スイッチ一体型LEDランプ装置
【課題】部品点数の増加や構造の複雑化を抑制しつつLED本体のオンオフをスライド式のスイッチ構造でスムーズ且つ確実に行わせると共に、LED本体とバスバーとの電気的接続の信頼性を高める。
【解決手段】スライド式のスイッチノブ2と、スイッチノブに保持されるLED本体3と、スイッチノブを開口21内にスライド自在に露出させるカバー4と、LED本体の端子部11に接触するバスバー5〜7と、バスバーを固定する絶縁性のハウジング8とで構成し、LED本体を該バスバーに押し付けるばね部17をスイッチノブに設けたスイッチ一体型LEDランプ装置1を採用する。LED本体3をスイッチノブ2の左右一対のリブ16の間に保持すると共に、前後一対のばね部でバスバーに押し付ける。
【解決手段】スライド式のスイッチノブ2と、スイッチノブに保持されるLED本体3と、スイッチノブを開口21内にスライド自在に露出させるカバー4と、LED本体の端子部11に接触するバスバー5〜7と、バスバーを固定する絶縁性のハウジング8とで構成し、LED本体を該バスバーに押し付けるばね部17をスイッチノブに設けたスイッチ一体型LEDランプ装置1を採用する。LED本体3をスイッチノブ2の左右一対のリブ16の間に保持すると共に、前後一対のばね部でバスバーに押し付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の室内のルームランプやマップランプ等として好適なスイッチ一体型LEDランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図14は、従来のLEDランプ装置の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
【0003】
このLEDランプ装置61は、LED本体62に前後一対のL字状の端子部63を接続してLED接続体を構成し、前後の各バスバー64に三方の各位置決め片65と弾性接触片66とを切り起こし形成し、各端子部63を各位置決め片65と弾性接触片66との内側に上から挿入して接続し、離脱時にはLED接続体を上方に引き出し可能としたものである。LEDとは発光ダイオードのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−13018号公報(図3〜図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のLEDランプ装置にあっては、LED本体62のオンオフ(点灯・消灯)を行う場合にスイッチ構造を別途設けなければならず、部品点数が増えて構造が複雑化してしまうという懸念があった。特にスライド式のスイッチ構造の場合には、端子部(63)とバスバー(64)との摺動摩耗やガタ等によって接触性が低下しやすく、経時的に良好な電気的接触性を確保することが困難であるという懸念があった。
【0006】
本発明は、上記した点に鑑み、部品点数の増加や構造の複雑化を抑制しつつLED本体のオンオフをスライド式のスイッチ構造でスムーズ且つ確実に行うことができ、しかもLED本体とバスバーとの電気的接続の信頼性を高めることのできるスイッチ一体型LEDランプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、スライド式のスイッチノブと、該スイッチノブに保持されるLED本体と、該スイッチノブを開口内にスライド自在に露出させるカバーと、該LED本体の端子部に接触するバスバーと、該バスバーを固定する絶縁性のハウジングとで構成され、該LED本体を該バスバーに押し付けるばね部が該スイッチノブに設けられたことを特徴とする。
【0008】
上記構成により、LED本体がスイッチノブと一体に移動し、LED本体の端子部がバスバーに摺接して、例えばバスバーとの接触位置でLED本体が点灯し、バスバーとの非接触位置でLED本体が消灯する。LED本体はばね部でバスバーに弾性的に押し付けられているので、端子部とバスバーとの接触が確実に行われる。
【0009】
請求項2に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、請求項1記載のスイッチ一体型LEDランプ装置において、前記LED本体が前記スイッチノブの左右一対のリブの間に保持されると共に、前後一対の前記ばね部で前記バスバーに押し付けられたことを特徴とする。
【0010】
