説明

スイッチユニット及び遊技機

【課題】直感的な操作感を与えることができ、かつ液体がこぼされても接点の固着を防止し得る、表示部を有するスイッチユニット及び遊技機を提供する。
【解決手段】LCD18と、カーボン接点14bが導通されるPCB14と、カーボン接点14bを覆うラバー13と、ボタンケース開口部11aを有する操作ボタンケース11と、カーボン接点14bを押圧して導通する操作ボタン12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチユニットに関し、特に、表示部を有するスイッチユニット及びこれを搭載した遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるスロットマシンと呼ばれるゲーム機が存在している。スロットマシンは、複数種類のシンボルが表示された複数のリールが回転し、停止したときに表示されているシンボルの揃い方及びその揃っているシンボルにより役が決定し、決定した役及びベット数に応じて賞が付与されるものである。
【0003】
そして、ベット数の設定並びにリールの回転等の操作は、ボタンを押すことにより行われていた。すなわち、遊技者は、例えば、設定するベット数分、ベットボタンを手で押すことにより該ベット数を決定し、リール回転ボタンを手で押すことにより当たり抽選が確定され、当たり抽選が確定された後にリールの回転を開始させ、自動で停止させていた。
【0004】
ところで、スロットマシンは、例えばカジノ等に設置されている。カジノには、1つの遊技機メーカが製造したものだけでなく、様々な遊技機メーカのスロットマシンが設置されている。遊技者は、様々な遊技機メーカのスロットマシンの中から嗜好の合ったスロットマシンを選択して遊技を行う。このため、カジノでは、遊技者に人気のあるスロットマシンを設置して、競合する他社に対する優位性を確保しようとする経営戦略をとっている。したがって、各遊技機メーカは、遊技者にアピールできるスロットマシンを提供できるように努力している。
【0005】
その一つとして、例えば、特許文献1には、タッチパネルで構成された表示部を設け、表示部にキャラクター及びテンキーを表示して、ベット数の設定及びリールの回転開始をタッチパネルで行う遊技機としてのスロットマシンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−111137号公報(2005年4月28日公開)
【特許文献2】特開2006−149700号公報(2006年6月15日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えば、特許文献2にも開示されているように、一般的に、スロットマシンの操作スイッチは傾斜面に設けられている。
【0008】
しかしながら、上記従来のスイッチユニット及び遊技機では、遊技中に飲料等の液体が操作スイッチにこぼされると、スイッチユニットの内部に浸入した液体が固まることにより接点が固着してしまったり、画像が見難くなったりするという問題点を有している。
【0009】
また、特許文献1に開示された従来の遊技機の構成では、タッチパネルの画面に直接タッチしているだけなので、遊技者に対し直感的な操作感を与えることができないという問題点を有している。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、直感的な操作感を与えることができ、かつ液体がこぼされても接点の固着を防止し得る、表示部を有するスイッチユニット及び遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のスイッチユニットは、上記課題を解決するために、少なくとも1箇所の入力領域の画像を表示する表示部と、上記表示部の上側に設けられ、かつ接点を有して、上記表示部に表示された少なくとも1箇所の入力領域に向けて押圧されることにより該入力領域に対応する上記接点が導通される入力部と、上記入力部の上側に設けられ、少なくとも該入力部の接点を覆い、かつ上記表示部の入力領域に対応する位置にシート開口部を有する弾性シートと、上記弾性シートの上側に設けられ、上記表示部の入力領域に対応する位置にボタンケース開口部を有する操作ボタンケースと、透光性を有する遊嵌部と該遊嵌部の下端から側方に突出する少なくとも1個の接点押圧部とを有し、上記遊嵌部がボタンケース開口部及びシート開口部に押し下げ自在に遊嵌して設けられ、かつ該遊嵌部の上記入力領域に向けての押し下げ操作により上記接点押圧部にて上記入力部の接点を押圧して導通する操作ボタンとを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記の発明によれば、入力部の上側には、少なくとも該入力部の接点を覆い、かつ表示部の入力領域に対応する位置にシート開口部を有する弾性シートと、上記弾性シートの上側に設けられ、上記表示部の入力領域に対応する位置にボタンケース開口部を有する操作ボタンケースと、透光性を有する遊嵌部と該遊嵌部の下端から側方に突出する少なくとも1個の接点押圧部とを有し、上記遊嵌部がボタンケース開口部及びシート開口部に押し下げ自在に遊嵌して設けられ、かつ該遊嵌部の上記入力領域に向けての押し下げ操作により上記接点押圧部にて上記入力部の接点を押圧して導通する操作ボタンとが設けられている。
