説明

ジッタ測定装置及びジッタ測定方法

直交信号生成部は、被測定信号を互いに位相が直交する2つの信号である直交2信号に変換する。瞬時位相算出部は、前記直交2信号から瞬時位相を、予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲で算出する。差分値検出部は、前記瞬時位相の差分値を検出する。差分値補正部は、前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、その差分値を補正して補正された差分値を出力する。オフセット成分除去部は、前記差分値補正部から出力される前記補正された差分値から、当該補
正された差分値に含まれるオフセット成分を除去して前記オフセット成分が除去された差分値を出力する。積算部は、前記オフセット成分除去部から出力される前記オフセット成分が除去された差分値を積算することにより、前記被測定信号のジッタ量を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークにおいて情報の伝送に使用するディジタル信号等の被測定信号に影響を与えるジッタ(位相雑音)を測定するジッタ測定装置及びジッタ測定方法において、測定分解能を低下させることなく長時間の測定を可能にするためのディジタル演算技術を採用したジッタ測定装置及びジッタ測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ伝送システムにおいて、伝送信号に大きなジッタが発生するとその信号を正しく伝送できなくなる。
【0003】
このため、この種のデータ伝送システムやそのシステムを構成する機器が発生するジッタを測定する必要がある。
【0004】
すなわち、ディジタル信号を伝送するディジタル伝送路では、ディジタル信号を再生して出力する中継器によって伝送路を延長しているが、このような中継器では、入力信号の位相揺らぎ(ジッタ)が大きくなると元の信号を再生することができない。
【0005】
このため、ディジタル伝送路のインターフェースにおけるジッタの最大許容レベルについて、その限度が様々な国際規格に規定されている。
【0006】
例えば、SONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy)と呼ばれる同期式ディジタル伝送網については、次の非特許文献1にジッタ量の最大許容レベルが規定されている。
[非特許文献1]ITU−T勧告G.825(03/2000)このため、この種の伝送路のインターフェースで生じるジッタ量が上記最大許容レベルを満たしているか否かを検証するために、そのジッタ量を予め測定する必要がある。
【0007】
このような目的で使用される従来のジッタ測定装置として、例えば、次の特許文献1に記載されているように、位相同期ループ(PLL)回路を用いて被測定信号(クロック信号)を位相同期させることにより、その位相変動に対応した信号をジッタとして検出するようにしたアナログ方式のジッタ測定装置が知られている。
[特許文献1]特開2001−133492このようなアナログ方式のジッタ測定装置では、PLL回路に用いる部品の特性のバラツキによって、ジッタの測定結果にバラツキが生じてしまうとともに、温度等の環境変化によって、ジッタの測定結果の再現性が悪化してしまうという問題がある。
【0008】
また、上述のようなアナログ方式のジッタ測定装置では、ジッタの測定範囲がPLL回路を構成する位相比較器(PD)や電圧制御発振器(VCO)の線形動作範囲で制限されてしまうという問題がある。
【0009】
このために、上述のようなアナログ方式のジッタ測定装置では、ジッタの測定範囲を広くするためにPDやVCOの感度を下げると、測定分解能が低下してしまうので、高い分解能と広い測定範囲を両立させることができないという点で問題となる。
【0010】
これらの問題を解決する技術として次の特許文献2には、位相誤差の検出を数値演算処理によって行うディジタル方式のジッタ測定装置及び測定方法が提案されている。
[特許文献2]米国特許6,621,860図5は、特許文献2に基づくディジタル方式のジッタ測定装置10の構成を示す。
【0011】
このジッタ測定装置10では、被測定信号Cをアナログ/ディジタル(A/D)変換器11でサンプリングすることにより、被測定信号Cをディジタルの信号列x(n)に変換して、このディジタルの信号列x(n)を直交信号生成部12に入力させる。
【0012】
ここで、信号列(n)は、被測定信号の周波数をfc、振幅をAc、アナログ/ディジタル(A/D)変換のサンプリング周波数をfs、初期位相をθc、ジッタをφ(n)とすると、次のように表すことができる。
【0013】
x(n)=Ac・cos[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)] …(1)
ただし、(n=0,1,2,…)
直交信号生成部12は、ヒルベルト変換器を含み、被測定信号Cの信号列x(n)を互いに位相が直交する2信号I(n)、Q(n)に変換して、この直交2信号I(n)、Q(n)を瞬時位相算出部13に出力する。
【0014】
ここで、直交2信号I(n)、Q(n)は、上記信号列x(n)に対して以下のように表される。
【0015】
I(n)=x(n)=Ac・cos[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)]
Q(n)=Ac・sin[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)]
…(2)
瞬時位相算出部13は、前記直交信号生成部12から出力される直交2信号I(n)、Q(n)によって決まる瞬時位相Θ(n)を次の演算によって算出し、この瞬時位相Θ(n)を不連続補正部14に出力する。
【0016】
Θ(n)=tan−1[Q(n)/I(n)] …(3)
ここで、直交2信号が前式(2)で表されるとき、瞬時位相Θ(n)は、次のように表される。
【0017】
Θ(n)=tan−1[Q(n)/I(n)]
=2π(fc/fs)n+θc+φ(n) …(4)
ここで、tan−1[Q(n)/I(n)]の演算によって求められる瞬時位相Θ(n)は、−πからπの範囲に制限され、nの増加に対して、図6Aに示すように、初期位相θcに近い値からジッタによる変動を受けながらπの近傍まで増加した後、−πの近傍に不連続に変化し、再びπの近傍まで増加するという変化を繰り返すことになる。
【0018】
不連続補正部14は、前記瞬時位相算出部13から出力される上述のように不連続に変化する瞬時位相Θ(n)を、図6Bに示すように、連続性をもつ瞬時位相θ(n)に補正し、この補正された瞬時位相θ(n)をリニア位相除去部15に出力する。
【0019】
リニア位相除去部15は、前記不連続補正部14から出力される補正された瞬時位相θ(n)のうち、nの増加に対して線形的に増加する位相成分2π(fc/fs)nと初期位相θcとを推定し、その和をリニア位相成分L(n)として瞬時位相θ(n)から減じることにより、図6Cに示すようなジッタ成分φ(n)を求め、このジッタ成分φ(n)をジッタ量検出部16に出力する。
【0020】
ジッタ量検出部16は、リニア位相除去部15から出力されるジッタ成分φ(n)に基づいて、被測定信号Cのジッタ量を検出する。
【0021】
このジッタ量は、ジッタ成分φ(n)の最大振幅(p−p値)や実効値(rms)、あるいは、振幅確率分布(ヒストグラム)、FFT演算によって得られたスペクトラム値等であり、そのいずれかあるいは組合せであってもよい。
【0022】
このように数値演算処理によって、被測定信号のジッタを測定するディジタル方式のジッタ測定装置であれば、前記したアナログ方式のジッタ測定装置に比べて、部品の特性のバラツキや環境変化によるジッタの測定精度の低下がなく、高い再現性でジッタを測定することが可能となるとともに、演算ビット数を多くすることによって、広い測定範囲と高い測定分解能を両立させることができる。
【0023】
しかしながら、上記したディジタル方式のジッタ測定装置10のように、連続性をもつ瞬時位相θ(n)からリニア位相成分L(n)を減じることにより、ジッタ成分φ(n)を求める手法では、時間の経過と共に発散してしまう信号成分である瞬時位相θ(n)及びリニア位相成分L(n)を取り扱っているので、ジッタ測定の最長測定時間が制限されてしまうという問題がある。
【0024】
すなわち、上記の連続性をもつ瞬時位相θ(n)及びリニア位相成分L(n)は、nの増加、つまり測定時間の経過とともに増加し、発散してしまうことになるからである。
【0025】
したがって、上記したディジタル方式のジッタ測定装置10では、ジッタ測定の最長測定時間が制限されてしまうので、最長測定時間を越えてそれ以上長時間のジッタ測定を行うことができないという点で問題となる。
【0026】
具体的には、不連続補正部14が出力可能な瞬時位相θ(n)を演算する際のビット数によって、ジッタ測定の最長測定時間が制限される。
【0027】
例えば、瞬時位相θ(n)を演算する際のビット数を40ビットとした場合、瞬時位相θ(n)に含まれるリニア位相成分、
L(n)=2π(fc/fs)n+θc
のうち、2π(fc/fs)を16ビットで表すと、nは残りの24ビットが取り得る範囲に制限される。
【0028】
この場合、サンプリング周波数fsが100MHzであれば、ジッタ測定の最長測定時間は、(nの最大値)/fsである約0.167秒に制限されてしまうために、これより長時間(例えば、10秒以上)のジッタ測定を行うことは不可能である。
【0029】
これは、上記特許文献2に記載されているように、もともと、上記したディジタル方式のジッタ測定装置10が、超大規模集積回路(VLSI)のテストにおいて、テスト項目当たりに割り当てられている0.1秒程度のテスト時間をクリアするために、開発された手法であることに由来している。
【0030】
すなわち、上記したディジタル方式のジッタ測定装置10では、ジッタ測定の最長測定時間が約0.167秒に制限されてしまうのは、本質的に、このジッタ測定装置10では、長時間(例えば、10秒以上)に渡るジッタ測定を想定していないことによっている。
【0031】
ところが、ディジタルシステム及びネットワーク等に用いられる通信機器のジッタ測定では、上記非特許文献1に記載されているように、例えば、伝送路のインターフェースにおけるジッタのレベルを検証するための測定時間は60秒に規定されている。
【0032】
上記nを33ビットで表せば、この規定による60秒での測定が可能になるが、それでは、θ(n)のビット数が上記2π(fc/fs)を表す16ビットと合わせて49ビット必要になるため、演算を実行する装置のハードウェア量が上述した40ビットの場合と比較して大きくなってしまうという点で問題がある。
