説明

ジハロアセト酢酸アルキルエステルを調製する方法

本発明は、式(III)で表されるα,α−ジハロアミンを塩基の存在下にて式(II)で表される酢酸エステルと反応させることによる式(I)で表されるジハロアセト酢酸アルキルエステルの調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(III)で表されるα,α−ジハロアミンを塩基の存在下にて式(II)で表されるカルボン酸エステルと反応させることによる式(I)で表されるジハロアセト酢酸アルキルの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジフルオロアセト酢酸アルキルは、農薬活性成分を調製するための、特にピラゾリルカルボキシアニリド類を調製するための、重要な合成単位である。
【0003】
「Tetrahedron 2001, 57, 2689-2700」には、ジフルオロアセト酢酸エチルを水素化ナトリウム(NaH)の存在下にて酢酸エチルと反応させることによって4,4−ジフルオロアセト酢酸エステルを得ることができることが開示されている。この反応の収率は、25%と極めて不充分である。さらに、「Tetrahedron 1996, 52, 119-130」では、4,4−ジフルオロアセト酢酸エステルがジフルオロ酢酸エチルをZnの存在下でブロモ酢酸エステルと反応させることによって調製することができることも述べられている。
【0004】
WO−A−2005/003077は、クロロジフルオロアセト酢酸エステルから出発して塩素原子をトリアルコキシホスフィン(P(OAlk))で還元することによる、ジフルオロアセト酢酸アルキルを3段階で調製する方法を教示している(これは、パーコー反応としても知られている)。
【0005】
WO−A−2006/005612は、2,2−ジフルオロ−N,N−ジアルキルアセトアミドを塩基の存在下で酢酸エステルと反応させることによる、4,4−ジフルオロ−3−オキソ酪酸エステルを調製する方法を教示している。次に、その4,4−ジフルオロ−3−オキソ酪酸アルキルを、「JACS, 73, 3684 (1951)」に記載されているように、オルトギ酸トリメチル及び無水酢酸と反応させることによって、(2−エトキシメチレン)−4,4−ジフルオロメチルアセト酢酸エチルが得られる。この(2−エトキシメチレン)−4,4−ジフルオロメチルアセト酢酸エチルは、US−A−5,489,624に従って、メチルヒドラジンを用いて3−ジフルオロメチル−1−メチル−4−ピラゾールカルボン酸エチルに変換することができる。第1に、上記反応経路は、多くの反応段階を含んでおり、第2に、使用する2,2−ジフルオロ−N,N−ジアルキルアセトアミドは市販されておらず、また、2,2−ジクロロ−N,N−ジアルキルアセトアミドをフッ素化することによって約70%という低い収率でしか得ることができない。
【0006】
従来技術において以前に記述された調製方法は、使用されるジフルオロカルボニルハロゲン化物、ハロアルキルカルボン酸無水物及びハロアクリル酸エステルが、高価であり、腐食の問題を引き起こし、及び/又は、高度な技術的困難性を伴わずに精製することができないという不利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2005/003077号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006/005612号パンフレット
【特許文献3】米国A−5,489,624号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Tetrahedron 2001, 57, 2689-2700
【非特許文献2】Tetrahedron 1996, 52, 119-130
【非特許文献3】JACS, 73, 3684 (1951)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、ジハロアセト酢酸アルキルを調製するためのより容易で且つより経済的に実用的な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、上記目的は、式(III)
【0011】
【化1】

[式中、
は、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択され;
は、Rとは独立して、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択される。]
で表されるα,α−ジハロアミンを、式(II)
【0012】
【化2】

[式中、
は、水素、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリール、塩素、臭素及びフッ素から選択される。]
で表されるカルボン酸エステルと反応させることによる、式(I)
【0013】
【化3】

[式中、
Xは、フッ素、塩素又はCFであり;
X’は、フッ素、塩素又は臭素であり;
は、H、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリール、塩素、臭素及びフッ素から選択され;及び、
は、Rとは独立して、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択される。]
で表されるジハロアセト酢酸アルキルを調製する方法によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、
Xは、フッ素、塩素又はCFから選択される;
X’は、フッ素又は塩素から選択される;
は、C1−4−アルキルラジカルから選択される;
は、Rとは独立して、C1−4−アルキルラジカルから選択される;
は、Rとは独立して、C1−4−アルキルから選択される;
は、C1−4−アルキルラジカルから選択される;
は、Rとは独立して、C1−4−アルキルラジカルから選択される。
【0015】
本発明の特に好ましい実施形態では、
Xは、フッ素又は塩素から選択される;
X’は、フッ素である;
は、水素又はフッ素から選択される;
は、水素である;
は、メチル又はエチルから選択される;
は、メチル又はエチルから選択される;
は、メチル又はエチルから選択される。
【0016】
本発明のさらなる実施形態には、従属クレーム及び明細書から理解することができる。
【0017】
本発明による調製方法は、下記スキーム(I)によって例示することができる。
【0018】
【化4】

