被包装物はシール部(下地材)表面より上方に突出するため、被包装物が見易くなる。また、被包装物を載せる下地材は平板状であるため、凹部を備えた容器(トレイ)に比べて減量化に大きく貢献できる。
又、請求項2記載の構成により、フィルム先端クランプ部をフィルム先端が待機する位置へ往復動作するだけで、確実にフィルム先端をクランプして引き出し展張することができる。
更に、請求項3記載の構成により、引き出したフィルムの幅方向の側縁も挾着できるので、フィルムの四方が張った状態で被包装物に対してフィルムを覆い被せることができる。
【0025】
また、請求項4記載の構成により、被包装物に被せたフィルムの周縁を下地材の表面に確実に熱溶着することができる。
更に、請求項5記載の構成により、下地材やフィルムを必要以上に圧着することがないので、下地材やフィルムが損傷せず、綺麗にシール包装することができる。
又、請求項6記載の構成により、シール手段による下地材表面へのフィルムの熱溶着を、展張状態の下で行うことができ、フィルムと下地材を確実にシールすることができる。
そして、請求項7記載の構成により、シール手段で挟まれるフィルムに強いテンションを与えることができるので、熱溶着によるシール性がより確実に行われる。
また、請求項8記載の構成により、真空装置等を使用することなく、下地材上に載せた被包装物の形態に合わせてフィルムが密着して包装されるので、フィルムに弛みがなく、見栄えのよい包装を簡単な構成で実現できる。
更に、請求項9記載の構成により、平板状の下地材に被包装物を載せて見栄え良く包装することができる包装方法を提供できる。
そして、請求項10記載の構成により、ゴミの減量化及び見栄えのよい商品陳列に貢献する包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るシール包装装置の実施の形態の一例を示し、フィルムを引き出す前の状態を示す斜視図。
【図2】引き出したフィルムを被包装物に被せてシールしている状態を示す同斜視図。
【図3】図1に示す状態の平面図。
【図4】フィルムフィード手段によって引き出したフィルムを下地材載せ部上の被包装物に被せる状態を示す側面図。
【図5】図4に示す状態の同側面図。
【図6】下地材載せ部と、シール手段及び保持部を備えた枠体との相対関係を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図。
【図7】フィルムフィード手段のフィルム先端クランプ部によるフィルム先端の挾着動作を示し、(a)は可動下板が開く状態、(b)はフィルム先端を固定上板と可動下板の閉動で挾着する状態、(c)はフィルムを引き出す状態。
【図8】フィルムを切断するカッター手段を示し、(a)は平面図、(b)は縦断側面図。
【図9】シール包装の工程を示す説明図で、(a)は下地材、(b)は下地材上に被包装物を載せた状態を示す図、(c)は被包装物にフィルムを被せ周縁を下地材に熱溶着した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るシール包装装置の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3に示すシール包装装置Aは、平板状の下地材上に被包装物Wを載せ、その被包装物Wにストレッチフィルムを被せ、被包装物Wより外側のフィルム縁を前記下地材表面に熱溶着してシール包装する装置で、被包装物Wに被せるフィルムの引き出し、シール加工の上下動作を手動操作によって行う手動式のシール包装装置を示す。
そのシール包装装置Aは、基台1上に下地材載せ部2が一対の支持脚36で所定高さ位置に水平に支持され、更にその下地材載せ部2の側方(図面では右側方)には一対の取付板3が所定間隔をおいて平行に起立固定され、その取付板3,3間の上部にフィルムロール配置部4が、下方に、フィルムを展張保持する保持部6、フィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部8、及びシール手段9の発熱体(ヒータ)を備えた枠体5が前記下地材載せ部2に対して上下回動可能に取り付けられて構成されている。