【0033】
そこで、2π(fc/fs)を7ビットで表して、nを33ビットで表せば、θ(n)のビット数は40ビットで済むため、ハードウェア量が上述した40ビットの場合と同じのままで60秒のジッタ測定が可能になる。
【0034】
ところが、この場合には、測定値の位相精度(位相分解能)が、上記49ビットの場合よりも9ビット分だけ悪化してしまうという点で問題がある。
【0035】
なお、場合によっては、数分以上、さらには1日以上にも渡る長時間のジッタ測定を行うことが要求されている。
【0036】
なお、上記したディジタル方式のジッタ測定装置10の場合でも、瞬時位相θ(n)の分解能を下げてジッタ測定の時間を延ばすことができるが、それには限界があるとともに、測定分解能が低下してしまうので、高い分解能と長時間測定とを両立させることができないという点で問題がある。
【発明の開示】
【0037】
本発明は、これらの問題を解決して、高い分解能と長時間測定とを両立させ、実質的に、最長測定時間を制限することなく、ジッタ測定を高精度に行うことができるジッタ測定装置及びジッタ測定方法を提供することを目的としている。
【0038】
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様によると、
被測定信号を互いに位相が直交する2つの信号である直交2信号に変換する直交信号生成部(22)と、
前記直交信号生成部によって変換された前記直交2信号から瞬時位相を、予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲で算出する瞬時位相算出部(23)と、
前記瞬時位相算出部によって算出された前記瞬時位相の差分値を検出する差分値検出部(24)と、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を補正して補正された差分値を出力する差分値補正部(25)と、
前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値から、当該補正された差分値に含まれるオフセット成分を除去して前記オフセット成分が除去された差分値を出力するオフセット成分除去部(26)と、
前記オフセット成分除去部によって出力される前記オフセット成分が除去された差分値を積算することにより、前記被測定信号のジッタ量を求める積算部(27)と、
を具備するジッタ測定装置が提供される。
【0039】
前記目的を達成するために、本発明の第2の態様によると、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲の下限と上限とが、それぞれ、前記下限位相値と前記上限位相値とに等しいかまたはほぼ等しい第1の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0040】
前記目的を達成するために、本発明の第3の態様によると、前記差分値補正部は、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部(25a)と、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を補正して出力することにより、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する連続性確保部(25b)とを有する第1または第2の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0041】
前記目的を達成するために、本発明の第4の態様によると、前記差分値補正部は、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部(25a)と、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去して出力する不連続点除去部(25c)とを有する第1または第2の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0042】
前記目的を達成するために、本発明の第5の態様によると、前記差分値補正部は、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部(25a)と、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去するとともに、当該除去部分を補間して出力することにより、実質的に、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する不連続点補間部(25d)とを有する第1または第2の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0043】
前記目的を達成するために、本発明の第6の態様によると、前記オフセット成分除去部は、
前記被測定信号の周波数fc及び前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数fsが既知であるとき、予め、前記オフセット成分を示す2π(fc/fs)の演算により求められる値が格納されるメモリ(26a)と、
前記メモリに格納されている前記オフセット成分を示す値を前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値から減算する減算部(26b)とを有する第1の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0044】
前記目的を達成するために、本発明の第7の態様によると、前記オフセット成分除去部は、
前記被測定信号の周波数fc及び前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数fsが未知であるとき、予め、前記オフセット成分として、前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値の平均値を求める平均値算出部(26c)と、
前記平均値算出部によって求められている前記オフセット成分としての前記補正された差分値の平均値を前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値から減算する減算部(26b)とを有する第1の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0045】
前記目的を達成するために、本発明の第8の態様によると、前記オフセット成分除去部は、検出対象のジッタ成分の下限周波数fjが指定されている場合ににおいて、前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値から前記オフセット成分を除去するためのカットオフ周波数として前記検出対象のジッタ成分の下限周波数fjと等しいかまたはほぼ等しい周波数を有するハイパスフィルタ(26d)を含む第1の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0046】
前記目的を達成するために、本発明の第9の態様によると、前記瞬時位相算出部は、
前記被測定信号のディジタルの信号列をx(n)、前記被測定信号の周波数及び振幅ををそれぞれfc及びAc、前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数をfs、前記被測定信号の初期位相及びジッタをそれぞれθc及びφ(n)、n=0,1,2,…とした場合に、前記直交2信号としてのI(n)、Q(n)がそれぞれ
I(n)=x(n)=Ac・cos[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)],
Q(n)=Ac・sin[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)]
で表され、前記瞬時位相としてのΘ(n)が
Θ(n)=tan−1[Q(n)/I(n)]
=2π(fc/fs)n+θc+φ(n)
で表されるとき、前記tan−1[Q(n)/I(n)]の演算によって求められる前記瞬時位相としてのΘ(n)を、前記予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲として−πからπまたは−π/2からπ/2の範囲において算出する第1の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0047】
前記目的を達成するために、本発明の第10の態様によると、前記差分値検出部は、
前記瞬時位相算出部によって算出される前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)を
ΔΘ(n)=Θ(n)−Θ(n−1)
=2π(fc/fs)+φ(n)−φ(n−1)(ただし、Θ(−1)=0、ここで、2π(fc/fs)は定数でオフセット成分である)、
の演算によって算出する第9の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0048】
前記目的を達成するために、本発明の第11の態様によると、前記差分値補正部は、
前記瞬時位相算出部によって算出される前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)の不連続点を補正して、連続性が確保されるように補正されている前記補正された差分値としてのΔθ(n)を算出するために、前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)に対して
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π≦ΔΘ(n)≦π),
Δθ(n)=ΔΘ(n)+2π (−π>ΔΘ(n)),
Δθ(n)=ΔΘ(n)−2π (ΔΘ(n)>π)
または
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π/2≦ΔΘ(n)≦π/2),
Δθ(n)=ΔΘ(n)+π (−π/2>ΔΘ(n)),
Δθ(n)=ΔΘ(n)−π (ΔΘ(n)>π/2)
の演算処理を行う第10の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0049】
前記目的を達成するために、本発明の第12の態様によると、前記オフセット成分除去部は、前記差分値補正部によって連続性が確保されるように補正されている前記補正された差分値としてのΔθ(n)から前記オフセット成分2π(fc/fs)を除去し、前記オフセット成分が除去された差分値としてのΔφ(n)として
