説明

ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又はそれに関連する臭気を除去するシステム

本発明の好ましい実施形態は、ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又はこれらに関連する臭気を除去するためのシステムに関する。当該システムとしては、吸着体と、臭気吸着織物、マスク、空気清浄部材及び清浄空気供給アセンブリが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的に、DMSO及び関連化合物の投与を容易にする物質に関する。実施形態によっては、これらの物質は、DMSO及び関連化合物の代謝又は分解によって生じる臭気及び化合物を除去する吸着体を含む。他の実施形態では、これらの物質は、臭気又は化合物を吸収する空気清浄部材及び空気清浄織物を含む。さらなる実施形態では、これらの物質は、臭気及び化合物を除去する清浄空気供給アセンブリを含む。さらに他の実施形態では、これらの物質は、DMSO及び関連化合物の有無を明らかにするインジケータを含む。
【0002】
[関連出願]
本願は、米国仮出願第60/716,271号、同第60/716,336号、同第60/716,278号、及び同第60/716,369号(これらは全て2005年9月12日に出願されており、参照により本明細書中に援用される)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
DMSO及び関連化合物による患者の処置によって生じる臭気及び化学物質は、医療スタッフの効率及び受容性を低減させるほど極めて耐え難いおそれがある。このような臭気は、腐卵臭の匂いになぞらえることがある。現在よりもかなり大量のDMSOを使用することによる重病患者の処置を必要とする新たな手法が浮上している。その結果生じる非常に耐え難い臭気が、患者の身体の任意の部分から発散されるおそれがある。これらの臭気の捕捉は、新たな医療手法の成功にとって非常に重要なものであり得る。.
現在のところ、これらの有害な臭気を除去するのに実施される公知の有効な方法が存在しないと本出願人は確信している。他の用途のための活性炭を含有するこれまでの臭気を回収する使い捨て用品は、特異的な身体部位及び流体に対するものであったが、DMSOの代謝産物を除去するようなものではない。また、小型で、容易に位置付けられる空気洗浄機器の必要性は十分に検討されてこなかった。現在、DMSOの静脈内投与は、有害な臭気に関連する副作用によって制限されている。DMSOが、重病患者又は重傷患者の処置に選択される極めて日常的な薬剤となれば、これらの処置方法の成功は、医療スタッフ及び訪問者を保護する非常に効果的な空気清浄機器の有用性にかなり左右される可能性がある。また、現在のところ、これらの臭気化合物の検出のための本出願人にとって既知の唯一の方法は、頼りにならないヒトの嗅覚である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DMSO代謝産物及び関連化合物並びに/又はそれらの有害な臭気を除去する、これらの化学物質の除去のための組成物、機器及び方法、並びに、これらの化合物の存在を求めるインジケータに対する要求が存在する。
【0005】
本明細書中で使用される場合、語句「DMSO関連化合物」「関連化合物(associated compounds)」又は「関連化合物(related compounds)」は、それらの普通の意味が与えられるものとし、DMSOの分解化合物、誘導体、前駆体及び代謝産物、例えば、メチルスルホニルメタン(MSM又はDMSO)及びジメチルスルフィド又はメチルチオメタン(DMS)を含むものとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、DMSO並びに他の化合物及び化学物質による患者の処置によって生じる臭気及び化学物質の除去のための物質及び方法に関する。また、変性ポリアミン、これらの変性ポリアミンを含む臭気捕捉織物、これらの織物から製造される物品、並びに当該織物の製造方法及び使用を提供する。
【0007】
1つの実施形態において、本発明は、DMSO関連化合物用のインジケータ、その製造方法、及び指示物質を備える装置を含む。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、DMSOの送達部位又は代謝部位における空気を清浄にする機器を含む。例えば、DMSO代謝産物及び/又はDMSO臭気を除去する空気清浄機器は、患者がDMSOを与えられている病室において、又は患者がDMSO療法を受けた後で回復中の病室において適し得る。1つの実施形態において、空気清浄機器は、携帯可能な折畳み式の調整可能に方向付けられる清浄空気送達供給アセンブリと、DMSO処置される医療患者環境で使用される筐体とを含み、DMSO及びDMSO関連化合物(限定するものではないが、硫化水素及び潜在的にメチルメルカプタンが挙げられる)の代謝によって生じる悪臭、DMS及び/又は化合物を含まない局所的な洗浄空気を提供する。
【0009】
1つの実施形態において、DMSO及び関連化合物の存在を検出することができることが望まれ得る。したがって、1つの実施形態では、本発明は、DMS等のDMSO代謝産物の有無を検出する視覚的な有色インジケータを含む。
【0010】
1つの実施形態において、本発明は、DMSO若しくは関連化合物、又は当該化合物に関連する臭気を吸着するコア粒子を含む。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、DMSO若しくは関連化合物、又は当該化合物に関連する臭気を吸着する吸着体を含む。吸着体は、内層と、中間層と、外層とを含む。内層は、DMSO若しくは関連化合物、又は当該化合物に関連する臭気を吸着する吸着コア粒子を含む。中間層は、任意であるが、内層及び外層と接触する。外層は多孔質コーティングを含む。実施形態によっては、吸着体は、望ましくない病原体及びDMSOに無関係な臭気を低減させることができる。
【0012】
さらなる実施形態では、吸着体は、DMSO又は関連化合物の存在を指示する少なくとも1つのインジケータを含む。インジケータは、1つの実施形態において過マンガン酸塩を含む。1つの実施形態において、インジケータは有色であり、DMSO又は関連化合物が除去されるにつれて、色すなわち強度を低減させるようになっている。このため、1つの実施形態では、色強度は、望ましない化合物又は臭気の濃度と関連付けられ得る。他の実施形態では、様々な色が、望ましくない臭気又は化合物の様々なレベルを指示する。
【0013】
1つの実施形態において、吸着コア粒子は、活性炭、無機酸化物、イオン交換能を有する化合物、イオン交換樹脂、及び化学脱臭剤の1つ又は複数から成る群から選択される。
【0014】
1つの実施形態において、中間層は、コア粒子と多孔質コーティングとの間に設けられる、金属化合物と水溶性有機材料とを含む。
【0015】
1つの実施形態において、外層は多孔質コーティングのみから成る。言い換えると、多孔質コーティングが、中間層又はコア粒子に直接塗布される。他の実施形態では、外層が、多孔質コーティングでさらにコーティングされる材料の層を含む。
【0016】
別の実施形態では、外層が、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂及びそれらのコポリマー又は誘導体の1つ又は複数から成る群から選択されるポリマーを含む。ポリマーはまた、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリジフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、及びそれらのコポリマー又は誘導体の1つ又は複数から成る群から選択され得る。
【0017】
1つの実施形態において、多孔質コーティングは、約0.01μm〜約1000μmの厚み、約0.01μm〜約500μmの平均孔径、及び/又は約3%〜約90%の多孔度を有する。
【0018】
さらなる実施形態では、本発明は、前記代謝産物と、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに記載の吸着体とを接触させることを含む、DMSO代謝産物を除去する方法を含む。DMSO代謝産物は、DMSO処置を受けた個体によって生成され得る。代替的に、DMSO代謝産物は、DMSOを環境(例えば、空気又は流体)に曝すことによって生じる分解生成物であってもよい。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、前記臭気を本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに記載の吸着体に曝すことを含む、DMSO又は関連化合物に関連する臭気を除去する方法を含む。
【0020】
さらに別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに記載の吸着体を含む、DMSO若しくは関連化合物、又は当該DMSO若しくは当該関連化合物に関連する臭気を除去する空気清浄部材を含む。
【0021】
別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに記載の吸着体を含む、DMSO若しくは関連化合物、又は当該DMSO若しくは当該関連化合物に関連する臭気を除去する清浄空気供給アセンブリを含む。
【0022】
1つの実施形態において、本発明は、医療用人工呼吸器の排気口から、DMSO若しくは関連化合物、又は当該DMSO若しくは当該関連化合物に関連する臭気を除去する装置を含み、当該装置は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに記載の吸着体を含む掃気機器を含む。掃気機器は任意に、前記排気口に接続される。
【0023】
別の実施形態では、本発明は、前記請求項のいずれかに記載の吸着体を含む、DMSO若しくは関連化合物、又は当該DMSO若しくは当該関連化合物に関連する臭気の曝露を低減させるフェースマスクを含む。
【0024】
別の実施形態では、フェースマスクは、DMSOに無関係な望ましくない臭気をフィルターにより除去する。フェースマスクはまた、ウイルス及び細菌を含む空気中の病原菌を濾過し得る。DMSO及び関連化合物の濾過に加えて、又は当該濾過の代わりに、これらの他の化合物の濾過であってもよい。フェースマスクは、カモノハシ型マスクであってもよく、発散バルブを含んでいてもよい。
【0025】
1つの実施形態において、本発明は、合成繊維を含む外側シールド層と、繊維と銅粉末とを含む銅層と、繊維と活性炭とを含む炭素層と、繊維と1つ又は複数の臭気吸収化学物質とを含む化学物質層と、合成繊維を含む表層とを含むフェースマスクを含む。フェースマスクは、本明細書に記載のものより少ない層を含んでいてもよく、又は付加的な層を含んでいてもよい。多層フェースマスクは、病原菌及び/又はDMSO化合物から使用者を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のいくつかの実施形態は包括的に、DMSO及び関連化合物の投与を容易にする物質に関する。実施形態によっては、これらの物質は、DMSO及び関連化合物の代謝又は分解によって生じる臭気及び化合物の除去のための吸着体を含む。他の実施形態では、これらの物質は、臭気又は化合物を吸収する空気清浄部材及び空気清浄織物を含む。さらなる実施形態では、これらの物質は、臭気及び化合物を除去する清浄空気供給アセンブリを含む。さらに他の実施形態では、これらの物質は、これらの化合物の存在を明らかにするインジケータを含む。