上記構成により、LED本体が左右一対のリブで左右方向に位置ずれなく保持されつつ(LED本体は一対のリブに沿って上下方向に摺動可能である)、前後一対のばね部でバスバーに押し付けられる。前後左右上下の方向性は説明の便宜上のものであり(前後左右は四方を意味する)、例えば前後はスイッチノブのスライド方向でもスライド直交方向でもよい(どちらかと言えば左右一対のリブの左右がスライド方向であることが、スライド時のLED本体のずれを確実に防ぐ上で好ましい)。例えば一対のばね部を例えば内向きにJ字状に屈曲形成し、J字の屈曲側でLED本体を外から内向きに押さえることで、ばね部もリブと同様に位置ずれ防止機能を発揮する。
【0011】
請求項3に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、請求項1又は2記載のスイッチ一体型LEDランプ装置において、前記スイッチノブのスライド部が前記ハウジングのレール部にスライド自在に係合したことを特徴とする。
【0012】
上記構成により、ハウジングにバスバーが配置され、スイッチノブがハウジングにスライド自在に係合することで、スイッチノブ一体のLED本体とバスバーとの接触ガタが小さく抑えられ、端子部とバスバーとの電気的接触性が高まる。
【0013】
請求項4に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、請求項1〜3の何れかに記載のスイッチ一体型LEDランプ装置において、前記バスバーとして、−極のバスバーの端部の延長上に信号回路のバスバーの一部が位置し、該−極のバスバーと平行に該端部よりも延長されて+極のバスバーが位置し、該+極と該−極のバスバーとに沿って前記LED本体の各前記端子部が配置されたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、スイッチノブの中立位置で、LED本体の一対の端子部が+極のバスバーと信号回路のバスバーの一部と接触して、信号回路と連動してLED本体が点灯し(信号回路としては例えば自動車のカーテシランプ回路が挙げられる)、スイッチノブの前進位置で、端子部が信号回路のバスバーから離間(離脱)し、+極と−極との各バスバーに接触してLED本体が点灯し、スイッチノブの後退位置で端子部が−極及びスイッチ回路のバスバーから離間し、+極のバスバーのみに接触してLED本体が消灯する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、LED本体をスイッチノブに配置してスイッチノブと一体にスライドさせることで、LED本体のオンオフ(点灯/消灯)をスムーズに行わせることができると共に、スイッチ部品を別途設ける必要がなく、ランプ構造を簡素化・コンパクト化・低コスト化することができる。また、LED本体をばね部でバスバーに押し付けることで、LED本体とバスバーとの電気的接続の信頼性を高めて、車両の振動等による接触不良等を防止することができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、LED本体を一対のリブで位置決めし、且つ一対のばね部でバスバーに向けて付勢することで、LED本体を位置ずれなくバスバーに沿ってスイッチノブと共にスムーズにスライドさせることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、スイッチノブをカバーではなくバスバー側のハウジングにスライド自在に係合させたことで、スイッチノブと一体のLED本体とバスバーとの接触ガタを防止して電気的接続の信頼性を高めることができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、スイッチノブのスライド操作で、例えば自動車のカーテシランプ回路といった信号回路に連動してLED本体を点灯させたり、信号回路に関係なくLED本体を点灯又は消灯させることで、スイッチ一体型LEDランプ装置の機能を多様化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るスイッチ一体型LEDランプ装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】LED本体の一形態を示す、(a)は表面側斜視図、(b)は裏面側斜視図である。
【図3】スイッチノブの裏面側を示す斜視図である。
【図4】LED本体をスイッチノブとバスバーとの間に挟持した状態の縦断面図である。
【図5】カバーとハウジングとの組立体の一形態を示す裏面側斜視図である。
【図6】バスバー構造の一形態を示す裏面側斜視図である。
【図7】バスバーとLED本体の一接続状態を示す平面図である。
【図8】(a)はカバーとスイッチノブとハウジング等との組立体であるスイッチ一体型LEDランプ装置のドア連動ポジションを示す斜視図、(b)はハウジングとバスバーとの組立体を示す斜視図である。
