説明

ジルコニウム及びイットリウムをベースとする組成物、その製造方法並びに触媒系におけるその使用

酸化ジルコニウム及び酸化イットリウムをベースとし、1000℃において10時間の焼成後に少なくとも12m2/gの比表面積を有する組成物。この組成物は、ジルコニウム化合物とイットリウム化合物との混合物を塩基で沈殿させ、得られた沈殿を含有する媒体を加熱し、次いでアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸及びその塩並びにカルボキシメチル化脂肪アルコールエトキシラートタイプの界面活性剤から選択される化合物を前記沈殿に添加し、そして最後にこの沈殿を焼成することを含む方法によって得られる。前記組成物は、触媒として用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジルコニウム及びイットリウムをベースとする組成物、その製造方法並びに触媒系におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃エンジンからの排気ガスを処理するため(自動車後燃え触媒作用)にはこれまで、多機能性触媒と称される触媒が用いられてきた。多機能性触媒とは、排気ガス中に存在する一酸化炭素及び炭化水素の酸化を果たすことができるだけではなく、これもまたこれらのガス中に存在する窒素酸化物を還元することもできる触媒(「スリーウェイ」触媒)を意味するものとする。酸化ジルコニウム及び酸化セリウムをベースとする触媒は、これらのタイプの反応のために特に有用であることがこれまで知られていた。
【0003】
有効であるためには、これらの触媒は高い比表面積を有していなければならず、そして、ますます高い温度において用いることができる触媒であってそのためにそれらの比表面積の安定性が改善された前記触媒が常に探し求められている。
【特許文献1】国際出願WO98/45212号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、この特徴に応えることができる触媒組成物を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明の組成物は、酸化ジルコニウムをベースとし且つ添加剤として酸化イットリウムを含むこと、及び1000℃において10時間の焼成後に少なくとも12m2/gの比表面積を有することを特徴とする。
【0006】
その他の特徴、詳細及び利点は、以下の説明及び本発明を例示することが意図される様々な具体的しかし非限定的実施例を読めば、そして添付した図面から、より一層はっきりするだろう。図1は、本発明の組成物のプログラムである。
【0007】
以下の説明において、比表面積とは、「The Journal of the American Chemical Society」、第60巻、第309頁(1938年)に記載されたBrunauer-Emmett-Teller法から確立されたASTM法D3663−78に従って窒素吸着によって測定されるBET比表面積を意味するものとする。
【0008】
本明細書において参照する元素周期表は、フランス化学会誌(Bulletin de la Societe Chimique de France)No. 1 (1966年1月)の補遺に発表されたものである。
【0009】
希土類とは、イットリウム及び周期表の原子番号57〜71の元素より成る群の元素を意味するものとする。
【0010】
さらに、それに従って表面積値が与えられる焼成は、別段記載がない限り空気中での焼成である。
【0011】
濃度は、別段記載がない限り酸化物として与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の組成物の主な特徴は、それらの成分の性状及びそれらの比表面積である。
【0013】
本発明の組成物は、ジルコニウムZrO2をベースとし、この酸化物は必須又は主要成分である。この組成物は、少なくとも1種の添加剤を追加的に含み、この添加剤は酸化イットリウムであり、組成物の残部を構成するものであるか又は該残部を構成することができるものである。
【0014】
別態様に従えば、本発明の組成物は、酸化物の形の少なくとも1種の別の添加剤を追加的に含むことができ、この添加剤は、プラセオジム、ランタン及びネオジムから選択され、この別の添加剤は、組成物の残部を構成するものであるか又は該残部を構成することができるものである。もちろん本発明は組成物がこれらの元素の酸化物の数種を組合せとして含む場合もカバーするということに留意されたい。
【0015】
前記添加剤の濃度は、多くとも50重量%である。この濃度は、組成物全体(酸化ジルコニウム及び添加剤酸化物(群))の重量を基準としたこの添加剤の酸化物の重量として、又は数種の添加剤の組成物の場合にはすべての添加剤の酸化物の重量として、表わされる。この添加剤の濃度は広い範囲内で変化することができ、特に5%〜40%の範囲、より特定的には10%〜40%の範囲であることができる。全く特定的には、この濃度は10%〜30%の範囲である。
【0016】