【0013】
このため、入力部への押圧操作は物理的な操作ボタンを介して行われるので、操作ボタンを押し下げすることによって直感的な操作感、及びクリック感を得ることができる。
【0014】
この結果、操作ボタンを押し下げるという、物理的な動作により操作を行うことできるので、1回1回操作ができているか否かを目で確認する必要はなく、スピード感・クイック感のあるスイッチユニットを提供することができる。
【0015】
ところで、操作ボタンケースには、操作ボタンを遊嵌させるボタンケース開口部が表示部の入力領域に対応する位置に設けられているので、飲料水等の液体がスイッチユニットにこぼれると、ボタンケース開口部における操作ボタンとの隙間に液体が流れる。この結果、操作ボタンケースの下側に存在する入力部の接点に液体が浸入する虞がある。
【0016】
そこで、本発明では、操作ボタンケースと入力部との間に弾性シートが設けられ、この弾性シートには、表示部の入力領域に対応する位置にシート開口部が設けられている。すなわち、弾性シートのシート開口部は、操作ボタンケースのボタンケース開口部と同じ開口となっている。また、弾性シートは、少なくとも入力部の接点を覆っている。この結果、ボタンケース開口部における操作ボタンとの隙間、及びシート開口部に液体が流れることがあっても、入力部の接点は弾性シートで覆われているので、接点が濡れることはない。
【0017】
したがって、直感的な操作感を与えることができ、かつ液体がこぼされても接点の固着を防止し得る、表示部を有するスイッチユニットを提供することができる。
【0018】
本発明のスイッチユニットでは、前記入力部には、前記表示部の入力領域に対応する位置に入力部開口部が設けられていると共に、上記入力部と表示部との間には、表示部の表面を覆う透光性を有する保護シートが設けられていることが好ましい。
【0019】
これにより、ボタンケース開口部における操作ボタンとの隙間、及びシート開口部に浸入した液体は、入力部の入力部開口部を通り、表示部の表面を覆う透光性を有する保護シートの上面に到達する。このとき、本発明では、保護シートは表示部の表面を覆っている。したがって、表示部が濡れることはない。
【0020】
また、本発明のスイッチユニットでは、前記入力部と保護シートとの間には、前記表示部の入力領域に対応する位置に入力領域開口部を有する表示部ケースが設けられていると共に、上記表示部、保護シート及び表示部ケースは、第1ビスにて表示部の下側から一体的に固定されている一方、上記操作ボタンケース、弾性シート、入力部及び表示部ケースは、第2ビスにて操作ボタンケースの上側から一体的に固定されていることが好ましい。
【0021】
これにより、液体がこぼれて、ボタンケース開口部、シート開口部及び入力部開口部を通して液体が入り込んでいても、操作ボタンケースの上側に露出する第2ビスを外すことによって、操作ボタンケース、操作ボタン、弾性シート及び入力部のそれぞれの部材に容易に分解して、各部材に付着した液体を容易に拭き取ることができる。
【0022】
一方、表示部、保護シート及び表示部ケースからなる一体化物においては、液体が保護シートの上面で濡れている可能性がある。この場合、表示部ケースの入力領域開口部を通して、保護シートの上面を拭き取ることができる。また、その拭き取りで不十分な場合には、表示部の下側に露出する第1ビスを外すことにより、表示部、保護シート及び表示部ケースを容易に分解してそれぞれを拭き取ることができる。
【0023】
また、本発明のスイッチユニットでは、前記保護シートの一方の端部側には、貯液容器が設けられていることが好ましい。
【0024】
これにより、スイッチユニットが例えば傾斜して設けられている場合に、ボタンケース開口部における操作ボタンとの隙間、及びシート開口部に浸入し、かつ入力部の入力部開口部を通り、表示部の表面を覆う透光性を有する保護シートの上面に到達した液体は、保護シートの一方の端部側、つまり液体の下流側に設けられた貯液容器に貯液される。
【0025】
したがって、スイッチユニットにこぼれた液体が、保護シートの上面にいつまでも溜まるということがない。
【0026】
本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、上記スイッチユニットを備えていることが好ましい。
【0027】