【図9】(a)は図8(a)のA−A断面図、(b)は図8(a)のB−B断面図、(c)は図8(b)のC−C断面図である。
【図10】(a)はスイッチ一体型LEDランプ装置のオンポジションを示す斜視図、(b)は同じくハウジングとバスバーとの組立体を示す斜視図である。
【図11】(a)は図10(a)のD−D断面図、(b)は図10(a)のE−E断面図、(c)は図10(b)のF−F断面図である。
【図12】(a)はスイッチ一体型LEDランプ装置のオフポジションを示す斜視図、(b)は同じくハウジングとバスバーとの組立体を示す斜視図である。
【図13】(a)は図12(a)のG−G断面図、(b)は図12(a)のH−H断面図、(c)は図12(b)のI−I断面図である。
【図14】従来のLEDランプ装置の一形態を部分的に示す側面(断面)図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明に係るスイッチ一体型LEDランプ装置の一実施形態を示すものである。
【0021】
このスイッチ一体型LEDランプ装置1は、合成樹脂製のスイッチノブ2と、スイッチノブ2に組み付けられるLED本体3と、スイッチノブ2をスライド自在に組み付ける合成樹脂製のカバー4と、LED本体3を接触させる複数本のバスバー5〜7と、バスバー5〜7を組み付けた状態でカバー4に組み付けられる絶縁樹脂製のハウジング8とを備えたものである。
【0022】
図2(a)(b)の如く、LED本体3は正方形のフラットな板状に形成され、表面側の中央に発光部(平坦な発光面)9を有し、発光部9は絶縁樹脂部10で囲まれ、絶縁樹脂部10の裏面に、発光部9に接続された一対の導電性の端子部(電極)11が裏面とほぼ同一面に設けられている。
【0023】
図1,図3(裏面を示す)の如く、スイッチノブ(スイッチ部材)2は、長方形の板部12と、板部12の中央に一体に設けられたLED装着部(操作部)13と、板部12の裏面側で左右の側端に一体に設けられた前後一対の可撓性のスライド用のフック爪(スライド部)14とで構成されている。
【0024】
LED装着部13は、板部12の表面側に矩形状に膨出してスライド用の操作部(ノブ)をなし、図3の如く裏面側の凹部15の底面(内面)15aから垂直に突出した左右一対の規制リブ16と前後一対の規制ばね(ばね部)17とを有し、前後左右の規制部材16,17で囲まれた内側に円形でテーパ状のレンズ部(照射部)18を有している。各規制リブ16は各規制ばね17よりも長く突出して、LED本体3の側面10aを保持可能である。
【0025】
図4の如く、各規制ばね17は先端側が内向きにJ字状に屈曲され、この屈曲部17aでLED本体3の上端縁10bを下向きに付勢して、LED本体3の裏面の端子部11を下側のバスバー5〜7に押し付けて弾性的に接触させる。ばね17をJ字状に屈曲させ、その屈曲部17aの先端外面でLED本体3を外から内向き(中心に向けて)に押さえることで、ばね17もリブ16と同様にLED本体3の位置ずれ防止作用を発揮する。図4で符号16は規制リブである。本例の一対の規制ばね17は図1のスイッチノブ2の長手方向に並列に配置され、一対の規制リブ16はスイッチノブ2の短手方向(幅方向)に並列に配置されている。
【0026】
これらの配置は逆であってもよく、要は、一対の対向する規制リブ16の内面にLED本体3の側面10aを当接させて、各規制リブ16でLED本体3のX方向の位置ずれを阻止し、一対の対向する規制ばね17でLED本体3をバスバー5〜7に向けて付勢しつつ、LED本体3のY方向の位置ずれを阻止する。バスバー5〜7はハウジング8に固定されている。
【0027】
なお、前後左右の四方に規制リブ16を設けた場合は、例えば前後の規制リブ16にスリット状の切欠部(図示せず)を設け、前後の規制リブ16の外側に規制ばね17を配設し、規制ばね17の屈曲先端部17aを切欠部に貫通させて、LED本体3の上端縁10bに押接させる。明細書で前後左右上下の方向性は説明の便宜上のものである。
【0028】
規制リブ16と規制ばね17とはスイッチノブ2の凹部15の裏面15aに一体に立設されている。LED本体3の発光部9の上面(発光面)が凹部15内のレンズ部18の底面18aに隙間19を存して対向して位置する。レンズ部18の形状は適宜設定可能である。LED本体3はスイッチノブ2と一体にスイッチノブ2のスライド方向に移動する。なお、規制ばね17はスイッチノブ2と一体でなくてもよく、例えば別体の規制ばね17をスイッチノブ2の裏面に係止手段で固定させる等も可能である。
【0029】