吸着体
1つの実施形態において、本発明は、DMSO及び他の化合物の代謝産物、並びに/又は関連の臭気を部分的又は完全に除去するようになっている吸着体を含む。
【0027】
1つの実施形態において、吸着体材料は、3つの層、すなわち、内層と、中間層と、外層とを含む。別の実施形態では、吸着体材料は、前記の層の1つ、2つ又は3つを含んでいてもよい。他の実施形態では、付加的な層が提供される。複数の層は、固定されるか、又は互いに又は他の材料と別の様式で(例えば、接着剤、封止剤、ステッチ等を用いて)結合され得る。
【0028】
1つの実施形態において、内層は、少なくとも1つの吸着材を含有するコア粒子を含む。
【0029】
1つの実施形態において、中間層は、コア粒子をコーティングするポリマー材料を含む少なくとも1つの多孔質コーティング層を含む。中間層は、コア粒子と多孔質コーティング層との間に設けられる、金属化合物と水溶性有機材料とを含んでいてもよい。水溶性有機材料は、糖、セルロース誘導体、アルギン酸、メタクリル酸、アクリル酸、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、オキシオレフィン、及びDMSO(ジメチルスルホン)等の有機イオウ酸化物のポリマーの1つ又は複数から成る群から選択される。
【0030】
1つの実施形態において、外層は、多孔質コーティング層等のコーティングを含む。1つの実施形態において、コーティング層は、ポリマー材料を含有する懸濁液又は溶液を、吸着材上に噴霧及び塗布することによって、又は吸着材を懸濁液若しくは溶液中に浸漬させることによって形成され得る。
【0031】
1つの実施形態において、DMSを優先的に吸収する、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに記載の吸着体が提供される。別の実施形態では、吸着体はMSMを優先的に吸着する。他の実施形態では、吸着体は、臭気を発生させるDMSOに関連する化合物を全て吸着する。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態に記載の層を以下に説明する。
吸着体の内層
1つの実施形態において、DMSO及び関連化合物、並びに/又はこれらに関連する臭気を吸着する材料は、内層を含む。図1は、本発明の1つの実施形態に記載の吸着体材料を示す。1つの実施形態において、内層1はコア粒子を含む。コア粒子は、吸着体材料全体を表わしてもよく又は表わさなくてもよく、また活性炭、無機酸化物、イオン交換能を有する化合物、それらの変性化合物、イオン交換樹脂、化学脱臭剤、シリカゲル、アルミナゲル、ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、無機酸化物(例えば、酸化銅、酸化鉄)、キトサン、デキストラン硫酸、ポリアリルアミン、スルホン化ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はそれらの誘導体の1つ又は複数を含んでいてもよい。これらの化合物の2つ以上の組合せが、実施形態によっては用いられる。
【0033】
1つの実施形態において、イオン交換能を有する化合物は、キトサン、デキストラン硫酸、ポリアリルアミン、スルホン化ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの誘導体の1つ又は複数から成る群から選択される。
【0034】
吸着のメカニズムとしては、化学的な酸化若しくは還元、及び/又は機械的な取込みが挙げられる。このため、1つの実施形態では、内層は、コア粒子を含む吸着体であり、これは、臭気及び化合物を物理的に捕捉するか、取り囲むか、又は単離することによって、臭気又は化合物を吸着する。別の実施形態では、内層は、コア粒子を含む吸着体であり、これは、臭気及び化合物を化学的に酸化するか、又は還元することによって、臭気又は化合物を吸着する。さらに別の実施形態では、望ましくない臭気及び化合物を低減又は排除する。これは、コア粒子が、前記臭気及び化合物と化学的に反応して、臭気及び化合物を化学変化させないようにするか(inert)又は不活性にするためである。
【0035】
1つの実施形態において、コア粒子は、約0.01mm〜約100mmの平均粒径を有する。1つの実施形態において、内層は、約0.1μm〜1000μmの厚みを有する。インジケータとしてのコア粒子の使用に関する或る特定の実施形態では、粒径が大きくなれば、吸収性に優れるが、感度が低くなり、また粒径が小さくなれば、十分な視覚指示が与えられないことがある。
【0036】
1つの実施形態において、コア粒子は、打錠プロセスによって形成される。
【0037】
1つの実施形態において、内層は、コーティングされるコア粒子を含む。このコーティングは、外層と同じであっても又は異なっていてもよい。1つの実施形態において、コア粒子は、0.001μm〜50μmの平均孔径を有する多孔質コーティング層を有する。
【0038】
別の実施形態では、コア粒子は、一次元構造又は二次元構造を有する部材に固定されるか、又は別の様式で結合される。1つの実施形態において、コア粒子は、二次元構造を有する部材の表面1cm当たり約0.1〜約100000個の粒子の密度で、当該二次元構造を有する部材上に固定される。
【0039】
1つの実施形態では、前記多孔質コーティング層が上方に形成される粒子が、前記二次元構造を有する部材の片側表面上に固定され、接着剤が、前記二次元構造を有する部材の別の表面上に塗布される。
【0040】
1つの実施形態では、前記多孔質コーティング層が上方に形成される粒子が、三次元構造を有する部材上に固定される。好ましい実施形態では、コア粒子は、前記三次元構造を有する部材の体積1cm当たり約1〜約1000000個の粒子の密度で、三次元構造上に固定される。
【0041】
1つの実施形態では、前記多孔質コーティング層が上方に形成されるコア粒子が、単一粒子〜約1000個の粒子の厚みを有する層状の部材上に固定される。視覚インジケータとしての使用に関する或る特定の実施形態では、密度が大きくなれば、吸着性に優れるが、感度が低くなり、また密度が小さくなれば、いくつかの点で十分な視覚指示が与えられないことがある。
【0042】
1つの実施形態では、前記多孔質コーティング層が上方に形成されるコア粒子が、接着剤によって部材に固定される。接着剤としては、有機溶剤型接着剤、水型接着剤、ホットメルト型接着剤、又はこれらの組合せが含まれ得る。部材は、通気性シートで被覆される部分を含んでいてもよい。部材は通気性シートで全体的に包装されてもよい。部材は、通気性容器に入れられてもよい。通気性容器としては、不織布、織布、メッシュ、網、又はそれらの組合せが含まれ得る。
【0043】
1つの実施形態では、前記多孔質コーティング層が上方に形成されるコア粒子が、通気性シートで包装される。1つの実施形態では、前記多孔質コーティング層が上方に形成されるコア粒子が、約1〜約100000000個の数で通気性シートに含有され得る。或る特定の実施形態では、密度が大きくなれば、吸着性に優れるが、感度が低くなり、また密度が小さくなれば、十分な視覚指示が与えられないことがある。
【0044】
インジケータとしてのコア粒子の使用に関する或る特定の実施形態では、粒径が大きくなれば、吸着性に優れるが、感度が低くなり、また粒径が小さくなれば、いくつかの点で十分な視覚指示が与えられないことがある。
吸着体の中間層
1つの実施形態において、DMSO及び関連化合物、並びに/又はこれらに関連する臭気を吸着する材料は、中間層を含む。図1の参照番号2は、本発明の1つの実施形態に記載の中間層を示す。吸着体の中間層は、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタケイ酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、バナジン酸塩、クロム酸塩、セレン酸塩、及びマンガン酸塩、又は金属自体を含み得る。また、金属としては、チタン、ジルコニウム、シリコン、亜鉛、鉄、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、銅、銀、バリウム、カルシウム、スカンジウム、ビスマス、モリブデン、ニオビウム、ネオジム、アンチモン、セレン、スズ、ストロンチウム、テルビウム、テルル、トリウム及びイットリウムが挙げられ得る。
【0045】
別の実施形態では、金属化合物は、約0.001μm〜約50μmの平均粒径を有する特定の形状を有する。他の形状及びサイズを用いてもよい。
【0046】
1つの実施形態において、中間層は、約1μm〜約10000μmの厚みを有する。1つの実施形態において、数が大きくなれば、吸着性はより大きくなるが、コーティング用途の効率が低くなるのに対し、数が小さくなれば、コーティング用途の効率は高くなるが、体積吸着性が小さくなる。或る特定の実施形態では、コーティングが薄すぎると、色の不足により指示が不十分となり、またコーティングが厚すぎると、吸着が過剰になり感度が低くなることがある。
吸着体の外層
1つの実施形態において、DMSO及び関連化合物、並びに/又はこれらに関連する臭気を吸着する材料は、外層を含む。図1の参照番号3は、本発明の1つの実施形態に記載の外層(例えば、多孔質材料)を示す。外層は、多孔質コーティング層を含み得る。外層は、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂及びそれらのコポリマー、並びにそれらの誘導体、又はポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリジフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、及びそれらのコポリマー又は誘導体の1つ又は複数を含み得る。これらの材料の2つ以上の組合せが、実施形態によっては用いられる。
【0047】
1つの実施形態において、多孔質コーティング層は、約0.01μm〜約1000μmの厚みを有する。1つの実施形態において、数が大きくなれば、吸着性はより大きくなるが、コーティング用途の効率が低くなるのに対し、数が小さくなれば、コーティング用途の効率は高くなるが、体積吸着性が小さくなる。
【0048】
1つの実施形態において、多孔質コーティング層は、約0.01μm〜約500μmの平均孔径を有し、且つ/又は約3%〜約90%の多孔度を有する。1つの実施形態において、多孔質コーティング層は有色である。
【0049】
1つの実施形態において、吸収体、すなわち指示吸収体を製造する方法が提供される。好ましい実施形態では、当該方法は、前記ポリマー材料を含有する液体を前記コア粒子の表面上に塗布することによって、コーティング層を形成することを含む。コーティング層は、前記液体を前記コア粒子上に噴霧すること、及び/又は当該コア粒子を当該液体中に浸漬させることによって形成され得る。1つの実施形態において、液体としては、前記ポリマー材料の懸濁液及び/又は当該ポリマー材料の溶液が含まれる。
