ジョイントコネクタ
【課題】コストを極力抑えつつ、容易に接続することができるジョイントコネクタを提供すること。
【解決手段】ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５に接続されるジョイントコネクタ１１Ａであって、幹線２３ａにおける電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられ、プロテクタ部２１には、複数の幹線２３ａが導入され、レセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのそれぞれの幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【解決手段】ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５に接続されるジョイントコネクタ１１Ａであって、幹線２３ａにおける電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられ、プロテクタ部２１には、複数の幹線２３ａが導入され、レセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのそれぞれの幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば、車両に配索されるワイヤハーネスに設けられるジョイントコネクタに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスには、電線同士の接続や電力分配を行うために、ジョイントコネクタが設けられている。このジョイントコネクタは、幹線から分岐線を分岐させ、この分岐線に接続される（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
また、ワイヤハーネスを保護するプロテクタに、ワイヤハーネスから分岐された分岐線に接続されたジョイントコネクタを収容する収容部を設けることも知られている（例えば、特許文献２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−１０４３８号公報
【特許文献２】特開２００４−２２９３５０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、ジョイントコネクタは、幹線から分岐させた分岐線の端部に接続されるため、幹線との間の分岐線の線長分の電線を要し、また、分岐線を束ねてテープやコルゲートチューブなどで保護する必要があり、その分コストが嵩んでしまう。
【０００６】
また、幹線から離れて設けられたジョイントコネクタは、振れ回らないようにワイヤハーネスの配線時に車両のフレームや幹線等へ固定バンド等の固定部品によって固定しておかなければならず、したがって、ワイヤハーネスとは別にジョイントコネクタを固定するための煩雑な固定作業を要する。
【０００７】
また、特許文献２の技術のように、プロテクタにジョイントコネクタを収容する収容部を設けてジョイントコネクタを固定する場合では、プロテクタが複雑形状となり、コストアップを招いてしまう。
【０００８】
しかも、ジョイントコネクタが、複数の分岐線のそれぞれにコネクタを接続し、これらのコネクタをコネクタ本体に接続する構造であると、配線時にそれぞれのコネクタを支持する複数の治具が必要となり、また、コネクタ本体の取り付け作業も別途必要となる。
【０００９】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストを極力抑えつつ、容易に接続することができるジョイントコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
前述した目的を達成するために、本発明に係るジョイントコネクタは、下記（１）から（３）のいずれかを特徴としている。
（１） ワイヤハーネスの幹線から引き出された電線に接続されるジョイントコネクタであって、
前記幹線における電線の引出部分を保持するプロテクタ部と、前記幹線から引き出された電線の端部に接続されるコネクタが接続可能なレセプタクル部とが一体に設けられ、
前記プロテクタ部には、複数の前記幹線が導入され、前記レセプタクル部は、前記プロテクタ部へのそれぞれの前記幹線の導入方向の交差箇所に面しない位置に設けられていること。
（２） 上記（１）の構成のジョイントコネクタにおいて、前記レセプタクル部は、上面に設けられていること。
（３） 上記（１）の構成のジョイントコネクタにおいて、前記レセプタクル部は、前記引出部分に面する側面に設けられていること。
【００１１】
上記（１）の構成のジョイントコネクタでは、幹線における電線の引出部分を保持するプロテクタ部と、幹線から引き出された電線の端部に接続されるコネクタが接続可能なレセプタクル部とが一体に設けられているので、幹線から引き出して分岐させた電線をテープやコルゲートチューブで保護した分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
また、車両のフレーム等へプロテクタ部とレセプタクル部とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタをレセプタクル部へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
しかも、レセプタクル部が、プロテクタ部へのワイヤハーネスの幹線の導入方向の交差箇所に面しない位置に設けられているので、電線の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線が容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
上記（２）の構成のジョイントコネクタでは、上面側にレセプタクル部が設けられているので、レセプタクル部へのコネクタの接続作業の容易化を図ることができ、また、レセプタクル部の高さを抑え、よって、全体の厚みを薄くすることができる。
上記（３）の構成のジョイントコネクタでは、レセプタクル部が引出部分に面する側面に設けられているので、引出部分からの電線の長さを極力短くすることができる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、コストを極力抑えつつ、容易に接続することができるジョイントコネクタを提供できる。