図1の如く、カバー4は、スイッチノブ2よりも大きな長方形状に形成され、表面側の板壁20の中央にスイッチノブ2の表面側を露出させる矩形状の開口21を有し、開口21はスイッチノブ2よりも小さく形成され、板壁20の裏面側に前後左右の垂直な枠状の壁部(周壁)22が設けられ、その前後の壁部22aの外面に、取付側(本例で自動車の天井パネルの矩形孔)に対する係止突起(図5参照)23を有している。車室内(実使用状態)でスイッチノブ2は下向きに位置し、LED本体3は下向きに光を照射する。スイッチノブ2は板壁20の内面(裏面)に沿って前後方向(長手方向)にスライド自在に装着される(装着構造については後述する)。
【0030】
図5の如く、カバー4の周壁22の内側にハウジング8が収容される。ハウジング8は、底壁24の前部にコネクタハウジング25を一体に有し、コネクタハウジング25はコネクタ嵌合室25aを有し、コネクタ嵌合室内に各バスバー5〜7の端末の雄端子26を収容してコネクタ(符号25で代用)を成す。
【0031】
図1の如く、ハウジング8の底壁24の上面側に段差状のブロック壁27が一体に設けられ、底壁24のコネクタ25側(前半)の上面とブロック壁27の前半の上面とに前後方向のバスバー収容溝28〜30が複数並列(本例で三本平行)に設けられ、各収容溝28〜30の前端はコネクタ25の雄端子挿入孔(図示せず)に続いている。各収容溝28〜30は各バスバー5〜7の平面視形状に整合し、左端の収容溝30の後端はL字状に屈曲し、中間の収容溝29はL字屈曲部30aの手前で終端し、右端の収容溝28は一番長く後方に延びている。各収容溝28〜30の後端にはバスバー係止用の孔31が設けられている。
【0032】
ブロック壁27の左右上端には水平な鍔部(レール部)32が形成され、鍔部32はブロック壁27の後端の手前で終端している。鍔部32にスイッチノブ2の左右端のフック爪14がスライド自在に係合して、上記装着構造を成す。
【0033】
図1,図6の如く、各バスバー5〜7はハウジング8の段差部33とコネクタ25の雄端子挿入孔(図示せず)に合わせて適宜折り曲げ形成され、図1で左端のバスバー7は、図6の如く、下向きの雄端子26と、雄端子26に続く前半の水平部7bと、水平部7bに続く中間の垂直部7cと、垂直部7cに続く後半の水平部7dと、水平部7dの後端側で内向き水平に屈曲した交差板部(バスバーの一部)7aとで構成されている。
【0034】
中間のバスバー6は、下向きの雄端子26と前半の水平部6aと中間の垂直部6bと後半の水平部6cとで構成され、後半の水平部6cの端部6dの延長上(同一軸線上)に左端のバスバー7の交差板部7aが配置されている。右端のバスバー5は前後二つに分割され、抵抗34を介して相互に接続される。抵抗34は例えばバッテリの12V電源をLEDランプ用に減圧する。前側のバスバー5は下向きの雄端子26と短い水平部5aから上向きに突出した圧接片5bとで成り、後側のバスバー5は上向きの圧接片5bと短い水平部5cと垂直部5dと後半の水平部5eとで成る。各バスバー5〜7の後端には、ハウジング8(図1)の孔31に係合する垂直な突片35が設けられている。
【0035】
図7の如く、ハウジング8のブロック壁27の上壁面の収容溝28〜30内に各バスバー5〜7が収容配置(固定)され、本例で、右端のバスバー5はバッテリ電源に続くプラス(+)極の回路、中央のバスバー6はアース用のマイナス(−)極の回路、左端のバスバー7はカーテシ回路ないしドア連動回路(信号回路)をなす。図7では左端のバスバー7の後端の交差板部7aと右端のバスバー5とにLED本体3の各端子部11(図2)が接触している。
【0036】
図8(a)(b)の如く、カバー4の開口21の中央にスイッチノブ2の操作部13とその内側のLED本体3が位置した際に、LED本体3は右端のプラス回路のバスバー5と、左端のドア連動回路のバスバー7とに接続され、自動車ドアの開時にドアのカーテシランプ(図示せず)の点灯と同時にLED本体3の発光部9が点灯する。
【0037】
図9(a)(図8(a)のA−A断面)の如く、スイッチノブ2は、板部12の左右の側端に設けたフック爪14の内側のガイド溝14aにハウジング8のブロック壁27の左右端の鍔部(レール部)32をスライド自在に係合させている。フック爪14は下側の傾斜面14bを鍔部32に上方から押圧摺接させて係合させ、その状態でスイッチノブ2の突出した操作部(ノブ)13がカバー4の開口21に下側から上向きに進入して組み付けられる。カバー4の周壁22の内面にハウジング8の底壁24の側面24aが当接してガタ付きなく支持される。LED本体3は左右の規制リブ16で支持されている。図9で24bは鍔部32を樹脂成形するための型抜き孔である。
【0038】
