説明

ジェット部材を移動させるための装置および方法

ガイド(5)に沿って、2つの選択可能な極限位置間のキャリッジ(6)上でジェット部材を移動させるための装置は、キャリッジが選択可能な極限位置に到達したことを検出するための手段を有し、前記手段はキャリッジを移動させるための油圧駆動装置の油圧回路(27)内の油圧液の流れに影響を与えるように、キャリッジの連続移動に対する機械抵抗を形成するように構成された部材(24、25)を備える。その大きさが油圧回路内の油圧液流に依存する、油圧流体のパラメータを感知し、そしてこのパラメータの大きさについての情報を、この情報に基づきキャリッジのターンを制御するように構成される制御ユニット(14)へ伝送するための部材(31)が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付属の独立請求項1及び15の序文により、ジェット部材を移動させるための方法を始め、液体の高圧ジェットを介して、材料層の材料除去処理を得るように、ジェット部材を移動させるための装置に関する。
【0002】
処理される層は、好ましくはコンクリートから構成されるが、それは別の材料からも構成される。最初に、本装置は層から弱められた材料を除去する目的を有することを目指す。次に、それは道路、橋、及び種々の建築構造物上でコンクリート層から弱められたコンクリートを除去する問題であり、それにより、除去されるコンクリートは新しいコンクリートにより置換される。好ましくは、高圧液体は水から構成される。
【0003】
序文に規定された型の装置と方法は、例えば欧州特許番号0,544,775に記載される。このような装置は、キャリッジの極限位置を画定するように、キャリッジの移動経路と平行なビームに沿って、異なる位置に配置されるフラグ等の形で、キャリッジが選択可能な極限位置に到達したことを検出するように構成された手段と、キャリッジがこのようなフラグの丁度前に到達したことを感知し、そしてそれについて制御ユニットへ知らせるように設計された、それと接続されるキャリッジ上又はある部分の上に配置されるセンサ、とを有し、これによりこれが直ちに又はある遅れをもってキャリッジを停止させ、そしてターンさせる。キャリッジ上に配置されたこのようなセンサはケーブルを介して、同様に制御ユニットが配置される乗り物の制御室へ電気的に接続される。ケーブルが走る環境は、コンクリート片等が飛び回り非常に厳しく、同時に異なる型の対象物の材料層の材料除去処理中、キャリッジを備えるジェット部材が付属する組み立て品をターンさせる場合、ケーブルが何かを捉え又は何かと接触する危険があるので、既知のこの型の装置の電気系統における全作動障害の内の90%はキャリッジ上のセンサへのキャビネットの外のこのケーブルから生じる。
【0004】
本発明はキャリッジが前記極限位置へ到達し、そしてキャリッジが停止し、次にキャリッジが反対の極限位置へ到達する迄、ジェット部材がこの方向を保つ場合、キャリッジに対するジェット部材の旋回が起こることを意図する序文で規定された型の装置と、そしてキャリッジが前記極限位置へ接近し、そして場合によって、キャリッジが方向を変え、問題の極限位置から少し離れて移動するまで継続する場合、キャリッジに対しジェット部材の旋回が始まる、より複雑な装置との両方を目標とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、既知のこのような装置と方法の上記作動障害の危険を低減させることを可能にする、序文で規定した型の装置と方法を提供することである。
【0006】
この目的は、その大きさが前記流れに依存する油圧流体のパラメータを感知し、そしてこのパラメータの大きさについての情報を制御ユニットへ伝送するように構成された部材を始め、油圧駆動装置の前記油圧回路を介して、油圧液の流れに影響を与えるように構成された、前記極限位置に近い夫々の前記極限位置、又は領域にキャリッジが到達した場合、キャリッジの更なる動きに対し、機械抵抗を形成するように設計された部材を備え、制御ユニットは前記パラメータの大きさについての情報に基づき、キャリッジのターンを制御するように構成される、このような装置の提供により得られる本発明による。
【0007】