【００１３】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】第１実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図２】第１実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図３】参考例に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図４】第２実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図５】第２実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図６】第３実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図７】第３実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図８】第４実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図９】第４実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
【００１６】
（第１実施形態）
まず、第１実施形態に係るジョイントコネクタを説明する。
図１は第１実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図、図２は第２実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【００１７】
図１及び図２に示すように、第１実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ａは、合成樹脂から成形されたジョイントコネクタ本体１２及び蓋部１３を有している。
【００１８】
ジョイントコネクタ本体１２は、プロテクタ部２１を有している。このプロテクタ部２１には、３つの導入口２２が設けられており、これらの導入口２２からワイヤハーネス２３を構成する３本の幹線２３ａがそれぞれ導入されている。
【００１９】
つまり、このジョイントコネクタ１１Ａは、３本のワイヤハーネス２３の幹線２３ａが接続される３分岐のジョイントコネクタである。
【００２０】
ワイヤハーネス２３は、複数の電線１５を束ねたもので、これらの電線１５は、コルゲートチューブ２４に通されて保護されている。コルゲートチューブ２４は、樹脂から形成されたもので、蛇腹状に形成されている。
【００２１】
プロテクタ部２１におけるジョイントコネクタ本体１２には、それぞれの導入口２２を形成する半円形状の凹部２２ａが形成されている。そして、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａは、そのコルゲートチューブ２４が、ジョイントコネクタ本体１２の凹部２２ａからなる導入口２２によって保持されている。
【００２２】
ジョイントコネクタ本体１２には、プロテクタ部２１に、導入口２２と連通する保持溝２５が形成されており、この保持溝２５には、コルゲートチューブ２４の端部から引き出されたワイヤハーネス２３の各幹線２３ａの電線１５が配置されている。
【００２３】
そして、このプロテクタ部２１の保持溝２５内において、複数の電線１５が配線されて３束の電線１５の束が形成されている。これらの電線１５の束には、その端部に、それぞれコネクタ２７が接続されている。
【００２４】
ジョイントコネクタ本体１２は、プロテクタ部２１に隣接した位置にコネクタ保持部３１が設けられている。このコネクタ保持部３１には、その上面側に、複数のレセプタクル部３３が形成されており、これらのレセプタクル部３３には、保持溝２５の引出部分Ａから引き出された電線１５の束の端部に接続されたそれぞれのコネクタ２７が挿し込まれて接続されている。
【００２５】
これらのレセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【００２６】
上記のジョイントコネクタ本体１２には、蓋部１３が装着され、これにより、電線１５の引出部分Ａを有するプロテクタ部２１及びコネクタ２７が接続されるレセプタクル部３３が蓋部１３によって覆われて保護される。
【００２７】
このように、第１実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ａによれば、ワイヤハーネス２３の電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられているので、ワイヤハーネスの分岐部分から引き出してテープやコルゲートチューブで保護する分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
【００２８】
また、車両のフレーム等へプロテクタ部２１とレセプタクル部３３とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタ２７をレセプタクル部３３へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、配線時にコネクタ等を支持する治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
【００２９】
ここで、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘでは、各幹線２３ａからの電線１５が交差することにより、電線１５に嵩張りが生じる。また、レセプタクル部３３へ導かれる電線１５の引出部分Ａにおいても、各電線１５が互いに交差して嵩張りが生じる。
【００３０】
したがって、レセプタクル部３３を幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面する位置に配置すると、電線１５の嵩張りが大きくなり、プロテクタ部２１の大型化を招き、また、電線１５の配線作業も煩雑化する。
【００３１】
しかし、上記のジョイントコネクタ１１Ａでは、レセプタクル部３３が、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられているので、電線１５の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線１５の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線１５の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線２３ａが容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
【００３２】
また、ジョイントコネクタ本体１２の上面側にレセプタクル部３３が設けられているので、レセプタクル部３３へのコネクタ２７の接続作業の容易化を図ることができ、また、レセプタクル部３３の高さを抑え、よって、全体の厚みを薄くすることができる。