図9(b)(図8(a)のB−B断面図)の如く、LED本体3はスイッチノブ2の前後の規制ばね片17でバスバー7に押し付けられた状態でスライド可能である。バスバー5〜7とLED本体3の端子部11との間にはグリス等を塗布して摺動抵抗を低減させることが好ましい。図9(b),図9(c)(図8(b)のC−C断面図)の如く、LED本体3の一方の端子部11が図8(b)で左端のドア連動回路であるバスバー7の交差板部7aに接触し、他方の端子部11がプラス回路である右端のバスバー5に接触している。各端子部11と各バスバー5〜7との接触は規制ばね片17のばね力で弾性的に隙間なく確実に行われる。
【0039】
図10(a)(b)の如く、スイッチノブ2を前方にスライド移動させた際に、スイッチノブ2はストッパ(例えばハウジング8の垂直に立ち上げられた前端壁36)に当接して前端位置で停止し、同時にLED本体3がスイッチノブ2と一体に移動し、LED本体3の各端子部11はバスバー5〜7の表面を摺接し、図11(a)〜(c)の如く、プラス回路の右端のバスバー5と中央のマイナス回路のバスバー6とに接触して、LED本体3の発光部9がドアの開閉とは無関係に点灯する。LED本体3は規制ばね片17で各バスバー5,6に押し付けられて弾性的に接触することは言うまでもない。
【0040】
図12(a)(b)の如く、スイッチノブ2を後方にスライド移動させた際に、スイッチノブ2はストッパ(例えばカバー4の後壁22b)に当接して後端位置で停止し、同時にLED本体3がスイッチノブ2と一体に移動し、LED本体3の各端子部1はバスバー5〜7の表面を摺接し、図13(a)〜(c)の如く、中央のマイナス回路6のバスバーと左端のドア連動回路のバスバー7の終端7aを通過して、一方の端子部11のみがプラス回路の右端のバスバー5に接触して、LED本体3の発光部9がドアの開閉とは無関係に消灯する。図12(b)の状態からスイッチノブ2を前方にスライドさせる際に、各バスバー5〜7の表面とハウジング8のブロック壁27の上面とは略同一面に位置し、且つばね17で弾性付勢されているので、LED本体3は引っ掛かりなくスムーズにスライド移動する。
【0041】
上記実施形態によれば、スイッチノブ2が通常時にドア連動のポジションにあり、点灯、消灯の動作時にスライドするが、同時にLED本体3もスイッチノブ2の規制リブ16によってスイッチノブ2と一体にスライドし、導通ポイントに切り替えることができるので、スイッチと通電の両方の機能を果たすことができる。
【0042】
また、スイッチノブ2と光源部すなわちLED本体3とでスイッチ構造を兼ねているので、他の部分にスイッチ構造を設ける必要がなくなり、組立作業を容易に行うことができる。また、LED本体3の端子部11のハンダ付けが不要であるので、振動や熱によるハンダの劣化の懸念を払拭することができる。また、LED本体3とバスバー5〜7とを直接的に圧接(押圧接続)させているので、導通不良が起きにくい。
【0043】
このように、LED本体3をバスバー5〜7に固定せず、スイッチノブ2でバスバー5〜7に押し当てて導通させ、スイッチノブ2の点灯、消灯の動作に合わせてLED本体3も移動し、バスバー5〜7との導通ポイントを切り替えることで、スイッチと光源の両方の機能を備えたスイッチと光源部の一体構造を得ることができる。
【0044】
なお、上記実施形態においては、スイッチノブ2をハウジング8の鍔部(レール部)に32スライド自在に係合させたが、スイッチノブ2をハウジング8ではなくカバー4のレール部(図示せず)にスライド自在に係合させることも可能である。但し、スイッチノブ2をハウジング8にスライド係合させる方がLED本体3とハウジング8側のバスバー5〜7との接触が上下ガタ(隙間)なく確実に行われるので好ましい。
【0045】
また、上記実施形態においては、スイッチノブ2のフック爪14をハウジング8のレール部32に対するスライド部としたが、スライド部としてフック爪14に代えて断面L字状の前後方向に長い部材(図示せず)をスイッチノブ2に一体に設け、スイッチノブ2をレール部32に上方からではなく前後方向にスライド係合(嵌合)させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、例えば自動車のルームランプやマップランプ等の構成部品の削減やコンパクト化及び電気的接続の信頼性向上のために利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 スイッチ一体型LEDランプ装置
2 スイッチノブ
3 LED本体
4 カバー
5 +極のバスバー
6 −極のバスバー
6d 端部
7 ドア連動回路(信号回路)のバスバー
7a 交差板部(一部)
8 ハウジング
11 端子部
14 フック爪(スライド部)