キャリッジの継続移動に対し、このような機械抵抗を配置し、そして油圧液の前記パラメータを感知することにより、望むならばキャリッジ上のセンサなしに行うことを可能にし、それにより、既知のこのような装置の電気系統における作動障害の主要部の原因である前記ケーブルを使わずに済ますことを可能にする。キャリッジが、前記極限位置へ到達したことを検出する手段はその非常な頑丈さにより得られ、装置全体は以前より頑丈になる。油圧液の流れに依存するこのようなパラメータの測定も実現は容易である。
【0008】
本発明の実施例によると、制御ユニットは、前記パラメータの前記大きさの変化の大きさを所定値と比較し、極限位置は、もし変化の大きさが前記所定値を超過し、それによりキャリッジのターンを始めさせるならば、極限位置に到達していることを決定するように構成される。このような所定値との比較を実施する目的は、例えば、あらゆる点における材料層のジェット部材による処理後に発生する反応力がキャリッジの継続移動に対し、かなりの機械抵抗を形成する事実により、キャリッジがその極限位置へ到達したか、又は到達中であるということで、誤った結論を引き出すことを避けることである。
【0009】
本発明の別の実施例によると、前記感知部材は油圧ポンプと、キャリッジに配置される油圧モータ間の前記油圧回路における油圧液圧力を感知するように構成される。これは、キャリッジが、前記部材がキャリッジの継続移動に対する機械抵抗を形成する位置に到達したことを検出する、信頼できかつ容易な方法を構築する。次に油圧ポンプと油圧モータ間の油圧回路に通常配置される制限器は、制限器の油圧液の下向流圧力を測定するための感知部材を設計することにより利用される。キャリッジ移動に対し、本質的な抵抗がない場合、圧力低下が制限器の前後に発生し、これにより油圧系統圧力よりかなり低い圧力が感知部材により感知される一方、この圧力は機械抵抗がキャリッジの更なる動きを完全に停止させ、これにより油圧回路内の油圧液の流れを停止させる場合の油圧系統圧力と同じ値に増加するだろう。
【0010】
本発明の実施例によると、ガイドに沿って配置される機械停止部材により、そしてキャリッジ又はそれに接続される部材に対する、及びそれが当たる障害物を形成することにより、前記極限位置を画定するため、機械抵抗部材が形成される。これは本発明により解決されるべき問題に対する非常に簡単な、そして信頼性のある解決法を構築する。キャリッジが停止部材に当たる場合、それはそれ以上動かないので、それは良好に画定された極限位置で停止し、そしてこれは油圧回路の流れに影響し、これにより制御ユニットは感知部材を介してそれについての情報を取得し、前記情報に基づきキャリッジのターンを制御する。次に制御ユニットは、例えばこの情報を受信すると、キャリッジに対するジェット部材の旋回と、そして/または油圧駆動装置が他方の極限位置に向かってキャリッジの移動を開始するように制御される前に、乗り物全体の前進ステップとを開始する。
【0011】
本発明の別の実施例によると、前記停止部材は、移動可能に配置され、前記極限位置に対する位置と、これによりジェット部材の作動幅を決定するため、ガイドに沿って異なる位置で固定可能なように配置される。このような停止部材は、移動が容易でジェット部材の作動幅を非常に容易な方法で変更させる一方、油圧液の前記パラメータを感知するように構成された部材を介して、キャリッジの極限位置の完全に信頼性のある検出を維持するように、移動が容易で異なる位置で固定が容易である。
【0012】
本発明の別の実施例によると、感知部材は、反対の極限位置に向かっての移動を開始すると、キャリッジがターンする毎に前記油圧を測定するように構成され、そして制御ユニットは、そのように測定された初期圧力値を記憶するように、そしてこの初期圧力値を前記感知部材からの所定の大きさだけ超過する現状の圧力情報を受ける場合、極限位置に到達したと決定するように構成される。これにより、例えば前記反応力の結果のような場合でない時は、極限位置へ到達したことを決定することは危険ではない。
【0013】
本発明の別の実施例によると、本装置は所定の大きさが余り高く設定されないことも保証する、異なる値に圧力増加の前記所定の大きさを調節するための部材を備え、これにより極限位置への到達は、それに到達した後、ある時間遅れをもって検出され、これによりジェット部材は、短時間同一個所上の材料層を処理し、これによりピット状の不規則性が材料層に生成される。