【００３３】
さらに、ジョイントコネクタ本体１２に装着される蓋部１３によって、電線１５の引出部分Ａを有するプロテクタ部２１及びコネクタ２７が接続されるレセプタクル部３３を覆って保護することができ、引出部分Ａ及びコネクタ２７で電線１５がバラけるような不具合が防止される。
【００３４】
ここで、本発明の更なる優位性を説明するため、図３に参考例を示す。
【００３５】
図３は参考例のジョイントコネクタの斜視図である。
【００３６】
図３に示すように、このジョイントコネクタ１は、分岐線２の端部に接続されたコネクタ３と、これらのコネクタ３が接続されるコネクタ本体４とを有している。
【００３７】
このジョイントコネクタ１のコネクタ３が接続される分岐線２は、ワイヤハーネス５の幹線５ａの接続箇所から引き出された電線からなるもので、束ねられてコルゲートチューブやテープによって保護されている。
【００３８】
また、これらの分岐線２が引き出されたワイヤハーネス５の分岐箇所は、プロテクタ６が装着されて保護されている。
【００３９】
このようなジョイントコネクタ１は、ワイヤハーネス５から分岐させた分岐線２の端部に接続されるため、ワイヤハーネス５との間の分岐線２の線長分の電線を要し、また、電線を束ねてテープやコルゲートチューブなどで保護して分岐線２とする必要があり、その分コストが嵩んでしまう。
【００４０】
また、ワイヤハーネス５の分岐箇所のプロテクタ６から離れた位置に別個にジョイントコネクタ１が設けられているので、これらのプロテクタ６とジョイントコネクタ１とを、振れ回らないように配線時にそれぞれ車両のフレーム等へ固定部品によって固定しておく必要がある。このため、これらのプロテクタ６とジョイントコネクタ１の煩雑な固定作業を要し、コストアップを招いてしまう。
【００４１】
また、ジョイントコネクタ１が、複数の分岐線２のそれぞれにコネクタ３を接続し、これらのコネクタ３をコネクタ本体４に接続する構造であるので、それぞれのコネクタ３へ分岐線２を接続する際に、それぞれのコネクタ３を支持する複数の治具が必要となり、また、コネクタ３へのコネクタ本体４の取り付け作業も別途必要となる。
【００４２】
このように、参考例に係るジョイントコネクタ１では、煩雑な固定作業や配線作業を要するとともに、部品点数が多く、コストがかかってしまうという問題がある。
【００４３】
（第２実施形態）
次に、第２実施形態に係るジョイントコネクタについて説明する。なお、上記の第１実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【００４４】
図４は第２実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図、図５は第２実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【００４５】
図４及び図５に示すように、このジョイントコネクタ１１Ｂは、４つの導入口２２を有しており、これらの導入口２２からワイヤハーネス２３を構成する４本の幹線２３ａがそれぞれ導入されている。
【００４６】
つまり、このジョイントコネクタ１１Ｂは、４本のワイヤハーネス２３の幹線２３ａが接続される４分岐のジョイントコネクタである。
【００４７】
このジョイントコネクタ１１Ｂも、レセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【００４８】
そして、第２実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ｂの場合も、ワイヤハーネス２３の電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられているので、ワイヤハーネスの分岐部分から引き出してテープやコルゲートチューブで保護する分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
【００４９】
また、車両のフレーム等へプロテクタ部２１とレセプタクル部３３とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタ２７をレセプタクル部３３へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、配線時にコネクタ等を支持する治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
【００５０】
しかも、レセプタクル部３３が、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられているので、電線１５の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線１５の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線１５の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線２３ａが容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
【００５１】
さらに、ジョイントコネクタ本体１２の上面側にレセプタクル部３３が設けられているので、レセプタクル部３３へのコネクタ２７の接続作業の容易化を図ることができ、また、レセプタクル部３３の高さを抑え、よって、全体の厚みを薄くすることができる。
【００５２】
（第３実施形態）
次に、第３実施形態に係るジョイントコネクタについて説明する。なお、上記の第１、第２実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【００５３】
図６は第３実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図、図７は第３実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【００５４】
図６及び図７に示すように、このジョイントコネクタ１１Ｃは、３つの導入口２２を有しており、これらの導入口２２からワイヤハーネス２３を構成する３本の幹線２３ａがそれぞれ導入されている。
【００５５】
つまり、このジョイントコネクタ１１Ｃは、３本のワイヤハーネス２３の幹線２３ａが接続される３分岐のジョイントコネクタである。
【００５６】
このジョイントコネクタ１１Ｃも、レセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【００５７】