上記の発明によれば、直感的な操作感を与えることができ、かつ液体がこぼされても接点の固着を防止し得る、表示部を有するスイッチユニットを備えた遊技機を提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明のスイッチユニットは、以上のように、少なくとも1箇所の入力領域の画像を表示する表示部と、上記表示部の上側に設けられ、かつ接点を有して、上記表示部に表示された少なくとも1箇所の入力領域に向けて押圧されることにより該入力領域に対応する上記接点が導通される入力部と、上記入力部の上側に設けられ、少なくとも該入力部の接点を覆い、かつ上記表示部の入力領域に対応する位置にシート開口部を有する弾性シートと、上記弾性シートの上側に設けられ、上記表示部の入力領域に対応する位置にボタンケース開口部を有する操作ボタンケースと、透光性を有する遊嵌部と該遊嵌部の下端から側方に突出する少なくとも1個の接点押圧部とを有し、上記遊嵌部がボタンケース開口部及びシート開口部に押し下げ自在に遊嵌して設けられ、かつ該遊嵌部の上記入力領域に向けての押し下げ操作により上記接点押圧部にて上記入力部の接点を押圧して導通する操作ボタンとを備えているものである。
【0029】
また、本発明の遊技機は、以上のように、前記スイッチユニットを備えているものである。
【0030】
それゆえ、直感的な操作感を与えることができ、かつ液体がこぼされても接点の固着を防止し得る、表示部を有するスイッチユニット及び遊技機を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明におけるスイッチユニットの実施の一形態を示すものであり、スイッチユニットの構成を示す断面図である。
【図2】上記スイッチユニットを備えた遊技機としてのスロットマシンの構成を示す斜視図である。
【図3】上記スイッチユニットの構成を示す斜視図である。
【図4】上記スイッチユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図5】上記スイッチユニットの各一体化物を示す分解斜視図である。
【図6】上記スイッチユニットにおける操作ボタンの構成を示す斜視図である。
【図7】(a)は側面壁に傾斜面を有する操作ボタンの視認性を示す説明図であり、(b)は側面壁に傾斜面を有しない操作ボタンの視認性を示す説明図である。
【図8】上記操作ボタンの接点押圧部、ラバーの突起部、及びPCBのカーボン接点の関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の一実施形態について図1〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0033】
尚、本実施の形態では、いわゆるスロットマシン等の遊技機に用いられるスイッチユニットについて説明するが、本発明はスロットマシンに限られるものではない。すなわち、スイッチユニットによりユーザの操作を受け付けて行う装置であれば、どのような装置であっても適用可能である。例えば、遊技機は、ポーカーゲーム等のトランプゲーム機や麻雀ゲーム機等にも適用できる。
【0034】
まず、本実施の形態のスイッチユニットを備えた遊技機としてのスロットマシンについて、図2に基づいて説明する。図2は上記スイッチユニットを備えた遊技機としてのスロットマシンの構成を示す斜視図である。
【0035】
図2に示すように、スロットマシン1には、筐体4の上部における、遊技者の目線に当たる位置に表示モニター2が設けられていると共に、遊技者の手が置かれる筐体4における中央付近の位置に、操作部分が遊技者側に若干傾くようにスイッチユニット10が設けられている。
【0036】
表示モニター2には複数のリールが表示されている。これらリールは遊技者の操作によって回転することができ、停止したときのリールに示されているシンボルにより役が決定し、役に応じて賞が付与されるようになっている。尚、リールの表示は、液晶画面等の表示画面にリールに相当するものが表示されているものであってよく、又はリールそのものが設けられ、これが表示モニター2に配置されているものであってもよい。
【0037】
スイッチユニット10は、遊技者からの操作を受け付けるものである。本実施の形態では、スイッチユニット10は、例えば、遊技者がスロットマシン1をプレイするときのベット数の指定操作、並びにリールの回転等の操作を受け付ける。尚、本実施の形態のスロットマシン1では、リールの回転開始は、スイッチユニット10の横に別途設けられたリール回転ボタン3によって行われるようになっている。
【0038】
上記スイッチユニット10の構成について、図3及び図4に基づいて説明する。図3はスイッチユニット10の構成を示す斜視図であり、図4はスイッチユニット10の構成を示す分解斜視図である。
【0039】