【0028】
前記下地材載せ部2は、金属板等を用いて平面視矩形状に構成され、下地材aの外周縁を載承支持する所定幅の周縁枠2aはスプリングによって弾発上下可能に支持されている。そして、その周縁枠2aにはシール手段9の発熱体9aと対応するヒータ受け部9bが取り付けられている。
前記ヒータ受け部9bは耐熱性を有した弾性体、例えばゴム材等で構成され、発熱体を介して圧接されるフィルム及び下地材を弾性的に支持し得るようになっている。
又、前記下地材載せ部2は、サイズの異なる二種類の下地材aを載承し得るように、奥行き方向内部に仕切枠39を設け、その仕切枠39の上部に上記と同様、周縁枠2aを弾発上下可能に支持し、その周縁枠2aにヒータ受け部9bが取り付けられている。
【0029】
前記フィルムロール配置部4は、基台1上に起立固定した一対の取付板3,3間に架設した支杆10aに回転可能に装着した2個の回転ローラ11a,11bと、前記取付板3に片支持構造で取り付けた支杆10b,10cにそれぞれ取り付けた回転ローラ11c,11dの合計4個の回転ローラ11a〜11dでフィルムロール12を転動可能に載承するように構成されている。
そして、フィルムロール12の後側を載承支持する回転ローラ11c,11dが取り付けられている支杆10b,10cは支杆10aとの間隔を広げる方向に向けて傾斜取り付けられている。それにより、フィルムロール12から引き出されるフィルム12aをフィルムロール12の外周面から引き離すように作用し、且つ該フィルムロール12が軸方向に横移動するのを防止し、常に所定位置で転動するように構成されている。尚、フィルムロール配置部4におけるフィルムロールの支持構造は、回転ローラ11a〜11dによる4点支持構造に限らず、フィルムロール12の中心孔に軸を通して支持する一般的な支持構造でもよい。
【0030】
又、前記取付板3,3間には、図4に示すように、前記フィルムロール配置部4より下方に位置して平面視略矩形状の枠体5の一側後部が軸13で上下回動可能に支持され、更に、前記枠体5における軸13の軸支部より後方位置にはバランスウエート14が連結固定され、そのバランスウエート14の左右の連結部にガススプリング15の一端15aが連結され、ガススプリング15の他端15bが前記取付板3の上部に軸15cで連結されている。
前記バランスウエート14及びガススプリング15は、枠体5の前部(軸13より前方部分)を下地材載せ部2に対して開いた状態(下地材載せ部に下地材及び被包装物を載せる状態)に付勢し、且つ枠体5を、軸13を中心として下方に回動する時、前記バランスウエート14とガススプリング15の弾発力が抵抗となり、枠体5の閉じ(下降)動作に衝撃が生じないようにしてある。
【0031】
前記軸13には、図3に示すように、フィルムロール12に繋がるフィルム12aを引き出し方向に案内する案内ローラ16がワンウエイクラッチ(図示省略)を介して取り付けられている。即ち、案内ローラ16は軸13の時計回り方向の回転には一緒に回転し、軸13の反時計回り方向の回転に対してはワンウエイクラッチが切れて回転しないようになっている。
又、図4に示すように、前記軸13の軸端と該枠体5の後部(手前側)に回転可能に横架した軸17の軸端にはそれぞれ歯付プーリ18,19が固着され、その歯付プーリ18,19に亘って歯付ベルト20が巻回され、歯付ベルト20の移動により前記軸13が回転するようになっている。尚、歯付ベルト20は後述するフィルム先端クランプ部8に連結され、該フィルム先端クランプ部8が前記枠体5に沿って復動することで前記案内ローラ16が駆動回転するようになっている。
【0032】
前記枠体5は金属製帯板を用いて平面視略矩形状に構成され、その枠体5の前記軸13より下方手前位置にはフィルム12aの先端を水平に支持するフィルム支持板21が案内板22を介して略水平に取り付けられている。
