説明

ジョブ管理装置、ジョブ管理方法およびプログラム

【課題】ジョブチケットに定義された後処理が実行できなくなることを未然に防止し、業務効率の低下を抑制する。
【解決手段】ジョブ管理装置2は、複数の印刷出力装置10,20,30のうち、ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定する。またジョブ管理装置2は、複数の印刷出力装置10,20,30のうちから、ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定し、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を第2推奨装置として決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷出力装置に対して投入する印刷ジョブを管理するジョブ管理装置、そのジョブ管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプリンタが設けられた環境において、ジョブチケットに設定された印刷条件の全てを満たすプリンタ候補を抽出し、複数のプリンタ候補が抽出された場合に予め決められた優先度の設定に基づいて一のプリンタを選択することにより、その一のプリンタに対して印刷ジョブを送出するジョブ管理装置が知られている(例えば特許文献1)。この従来技術では、一のプリンタを選択する際の優先度の設定は、コストなどに基づいてオペレータが予め作成するようになっており、例えば最小待ち時間となるプリンタが優先されるような設定とすることもできるようになっている。
【0003】
また従来、印刷ジョブに対して設定された複数種類の後処理のうち、実行可能な後処理を、実行不可能な後処理に優先して実行することができるようにした印刷装置が提案されている(例えば特許文献2)。この従来技術によれば、複数種類の後処理のうち、何らかの要因で実行することができない状態となっている後処理があれば、その後処理をサスペンド状態に設定することにより、サスペンド状態に設定されていない後処理を優先的に実行することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−193572号公報
【特許文献2】特開2010−260321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えばプロダクションプリント業界では、オフィス環境に、複数の印刷出力装置が設置されると共に、それらの印刷出力装置のそれぞれにおいて製本などの目的のための様々な後処理を行うことができるようになっている。このような環境では、顧客の要望などに応じて様々な後処理が定義されたジョブチケットが生成される。そしてジョブチケットに定義されている全ての後処理を実行することが可能な印刷出力装置が存在する場合、そのような印刷出色装置に対して印刷ジョブを投入することが好ましい。
【0006】
ところが、ジョブチケットに複数種類の後処理が定義されている場合、それら複数種類の後処理の全てを、1台の印刷出力装置で実行することができないことがある。そのような場合、従来は、例えば上記特許文献2のように、1台の印刷出力装置で実行可能な後処理だけが先に実行されるようになる。
【0007】
しかしながら、ジョブチケットに定義される後処理の中には、先に別の後処理が実行されてしまうと、その後に実行することができなくなる後処理が含まれることがある。例えば、印刷物の所定位置にパンチを行い、且つ、その印刷物をステープルで平綴じする後処理が設定されている場合、パンチを行う後処理機能を備えた印刷出力装置が1枚ずつの出力用紙に対してパンチを行うものであると、先に印刷物がステープルで平綴じされてしまうと、印刷物が複数枚の束となってしまい、その後にパンチだけの後処理を行うことができなくなる。
【0008】
そのため、従来のように、単に実行可能な後処理を優先的に実行するだけでは、ジョブチケットに定義された全ての後処理を実行することができなくなる可能性がある。このような事態が発生すると、作業者が手動で印刷物にパンチを行う作業を行ったり、或いは、再度同じ印刷ジョブを別の印刷出力装置に対して始めから投入する作業を行ったりしなければならなくなり、業務効率が著しく低下するという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ジョブチケットに定義された後処理が実行できなくなることを未然に防止し、業務効率の低下を抑制できるようにしたジョブ管理装置、ジョブ管理方法およびプログラムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数の印刷出力装置のそれぞれに投入する印刷ジョブを管理するジョブ管理装置であって、印刷後に行う少なくとも1つの後処理が定義された、印刷ジョブに関するジョブチケットを受け付けるジョブ受付手段と、前記複数の印刷出力装置のそれぞれで実行可能な後処理を判別する判別手段と、前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定する第1推奨装置決定手段と、前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定し、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を第2推奨装置として決定する第2推奨装置決定手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のジョブ管理装置において、前記ジョブチケットには、印刷後に行う複数の後処理が定義されており、前記第2推奨装置決定手段は、前記ジョブチケットに定義された複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が少ない状態で特定される印刷出力装置を、キャンセルする後処理の数が多い状態で特定される印刷出力装置よりも優先的に第2推奨装置として決定することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載のジョブ管理装置において、前記第1推奨装置決定手段において第1推奨装置となる印刷出力装置が決定されなかった場合、前記第2推奨装置決定手段において第2推奨装置として決定される印刷出力装置を、印刷ジョブの投入先として決定するジョブ投入先決定手段、をさらに備えることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載のジョブ管理装置において、前記ジョブ投入先決定手段によって前記第2推奨装置決定手段において第2推奨装置として決定された印刷出力装置が印刷ジョブの投入先として決定された場合、前記複数の印刷出力装置のうちから、キャンセルされる後処理をその後に実行することが可能な印刷出力装置を特定し、その特定した印刷出力装置を報知する報知手段、をさらに備えることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項5にかかる発明は、複数の印刷出力装置のそれぞれに投入する印刷ジョブを管理するジョブ管理方法であって、(a) 印刷後に行う少なくとも1つの後処理が定義された、印刷ジョブに関するジョブチケットを受け付けるステップと、(b) 前記複数の印刷出力装置のそれぞれで実行可能な後処理を判別するステップと、(c) 前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定するステップと、(d) 前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定し、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を第2推奨装置として決定するステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載のジョブ管理方法において、前記ジョブチケットには、印刷後に行う複数の後処理が定義されており、前記ステップ(d)は、前記ジョブチケットに定義された複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が少ない状態で特定される印刷出力装置を、キャンセルする後処理の数が多い状態で特定される印刷出力装置よりも優先的に第2推奨装置として決定することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項7にかかる発明は、請求項5又は6に記載のジョブ管理方法において、(e) 