スイッチユニット10は、スロットマシン1から分離できるようになっており、図3に示すように、分離したものを上側から見ると、例えば11個の操作ボタン12が並んでおり、操作ボタン12の周りを操作ボタンケース11が囲っている。尚、操作ボタン12を露出させた状態で操作ボタンケース11を覆う図示しないカバーを設けることも可能である。
【0040】
上記スイッチユニット10は、図4に示すように、上から順に、操作ボタンケース11、操作ボタン12、弾性シートとしてのラバー13、入力部としてのPCB(printed circuit board:基板)14、PCBケース15、表示部ケースとしてのLCD(liquid crystal display)ケース16、保護シート17、表示部としてのLCD18、及びベース19にて構成されている。
【0041】
ここで、本実施の形態のスイッチユニット10では、図5にも示すように、ベース19、LCD18、保護シート17及びLCDケース16は、ベース19の下側から第1ビスB1・B1にて図5にも示すように一体的に固定されている。一方、操作ボタンケース11、ラバー13、PCBケース15及びLCDケース16は、図5にも示すように、第2ビスB2・B2にて操作ボタンケース11の上側から一体的に固定されている。
【0042】
上記操作ボタンケース11は、例えば、ガラス、プラスチック等により成形されている。また、操作ボタンケース11には、図4に示すように、操作ボタン12の数と同じ数だけ、操作ボタン12の位置に合わせて、ボタンケース開口部11aが設けられている。このボタンケース開口部11aの位置は、LCD18の入力領域に対応している。そして、これにより、操作ボタン12の遊嵌部12aが、ボタンケース開口部11aを通して操作ボタンケース11の上側に突出すると共に、押し下げ自在に遊嵌されるようになっている。尚、本実施の形態では、操作ボタン12が例えば11個備えられている例について説明しているが、操作ボタン12の数はこれに限られない。11個よりも少なくても多くてもよいし、1個でもよい。
【0043】
操作ボタン12は、図6に示すように、透明プラスチック等の透光性を有する直方体状部材にてなっており、遊嵌部12aと該遊嵌部12aにおける下端の4隅から突出する接点押圧部12bとを備えている。
【0044】
ここで、直方体状部材からなる立体的な操作ボタン12の遊嵌部12aにおける側面壁WSが垂直に立設している場合には、図7(b)に示すように、LCD18に表示された入力領域の画像が、直方体状部材からなる立体的な操作ボタン12の側面壁WSに反射して遊技者の視覚に入る。その結果、LCD18に表示された入力領域の画像が2重に見えるので、表示が見づらくなる。この現象は、スイッチユニット10を傾けて設置することにより、操作ボタン12の側面壁WSが傾斜するので、一層増長され、特に、操作ボタン12において遊技者に対して奥となる側面壁WSの表示が見づらくなる。また、これにより、画像の奥まり感が出てくる。
【0045】
そこで、本実施の形態では、図7(a)に示すように、直方体状部材からなる操作ボタン12の4つの側面壁WSは、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっている。この傾斜面は、下方に鈍角になるように垂直面に対して例えば10〜20°の傾斜となっている。尚、側面壁WSの傾斜は、必ずしも4つの側面壁WSに限らず、少なくとも遊技者に対して奥となる側面壁WSに傾斜が設けられていればよい。
【0046】
この結果、1つの側面壁WSに形成された、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面を遊技者に対して奥となるように配設することによって、遊技者からは側面壁WSからの反射光が目に入らなくなるようにすることができる。また、画像の奥まり感も軽減できる。
【0047】
したがって、入力操作に際して、LCD18の表示を見づらくすることなく、直感的な操作感を与えることができるスイッチユニット10及びスロットマシン1を提供することができる。
【0048】
上記操作ボタン12の下には、図4に示すように、ラバー13が配置されている。このラバー13には、上記操作ボタン12と対応する位置、つまりLCD18の入力領域に対応する位置にシート開口部としてのラバー開口部13aが設けられている。ラバー13は、例えばシリコンゴム等の弾性を有する部材からなっており、透明又はそれに近い例えば乳白色等の色を有している。
【0049】
また、ラバー13には、操作ボタン12の接点押圧部12bと対応する位置に突起部13bが設けられている。この突起部13bの裏面側は、図8に示すように、空洞13cとなっている。
【0050】