このジョイントコネクタ１１Ｃでは、ジョイントコネクタ本体１２におけるプロテクタ部２１に隣接したコネクタ保持部３１の電線１５の引出部分Ａに面する側面３２に、複数のレセプタクル部３３が形成されている。
【００５８】
そして、このコネクタ保持部３１の側面３２に形成されたレセプタクル部３３に、電線１５に接続されたコネクタ２７が挿し込まれて接続される。
【００５９】
そして、第３実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ｃの場合も、ワイヤハーネス２３の電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられているので、ワイヤハーネスの分岐部分から引き出してテープやコルゲートチューブで保護する分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
【００６０】
また、車両のフレーム等へプロテクタ部２１とレセプタクル部３３とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタ２７をレセプタクル部３３へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、配線時にコネクタ等を支持する治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
【００６１】
しかも、レセプタクル部３３が、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられているので、電線１５の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線１５の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線１５の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線２３ａが容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
【００６２】
さらに、ジョイントコネクタ本体１２におけるコネクタ保持部３１の引出部分Ａに面する側面３２に、複数のレセプタクル部３３が形成されているので、引出部分Ａからの電線１５の長さを極力短くすることができる。
【００６３】
（第４実施形態）
次に、第４実施形態に係るジョイントコネクタについて説明する。なお、上記の第１、第２、第３実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【００６４】
図８は第４実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図、図９は第４実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【００６５】
図８及び図９に示すように、このジョイントコネクタ１１Ｄは、４つの導入口２２を有しており、これらの導入口２２からワイヤハーネス２３を構成する４本の幹線２３ａがそれぞれ導入されている。
【００６６】
つまり、このジョイントコネクタ１１Ｄは、４本のワイヤハーネス２３の幹線２３ａが接続される４分岐のジョイントコネクタである。
【００６７】
このジョイントコネクタ１１Ｄも、レセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【００６８】
このジョイントコネクタ１１Ｄでは、ジョイントコネクタ本体１２におけるプロテクタ部２１に隣接したコネクタ保持部３１の電線１５の引出部分Ａに面する側面３２に、複数のレセプタクル部３３が形成されている。
【００６９】
そして、このコネクタ保持部３１の側面３２に形成されたレセプタクル部３３に、電線１５に接続されたコネクタ２７が挿し込まれて接続される。
【００７０】
そして、第４実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ｄの場合も、ワイヤハーネス２３の電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられているので、ワイヤハーネスの分岐部分から引き出してテープやコルゲートチューブで保護する分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
【００７１】
また、車両のフレーム等へプロテクタ部２１とレセプタクル部３３とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタ２７をレセプタクル部３３へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、配線時にコネクタ等を支持する治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
【００７２】
しかも、レセプタクル部３３が、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられているので、電線１５の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線１５の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線１５の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線２３ａが容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
【００７３】
さらに、ジョイントコネクタ本体１２におけるコネクタ保持部３１の引出部分Ａに面する側面３２に、複数のレセプタクル部３３が形成されているので、引出部分Ａからの電線１５の長さを極力短くすることができる。
【００７４】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【００７５】
１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ，１１Ｄ ジョイントコネクタ
１５ 電線
２１ プロテクタ部
２３ ワイヤハーネス
２３ａ 幹線
２７ コネクタ
３２ 側面
３３ レセプタクル部
Ａ 引出部分
Ｘ 交差箇所
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば、車両に配索されるワイヤハーネスに設けられるジョイントコネクタに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスには、電線同士の接続や電力分配を行うために、ジョイントコネクタが設けられている。このジョイントコネクタは、幹線から分岐線を分岐させ、この分岐線に接続される（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