【0014】
本発明の更なる実施例によると、前記感知部材は油圧回路内の油圧液の流速を測定するように構成される。
【0015】
本発明の別の実施例によると、前記機械抵抗部材は、これが夫々の極限位置に近い所定領域に到達すると、キャリッジ移動に対する抵抗増加を発生させるように構成させるように構成され、そして制御ユニットは、前記パラメータの大きさが、前記抵抗力が所定値を超えることを表示する場合、前記極限位置に到達したことを決定するように構成される。これにより、抵抗力の前記所定値を変化させることにより、前記極限位置の位置を調節することを可能にし、そして前記パラメータの測定を介して、キャリッジがある抵抗力を得た後、ある距離の移動を継続することを決定することも可能にし、これによりこの実施例において、極限位置へ到達する前に開始するジェット部材の旋回を制御するための機械抵抗部材を利用することさえ可能にする。
【0016】
本発明の別の実施例によると、本装置は前記極限位置の位置が変更される、前記所定抵抗力値の大きさを調節するための部材を備える。
【0017】
本発の別の実施例によると、本装置は更に前記キャリッジ上に配置される第2感知部材と、前記ガイドに沿って配置されるマークを備え、第2感知部材は、キャリッジが前記マークに到達することを検出し、それについての情報を制御ユニットへ伝送するように設計され、制御ユニットは、一方では前記手段に前記極限位置の位置を決定させ、他方では前記マークに前記極限位置の位置を決定させるかのいずれかの間で変化させることを可能にするように構成される。これによりある作動状況では、第1感知部材を使用し、機械抵抗部材と油圧回路における測定を介して、前記極限位置を決定することを可能にし、そして他の状況では、序文で論じたキャリッジ上に配置されるタイプの前記感知部材を介して、極限位置を決定することを可能にする。又そのタイプの極限位置決定を使用することも可能であり、そしてもし特定作動状況における障害の危険が高いと判断されるならば、この感知部材はスイッチオフとなり、機械抵抗部材による感知を使用する。2つのタイプの感知部材の存在による別の可能性は、極限位置の決定のための感知部材間の移行以外の他の動作を実施する必要なく、異なる作動幅間の移行を可能にすることである。もしジェット部材を備えるキャリッジが、例えば壁に沿って又はトンネル等の天井における高いレベルで作動するという事実により、乗り物が接近することが困難な場合、これは利点となる。
【0018】
本発明の別の実施例によると、ジェット部材は前記キャリッジに対して、軸の周りで旋回するように配置され、そして制御ユニットは、ガイドに沿って前記極限位置へのキャリッジの到達と関連して前記軸の周りで旋回するため、ジェット部材を制御するように構成され、これによりジェット部材は、キャリッジが前記ガイドに沿って移動する方向に依存する方向を有する。本発明の別の実施例によると、本装置は、組み合わされた旋回/変位の結果として旋回平面にほぼ直交する、ほぼ同一平面内でジェット部材のノズル口が移動運動を表現させるように、ジェット部材とキャリッジ間の機械的接続の設計結果として、ジェット部材の旋回運動中、キャリッジに対し、前記軸の周りでほぼその旋回平面でのジェット部材を強制的に変位させるように構成される変位装置を備える。これによりジェット部材のノズルは、もしジェット部材が方向を変更するように旋回するならば、同様に処理される層と平行に移動する。
【0019】
本発明は、付属の独立した方法請求項により、ジェット部材の移動方法にも関する。このような方法の利点と有利な特性、及びその独立した方法請求項で規定されるその実施例は、本発明による装置の上記記載から望まれるように明瞭であるように見える。
【0020】
本発明の有利な特性を始め、更なる利点は以下の記載及び他の従属請求項に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術による装置が実施される、可動ユニット、即ち乗り物の概略斜視図である。
【図2】そのジェットにより処理される層に沿って移動し、キャリッジが移動可能であるガイドに直角に見える、本発明による装置のジェット部材の概略図である。
【図3】異なる作動位置での本発明による装置のキャリッジのより詳細な図である。