Δφ(n)=φ(n)−φ(n−1)
を前記積算部に出力する第11の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0050】
前記目的を達成するために、本発明の第13の態様によると、前記積算部は、
前記オフセット成分除去部によって出力される前記オフセット成分が除去された差分値としてのΔφ(n)に対して次の積算を行い、
U(n)=ΣΔφ(i)(ただし、記号Σは、i=0,1,2,…,nの総和を示す、ここで、U(n)を理論展開すると、
U(n)=[φ(0)−φ(−1)]+[φ(1)−φ(0)]+[φ(2)−φ(1)]+……+[φ(n)−φ(n−1)]
=φ(n)−φ(−1)
となり、ここで、φ(−1)=0とすれば、積算結果U(n)は被測定信号Cのジッタ成分φ(n)を表していることになる)、
この積算結果U(n)を前記被測定信号のジッタ成分φ(n)として出力する第12の態様に従うジッタ測定装置が提供される。
【0051】
前記目的を達成するために、本発明の第14の態様によると、
被測定信号を互いに位相が直交する2つの信号である直交2信号に変換する段階と、
前記直交2信号に変換する段階によって変換された前記直交2信号から瞬時位相を、予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲で算出する段階と、
前記瞬時位相を算出する段階によって算出される前記瞬時位相の差分値を検出する段階と、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を補正して補正された差分値を出力する段階と、
前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値から、当該補正された差分値に含まれるオフセット成分を除去して前記オフセット成分が除去された差分値を出力する段階と、
前記オフセット成分を除去する段階によって出力される前記オフセット成分が除去された差分値を積算することにより、前記被測定信号のジッタ量を求める段階と、
を具備するジッタ測定方法が提供される。
【0052】
前記目的を達成するために、本発明の第15の態様によると、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲の下限と上限とが、それぞれ、前記下限位相値と前記上限位相値とに等しいかまたはほぼ等しい第14の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0053】
前記目的を達成するために、本発明の第16の態様によると、前記瞬時位相の差分値を補正する段階は、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する段階と、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記瞬時位相の差分値の不連続点を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を補正して出力することにより、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する段階とを有する第14または第15の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0054】
前記目的を達成するために、本発明の第17の態様によると、前記瞬時位相の差分値を補正する段階は、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する段階と、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記瞬時位相の差分値の不連続点を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去して出力する段階とを有する第14または第15の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0055】
前記目的を達成するために、本発明の第18の態様によると、前記瞬時位相の差分値を補正する段階は、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する段階と、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記瞬時位相の差分値の不連続点を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去するとともに、当該除去部分を補間して出力することにより、実質的に、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する段階とを有する第14または第15の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0056】
前記目的を達成するために、本発明の第19の態様によると、前記オフセット成分を除去する段階は、
前記被測定信号の周波数fc及び前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数fsが既知であるとき、予め、前記オフセット成分を示す2π(fc/fs)の演算により求められる値をメモリに格納する段階と、
前記メモリに格納されている前記オフセット成分を示す値を前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値から減算する段階とを有する第14の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0057】
前記目的を達成するために、本発明の第20の態様によると、前記オフセット成分を除去する段階は、
前記被測定信号の周波数fc及び前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数fsが未知であるとき、予め、前記オフセット成分として、前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値の平均値を求める段階と、
前記補正された差分値の平均値を求める段階によって求められる前記オフセット成分としての前記補正された差分値の平均値を前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値から減算する段階とを有する第14の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0058】
前記目的を達成するために、本発明の第21の態様によると、前記オフセット成分を除去する段階は、検出対象のジッタ成分の下限周波数fjが指定されている場合において、前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値から前記オフセット成分を除去するためのカットオフ周波数として前記検出対象のジッタ成分の下限周波数fjと等しいかまたはほぼ等しい周波数を有するハイパスフィルタ(26d)を用いる第14の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0059】
前記目的を達成するために、本発明の第22の態様によると、前記瞬時位相を算出する段階は、
前記被測定信号のディジタルの信号列をx(n)、前記被測定信号の周波数及び振幅ををそれぞれfc及びAc、前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数をfs、前記被測定信号の初期位相及びジッタをそれぞれθc及びφ(n)、n=0,1,2,…とした場合に、前記直交2信号としてのI(n)、Q(n)がそれぞれ
I(n)=x(n)=Ac・cos[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)],
Q(n)=Ac・sin[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)]
で表され、前記瞬時位相としてのΘ(n)が
Θ(n)=tan−1[Q(n)/I(n)]
=2π(fc/fs)n+θc+φ(n)
で表されるとき、前記tan−1[Q(n)/I(n)]の演算によって求められる前記瞬時位相としてのΘ(n)を、前記予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲として−πからπまたは−π/2からπ/2の範囲において算出する第14の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0060】
前記目的を達成するために、本発明の第23の態様によると、前記瞬時位相の差分値を検出する段階は、
前記瞬時位相を算出する段階によって算出される前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)を
ΔΘ(n)=Θ(n)−Θ(n−1)
=2π(fc/fs)+φ(n)−φ(n−1)(ただし、Θ(−1)=0ここで、2π(fc/fs)は定数でオフセット成分である)、
の演算によって算出する第22の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0061】
前記目的を達成するために、本発明の第24の態様によると、前記瞬時位相の差分値を補正する段階は、
前記瞬時位相を算出する段階によって算出される前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)の不連続点を補正して、連続性が確保されるように補正されている前記補正された差分値としてのΔθ(n)を算出するために、前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)に対して
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π≦ΔΘ(n)≦π),
Δθ(n)=ΔΘ(n)+2π (−π>ΔΘ(n)),
Δθ(n)=ΔΘ(n)−2π (ΔΘ(n)>π)
または
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π/2≦ΔΘ(n)≦π/2),
Δθ(n)=ΔΘ(n)+π (−π/2>ΔΘ(n)),
Δθ(n)=ΔΘ(n)−π (ΔΘ(n)>π/2)
の演算処理を行う第23の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0062】