前記フィルム支持板21は、金属製薄板を用いて平面視略櫛歯状に形成され、基部側が前記案内板22に固着され、先端側(櫛歯形状側)は案内板22より前方に向けて水平に突出されている。それにより、案内板22より突出するフィルム支持板21の先端側は上下方向に自由に撓み、フィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部8によるフィルム先端の挟持が確実に行われる。
【0033】
前記フィルム支持板21上面に水平に支持されたフィルム12aの先端を挟持(クランプ)して該フィルム12aを枠体5の下面に沿って引き出すフィルムフィード手段7は、フィルム12aの先端を挟持するフィルム先端クランプ部8と、該フィルム先端クランプ部8を枠体5に沿って往復移動させる駆動部23とで構成されている。
フィルム先端クランプ部8は、図7に示すように、固定上板8aの下側に可動下板8bが軸24で上下回動可能に軸支され、且つ軸24より後方位置に固定上板8aと可動下板8bとに亘ってスプリング25が弾圧装着されている。それにより、可動下板8bの先端側は固定上板8aの下面に圧接され、フィルム12aを挾着し得るように構成されている。そして、固定上板8aと可動下板8bによるフィルム挾着をより確実に行えるように、可動下板8bの上面に弾性体(例えば発泡ウレタン)26が接着固定されている。尚、弾性体26はフィルム12aの幅方向全幅を挾着し得るように可動下板8bの幅方向全幅に亘って取り付けられている。
【0034】
又、前記可動下板8bの先端側(弾性体26が取り付けられた側)の側面には、スプリング25の弾発力で閉じられている可動下板8bを強制的に開動させるためのガイドローラ27が取り付けられている。そして、このガイドローラ27を水平線に対して下方に案内する案内傾斜板28が、前記フィルム支持板21の先端近傍が位置する枠体5の側面に配置されている。
この案内傾斜板28は、前記フィルム先端クランプ部8がフィルム12aの先端を挟持するために枠体に沿って往動し、その往動の終端手前位置で閉鎖している可動下板8bをスプリング25の弾発力に抗して強制的に開動させるもので、閉鎖状態の可動下板8bの外側面に取り付けられたガイドローラ27が通る線上の水平線前方位置に、前方下向きに配置され、この案内傾斜板28にガイドローラ27が当接して前進を続行することで、可動下板8bの先端側(フィルムを挾着する側)は軸24を中心として下方に開動してフィルム支持板21の下側に位置し、案内傾斜板28を通過後はスプリング25の弾発力で閉動され、フィルム支持板21の上側に位置する固定上板8aとでフィルム12a及びフィルム支持板21の先部を挾着する。
尚、案内傾斜板28は、図7に示すように、ガイドローラ27が前進当接する方向には傾斜状態が固定され、ガイドローラ27が案内傾斜板28の下面に沿って案内されて通過後(フィルムの先端を挾着後)、フィルム先端クランプ部8が復動(後退)に切り替わって案内傾斜板28の上面側を通過する時、該傾斜板28はガイドローラ27の移動を阻害しないよう下向きに倒伏可能に取り付けられており、且つ、ガイドローラ27の通過後、倒伏した案内傾斜板28が初期状態(ガイドローラ27を進行方向下向きに案内する傾斜状態)に復帰するよう引張りコイルバネのスプリング41で引っ張られている。
【0035】
前記フィルム先端クランプ部8を枠体5に沿って往復動させる駆動部23は、図4に示すように、枠体5の左右側面における先端から後端に向かって配置した案内軸23aと、その案内軸23aに摺動可能に取り付けた摺動体23bと、左右の摺動体23bに亘って取り付けたハンドル23cとで構成され、前記摺動体23は枠体5の側面に配置した無端回動する歯付ベルト20の下側(復路側)に連結されている。そして、左右の摺動体23bに前記フィルム先端クランプ部8の固定上板8aの両側部が連結固定されている。
それにより、ハンドル23cを持って押動又は引き寄せることで摺動体23bは案内軸23aに沿って摺動し、その摺動体23bに連結したフィルム先端クランプ部8は枠体5に沿って摺動する。そして、往動(前進)時はフィルム先端クランプ部8の開閉動作でフィルム12aの先端を挟持し、復動(後退)時はフィルム先端クランプ部8がフィルム12aの先端を挟持したまま後退するため、包装に必要な量のフィルムを引き出すことができる。