前記ステップ(c)において第1推奨装置となる印刷出力装置が決定されなかった場合、前記ステップ(d)において第2推奨装置として決定される印刷出力装置を、印刷ジョブの投入先として決定するステップ、をさらに有することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載のジョブ管理方法において、(f) 前記ステップ(d)において第2推奨装置として決定された印刷出力装置が、前記ステップ(e)において印刷ジョブの投入先として決定された場合、前記複数の印刷出力装置のうちから、キャンセルされる後処理をその後に実行することが可能な印刷出力装置を特定し、その特定した印刷出力装置を報知するステップ、をさらに有することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項9にかかる発明は、複数の印刷出力装置のそれぞれに投入する印刷ジョブを管理するコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、印刷後に行う少なくとも1つの後処理が定義された、印刷ジョブに関するジョブチケットを受け付けるジョブ受付手段、前記複数の印刷出力装置のそれぞれで実行可能な後処理を判別する判別手段、前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定する第1推奨装置決定手段、および、前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定し、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を第2推奨装置として決定する第2推奨装置決定手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の印刷出力装置のうち、ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定すると共に、複数の印刷出力装置のうちから、ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定し、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を第2推奨装置として決定する。したがって、第1推奨装置として決定される印刷出力装置が存在しない場合でも、第2推奨装置として決定される印刷出力装置に印刷ジョブを投入すれば、ジョブチケットに定義されている後処理がその後に実行できなくなってしまうことを未然に防止することができるようになり、業務効率の低下を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】印刷システムの一構成例を示す図である。
【図2】ジョブ管理装置のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】装置登録情報の一例を示す図である。
【図4】禁則テーブルの一例を示す図である。
【図5】ジョブチケット解析部における処理概念を示す図である。
【図6】ジョブチケット解析部においてジョブチケットに基づいて決定される推奨装置の一例を示す図である。
【図7】ジョブチケット解析部においてジョブチケットに基づいて決定される推奨装置の他の例を示す図である。
【図8】ジョブチケット解析部においてジョブチケットに基づいて決定される推奨装置の他の例を示す図である。
【図9】ジョブチケット解析部においてジョブチケットに基づいて決定される推奨装置の他の例を示す図である。
【図10】ジョブチケット解析部においてジョブチケットに基づいて決定される推奨装置の他の例を示す図である。
【図11】表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【図12】ジョブ管理装置のCPUにおいて行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】推奨装置判定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0022】
図1は、本実施形態における印刷システム1の一構成例を示す図である。この印刷システム1は、複数の印刷出力装置10,20,30と、ジョブ管理装置2とを備えて構成される。
【0023】
複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれは、ジョブ管理装置2から投入される印刷ジョブを実行する装置であり、印刷用紙などのシート材に印刷を行う印刷処理と、その印刷処理の後に行う様々な後処理とを実行可能なように構成されている。ただし、これらの印刷出力装置10,20,30はいずれも印刷処理を行うことなく、後処理だけを行うことも可能なように構成されている。
【0024】
印刷出力装置10は、印刷装置11と、後処理装置12,13とを備えている。印刷装置11は、シート材に対する印刷処理を行う装置である。後処理装置12は、印刷装置11から出力されるシート材に対する後処理として、シート材に対する半折り、Z折り又はその他の折り加工を施す折り機能と、シート材にパンチを行うパンチ機能とを備える装置である。また後処理装置13は、後処理装置12から出力されるシート材に対する後処理として、複数枚のシート材を中綴じする機能を備える装置である。尚、「中綴じ」とは、後処理装置12において半折りされたシート材を複数枚重ねた状態でその半折りされた部分にステープルを打設することにより、小冊子状のシート束を生成する後処理である。
【0025】
印刷出力装置20は、印刷装置21と、後処理装置22とを備えている。印刷装置21は、印刷装置11と同様、シート材に対する印刷処理を行う装置である。後処理装置22は、印刷装置21から出力されるシート材に対する後処理として、複数枚のシート材を平綴じする機能を備える装置である。尚、「平綴じ」とは、シート材を複数枚重ねた状態で、例えば左端部分などの所定位置にステープルを打設することにより、平らな状態に綴じられたシート束を生成する後処理である。
【0026】
印刷出力装置30は、印刷装置31と、後処理装置32とを備えている。印刷装置31は、印刷装置11,21と同様、シート材に対する印刷処理を行う装置である。後処理装置32は、印刷装置31から出力されるシート材に対する後処理として、複数枚のシート材に対するくるみ製本を行う機能を備える装置である。尚、「くるみ製本」とは、シート材を複数枚重ねた状態で、その背部分を、表紙となるシート材で接着してくるんだ状態の製本加工を行う後処理である。
【0027】
このように本実施形態では、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれにおいて実行可能な後処理が異なったものとなっている。尚、本実施形態では説明を簡単にするため、3台の印刷出力装置10,20,30が設けられている場合を例示するが、これよりも多くの印刷出力装置が設けられていても良い。また、そのような印刷出力装置には、印刷装置が設けられておらず、後処理装置のみで構成される装置が含まれていても良い。
【0028】
ジョブ管理装置2は、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれに投入する印刷ジョブを管理する装置である。このジョブ管理装置2は、図2に示すように、例えば一般的なコンピュータによって構成される。そのコンピュータには、例えばCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型の記録媒体9などから、予めジョブ管理用のプログラムがインストールされている。そのようなプログラムがコンピュータにおいて実行されることにより、一般的なコンピュータがジョブ管理装置2として機能する。
【0029】