別態様に従えば、本発明の組成物は、酸化アルミニウムAl23を追加的に含むことができる。この場合、アルミニウム濃度(組成物全体を基準としたAl23の重量%)は、多くとも20%であるのが一般的であり、1%〜10%の範囲であるのが好ましい。
【0017】
別の別態様に従えば、本発明の組成物は、シリカをアルミナについて上で与えたものと同じ割合で追加的に含むことができる。
【0018】
本発明の組成物の別の主な特徴は、高温においてそれらの比表面積が高いことである。
【0019】
上で示したように、この表面積は、1000℃において10時間の焼成後に少なくとも12m2/gである。同じ焼成条件下において、この表面積は少なくとも14m2/gであることができる。上に挙げた別態様の場合、即ちプラセオジム、ランタン及びネオジムから選択される別の添加剤を用いる場合、この表面積は、依然として同じ焼成条件下において、少なくとも25m2/g、より特定的には少なくとも30m2/g、さらにより一層特定的には少なくとも40m2/gであることができる。添加剤がイットリウムである場合には、少なくとも20m2/gの表面積に達することができ、添加剤がイットリウムとプラセオジム、ランタン又はネオジムとの組合せ物である場合には、少なくとも55m2/g程度の表面積値に達することができるということに注目することができる。
【0020】
上に挙げた温度より低い温度において、例えば900℃において4時間の焼成の後には、組成物は少なくとも25m2/g、より特定的には少なくとも30m2/gの比表面積を有することができる。
【0021】
本発明の組成物は、場合によっては、酸化ジルコニウム中の添加剤の固溶体の形にあってもよい。
【0022】
この場合、これらの組成物のX線回折図形は、正方晶系又は立方晶系で結晶化した酸化ジルコニウムのものに相当する単一相の存在を示し、かくして添加剤が酸化ジルコニウムの結晶格子中に取り込まれ、従って真の固溶体を形成していることを示す。また、特に添加剤の濃度が高い(即ち少なくとも40%である)場合、又はさらには添加剤の濃度が低い(即ち10%より低い)場合に(後者の場合には900℃又はそれより高い温度における焼成の後に)、前記の組成物は複数種の相の混合物の形にあることもできる。
【0023】
本発明の組成物はさらに、特定的な多孔性を有する。これらは実際、高温焼成の後にさえ、メソ孔、即ち寸法が5nm〜500nmの範囲、より特定的には10nm〜200nmの範囲にある孔を含有する。これらの寸法値は、水銀多孔度測定(2つの低圧ステーション及び1つの高圧ステーションを含むMicromeritic社のAutopore 9410多孔度測定器を用いて行われる分析)によって得られる。これらのメソ孔は、全孔容積の内の大きな割合に寄与し、例えば寸法が5nm〜500nmの範囲のものがこの全孔容積の少なくとも40%、より特定的には少なくとも60%を提供することができる。また、本発明の組成物は、寸法中心がそれぞれ約10nm付近(10〜12nm)及び約60nm付近である2つのメソ孔母集団を含むことができるということにも注目することができ、これらの母集団は、プログラムにおいて、これら2つの値を中心とする2つのピークが存在することによって証明される。最後に、孔の直径の関数としての累積孔容積を与える本発明の組成物のプログラムグラフは、ほぼ直線的な断面(プロファイル)を示し、これは直径が5nm〜1mmの範囲であるすべての孔の全孔容積へのほぼ均一の寄与を示す。
【0024】
本発明の組成物は、非常に低い硫酸アニオン含有率を有することができる。この含有率は、一般的に多くとも100ppm、好ましくは多くとも50ppmである(SO4-/組成物全体の重量比)。
【0025】
次に、本発明に従う組成物の調製方法を説明する。
【0026】
この方法は、次の工程を含む:
(a)ジルコニウムの化合物、前記添加剤の化合物及び随意としてのアルミニウム又はケイ素の化合物を含む混合物を形成させる工程;
(b)前記混合物に塩基性化合物を存在させて沈殿を得る工程;
(c)前記沈殿を液状媒体中で加熱する工程;
(d)前の工程で得られた沈殿に、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸及びそれらの塩並びにカルボキシメチル化脂肪アルコールエトキシラートタイプの界面活性剤から選択される化合物を添加する工程;
(e)こうして得られた沈殿を焼成する工程。
【0027】
従って、この方法の第1の工程は、液状媒体中のジルコニウム化合物、イットリウム化合物及び随意としての別の添加剤の化合物又はアルミニウム若しくはケイ素の化合物の混合物を調製することから成る。
【0028】
この混合物は一般的に液状媒体中で調製され、この液状媒体は水であるのが好ましい。
【0029】
前記の化合物は、可溶性化合物であるのが好ましい。これらは特にジルコニウムの塩、イットリウムの塩、別の添加剤の塩及びアルミニウムの塩であることができる。これらの化合物は、例えば硝酸塩、酢酸塩又は塩化物から選択することができる。
【0030】
かくして、硝酸ジルコニル又は塩化ジルコニルを例として挙げることができる。硝酸ジルコニルを用いるのがより一層一般的である。