尚、フィルム先端クランプ部8を連結した摺動体23bの起点位置は、前記枠体5にストッパ35を付設して構成され、更に該ストッパ35に磁石(図示省略)を装備することで前記摺動体23bを吸着して起点位置に係着保持することができる。又、駆動部23を操作してフィルム先端クランプ部8を後退させる時、前記ストッパ35より手前位置で後退を止めることで、フィルムの引き出し長さを調整することができる。
【0036】
前記フィルム先端クランプ部8の働きで引き出した所定長さのフィルム12aの幅方向
の両側縁(引き出されたフィルムの引き出し方向と平行な左右側縁)は、枠体5の下面に保持部6で展張保持される。
前記保持部6は、図6に示すように、フィルム12aの上面側を支える枠体5の下面に対して、フィルム12aを圧接挟持するもので、前記枠体5の幅方向外側に位置して軸13で上下揺動可能に取り付けた取付腕6aと、その取付腕6aの下面に水平に取り付けた台板6bと、該台板6bの上面における枠体5の側部下面と対応する位置に固着した弾性体6cとで構成されている。
【0037】
そして、図4に示すように、前記取付腕6aは下降動する枠体5に対して圧接する方向にスプリング29で付勢されている。尚、保持部6は、枠体5の初期位置(下地材載せ部に対して上方の離れた位置)に対してやや下方の初期位置(上向き傾斜状)に待機保持する為に、取付腕6aの一側部(台板6bを取り付けた側とは反対側)が基台1上に配置したストッパ30に当接されている。
これにより、フィルムフィード手段7によって枠体5の下面に沿って引き出したフィルム12aは、枠体5が軸13を中心として回動下降し、枠体5の下面が初期位置に待機する保持部6の弾性体6cにフィルム12aを介して当接することでフィルム12aの幅方向側部は枠体5と保持部6とで挾着される。そして、枠体5の下降動作が更に進行すると、フィルム12aの下側を支える弾性体6cは取付腕6aを介してスプリング29で枠体5下面側に付勢されているため、枠体5の下降と相俟ってフィルム12aの幅方向の側縁を強固に挾着保持し、フィルム12aは枠体5の下面に展張保持される。
又、前記枠体5の下降動作の終点は、前記保持部6の取付腕6aが略水平となる位置で、その水平なフィルム挾着位置は下地材載せ部2の下地材aを載せる表面より下方の位置とする(図6(b)参照)。
【0038】
又、前記枠体5には該枠体5の回動下降によって下地材aおよび該下地材aに載せた被包装物Wに被せたフィルム12aの周縁を下地材aの表面の外周縁に沿って熱溶着するシール手段9の発熱体(ヒータ)9aが配設されている。
前記シール手段9の発熱体(ヒータ)9aは、ニクロム線などの抵抗線を用い、図6に示すように、前記保持部6によるフィルム挾着位置より水平方向内側で、且つ鉛直方向上方に配置され、前記下地材載せ部2に設けたヒータ受け部9bと対応するように配置構成されている。発熱体(ヒータ)9aの上面側(フィルムに対して接触する面と反対側の面)は断熱材40で被覆され、誤って手指が接触しても火傷等しないように安全対策が施されている。
又、前記シール手段9の発熱体(ヒータ)9aは、平面視略矩形状の下地材aの四辺を熱溶着し得るように配置するが、各辺に対応する発熱体(ヒータ)9aが独立分断されている場合は辺同士が交差する角部は熱溶着されないことになる。この角部の否溶着を無くす為に、発熱体の端部相互を金属製の導体で連結し、前記角部も熱溶着されるようにしてもよい。
【0039】
更に、前記シール手段9の発熱体(ヒータ)9aにおいて下地材載せ部2に載置した下地材aの奥行き方向の手前側辺を熱溶着する発熱体(ヒータ)9aは、下地材aのサイズ(奥行き方向)に対応して前後方向に移動調整可能に構成されている。その移動機構としては、例えば枠体5の幅方向両側にボールネジ機構31が配置され、その左右のボールネジ機構31をベルト32で連結して同期作動するように構成されている。
【0040】
また、図4に示すように、前記枠体5には前記フィルム支持板21の先端より前方上方に位置させてカッター33が上下可能に配置されている。