【0050】
1つの実施形態において、前記コーティング層を形成する工程中、又は当該コーティング層を形成する工程後に、加熱工程及び減圧工程の少なくとも1つを実行して、前記多孔質コーティング層をドローする(draw)。
【0051】
1つの実施形態において、前記コーティング層を形成する工程中、又は当該コーティング層を形成する工程後に、加熱工程を実行して、前記コーティング層を部分的に収縮し且つ部分的に膨張させる。
【0052】
1つの実施形態において、前記コーティング層を形成する工程におけるコア粒子は、含水状態であるか、含油状態であるか、又は凍結状態である。
【0053】
1つの実施形態において、液体は孔形成剤を含む。孔形成剤は、水溶性ポリマー又は水溶性オリゴマーを含み得る。水溶性ポリマー又は水溶性オリゴマーは、セルロース、ポリ(オキシオレフィン)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルのけん化化合物、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びそれらの誘導体の1つ又は複数から成る群から選択され得る。別の実施形態では、水溶性ポリマー又は水溶性オリゴマーは、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びそれらの誘導体の1つ又は複数から成る群から選択される。
【0054】
1つの実施形態において、孔形成剤は、油溶性ポリマー又は油溶性オリゴマーを含む。油溶性ポリマーとしては、液体パラフィンが含まれ得る。
【0055】
1つの実施形態において、孔形成剤は、前記コーティング層を形成する工程中又はその後に除去される。別の実施形態では、孔形成剤は、抽出、蒸留、昇華又は燃焼の1つ又は複数のプロセスによって除去される。
【0056】
代替的な実施形態において、本発明は、本発明の1つの実施形態の吸着体を含有する充填床を含む。実施形態によっては、充填床は、吸着体材料のホルダとして機能する。吸着体の充填床は、吸着体材料の保持のためのカートリッジに組み込まれる。カートリッジは、長方形、円柱状又は別の形状の容器の形態であってもよい。カートリッジは、空気を前記の長方形、円柱状又は別の形状の容器に導入させる機器と併せて設けられ得る。ここで、容器内に空気が導入されると、吸着体は部分的又は完全に接触する。当業者は、他の形状も、本発明の代替的な実施形態に従って使用することができることを理解するであろう。
空気清浄部材
本発明の1つの実施形態において、空気を清浄する機器及び方法は、空気を室内環境空気清浄部材(例えば、カートリッジ又はフィルタ)と接触させることを含む。1つの実施形態において、空気清浄部材は、前記の吸着体材料を含む。1つの実施形態において、空気清浄部材は、DMSO及び/若しくはDMSO関連化合物、並びに/又はこれらに関連する臭気を吸着する。実施形態によっては、空気清浄部材はまた、空気から、DMSOに無関係の1つ又は複数の望ましくない化合物(例えば、有毒煙霧又は有毒ガス)を除去する。
【0057】
1つの実施形態において、空気清浄部材(例えば、カートリッジ又はフィルタ)は、前記のように、内層と、中間層と、外層とを含む。
【0058】
空気清浄部材は、長方形、円柱状又は別の形状の容器に入れられていてもよく、前記室内環境空気清浄部材は、空気が容器内に導入されると自由に対流する。容器は傾斜していてもよい。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つに記載の空気清浄部材が、環境臭気又はイオウ化学物質制御部材である。
【0060】
1つの実施形態において、空気清浄部材(例えば、カートリッジ又はフィルタ)は、酸又は酸塩である少なくとも1つの臭気又はイオウ化学物質制御材料を含むコア粒子と、コア粒子をコーティングするポリマー材料を含む多孔質コーティング層とを含む。1つの実施形態において、酸は、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、クロム酸、重クロム酸、マンガン酸、過マンガン酸、チオシアン酸、シアン酸、炭酸、塩酸、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、ヨウ化水素酸、過ヨウ素酸、ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、及びリン酸の1つ又は複数から成る群から選択される。
【0061】
1つの実施形態において、空気清浄部材は、硫酸ナトリウム、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸水素のアルカリ金属塩、リン酸のアンモニウム塩、及びリン酸水素のアンモニウム塩の1つ又は複数から成る群から選択される臭気又はイオウ化学物質制御材料を含む。
【0062】
1つの実施形態において、空気清浄部材は、親水性ポリマー化合物を含むコア粒子を含む。親水性ポリマー化合物は、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルのけん化化合物、セルロースエステル、オキシオレフィン、及び糖の1つ又は複数から成る群から選択され得る。
【0063】
1つの実施形態において、空気清浄部材は、約0.01mm〜約100mmの平均粒度を有するコア粒子を含む。
【0064】
1つの実施形態において、酸塩である少なくとも1つの臭気又はイオウ化学物質制御材料を含むコア粒子と、当該コア粒子をコーティングするポリマー材料を含む多孔質コーティング層とを含む空気清浄部材が提供される。酸塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニウム塩の1つ又は複数から成る群から選択され得る。
【0065】
1つの実施形態において、コア粒子は、親水性ポリマー化合物をさらに含む。親水性ポリマー化合物は、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルのけん化化合物、セルロースエステル、オキシオレフィン、及び糖の1つ又は複数から成る群から選択され得る。
【0066】
1つの実施形態において、空気清浄部材は、約0.1μm〜約1000μmの厚み及び/又は約0.001μm〜約50μmの平均ポアサイズを有する多孔質コーティング層を含む。空気清浄部材の多孔質コーティング層は、銀蒸着層を含み得る。
【0067】
1つの実施形態において、空気清浄部材は、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、それらのコポリマー、及びそれらの誘導体の1つ又は複数から成る群から選択される材料を含む多孔質コーティング層を含む。多孔質コーティング層は有色であってもよい。
【0068】
さらなる実施形態では、DMSOで処置された患者からの呼気の除去のための吸着体が提供される。さらに別の実施形態では、人工呼吸器又は隔離室用換気装置(ventilator)からのDMSO代謝産物の除去のための吸着体が提供される。吸着体は、空気清浄部材の一部であってもよい。
【0069】
1つの実施形態において、空気清浄部材は酸化剤を含む。酸化剤は、アスコルビン酸と鉄含有化合物との混合物、過マンガン酸塩、二酸化マンガン、クロム酸塩、二クロム酸塩、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、酸化銀、及び塩化パラジウムの1つ又は複数から成る群から選択される。1つの実施形態において、鉄含有化合物は、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、酸化鉄、過塩素酸鉄、チオシアン酸鉄、硫酸鉄、硫化鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、モール塩、一リン化二鉄、及び一リン化三鉄の1つ又は複数から成る群から選択される。
織物
本発明のいくつかの実施形態では、DMSO及び関連化合物の臭気を低減又は排除する織物が提供される。1つの実施形態において、織物としては、DMSOの代謝産物等を部分的又は完全に捕捉することができる、衣料、寝具、及び他の保護すべき物品の製造に適する臭気吸着織布又は不織布が含まれる。吸着としては、化学的な酸化若しくは還元、亀裂内の物理的な取込み、又は他の手段が挙げられ得る。吸着体織物は、吸着体繊維、又は吸着体でコーティングされた繊維を含んでいてもよく、又は層間に吸着体材料を有して層状にされてもよい。最終的に、織物は、これらの様式の臭気捕捉の任意のもの又は全てを同時に取り入れることができる。
【0070】
1つの実施形態において、織物は三次元ウェブを含む。1つの実施形態において、三次元ウェブの基本的な繊維支持構造体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン、ポリアクリラン、レーヨン、絹、レーミー(ramey)、セルロース系材料及び任意の他の好適な繊維状材料又は繊維状にし得る材料の繊維の織物ウェブ又は不織ウェブを含む。中間層は、ニット又はランダムに形成された銅繊維、アルミニウム繊維、鉄繊維、ガラス繊維、炭素繊維若しくは他の無機繊維を含んでいてもよい。各層は、編成され織り上げられた移動ウェブ、分散液又は他のデバイスによって形成され得る。層は、それぞれを形成した後に組み合わされてもよく、又は層状になるように、1つ又は複数の層を形成してもよい。層は、架橋、ホットメルトステッチ、縫製、のり付け、又は当該技術分野で既知の他の方法によって接着され得る。
【0071】