【0031】
また、出発ジルコニウム化合物として、ゾルを用いることもできる。ゾルとは、ジルコニウム化合物(この化合物は一般的に酸化ジルコニウム又は水和酸化ジルコニウムである)をベースとするコロイド寸法(即ち約1nm〜約500nmの範囲の寸法)の固体微粒子を水性液相中に懸濁させて成る任意の系を意味し、前記粒子は随意に残留量の結合した又は吸着したイオン(例えば硝酸イオン、酢酸イオン、塩素イオン又はアンモニウムイオン)を追加的に含んでいてもよい。かかるゾル中において、ジルコニウムは、全部がコロイドの形で存在していてもよく、イオンの形とコロイドの形とが同時に存在していてもよいということが注目されよう。
【0032】
出発混合物は、最初は固体状態にある化合物から、次いでこれらを例えば容器の底において水中に導入することによって得ることもでき、これらの化合物の溶液から、次いでこれらの溶液を任意の順序で混合することによって直接得ることもできる。
【0033】
前記の方法の第2工程(b)において、前記混合物を塩基性化合物の存在下に置く。塩基又は塩基性化合物としては、水酸化物タイプの物質を用いることができる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を挙げることができる。また、第2、第3又は第4級アミンを用いることも可能である。しかしながら、アルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンによる汚染の危険性を減らすという限りにおいては、アミン及びアンモニアが好ましいことがある。また、尿素を挙げることもできる。
【0034】
前記塩基性化合物は一般的に水溶液の形で用いられる。
【0035】
前記混合物とこの溶液とを接触させる方法、即ちこれらの導入順序は、臨界的なものではない。しかしながら、この接触は、塩基性化合物の溶液中に前記混合物を導入することによって実施することができる。
【0036】
前記混合物と前記溶液との接触又は反応、特に塩基性化合物の溶液への前記混合物の添加は、全部一度に、段階的に(即ち例えば少しずつに分けて)又は連続的に実施することができ、撹拌しながら実施するのが好ましい。これは、周囲温度(20〜25℃)において実施するのが好ましい。
【0037】
この方法の次の工程(c)は、液状媒体中で沈殿を加熱する工程である。
【0038】
この加熱は、塩基性化合物との反応後に得られた反応媒体に対して直接実施することもでき、また、この反応媒体から沈殿を分離し、随意にこの沈殿を洗浄し且つ水中に再懸濁させた後に得られた懸濁液に対して実施することもできる。媒体を加熱する温度は、少なくとも100℃、より特定的には少なくとも130℃、さらにより一層特定的には少なくとも150m2/gとする。加熱操作は、液状媒体を密閉チャンバー(オートクレーブタイプの密閉式反応器)中に導入することによって実施することができる。上に与えた温度条件下で且つ液状媒体中において、例えば、密閉反応器中の圧力は1バール(105Pa)超の値〜165バール(1.65×107Pa)の範囲、好ましくは5バール(5×105Pa)〜165バール(1.65×107Pa)の範囲にすることができる。加熱はまた、開放式反応器中で100℃付近の温度で実施することもできる。
【0039】
加熱は、空気中又は不活性ガスの雰囲気中で実施することができ、後者の場合には好ましくは窒素中で実施することができる。
【0040】
加熱時間は、広い範囲内で変えることができ、例えば1〜48時間、好ましくは2〜24時間の範囲にすることができる。同様に、昇温実施速度は臨界的ではなく、従って例えば30分間〜4時間媒体を加熱することによって一定反応温度に到達することが可能であり、これらの値は完全に指標的態様で与えたものである。
【0041】
加熱は、複数回実施することが可能である。かくして、加熱工程及び随意としての洗浄工程の後に得られる沈殿を水中に再懸濁させ、こうして得られた媒体を次いで再び加熱することができる。この再度の加熱は、最初の加熱について記載したものと同じ条件下で実施される。
【0042】
この方法の次の工程(d)は、前の工程から得られた沈殿にアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール並びにカルボン酸及びそれらの塩から選択される化合物を添加することから成る。
【0043】
この化合物に関しては、国際出願WO98/45212号パンフレットの教示を参照することができ、この文献に記載された界面活性剤を用いることができる。
【0044】
アニオンタイプの界面活性剤としては、エトキシカルボキシレート、エトキシ化脂肪酸、サルコシネート、ホスフェートエステル、サルフェート、例えばアルコールサルフェート、アルコールエーテルサルフェート及びサルフェート化アルカノールアミドエトキシラート、スルホネート、例えばスルホスクシネート、アルキルベンゼンスルホネート又はアルキルナフタレンスルホネートを挙げることができる。
【0045】