16 規制リブ(リブ)
17 規制ばね片(ばね部)
21 開口
32 鍔部(レール部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の室内のルームランプやマップランプ等として好適なスイッチ一体型LEDランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図14は、従来のLEDランプ装置の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
【0003】
このLEDランプ装置61は、LED本体62に前後一対のL字状の端子部63を接続してLED接続体を構成し、前後の各バスバー64に三方の各位置決め片65と弾性接触片66とを切り起こし形成し、各端子部63を各位置決め片65と弾性接触片66との内側に上から挿入して接続し、離脱時にはLED接続体を上方に引き出し可能としたものである。LEDとは発光ダイオードのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−13018号公報(図3〜図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のLEDランプ装置にあっては、LED本体62のオンオフ(点灯・消灯)を行う場合にスイッチ構造を別途設けなければならず、部品点数が増えて構造が複雑化してしまうという懸念があった。特にスライド式のスイッチ構造の場合には、端子部(63)とバスバー(64)との摺動摩耗やガタ等によって接触性が低下しやすく、経時的に良好な電気的接触性を確保することが困難であるという懸念があった。
【0006】
本発明は、上記した点に鑑み、部品点数の増加や構造の複雑化を抑制しつつLED本体のオンオフをスライド式のスイッチ構造でスムーズ且つ確実に行うことができ、しかもLED本体とバスバーとの電気的接続の信頼性を高めることのできるスイッチ一体型LEDランプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、スライド式のスイッチノブと、該スイッチノブに保持されるLED本体と、該スイッチノブを開口内にスライド自在に露出させるカバーと、該LED本体の端子部に接触するバスバーと、該バスバーを固定する絶縁性のハウジングとで構成され、該LED本体を該バスバーに押し付けるばね部が該スイッチノブに設けられたことを特徴とする。
【0008】
上記構成により、LED本体がスイッチノブと一体に移動し、LED本体の端子部がバスバーに摺接して、例えばバスバーとの接触位置でLED本体が点灯し、バスバーとの非接触位置でLED本体が消灯する。LED本体はばね部でバスバーに弾性的に押し付けられているので、端子部とバスバーとの接触が確実に行われる。
【0009】
請求項2に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、請求項1記載のスイッチ一体型LEDランプ装置において、前記LED本体が前記スイッチノブの左右一対のリブの間に保持されると共に、前後一対の前記ばね部で前記バスバーに押し付けられたことを特徴とする。
【0010】
上記構成により、LED本体が左右一対のリブで左右方向に位置ずれなく保持されつつ(LED本体は一対のリブに沿って上下方向に摺動可能である)、前後一対のばね部でバスバーに押し付けられる。前後左右上下の方向性は説明の便宜上のものであり(前後左右は四方を意味する)、例えば前後はスイッチノブのスライド方向でもスライド直交方向でもよい(どちらかと言えば左右一対のリブの左右がスライド方向であることが、スライド時のLED本体のずれを確実に防ぐ上で好ましい)。例えば一対のばね部を例えば内向きにJ字状に屈曲形成し、J字の屈曲側でLED本体を外から内向きに押さえることで、ばね部もリブと同様に位置ずれ防止機能を発揮する。
【0011】
請求項3に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、請求項1又は2記載のスイッチ一体型LEDランプ装置において、前記スイッチノブのスライド部が前記ハウジングのレール部にスライド自在に係合したことを特徴とする。
【0012】
上記構成により、ハウジングにバスバーが配置され、スイッチノブがハウジングにスライド自在に係合することで、スイッチノブ一体のLED本体とバスバーとの接触ガタが小さく抑えられ、端子部とバスバーとの電気的接触性が高まる。
【0013】