1つの実施形態において、織物の臭気吸着繊維は、ポリアミンと無機酸化物とを含むハイブリッド無機/有機材料を含む変性ポリアミンを含んでいてもよい。ポリアミンとしては、アミン含有ポリサッカライド、アミン含有ポリペプチド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ジアリルアミン)、ポリ(アリルアミン)、ジアリルアミンとアリルアミンとのコポリマー、ジアリルアミン又はアリルアミンを含有するコポリマー、ジアリルアミンとアリルアミンとを含有するコポリマー、並びにポリアミンモノマー及び2つ以上のアミン反応性基を有するモノマーから形成される縮合ポリマー、ポリ(リシン)、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ジアリルアミンを含有するポリマー、及びアリルアミンを含有するポリマー、アミン含有ポリサッカライド、アミン含有ポリペプチド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ジアリルアミン)、ポリ(アリルアミン)、ジアリルアミンとアリルアミンとのコポリマー、ジアリルアミン又はアリルアミンを含有するコポリマー、ジアリルアミンとアリルアミンとを含有するコポリマー、並びにポリアミンモノマー及び2つ以上のアミン反応性基を有するモノマーから形成される縮合ポリマー、ポリ(リシン)、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ジアリルアミンを含有するポリマー、及びアリルアミンを含有するポリマー、アミン含有ポリサッカライド、アミン含有ポリペプチド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ジアリルアミン)、ポリ(アリルアミン)、ジアリルアミンとアリルアミンとのコポリマー、ジアリルアミン又はアリルアミンを含有するコポリマー、ジアリルアミンとアリルアミンとを含有するコポリマー、並びにポリアミンモノマー及び2つ以上のアミン反応性基を有するモノマーから形成される縮合ポリマー、ポリ(リシン)、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ジアリルアミンを含有するポリマー、及びアリルアミンを含有するポリマー、アミン含有ポリサッカライド、アミン含有ポリペプチド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ジアリルアミン)、ポリ(アリルアミン)、ジアリルアミンとアリルアミンとのコポリマー、ジアリルアミン又はアリルアミンを含有するコポリマー、ジアリルアミンとアリルアミンとを含有するコポリマー、並びにポリアミンモノマー及び2つ以上のアミン反応性基を有するモノマーから形成される縮合ポリマー、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ジアリルアミンを含有するポリマー、及びアリルアミンを含有するポリマー、又は1つ又は複数の架橋剤と反応するポリアミンを含むナノ構造化ポリアミンの1つ又は複数が含まれ得る。MSM(メチルスルホニルメタン)吸着体は、コーティング、例えば前記の混合材又は単独のものとしても含まれ得る。1つの実施形態では、MSMは、DMSOの代謝産物であり、吸着体としても使用される。この実施形態において、吸着体として使用されるMSMは、実質的に無臭であり、臭気DMS(還元により、潜在的に嫌気的代謝環境内でDMSOから得られることがある)及び他のDMSO代謝から生じる臭気化合物を吸着させることができる。DMSOの2つの主な代謝産物がDMS及びMSMである実施形態では、外因性MSMは、吸着体単独で又は他の吸着体と組み合わせて使用され得る。また、MSMを使用して、DMSOに関係があるか又は無関係なイオウ含有化合物を吸着することができる。
【0072】
1つの実施形態において、繊維の臭気吸着コーティング、例えば、多層織物の架橋部材又は中間層は、活性炭、無機酸化物、イオン交換能を有する化合物、それらの変性化合物、イオン交換樹脂、化学脱臭剤、シリカゲル、アルミナゲル、ゼオライト、分子篩、珪藻土、酸化銅、酸化鉄、キトサン、デキストラン硫酸、ポリアリルアミン、スルホン化ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はそれらの誘導体の1つ又は複数を含み得る。さらに、これらの臭気吸着コーティングは、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂及びそれらのコポリマー、並びにそれらの誘導体、又はポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリジフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、及びそれらのコポリマーを含み得る。また、臭気吸着コーティングは、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタケイ酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、バナジン酸塩、クロム酸塩、セレン酸塩、及びマンガン酸塩、又は金属自体から部分的又は完全に構成されていてもよく、この金属は、チタン、ジルコニウム、シリコン、亜鉛、鉄、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、銅、銀、バリウム、カルシウム、スカンジウム、ビスマス、モリブデン、ニオビウム、ネオジム、アンチモン、セレン、スズ、ストロンチウム、テルビウム、テルル、トリウム、イットリウム、及びこれらの組合せから成る群から選択される。MSM吸着体は、コーティング、前記ものの混合材、又は単独のものとして含まれていてもよい。
【0073】
1つの実施形態において、本発明は、非晶質構造、大きい表面積、大きい細孔容積、及びナノ結晶構造から成る群から選択される1つ又は複数の特徴を有する、ポリアミンと無機材料とを含むハイブリッド無機/有機材料を含む変性ポリアミンを含む。1つの実施形態では、無機材料が無機酸化物材料である。
【0074】
1つの実施形態において、本発明は、多孔質無機又は有機マイクロビーズ中に含浸されるか又はこれに付着するポリアミンを含む変性ポリアミンを含む。1つの実施形態では、このポリアミンが、1つ又は複数のマイクロビーズに結合される。
【0075】
1つの実施形態において、本発明は、無機分子若しくは有機分子又は両方が化学的に付着するポリアミンを含む変性ポリアミンを含む。
【0076】
1つの実施形態において、本発明は、ポリアミンの生体適合性コポリマーと、皮膚科学的に適合可能な水溶性且つ/又は油溶性のポリマーとを含む変性ポリアミンを含む。
【0077】
1つの実施形態において、本発明は、1つ又は複数の架橋剤と反応するポリアミンを含むナノ構造化ポリアミンを含む。
【0078】
1つの実施形態において、ポリアミンは、アミン含有ポリサッカライド、アミン含有ポリペプチド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ジアリルアミン)、ポリ(アリルアミン)、ジアリルアミンとアリルアミンとのコポリマー、ジアリルアミン又はアリルアミンを含有するコポリマー、ジアリルアミンとアリルアミンとを含有するコポリマー、並びにポリアミンモノマー及び2つ以上のアミン反応性基を有するモノマーから形成される縮合ポリマーの1つ又は複数から成る群から選択される。
【0079】
別の実施形態では、ポリアミンは、ポリ(リシン)、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体、ポリ(ビニルアミン)、ジアリルアミンを含有するポリマー、及びアリルアミンを含有するポリマーの1つ又は複数から成る群から選択される。
【0080】
1つの実施形態において、本発明は、液体浸透性トップシートと、バックシートと、当該バックシートと当該トップシートとの間に介在する吸収体コア中間体とを含む物品を含む。1つの実施形態では、吸収体コアは、キトサン、キトサン塩、架橋キトサン及びそれらの混合物の1つ又は複数から成る群から選択されるアミノポリサッカライドを含む約0.5g/m〜約500g/mの陽イオン性ポリサッカライドと、約3.5〜約6.5の範囲のpHを有する約0.1g/m〜約250g/mの酸性pH緩衝手段とを含み、また約3.5〜約6.5の範囲のpKa又はそのpKaの少なくとも1つを有する弱酸及びその共役塩基と、約5g/m〜約250g/mの吸収体ゲル化材料とを含む。
【0081】
1つの実施形態において、陽イオン性ポリサッカライドは、約75%を超える脱アセチル化度を有する、キトサン、キトサン塩、架橋キトサン及びそれらの混合物の1つ又は複数から成る群から選択される。
【0082】
1つの実施形態において、キトサン塩は、クエン酸、ギ酸、酢酸、N−アセチルグリシン、アセチルサリチル酸、トリマリン酸(tlimaric acid)、グリコール酸、イミノ二酢酸、イタコン酸、乳酸、マレイン酸、イナリン酸(inalic acid)、ニコチン酸、サリチル酸、スクシナミン酸、コハク酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタル酸、マロン酸、ピルビン酸、スルホニル二酢酸、安息香酸、エポキシコハク酸、アジピン酸、チオ二酢酸、チオグリコール酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンフェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸、キトソニウムピロリドンカルボキシレート、及びそれらの混合物の1つ又は複数から成る群から選択される。
【0083】
1つの実施形態において、pH緩衝手段は、クエン酸/水酸化ナトリウム、クエン酸/クエン酸ナトリウム、クエン酸/クエン酸カリウム、シュウ酸/シュウ酸ナトリウム、酒石酸/酒石酸水素カリウム、シュウ酸/四シュウ酸カリウム二水和物、フタル酸/フタル酸カリウム、フタル酸/フタル酸ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、安息香酸/安息香酸ナトリウム、グルタル酸/グルタル酸ナトリウム、アジピン酸/アジピン酸ナトリウム、炭酸/炭酸ナトリウム、及びそれらの混合物の1つ又は複数から成る群から選択され、最も好ましくは、クエン酸/クエン酸ナトリウム、クエン酸/水酸化ナトリウム、及び/又はクエン酸/クエン酸カリウムである。
【0084】
1つの実施形態において、本発明は、ゼオライト、ケイ酸塩、活性炭、珪藻土、シクロデキストリン、クレイ、キレート化剤、イオン交換樹脂、香料、及びそれらの混合物の1つ又は複数から成る群から選択されるさらなる臭気制御剤を含む。1つの実施形態では、さらなる臭気制御剤又はその混合物のレベルは、約0.5g/m〜約600g/mである。
【0085】
1つの実施形態において、本発明は、体液を、キトサン、キトサン塩、架橋キトサン及びそれらの混合物の1つ又は複数から成る群から選択される陽イオン性ポリサッカライドと、約3.5〜6.5の範囲のpHを典型的に有する酸性pH緩衝手段とを含む臭気制御系と接触させる、DMSO及び関連臭気代謝産物に関連する臭気を制御する方法を含む。
【0086】
1つの実施形態において、本発明は、消臭繊維を含有する繊維基体を含む、インジケータを有する消臭繊維構造体を含み、その表面では、臭気を帯びた気体の吸着を通じて変色する繊維基体の色と、標準的なカラー表示部の色との差により消臭力の変化が視覚的に求められる。
【0087】
1つの実施形態において、繊維基体の表面上に設けられる標準的なカラー表示部の色は、臭気を帯びた気体の吸着による繊維基体の変色によって識別が困難になる。
【0088】
1つの実施形態において、消臭力を失った際の繊維基体の色と、繊維基体の表面上に設けられる標準的なカラー表示部の色との色差は、色変化を評価するためのグレースケールを用いた評価において4以上の階級とされる。
【0089】
1つの実施形態において、消臭繊維は、銀、銅及びそれらの金属化合物から選択される少なくとも1つの消臭成分を含有し、銀及び/又は銅の含量は、繊維基体全体の0.1重量%以上である。
【0090】
1つの実施形態において、消臭繊維は、銀、銅及びそれらの金属化合物から選択される少なくとも1つの消臭成分を含有する消臭成分含有架橋アクリレート繊維を含み、銀及び/又は銅の含量は、アクリレート繊維全体の0.1重量%以上である。
【0091】
1つの実施形態において、繊維基体の片側表面は、容易に接着し且つ容易に分離する機能を有する。
【0092】