【図4】異なる作動位置での本発明による装置のキャリッジのより詳細な図である。
【図5】本発明の第1実施例による装置の一部を図示する概略図である。
【図6】本発明のある実施例による装置の機能を図示する簡略化した図である。
【図7】本発明の第2実施例による装置の一部の図5に対応する図である。
【図8】本発明の第3実施例による装置の一部の図5に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明が属するタイプの従来技術による装置は、図1に示すように通常1で表示される可動ユニット上に配置される。これは層面上、例えば処理されるコンクリート層上で移動可能な乗り物の特徴を有する。乗り物は、ここでは2つのクローラトラック2を備えるクローラ型としても表わされる。乗り物は矢印3と4で表示もされるように、反対方向に移動可能である。
【0023】
細長いガイド5及びガイドに沿って前後に移動可能で、通常6で表示されるキャリッジが乗り物1上に配置されるベース部7はキャリッジ6の一部を構成する。チューブタイプのジェット部材8は、高圧ジェットの液体を層面に対して投射するため、ベース部7上に配置される。作動中のガイド5は、乗り物の移動方向3、4に対して角度を設けるように、好ましくはそれに対し横方向に伸びることを目的とする。1つ以上のビームの特徴を有するガイド5は、例ではほぼ直線的である。ガイド5は、乗り物に設置されたフレーム9の一部も形成する。ジェット部材8は導管10を介して、高圧液体、特に水をジェットチューブへ供給するための源と連通する。この高圧源は乗り物1上、又は別のキャリッジ等の上に配置される。
【0024】
フレーム9は、ガイドとほぼ平行に伸び、その上にいわゆるフラグと称するマーク12がガイドに沿ってキャリッジ6の移動の極限位置を画定するため、選択可能位置に固定可能なビームのような部材11も有する。このため、キャリッジは、それがマーク12の丁度前に到達すると、極限位置に到達したことを検出するように、そして乗り物のキャビネット15に配置されるボックス14により表示される、乗り物の様々な機能を制御する制御ユニットへ、それについての情報を伝送するように構成される感知部材13も備える。このため、この感知部材13は、上記問題に至る表示された電気ケーブル16を介して、キャビネット15へ接続される。感知部材13が丁度マーク12の前にあり、又はこの位置への到達に対し、遅れてターンが発生し、次にジェット部材が前記部材へ到達する前に、以下に述べる方法で旋回する場合、本装置はキャリッジ6がターンし、即ち方向を変化させるようなタイプである。
【0025】
ジェット部材が層面を処理するその方法は、仮に本発明がそれに向いていなくても、図2〜4を参照してここで簡単に記述する。ジェット部材8は、処理される層18上へのジェットの投射角を変更するため、ベース部7に対して軸17の周りで旋回するように配置される。材料、ここではコンクリートを除去する間に、いかにジェット部材8が、横移動で左に動くかを図2に示す。コンクリート層は、強化棒19の格子状グリッドにより強化され、そしてジェット部材8を傾斜状態に保つことにより、ジェットはこれらの強化棒の下へ到達するだろう。ジェット部材のノズル20は、この場合キャリッジの移動方向を指し、キャリッジが移動方向を変更した場合も同様である。
【0026】
キャリッジがガイドに沿って極限位置に到達した場合、好ましくは適切なコンピュータユニットの形の制御ユニット14は、キャリッジが夫々の端部位置へ到達した場合、軸17の周りでジェット部材8を旋回させるようには表示されていない駆動部材を制御するように構成される。以下に更に記述する、油圧駆動装置の形の別の駆動部材は、トラック2が乗り物全体を1ステップいわゆる1インクリメント前へ動かし、処理対象の層の新しいエリアを処理するため、駆動される前に極限位置間を前後に数回キャリッジを移動させるため、制御ユニット14により制御されるように構成される。
【0027】
いかに制御部材がベース部に対してジェット部材を旋回する間に、ジェット部材を制御し、そしてキャリッジのベース部7に対して、その旋回軸を移動させるように配置し、それによりジェット部材のノズル口22が、ジェット部材が旋回する面にほぼ直交する同一面での移動を表現するかを、図3と4に概略的に図示する。平面23における前記口22のこの運動を得るためのガイド部材の構築は、図8〜10を参照して欧州特許1,029,127B1に記載されるのと同じであり、ここでより詳細に開示されるだろう。