前記目的を達成するために、本発明の第25の態様によると、前記オフセット成分を除去する段階は、前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって連続性が確保されるように補正されている前記補正された差分値としてのΔθ(n)から前記オフセット成分2π(fc/fs)を除去し、前記オフセット成分が除去された差分値としてのΔφ(n)として
Δφ(n)=φ(n)−φ(n−1)
を出力する第24の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0063】
前記目的を達成するために、本発明の第26の態様によると、前記オフセット成分が除去された差分値を積算する段階は、前記オフセット成分を除去する段階によって出力される前記オフセット成分が除去された差分値としてのΔφ(n)に対して次の積算を行い、U(n)=ΣΔφ(i)(ただし、記号Σは、i=0,1,2,…,nの総和を示す、ここで、U(n)を理論展開すると、
U(n)=[φ(0)−φ(−1)]+[φ(1)−φ(0)]+[φ(2)−φ(1)]+……+[φ(n)−φ(n−1)]
=φ(n)−φ(−1)
となり、ここで、φ(−1)=0とすれば、積算結果U(n)は被測定信号Cのジッタ成分φ(n)を表していることになる)、
この積算結果U(n)を前記被測定信号のジッタ成分φ(n)として出力する第25の態様に従うジッタ測定方法が提供される。
【0064】
このように、本発明によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法では、被測定信号が直交変換された直交2信号から瞬時位相を所定範囲内で求め、その瞬時位相の差分値を検出し、この瞬時位相の差分値が所定範囲を超えた場合に、例えば、連続性を確保する等の所定の補正を行い、この連続性を確保する等の所定の補正がなされた差分値からオフセット成分を除去し、このオフセット成分が除去された差分値を積算することにより、被測定信号のジッタ成分を求めるようにしている。
【0065】
このため、本発明によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法では、各部及び各段階での演算ビット数としては、瞬時位相を求めるときの所定範囲の2倍の範囲内で差分値を必要な精度で得るための演算ビット数(例えば、16+1ビット)があれば十分であり、しかも、その演算ビット数に制限されることなく、実質的に、ジッタ測定の最長測定時間が制限されることなく、例えば、数分以上の長時間にわたるジッタ測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
[図1]図1は、本発明によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法が適用されるジッタ測定装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
[図2A]図2Aは、図1の実施形態における差分値補正部の一例を示すブロック図である。
[図2B]図2Bは、図1の実施形態における差分値補正部の他の例を示すブロック図である。
[図2C]図2Cは、図1の実施形態における差分値補正部のさらに他の例を示すブロック図である。
[図3A]図3Aは、図1の実施形態におけるオフセット成分除去部の一例を示すブロック図である。
[図3B]図3Bは、図1の実施形態におけるオフセット成分除去部の他の例を示すブロック図である。
[図3C]図3Cは、図1の実施形態におけるオフセット成分除去部のさらに他の例を示すブロック図である。
[図4A]図4Aは、図1の実施形態によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法の動作を説明するために示す信号波形図である。
[図4B]図4Bは、図1の実施形態によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法の動作を説明するために示す信号波形図である。
[図4C]図4Cは、図1の実施形態によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法の動作を説明するために示す信号波形図である。
[図4D]図4Dは、図1の実施形態によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法の動作を説明するために示す信号波形図である。
[図4E]図4Eは、図1の実施形態によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法の動作を説明するために示す信号波形図である。
[図5]図5は、従来のジッタ測定装置の構成を示すブロック図である。
[図6A]図6Aは、従来のジッタ測定装置の動作を説明するために示す信号波形図である。
[図6B]図6Bは、従来のジッタ測定装置の動作を説明するために示す信号波形図である。
[図6C]図6Cは、従来のジッタ測定装置の動作を説明するために示す信号波形図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、図面に基づいて本発明によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法の一実施の形態を説明する。
【0068】
図1は、本発明によるジッタ測定装置及びジッタ測定方法が適用されるジッタ測定装置20の一実施形態の構成を示している。
【0069】
本発明によるジッタ測定装置は、基本的な構成として、被測定信号Cを互いに位相が直交する2つの信号である直交2信号I(n),Q(n)に変換する直交信号生成部22と、前記直交信号生成部22によって変換された前記直交2信号I(n),Q(n)から瞬時位相Θ(n)を、予め定められた下限位相値(例えば、−πまたは−π/2)と予め定められた上限位相値(例えば、πまたはπ/2)との間の範囲で算出する瞬時位相算出部23と、前記瞬時位相算出部23によって算出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)を検出する差分値検出部24と、前記差分値検出部24によって検出される前記瞬時位相の差分値ΔΘ(n)が、前記下限位相値(例えば、−πまたは−π/2)と前記上限位相値(例えば、πまたはπ/2)とに依存する範囲(例えば、−πからπまたは−π/2からπ/2)を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値ΔΘ(n)を補正して補正された差分値Δθ(n)を出力する差分値補正部25と、前記差分値補正部25によって出力される前記補正された差分値Δθ(n)から、当該補正された差分値Δθ(n)に含まれるオフセット成分Dcを除去して前記オフセット成分Dcが除去された差分値Δφ(n)を出力するオフセット成分除去部26と、前記オフセット成分除去部26によって出力される前記オフセット成分Dcが除去された前記差分値Δφ(n)を積算することにより、前記被測定信号Cのジッタ量φ(n)を求める積算部27とを具備している。
【0070】
また、本発明によるジッタ測定方法は、基本的な構成として、被測定信号を互いに位相が直交する2つの信号である直交2信号I(n),Q(n)に変換する段階と、前記直交2信号I(n),Q(n)に変換する段階によって変換された前記直交2信号I(n),Q(n)から瞬時位相Θ(n)を、予め定められた下限位相値(例えば、−πまたは−π/2)と予め定められた上限位相値(例えば、πまたはπ/2)との間の範囲で算出する段階と、前記瞬時位相Θ(n)を算出する段階によって算出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)を検出する段階と、前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)を検出する段階によって検出される前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)が、前記下限位相値(例えば、−πまたは−π/2)と前記上限位相値(例えば、πまたはπ/2)とに依存する範囲(例えば、−πからπまたは−π/2からπ/2)を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値ΔΘ(n)を補正して補正された差分値Δθ(n)を出力する段階と、前記瞬時位相の差分値ΔΘ(n)を補正する段階によって出力される前記補正された差分値Δθ(n)から、当該補正された差分値Δθ(n)に含まれるオフセット成分Dcを除去して前記オフセット成分Dcが除去された差分値Δφ(n)を出力する段階と、前記オフセット成分Dcを除去する段階によって出力される前記オフセット成分Dcが除去された差分値Δφ(n)を積算することにより、前記被測定信号Cのジッタ量φ(n)を求める段階とを具備している。
【0071】
以上において、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲の下限と上限とは、それぞれ、前記下限位相値と前記上限位相値とに等しいかまたはほぼ等しくなされている場合を含んでいる。
【0072】
具体的には、図1に示す本実施形態によるジッタ測定装置20において、A/D変換器21及び直交信号生成部22は、前記した従来のジッタ測定装置10のA/D変換器11及び直交信号生成部12と同等である。
【0073】
すなわち、A/D変換器21は、アナログの被測定信号Cをサンプリングしてディジタルの信号列x(n)に変換し、そのディジタルの信号列x(n)を直交信号生成部22に出力する。
【0074】
ここで、信号列x(n)は、前記した従来のジッタ測定装置10の場合と同様に、被測定信号Cの周波数及び振幅をそれぞれfc、Ac、A/D変換器21のサンプリング周波数をfs、被測定信号Cの初期位相及び、ジッタをそれぞれθcφ(n)としたとき、前記した式(1)で表される。
【0075】
直交信号生成部22は、ヒルベルト変換器を含み、前記A/D変換器21から出力される前記被測定信号Cの信号列x(n)を、前記した式(2)で表される直交2信号I(n)、Q(n)に変換して、この直交2信号I(n)、Q(n)を瞬時位相算出部23に出力する。
【0076】
瞬時位相算出部23は、前記直交信号生成部22から出力される前記直交2信号I(n)、Q(n)によって決まる瞬時位相Θ(n)を、前記した式(3)の演算によって予め定められた下限位相値(例えば、−π)と予め定められた上限位相値(例えば、π)の範囲(例えば、−πからπの所定範囲)内で求め、この瞬時位相Θ(n)を差分値検出部24に出力する。
【0077】