臭気吸収織物は、患者のベッドカバー、患者衣、介護者用の医療衣、室内着、マスク、又は患者、スタッフ若しくは訪問者を保護するために着用又は使用される任意の他の必要な物品の1つ又は複数から成る群から選択される使い捨て可能な吸収体物品の製造において使用され得る。
【0093】
患者の寝具は、わずかに粘着する材料で部分的に又は全体的にコーティングされて滑りを防止することができる臭気吸収材の好適な大きいシートの1つ又は複数を含み得る。それらは、衣料製造分野で既知の方法、例えば、ヒートシール、超音波シール若しくは高周波シール(electronic sealing)、ホットメルト、接着、縫製、多針縫製、裁ち目かがり、しつけ縫い、縁取り又は他の接合方法を用いて構築され得る。縫合部位は、折り畳まれるか、重ねられるか、折り伏せられるか、直線縫いされるか、袋縫いされるか、かがられるか、囲われるか、縁取られるか、まつられるか、補強されるか、飾り縫いされるか、又は好適な縫合方法を用いたものであってもよい。この寝具は、患者がDMSO及び関連化合物を用いて処置を受けている間中用いられ得る。
【0094】
患者及び介護者用の衣料品及びマスク用品を成形及び形成することにより、移動及び接近の最大限の自由を提供することができる。このような物品は臭気吸収材のカットシートから構成されてもよく、ひも、ベルト、留め金、又は製品の位置を維持する他の留め具が含まれてもよい。このような物品は、ヒートシール、超音波シール若しくは高周波シール、ホットメルト、接着、縫製、多針縫製、裁ち目かがり、しつけ縫い、縁取り又は他の接合方法を用いて構築され得る。縫合部位は、折り畳まれるか、重ねられるか、折り伏せられるか、直線縫いされるか、袋縫いされるか、かがられるか、囲われるか、縁取られるか、まつられるか、補強されるか、飾り縫いされるか、又は好適な縫合方法を用いたものであってもよい。このような物品は、患者がDMSO及び関連化合物を用いて処置を受けている間中用いられ得る。本明細書に記載される衣料品及びマスク用品は、DMSO及び関連臭気代謝産物捕捉能、並びに本明細書に記載の実施形態の特徴のいずれか又は全てを含み得る。
【0095】
1つの実施形態において、本発明は、使い捨て可能な強い、吸収性のDMSO及び関連臭気代謝産物捕捉ヘルスケア寝具を提供する方法を含む。当該方法は、DMSO及び関連臭気代謝産物捕捉織物、並びに個々の繊維が適所に保持されるように相互接続される天然繊維及び合成繊維のランダムに絡み合った混合物から成る不織布を準備し、高い吸収能を有する凝集性の安定な強い織物を形成すること、織物を横方向で切断して所望の長さにすること、及び当該織物を所望のサイズ及び形状に変えることを含む。また、このような材料は、DMSO及び関連臭気代謝産物捕捉能、並びに本明細書に記載の実施形態の特徴のいずれか又は全てを含み得る。
【0096】
1つの実施形態において、天然繊維はセルロース系木材パルプである。1つの実施形態において、合成繊維は、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリプロピレン及びそれらの混合物の1つ又は複数から成る群から選択される。1つの実施形態において、合成繊維はポリエステルである。
【0097】
1つの実施形態において、本発明は、使い捨て可能な強い吸収性のDMSO及び関連臭気代謝産物捕捉ヘルスケア寝具を提供する方法を含む。当該方法は、寝具材料として、セルロース系木材パルプ繊維と組み合わせたポリエステル繊維から主に成るDMSO及び関連臭気代謝産物捕捉織物を使用することであって、当該繊維が、個々の繊維が事実上分離できないように互いに撚り合わされ、もつれ合わされ、且つ相互接続される三次元的な繊維の絡み合いによって適所に固定され、当該繊維が、少なくとも天然繊維から成る不織布の吸収能を有すること、織物を横方向で切断して所望の長さにすること、及び切断した当該織物を所望のサイズ及び形状に変えることを含む。また、このような材料は、DMSO及び関連臭気代謝産物捕捉能、並びに本明細書に記載の実施形態の特徴のいずれか又は全てを含み得る。
【0098】
1つの実施形態において、織物は、1平方ヤード当たり約0.5〜約10オンスの重量を有する。
【0099】
1つの実施形態において、前記寝具材料を横(CD)方向で切断した後、弾性材料のストリップを周縁に沿って取り付け、平台にぴったりと合わせ被覆する。平台は六面型ストレッチャー(six-sided gurney)であってもよい。
【0100】
1つの実施形態において、本発明は、使い捨て可能な強い吸湿性のDMSO及び関連臭気代謝産物捕捉ヘルスケアベッドカバー及びストレッチャーカバーを提供する方法を含む。当該方法は、寝具材料として、セルロース系木材パルプ繊維と組み合わせたポリエステル繊維から主に成るDMSO及び関連臭気代謝産物捕捉織物を使用することを含み、当該繊維は、個々の繊維が事実上分離できないように互いに撚り合わされ、もつれ合わされ、且つ相互接続される三次元的な繊維の絡み合いによって連結し、また当該織物は、綿ポリエステル混紡から成る従来の寝具よりも高い吸収能を有する。別の実施形態では、前記方法は、織物を横に切断すること、及び当該寝具材料をストレッチャーカバーに適する所望の形状に変えることを含み、このため、最も強い方向はカバーの切断方向となる。また、このような材料は、DMSO及び関連臭気代謝産物捕捉能、並びに本明細書に記載の実施形態の特徴のいずれか又は全てを含み得る。
【0101】
IST 80.4−92に従う少なくとも約4インチの静水頭を有する通気性のDMSO及び関連臭気代謝産物捕捉複合材は、少なくとも1つの繊維状不織ウェブ層と、少なくとも1つの熱可塑性フィルム層との積層体を含む。この積層体は、縦方向及び横方向にわずか約5%しか延伸されず、フィルム層は、少なくとも1つの熱可塑性樹脂と、通気性を増強することができる微粒子状材料と、複合材の通気性をもたらす複数の点状変形とを含み、通気性の複合材は、少なくとも約500g/m/日の通気性を有する。また、このような材料は、DMSO及び関連臭気代謝産物捕捉能、並びに本明細書に記載の実施形態の特徴のいずれか又は全てを含み得る。
【0102】
1つの実施形態において、複合材は、少なくとも約500g/m/日のMVTRを有し、積層体は、縦方向及び横方向の延伸において約5%未満で延伸され得る。
【0103】
1つの実施形態において、繊維状不織ウェブ層は、少なくとも1つのポリオレフィン樹脂を含むフィラメントを含む。
【0104】
1つの実施形態において、熱可塑性フィルム層は、少なくとも1つのポリオレフィン樹脂を含む。
【0105】
1つの実施形態において、熱可塑性フィルム層は、少なくとも1つのポリオレフィン樹脂を含み、不織ウェブ層は、少なくとも1つのポリオレフィン樹脂を含むフィラメントを含む。
【0106】
1つの実施形態において、不織ウェブ層は、フィルム層に付着していないフィラメントの実質的なセグメントを有し、おむつ及び服飾品用途に適する布のテクスチャーが、複合材の少なくとも片側表面に付与される。
【0107】
1つの実施形態において、複合材は、少なくとも約7インチの静水頭を有する。
【0108】
1つの実施形態において、熱可塑性フィルム層のポリオレフィン樹脂は、少なくとも1つのポリエチレン樹脂を含む。1つの実施形態において、熱可塑性の通気性フィルム層のポリオレフィン樹脂は、少なくとも1つのポリプロピレン樹脂を含む。
【0109】
1つの実施形態において、フィラメントのポリオレフィン樹脂は、少なくとも1つのポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂を含む。1つの実施形態において、フィラメントのポリオレフィン樹脂は、少なくとも1つのポリエチレン樹脂を含む。
【0110】
1つの実施形態において、本発明は、少なくとも1つのフィルム層と、少なくとも1つの不織ウェブ層とを含む積層体を含むDMSO及び関連臭気代謝産物捕捉通気性複合材を含む。この積層体は縦方向及び横方向にわずかしか延伸されず、不織ウェブ層は少なくとも1つのポリオレフィン樹脂のフィラメントを含み、フィルム層は、ポリオレフィン樹脂と、通気性を増強することができる微粒子状材料と、複数の型押し点状変形とを含み、このような変形は、複合材の表面積の約8〜約40%を占有することによって複合材の通気性を付与し、且つ1平方インチ当たり約100〜500ポイントの密度でこのような表面上に存在する。また、このような材料は、DMSO及び関連臭気代謝産物捕捉能、並びに本明細書に記載の実施形態の特徴のいずれか又は全てを含み得る。
【0111】
1つの実施形態において、フィルム層のポリオレフィン樹脂は、少なくとも1つのポリエチレン樹脂を含む。
【0112】
1つの実施形態において、不織ウェブ層は、実質的に連続なフィラメントのウェブを含む。
【0113】
1つの実施形態において、フィラメントは、少なくとも1つのポリプロピレン樹脂を含む。1つの実施形態では、実質的に連続なフィラメントであるウェブのフィラメントが、布のテクスチャーを、複合材の少なくとも片側表面上の前記不織ウェブ層に付与する。1つの実施形態において、フィラメントは、少なくとも1つのポリエチレン樹脂を含む。1つの実施形態では、実質的に連続なフィラメントであるウェブのフィラメントが、布のテクスチャーを、複合材の少なくとも片側表面上の前記不織ウェブ層に付与する。
【0114】
1つの実施形態において、不織ウェブ層は、短繊維のウェブを含む。
【0115】
1つの実施形態において、短繊維は、少なくとも1つのポリプロピレン樹脂を含む。1つの実施形態では、短繊維のウェブの短繊維が、布のテクスチャーを、複合材の少なくとも片側表面上の前記不織ウェブ層に付与する。1つの実施形態において、短繊維は、少なくとも1つのポリエチレン樹脂を含む。1つの実施形態では、短繊維のウェブの短繊維が、布のテクスチャーを、複合材の少なくとも片側表面上の前記不織ウェブ層に付与する。
【0116】
1つの実施形態において、フィルム層のポリオレフィン樹脂は、少なくとも1つのポリプロピレン樹脂を含む。
【0117】
1つの実施形態において、不織ウェブ層は、少なくとも1つのポリプロピレン樹脂を含む実質的に連続なフィラメントのウェブを含む。1つの実施形態において、不織ウェブ層は、少なくとも1つのポリプロピレン樹脂を含む短繊維を含む。1つの実施形態において、不織ウェブ層は、少なくとも1つのポリエチレン樹脂を含む実質的に連続なフィラメントのウェブを含む。1つの実施形態において、不織ウェブ層は、少なくとも1つのポリエチレン樹脂を含む短繊維を含む。
【0118】