ノニオン性界面活性剤としては、アセチレン性界面活性剤、アルコールエトキシラート、アルカノールアミド、アミンオキシド、エトキシ化アルカノールアミド、長鎖エトキシ化アミン、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ソルビタン誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセリルエステル及びそれらのエトキシ化誘導体、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシ化オイル並びにアルキルフェノールエトキシラートを挙げることができる。特に、Igepal(登録商標)、Dowanol(登録商標)、Rhodamox(登録商標)及びAlkamide(登録商標)の商品名で販売されている製品を挙げることができる。
【0046】
カルボン酸に関しては、特に脂肪族モノ−又はジカルボン酸を用いることができ、これらの中でもより特定的には飽和酸を用いることができる。また、脂肪酸、より特定的には飽和脂肪酸を用いることもできる。かくして、特にギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸を挙げることができる。ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸を挙げることができる。
【0047】
また、カルボン酸の塩、特にアンモニウム塩を用いることもできる。
【0048】
例として、より特定的にはラウリン酸及びラウリン酸アンモニウムを挙げることができる。
【0049】
最後に、カルボキシメチル化脂肪アルコールエトキシラートタイプのものから選択される界面活性剤を用いることも可能である。
【0050】
カルボキシメチル化脂肪アルコールエトキシラートタイプの物質とは、鎖の末端に−CH2−COOH基を有するエトキシ化又はプロポキシ化脂肪アルコールから成る物質を意味するものとする。
【0051】
これらの物質は、次式に相当することができる。
【化1】

{ここで、R1は長さが炭素原子数として一般的に多くとも22個であって好ましくは少なくとも12個の長さの飽和又は不飽和炭素鎖を表わし、
2、R3、R4及びR5は、すべて同一であって水素を表わすこともでき、また、R2がCH3基を表わし且つR3、R4及びR5が水素を表わすこともでき、
nは0以外であって50にまで至ることができる整数、より特定的には5〜15の範囲であることができる整数(これらの値は境界を含む)である}。
この界面活性剤は、上記の式においてR1が飽和であることができる物質及び不飽和であることができる物質の混合物、又はさらに−CH2−CH2−O−基及び−CH(CH3)−CH2−O−基を同時に有する物質から成ることができる。
【0052】
前記界面活性剤は、2通りの方法で添加することができる。まず、先の加熱工程(c)から得られた沈殿懸濁液に直接界面活性剤を添加することができる。また、加熱を行った媒体から固体状沈殿を任意の既知の手段で分離した後に、この固体状沈殿に界面活性剤を添加することもできる。
【0053】
界面活性剤の使用量は、酸化物として計算した前記組成物の重量を基準とした界面活性剤の重量百分率として表わして、一般的に5%〜100%の範囲、より特定的には15%〜60%の範囲、さらにより一層特定的には35%〜50%の範囲とする。
【0054】
本発明の方法の別態様に従えば、直前に記載した工程(d)に続いて、沈殿をミル粉砕することも可能である。
【0055】
このミル粉砕は、様々な方法で実施することができる。
【0056】
第1の方法は、湿式タイプの高エネルギーミル粉砕から成る。かかるミル粉砕は、例えば界面活性剤を固体状沈殿に添加した後に得られた湿った沈殿に対して実施される。湿式粉砕は、例えばボールミル中で実施することができる。
【0057】
第2の方法は、沈殿の懸濁液に例えばコロイドミル又はタービン式撹拌機を用いて剪断力を加えることによって中庸エネルギーミル粉砕して成る。この懸濁液は、工程(d)の結果得られた沈殿を水中に分散させた後に得られた水性懸濁液であることができる。
【0058】
本発明に従う方法の最終工程において、回収された沈殿を次いで焼成する。前記沈殿は、焼成の前に随意に水で洗浄することができる。この焼成は、生成する物質の結晶性を発達させることができ、また、この焼成は、本発明に従う組成物に予定されるその後の使用温度に従って調節し且つ/又は選択することもでき、そしてこれは、焼成実施温度が高くなるにつれて生成物の比表面積が小さくなるという事実を考慮に入れながら行われる。かかる焼成は一般的に空気中で行われるが、しかし例えば不活性ガス中又は制御された(酸化性若しくは還元性)雰囲気中で実施される焼成ももちろん除外されない。
【0059】
実施に当たって、焼成温度は一般的に500℃〜1100℃の範囲、より特定的には600℃〜900℃の範囲の値の間隔に限定される。
【0060】
上記の本発明の組成物又は先に検討した方法において得られる本発明の組成物は、粉末の形にあるが、しかしこれらは随意に造形して可変寸法の粒体、ビーズ、筒状体又はハニカムの形にすることもできる。
【0061】