【0028】
本発明のある実施例による装置のフレーム9の一部を図5に概略的に示す。これは、キャリッジ6が感知部材を持たず、要素11はいかなるマークも持たない事実により、図1による装置のフレームと異なる。ブロック形状の機械停止部材24、25はこれと異なり、障害物を形成し、キャリッジ又はそれに接続される部分が当たることにより、キャリッジの移動用極限位置を画定するため、ガイドに沿った、異なる位置にガイド5に沿ってキャリッジの移動経路に締め付けることにより固定することができる。このためこれと乗り物のキャビネット15間を走る電気ケーブルを備えるキャリッジ上に感知部材がないことが必要である。いかにこのタイプの装置が機能するかを、同時に図6を参照する間にここで説明する。いかにそれが機械停止部材24、25に当たる迄、ガイド5に沿ってキャリッジを移動させるため、キャリッジ6上に配置される油圧モータ29へ油圧液をポンプ供給するように構成された油圧ポンプ28を備える油圧回路27を有する油圧駆動装置26を本装置が有するかを図6に示す。油圧回路は、ポンプ28の下流に制限器30と、制限器下流の油圧液圧力を感知し、その情報を制御ユニット14へ伝送するように構成された圧力感知器の形の感知部材31とを有する。制御ユニット14は、キャリッジの移動方向により、ポンプ28から油圧モータ29のどちらかの側へ油圧液の流れを通過させ、又は停止させるため、圧力感知器31からの情報に基づき、一方向弁32を制御するように構成される。逆止弁の形いわゆる油圧錠33は油圧モータ29と一方向弁の間の油圧回路に配置され、一方向弁32を通って流れる油圧液を介して、圧力がそれに供給されない場合、これは自動的に閉止される。
【0029】
図6に概略的に示す装置の機能は以下のようである:キャリッジ6がガイド5に沿って極限位置の一方へ移動すると、油圧ポンプ28は制限器30を介して油圧液を一方向弁32へ送出する、油圧液は一方向弁とオーバセンタ弁、油圧モータ29へ流れ、キャリッジはガイド5に沿って移動する。制限器30は例えば40バールの圧下低下を形成し、これは圧力感知器31が、100バール(油圧系統圧力)−40バール(圧力低下)=60バール、のようなポンプに存在する油圧系統圧力より低い圧力を表示することを意味する。この値は制御ユニット14に記憶される。次にキャリッジ6が、停止点25のような機械停止の1つに到達すると、油圧液は、機械停止によるモータの停止の結果として油圧モータを通る流れを停止し、これにより制限器30により形成される圧力低下は消滅し、圧力感知器の圧力は油圧系統圧力迄上昇する。制御ユニット14はこれについての情報を受信し、このように所定値により引き起こされた圧力上昇の超過はキャリッジが極限値へ到達したことを決定することを意味すると認める。次に、制御ユニットは、油圧錠33の閉止に至る、閉止される一方向弁32を制御し、これにより油圧液はオーバセンタ弁と油圧モータ間のループに保持され、キャリッジ6は極限位置に保持されるが、これはもし制御が例えばキャリッジが垂直に移動することを目標としているならば重要なことであり、さもなければ重力によりキャリッジ6が極限位置から落下することになる。制御ユニット14は、図2により、次にジェット部材の軸17の周りなどで、ジェット部材を旋回するように制御を実施し、ポンプ28から油圧液が、一方向弁と油圧モータ29間の油圧回路に反対方向に誘導され、これによりキャリッジは前と同様に反対方向に動くように、制御ユニットは一方向弁を開くように制御する前に乗り物は1ステップの前進をする可能性もある。次に圧力は好ましくは測定され、この動きを開始すると、制限器下流の圧力値は、測定された圧力増加が前記極限位置への到達から発生すると考えられるかどうかを決定するため、比較値として使用されるように記憶される。
【0030】
本装置のこの構築により、それはキャリッジ上に配置される感知部材の使用を取り止め、これにより乗り物の全ての電子機器を乗り物の露出された前面から、それが十分保護されたキャビネットの中へ、またはエンジンケースの下へ移動させることができる。前記キャビネットの外の電気ケーブルを使わず行うことも可能である。別の利点は他の装置がそのフレーム上などの乗り物上へ適用される場合、位置感知器に接続する必要なく、そしてケーブルを接続する必要がないということである。