差分値検出部24は、次の演算によって、前記差分値検出部24から出力される瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)を検出し、この瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)を差分値補正部25に出力する。
【0078】
ΔΘ(n)=Θ(n)−Θ(n−1) …(5)
ただし、Θ(−1)=0
ここで、ΔΘ(n)の理論値は、以下のように表される。
【0079】
ΔΘ(n)=Θ(n)−Θ(n−1)
=[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)]
−[2π(fc/fs)(n−1)+θc+φ(n−1)]
=2π(fc/fs)+φ(n)−φ(n−1) …(6)
上式(6)で2π(fc/fs)は定数(オフセット成分)である。
【0080】
差分値補正部25は、前記差分値検出部24によって出力される瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)に対して以下の演算処理を行うことにより、当該瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)の不連続点を検出して、その不連続点に対する所定の補正、例えば、連続性が確保されるように補正された差分値Δθ(n)を、オフセット成分除去部26に出力する。
【0081】
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π≦ΔΘ(n)≦π)
Δθ(n)=ΔΘ(n)+2π (−π>ΔΘ(n))
Δθ(n)=ΔΘ(n)−2π (ΔΘ(n)>π)
…(7)
図2Aは、差分値補正部25の一例を示すブロック図である。
【0082】
この差分値補正部25は、差分値検出部24によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部25aと、前記差分値検出部24によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部25aによって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を補正して出力することにより、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する連続性確保部25bとを有する。
【0083】
図2Bは、差分値補正部25の他の例を示すブロック図である。
【0084】
この差分値補正部25は、前記差分値検出部24によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部25aと、前記差分値検出部24によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部25aによって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去して出力する不連続点除去部25cとを有する。
【0085】
図2Cは、差分値補正部25のさらに他の例を示すブロック図である。
【0086】
この差分値補正部25は、差分値検出部24によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部25aと、前記差分値検出部24によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部25aによって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去するとともに、当該除去部分を補間して出力することにより、実質的に、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する不連続点補間部25dとを有する。
【0087】
オフセット成分除去部26は、前記差分値補正部25によって、例えば、差分値の連続性が確保されるように補正された差分値Δθ(n)から、オフセット成分Dcを除去し、そのオフセット成分Dcが除去された差分値Δφ(n)を積算部27に出力する。
【0088】
ここで、オフセット成分Dcの理論値は2π(fc/fs)であるから、差分値Δφ(n)の理論値は、
Δφ(n)=φ(n)−φ(n−1) …(8)
となる。
【0089】
図3Aは、オフセット成分除去部26の一例を示すブロック図である。
【0090】
このオフセット成分除去部26は、前記被測定信号Cの周波数fc及び前記被測定信号Cをサンプリングするサンプリング周波数fsが既知であるとき、ジッタ測定に先立って、予め、前記オフセット成分を示す2π(fc/fs)の演算により求められる値が格納されるメモリ26aと、ジッタ測定時に、このメモリ26aに格納されている前記オフセット成分を示す値を前記差分値補正部25によって出力される前記補正された差分値から減算する減算部26bとを有する。
【0091】
図3Bは、オフセット成分除去部26の他の例を示すブロック図である。
【0092】
このオフセット成分除去部26は、前記被測定信号Cの周波数fc及び前記被測定信号Cをサンプリングするサンプリング周波数fsが未知であるとき、ジッタ測定に先立って、予め、前記オフセット成分として、前記差分値補正部25によって出力される前記補正された差分値の平均値を求める平均値算出部26cと、ジッタ測定時に、前記平均値算出部26cによって求められている前記オフセット成分としての前記補正された差分値の平均値を前記差分値補正部25によって出力される前記補正された差分値から減算する減算部26bとを有する。
【0093】
図3Cは、オフセット成分除去部26のさらに他の例を示すブロック図である。
【0094】
このオフセット成分除去部26は、予め、検出対象のジッタ成分の下限周波数fjが指定されている場合において、前記差分値補正部25によって出力される前記補正された差分値から前記オフセット成分を除去するためのカットオフ周波数として前記検出対象のジッタ成分の下限周波数fjと等しいかまたはほぼ等しい周波数を有するハイパスフィルタ26dを含んで構成されている。
【0095】
積算部27は、前記オフセット成分除去部26から出力されるオフセット成分Dcが除去された差分値Δφ(n)に対して次の積算を行い、その積算結果U(n)を被測定信号Cのジッタ成分φ(n)として、ジッタ量検出部28に出力する。
【0096】
U(n)=ΣΔφ(i) …(9)
ただし、記号Σは、i=0,1,2,…,nの総和を示す
U(n)を理論展開すると、
U(n)=[φ(0)−φ(−1)]
+[φ(1)−φ(0)]
+[φ(2)−φ(1)]
+………
+[φ(n)−φ(n−1)]
=φ(n)−φ(−1)
となる。
【0097】
ここで、φ(−1)=0とすれば、積算結果U(n)は被測定信号Cのジッタ成分φ(n)を表していることになる。
【0098】
ジッタ量検出部28は、前記積算部27から出力されるジッタ成分φ(n)に対して、前記した従来のジッタ測定装置10のジッタ量検出部16と同様に、ジッタ成分φ(n)の最大振幅(p−p値)、実効値(rms)、振幅確率分布(ヒストグラム)、FFTによるスペクトラム等を求めて、図示しない表示器等に出力する。
【0099】
次に、上記構成のジッタ測定装置20の動作を説明する。
【0100】
被測定信号CがA/D変換器21によってサンプリングされ、ディジタルの信号列x(n)に変換されて、直交信号生成部22に入力されることにより、その信号列x(n)について互いに直交する2信号I(n)、Q(n)が得られる。
【0101】
この直交2信号I(n)、Q(n)は、瞬時位相算出部23に入力され、この直交2信号I(n)、Q(n)で決まる瞬時位相Θ(n)が、予め定められた下限位相値(例えば、−π)と予め定められた上限位相値(例えば、π)との間の範囲(例えば、−πからπの所定範囲)内で求められる。
【0102】
この瞬時位相Θ(n)は、図4Aに示しているように、初期位相θc近傍から、ジッタによる変動を受けながらn(=1,2,…)の増加にともなってπの近傍まで増加した後、−πの近傍まで不連続に変化し、再び増加するという変化を繰り返す。
【0103】
また、図示していないが、図4Aの場合とは逆向きで、πの近傍から−πの近傍に不連続に変化した直後にジッタの影響で再びπの近傍に不連続に変化する場合もある。
【0104】
一方、この瞬時位相Θ(n)を受けた差分値検出部24では、図4Bに示すように、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)が順次算出される。
【0105】
この瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)は、瞬時位相Θ(n)が、例えば、πの近傍から−πの近傍に不連続に変化した場合には、−πより小さい値に不連続に変化する不連続点を有することになる。
【0106】
また、図示していないが、図4Bの場合とは逆向きで、瞬時位相Θ(n)が−πの近傍からπの近傍に不連続に変化した場合には、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)は、πより大きな値に不連続に変化する不連続点を有することになる。
【0107】
このような瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)の不連続点は、例えば、図4Cに示すように、差分値補正部25によって補正される。
【0108】
図4Cは、差分値補正部25が前述した図2Aに示される構成の場合である。
【0109】
すなわち、この図2Aに示される差分値補正部25は、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)が所定範囲(例えば、−π≦ΔΘ(n)≦π)内にあるときには、不連続点検出部25aによって不連続点が検出されないので、当該瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)をそのまま補正された差分値Δθ(n)として連続性確保部25bから出力する。
【0110】
そして、この差分値補正部25は、瞬時位相Θ(n)がπの近傍から−πの近傍に不連続に変化して、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)が−πより小さくなったときには、それを不連続点検出部25aによって不連続点として検出し、それに基づいて連続性確保部25bによって当該瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)を所定範囲の幅に相当する2πだけ加算するように補正することにより、瞬時位相Θ(n)についての差分値Δθ(n)の連続性を確保して連続性確保部25bから出力する。