また、ワイヤハーネスを保護するプロテクタに、ワイヤハーネスから分岐された分岐線に接続されたジョイントコネクタを収容する収容部を設けることも知られている（例えば、特許文献２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−１０４３８号公報
【特許文献２】特開２００４−２２９３５０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、ジョイントコネクタは、幹線から分岐させた分岐線の端部に接続されるため、幹線との間の分岐線の線長分の電線を要し、また、分岐線を束ねてテープやコルゲートチューブなどで保護する必要があり、その分コストが嵩んでしまう。
【０００６】
また、幹線から離れて設けられたジョイントコネクタは、振れ回らないようにワイヤハーネスの配線時に車両のフレームや幹線等へ固定バンド等の固定部品によって固定しておかなければならず、したがって、ワイヤハーネスとは別にジョイントコネクタを固定するための煩雑な固定作業を要する。
【０００７】
また、特許文献２の技術のように、プロテクタにジョイントコネクタを収容する収容部を設けてジョイントコネクタを固定する場合では、プロテクタが複雑形状となり、コストアップを招いてしまう。
【０００８】
しかも、ジョイントコネクタが、複数の分岐線のそれぞれにコネクタを接続し、これらのコネクタをコネクタ本体に接続する構造であると、配線時にそれぞれのコネクタを支持する複数の治具が必要となり、また、コネクタ本体の取り付け作業も別途必要となる。
【０００９】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストを極力抑えつつ、容易に接続することができるジョイントコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
前述した目的を達成するために、本発明に係るジョイントコネクタは、下記（１）から（３）のいずれかを特徴としている。
（１） ワイヤハーネスの幹線から引き出された電線に接続されるジョイントコネクタであって、
前記幹線における電線の引出部分を保持するプロテクタ部と、前記幹線から引き出された電線の端部に接続されるコネクタが接続可能なレセプタクル部とが一体に設けられ、
前記プロテクタ部には、複数の前記幹線が導入され、前記レセプタクル部は、前記プロテクタ部へのそれぞれの前記幹線の導入方向の交差箇所に面しない位置に設けられていること。
（２） 上記（１）の構成のジョイントコネクタにおいて、前記レセプタクル部は、上面に設けられていること。
（３） 上記（１）の構成のジョイントコネクタにおいて、前記レセプタクル部は、前記引出部分に面する側面に設けられていること。
【００１１】
上記（１）の構成のジョイントコネクタでは、幹線における電線の引出部分を保持するプロテクタ部と、幹線から引き出された電線の端部に接続されるコネクタが接続可能なレセプタクル部とが一体に設けられているので、幹線から引き出して分岐させた電線をテープやコルゲートチューブで保護した分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
また、車両のフレーム等へプロテクタ部とレセプタクル部とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタをレセプタクル部へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
しかも、レセプタクル部が、プロテクタ部へのワイヤハーネスの幹線の導入方向の交差箇所に面しない位置に設けられているので、電線の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線が容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
上記（２）の構成のジョイントコネクタでは、上面側にレセプタクル部が設けられているので、レセプタクル部へのコネクタの接続作業の容易化を図ることができ、また、レセプタクル部の高さを抑え、よって、全体の厚みを薄くすることができる。
上記（３）の構成のジョイントコネクタでは、レセプタクル部が引出部分に面する側面に設けられているので、引出部分からの電線の長さを極力短くすることができる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、コストを極力抑えつつ、容易に接続することができるジョイントコネクタを提供できる。
【００１３】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】第１実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図２】第１実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図３】参考例に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図４】第２実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図５】第２実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図６】第３実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図７】第３実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図８】第４実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図である。
【図９】第４実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
【００１６】
（第１実施形態）
まず、第１実施形態に係るジョイントコネクタを説明する。
図１は第１実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図、図２は第２実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【００１７】
図１及び図２に示すように、第１実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ａは、合成樹脂から成形されたジョイントコネクタ本体１２及び蓋部１３を有している。
【００１８】