請求項4に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、請求項1〜3の何れかに記載のスイッチ一体型LEDランプ装置において、前記バスバーとして、−極のバスバーの端部の延長上に信号回路のバスバーの一部が位置し、該−極のバスバーと平行に該端部よりも延長されて+極のバスバーが位置し、該+極と該−極のバスバーとに沿って前記LED本体の各前記端子部が配置されたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、スイッチノブの中立位置で、LED本体の一対の端子部が+極のバスバーと信号回路のバスバーの一部と接触して、信号回路と連動してLED本体が点灯し(信号回路としては例えば自動車のカーテシランプ回路が挙げられる)、スイッチノブの前進位置で、端子部が信号回路のバスバーから離間(離脱)し、+極と−極との各バスバーに接触してLED本体が点灯し、スイッチノブの後退位置で端子部が−極及びスイッチ回路のバスバーから離間し、+極のバスバーのみに接触してLED本体が消灯する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、LED本体をスイッチノブに配置してスイッチノブと一体にスライドさせることで、LED本体のオンオフ(点灯/消灯)をスムーズに行わせることができると共に、スイッチ部品を別途設ける必要がなく、ランプ構造を簡素化・コンパクト化・低コスト化することができる。また、LED本体をばね部でバスバーに押し付けることで、LED本体とバスバーとの電気的接続の信頼性を高めて、車両の振動等による接触不良等を防止することができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、LED本体を一対のリブで位置決めし、且つ一対のばね部でバスバーに向けて付勢することで、LED本体を位置ずれなくバスバーに沿ってスイッチノブと共にスムーズにスライドさせることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、スイッチノブをカバーではなくバスバー側のハウジングにスライド自在に係合させたことで、スイッチノブと一体のLED本体とバスバーとの接触ガタを防止して電気的接続の信頼性を高めることができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、スイッチノブのスライド操作で、例えば自動車のカーテシランプ回路といった信号回路に連動してLED本体を点灯させたり、信号回路に関係なくLED本体を点灯又は消灯させることで、スイッチ一体型LEDランプ装置の機能を多様化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るスイッチ一体型LEDランプ装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】LED本体の一形態を示す、(a)は表面側斜視図、(b)は裏面側斜視図である。
【図3】スイッチノブの裏面側を示す斜視図である。
【図4】LED本体をスイッチノブとバスバーとの間に挟持した状態の縦断面図である。
【図5】カバーとハウジングとの組立体の一形態を示す裏面側斜視図である。
【図6】バスバー構造の一形態を示す裏面側斜視図である。
【図7】バスバーとLED本体の一接続状態を示す平面図である。
【図8】(a)はカバーとスイッチノブとハウジング等との組立体であるスイッチ一体型LEDランプ装置のドア連動ポジションを示す斜視図、(b)はハウジングとバスバーとの組立体を示す斜視図である。
【図9】(a)は図8(a)のA−A断面図、(b)は図8(a)のB−B断面図、(c)は図8(b)のC−C断面図である。
【図10】(a)はスイッチ一体型LEDランプ装置のオンポジションを示す斜視図、(b)は同じくハウジングとバスバーとの組立体を示す斜視図である。
【図11】(a)は図10(a)のD−D断面図、(b)は図10(a)のE−E断面図、(c)は図10(b)のF−F断面図である。
【図12】(a)はスイッチ一体型LEDランプ装置のオフポジションを示す斜視図、(b)は同じくハウジングとバスバーとの組立体を示す斜視図である。
【図13】(a)は図12(a)のG−G断面図、(b)は図12(a)のH−H断面図、(c)は図12(b)のI−I断面図である。
【図14】従来のLEDランプ装置の一形態を部分的に示す側面(断面)図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明に係るスイッチ一体型LEDランプ装置の一実施形態を示すものである。
【0021】