図2は、ジョブ管理装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、ジョブ管理装置2は、そのハードウェア構成として、CPU40と、ハードディスク装置などで構成される不揮発性の記憶装置41と、液晶ディスプレイなどで構成される表示装置42と、キーボードやマウスで構成される操作入力装置43とを備えている。尚、ジョブ管理装置2は、この他にも、メモリや、各種通信を行うための通信インタフェースなどが設けられるが、それらについては図示を省略している。
【0030】
記憶装置41には、上述したように予めインストールされるジョブ管理用のプログラム8が記憶されている。この他にも、記憶装置41には、装置登録情報45と、禁則テーブル46とが予め記憶されている。装置登録情報45は、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれにおいて実行可能なジョブが予め登録された情報である。また禁則テーブル46には、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれで実行可能な後処理のうち、先に行う後処理と、後に行う後処理とが組み合わせ可能であるか否かを示す情報が登録されている。尚、装置登録情報45および禁則テーブル46の一例については後に詳しく説明する。
【0031】
CPU40は、記憶装置41に記憶されているプログラム8を読み出して実行することにより、ジョブ受付部51、判別部52、ジョブチケット解析部53、ジョブ投入先決定部56および報知処理部57として機能する。
【0032】
ジョブ受付部51は、複数の印刷出力装置10,20,30のいずれかで実行する印刷ジョブの入力を受け付けるものである。印刷ジョブには、印刷処理を行う際に適用する印刷設定や、後処理を行う際に適用する後処理設定など、印刷ジョブに関する詳細な処理の設定が定義されたジョブチケットが添付される。例えば、プロダクションプリント業界などにおいては、顧客の要望に応じて様々な後処理などが定義されたジョブチケットが作成され、印刷ジョブに添付される。ジョブ受付部51は、印刷ジョブの入力を受け付けると、それに添付されているジョブチケットを同時に取得する。本実施形態では、そのようなジョブチケットに、印刷後に行う少なくとも1つの後処理が定義されているものとする。そしてジョブ受付部51は、印刷ジョブの入力を受け付けると、それに添付されているジョブチケットを抽出し、そのジョブチケットをジョブチケット解析部53に出力する。
【0033】
判別部52は、ジョブ管理装置2が管理する複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれで実行可能な処理を判別する処理部である。すなわち、この判別部52は、記憶装置41に予め記憶されている装置登録情報45を読み出して参照することにより、各印刷出力装置10,20,30で実行可能な処理を判別する。
【0034】
図3は、装置登録情報45の一例を示す図である。図3に示すように、装置登録情報45は、各印刷出力装置10,20,30について、装置名、アドレス、印刷情報および後処理情報が登録された情報となっている。尚、図3の例では、装置名「MFP1」が印刷出力装置10に対応し、装置名「MFP2」が印刷出力装置20に対応し、装置名「MFP3」が印刷出力装置30に対応している。
【0035】
印刷情報には、各印刷出力装置10,20,30の印刷装置11,21,31において実行可能な印刷設定に関する情報が登録されている。例えば、印刷時に選択可能なシートサイズや、印刷時に選択可能なカラー設定などが登録されている。図3の例では、装置名「MFP1」の印刷出力装置10と装置名「MFP2」の印刷出力装置20とが、同じ印刷処理を実行することができる内容となっている。また装置名「MFP3」の印刷出力装置30は、レターサイズのシート材に印刷を行うことができない点を除き、他の印刷出力装置10,20と同じ印刷処理を行うことができる内容となっている。
【0036】
後処理情報には、各印刷出力装置10,20,30の後処理装置12,13,22,32において実行可能な後処理設定に関する情報が登録されている。すなわち、装置名「MFP1」の印刷出力装置10に対応する後処理情報には、後処理として、「折り」、「パンチ」および「中綴じ」が実行可能であることを示す情報が登録されている。また装置名「MFP2」の印刷出力装置20に対応する後処理情報には、後処理として、「平綴じ」が実行可能であることを示す情報が登録されている。さらに装置名「MFP3」の印刷出力装置30に対応する後処理情報には、後処理として、「くるみ製本」が実行可能であることを示す情報が登録されている。
【0037】
判別部52は、このような装置登録情報45を参照することにより、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれで実行可能な処理を判別する。そして判別部52は、各印刷出力装置10,20,30で実行可能な処理をジョブチケット解析部53に通知する。
【0038】
ジョブチケット解析部53は、ジョブ受付部51から出力されるジョブチケットを取得すると、そのジョブチケットを解析することにより、複数の印刷出力装置10,20,30の中から、印刷ジョブの投入先として推奨する装置を決定する。より具体的に説明すると、ジョブチケット解析部53は、複数の印刷出力装置10,20,30の中から印刷ジョブの投入先として1台の推奨装置を決定するのではなく、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれについて推奨レベルを決定するように構成される。つまり、ジョブチケット解析部53は、第1推奨装置決定部54と、第2推奨装置決定部55とを備えており、これら第1推奨装置決定部54および第2推奨装置決定部55において各印刷出力装置10,20,30の推奨レベルが決定されるようになっている。
【0039】
第1推奨装置決定部54は、複数の印刷出力装置10,20,30のうち、ジョブチケットに定義されている処理をキャンセルすることなく、全ての処理を実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定する処理部である。第1推奨装置決定部54において第1推奨装置として決定される印刷出力装置は、ジョブチケットに定義されている処理の全てを1台で完了させることができる装置であるため、ジョブチケットに複数の後処理が定義されている場合には、それら複数の後処理についても全て正常に実行して完了させることができる装置となる。したがって、第1推奨装置は、推奨レベルが最も高い装置となっている。
【0040】
第2推奨装置決定部55は、複数の印刷出力装置10,20,30のうちから第1推奨装置として決定された装置を除く印刷出力装置の推奨レベルを決定する。つまり、第2推奨装置決定部55は、第1推奨装置よりも推奨レベルが低い装置を決定する処理部である。この第2推奨装置決定部55は、複数の印刷出力装置10,20,30のうち、第1推奨装置として決定されなかった装置において、ジョブチケットに定義されている少なくとも1つの後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定する。そして第2推奨装置決定部55は、記憶装置41に記憶されている禁則テーブル46に基づいて、少なくとも1つの後処理をキャンセルする場合、そのキャンセルする後処理がその後に実行可能であるか否かを判別する。
【0041】
図4は、禁則テーブル46の一例を示す図である。図4に示すように、禁則テーブル46には、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれで実行可能な後処理の組み合わせが登録されている。そして禁則テーブル46は、それぞれの後処理の組み合わせが実行可能であるか否かを定義したテーブルとなっている。例えば、複数枚のシート材を綴じるための後処理である、「平綴じ」、「中綴じ」および「くるみ製本」はいずれも同時に設定して実行することはできない組み合わせとなっている。また、「折り」および「パンチ」は、「平綴じ」、「中綴じ」および「くるみ製本」よりも先に実行しなければならず、「平綴じ」、「中綴じ」および「くるみ製本」のいずれかが先に実行されてしまうとその後に実行することができない後処理となっている。さらに「パンチ」は、「折り」よりも先に実行しなければならず、「折り」が先に実行されてしまうとその後に実行することができない後処理となっている。このように禁則テーブル46には、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれで実行可能な複数の後処理のうち、いずれかを先に実行すると、その後に実行することができなくなる後処理が定義されている。