本発明の組成物は、触媒として又は触媒担体として用いることができる。かくして、本発明はまた、本発明の組成物を含む触媒系にも関する。かかる触媒系のためには、これらの組成物は、触媒反応の分野において通常用いられる任意の担体、特に熱的に不活性な担体に対して適用することができる。この担体は、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム、シリカ、スピネル、ゼオライト、シリケート、結晶性シリコアルミニウムホスフェート及び結晶性アルミニウムホスフェートから選択することができる。
【0062】
前記組成物はまた、これらの組成物をベースとし且つ触媒特性を有するコーティング(ウォッシュコート)を例えば金属又はセラミックモノリスタイプの基材上に含む触媒系中に用いることもできる。前記コーティングもまた、上に挙げたもののタイプの担体を有することができる。このコーティングは、前記組成物を前記担体と混合して懸濁液を形成させ、次いでこの懸濁液を基材上に付着させることによって得られる。
【0063】
触媒反応におけるこれらの用途の場合、本発明の組成物は、遷移金属と組み合わせて用いられ、これらはこの態様においてはこれらの金属のための担体としての働きをする。遷移金属とは、周期表第IIIA〜IIIB族の元素であると理解される。遷移金属としては、より特定的には鉄、マンガン及び銅並びに白金、ロジウム、パラジウム、銀又はイリジウムのような貴金属を挙げることができる。これらの金属の性状及びこれらを担体組成物中に組み込むための技術は、当業者によく知られている。例えば、前記金属は、含浸によって組成物中に組み込むことができる。
【0064】
前記組成物中の前記金属の濃度は、触媒活性を得るために触媒中に一般的に用いられる濃度に相当する。例として、この濃度は多くとも5%、特に多くとも1%である。この濃度は特に、多くとも0.5%、さらには多くとも0.25%であることができる。5%より高い濃度は経済上の観点から一般的に価値がない。これらの濃度は、組成物を基準とした金属の重量百分率として表わされる。
【0065】
これらの触媒系及びより特定的には本発明の組成物には、非常に多くの用途を見出すことができる。かくして、これらは、様々な反応、例えば炭化水素若しくはその他の有機化合物の脱水、ヒドロ硫化、水素化脱窒素、脱硫、水素化脱硫、脱ハロゲン化水素、改質、水蒸気改質、クラッキング、水素化分解、水素化、脱水素、異性化、不均化、オキシ塩素化若しくは脱水素環化、酸化及び/若しくは還元反応、クラウス反応、内燃エンジンからの排気ガスの処理、脱金属、メタン化、シフト転化、リーンバーン(希薄混合気燃焼)条件下で運転しているディーゼルエンジンやガソリンエンジンのような内燃エンジンから放出される煤の接触酸化のような反応を触媒するのに特に好適であり、従ってそれらに用いることができる。
【0066】
前記触媒系及びより特定的には本発明の組成物は、リーンバーン条件下で運転しているディーゼルエンジンやガソリンエンジンのような内燃エンジンの排気ガスを処理するのに特に適している。この処理は、より正確にはリーン混合物(リーンバーン用混合物)における炭化水素との連続反応によってNOxを除去するための処理(HC−DeNOx触媒作用)であることができる。
【0067】
この理由で、本発明はまた、前記の触媒系又は前記の本発明に従う組成物を触媒として用いることを特徴とする、内燃エンジンからの排気ガスを処理するための方法にも関する。
【0068】
最後に、このタイプの方法において、本発明の組成物は、酸化セリウムをベースとし且つ酸化ジルコニウム若しくは希土類酸化物のような添加剤によって安定化された組成物と共同で(この場合、酸化ジルコニウム及び希土類酸化物を組み合わせて用いることが可能である)、又はさらには酸化ジルコニウムをベースとする組成物と共同で{この酸化物はそれ自体が希土類(特にセリウムのような希土類)をドープされ若しくは該希土類で安定化されていることができる}、用いることができるということが注目されよう。これらの共同使用は、エンジンから放出されるすべての汚染物質を低温及びそれより高い温度において転化させることができる系をもたらす。
【実施例】
【0069】
以下、実施例を与える。
【0070】
例1
【0071】
この例は、ジルコニウム90%及びイットリウム10%の組成物の調製に関する。これらの割合は、酸化物ZrO2及びY23の重量百分率で表わされる。
【0072】
撹拌機を備えたビーカー中に、硝酸ジルコニウム(120g/リットル)750ミリリットル及び硝酸イットリウム(400g/リットル)25ミリリットルを導入した。次いでこれに、これら2種の硝酸塩の溶液1リットルが得られるように、蒸留水を補充した。
【0073】
撹拌機を備えた丸底反応器中に、アンモニア溶液(12モル/リットル)202ミリリットルを導入し、次いで、1リットルの全体容量が得られるように、蒸留水を補充した。
【0074】
前記の反応器中に連続的に撹拌しながら前記の硝酸塩の溶液を1時間かけて導入した。
【0075】
得られた溶液を撹拌機を備えたステンレス鋼製オートクレーブ中に入れた。撹拌しながら2時間かけて媒体の温度を150℃にした。