【0031】
図7は本発明の第2実施例による装置を示し、これはキャリッジ上の感知器13と要素11上のマーク12、12’を備える機械停止部材24、25を組み合わせる点で図5による1つと異なる。これによりそれは極限位置決定のための2つの手段の間で移行でき、又はその内の1つが他の1つの予備部材となる。別の代案は、例えば橋脚を処理する場合、2つの異なる作動幅が組み合わされる場合、本装置のためのより大きな所要作動幅を画定する位置の機械停止部材と、本装置のより小さな所要作動幅を画定する位置のマーク12、12’を配置することである。このような場合は、機械停止部材24、25による作動幅の決定、及びマーク12、12’によるその決定との間で切り替えが可能で、これにより機械停止部材又はマークのいずれも、ジェット部材を備えるフレーム9が到達の比較的困難な位置に設置される場合、特に有利な作動幅を変更するため、移動させる必要はない。
【0032】
図8は本発明の第3の可能な実施例を概略的に示し、ここで本装置は、これが夫々の極限位置に近い所定領域に到達する場合、キャリッジの移動に対し抵抗増加を発生させるように構成された、ガススプリングのようなエネルギ貯蔵部材34の形のキャリッジの連続移動に対する機械抵抗を形成する部材を備える。これらのエネルギ貯蔵部材34は油圧駆動装置の油圧回路の流れに影響を与えるように設計され、これにより所定値と比較して極限位置に到達したかどうかを決定するように圧力の流れ速度のような、それに依存するパラメータを測定する。次にこの所定値を変更することにより、前記極限位置の位置を変更することができる。
【0033】
本装置は、勿論とにかく上記実施例に限定されないが、その修正に対する多くの可能性は、付属の特許請求の範囲に規定されるような、本発明の基本的な考え方から離れることなく、当業者には明らかである。
【0034】
機械停止部材は、例えば可動である必要はなく、それらは機械のフレーム側面、又はキャリッジの移動経路端を形成する側面により形成してもよい。1つの機械停止部材だけ可動にし、もう一方はガイドの端部壁のような、ガイドに対し固定される部分により形成することも可能である。これらの停止部材も異なる位置間で油圧式に調節可能であり、非常に上方へ伸びるフレームを備えるより高いレベルで作動する場合有利である。
【0035】
キャリッジが前記極限位置か、又はこれに近い場合、何時油圧液の流れに応じてパラメータを感知することにより、ジェット部材が十分旋回するかを決定するため、機械抵抗部材を配置することも可能である。
【符号の説明】
【0036】
1:移動ユニット
2:駆動トラック
3、4:矢印
5:ガイド
6:キャリッジ
7:底部
8:ジェット部材
9:フレーム
10:導管
11:部材
12、12’:マーク
13、31:感知部材
14:ボックス
15:キャビネット
16:電気ケーブル
17:軸
18:層
19:強化棒
20:ノズル
21:制御部材
22:口
23:平面
24、25:機械停止部材
26:油圧駆動装置
27:油圧回路
28:油圧ポンプ
29:油圧モータ
30:制限器
32:一方向弁
33:油圧錠
34:エネルギ貯蔵部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料層の材料除去処理のための前記材料層に対し高圧ジェット液体を投射するための、乗り物上に配置されるキャリッジ(6)上に配置されるジェット部材(8)を移動させるための装置で、前記キャリッジが、ガイド(5)に沿った2つの選択可能な極限位置の間に前記ガイド(5)に沿って前後に移動可能で、前記装置は油圧回路(27)を有し、そして前記ガイドに沿って前記キャリッジを移動させるように配置される油圧駆動装置(26)と、前記キャリッジターンが起こる場合、前記キャリッジが前記ガイドに沿って前記選択可能な極限位置に到達したことを検出するように構成される手段(12,12’,13,24,25,31)と、前記ガイドに沿って前記キャリッジの前記移動を制御するように構成される制御ユニット(14)と、を備える装置であって、前記手段が、その大きさが前記流れに依存する