【0042】
第2推奨装置決定部55は、ジョブチケットに定義されている少なくとも1つの後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置が特定した場合、図4に示すような禁則テーブル46に基づいて、キャンセルする後処理がその後に実行可能であるか否かを判別する。そしてキャンセルする後処理がその後に実行可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を、第1推奨装置よりも推奨レベルが低い推奨装置として決定する。
【0043】
この第2推奨装置決定部55は、ジョブチケットに定義されている複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が少ない順に、推奨レベルの高い推奨装置を決定していく。すなわち、ジョブチケットに定義されている複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が1つであって、その1つの後処理をその後に実行することが可能である場合、その1つの後処理をキャンセルすることによって印刷ジョブを実行することができるようになる印刷出力装置を、第2推奨装置として決定する。また、ジョブチケットに定義されている複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が2つであって、それら2つの後処理をその後に実行することが可能である場合、それら2つの後処理をキャンセルすることによって印刷ジョブを実行することができるようになる印刷出力装置を、第3推奨装置として決定する。さらに、ジョブチケットに定義されている複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が3つであって、それら3つの後処理をその後に実行することが可能である場合、それら3つの後処理をキャンセルすることによって印刷ジョブを実行することができるようになる印刷出力装置を、第4推奨装置として決定する。以下、同様である。尚、第2推奨装置は第3推奨装置よりも推奨レベルが高い装置であり、第3推奨装置は第4推奨装置よりも推奨レベルが高い装置である。このように第2推奨装置決定部55は、キャンセルする後処理の数が少ない装置から優先的に推奨装置を決定していくように構成される。
【0044】
図5は、上記のように構成されるジョブチケット解析部53における処理概念を示す図である。少なくとも1つの後処理が定義されたジョブチケットJTがジョブチケット解析部53に入力すると、ジョブチケット解析部53は、上述したように第1推奨装置決定部54および第2推奨装置決定部55を機能させ、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれを、第1推奨装置D1、第2推奨装置D2、第3推奨装置D3、…といった複数種類の推奨装置のいずれかに分類する。
【0045】
また複数の印刷出力装置10,20,30には、ジョブチケットJTに定義されている複数の後処理の全てをキャンセルした場合でも、印刷ジョブを実行することができない印刷出力装置が含まれることがある。そのような場合、ジョブチケット解析部53は、図5に示すように、後処理の全てをキャンセルしても印刷ジョブを実行することができない印刷出力装置を、非推奨装置DXとして決定する。
【0046】
次に図6乃至図10を参照しつつ、ジョブチケットJTに定義される具体的な処理内容を例示しながら、ジョブチケット解析部53で決定される各推奨装置について説明する。
【0047】
まず図6の例では、ジョブチケットJTにおいて、印刷処理として「A4サイズのシート材を用いて30ページのカラー印刷」を行うことが定義されており、且つ、後処理として「中綴じ」を行うことが定義されている。ジョブチケット解析部53は、このようなジョブチケットJTを入力すると、ジョブチケットJTに定義されている全ての処理を実行することができる第1推奨装置として、装置名「MFP1」に対応する印刷出力装置10を決定する。すなわち、印刷出力装置10は、図6に示すジョブチケットJTに定義されている処理を1つもキャンセルすることなく、全ての処理を実行することが可能であるので、第1推奨装置として決定される。またジョブチケット解析部53は、他の印刷出力装置20,30についても推奨レベルを決定する。すなわち、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20は、「中綴じ」の後処理を1つだけキャンセルすれば、ジョブチケットJTに定義されている他の処理を全て実行することが可能である。また、装置名「MFP3」に対応する印刷出力装置30についても、「中綴じ」の後処理を1つだけキャンセルすれば、ジョブチケットJTに定義されている他の処理を全て実行することが可能である。そして「中綴じ」の後処理は、印刷ジョブを実行した後に、それ単独であらためて実行することも可能である。それ故、ジョブチケット解析部53は、印刷出力装置20,30を第2推奨装置として決定する。その結果、図6に示す例では、印刷出力装置10が第1推奨装置として決定され、印刷出力装置20,30が第2推奨装置として決定される。
【0048】
次に図7の例では、ジョブチケットJTにおいて、印刷処理として「A4サイズのシート材を用いて30ページのカラー印刷」を行うことが定義されており、且つ、後処理として「くるみ製本」を行うことが定義されている。ジョブチケット解析部53は、このようなジョブチケットJTを入力すると、ジョブチケットJTに定義されている全ての処理を実行することができる第1推奨装置として、装置名「MFP3」に対応する印刷出力装置30を決定する。すなわち、印刷出力装置30は、図7に示すジョブチケットJTに定義されている処理を1つもキャンセルすることなく、全ての処理を実行することが可能であるので、第1推奨装置として決定される。またジョブチケット解析部53は、他の印刷出力装置10,20についても推奨レベルを決定する。すなわち、装置名「MFP1」に対応する印刷出力装置10は、「くるみ製本」の後処理を1つだけキャンセルすれば、ジョブチケットJTに定義されている他の処理を全て実行することが可能である。また、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20についても、「くるみ製本」の後処理を1つだけキャンセルすれば、ジョブチケットJTに定義されている他の処理を全て実行することが可能である。そして「くるみ製本」の後処理は、印刷ジョブを実行した後に、それ単独であらためて実行することも可能である。それ故、ジョブチケット解析部53は、印刷出力装置10,20を第2推奨装置として決定する。その結果、図7に示す例では、印刷出力装置30が第1推奨装置として決定され、印刷出力装置10,20が第2推奨装置として決定される。
【0049】
次に図8の例では、ジョブチケットJTにおいて、印刷処理として「A4サイズのシート材を用いて30ページのカラー印刷」を行うことが定義されており、且つ、後処理として「パンチ」と「平綴じ」とを行うことが定義されている。ジョブチケット解析部53は、このようなジョブチケットJTを入力すると、複数の印刷出力装置10,20,30の中に、ジョブチケットJTに定義されている全ての処理を実行することができる第1推奨装置が存在するか否かを判断する。しかし、図1に示す構成例では、後処理として「パンチ」と「平綴じ」とを同時に行うことができる印刷出力装置は存在しない。そのため、ジョブチケット解析部53は、ジョブチケットJTに定義されている全ての処理を1回で実行することができる第1推奨装置が存在しないと判定する。
【0050】
次にジョブチケット解析部53は、ジョブチケットJTに定義されている2つの後処理のうち、いずれか一方をキャンセルすれば、印刷ジョブを実行可能となる印刷出力装置が存在するか否かを判断する。例えば、「平綴じ」を1つだけキャンセルする場合、装置名「MFP1」に対応する印刷出力装置10は、「平綴じ」以外の処理を全て実行することができる。また、キャンセルされる「平綴じ」は、図4に示す禁則テーブル46を参照すると、先に「パンチ」の後処理が行われた後であっても、それ単独であらためて実行することが可能である。そのため、ジョブチケット解析部53は、装置名「MFP1」に対応する印刷出力装置10を第2推奨装置として決定する。