【0076】
こうして得られた懸濁液を次いでブフナー濾過器を通して濾過した。酸化物17重量%を含有する白色沈殿が回収された。
【0077】
この沈殿100gを取り出した。
【0078】
同時に、次の条件下でラウリン酸アンモニウムゲルを調製した:ラウリン酸250gをアンモニア水(12モル/リットル)135ミリリットル及び蒸留水500ミリリットル中に導入し、次いでこれをスパチュラで均質化した。
【0079】
このゲル20.3gを前記沈殿100gに添加し、次いで均質ペーストが得られるまで全体をブレンドした。
【0080】
得られた生成物を次いで4時間かけて段階的に500℃にした。
【0081】
この生成物は、下に示した温度及び期間の焼成の後に、下記の表面特性を有していた。
4時間、900℃=32m2/g
10時間、1000℃=15m2/g
10時間、1200℃=1.5m2/g。
【0082】
例2
【0083】
この例は、ジルコニウム90%、ネオジム5%及びイットリウム5%の組成物の調製に関する。これらの割合は、酸化物ZrO2、Nd23及びY23の重量百分率で表わされる。
【0084】
撹拌機を備えたビーカー中に、硝酸ジルコニウム(120g/リットル)750ミリリットル、硝酸ネオジム溶液(524g/リットル)9.5ミリリットル及び硝酸イットリウム溶液(386g/リットル)13ミリリットルを導入した。次いでこれに、これら3種の硝酸塩の溶液1リットルが得られるように、蒸留水を補充した。
【0085】
撹拌機を備えた丸底反応器中に、アンモニア溶液194ミリリットルを導入し、次いで、1リットルの全体容量が得られるように、蒸留水を補充した。.
【0086】
前記の反応器中に連続的に撹拌しながら前記の硝酸塩の溶液を1時間で導入した。
【0087】
得られた溶液を撹拌機を備えたステンレス鋼製オートクレーブ中に入れた。撹拌しながら2時間かけて媒体の温度を150℃にした。
【0088】
こうして得られた懸濁液を次いでブフナー濾過器を通して濾過した。酸化物19.1重量%を含有する白色沈殿が回収された。
【0089】
この沈殿100gを取り出した。
【0090】
同時に、次の条件下でラウリン酸アンモニウムゲルを調製した:ラウリン酸250gをアンモニア水(12モル/リットル)135ミリリットル及び蒸留水500ミリリットル中に導入し、次いでこれをスパチュラで均質化した。
【0091】
このゲル22.8gを前記沈殿100gに添加し、次いで均質ペーストが得られるまで全体をブレンドした。
【0092】
得られた生成物を次いで4時間かけて段階的に700℃にした。
【0093】
この生成物は、下に示した温度及び期間の焼成の後に、下記の表面特性を有していた。
4時間、900℃=52m2/g
10時間、1000℃=32.8m2/g
10時間、1100℃=14.7m2/g
10時間、1200℃=3.2m2/g。
【0094】
例3
【0095】
この例では、本発明に従う組成物から調製した触媒についての触媒作用試験を記載する。
【0096】
(a)触媒の調製
【0097】
触媒の総質量を基準として0.1重量%の金属ロジウム元素を有する触媒を、次のようにして調製した。即ち、例1の生成物を500℃において4時間焼成した後に得られたものに硝酸ロジウムを湿式法によって含浸させた。この含浸させた物質を次いでゆっくり蒸発させ、乾燥させ、最後に空気中で500℃において4時間焼成した。
【0098】
粉末の形の触媒を、酸化性/還元性混合物(1.8%CO及び10%H2Oの流れと1.8%O2及び10%H2Oの流れとを交互に5分間ずつ流す)中で1100℃において6時間老化させた。老化は、石英管反応器中にガス流を通すことによって実施した。
【0099】
(b)試験条件
【0100】
ガス流量:30リットル/時間。
触媒重量:20mg(粒子寸法画分100〜200μm)をSiC150mgで希釈した。
【0101】
ガスの組成を下記の表に与える。
【表1】

【0102】
次の結果が観察された。
【0103】
リッチ混合物においては、NOについての20%転化のための始動温度は340℃であり、C36についてのものは345℃だった。これらは従って両方の場合において低い温度だった。
【0104】
リーン混合物においては、NO、C36及びCOについての20%転化のための始動温度はそれぞれ331℃、330℃及び300℃だった。
【0105】
これらのすべての結果は、本発明の組成物をベースとする触媒の低温における有効性(350℃より低い始動温度)を示している。
【0106】
例4(比較例)
【0107】
この例においては、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムをベースとし且つ酸化ランタン及び酸化ネオジムによって比表面積が安定化された組成物を調製した。この組成物は、式ZrO2/CeO2/La23/Nd23に相当し、これらの酸化物のそれぞれの重量割合が75/20/2.5/2.5のものだった。
【0108】
手順は例2における通りであり、生成物100g当たりに次の量を用いた:
・硝酸ジルコニウム(C=280g/リットル)268ミリリットル
・硝酸セリウム(Ce4+236.5g/リットル、Ce3+15.5g/リットルの濃度で、遊離酸性度0.7Nのもの)79ミリリットル
・硝酸ランタン(C=454g/リットル)5.5ミリリットル
・硝酸ネオジム(C=524g/リットル)4.8ミリリットル。
【0109】
調製手順は例2に記載したものと同じだった。しかしながら、沈殿を界面活性剤と混合せずに、直接焼成した。1000℃において4時間焼成した後に得られた生成物は44m2/gの比表面積を有し、1100℃において4時間焼成した後に得られた生成物は18m2/gの比表面積を有していた。別個に、直前に記載した態様で調製した組成物を500℃において4時間焼成した後に得られたものに硝酸ロジウムを湿式法によって含浸させることによって、触媒の総重量を基準として金属ロジウム元素0.1重量%を含有する触媒を調製した。
【0110】
こうして調製したこの触媒を、例3において上記したものと同じ1100℃における老化に付し、同じ試験に付した。
【0111】
例1及び4の生成物についての20%における始動温度(Ta)に関する結果を、下記の表に与える。
【表2】

【0112】
比較例の物質の場合には、始動温度が明らかに高かった。
【0113】
例5
【0114】
この例は、ジルコニウム90%、イットリウム5%及びランタン5%の組成物に関する。これらの割合は、酸化物ZrO2、Y23及びLa23の重量百分率で表わされる。
【0115】
撹拌機を備えたビーカー中に、硝酸ジルコニウム(290g/リットル)310ミリリットル、硝酸イットリウム(210g/リットル)23.8ミリリットル及び硝酸ランタン(454g/リットル)11ミリリットルを導入した。次いでこれに、硝酸塩の溶液1リットルが得られるように、蒸留水を補充した。
【0116】
撹拌機を備えた反応器中にアンモニア溶液(12モル/リットル)197ミリリットルを導入し、次いで1リットルの全体容量が得られるように蒸留水を補充した。
【0117】
この反応器中に連続的に撹拌しながら前記の硝酸塩の溶液を1時間で導入した。
【0118】
得られた溶液を、撹拌機を備えたステンレス鋼製オートクレーブ中に入れた。撹拌しながら、この媒体の温度を2時間かけて150℃にした。
【0119】
こうして得られた懸濁液に、ラウリン酸33gを添加した。この懸濁液を1時間撹拌し続けた。
【0120】
次いでこの懸濁液を濾過した。白色沈殿が回収された。
【0121】
得られた生成物を次いで3時間かけて段階的に850℃にした。
【0122】
この生成物は、下に示した温度及び期間の焼成の後に、下記の表面特性を有していた。
4時間、900℃=57m2/g
4時間、1000℃=48m2/g
10時間、1000℃=43m2/g
4時間、1100℃=26m2/g
10時間、1200℃=2.5m2/g。
【0123】
X線分析は、900℃〜1000℃の範囲において生成物が単一の立方晶相の形にあることを示した。1100℃においては、回折ピークがそれぞれ2θ=35°及び60°付近において非常に僅かに2つに分かれ、これは得られた図形が単一の正方晶相に帰するものであることを示す。
【0124】
例6
【0125】
この例は、ジルコニウム80%、イットリウム5%及びランタン15%の組成物に関する。これらの割合は、酸化物ZrO2、Y23及びLa23の重量百分率で表わされる。
【0126】
撹拌機を備えたビーカー中に、硝酸ジルコニウム(290g/リットル)276ミリリットル、硝酸イットリウム(210g/リットル)23.8ミリリットル及び硝酸ランタン(454g/リットル)33ミリリットルを導入した。次いでこれに、硝酸塩の溶液1リットルが得られるように、蒸留水を補充した。
【0127】
撹拌機を備えた反応器中にアンモニア溶液(12モル/リットル)199.5ミリリットルを導入し、次いで1リットルの全体容量が得られるように、蒸留水を補充した。
【0128】
この反応器中に連続的に撹拌しながら前記の硝酸塩の溶液を1時間で導入した。
【0129】
得られた溶液を、撹拌機を備えたステンレス鋼製オートクレーブ中に入れた。撹拌しながら、この媒体の温度を2時間かけて150℃にした。
【0130】
こうして得られた懸濁液に、ラウリン酸45gを添加した。この懸濁液を1時間撹拌し続けた。
【0131】
次いでこの懸濁液をブフナー濾過器を通して濾過し、濾過された沈殿を、濾過母液と同容量の水で洗浄した。最後に白色沈殿が回収された。
【0132】
得られた生成物を次いで4時間かけて段階的に700℃にした。
【0133】
この生成物は、下に示した温度及び期間の焼成の後に、下記の表面特性を有していた。
4時間、900℃=88m2/g
4時間、1000℃=58m2/g
10時間、1000℃=52m2/g
4時間、1100℃=21m2/g
10時間、1200℃=2.5m2/g。
【0134】
X線分析は、900℃まで生成物が単一の立方晶相の形にあることを示した。1000℃においては立方晶相が正方晶相に向けて発達し、一方、小さい相はLa2Zr27であると同定されたように思われた。
【0135】