別の実施形態では、本明細書に記載の吸着体材料/繊維は、米国特許第4,819,275号(その内容全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されている室内着等のDMSO処置される医療患者用の使い捨て可能な室内着の1つ又は複数の部分に組み込まれる。この特許は、不織合成可塑性織物シートから縫製することなく作製される医療患者用の使い捨て可能なダブルの室内着を記載しており、不織合成可塑性織物シートは柔軟且つ超音波シール可能である。当該室内着は、型抜きされて角取りされたコーナーをいずれの辺にも形成した直線状の上側長手端と、中心からずれたアーチ型の襟のへこみと、アーチ型のへこみの左側及び右側に二等辺三角形の袖ぐりのへこみとを有する長方形ブランクから形成される本体であって、得られる直線状の端の肩部位は、コーナーと、同じ長さ及び共通のラインを有する全てのへこみとの間に形成され、三角形のへこみの先端は、折り目の間を定める平行な左及び右の横手折り目により位置合わせされ、この片側上の室内着の後身頃は、比較的狭い左前身頃であり、室内着の後身頃の他方側は広い右前身頃であり、左前身頃が後身頃上に折り畳まれ、右前身頃は、折り畳まれた左前身頃上に折り畳まれてこの左前身頃を覆い、左及び右前身頃の直線状の端部位が、後身頃の対応する部位に超音波により接合されて、左及び右の袖ぐりを定める本体と;入り口が超音波により本体の袖ぐりに接合される一対の袖であって、袖はそれぞれ、先端が中心の横手折り目により位置合わせされる二等辺三角形のへこみを上端に有し、且つ直線上の下端を有する比較的小さい長方形ブランクから成り、このブランクが半分に折り畳まれ、且つ直線状の下端上に折り畳まれたものを超音波により接合する際に、これが、室内着の本体の袖ぐりに超音波により接合される入り口を有する管状の袖を作製する、一対の袖とを含む。
【0119】
1つの実施形態において、本明細書に記載の吸着体材料/繊維は、米国特許第4,171,542号(その内容全体が参照により本明細書中に援用される)に記載のタイプのような、DMSO処置された患者の手術衣又は介護者用の医療衣の一部又は複数の部分に組み込まれる。
【0120】
米国特許第4,171,542号に記載の室内着は、袖と、使用者の胸部を被覆する胸部領域を有する前面部及び使用者の背後で近接して重なり合う側面部と、胸部領域の手術衣の内表面に周縁付近で取り付けられる胸当てとを有し、周縁の内側の胸当て部分は室内着に固定されていない状態であり、胸部領域は、胸当ての周縁部分の範囲内に、この胸部領域に形成される一対の離間した実質的に垂直なスリットを有し、このスリットは、胸当ての固定されていない部分と連通しており且つ使用者の手がスリットを通り抜けることができる長さを有し、これにより、胸当ては、使用者の首、肩及びウエストラインで境界付けられる無菌帯域内に、使用者の手を維持する無菌ハンドサポートポケットを提供する。
【0121】
別の実施形態では、本明細書に記載の吸着体材料/繊維は、DMSO処置される患者の介護者用の使い捨て可能なフェースマスクの1つ又は複数の部分に組み込まれる。例示的なマスクは、米国特許第6,055,982号、同第5,765,556号及び同第5,322,061号(参照により本明細書中に援用される)に記載のものを含む。一般的に、これらの特許に記載のマスクは、着用者の鼻及び口を被覆するようなサイズの開口部を有するフィルタ本体であって、当該本体は、上端及び下端を有し、上端は着用者の鼻をまたぐように配置され、下端は着用者の顎下に延在し、上端は相互に対向する末端を有し、下端は相互に対向する末端を有する、フィルタ本体と;上端の各末端の近傍のフィルタ本体に取り付けられ、且つ上端からおおよそ直線的に延長するように、着用者の後頭部付近に包括的に延在して配置される第1の固定手段であって、当該第1の固定手段は上端を着用者と密接に係合させ、上端と着用者との間の流体の流れを防止するためのものである、第1の固定手段と;下端の各末端の近傍のフィルタ本体に取り付けられ、且つ下端からおおよそ直線的に延長するように、着用者の頭頂部上に包括的に延在して配置される第2の固定手段であって、第2の固定手段は下端を着用者と密接に係合させ、下端と着用者との間の流体の流れを防止するためのものである、第2の固定手段とを含み、フィルタ本体は、上端を形成する長手辺を有する包括的に台形形状である上部と、下端を形成する長手辺を有する包括的に台形形状である下部とを含み、上部及び下部は、全ての残りの辺に沿って連結され、フィルタ本体の対向する辺に形成される複数の円弧は、開口部から延在し、封止材料の第1のストリップは、開口部の近傍のフィルタ本体内に設けられ、上部に沿って延在し、封止材料の第2のストリップは、開口部の近傍のフィルタ本体内に設けられ、下端に沿って延在し、第1の封止ストリップ及び第2の封止ストリップは、相互に協働して、フィルタ本体の開口部と着用者の顔との間に流体バリアを形成する。
【0122】
1つの実施形態において、色変化は吸着を示す。臭気を吸着したときの色変化は、限定するものではないが米国特許公開第20030190266号(参照により本明細書中に援用される)に記載の方法を含むいくつかの方法に基づき、以下のように試験され得る。
【0123】
【表1】

【0124】
マスク
1つの実施形態において、本発明は、DMSO及び関連化合物に関連する臭気を低減させるか、排除するか、又は臭気から使用者を防護するように設計されるマスクを含む。織物に関係する上記の実施形態は、マスクのいくつかの実施形態を構成するのに用いることができる。
【0125】
1つの実施形態において、マスクは、1つ又は複数の層を含む。フェースマスクは、「カモノハシ」型マスク(図3及び図4)、又は外科用マスク(図5)であってもよい。1つの実施形態では、弾性材料の2つのフラットストリップを含む発散バルブが、開くと大きい断面積を有するカモノハシマスクの底部の全縁シーム位置に挿入される。また、外科用マスクは、磨耗すると1つ又は複数の心地良い香りを放出する、臭気を遮蔽する1つ又は複数の「こすると香りの出る」パッチを含んでいてもよい。このような香りとしては、レモン、香料、ペパーミント、及びバニラ等が挙げられる。これらのパッチは、正方形、円形、長方形又は任意の他の所望の形状であってもよい。
【0126】
1つの実施形態において、層は、外層(顔に対して遠位)から内層(顔に対して近位)に向けて、1)外側シールド、2)銅層、3)炭素層、4)化学物質層、及び5)表層を含む。別の実施形態では、マスクは、これらの層の1つ又は複数を含む。層は、必ずしも前記の順序で存在する必要はない。
【0127】
外側シールドは、N95又はN99の濾過を提供し得る。1つの実施形態において、マスクは、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、99.9%又は100%の浮遊微小粒子を濾過する。外側シールド層は、100%合成繊維を含んでいてもよい。合成繊維の例としては、本明細書に記載のもの、及び当該技術分野で既知の他の合成繊維(例えば、ポリエステル、レーヨン、アクリル、ナイロン、ダクロン)が挙げられる。
【0128】
銅層は、触媒コンバータとして作用し得る。銅層は、1つ又は複数の繊維及び銅粉末を含み得る。1つの実施形態において、繊維は、約40%の木材パルプ及び約60%の合成繊維を含む。銅粉末は、約100%w/w〜約500%w/wの範囲の量、好ましくは約200%w/w〜約400%w/wの範囲の量、より好ましくは約250%w/wの量で繊維上に存在し得る。
【0129】
炭素層は活性炭を含んでいてもよく、臭気吸着体材料として作用する。1つの実施形態において、炭素層は、2つの下層、すなわち、活性炭吸着体I及び活性炭吸着体IIを含む。炭素層は、1つ又は複数の繊維及び活性炭を含み得る。1つの実施形態において、繊維は、約40%の木材パルプ及び約60%の合成繊維を含む。活性炭は、約100%w/w〜約500%w/wの範囲の量、好ましくは約200%w/w〜約400%w/wの範囲の量、より好ましくは約250%w/wの量で繊維上に存在し得る。活性炭の1つ又は複数のタイプは、炭素層に組み込まれ得る。1つの実施形態において、Chemsorb活性炭組成物、例えば、1202−70 G12(酸性ガス用)、620−70 G12(アンモニア及びアミン用)、1505−70 G12(アルデヒド用)及び1000−70(有機蒸気用)が使用される。
【0130】
化学物質層は、通気を活性化させる臭気除去を可能にする。化学物質層は、1つ又は複数の繊維、及び通気を活性化させることができる1つ又は複数の臭気除去化学物質(例えば、クエン酸、キトサン、MSM及び他の化合物)を含む。1つの実施形態において、キトサン、クエン酸及びMSMは、約50%w/w、約40%w/w及び約30%w/wの量で繊維上に存在し、残りは1つ又は複数の他の化合物である。
【0131】
表層は、柔軟な表面保護を提供し得る。表層は、100%の合成繊維を含んでいてもよい。1つの実施形態では、天然繊維が、単独又は合成繊維と組み合わせて使用される。
【0132】
1つの実施形態において、マスクは、同一の多層シートエアレイ装置によってマスクを形成する前に、個々の層上にコーティングを設けることによって作製される。
清浄空気供給アセンブリ
1つの実施形態において、本発明は、DMSO及び関連化合物による患者の処置により生じる臭気及び化学物質を除去するためのシステムを含む。1つの実施形態において、当該システムは、清浄空気供給アセンブリである。
【0133】
1つの実施形態において、本発明は、DMSO処置される医療患者環境において使用される転動可能に位置付けられ且つ調整可能に方向付けられる清浄空気供給アセンブリ及び筐体を含む。実施形態によっては、清浄空気供給アセンブリは、DMSO及びDMSO関連化合物(限定するものではないが、硫化水素及びメチルメルカプタンが挙げられる)の代謝により生じる、臭気、DMS(ジメチルスルフィド)及び化合物を含まない局在的な清浄空気を提供する。
【0134】
1つの実施形態において、清浄空気供給アセンブリは、DMSO及び他の関連化合物の代謝産物の完全な除去に適する吸着体材料を通して、室内空気の効果的な捕捉及び移動を提供する完全に携帯可能な機器を含む。この機器は、バックアップのための、又は患者を移動させながら使用するためのバッテリー電力を有することができる。1つの実施形態において、機器は、任意の病室を事実上のクリーンルームに変えることができる。
【0135】
本発明の別の実施形態では、患者の胴体上部、又は介護者の接近を提供する患者のベッド領域全体を包囲し得る携帯可能なカーテンで仕切った閉込めシステムが提供される。
【0136】
1つの実施形態において、本発明は、DMSO及び関連化合物を用いて患者が処置されている領域で使用される、DMSO代謝産物等を含まない空気を提供する、転動可能に位置付けられ且つ出入口が通り抜け可能で、調整可能に方向付けられる清浄空気供給アセンブリを含む。清浄空気供給アセンブリは、基底モジュール、動力換気アセンブリ及び濾過システムの1つ又は複数を備えていてもよい。
【0137】
清浄空気供給アセンブリ4は、概略的に図2に示され、車輪21を有する転動可能な支持アセンブリ19を備える。選択されるモーターに応じてDC電力又はAC電力を提供する電子装置パッケージ7に電力を供給する電源ユニット5が、平台に設置される。1つの実施形態において、電源ユニット5は、充電器を含むバッテリを備える。内部又は外部化学物質及び/又は臭気フィルタ、並びに吸着体を含有する吸着体カートリッジ9は、電源ユニット5及び電子装置パッケージ7に隣接する平台19に実装される。
【0138】
1つの実施形態において、吸着体カートリッジ9は、換気アセンブリに付随するものであり、DMSO及び他の関連化合物の代謝産物を除去することができ、また、このような代謝産物の枯渇(depletion)の視覚指示を組み込んでもよい。吸着体を、紫外線灯及び/又はオゾンで増強又は置換して(例えば、オゾン注入)、臭気、DMS、メチルメルカプタン及び/又は硫化水素、並びに他の化学物質をさらに又は完全に除去することができる。
【0139】