前記カッター33は、被包装物Wに被せ下地材aの周縁に熱溶着したフィルム12aを、奥行き方向のシール位置より外側位置で切断するもので、該カッター33に操作部34が連結され、且つカッター33はスプリング37でフィルム12aから離反する上方に弾発付勢されている。
【0041】
シール包装に使用する下地材aは、平板状の紙製下地材、樹脂製下地材(例えば、フィルム下地材、発泡樹脂下地材等)、薄い木製下地材、或いは異種素材を貼り合わせた積層下地材等、何れでもよく、フィルムを熱溶着しにくい素材に対しては、熱溶着を可能とする表面処理(樹脂のラミネート、コーティング処理等)が施されている。この表面処理は、フィルム12aよりも融点が若干低い方がよく、更に中央部は表面処理が施されていなくてもよい。つまり、被包装物Wが置かれる部分は前記表面処理がなくともよい。また、下地材の表面は無地(白色)でもよいが、載せる商品に応じて着色、模様を印刷したものを用い、商品を目立つようにしてもよい。
尚、下地材aの上面に多少凹凸があっても良い。例えば、シール手段9の発熱体(ヒータ)9aと対応する下地材aの上面の位置に突部を設け、該突部と発熱体(ヒータ)9aとがフィルム12aを挟んで接することで、フィルム12aのシール性(熱溶着)を高めるようにしてもよい。
【0042】
次に、上記シール包装装置の包装動作について説明する。
(1)枠体5が初期位置にあり、且つフィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部8が前記枠体5の起点位置(ストッパ35に摺動体が当接する位置)に位置する状態で、下地材載せ部2の上に下地材aを載せ、更に下地材aの上に被包装物Wを載せる(被包装物載置工)(図1、図9(b)参照)。
(2)フィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部8を、駆動部23のハンドル23cを持って起点位置から枠体5の先端側に向かって往動(前進)させる。そして、終点手前位置でフィルム先端クランプ部8に装備したガイドローラ27は枠体5側に取り付けた案内傾斜板28によって下方に案内され、可動下板8bは固定上板8aに対して開動され、固定上板8aはフィルム支持板21上に支持されているフィルム12aの上方に、可動下板8bはフィルム支持板21の下側に位置する(図7(a)参照)。
(3)フィルム先端クランプ部8のガイドローラ27が案内傾斜板28の下を通過すると、可動下板8bはスプリング25の弾発力で閉動され、フィルム12aの先部及びフィルム支持板21の先部を固定上板8aと可動下板8bで挾着する。この時、可動下板8bの上面には弾性体26が取り付けてあるため、該弾性体26がフィルム支持板21の櫛歯に食い込んでフィルム12aを確実に挾着する(図7(b)参照)。
(4)フィルム12aの先部及びフィルム支持板21の先部を挾着したフィルム先端クランプ部8を、ハンドル23cを持って枠体5の手前側位置まで復動(後退)させる(図4参照)。該フィルム先端クランプ部8の復動(後退)は、フィルム12aのみを挾着して摺動し、フィルムロール配置部4に支持されたフィルムロール12を転動させてフィルム12aをフィルムロール12から引き出す。尚、フィルム先端クランプ部8の復動(後退)時、ガイドローラ27は案内傾斜板28を略水平状態に倒伏させて上面を通過する。ガイドローラ27が上面を通過後、倒伏された案内傾斜板28はスプリング41の引張り力で傾斜した初期状態に復帰される(図7(c)参照)。
【0043】
(5)フィルム先端クランプ部8を初期位置まで復動(後退)させてフィルム12aを枠体5の下面に沿って引き出した後、ハンドル23cによって枠体5を下方に押動する(移動手段)。それにより、枠体5は軸13を中心として下方に回動し、下降の途中に保持部6の台板6bの上面に取り付けた弾性体6cが枠体5の下面に弾圧接されて、フィルム12aの幅方向の両側縁を挾着保持し、フィルム12aを枠体5の下面に展張保持する。