【0051】
一方、「パンチ」を1つだけキャンセルする場合、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20は、「パンチ」以外の処理を全て実行することができる。しかし、キャンセルされる「パンチ」は、図4に示す禁則テーブル46を参照すると、先に「平綴じ」の後処理が行われた後には実行することができない後処理である。そのため、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20は、第2推奨装置には決定されない。
【0052】
さらにジョブチケット解析部53は、ジョブチケットJTに定義されている2つの後処理の全てをキャンセルすれば、印刷ジョブを実行可能となる印刷出力装置が存在するか否かを判断する。例えば、「パンチ」と「平綴じ」との2つをキャンセルする場合、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20は、「パンチ」および「平綴じ」以外の処理を全て実行することができる。また、装置名「MFP3」に対応する印刷出力装置30についても、「パンチ」および「平綴じ」以外の処理を全て実行することができる。そしてキャンセルされる「パンチ」と「平綴じ」は、図4に示す禁則テーブル46を参照すると、先に「パンチ」を行い、その次に「平綴じ」を行うようにすれば、その後に実行することが可能である。そのため、ジョブチケット解析部53は、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20と、装置名「MFP3」に対応する印刷出力装置30との双方を第3推奨装置として決定する。
【0053】
その結果、図8に示す例では、第1推奨装置として決定される印刷出力装置は存在せず、印刷出力装置10が第2推奨装置として決定され、印刷出力装置20,30が第3推奨装置として決定される。
【0054】
次に図9の例では、ジョブチケットJTにおいて、印刷処理として「A4サイズのシート材を用いて30ページのカラー印刷」を行うことが定義されており、且つ、後処理として「折り」と「平綴じ」とを行うことが定義されている。ジョブチケット解析部53は、このようなジョブチケットJTを入力すると、複数の印刷出力装置10,20,30の中に、ジョブチケットJTに定義されている全ての処理を実行することができる第1推奨装置が存在するか否かを判断する。しかし、図1に示す構成例では、後処理として「折り」と「平綴じ」とを同時に行うことができる印刷出力装置は存在しない。そのため、ジョブチケット解析部53は、ジョブチケットJTに定義されている全ての処理を1回で実行することができる第1推奨装置が存在しないと判定する。
【0055】
次にジョブチケット解析部53は、ジョブチケットJTに定義されている2つの後処理のうち、いずれか一方をキャンセルすれば、印刷ジョブを実行可能となる印刷出力装置が存在するか否かを判断する。例えば、「平綴じ」を1つだけキャンセルする場合、装置名「MFP1」に対応する印刷出力装置10は、「平綴じ」以外の処理を全て実行することができる。また、キャンセルされる「平綴じ」は、図4に示す禁則テーブル46を参照すると、先に「折り」の後処理が行われた後であっても、それ単独であらためて実行することが可能である。そのため、ジョブチケット解析部53は、装置名「MFP1」に対応する印刷出力装置10を第2推奨装置として決定する。
【0056】
一方、「折り」を1つだけキャンセルする場合、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20は、「折り」以外の処理を全て実行することができる。しかし、キャンセルされる「折り」は、図4に示す禁則テーブル46を参照すると、先に「平綴じ」の後処理が行われた後には実行することができない後処理となっている。そのため、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20は、第2推奨装置には決定されない。
【0057】
さらにジョブチケット解析部53は、ジョブチケットJTに定義されている2つの後処理の全てをキャンセルすれば、印刷ジョブを実行可能となる印刷出力装置が存在するか否かを判断する。例えば、「折り」と「平綴じ」との2つをキャンセルする場合、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20は、「折り」および「平綴じ」以外の処理を全て実行することができる。また、装置名「MFP3」に対応する印刷出力装置30についても、「折り」および「平綴じ」以外の処理を全て実行することができる。そしてキャンセルされる「折り」と「平綴じ」は、図4に示す禁則テーブル46を参照すると、先に「折り」を行い、その次に「平綴じ」を行うようにすれば、その後に実行することが可能である。そのため、ジョブチケット解析部53は、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20と、装置名「MFP3」に対応する印刷出力装置30との双方を第3推奨装置として決定する。
【0058】
その結果、図9に示す例でも、第1推奨装置として決定される印刷出力装置は存在せず、印刷出力装置10が第2推奨装置として決定され、印刷出力装置20,30が第3推奨装置として決定される。
【0059】
次に図10の例では、ジョブチケットJTにおいて、印刷処理として「レターサイズのシート材を用いて30ページのカラー印刷」を行うことが定義されており、且つ、後処理として「平綴じ」を行うことが定義されている。ジョブチケット解析部53は、このようなジョブチケットJTを入力すると、複数の印刷出力装置10,20,30の中に、ジョブチケットJTに定義されている全ての処理を実行することができる第1推奨装置が存在するか否かを判断する。この場合、装置名「MFP2」に対応する印刷出力装置20が全ての処理を実行することができるので、ジョブチケット解析部53は、印刷出力装置20を第1推奨装置として決定する。
【0060】
次にジョブチケット解析部53は、ジョブチケットJTに定義されている「平綴じ」をキャンセルすれば、印刷ジョブを実行可能となる印刷出力装置が存在するか否かを判断する。例えば、装置名「MFP1」に対応する印刷出力装置10は、「平綴じ」以外の処理を全て実行することができる。また、キャンセルされる「平綴じ」の後処理は、印刷ジョブを実行した後であっても、それ単独であらためて実行することも可能である。それ故、ジョブチケット解析部53は、印刷出力装置10を第2推奨装置として決定する。
【0061】
一方、ジョブチケットJTに定義されている「平綴じ」をキャンセルした場合でも、装置名「MFP3」に対応する印刷出力装置30は、レターサイズの印刷出力を行うことはできない。そのため、ジョブチケット解析部53は、印刷出力装置30を非推奨装置として決定する。
【0062】
その結果、図10に示す例では、印刷出力装置20が第1推奨装置として決定され、印刷出力装置10が第2推奨装置として決定される。また印刷出力装置30は非推奨装置として決定される。
【0063】
ジョブチケット解析部53によって上記のような処理が行われることにより、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれが、ジョブチケットJTの内容に応じた推奨レベルに分類される。そして図2に示すように、CPU40において、ジョブ投入先決定部56と報知処理部57とが機能する。
【0064】
ジョブ投入先決定部56は、複数の印刷出力装置10,20,30の中から、印刷ジョブの投入先となる印刷出力装置を決定する処理部である。このジョブ投入先決定部56は、ジョブチケット解析部53によって推奨装置として決定された印刷出力装置の中から、最も推奨レベルの高い印刷出力装置を印刷ジョブの投入先として仮決定する。例えば、複数の印刷出力装置10,20,30のうちのいずれかの装置が第1推奨装置として決定されている場合、その第1推奨装置として決定された印刷出力装置を印刷ジョブの投入先として仮決定する。また第1推奨装置として決定された印刷出力装置が存在しない場合には、第2推奨装置として決定された印刷出力装置を印刷ジョブの投入先として仮決定する。このように、ジョブ投入先決定部56は、推奨レベルの高い装置から順に1つの印刷出力装置を自動選択することにより、ジョブチケットJTに定義された各処理を最も効率良く実行することができる印刷出力装置を印刷ジョブの投入先として仮決定することができる。