1つの実施形態において、清浄空気供給アセンブリ4は、調整可能に設けられる上部フードアセンブリ11を通して、制御量の清浄グレードの空気を方向付ける。この上部フードアセンブリ11は、基体14の下側部分又は上部最終フィルタフードアセンブリ11に実装され得る前置フィルタ13と密閉最終フィルタ15(例えば、高効率粒子アレスタ(HEPA)フィルタ)とを備える。最終フィルタ15は、空気を濾過し、空気を最小限の清浄空気渦流速度で排気させ、空気清浄度レベルを改良することができ、これにより、患者がDMSOで処置されている保証可能なクリーンルーム、清浄帯域、所定の領域内の改良された再循環空気清浄度がもたらされる。患者隔離ユニット17に任意に取り付けられた清浄空気供給アセンブリ4を示す。
【0140】
1つの実施形態において、清浄空気供給アセンブリは、米国特許第6,099,607号(その内容全体が参照により本明細書中に援用される)の図2に示される清浄空気供給アセンブリの変更形態である。本発明の機器では、米国特許第6,099,607号における転動可能な支持アセンブリが、フード上部アセンブリ328と反対の方向に延在しており、本願の図2に示されるバッテリ/電力モジュール/吸着体カートリッジアセンブリは、転動可能な支持アセンブリ上に設置されるか、又はこれに取り付けられる。この機器は、車椅子/ストレッチャー取付部品によって車椅子又はストレッチャーに取り付けられてもよく、また患者のDMSO処置により生じる臭気及び化学物質を濾過する。
【0141】
本発明の清浄空気供給アセンブリはまた、米国特許第6,099,607号に記載されているような、折畳み可能な且つ/又は解体可能なフレーム本体と、フレーム本体に取り外し可能に取り付けられるようになっている可撓性の外囲部(envelope)とを備える患者隔離ユニットに取り付けられてもよい。患者隔離ユニットはまた、米国特許第4,986,016号及び同第5,125,205号(これらの内容は全て参照により本明細書中に援用される)に記載されるように、末端で受口に枢動可能に接合されるロッドから成る折畳み式のフレームワークを備え、拡張する際には自立ユニットを形成し、折り畳む際には略平行なロッドの小さいセットへと折り畳むことができる。
【0142】
別の実施形態では、米国特許第6,966,937号(参照により本明細書中に援用される)の図1に示される排気装置5を、排気ダクト4と反対の方向に転動可能な支持アセンブリを延在させることによって変更し、本願の図2に示されるバッテリ/電力モジュール/吸着体カートリッジアセンブリは、転動可能な支持アセンブリ上に設置されるか、又はこれに取り付けられる。さらに、この装置を患者隔離ユニットに取り付けて、患者のDMSO処置により生じる臭気及び化学物質を濾過することができる。
【0143】
患者隔離ユニットは、一体型患者隔離カーテンロッド、すなわち別個の折畳み可能なフレーム本体と、組み立てられたフレーム本体に取り付けることができる、天然又はポリマー多孔度又は非多孔度フィルム、ニット、織布又は不織布シートから成る可撓性の外囲部とを備えていてもよく、底部を備えていても又は備えていなくてもよい。
【0144】
1つの実施形態において、患者隔離アセンブリは、患者のプライバシーカーテン、又は安価なプラスチックフレームに取り付けられる低コストの使い捨て可能なカーテンを備える。
インジケータ
本発明はまた、視覚的な有色インジケータ、特に、DMS及びDMSOの他の代謝産物の検出に好適な金属過マンガン酸塩の視覚的な有色インジケータ材料を提供する。1つの実施形態において、DMS等の硫化物は、過マンガン酸カリウムによって酸化されスルホンを生成し、結果として生じる過マンガン酸イオンの還元によって特徴的な濃い紫色が消失する。インジケータは、1つ、2つ又は3つの部分を有する基層上の、本明細書に記載の吸着体(adsorbant)の相のいずれか1つに、又は付加的な層に含まれ得る。1つの実施形態において、DMS及びDMSOの代謝産物、並びに他の関連化合物用のインジケータは、本明細書に記載の吸着材を含有するコア粒子を含み、ここで、中間層が、1つ又は複数のインジケータと金属又は他の化合物とを含み、且つコア粒子と多孔質コーティング層との間に設けられる。コア粒子の構造及び構成成分は、前記で詳細に記載してある。色以外の視覚インジケータを使用してもよい。1つ又は複数のインジケータが、層内、層の内表面上に、層の外表面上に、又は層の1つ全体に含まれていてもよい。
【0145】
別の実施形態では、本発明は、本発明の検出インジケータを含有する充填床を含む透明容器を備えるシステムを含む。1つの実施形態において、充填床は、インジケータ材料のホルダとして機能し、DMS及び他のDMSO代謝産物の除去に利用される指示吸着体床から分離されるか、又はこれに含まれ得る。1つの実施形態において、インジケータがDMS、メチルメルカプタン及び関連材料に曝されると、インジケータは次第に色が薄くなりし、この色が薄くなることは床を介して進行する。
【0146】
さらなる実施形態では、本発明は、拡散のプロセスによって空気中の汚染物質をサンプリングするような、1つ又は複数の検出インジケータを備える個人モニタを含む。さらに、曝露水準は、安全衛生基準で発表されている許容可能な曝露限界と比較され得る。1つの実施形態において、個人モニタリングパッチの色が薄くなると、より大きな曝露が示される。
【0147】
さらに別の実施形態では、本発明は、標準的な空気サンプリングポンプ用の標準型の環境空気サンプリング管、例えば、検出インジケータを含有する管を含む。1つの実施形態において、色が薄くなった領域が長ければ、DMS、メチルメルカプタン又は他の硫化物がより多く検出される。
【0148】
1つの実施形態において、本発明は、環境臭気又はイオウ化学物質制御部材を含む機能的な環境臭気、又はイオウ化学物質若しくはDMSを指示及び/又は制御する部材を含む。
【0149】
1つの実施形態において、本発明は、環境臭気、又はイオウ化学物質若しくはDMSを指示及び/又は制御する部材を含み、酸塩である少なくとも1つの臭気又はイオウ化学物質制御材料を含有するコア粒子と、当該コア粒子をコーティングするポリマー材料を含む多孔質コーティング層とを含み、ここで、該酸塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩の少なくとも1つである。
【0150】
1つの実施形態において、臭気又はイオウ化学物質制御材料は、硫酸ナトリウム、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸水素のアルカリ金属塩、リン酸のアンモニウム塩、及びリン酸水素のアンモニウム塩の1つ又は複数から成る群から選択される。
【0151】
1つの実施形態において、コア粒子は、親水性ポリマー化合物をさらに含有する。1つの実施形態において、親水性ポリマー化合物は、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルのけん化化合物、セルロースエステル、オキシオレフィン、及び糖の1つ又は複数から成る群から選択される。
【0152】
1つの実施形態において、本発明は、拡散のプロセスによってDMSO及び関連化合物の代謝により生じる空気中のDMS及び他の臭気化合物をサンプリング、検出及び指示する、個人モニタに組み込まれる前記の指示吸収体のいずれか又は全てを含む。
【0153】
1つの実施形態において、本発明は、標準的な空気サンプリングポンプ用の標準型の環境空気サンプリング管、例えば、DMSO及び関連化合物の代謝により生じる空気中のDMS及び他の臭気化合物を指示する検出インジケータを含有する管に組み込まれる前記の指示吸収体のいずれか又は全てを含む。
【実施例】
【0154】
以下の実施例は、本明細書に記載の組成物の非限定的な使用、方法及び装置を説明するものである。
【0155】
1つの実施形態において、DMSO及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を、患者の呼気から直接除去する機器が提供される。好ましい実施形態において、機器(例えば、吸着体)は、患者のマスクに直接接続される。1つの実施形態において、これは、高濃度の臭気保持材料の処理を必要とする場合がある。
【0156】
1つの実施形態において、DMSO及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を、医療用人工呼吸器の排気口から除去する装置が提供される。別の実施形態では、機器は、掃気機器を介して医療用人工呼吸器の排気口に接続される。1つの実施形態において、装置は、本明細書に記載の吸着体を含む掃気機器を備え、ここで、掃気機器は排気口に接続される。このため、人工呼吸器から出るDMSO代謝産物を含有する排気は、代謝産物及び臭気を濾過により除去する吸着体を通過して、代謝産物に関連する臭気を含有しない空気を生じる。
【0157】
1つの実施形態において、DMSO及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を、室内用HVAC又はクリーンルームシステムによる再循環流又は排気流から除去する機器が提供される。1つの実施形態において、装置(例えば、吸着体)は、システムの管路に接続される。
【0158】
1つの実施形態において、患者又は医療スタッフによって使用される衣料、寝具、マスク及び他の物品の一部となる、織物、布、フェルト、不織布又は他の可撓性材料のような三次元繊維に吸着されるか、又はこの間に介在する吸着体が提供される。
【0159】
患者の皮膚領域から発散され、且つDMSO(ジメチルスルホキシド)及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を捕捉する患者のベッドカバー物品が提供される。
【0160】
患者の身体の皮膚領域から発散され、且つDMSO(ジメチルスルホキシド)及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を捕捉する患者の衣料品も提供される。
【0161】
呼吸を含む患者の全領域から発散され、且つDMSO(ジメチルスルホキシド)及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を捕捉する介護者の衣料品が提供される。
【0162】
呼吸を含む患者の全領域から発散され、且つDMSO(ジメチルスルホキシド)及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物の介護者による吸気(breathing)を低減及び/又は防止する介護者のマスクが提供される。
【0163】
DMSO及び関連化合物の代謝により生じる、臭気、DMS、メチルメルカプタン及び/又は硫化水素、並びに化合物を、患者(例えば、患者の胴体上部)の周囲の領域から直接除去する機器が提供される。可撓性の患者隔離アセンブリは、清浄空気送達アセンブリの上部最終フィルタフードアセンブリに接続されていてもよく、又は接続されていなくてもよい。
【0164】
DMSO及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を、患者隔離アセンブリの介護者の十分な占有スペースの有無にかかわらず患者のベッド領域全体から除去する機器が提供される。清浄空気送達アセンブリ機器は、ベッドのみを取り囲むような、又は介護者の接近を提供するようなサイズの患者隔離アセンブリに接続してもよい。