ジョイントコネクタ本体１２は、プロテクタ部２１を有している。このプロテクタ部２１には、３つの導入口２２が設けられており、これらの導入口２２からワイヤハーネス２３を構成する３本の幹線２３ａがそれぞれ導入されている。
【００１９】
つまり、このジョイントコネクタ１１Ａは、３本のワイヤハーネス２３の幹線２３ａが接続される３分岐のジョイントコネクタである。
【００２０】
ワイヤハーネス２３は、複数の電線１５を束ねたもので、これらの電線１５は、コルゲートチューブ２４に通されて保護されている。コルゲートチューブ２４は、樹脂から形成されたもので、蛇腹状に形成されている。
【００２１】
プロテクタ部２１におけるジョイントコネクタ本体１２には、それぞれの導入口２２を形成する半円形状の凹部２２ａが形成されている。そして、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａは、そのコルゲートチューブ２４が、ジョイントコネクタ本体１２の凹部２２ａからなる導入口２２によって保持されている。
【００２２】
ジョイントコネクタ本体１２には、プロテクタ部２１に、導入口２２と連通する保持溝２５が形成されており、この保持溝２５には、コルゲートチューブ２４の端部から引き出されたワイヤハーネス２３の各幹線２３ａの電線１５が配置されている。
【００２３】
そして、このプロテクタ部２１の保持溝２５内において、複数の電線１５が配線されて３束の電線１５の束が形成されている。これらの電線１５の束には、その端部に、それぞれコネクタ２７が接続されている。
【００２４】
ジョイントコネクタ本体１２は、プロテクタ部２１に隣接した位置にコネクタ保持部３１が設けられている。このコネクタ保持部３１には、その上面側に、複数のレセプタクル部３３が形成されており、これらのレセプタクル部３３には、保持溝２５の引出部分Ａから引き出された電線１５の束の端部に接続されたそれぞれのコネクタ２７が挿し込まれて接続されている。
【００２５】
これらのレセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【００２６】
上記のジョイントコネクタ本体１２には、蓋部１３が装着され、これにより、電線１５の引出部分Ａを有するプロテクタ部２１及びコネクタ２７が接続されるレセプタクル部３３が蓋部１３によって覆われて保護される。
【００２７】
このように、第１実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ａによれば、ワイヤハーネス２３の電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられているので、ワイヤハーネスの分岐部分から引き出してテープやコルゲートチューブで保護する分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
【００２８】
また、車両のフレーム等へプロテクタ部２１とレセプタクル部３３とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタ２７をレセプタクル部３３へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、配線時にコネクタ等を支持する治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
【００２９】
ここで、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘでは、各幹線２３ａからの電線１５が交差することにより、電線１５に嵩張りが生じる。また、レセプタクル部３３へ導かれる電線１５の引出部分Ａにおいても、各電線１５が互いに交差して嵩張りが生じる。
【００３０】
したがって、レセプタクル部３３を幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面する位置に配置すると、電線１５の嵩張りが大きくなり、プロテクタ部２１の大型化を招き、また、電線１５の配線作業も煩雑化する。
【００３１】
しかし、上記のジョイントコネクタ１１Ａでは、レセプタクル部３３が、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられているので、電線１５の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線１５の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線１５の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線２３ａが容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
【００３２】
また、ジョイントコネクタ本体１２の上面側にレセプタクル部３３が設けられているので、レセプタクル部３３へのコネクタ２７の接続作業の容易化を図ることができ、また、レセプタクル部３３の高さを抑え、よって、全体の厚みを薄くすることができる。
【００３３】
さらに、ジョイントコネクタ本体１２に装着される蓋部１３によって、電線１５の引出部分Ａを有するプロテクタ部２１及びコネクタ２７が接続されるレセプタクル部３３を覆って保護することができ、引出部分Ａ及びコネクタ２７で電線１５がバラけるような不具合が防止される。
【００３４】
ここで、本発明の更なる優位性を説明するため、図３に参考例を示す。
【００３５】
図３は参考例のジョイントコネクタの斜視図である。
【００３６】
図３に示すように、このジョイントコネクタ１は、分岐線２の端部に接続されたコネクタ３と、これらのコネクタ３が接続されるコネクタ本体４とを有している。
【００３７】
このジョイントコネクタ１のコネクタ３が接続される分岐線２は、ワイヤハーネス５の幹線５ａの接続箇所から引き出された電線からなるもので、束ねられてコルゲートチューブやテープによって保護されている。
【００３８】
また、これらの分岐線２が引き出されたワイヤハーネス５の分岐箇所は、プロテクタ６が装着されて保護されている。
【００３９】
このようなジョイントコネクタ１は、ワイヤハーネス５から分岐させた分岐線２の端部に接続されるため、ワイヤハーネス５との間の分岐線２の線長分の電線を要し、また、電線を束ねてテープやコルゲートチューブなどで保護して分岐線２とする必要があり、その分コストが嵩んでしまう。
【００４０】
また、ワイヤハーネス５の分岐箇所のプロテクタ６から離れた位置に別個にジョイントコネクタ１が設けられているので、これらのプロテクタ６とジョイントコネクタ１とを、振れ回らないように配線時にそれぞれ車両のフレーム等へ固定部品によって固定しておく必要がある。このため、これらのプロテクタ６とジョイントコネクタ１の煩雑な固定作業を要し、コストアップを招いてしまう。