前記油圧液のパラメータを感知し、そしてこのパラメータの大きさに関する情報を制御ユニット(14)へ伝送するように構成される部材(31)をはじめ、前記油圧駆動装置の前記油圧回路により前記油圧液流に影響を与えるように構成される前記極限位置、又はこれに近い領域に前記キャリッジが到達する場合、前記キャリッジの更なる移動に対する機械抵抗を形成するように設計される部材(24,25,34)を備えること、および前記制御ユニットが前記パラメータの大きさに関する情報に基づき、前記キャリッジのターンを制御するように構成されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記制御ユニット(14)は前記パラメータの前記大きさの変化の大きさを所定値と比較し、そして前記変化の大きさが前記所定値を超え、これにより前記キャリッジ(6)のターンを開始するならば、極限値へ到達したことを決定するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記感知部材(31)は油圧ポンプ(28)とキャリッジに配置された油圧モータ(29)の間の前記油圧回路(27)の油圧液圧力を感知するように構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
油圧回路は制限器(30)を備えることと、前記感知部材(31)は前記制限器の下流で前記油圧液圧力を測定するように構成されることとを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記機械抵抗部材は前記ガイド(5)に沿って配置される機械停止部材(24,25)により形成され、前記キャリッジ(6)またはそれに接続される部材に対する、またはそれらが当たる障害物を形成することにより前記極限位置を画定することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記停止部材(24,25)は、移動可能であり、そして前記極限位置の位置を決定し、そしてそれにより前記ジェット部材(8)の作動幅を決定するため、前記ガイド(5)に沿って異なる位置に固定可能であることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記感知部材(31)は前記反対の極限位置に向かって前記移動を開始する場合、前記キャリッジ(6)がターンをする毎に、前記油圧を測定するように構成されること、そして前記制御ユニット(14)はそのように測定された前記初期圧力値を記憶し、そして、それが前記感知部材から、この初期圧力値を所定の大きさだけ超過する現在圧力に関する情報を受け取る場合、極限位置に到達したことを決定するように構成されることを特徴とする、請求項4または5に記載の装置。
【請求項8】
それは前記圧力増加の前記所定の大きさを異なる値に調節するための部材(14)を備えることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記感知部材は前記油圧回路(27)の油圧液流速を測定するように構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項10】
前記機械抵抗部材は、これが前記それぞれの極限位置に近い所定領域に到達する場合、前記キャリッジ(6)の移動に対し、抵抗増加を発生させるように構成されるエネルギ貯蔵部材(34)を備えること、および前記制御ユニット(14)は、前記抵抗力が所定の値を超えたことを前記パラメータの大きさが表示する場合、前記極限位置に到達したと決定するように構成されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
それは、前記所定の抵抗力値を調節するための部材(14)を備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