【0065】
報知処理部57は、ジョブチケット解析部53による分類結果と、ジョブ投入先決定部56による仮決定の結果とを表示装置42に表示することによってオペレータに報知する処理部である。
【0066】
図11は、表示装置42に表示される画面の一例を示す図である。尚、図11では、ジョブチケット解析部53において図8に示したような処理が行われた結果、表示装置42に表示される画面例を示している。図11に示すように、この画面には、ジョブチケットJTの詳細な内容を表示するジョブチケット表示欄R1と、ジョブチケット解析部53によって分類された印刷出力装置の一覧を表示する推奨装置リスト表示欄R2と、オペレータに対するメッセージなどを表示するメッセージ表示欄R3とが含まれる。推奨装置リスト表示欄R2には、推奨レベルの高いものから順に印刷出力装置の一覧がリスト表示されるようになっている。尚、非推奨装置は、推奨装置リスト表示欄R2に表示しないようにしても良い。
【0067】
図11に示す画面例では、第1推奨装置として決定された印刷出力装置が存在しないため、第2推奨装置として決定された装置名「MFP1」の印刷出力装置10が印刷ジョブの投入先として仮決定された状態を示している。このようにジョブ投入先決定部56によって第1推奨装置よりも推奨レベルの低い装置が印刷ジョブの投入先として仮決定されている場合、報知処理部57は、その仮決定された印刷出力装置へ印刷ジョブが投入されることによってキャンセルされる後処理を、その後に実行することが可能な印刷出力装置を特定し、その特定した印刷出力装置をメッセージ表示欄R3に表示する。図11に示す画面例では、第2推奨装置に印刷ジョブを投入した場合、平綴じがキャンセルされるため、その後に平綴じだけを実行することができる印刷出力装置として、装置名「MFP2」を表示した状態を示している。
【0068】
報知処理部57は、このような画面を表示装置42に表示することにより、印刷ジョブの投入操作を行うオペレータに対し、ジョブチケットJTに対応する印刷ジョブを効率的に実行することができる印刷出力装置を教示することができる。
【0069】
図11に示すような画面が表示されているとき、オペレータによってOKボタンが操作されると、ジョブ投入先決定部56は、仮決定していた印刷ジョブの投入先を確定させる。そしてジョブ投入先決定部56は、確定した印刷ジョブの投入先に対して印刷ジョブを出力する。このとき、ジョブ投入先決定部56は、必要に応じて、ジョブチケットJTに定義されている後処理をキャンセルする設定に書き換えて印刷ジョブを出力する。
【0070】
また図11に示すような画面が表示されているとき、オペレータは、仮決定されている印刷ジョブの投入先を変更する操作を行うこともできる。この場合、ジョブ投入先決定部56は、オペレータによる変更操作に基づいて印刷ジョブの投入先を変更し、その変更後の投入先を確定させる。そしてジョブ投入先決定部56は、上記と同様に、必要に応じてジョブチケットJTに定義されている後処理をキャンセルする設定に書き換え、印刷ジョブを確定した投入先に出力する。
【0071】
次に上記のような構成を有するジョブ管理装置2における具体的な処理手順について説明する。図12乃至図13は、上述したプログラム8が実行されることによりジョブ管理装置2のCPU40において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU40は、この処理を開始すると、印刷ジョブの受け付けが行われるまで待機する状態となる(ステップS10)。尚、印刷ジョブが受け付けられると、それと同時にジョブチケットJTがCPU40に入力する。印刷ジョブを受け付けた場合(ステップS10でYES)、CPU40は、装置登録情報45を読み出し(ステップS11)、さらに禁則テーブル46を読み出す(ステップS12)。そしてCPU40は、装置登録情報45に登録されている複数の印刷出力装置10,20,30のうちの1つの印刷出力装置の印刷情報と後処理情報とを抽出する(ステップS13)。そしてCPU40は、ステップS13で抽出した1つの印刷出力装置の印刷情報と後処理情報とに基づき、推奨装置判定処理を実行する(ステップS14)。この推奨装置判定処理では、抽出した1つの印刷出力装置に関する推奨レベルが判定される。尚、この推奨装置判定処理の詳細については後述する。
【0072】
CPU40は、推奨装置判定処理(ステップS14)を終了すると、装置登録情報45に登録されている全ての印刷出力装置について推奨装置判定処理(ステップS14)が実行されたか否かを判断する(ステップS15)。その結果、未だ推奨装置判定処理の実行されていない印刷出力装置が存在する場合(ステップS15でNO)、CPU40は、別の印刷出力装置の印刷情報と後処理情報とを装置登録情報45から抽出する(ステップS16)。そしてCPU40は、ステップS16で抽出した1つの印刷出力装置の印刷情報と後処理情報とに基づき、再び推奨装置判定処理を実行する(ステップS14)。このようなステップS14〜S16の処理が繰り返し行われることにより、装置登録情報45に登録されている全ての印刷出力装置について推奨装置判定処理(ステップS14)が実行される。その結果、装置登録情報45に登録されている各印刷出力装置10,20,30が推奨装置と非推奨装置のいずれかに分類される。推奨装置に分類される印刷出力装置の場合は、さらに推奨レベルに応じた推奨装置として決定される。
【0073】
そして全ての印刷出力装置10,20,30についての推奨装置判定処理を終了すると(ステップS15でYES)、CPU40は、最も推奨レベルの高い印刷出力装置を1つ選択して印刷ジョブの投入先として仮決定する(ステップS17)。そしてCPU40は、表示装置42に対し、推奨装置の一覧画面を表示する(ステップS18)。このとき、印刷ジョブの投入先として仮決定されている推奨装置には、例えばハイライト表示などの強調表示を行うことで、オペレータに対し、印刷ジョブを最も効率的に実行することができるようになる印刷出力装置を提示することができる。
【0074】
またCPU40は、推奨装置の一覧画面を表示することに伴い、印刷ジョブの投入先として仮決定されている印刷出力装置に印刷ジョブを投入する場合、後処理のキャンセルが発生するか否かを判断する(ステップS19)。その結果、後処理のキャンセルが発生する場合には(ステップS19でYES)、CPU40は、そのキャンセルされる後処理をその後に実行することが可能な印刷出力装置をメッセージ表示欄R3などにおいて報知する(ステップS20)。例えば、印刷ジョブの投入先として仮決定されている推奨装置が第2推奨装置や第3推奨装置など、第1推奨装置以外の推奨装置であれば、ステップS20の処理が行われ、キャンセルされる後処理をその後に実行することが可能な印刷出力装置が報知される。これに対し、印刷ジョブの投入先として仮決定されている推奨装置が第1推奨装置である場合は、ステップS20の処理は行われず、スキップする。
【0075】
そしてオペレータにより印刷ジョブの投入先を確定させる操作が行われると(ステップS21でYES)、CPU40は、印刷ジョブの投入先を確定し(ステップS22)、その確定した投入先に対して印刷ジョブを出力する(ステップS23)。このとき、必要に応じて、ジョブチケットJTの内容が書き換えられる。
【0076】
またオペレータによって行われた操作が印刷ジョブの投入先を確定させる操作でなかった場合(ステップS21でNO)、ステップS17に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。例えばオペレータが、印刷ジョブの投入先として仮決定されている推奨装置を別の推奨装置に変更する操作を行った場合には、オペレータの指示操作に基づいて仮決定の推奨装置を変更し、再びステップS17〜S21の処理が行われる。
【0077】