上記操作ボタン12の接点押圧部12bと突起部13bとは接触しており、操作ボタン12が押し下げされると、接点押圧部12bが突起部13bを押し込むことにより、この突起部13bがPCB14の上記カーボン接点14bを押圧する。ここで、突起部13bは弾性を有しているので、押し込まれた後、操作ボタン12の接点押圧部12bを押し返す。これにより、操作ボタン12の押圧感を出すことができ、操作ボタン12が押しボタンとして機能するようになっている。尚、上記の構成により、ラバー13は、突起部13bにて少なくともPCB14のカーボン接点14bを覆っていることになる。
【0051】
上記PCB14は、必要な配線が施されたプリント基板であり、操作ボタン12の押し下げを検出して予め定められた処理を実行するものである。PCB14には、図4に示すように、上記操作ボタン12と対応する位置、つまりLCD18の入力領域に対応する位置に入力部開口部としてのPCB開口部14aが設けられている。また、PCB開口部14aの周囲には、操作ボタンケース11におけるボタンケース開口部11aの周囲を照明するLED(light-emitting diode、発光部)14cが設けられている。
【0052】
さらに、PCB14には、図4及び図8に示すように、操作ボタン12の接点押圧部12bの真下に位置する箇所に接点としてのカーボン接点14bが設けられている。このため、操作ボタン12が押し下げされると、操作ボタン12の接点押圧部12bがラバー13の突起部13bを介してカーボン接点14bに押圧力を加える。これにより、突起部13bの裏側に設けられた図示しない導板が、隙間を有して離間して設けられた図示しない2つの電極上に跨って接触するので、PCB14は該位置のカーボン接点14bに導通があったことを認識する。この結果、PCB14では、該位置のカーボン接点14bの上側に存在する操作ボタン12が押し下げされたことを検出することができる。尚、本実施の形態では、PCB14におけるカーボン接点14bは、スイッチユニット10の上側からは見えないので、透明電極である必要はない。したがって、本実施の形態のスイッチユニット10は、この意味で、一般的なタッチパネルの入力装置は使用していない。
【0053】
次に、図4に示すように、PCB14の下側には、PCBケース15が設けられている。このPCBケース15は、上記PCB14に設けられたLED14cから発生する熱を放散するための放熱板として機能している。また、このPCBケース15には、操作ボタン12の位置、つまりLCD18の入力領域に対応する位置にPCBケース開口部15aが設けられている。
【0054】
次に、PCBケース15の下側に設けられたLCDケース16は、LCD18の上面を保護するものである。このLCDケース16には、上記操作ボタン12との対応位置、つまりLCD18の入力領域に対応する位置に入力領域開口部16aが設けられている。
【0055】
上記LCDケース16の下側には、LCD18の全面を覆う透光性を有する保護シート17が設けられている。この保護シート17については、後で詳述する。
【0056】
上記LCD18は、液晶表示装置であり、入力領域に、絵、文字等の所定画像の表示を行うものである。
【0057】
上記ベース19は、スイッチユニット10の裏面を覆うものであり、LCD18を固定するためのLCD固定部19aを有している。このLCD固定部19aは、例えば、ベース19の長手方向の両端に1ヶ所ずつ設けられている。
【0058】
上記スイッチユニット10の構成によれば、PCB14の上側には、カーボン接点14bを覆い、LCD18の入力領域に対応する位置にラバー開口部13aを有するラバー13と、ラバー13の上側に設けられ、LCD18の入力領域に対応する位置にボタンケース開口部11aを有する操作ボタンケース11と、透光性を有する遊嵌部12aと該遊嵌部12aの下端から側方に突出する少なくとも1個の接点押圧部12bとを有し、遊嵌部12aがボタンケース開口部11a及びラバー開口部13aに押し下げ自在に遊嵌して設けられ、かつ該遊嵌部12aの入力領域に向けての押し下げ操作により接点押圧部12bにてPCB14のカーボン接点14bを押圧して導通する操作ボタン12とが設けられている。
【0059】
このため、PCB14への押圧操作は物理的な操作ボタン12を介して行われるので、操作ボタン12を押し下げすることによって直感的な操作感、及びクリック感を得ることができる。
【0060】
この結果、操作ボタン12を押し下げるという、物理的な動作により操作を行うことできるので、1回1回操作ができているか否かを目で確認する必要はなく、スピード感・クイック感のあるスイッチユニット10を提供することができる。
【0061】
また、スイッチユニット10は、押しボタン方式のような操作感、クイック感を有しつつ、LCD18にて操作ボタン12の周囲を光らせると共に、操作ボタン12の上面に様々な情報(文字、絵等)を表示させることができるものとなっている。この結果、スイッチユニット10は、押しボタン方式の利点を有したまま、顧客吸引力を有するユーザインタフェースを提供することができるようになっている。