【0165】
DMSO及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を、患者の部屋全体から除去する機器が提供される。清浄空気送達アセンブリは、患者の上方、又は別のユニットが患者を補助する場合、好ましくは室内に上部最終フィルタフードアセンブリを伴って設けられ得る。
【0166】
DMSO及び関連化合物の代謝により生じる臭気及び化合物を、患者の車椅子又はストレッチャーの周囲の領域から直接除去する機器が提供される。携帯可能な清浄空気送達アセンブリ機器は、クランプ、ストラップ又は他の好適な手段によって車椅子又はストレッチャーに取り付けられてもよい。可撓性の患者隔離アセンブリは、清浄空気送達アセンブリの上部最終フィルタフードアセンブリに接続されてもよく、又は接続されていなくてもよい。
【0167】
DMSO及び関連化合物の代謝により生じるDMS及び他の臭気化合物の存在を、患者の呼気から直接指示する機器が提供される。このような化合物は、約1〜約10000ppmの濃度で検出され得る。機器は、患者のマスクに直接接続されてもよい。
【0168】
DMSO及び関連化合物の代謝により生じるDMS及び他の臭気化合物の存在を、医療用人工呼吸器の呼気から指示する機器が提供される。このような化合物は、約1〜約1000ppmの濃度で検出され得る。機器は、医療用人工呼吸器の排気口(discharge)上、又は直接掃気機器を介した医療用人工呼吸器の排気口上に位置する吸着体と一体化するか、又はこれに接続されてもよい。
【0169】
DMSO及び関連化合物の代謝により生じるDMS及び他の臭気化合物の存在を、室内用HVAC又はクリーンルームシステムによる再循環流又は排気流から指示する機器が提供される。このような化合物は、約1〜約10ppmの濃度で検出され得る。機器は、システムの管路に接続されてもよい。
【0170】
検出インジケータを含有し且つ拡散のプロセスによって空気中の汚染物質をサンプリングする個人モニタに含まれる指示吸着体が提供される。このような化合物は、約1〜約1000百万分率の濃度で検出され得る。実施形態によっては、このような個人モニタは、医療施設内のスタッフ、訪問者又は患者の衣料又はその人自身にピンで留められるか、クリップで留められるか、又は別の方法で取り付けられ得る。
【0171】
標準的な空気サンプリングポンプ用の標準型の環境空気サンプリング管、例えば、検出インジケータを含有する管に含まれる指示吸着体が提供される。このような化合物は、約1〜約10000ppmの濃度で検出され得る。このようなサンプリングは、患者のベッド領域、部屋、人工呼吸器、室内HVACシステム、又は他の場所によるものである。
【0172】
本発明の精神を逸脱することなく、多数の様々な変更形態が成され得ることは、当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明の形態は、例示されているにすぎず、本発明の範囲を限定するように意図されるものではないことを明確に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】本発明による1つの実施形態による吸着体を示す。
【図2】1つの実施形態による転動可能に位置付けられ且つ調整可能に方向付けられる清浄空気送達供給アセンブリ及び筐体の概略図である。
【図3】1つの実施形態による「カモノハシ」型臭気吸収マスクの正面図である。
【図4】部分的に開いているマスクを示す、1つの実施形態による「カモノハシ」型マスクの正面図である。
【図5】1つの実施形態による外科用マスクを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又は該化合物に関連する臭気を吸着する吸着体であって、
内層と、中間層と、外層とを含み、
前記内層が吸着コア粒子を含み、
前記吸着コア粒子が、ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又は該化合物に関連する臭気を吸着し、
前記中間層が、前記内層及び前記外層と接触し、
前記外層が多孔質コーティングを含む、吸着体。
【請求項2】
ジメチルスルホキシド(DMSO)又は関連化合物の存在を指示するインジケータをさらに含む、請求項1に記載の吸着体。
【請求項3】
前記インジケータが過マンガン酸塩を含む、請求項2に記載の吸着体。
【請求項4】
前記インジケータが有色であり、ジメチルスルホキシド(DMSO)又は関連化合物が除去されるにつれて、色すなわち強度を低減させるようになっている、請求項2に記載の吸着体。
【請求項5】
前記吸着コア粒子が、活性炭、無機酸化物、イオン交換能を有する化合物、イオン交換樹脂、及び化学脱臭剤の1つ又は複数から成る群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸着体。
【請求項6】
前記中間層が、前記コア粒子と前記多孔質コーティングとの間に設けられる、金属化合物と水溶性有機材料とを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸着体。
【請求項7】
前記外層が、多孔質コーティングのみから成る、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸着体。
【請求項8】
前記外層が、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂及びそれらのコポリマー又は誘導体の1つ又は複数から成る群から選択されるポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸着体。
【請求項9】
前記外層が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリジフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、及びそれらのコポリマー又は誘導体の1つ又は複数から成る群から選択されるポリマーを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸着体。
【請求項10】
前記多孔質コーティングが、約0.01μm〜約1000μmの厚みを有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸着体。
【請求項11】
前記多孔質コーティングが、約0.01μm〜約500μmの平均孔径を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸着体。
【請求項12】
前記多孔質コーティングが、約3%〜約90%の多孔度を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸着体。
【請求項13】
ジメチルスルホキシド(DMSO)代謝産物を除去する方法であって、該代謝産物と、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸着体とを接触させることを含む、方法。
【請求項14】
前記ジメチルスルホキシド(DMSO)代謝産物が、ジメチルスルホキシド(DMSO)処置を受けた個体によって生成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ジメチルスルホキシド(DMSO)又は関連化合物に関連する臭気を除去する方法であって、前記臭気を請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸着体に曝すことを含む、方法。
【請求項16】
ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又は該ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは該関連化合物に関連する臭気を除去する空気清浄部材であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸着体を含む、空気清浄部材。
【請求項17】
ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又は該ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは該関連化合物に関連する臭気を除去する清浄空気供給アセンブリであって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸着体を含む、清浄空気供給アセンブリ。
【請求項18】
医療用人工呼吸器の排気口から、ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又は該ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは該関連化合物に関連する臭気を除去する装置であって、該装置が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸着体を含む掃気機器を含み、該掃気機器が前記排気口に接続される、装置。
【請求項19】
ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又は該ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは該関連化合物に関連する臭気の曝露を低減させるフェースマスクであって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸着体を含む、フェースマスク。
【請求項20】
ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは関連化合物、又は該ジメチルスルホキシド(DMSO)若しくは該関連化合物に関連する臭気の曝露を低減させるフェースマスクであって、
合成繊維を含む外側シールド層と、
繊維と銅粉末とを含む銅層と、
繊維と活性炭とを含む炭素層と、
繊維と1つ又は複数の臭気吸収化学物質とを含む化学物質層と、
合成繊維を含む表層と
を含む、フェースマスク。
【請求項21】
前記フェースマスクが発散バルブを含む、請求項19又は20に記載のフェースマスク。
【請求項22】
前記フェースマスクがカモノハシマスクである、請求項19〜21のいずれか1項に記載のフェースマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−509724(P2009−509724A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530021(P2008−530021)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/035321
【国際公開番号】WO2007/033083
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(508072855)アベラ ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】