【0111】
また、この差分値補正部25は、瞬時位相Θ(n)が−πの近傍からπの近傍に不連続に変化して、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)がπより大きくなったときには、それを不連続点検出部25aによって不連続点として検出し、それに基づいて連続性確保部25bによって当該瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)を2πだけ減算するように補正することにより、瞬時位相Θ(n)についての差分値Δθ(n)の連続性を確保して連続性確保部25bから出力する。
【0112】
また、図2Bに示される差分値補正部25の場合には、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)が所定範囲(例えば、−π≦ΔΘ(n)≦π)内にあるときには、不連続点検出部25aによって不連続点が検出されないので、当該瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)をそのまま補正された差分値Δθ(n)として不連続点除去部25cから出力する。
【0113】
そして、この差分値補正部25は、瞬時位相Θ(n)がπの近傍から−πの近傍に不連続に変化して、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)が−πより小さくなったときには、それを不連続点検出部25aによって不連続点として検出し、それに基づいて不連続点除去部25cによって当該瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)を不連続点として除去するように補正された差分値Δθ(n)を不連続点除去部25cから出力する。
【0114】
また、この差分値補正部25は、瞬時位相Θ(n)が−πの近傍からπの近傍に不連続に変化して、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)がπより大きくなったときには、それを不連続点検出部25aによって不連続点として検出し、それに基づいて不連続点除去部25cによってそのときの差分値ΔΘ(n)を不連続点として除去するように補正された差分値Δθ(n)を不連続点除去部25cから出力する。
【0115】
このように図2Bに示される差分値補正部25は、差分値ΔΘ(n)に不連続点がある場合には、不連続点除去部25cによって不連続点が除去されることにより、不連続補正部25の不連続点除去部25cから出力される差分値Δθ(n)が部分的にいわゆる歯抜け状となったとしても問題とされないようなジッタ測定に適用される。
【0116】
また、図2Cに示される差分値補正部25の場合には、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)が所定範囲(例えば、−π≦ΔΘ(n)≦π)内にあるときには、不連続点検出部25aによって不連続点が検出されないので、当該瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)をそのまま補正された差分値Δθ(n)として不連続点補間部25bから出力する。
【0117】
そして、この差分値補正部25は、瞬時位相Θ(n)がπの近傍から−πの近傍に不連続に変化して、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)が−πより小さくなったときには、それを不連続点検出部25aによって不連続点として検出し、それに基づいて不連続点補間部25bによって当該瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)を不連続点として除去するとともに、当該除去部分を、例えば、そのときの前後の瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n−1)とΔΘ(n+1)に基づいて直線補間するように補正することにより、実質的に、差分値Δθ(n)の連続性を確保して不連続点補間部25bから出力する。
【0118】
また、この差分値補正部25は、瞬時位相Θ(n)が−πの近傍からπの近傍に不連続に変化して、瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)がπより大きくなったときには、それを不連続点検出部25aによって不連続点として検出し、それに基づいて不連続点補間部25bによって当該瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n)を不連続点として除去するとともに、当該除去部分を、例えば、そのときの前後の瞬時位相Θ(n)についての差分値ΔΘ(n−1)とΔΘ(n+1)に基づいて直線補間するように補正することにより、実質的に、差分値Δθ(n)の連続性を確保して不連続点補間部25bから出力する。
【0119】
なお、図2Aに示す差分値補正部25は、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲の下限と上限とは、それぞれ、前記下限位相値と前記上限位相値とに等しいかまたはほぼ等しくなされている場合として、前記下限位相値−πと前記上限位相値πとに依存する範囲が前記下限位相値−πと前記上限位相値πとの差(2π)の1/2(すなわち、π)を超えた場合に、前記差分値検出部24で検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)の不連続点を検出する不連続点検出部25aと、前記差分値検出部24によって検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)に対して、前記不連続点検出部25aによって検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)の不連続点を補正した差分値Δθ(n)を出力することにより、前記差分値Δθ(n)の連続性を確保する連続性確保部25bとを有しているようにしてもよい。
【0120】
また、図2Bに示す差分値補正部25は、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲の下限と上限とは、それぞれ、前記下限位相値と前記上限位相値とに等しいかまたはほぼ等しくなされている場合として、前記下限位相値−πと前記上限位相値πとに依存する範囲が前記下限位相値−πと前記上限位相値πとの差(2π)の1/2(すなわち、π)を超えた場合に、前記差分値検出部24で検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)の不連続点を検出する不連続点検出部25aと、前記差分値検出部24で検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)に対して、前記不連続点検出部25aによって検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)の不連続点を除去して出力する不連続点除去部25cとを有しているようにしてもよい。
【0121】
また、図2Cに示す差分値補正部25は、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲の下限と上限とは、それぞれ、前記下限位相値と前記上限位相値とに等しいかまたはほぼ等しくなされている場合として、前記下限位相値−πと前記上限位相値πとに依存する範囲が前記下限位相値−πと前記上限位相値πとの差(2π)の1/2(すなわち、π)を超えた場合に、前記差分値検出部24で検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)の不連続点を検出する不連続点検出部25aと、前記差分値検出部24で検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)に対して、前記不連続点検出部25aによって検出された前記瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)の不連続点を除去するとともに、当該除去部分を、例えば、前述したような直線補間等によって補間して出力することにより、実質的に、前記差分値Δθ(n)の連続性を確保する不連続点補間部(25d)とを有しているようにしてもよい。
【0122】
次に、オフセット成分除去部26は、上述のようにして、前記差分値補正部25によって、例えば、連続性が確保されるように補正された差分値Δθ(n)に重畳されている2π(fc/fs)相当のオフセット成分Dcを図4Dに示すように除去することにより、このオフセット成分Dcが除去された差分値Δφ(n)積算部27に出力する。
【0123】
すなわち、図3Aに示されるオフセット成分除去部26の場合には、A/D変換器21のサンプリング周波数fs及び被測定信号Cの周波数fcが既知であれば、ジッタ測定に先立って、予め、オフセット成分2π(fc/fs)の値を求めてメモリ26aに記憶しておき、ジッタ測定時に、減算部26bにより、メモリ26aの記憶値を差分値Δθ(n)から減算する構成とすることにより、オフセット成分Dcを除去することができる。
【0124】
また、図3Bに示されるオフセット成分除去部26の場合には、被測定信号Cの周波数fc及びサンプリング周波数fsが未知で、オフセット成分2π(fc/fs)の値が不明の場合には、図3Bに示すように、ジッタ測定に先立って、予め、平均値算出部26cによって差分値Δθ(n)の平均値Hを直流分として求めておき、減算部26bによって、ジッタ測定時に入力される瞬時位相の差分値Δθ(n)から平均値Hを減じることにより、オフセット成分Dcを除去することができる。
【0125】
また、図3Cに示されるオフセット成分除去部26の場合には、予め、検出対象のジッタ成分の下限周波数fj(例えば、10Hz)が指定されている場合において、オフセット成分除去部26として、図3Cに示すように、カットオフ周波数として前記検出対象のジッタ成分の下限周波数fjと等しいかまたはほぼ等しい周波数を有するハイパスフィルタ26dを用いることにより、ジッタ測定時に入力される瞬時位相の差分値Δθ(n)からそのオフセット成分Dcを除去することができる。
【0126】
そして、積算部27は、前記オフセット成分除去部26によってオフセット成分Dcが除去された差分値Δφ(n)を積算することにより、図4Eに示すような被測定信号Cのジッタ成分φ(n)を求めて、この被測定信号Cのジッタ成分φ(n)をジッタ量検出部28に出力する。
【0127】