【００４１】
また、ジョイントコネクタ１が、複数の分岐線２のそれぞれにコネクタ３を接続し、これらのコネクタ３をコネクタ本体４に接続する構造であるので、それぞれのコネクタ３へ分岐線２を接続する際に、それぞれのコネクタ３を支持する複数の治具が必要となり、また、コネクタ３へのコネクタ本体４の取り付け作業も別途必要となる。
【００４２】
このように、参考例に係るジョイントコネクタ１では、煩雑な固定作業や配線作業を要するとともに、部品点数が多く、コストがかかってしまうという問題がある。
【００４３】
（第２実施形態）
次に、第２実施形態に係るジョイントコネクタについて説明する。なお、上記の第１実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【００４４】
図４は第２実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図、図５は第２実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【００４５】
図４及び図５に示すように、このジョイントコネクタ１１Ｂは、４つの導入口２２を有しており、これらの導入口２２からワイヤハーネス２３を構成する４本の幹線２３ａがそれぞれ導入されている。
【００４６】
つまり、このジョイントコネクタ１１Ｂは、４本のワイヤハーネス２３の幹線２３ａが接続される４分岐のジョイントコネクタである。
【００４７】
このジョイントコネクタ１１Ｂも、レセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【００４８】
そして、第２実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ｂの場合も、ワイヤハーネス２３の電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられているので、ワイヤハーネスの分岐部分から引き出してテープやコルゲートチューブで保護する分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
【００４９】
また、車両のフレーム等へプロテクタ部２１とレセプタクル部３３とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタ２７をレセプタクル部３３へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、配線時にコネクタ等を支持する治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
【００５０】
しかも、レセプタクル部３３が、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられているので、電線１５の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線１５の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線１５の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線２３ａが容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
【００５１】
さらに、ジョイントコネクタ本体１２の上面側にレセプタクル部３３が設けられているので、レセプタクル部３３へのコネクタ２７の接続作業の容易化を図ることができ、また、レセプタクル部３３の高さを抑え、よって、全体の厚みを薄くすることができる。
【００５２】
（第３実施形態）
次に、第３実施形態に係るジョイントコネクタについて説明する。なお、上記の第１、第２実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【００５３】
図６は第３実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図、図７は第３実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【００５４】
図６及び図７に示すように、このジョイントコネクタ１１Ｃは、３つの導入口２２を有しており、これらの導入口２２からワイヤハーネス２３を構成する３本の幹線２３ａがそれぞれ導入されている。
【００５５】
つまり、このジョイントコネクタ１１Ｃは、３本のワイヤハーネス２３の幹線２３ａが接続される３分岐のジョイントコネクタである。
【００５６】
このジョイントコネクタ１１Ｃも、レセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【００５７】
このジョイントコネクタ１１Ｃでは、ジョイントコネクタ本体１２におけるプロテクタ部２１に隣接したコネクタ保持部３１の電線１５の引出部分Ａに面する側面３２に、複数のレセプタクル部３３が形成されている。
【００５８】
そして、このコネクタ保持部３１の側面３２に形成されたレセプタクル部３３に、電線１５に接続されたコネクタ２７が挿し込まれて接続される。
【００５９】
そして、第３実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ｃの場合も、ワイヤハーネス２３の電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられているので、ワイヤハーネスの分岐部分から引き出してテープやコルゲートチューブで保護する分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
【００６０】
また、車両のフレーム等へプロテクタ部２１とレセプタクル部３３とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタ２７をレセプタクル部３３へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、配線時にコネクタ等を支持する治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
【００６１】
しかも、レセプタクル部３３が、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられているので、電線１５の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線１５の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線１５の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線２３ａが容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