この生成物は、1.61ミリリットル/gの全孔容積を有し、その61%は直径が5nm〜500nmの範囲である孔によってもたらされていた。
【0136】
図1に、生成物のプログラムを示す。孔の直径(Å)を横軸として示し、即ち1e+02は10nmの値に相当し、1e+03は100nmの値に相当する。ミリリットル/gで表わされる孔容積を縦軸として示す。プログラム上に、直径が60nm付近及び12nm付近を中心とするメソ孔の2つの母集団がはっきりとわかる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の組成物の孔の直径と累積孔容積との関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ジルコニウムをベースとし且つ添加剤として酸化イットリウムを含むこと、及び1000℃において10時間の焼成後に少なくとも12m2/gの比表面積を有することを特徴とする、組成物。
【請求項2】
1000℃において10時間の焼成後に少なくとも少なくとも14m2/gの比表面積を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
900℃において4時間の焼成後に少なくとも25m2/gの比表面積を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
プラセオジムの酸化物、ランタンの酸化物及びネオジムの酸化物から選択される少なくとも1種の酸化物を別の添加剤として追加的に含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
1000℃において10時間の焼成後に少なくとも30m2/g、より特定的には少なくとも40m2/gの比表面積を有することを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
5nm〜500nmの範囲、より特定的には10nm〜200nmの範囲の寸法のメソ孔を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
寸法中心がそれぞれ10nm及び60nm付近であるメソ孔の2つの母集団を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
添加剤濃度が組成物の重量を基準とした添加剤酸化物の重量として多くとも50重量%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記添加剤濃度が10%〜40%の範囲であることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
酸化アルミニウム又はシリカを追加的に含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
(a)ジルコニウムの化合物、前記添加剤の化合物及び随意としてのアルミニウム又はケイ素の化合物を含む混合物を形成させる工程;
(b)前記混合物に塩基性化合物を存在させて沈殿を得る工程;
(c)前記沈殿を液状媒体中で加熱する工程;
(d)前の工程で得られた沈殿に、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸及びそれらの塩並びにカルボキシメチル化脂肪アルコールエトキシラートタイプの界面活性剤から選択される化合物を添加する工程;
(e)こうして得られた沈殿を焼成する工程:
を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物の製造方法。
【請求項12】
硝酸塩、酢酸塩及び塩化物から選択される化合物をジルコニウムの化合物、前記添加剤の化合物及びアルミニウムの化合物として用いることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(c)からの沈殿を少なくとも100℃の温度に加熱することを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とする触媒系。
【請求項15】
遷移金属、特に貴金属を前記組成物に担持された形で含むことを特徴とする、請求項14に記載の触媒系。
【請求項16】
請求項14若しくは15に記載の触媒系又は請求項1〜10のいずれかに記載の組成物を触媒系として用いることを特徴とする、内燃エンジンからの排気ガスを処理する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−532453(P2007−532453A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506806(P2007−506806)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000828
【国際公開番号】WO2005/100248
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【Fターム(参考)】