ジッタ量検出部28は、前記積算部27から出力されるジッタ成分φ(n)について、その最大振幅値(p−p値)、実効値(rms)、ヒストグラムあるいはスペクトラムを求めて図示しない表示器等に表示出力する。
【0128】
以上説明したように、本実施形態のジッタ測定装置及びジッタ測定方法では、被測定信号Cから生成した直交2信号I(n)、Q(n)によって決まる瞬時位相Θ(n)を−πからπの範囲(所定範囲)内で求めるとともに、その瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)を算出し、この瞬時位相Θ(n)の差分値ΔΘ(n)に対して、例えば、連続性を確保する等の所定の補正を行って、例えば、連続性が確保されるように補正された差分値Δθ(n)からオフセット成分Dcを除去し、このオフセット成分Dcが除去された差分値Δφ(n)を積算することにより、被測定信号Cのジッタ成分φ(n)を求めるようにしている。
【0129】
このため、各部及び各段階での演算ビット数としては、nの数(すなわち、測定時間)に関わらず、−2πから2π(瞬時位相を求めるときの所定範囲の2倍の範囲)までの差分値ΔΘ(n)を必要な精度で得るためのビット数(例えば、16+1ビット)があれば十分であり、その演算ビット数に制限されることなく、しかも、実質的に、ジッタ測定の最長測定時間が制限されることなく、例えば、数分以上の長時間にわたるジッタ測定が可能となる。
【0130】
なお、上記実施形態では、瞬時位相Θ(n)を−πからπの範囲で求めていたが、この範囲は−πからπに限定されるものではなく、予想されるジッタの大きさに応じて任意に設定することができる。
【0131】
例えば、少ないジッタを測定する場合には、瞬時位相Θ(n)を−π/2からπ/2の範囲で求めるようにしてもよい。
【0132】
この場合、上記式(7)は、
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π/2≦ΔΘ(n)≦π/2)
Δθ(n)=ΔΘ(n)+π (−π/2>ΔΘ(n))
Δθ(n)=ΔΘ(n)−π (ΔΘ(n)>π/2)
…(10)
となる。
【0133】
また、上記実施形態では、被測定信号Cがアナログ信号であるの場合について説明したが、ディジタル化された測定信号のジッタを測定する場合には、A/D変換器21を省略して、そのディジタル化された測定信号を直交信号生成部22に直接入力するようにしておけばよい。
【0134】
また、上記実施形態では、各部及び各段階をハードウェア構成で実現する場合について説明したが、CPUを含む各種のコンピュータによるソフトウェア構成で実現することも可能である。
【0135】
この他にも、上記実施形態について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形や適用が可能であることは言うまでもない。
【0136】
したがって、以上詳述したように、本発明によれば、上記従来技術が有する問題を解決して、高い分解能と長時間測定とを両立させ、実質的に、最長測定時間を制限することなく、ジッタ測定を高精度に行うことができるジッタ測定装置及びジッタ測定方法を提供することが可能となる。
【図1】





【図5】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定信号を互いに位相が直交する2つの信号である直交2信号に変換する直交信号生成部と、
前記直交信号生成部によって変換された前記直交2信号から瞬時位相を、予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲で算出する瞬時位相算出部と、
前記瞬時位相算出部によって算出された前記瞬時位相の差分値を検出する差分値検出部と、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を補正して補正された差分値を出力する差分値補正部と、
前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値から、当該補正された差分値に含まれるオフセット成分を除去して前記オフセット成分が除去された差分値を出力するオフセット成分除去部と、
前記オフセット成分除去部によって出力される前記オフセット成分が除去された差分値を積算することにより、前記被測定信号のジッタ量を求める積算部と、
を具備するジッタ測定装置。
【請求項2】
前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲の下限と上限とが、それぞれ、前記下限位相値と前記上限位相値とに等しいかまたはほぼ等しい請求項1に従うジッタ測定装置。
【請求項3】
前記差分値補正部は、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部と、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を補正して出力することにより、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する連続性確保部とを有する請求項1または2に従うジッタ測定装置。
【請求項4】
前記差分値補正部は、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部と、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去して出力する不連続点除去部とを有する請求項1または2に従うジッタ測定装置。
【請求項5】
前記差分値補正部は、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する不連続点検出部と、
前記差分値検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記不連続点検出部によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去するとともに、当該除去部分を補間して出力することにより、実質的に、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する不連続点補間部とを有する請求項1または2に従うジッタ測定装置。
【請求項6】
前記オフセット成分除去部は、
前記被測定信号の周波数fc及び前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数fsが既知であるとき、予め、前記オフセット成分を示す2π(fc/fs)の演算により求められる値が格納されるメモリと、
前記メモリに格納されている前記オフセット成分を示す値を前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値から減算する減算部とを有する請求項1に従うジッタ測定装置。
【請求項7】
前記オフセット成分除去部は、
前記被測定信号の周波数fc及び前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数fsが未知であるとき、予め、前記オフセット成分として、前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値の平均値を求める平均値算出部と、
前記平均値算出部によって求められている前記オフセット成分としての前記補正された差分値の平均値を前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値から減算する減算部とを有する請求項1に従うジッタ測定装置。
【請求項8】
前記オフセット成分除去部は、検出対象のジッタ成分の下限周波数fjが指定されている場合において、前記差分値補正部によって出力される前記補正された差分値から前記オフセット成分を除去するためのカットオフ周波数として前記検出対象のジッタ成分の下限周波数fjと等しいかまたはほぼ等しい周波数を有するハイパスフィルタを含む請求項1に従うジッタ測定装置。
【請求項9】
前記瞬時位相算出部は、
前記被測定信号のディジタルの信号列をx(n)、前記被測定信号の周波数及び振幅ををそれぞれfc及びAc、前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数をfs、前記被測定信号の初期位相及びジッタをそれぞれθc及びφ(n)、n=0,1,2,…とした場合に、前記直交2信号としてのI(n)、Q(n)がそれぞれ
I(n)=x(n)=Ac・cos[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)],
Q(n)=Ac・sin[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)]
で表され、前記瞬時位相としてのΘ(n)が
Θ(n)=tan−1[Q(n)/I(n)]
=2π(fc/fs)n+θc+φ(n)
で表されるとき、前記tan−1[Q(n)/I(n)]の演算によって求められる前記瞬時位相としてのΘ(n)を、前記予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲として−πからπまたは−π/2からπ/2の範囲において算出する請求項1に従うジッタ測定装置。
【請求項10】
前記差分値検出部は、
前記瞬時位相算出部によって算出される前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)を
ΔΘ(n)=Θ(n)−Θ(n−1)
=2π(fc/fs)+φ(n)−φ(n−1)(ただし、Θ(−1)=0、ここで、2π(fc/fs)は定数でオフセット成分である)、
の演算によって算出する請求項9に従うジッタ測定装置。
【請求項11】
前記差分値補正部は、
前記瞬時位相算出部によって算出される前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)の不連続点を補正し、連続性が確保されるように補正されている前記補正された差分値としてのΔθ(n)を算出するために、前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)に対して
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π≦ΔΘ(n)≦π),
Δθ(n)=ΔΘ(n)+2π (−>ΔΘ(n)),
Δθ(n)=ΔΘ(n)−2π (ΔΘ(n)>π)
または
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π/2≦ΔΘ(n)≦π/2),
Δθ(n)=ΔΘ(n)+π (−π/2>ΔΘ(n)),