次に図13は、推奨装置判定処理(ステップS14)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU40は、この処理を開始すると、ジョブチケットJTに定義された後処理の数M(ただし、MはM>0を満たす整数)を取得する。次に、CPU40は、推奨レベルを決定するための変数Nを「1」に初期化する(ステップS31)。
【0078】
次に、CPU40は、図12のステップS13又はS16で抽出した印刷情報および後処理情報に基づき、現在の判定対象である印刷出力装置においてジョブチケットJTに定義されている全ての処理を実行可能であるか否かを判断する(ステップS32)。その結果、判定対象である印刷出力装置においてジョブチケットJTに定義された処理を全て実行可能である場合(ステップS32でYES)、CPU40は、その印刷出力装置を第1推奨装置として決定する(ステップS37)。
【0079】
一方、判定対象である印刷出力装置においてジョブチケットJTに定義されている全ての処理を実行可能でない場合(ステップS32でNO)、CPU40は、ジョブチケットJTに定義されたN個の後処理をキャンセルすることにより、印刷出力装置においてその他の処理を全て実行することが可能になるか否かを判断する(ステップS33)。その結果、印刷出力装置において実行可能になると判断すると(ステップS33でYES)、CPU40は、禁則テーブル46を参照し(ステップS34)、キャンセルするN個の後処理をその後に実行することが可能であるか否かを判断する(ステップS35)。
【0080】
キャンセルするN個の後処理の全てをその後に実行することが可能である場合(ステップS35でYES)、CPU40は、変数Nの値に「1」を加算する(ステップS36)。そして、その印刷出力装置を第N推奨装置として決定する(ステップS37)。
【0081】
またジョブチケットJTに定義されたN個の後処理をキャンセルするだけでは、その印刷出力装置においてその他の処理の全て実行することができない場合(ステップS33でNO)、又は、キャンセルするN個の後処理のいずれか1つをその後に実行することができなくなる場合(ステップS35でNO)、CPU40は、変数Nの値に「1」を加算する(ステップS38)。そして変数Nの値が、ジョブチケットJTに定義された後処理の数Mよりも大きくなったか否かを判断する(ステップS39)。そして変数Nの値が、後処理の数M以下である場合(ステップS39でNO)、CPU40は、ステップS33に戻って上述した処理を繰り返す。このとき、変数Nの値は、前回よりも1つだけ大きくなっている。そのため、ステップS33〜S35の処理が繰り返し行われるときには、ジョブチケットJTに定義されている後処理を前回よりも1つだけ多くキャンセルした場合に、その印刷出力装置においてその他の処理を全て実行することが可能になるか否かが判断されるようになる。そしてN個の後処理をキャンセルすれば実行可能となり、且つ、そのキャンセルするN個の後処理の全てをその後に実行することができる場合には(ステップS35でYES)、上記と同様に、変数Nの値に「1」を加算し(ステップS36)、その印刷出力装置を第N推奨装置として決定する(ステップS37)。
【0082】
例えば、ステップS36〜S37の処理が行われるとき、キャンセルする後処理の数が1個である場合、ステップS36においてN=2となるため、ステップS37では第2推奨装置として決定される。また、キャンセルする後処理の数が2個である場合、ステップS36においてN=3となるため、ステップS37では第3推奨装置として決定される。このようにキャンセルする後処理の数に応じて、変数Nの値がインクリメントされるため、変数Nの値が推奨レベルを定める値となる。
【0083】
またステップS39の判断を行った結果、変数Nの値が、ジョブチケットJTに定義されている後処理の数Mよりも大きくなった場合(ステップS39でYES)、それ以上の後処理をキャンセルすることはできないため、CPU40は、その印刷出力装置を非推奨装置として決定する(ステップS40)。
【0084】
このように推奨装置判定処理(ステップS14)では、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれが判定対象となる。そして判定対象である印刷出力装置がジョブチケットJTに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な場合には、その印刷出力装置が第1推奨装置として決定される。また、判定対象である印刷出力装置がジョブチケットJTに定義された後処理を実行することができない場合であっても、ジョブチケットJTに定義された後処理をキャンセルした場合に印刷ジョブを実行することが可能となり、且つ、そのキャンセルする後処理をその後に実行することが可能である場合には、その印刷出力装置は第1推奨装置よりも推奨レベルの低い推奨装置として決定される。さらに判定対象である印刷出力装置が上記のいずれにも該当しない場合には、非推奨装置として決定される。
【0085】
以上のように本実施形態のジョブ管理装置2は、複数の印刷出力装置10,20,30のうち、ジョブチケットJTに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定する。また、複数の印刷出力装置10,20,30のうちで第1推奨装置として決定されない印刷出力装置については、ジョブチケットJTに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能であれば、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その印刷出力装置を第2推奨装置として決定する構成である。
【0086】
つまり、ジョブ管理装置2は、ジョブチケットJTに定義される後処理の全てを実行することができなくなるような処理順序となる印刷出力装置を印刷ジョブの投入先として推奨しないようになっている。したがって、ジョブ管理装置2によって印刷ジョブの投入先として推奨される推奨装置に印刷ジョブを投入することにより、ジョブチケットJTに定義された後処理がキャンセルされた状態で印刷ジョブの実行が行われる場合であっても、そのキャンセルされる後処理をその後に別の印刷出力装置などで実行することができる。それ故、本実施形態のジョブ管理装置2によれば、複数の印刷出力装置10,20,30のうちの一の印刷出力装置に印刷ジョブを投入した後、ジョブチケットJTに予め定義されていた後処理を作業者が手作業で行わなければならなくなるといった不具合を解消することができ、業務効率の低下を抑制することができるようになる。
【0087】
またジョブチケットJTに、印刷後に行う複数の後処理が定義されている場合、本実施形態のジョブ管理装置は、そのジョブチケットJTに定義されている複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が少ない状態で特定される印刷出力装置を、キャンセルする後処理の数が多い状態で特定される印刷出力装置よりも優先的に第2推奨装置として決定する構成である。
【0088】
つまり、ジョブ管理装置2は、印刷ジョブを投入する際にキャンセルしなければならない後処理の数を少なくすることができる印刷出力装置から優先的に第2推奨装置を決定する。したがって、そのようにして優先的に決定される第2推奨装置に印刷ジョブを投入することにより、その後にキャンセルされた後処理だけを実行する際に処理効率が向上するという利点がある。
【0089】
またジョブ管理装置2は、第1推奨装置となる印刷出力装置が決定されなかった場合には、第2推奨装置として決定される印刷出力装置を印刷ジョブの投入先として仮決定する構成である。つまり、ジョブ管理装置2において印刷ジョブの投入先として仮決定される印刷出力装置は、第1推奨装置が存在しない場合、第2推奨装置となる。そのため、印刷ジョブを投入する際に後処理をキャンセルしなければならない場合でも、その後にそのキャンセルした後処理を実行することが可能になる印刷出力装置を印刷ジョブの投入先として仮決定することができる。尚、印刷ジョブの投入先として仮決定される印刷出力装置は、オペレータが変更する操作を行うことにより、変更することも可能である。
【0090】