【0062】
すなわち、本実施の形態のスイッチユニット10では、タッチパネル形式では提供できない操作感を遊技者に与えることができると共に、操作ボタン12にLCD18の表示画像を表示させ、かつ操作ボタン12の周りを光らせることにより、遊技者に対し魅力あるスイッチユニット10を提供できるものとなっている。
【0063】
ところで、操作ボタンケース11には、操作ボタン12を遊嵌させるボタンケース開口部11aがLCD18の入力領域に対応する位置に設けられているので、図1に示すように、コップ20に入った飲料水等の液体がスイッチユニット10にこぼれると、ボタンケース開口部11aにおける操作ボタン12との隙間に液体が流れる。この結果、操作ボタンケース11の下側に存在するPCB14のカーボン接点14bに液体が浸入する虞がある。
【0064】
そこで、本実施の形態では、操作ボタンケース11とPCB14との間にラバー13が設けられ、このラバー13には、LCD18の入力領域に対応する位置にラバー開口部13aが設けられている。すなわち、ラバー13のラバー開口部13aは、操作ボタンケース11のボタンケース開口部11aと同じ開口となっている。また、ラバー13は、少なくともPCB14のカーボン接点14bを覆っている。この結果、ボタンケース開口部11aにおける操作ボタン12との隙間、及びラバー開口部13aに液体が流れることがあっても、PCB14のカーボン接点14bはラバー13にて覆われているので、カーボン接点14bが濡れることはない。
【0065】
したがって、直感的な操作感を与えることができ、かつ液体がこぼされてもカーボン接点14bの固着を防止し得る、LCD18を有するスイッチユニット10を提供することができる。
【0066】
また、本実施の形態のスイッチユニット10では、図4に示すように、PCB14には、LCD18の入力領域に対応する位置にPCB開口部14aが設けられていると共に、PCB14とLCD18との間、詳細には、PCBケース15とLCD18との間には、LCD18の表面を覆う透光性を有する保護シート17が設けられている。すなわち、本実施の形態のスイッチユニット10では、操作ボタンケース11の表面から保護シート17に至るまで、全て同じ位置に開口が設けられている。
【0067】
これにより、図1に示すように、ボタンケース開口部11aにおける操作ボタン12との隙間、及びラバー開口部13aに浸入した液体は、PCB14のPCB開口部14aを通り、透光性を有する保護シート17の上面に到達する。このとき、本実施の形態では、保護シート17はLCD18の表面を覆っている。したがって、LCD18が濡れることはない。
【0068】
また、本実施の形態のスイッチユニット10では、図1に示すように、保護シート17の一方の端部側に、貯液容器5を設けておくことが可能である。これにより、スイッチユニット10が傾斜して設けられている場合に、ボタンケース開口部11aにおける操作ボタン12との隙間、及びラバー開口部13aに浸入し、かつPCB14のPCB開口部14aを通り、LCD18の表面を覆う透光性を有する保護シート17の上面に到達した液体Lは、保護シート17の一方の端部側、つまり液体Lの下流側に設けられた貯液容器5に貯液される。
【0069】
したがって、スイッチユニット10にこぼれた液体Lが、保護シート17の上面にいつまでも溜まるということがない。
【0070】
また、本実施の形態では、貯液容器5には、スロットマシン1のスイッチユニット10を設置している筐体4の外側に通ずる廃液コック6が設けられている。これにより、スロットマシン1の外側にて、貯液容器5に溜まった液体Lを容易に取り出すことができる。
【0071】
さらに、本実施の形態のスイッチユニット10は、液体Lが内部に溜まっている場合においても容易に分解掃除できる構成となっている。
【0072】
すなわち、本実施の形態のスイッチユニット10では、図4に示すように、PCB14と保護シート17との間、詳細にはPCBケース15と保護シート17との間には、LCD18の入力領域に対応する位置に入力領域開口部16aを有するLCDケース16が設けられている。そして、LCD18、保護シート17及びLCDケース16は、第1ビスB1・B1にて、LCD18の下側、詳細にはベース19の下側から一体的に固定されている。一方、操作ボタンケース11、ラバー13、PCB14、PCBケース15及びLCDケース16は、第2ビスB2・B2にて、操作ボタンケース11の上側から一体的に固定されている。
【0073】
これにより、液体がこぼれて、ボタンケース開口部11a、ラバー開口部13a及びPCB開口部14aを通して液体Lが入り込んでいても、操作ボタンケース11の上側に露出する第2ビスB2・B2を外すことによって、操作ボタンケース11、操作ボタン12、ラバー13及びPCB14のそれぞれの部材に容易に分解して、各部材に付着した液体Lを容易に拭き取ることができる。