Δθ(n)=ΔΘ(n)−π (ΔΘ(n)>π/2)
の演算処理を行う請求項10に従うジッタ測定装置。
【請求項12】
前記オフセット成分除去部は、前記差分値補正部によって連続性が確保されるように補正されている前記補正された差分値としてのΔθ(n)から前記オフセット成分2π(fc/fs)を除去し、前記オフセット成分が除去された差分値としてのΔφ(n)としてΔφ(n)=φ(n)−φ(n−1)
を前記積算部に出力する請求項11に従うジッタ測定装置。
【請求項13】
前記積算部は、
前記オフセット成分除去部によって出力される前記オフセット成分が除去された差分値としてのΔφ(n)に対して次の積算を行い、
U(n)=ΣΔφ(i)(ただし、記号Σは、i=0,1,2,…,nの総和を示す、ここで、U(n)を理論展開すると、
U(n)=[φ(0)−φ(−1)]+[φ(1)−φ(0)]+[φ(2)−φ(1)]+……+[φ(n)−φ(n−1)]
=φ(n)−φ(−1)
となり、ここで、φ(−1)=0とすれば、積算結果U(n)は被測定信号Cのジッタ成分φ(n)を表していることになる)、
この積算結果U(n)を前記被測定信号のジッタ成分φ(n)として出力する請求項12に従うジッタ測定装置。
【請求項14】
被測定信号を互いに位相が直交する2つの信号である直交2信号に変換する段階と、
前記直交2信号に変換する段階によって変換された前記直交2信号から瞬時位相を、予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲で算出する段階と、
前記瞬時位相を算出する段階によって算出される前記瞬時位相の差分値を検出する段階と、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を補正して補正された差分値を出力する段階と、
前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値から、当該補正された差分値に含まれるオフセット成分を除去して前記オフセット成分が除去された差分値を出力する段階と、
前記オフセット成分を除去する段階によって出力される前記オフセット成分が除去された差分値を積算することにより、前記被測定信号のジッタ量を求める段階と、
を具備するジッタ測定方法。
【請求項15】
前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲の下限と上限とが、それぞれ、前記下限位相値と前記上限位相値とに等しいかまたはほぼ等しい請求項14に従うジッタ測定方法。
【請求項16】
前記瞬時位相の差分値を補正する段階は、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する段階と、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記瞬時位相の差分値の不連続点を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を補正して出力することにより、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する段階とを有する請求項14または15に従うジッタ測定方法。
【請求項17】
前記瞬時位相の差分値を補正する段階は、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する段階と、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記瞬時位相の差分値の不連続点を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去して出力する段階とを有する請求項14または15に従うジッタ測定方法。
【請求項18】
前記瞬時位相の差分値を補正する段階は、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値が、前記下限位相値と前記上限位相値とに依存する範囲を超えた場合に、当該瞬時位相の差分値を前記瞬時位相の差分値の不連続点として検出する段階と、
前記瞬時位相の差分値を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値に対して、前記瞬時位相の差分値の不連続点を検出する段階によって検出される前記瞬時位相の差分値の不連続点を除去するとともに、当該除去部分を補間して出力することにより、実質的に、前記瞬時位相の差分値の連続性を確保する段階とを有する請求項14または15に従うジッタ測定方法。
【請求項19】
前記オフセット成分を除去する段階は、
前記被測定信号の周波数fc及び前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数fsが既知であるとき、予め、前記オフセット成分を示す2π(fc/fs)の演算により求められる値をメモリに格納する段階と、
前記メモリに格納されている前記オフセット成分を示す値を前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値から減算する段階とを有する請求項14に従うジッタ測定方法。
【請求項20】
前記オフセット成分を除去する段階は、
前記被測定信号の周波数fc及び前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数fsが未知であるとき、予め、前記オフセット成分として、前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値の平均値を求める段階と、
前記補正された差分値の平均値を求める段階によって求められる記オフセット成分としての前記補正された差分値の平均値を前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値から減算する段階とを有する請求項14に従うジッタ測定方法。
【請求項21】
前記オフセット成分を除去する段階は、検出対象のジッタ成分の下限周波数fjが指定されている場合において、前記瞬時位相の差分値を補正する段階によって出力される前記補正された差分値から前記オフセット成分を除去するためのカットオフ周波数として前記検出対象のジッタ成分の下限周波数fjと等しいかまたはほぼ等しい周波数を有するハイパスフィルタを用いる請求項14に従うジッタ測定方法。
【請求項22】
前記瞬時位相を算出する段階は、
前記被測定信号のディジタルの信号列をx(n)、前記被測定信号の周波数及び振幅ををそれぞれfc及びAc、前記被測定信号をサンプリングするサンプリング周波数をfs、前記被測定信号の初期位相及びジッタをそれぞれθc及びφ(n)、n=0,1,2,…とした場合に、前記直交2信号としてのI(n)、Q(n)がそれぞれ
I(n)=x(n)=Ac・cos[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)],
Q(n)=Ac・sin[2π(fc/fs)n+θc+φ(n)]
で表され、前記瞬時位相としてのΘ(n)が
Θ(n)=tan−1[Q(n)/I(n)]
=2π(fc/fs)n+θc+φ(n)
で表されるとき、前記tan−1[Q(n)/I(n)]の演算によって求められる前記瞬時位相としてのΘ(n)を、前記予め定められた下限位相値と予め定められた上限位相値との間の範囲として−πからπまたは−π/2からπ/2の範囲において算出する請求項14に従うジッタ測定方法。
【請求項23】
前記瞬時位相の差分値を検出する段階は、
前記瞬時位相を算出する段階によって算出される前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ (n)を
ΔΘ(n)=Θ(n)−Θ(n−1)
=2π(fc/fs)+φ(n)−φ(n−1)(ただし、Θ(−1)=0、ここで、2π(fc/fs)は定数でオフセット成分である)、
の演算によって算出する請求項22に従うジッタ測定方法。
【請求項24】
前記瞬時位相の差分値を補正する段階は、
前記瞬時位相を算出する段階によって算出される前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)の不連続点を補正して、連続性が確保されるように補正されている前記補正された差分値としてのΔθ(n)を算出するために、前記瞬時位相の差分値としてのΔΘ(n)に対して
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π≦ΔΘ(n)≦π),
Δθ(n)=ΔΘ(n)+2π (−π>ΔΘ(n)),
Δθ(n)=ΔΘ(n)−2π (ΔΘ(n)>π)
または
Δθ(n)=ΔΘ(n) (−π/2≦ΔΘ(n)≦π/2),
Δθ(n)=ΔΘ(n)+π (−π/2>ΔΘ(n)),
Δθ(n)=ΔΘ(n)−π (ΔΘ(n)>π/2)
の演算処理を行う請求項23に従うジッタ測定方法。
【請求項25】
前記オフセット成分を除去する段階は、前記差分値を補正する段階によって連続性が確保されるように補正されている前記補正された差分値としてのΔθ(n)から前記オフセット成分2π(fc/fs)を除去し、前記オフセット成分が除去された差分値としてのΔφ(n)として
Δφ(n)=φ(n)−φ(n−1)
を出力する請求項24に従うジッタ測定方法。
【請求項26】
前記オフセット成分が除去された差分値を積算する段階は、
前記オフセット成分を除去する段階によって出力される前記オフセット成分が除去された差分値としてのΔφ(n)に対して次の積算を行い、
U(n)=ΣΔφ(i)(ただし、記号Σは、i=0,1,2,…,nの総和を示す、ここで、U(n)を理論展開すると、
U(n)=[φ(0)−φ(−1)]+[φ(1)−φ(0)]+[φ(2)−φ(1)]+……+[φ(n)−φ(n−1)]
=φ(n)−φ(−1)
となり、ここで、φ(−1)=0とすれば、積算結果U(n)は被測定信号Cのジッタ成分φ(n)を表していることになる)、
この積算結果U(n)を前記被測定信号のジッタ成分φ(n)として出力する請求項25に従うジッタ測定方法。

【国際公開番号】WO2005/050230
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【発行日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515569(P2005−515569)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016136
【国際出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】