【0019】
一般的な定義
本発明に関連して、用語「ハロゲン」(X)は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される元素を包含する。フッ素、塩素及び臭素を使用するのが好ましく、フッ素及び塩素を使用するのが特に好ましい。
【0020】
場合により置換されていてもよいラジカルは、一置換されていても又は多置換されていてもよく、多置換の場合、その置換基は同一であっても又は異なっていてもよい。
【0021】
本発明に関連して、アルキルラジカルは、特に別途定義されていない限り、直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素ラジカルであり、ここで、該炭化水素ラジカルは、1若しくは2以上の単一の不飽和若しくは二重の不飽和又はO、N、P及びSから選択される1個若しくは2個以上のヘテロ原子を場合により有していてもよい。さらに、本発明に係るアルキルラジカルは、−X基、−OR’基、−SR’基、−NR’基、−SiR’基、−COOR’基、−CN基及び−CONR’基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよく、ここで、R’は、水素又はC1−4−アルキル基であり得る。
【0022】
定義「C1−12−アルキル」には、アルキルラジカルについて本明細書中で定義されている最も広い範囲が包含される。特に、この定義には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、1,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどの意味が包含される。
【0023】
本発明に関連して、特に別途定義されていない限り、アリールラジカルは、環状芳香族炭化水素ラジカルであり、ここで、該環状芳香族炭化水素ラジカルは、O、N、P及びSから選択される1個又は2個以上のヘテロ原子を有していてもよく、また、−X基、−OR’基、−SR’基、−NR’基、−SiR’基、−COOR’基、−CN基及び−CONR’基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよい(ここで、R’は、水素又はC1−4−アルキル基であり得る。)。
【0024】
定義「C5−18−アリール」には、本明細書中で定義されている5〜18個の骨格炭素原子を有するアリールラジカルについて最も広い範囲が包含される。特に、この定義には、例えば、シクロペンテニル、フェニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクタテトラエニル、ナフチル及びアントラセニルなどの意味が包含される。
【0025】
本発明に関連して、特に別途定義されていない限り、アリールアルキルラジカルは、少なくとも1のC1−8−アルキル側鎖(ここで、該アルキル側鎖は、さらなる側鎖を有する4員、5員又は6員の環を場合により形成することができる。)を有する環状芳香族炭化水素ラジカルであり、ここで、該環状芳香族炭化水素ラジカルは、O、N、P及びSから選択される1個又は2個以上のヘテロ原子を有していてもよく、また、−X基、−OR’基、−SR’基、−NR’基、−SiR’基、−COOR’基、−CN基及び−CONR’基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよい(ここで、R’は、水素又はC1−4−アルキル基であり得る。)。
【0026】
定義「C7−19−アリールアルキル」ラジカルには、本明細書中で定義されている骨格及び側鎖の中に合計で7〜19個の炭素原子を有しているアリールアルキルラジカルについて最も広い範囲が包含される。特に、この定義には、例えば、トリル、o−キシリル、m−キシリル、p−キシリル及びエチルフェニルなどの意味が包含される。
【0027】
本発明の化合物は、可能な種々の異性体形態の混合物として、特に、立体異性体(例えば、E及びZ、トレオ及びエリトロ)の混合物として、及び、さらに、光学異性体の混合物としても場合により存在し得るが、適切な場合には、互変異性体の混合物としても場合により存在し得る。E異性体とZ異性体の両方、及び、さらに、トレオ異性体とエリトロ異性体の両方、及び、さらに、光学異性体、これら異性体の任意の混合物、及び、可能な互変異性体形態が、特許請求されている。
【0028】
カルボン酸エステル
【0029】
【化5】