それは更に、前記キャリッジ(6)上に配置される第2感知部材(13)、前記ガイドに沿って配置されるマーク(12,12’)を備えること、前記第2感知部材は、前記キャリッジが前記マークに到達したことを検出し、そしてそれに関する情報を前記制御ユニット(14)へ伝送するように設計されること、及び制御ユニットは、一方では、前記手段が前記極限位置の位置を決定させることにより、そして他方では、前記マークが前記極限位置の位置を決定させることにより、のいずれかに変更することを可能にするように構成されることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記ジェット部材(8)は前記キャリッジ(6)に関して軸の周りで旋回するように構成されること、及び前記制御ユニット(14)は前記ガイドに沿って前記極限位置に前記キャリッジの到着に関連して、前記軸の周りで旋回するため、前記ジェット部材を制御するように構成されることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記ジェット部材のノズル(20)の口(22)に、前記組み合わされた旋回/変位の結果として、前記旋回平面にほぼ直交する、ほぼ同一平面内の移動運動を表現させるように、前記ジェット部材(8)の旋回運動の間に、前記ジェット部材と前記キャリッジ(6)の間の機械接続を設計する結果として、前記キャリッジに関して前記軸の周りの略その旋回平面内で前記ジェット部材を強制的に変位させるように構成された変位装置を備えることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記材料層の材料除去処理のための、材料層に対して高圧流体を投射するための乗り物上に配置されたキャリッジ(6)上に配置され、前記キャリッジは前記ガイドに沿った2つの選択可能は極限位置の間で、ガイド(5)に沿って前後に移動可能であり、前記キャリッジは油圧回路を有する油圧駆動装置(26)からの影響により前記ガイドに沿って移動するようにされ、前記キャリッジは、前記キャリッジのターンが起こる前記ガイドに沿った極限位置に到達したことを検出する、ジェット部材を移動させるための方法であって、前記キャリッジが前記それぞれの極限位置、または前記極限位置に近い領域に到達する場合、機械抵抗が前記キャリッジの連続移動に対して形成され、前記抵抗は前記油圧装置の前記油圧回路により、油圧流体流に影響を与えるように構成されること、その大きさが前記流れに依存する前記油圧液のパラメータが感知されること、および前記キャリッジのターンは前記パラメータの大きさについての情報に基づき制御されること、を特徴とする方法。
【請求項16】
前記パラメータの前記大きさの変化の大きさは所定値と比較され、そして、もし前記変化の大きさが前記所定値を超え、これにより前記キャリッジ(6)のターンが開始するならば、極限位置に到達したことを決定することを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記キャリッジ(6)に配置される油圧ポンプ(28)と油圧モータ(29)の間の前記油圧回路(27)における前記油圧液の圧力が前記パラメータとして感知されることを特徴とする、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記油圧回路の油圧液圧力は前記油圧ポンプ(28)と前記油圧モータ(29)の間の前記油圧回路に配置される制限器(30)の下流で測定されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記機械抵抗は、前記キャリッジ(6)に対する、又はこれが当たる障害物を形成することにより、前記極限位置を画定する、前記ガイド(5)に沿って機械停止部材(24,25)を配置することにより形成されることを特徴とする、請求項15から18のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−541619(P2009−541619A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516451(P2009−516451)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050422
【国際公開番号】WO2007/149039
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(507182298)アクアジェット システムズ ホールディング エービー (2)
【Fターム(参考)】