(6)フィルム12aを展張保持した枠体5を下降させてフィルム12aを下地材載せ部2に載置した下地材a及び該下地材a上に盛った被包装物Wに被せ(被覆工程)、更に枠体5の下降動作を続けてシール手段9の発熱体(ヒータ)を、下地材載せ部2に載置した下地材aの周縁を覆うフィルム12aの表面に圧接する。この時、フィルム12aの幅方向側縁を挾着する保持部6は下地材載せ部2の下地材載せ部表面より下方に位置するため、フィルム12aを緊張した状態で下地材aにシール(熱溶着)38することができる(シール工程)(図2、図5、図6(b)参照)。
(7)下地材aの周縁にフィルム12aをシールした後、カッター33の操作部34を下方に押し下げてフィルム12aを切断する(図8(b)参照)。フィルムロール12に繋がるフィルム12aの先端はフィルム支持板21によって水平状態に支持され、次の包装のために待機する。
(8)最後にフィルム先端クランプ部8によるフィルム12aの先端の挾着を開放し、シール包装を完了した被包装物(図9(c)参照)を下地材載せ部2から取り除く。フィルム先端クランプ部8のクランプ解除は、スプリング25の弾発力で閉動されている可動下板8bの挾着側(先端側)とは反対側(後端側)を、スプリング25の弾発力に抗して閉じることで挾着側が開動し、クランプ状態が開放される。
このように、ストレッチフィルムを使用することで、フィルムは被包装物Wの形態に合わせて密着して包装されるので、真空装置等を利用しなくてもフィルムに弛みがなく、見栄えのよい包装を簡単な構成で実現できる。
【0044】
本発明のシール包装装置は図示した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、フィルムを下地材載せ部に載せた下地材及び被包装物に被せる為に固定の下地材載せ部に対してフィルムフィード手段を上下方向に移動させたが、逆にフィルムを展張保持したフィルムフィード手段を固定し、フィルムの下方より下地材及び被包装物を載せた下地材載せ部を移動させて包装する、或いは両者を相対移動させて包装する等、何れでもよい。又、フィルムフィード手段、下地材載せ部の相対的移動は、手動タイプに限らず、モータや油圧・空気圧アクチュエータ等を用いた自動タイプとしてもよい。
(2)実施の形態では、フィルムロール配置部におけるフィルムロールの支持構造を4点支持について説明したが、フィルムロールの中心孔に軸を通して支持する一般的な支持構造でもよい。
(3)実施の形態では、フィルムフィード手段としてフィルムの先端部を挾着して引き出す方式を示したが、例えば、フィルムの幅方向の両側部を無端回動するベルトで挾着して繰り出すベルト挾着方式でもよい。
(4)実施の形態では、フィルムフィード手段のフィルム先端クランプ部を手動操作で摺動し、フィルムのクランプ及びフィルムの引き出しを行う構成を示したが、前記摺動をモータや油圧・空気圧アクチュエータ等を用いて自動化してもよい。
(5)実施の形態では、フィルムフィード手段(フィルム先端クランプ部)で引き出したフィルムの幅方向両側縁のクランプを、枠体の下降動作の途中で行われる構成を示したが、フィルムを引き出した直後にクランプしてもよく、要はフィルムを被包装物Wに被せる時点でフィルムの幅方向の両側縁(引き出されたフィルムの引き出し方向と平行な左右側縁)もクランプされ、展張保持されていればよい。
(6)実施の形態では、シール包装済みの商品をフィルムロールに繋がるフィルムから分離するためにカッターを設けてフィルムを切断しているが、フィルムの切断はフィルムを下地材周縁に熱溶着すると同時に切断する、所謂、溶断切断方式、或いは下地材にフィルムを熱溶着すると同時に前記カッターを降下させて切断する方式等、何れでもよい。
(7)実施の形態では、下地材に対するフィルムの熱溶着を平面視略矩形状に四辺を行う例を示したが、被包装物によっては対向する二辺のみをシールして被包装物を下地材に固定するようにしてもよい。
(8)実施の形態では、ストレッチフィルムを使用した例で説明したが、ストレッチフィルム以外のフィルムを用いてもよい。伸縮しないフィルムの場合は、下地材上に盛り付ける被包装物の大きさだけ大きなフィルムを使用することになるが、弛んだフィルムを吸収するように、例えば、被包装物Wの横に、フィルムを下地材の中央方向へ折り込むフィルム折り込み手段を設け、フィルムを折り込んでから下地材とフィルムを熱溶着するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