【0030】
上記エステルにおいて、RラジカルとRラジカルは、それぞれ独立して、H、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択され、好ましくは、C2−8−アルキルラジカルから選択され、さらに好ましくは、C3−6−アルキルラジカルから選択される。
【0031】
適切なカルボン酸エステルの例は、酢酸メチル、酢酸エチル、フルオロ酢酸エチル、ブロモ酢酸エチル、プロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル、安息香酸エチルである。
【0032】
本発明によれば、酢酸エステルが好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。
【0033】
α,α−ジハロアミン
本発明に従って使用されるα,α−ジハロアミンは、一般式(III)
【0034】
【化6】

[式中、
は、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択され、好ましくは、C2−8−アルキルラジカルから選択され、さらに好ましくは、C3−6−アルキルラジカルから選択され;
は、Rとは独立して、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択され、好ましくは、C2−8−アルキルラジカルから選択され、さらに好ましくは、C3−6−アルキルラジカルから選択され;
Xは、CF、フッ素又は塩素であり(フッ素が好ましい);及び、
X’は、フッ素、塩素又は臭素である(フッ素が好ましい)。]
で表される化合物である。
【0035】
上記化合物は、Petrovら「Journal of Fluorine Chemistry 109 (2001) 25-31」及びDmowskiら「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II, A Critical Review, ACS, Washington DC (1995) 263」に従って、フッ素化/ハロゲン化アルケンを第2級アミンと反応させることによって得ることが可能であり、また、例えばDuPontから市販されている。
【0036】
本発明に従って使用するのが好ましいα−ハロアミンは、例えば、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−N,N−ジメチルアミン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−N,N−ジエチルアミン、1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)エチル−N,N−ジメチルアミン、1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)エチル−N,N−ジエチルアミン(Ishikawa試薬)、1,1,2−トリフルオロ−2−クロロエチル−N,N−ジメチルアミン及び1,1,2−トリフルオロ−2−クロロエチル−N,N−ジエチルアミン(Yarovenko試薬)からなる群から選択される。1,1,2,2−テトラフルオロエチル−N,N−ジメチルアミン及び1,1,2,2−テトラフルオロエチル−N,N−ジエチルアミンが好ましく、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−N,N−ジメチルアミンが特に好ましい。
【0037】
クロロアミン類又はその塩は(ビルスマイヤー錯体と同様に)、例えば、N,N−ジメチルジフルオロアセトアミドと、例えば、塩化オキサリル、ホスゲン又はPOClから、調製することができる。
【0038】
【化7】

【0039】
塩基
式(III)で表されるα,α−ジハロアミンは、式(II)で表されるカルボン酸エステルと、典型的には塩基の存在下で反応させる。ここで、該塩基は、該カルボン酸エステルをそのカルボニル基に対するα位において脱プロトン化する。
【0040】
本発明によれば、適切な塩基は、該カルボン酸エステルを脱プロトン化するのに充分な塩基性度を有する全ての塩基である。その例としては、以下のものを挙げることができる:アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、アルカリ金属アルコキシド、例えば、NaOMe、NaOEt、NaOt−Bu、KOt−Bu、水素化物、例えば、NaH、KH、アルキルリチウム試薬、例えば、n−BuLi又はt−BuLi、LiN(iPr)、グリニャール試薬、例えば、CHMgCl;ホスファゼン類及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)。
【0041】
該α,α−ジハロアミンは、該カルボン酸エステルと、典型的には、−50〜60℃の温度で、好ましくは、−20〜40℃の温度で、さらに好ましくは、−10〜30℃の温度で反応させる。
【0042】
該反応は、減圧下、標準圧力下又は高圧下で達成することが可能であり、好ましくは、標準圧力下で達成することが可能である。
【0043】
該反応は、バルクで又は溶媒中で実施することができる。該反応は、溶媒中で実施するのが好ましい。適切な溶媒は、例えば、以下のものからなる群から選択される:脂肪族炭化水素類及び芳香族炭化水素類、例えば、n−ヘキサン、ベンゼン又はトルエン(ここで、該脂肪族炭化水素類及び芳香族炭化水素類は、フッ素原子及び塩素原子で置換されていてもよい、例えば、塩化メチレン、ジクロロエタン、フルオロベンゼン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼン);エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、ジオキサン、ジグリム、ジメチルグリコール、ジメトキシエタン(DME)又はTHF;ニトリル類、例えば、メチルニトリル、ブチルニトリル又はフェニルニトリル;アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)又はN−メチルピロリドン(NMP);又は、そのような溶媒の混合物。THF、DME、ジエチルエーテルが特に好ましい。該反応は、過剰のカルボン酸エステル中で(例えば、酢酸エチル中で)達成することが可能である。
【0044】
該塩基と該カルボン酸エステルは、好ましくは、等モル量で使用する。あるいは、該塩基を過剰に使用することも可能である。「塩基:カルボン酸エステル」の比率は、本発明に従えば、1.5:1から0.9:1の間、好ましくは、1.4:1から、さらに好ましくは1.3:1から1.05:1の間である。
【0045】
本発明の調製方法の好ましい実施形態では、バルク状のカルボン酸エステル又は適切な溶媒に溶解させたをカルボン酸エステルを最初に入れて徐々に塩基と混合させ、次いで、α,α−ジハロアミンと反応させる。
【0046】
該α,α−ジハロアミンは加水分解に対する感受性を有しているので、上記反応は、不活性ガス雰囲気下に、無水装置内で実施すべきである。
【0047】
下記実施例を参照して本発明について詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0048】
調製実施例
実施例1: ジフルオロアセト酢酸エチルの調製
最初に入れた48gの酢酸エチルに室温でエタノール中の32.4gのナトリウムエトキシドの10%溶液を混合させた。その混合物を室温で1時間撹拌した後、36gの1,1,2,2−テトラフルオロエチルジメチルアミンと混合させた。次いで、その溶液を30℃で2時間撹拌し、HOと混合させ、pH5に調節した。酢酸エチルで抽出し、次いで、蒸留した後、27g(65%)のジフルオロアセト酢酸エチル(沸点90〜94℃/100mbar)が得られた。
【0049】
実施例2:
ナトリウムエトキシドの代わりに水素化ナトリウムを使用した以外は、実施例1と同様に行った。達成された収率は、79%である。
【0050】
実施例3:
1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチルジメチルアミン(N,N−ジメチルジフルオロアセトアミドと塩化オキサリルから80℃で調製したもの)を使用した以外は、実施例1と同様に行った。達成された収率は、63%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化8】