【００６２】
さらに、ジョイントコネクタ本体１２におけるコネクタ保持部３１の引出部分Ａに面する側面３２に、複数のレセプタクル部３３が形成されているので、引出部分Ａからの電線１５の長さを極力短くすることができる。
【００６３】
（第４実施形態）
次に、第４実施形態に係るジョイントコネクタについて説明する。なお、上記の第１、第２、第３実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【００６４】
図８は第４実施形態に係るジョイントコネクタの斜視図、図９は第４実施形態に係るジョイントコネクタの分解斜視図である。
【００６５】
図８及び図９に示すように、このジョイントコネクタ１１Ｄは、４つの導入口２２を有しており、これらの導入口２２からワイヤハーネス２３を構成する４本の幹線２３ａがそれぞれ導入されている。
【００６６】
つまり、このジョイントコネクタ１１Ｄは、４本のワイヤハーネス２３の幹線２３ａが接続される４分岐のジョイントコネクタである。
【００６７】
このジョイントコネクタ１１Ｄも、レセプタクル部３３は、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられている。
【００６８】
このジョイントコネクタ１１Ｄでは、ジョイントコネクタ本体１２におけるプロテクタ部２１に隣接したコネクタ保持部３１の電線１５の引出部分Ａに面する側面３２に、複数のレセプタクル部３３が形成されている。
【００６９】
そして、このコネクタ保持部３１の側面３２に形成されたレセプタクル部３３に、電線１５に接続されたコネクタ２７が挿し込まれて接続される。
【００７０】
そして、第４実施形態に係るジョイントコネクタ１１Ｄの場合も、ワイヤハーネス２３の電線１５の引出部分Ａを保持するプロテクタ部２１と、ワイヤハーネス２３の幹線２３ａから引き出された電線１５の端部に接続されるコネクタ２７が接続可能なレセプタクル部３３とが一体に設けられているので、ワイヤハーネスの分岐部分から引き出してテープやコルゲートチューブで保護する分岐線をなくすことができ、コストを低減させることができる。
【００７１】
また、車両のフレーム等へプロテクタ部２１とレセプタクル部３３とを別々に固定する必要もなくなり、固定作業の簡略化による作業性の大幅な向上を図ることができる。また、コネクタ２７をレセプタクル部３３へ挿し込むだけで配線することができるので、別個のコネクタ本体へコネクタを挿し込むものと比較して、配線時にコネクタ等を支持する治具の数も削減することができ、取り付け作業の容易化も図ることができる。
【００７２】
しかも、レセプタクル部３３が、プロテクタ部２１へのワイヤハーネス２３の幹線２３ａの導入方向の交差箇所Ｘに面しない位置に設けられているので、電線１５の嵩張る箇所を分散することができる。これにより、電線１５の嵩張りによる大型化を抑えることができ、また、電線１５の配線作業性も向上させることができる。つまり、複数の幹線２３ａが容易に導入可能なジョイントコネクタとすることができる。
【００７３】
さらに、ジョイントコネクタ本体１２におけるコネクタ保持部３１の引出部分Ａに面する側面３２に、複数のレセプタクル部３３が形成されているので、引出部分Ａからの電線１５の長さを極力短くすることができる。
【００７４】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【００７５】
１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ，１１Ｄ ジョイントコネクタ
１５ 電線
２１ プロテクタ部
２３ ワイヤハーネス
２３ａ 幹線
２７ コネクタ
３２ 側面
３３ レセプタクル部
Ａ 引出部分
Ｘ 交差箇所
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ワイヤハーネスの幹線から引き出された電線に接続されるジョイントコネクタであって、
前記幹線における電線の引出部分を保持するプロテクタ部と、前記幹線から引き出された電線の端部に接続されるコネクタが接続可能なレセプタクル部とが一体に設けられ、
前記プロテクタ部には、複数の前記幹線が導入され、前記レセプタクル部は、前記プロテクタ部へのそれぞれの前記幹線の導入方向の交差箇所に面しない位置に設けられていることを特徴とするジョイントコネクタ。
【請求項２】
前記レセプタクル部は、上面に設けられていることを特徴とする請求項１に記載のジョイントコネクタ。
【請求項３】
前記レセプタクル部は、前記引出部分に面する側面に設けられていることを特徴とする請求項１に記載のジョイントコネクタ。
【請求項１】
ワイヤハーネスの幹線から引き出された電線に接続されるジョイントコネクタであって、
前記幹線における電線の引出部分を保持するプロテクタ部と、前記幹線から引き出された電線の端部に接続されるコネクタが接続可能なレセプタクル部とが一体に設けられ、
前記プロテクタ部には、複数の前記幹線が導入され、前記レセプタクル部は、前記プロテクタ部へのそれぞれの前記幹線の導入方向の交差箇所に面しない位置に設けられていることを特徴とするジョイントコネクタ。
【請求項２】
前記レセプタクル部は、上面に設けられていることを特徴とする請求項１に記載のジョイントコネクタ。
【請求項３】
前記レセプタクル部は、前記引出部分に面する側面に設けられていることを特徴とする請求項１に記載のジョイントコネクタ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１２−５５０５８（Ｐ２０１２−５５０５８Ａ）
【公開日】平成２４年３月１５日（２０１２．３．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１９４４７４（Ｐ２０１０−１９４４７４）
【出願日】平成２２年８月３１日（２０１０．８．３１）
【出願人】（０００００６８９５）矢崎総業株式会社 (7,019)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月１５日（２０１２．３．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年８月３１日（２０１０．８．３１）
【出願人】（０００００６８９５）矢崎総業株式会社 (7,019)
【Ｆターム（参考）】
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