またジョブ管理装置2は、第2推奨装置として決定された印刷出力装置が印刷ジョブの投入先として仮決定された場合、複数の印刷出力装置10,20,30のうちから、キャンセルされる後処理をその後に実行することが可能な印刷出力装置を特定し、その特定した印刷出力装置を報知する構成である。そのため、オペレータは、第2推奨装置に対して印刷ジョブを投入する場合、それに伴ってキャンセルされる後処理を、その後にどの印刷出力装置で実行すれば良いかを把握することができるようになる。またこれにより、キャンセルされた後処理を実行させる際の業務効率を向上させることができる。
【0091】
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0092】
例えば、上記実施形態では、ジョブ管理装置2がジョブチケットJTに定義された後処理に基づいて印刷ジョブを投入する推奨装置を決定した場合、そのような推奨装置の一覧表示を行う場合を例示した。しかし、ジョブ管理装置2は、複数の印刷出力装置10,20,30のそれぞれについて推奨レベルを決定した後、一覧表示を行うことなく、最も推奨レベルの高い印刷出力装置に対して印刷ジョブを自動投入する構成であっても構わない。
【0093】
また、図4に示した禁則テーブル46は単なる一例であり、ジョブ管理装置2が管理する各印刷出力装置において実行可能な後処理の種類が増加する程、禁則テーブル46の内容は複雑なものとなる。
【0094】
また、上記実施形態では、ジョブチケットJTに定義された後処理のうち、1つだけをキャンセルすれば印刷ジョブの実行が可能となる印刷出力装置を第2推奨装置として決定し、2つの後処理をキャンセルすれば印刷ジョブの実行が可能となる印刷出力装置を第3推奨装置として決定する場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えば、1つの後処理だけをキャンセルすれば印刷ジョブの実行が可能となる印刷出力装置が存在しない場合には、2つの後処理をキャンセルすることによって印刷ジョブの実行が可能となる印刷出力装置を第2推奨装置として決定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0095】
1 印刷システム
2 ジョブ管理装置
8 プログラム
40 CPU
45 装置登録情報
46 禁則テーブル
51 ジョブ受付部(ジョブ受付手段)
52 判別部(判別手段)
53 ジョブチケット解析部
54 第1推奨装置決定部(第1推奨装置決定手段)
55 第2推奨装置決定部(第2推奨装置決定手段)
56 ジョブ投入先決定部(ジョブ投入先決定手段)
57 報知処理部(報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷出力装置のそれぞれに投入する印刷ジョブを管理するジョブ管理装置であって、
印刷後に行う少なくとも1つの後処理が定義された、印刷ジョブに関するジョブチケットを受け付けるジョブ受付手段と、
前記複数の印刷出力装置のそれぞれで実行可能な後処理を判別する判別手段と、
前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定する第1推奨装置決定手段と、
前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定し、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を第2推奨装置として決定する第2推奨装置決定手段と、
を備えることを特徴とするジョブ管理装置。
【請求項2】
前記ジョブチケットには、印刷後に行う複数の後処理が定義されており、
前記第2推奨装置決定手段は、前記ジョブチケットに定義された複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が少ない状態で特定される印刷出力装置を、キャンセルする後処理の数が多い状態で特定される印刷出力装置よりも優先的に第2推奨装置として決定することを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理装置。
【請求項3】
前記第1推奨装置決定手段において第1推奨装置となる印刷出力装置が決定されなかった場合、前記第2推奨装置決定手段において第2推奨装置として決定される印刷出力装置を、印刷ジョブの投入先として決定するジョブ投入先決定手段、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のジョブ管理装置。
【請求項4】
前記ジョブ投入先決定手段によって前記第2推奨装置決定手段において第2推奨装置として決定された印刷出力装置が印刷ジョブの投入先として決定された場合、前記複数の印刷出力装置のうちから、キャンセルされる後処理をその後に実行することが可能な印刷出力装置を特定し、その特定した印刷出力装置を報知する報知手段、
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のジョブ管理装置。
【請求項5】
複数の印刷出力装置のそれぞれに投入する印刷ジョブを管理するジョブ管理方法であって、
(a) 印刷後に行う少なくとも1つの後処理が定義された、印刷ジョブに関するジョブチケットを受け付けるステップと、
(b) 前記複数の印刷出力装置のそれぞれで実行可能な後処理を判別するステップと、
(c) 前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定するステップと、
(d) 前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定し、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を第2推奨装置として決定するステップと、
を有することを特徴とするジョブ管理方法。
【請求項6】
前記ジョブチケットには、印刷後に行う複数の後処理が定義されており、
前記ステップ(d)は、前記ジョブチケットに定義された複数の後処理のうちのキャンセルする後処理の数が少ない状態で特定される印刷出力装置を、キャンセルする後処理の数が多い状態で特定される印刷出力装置よりも優先的に第2推奨装置として決定することを特徴とする請求項5に記載のジョブ管理方法。
【請求項7】
(e) 前記ステップ(c)において第1推奨装置となる印刷出力装置が決定されなかった場合、前記ステップ(d)において第2推奨装置として決定される印刷出力装置を、印刷ジョブの投入先として決定するステップ、
をさらに有することを特徴とする請求項5又は6に記載のジョブ管理方法。
【請求項8】
(f) 前記ステップ(d)において第2推奨装置として決定された印刷出力装置が、前記ステップ(e)において印刷ジョブの投入先として決定された場合、前記複数の印刷出力装置のうちから、キャンセルされる後処理をその後に実行することが可能な印刷出力装置を特定し、その特定した印刷出力装置を報知するステップ、
をさらに有することを特徴とする請求項7に記載のジョブ管理方法。
【請求項9】
複数の印刷出力装置のそれぞれに投入する印刷ジョブを管理するコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、
印刷後に行う少なくとも1つの後処理が定義された、印刷ジョブに関するジョブチケットを受け付けるジョブ受付手段、
前記複数の印刷出力装置のそれぞれで実行可能な後処理を判別する判別手段、
前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルすることなく印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を第1推奨装置として決定する第1推奨装置決定手段、および、
前記複数の印刷出力装置のうち、前記ジョブチケットに定義された後処理をキャンセルした場合にそのキャンセルした後処理を除いた印刷ジョブを実行可能な印刷出力装置を特定し、そのキャンセルした後処理をその後に実行することが可能であることを条件として、その特定した印刷出力装置を第2推奨装置として決定する第2推奨装置決定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−45135(P2013−45135A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180284(P2011−180284)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】