A…シール包装装置 W…被包装物
a…下地材 2…下地材載せ部
4…フィルムロール配置部 5…枠体
6…保持部 7…フィルムフィード手段
8…フィルム先端クランプ部 9…シール手段
9a…発熱体(ヒータ) 9b…ヒータ受け部
12…フィルムロール 12a…フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を載承する略平板状の下地材を載置する下地材載せ部と、
前記下地材上の被包装物に被せるフィルムを繰り出すフィルムロール配置部と、
前記フィルムロール配置部に配置したフィルムロールからフィルムを引き出し、フィルムを下地材載せ部の上方に展張保持するフィルムフィード手段と、
前記フィルムが下地材上の被包装物を覆うように、フィルムフィード手段或いは前記下地材載せ部を相対的に移動させる移動手段と、
被包装物を覆ったフィルムの縁を、被包装物を載せた下地材表面に熱溶着するシール手段と、
を備えたことを特徴とするシール包装装置。
【請求項2】
前記フィルムフィード手段は、フィルムの引き出し方向に沿って前後摺動するフィルム先端クランプ部を備え、フィルム先端が待機する位置への前記クランプ部の往動により該クランプ部が開動してフィルム先端を挾着し、フィルム先端クランプ部の復動によりフィルムを引き出すことを特徴とする請求項1記載のシール包装装置。
【請求項3】
前記フィルムフィード手段は、フィルムロールから引き出したフィルムの幅方向両側縁を挾着保持する保持部を備えることを特徴とする請求項2記載のシール包装装置。
【請求項4】
前記シール手段は、前記フィルムフィード手段に配置した発熱体と、前記下地材載せ部側に対応配置した受け部とからなることを特徴とする請求項2記載のシール包装装置。
【請求項5】
前記シール手段の発熱体と受け部とは、少なくとも一方が弾発移動自在であることを特徴とする請求項4記載のシール包装装置。
【請求項6】
前記シール手段は、前記フィルムフィード手段が装備する保持部より内側に配置されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項記載のシール包装装置。
【請求項7】
前記保持部によるフィルムの挾着位置は、下地材を載承する下地材載せ部より下方に位置することを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項記載のシール包装装置。
【請求項8】
前記フィルムは、ストレッチフィルムであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載のシール包装装置。
【請求項9】
略平板状の下地材に被包装物を載せ、被包装物をフィルムで覆い、フィルムの周縁を下地材表面に熱溶着するシール包装方法であって、
平板状の下地材上に被包装物を載せる被包装物載置工程と、
フィルムをフィルムロールから引き出して下地材上方に展張保持するフィルムフィード工程と、
下地材上の被包装物に展張状態のフィルムを被せる被覆工程と、
被包装物に被せたフィルムの縁を前記下地材表面に熱溶着するシール工程と、
を備えたことを特徴とするシール包装方法。
【請求項10】
略平板状の下地材と、その下地材上に載置される被包装物を覆い、該被包装物より外側に延出する縁部分が前記下地材表面に熱溶着されるフィルムとからなることを特徴とする包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−254327(P2010−254327A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105145(P2009−105145)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】