【0074】
一方、ベース19、LCD18、保護シート17及びLCDケース16からなる一体化物においては、液体Lが保護シート17の上面で濡れている可能性がある。この場合、LCDケース16の入力領域開口部16aを通して、保護シート17の上面を拭き取ることができる。また、その拭き取りでは不十分な程度に汚れている場合には、LCD18の下側、詳細にはベース19の下側に露出する第1ビスB1・B1を外すことにより、LCD18、保護シート17及びLCDケース16を容易に分解してそれぞれを拭き取ることができる。
【0075】
すなわち、本実施の形態のスイッチユニット10は、滴下した液体LによりLCD18の画像が見難くなっても、容易に拭き取ることができるメンテナンス容易なスイッチユニット10となっている。
【0076】
また、本実施の形態のスロットマシン1は、スイッチユニット10を備えている。これにより、直感的な操作感を与えることができ、かつ液体がこぼされてもカーボン接点14bの固着を防止し得る、LCD18を有するスイッチユニット10を備えたスロットマシン1を提供することができる。
【0077】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、操作感を改善した表示部を有するスイッチユニット及びこれを搭載した遊技機に関するものであり、LCD等の表示部の上側に入力部を有するスイッチユニットに適用できる。また、遊技機としては、スロットマシンのみならず、ポーカーゲーム機、麻雀ゲーム機、トランプゲーム機等の遊技機に適用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 スロットマシン
4 筐体
10 スイッチユニット
11 操作ボタンケース
11a ボタンケース開口部
12 操作ボタン
12a 遊嵌部
12b 接点押圧部
13 ラバー(弾性シート)
13a ラバー開口部(シート開口部)
14 PCB(入力部)
14a PCB開口部(入力部開口部)
14b カーボン接点(接点)
15 PCBケース
15a PCBケース開口部
16 LCDケース(表示部ケース)
16a 入力領域開口部
17 保護シート
18 LCD(表示部)
19 ベース
20 コップ
B1 第1ビス
B2 第2ビス
WS 側面壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1箇所の入力領域の画像を表示する表示部と、
上記表示部の上側に設けられ、かつ接点を有して、上記表示部に表示された少なくとも1箇所の入力領域に向けて押圧されることにより該入力領域に対応する上記接点が導通される入力部と、
上記入力部の上側に設けられ、少なくとも該入力部の接点を覆い、かつ上記表示部の入力領域に対応する位置にシート開口部を有する弾性シートと、
上記弾性シートの上側に設けられ、上記表示部の入力領域に対応する位置にボタンケース開口部を有する操作ボタンケースと、
透光性を有する遊嵌部と該遊嵌部の下端から側方に突出する少なくとも1個の接点押圧部とを有し、上記遊嵌部がボタンケース開口部及びシート開口部に押し下げ自在に遊嵌して設けられ、かつ該遊嵌部の上記入力領域に向けての押し下げ操作により上記接点押圧部にて上記入力部の接点を押圧して導通する操作ボタンとを備えていることを特徴とするスイッチユニット。
【請求項2】
前記入力部には、前記表示部の入力領域に対応する位置に入力部開口部が設けられていると共に、
上記入力部と表示部との間には、表示部の表面を覆う透光性を有する保護シートが設けられていることを特徴とする請求項1記載のスイッチユニット。
【請求項3】
前記入力部と保護シートとの間には、前記表示部の入力領域に対応する位置に入力領域開口部を有する表示部ケースが設けられていると共に、
上記表示部、保護シート及び表示部ケースは、第1ビスにて表示部の下側から一体的に固定されている一方、
上記操作ボタンケース、弾性シート、入力部及び表示部ケースは、第2ビスにて操作ボタンケースの上側から一体的に固定されていることを特徴とする請求項2記載のスイッチユニット。
【請求項4】
前記保護シートの一方の端部側には、貯液容器が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載のスイッチユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイッチユニットを備えていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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