[式中、
Xは、フッ素、塩素又はCFであり;
X’は、フッ素、塩素又は臭素であり;
は、H、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリール、Cl、臭素及びフッ素から選択され;及び、
は、Rとは独立して、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択される。]
で表されるジハロアセト酢酸アルキルを調製する方法であって、式(III)
【化9】

[式中、
は、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択され;
は、Rとは独立して、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリールラジカル又はC7−19−アリールアルキルラジカルから選択される。]
で表されるα,α−ジハロアミンを、式(II)
【化10】

[式中、
は、水素、C1−12−アルキルラジカル、C5−18−アリール、Cl、臭素及びフッ素から選択される。]
で表されるカルボン酸エステルと反応させることによる、前記方法。
【請求項2】
Xが、フッ素、塩素又はCFから選択され;
X’が、フッ素又はClから選択され;
が、C1−4−アルキルラジカルから選択され;
が、Rとは独立して、C1−4−アルキルラジカルから選択され;
が、Rとは独立して、C1−4−アルキルから選択され;
が、C1−4−アルキルラジカルから選択され;
が、Rとは独立して、C1−4−アルキルラジカルから選択される;
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Xが、フッ素又は塩素から選択され;
X’が、フッ素であり;
が、水素又はフッ素から選択され;
が、水素であり;
が、メチル又はエチルから選択され;
が、メチル又はエチルから選択され;
が、メチル又はエチルから選択される;
ことを特徴とする、請求項1及び2の1項に記載の方法。
【請求項4】
前記反応が塩基の存在下で達成されることを特徴とする、請求項1から3の1項に記載の方法。
【請求項5】
前記α,α−ジハロアミンが、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−N,N−ジメチルアミン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−N,N−ジエチルアミン、1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)エチル−N,N−ジメチルアミン、1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)エチル−N,N−ジエチルアミン(Ishikawa試薬)、1,1,2−トリフルオロ−2−クロロエチル−N,N−ジメチルアミン及び1,1,2−トリフルオロ−2−クロロエチル−N,N−ジエチルアミン(Yarovenko試薬)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から4の1項に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、水素化物、アルキルリチウム試薬及びグリニャール試薬又はこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から5の1項に記載の方法。
【請求項7】
前記カルボン酸エステルが、酢酸メチル、酢酸エチル、フルオロ酢酸エチル、ブロモ酢酸エチル、プロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル及び安息香酸エチルから選択されることを特徴とする、請求項1から6の1項に記載の方法。

【公表番号】特表2010−517950(P2010−517950A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547573(P2009−547573)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000438
【国際公開番号】WO2008/092583
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】