このスイッチ一体型LEDランプ装置1は、合成樹脂製のスイッチノブ2と、スイッチノブ2に組み付けられるLED本体3と、スイッチノブ2をスライド自在に組み付ける合成樹脂製のカバー4と、LED本体3を接触させる複数本のバスバー5〜7と、バスバー5〜7を組み付けた状態でカバー4に組み付けられる絶縁樹脂製のハウジング8とを備えたものである。
【0022】
図2(a)(b)の如く、LED本体3は正方形のフラットな板状に形成され、表面側の中央に発光部(平坦な発光面)9を有し、発光部9は絶縁樹脂部10で囲まれ、絶縁樹脂部10の裏面に、発光部9に接続された一対の導電性の端子部(電極)11が裏面とほぼ同一面に設けられている。
【0023】
図1,図3(裏面を示す)の如く、スイッチノブ(スイッチ部材)2は、長方形の板部12と、板部12の中央に一体に設けられたLED装着部(操作部)13と、板部12の裏面側で左右の側端に一体に設けられた前後一対の可撓性のスライド用のフック爪(スライド部)14とで構成されている。
【0024】
LED装着部13は、板部12の表面側に矩形状に膨出してスライド用の操作部(ノブ)をなし、図3の如く裏面側の凹部15の底面(内面)15aから垂直に突出した左右一対の規制リブ16と前後一対の規制ばね(ばね部)17とを有し、前後左右の規制部材16,17で囲まれた内側に円形でテーパ状のレンズ部(照射部)18を有している。各規制リブ16は各規制ばね17よりも長く突出して、LED本体3の側面10aを保持可能である。
【0025】
図4の如く、各規制ばね17は先端側が内向きにJ字状に屈曲され、この屈曲部17aでLED本体3の上端縁10bを下向きに付勢して、LED本体3の裏面の端子部11を下側のバスバー5〜7に押し付けて弾性的に接触させる。ばね17をJ字状に屈曲させ、その屈曲部17aの先端外面でLED本体3を外から内向き(中心に向けて)に押さえることで、ばね17もリブ16と同様にLED本体3の位置ずれ防止作用を発揮する。図4で符号16は規制リブである。本例の一対の規制ばね17は図1のスイッチノブ2の長手方向に並列に配置され、一対の規制リブ16はスイッチノブ2の短手方向(幅方向)に並列に配置されている。
【0026】
これらの配置は逆であってもよく、要は、一対の対向する規制リブ16の内面にLED本体3の側面10aを当接させて、各規制リブ16でLED本体3のX方向の位置ずれを阻止し、一対の対向する規制ばね17でLED本体3をバスバー5〜7に向けて付勢しつつ、LED本体3のY方向の位置ずれを阻止する。バスバー5〜7はハウジング8に固定されている。
【0027】
なお、前後左右の四方に規制リブ16を設けた場合は、例えば前後の規制リブ16にスリット状の切欠部(図示せず)を設け、前後の規制リブ16の外側に規制ばね17を配設し、規制ばね17の屈曲先端部17aを切欠部に貫通させて、LED本体3の上端縁10bに押接させる。明細書で前後左右上下の方向性は説明の便宜上のものである。
【0028】
規制リブ16と規制ばね17とはスイッチノブ2の凹部15の裏面15aに一体に立設されている。LED本体3の発光部9の上面(発光面)が凹部15内のレンズ部18の底面18aに隙間19を存して対向して位置する。レンズ部18の形状は適宜設定可能である。LED本体3はスイッチノブ2と一体にスイッチノブ2のスライド方向に移動する。なお、規制ばね17はスイッチノブ2と一体でなくてもよく、例えば別体の規制ばね17をスイッチノブ2の裏面に係止手段で固定させる等も可能である。
【0029】
図1の如く、カバー4は、スイッチノブ2よりも大きな長方形状に形成され、表面側の板壁20の中央にスイッチノブ2の表面側を露出させる矩形状の開口21を有し、開口21はスイッチノブ2よりも小さく形成され、板壁20の裏面側に前後左右の垂直な枠状の壁部(周壁)22が設けられ、その前後の壁部22aの外面に、取付側(本例で自動車の天井パネルの矩形孔)に対する係止突起(図5参照)23を有している。車室内(実使用状態)でスイッチノブ2は下向きに位置し、LED本体3は下向きに光を照射する。スイッチノブ2は板壁20の内面(裏面)に沿って前後方向(長手方向)にスライド自在に装着される(装着構造については後述する)。
【0030】
図5の如く、カバー4の周壁22の内側にハウジング8が収容される。ハウジング8は、底壁24の前部にコネクタハウジング25を一体に有し、コネクタハウジング25はコネクタ嵌合室25aを有し、コネクタ嵌合室内に各バスバー5〜7の端末の雄端子26を収容してコネクタ(符号25で代用)を成す。
【0031】
図1の如く、ハウジング8の底壁24の上面側に段差状のブロック壁27が一体に設けられ、底壁24のコネクタ25側(前半)の上面とブロック壁27の前半の上面とに前後方向のバスバー収容溝28〜30が複数並列(本例で三本平行)に設けられ、各収容溝28〜30の前端はコネクタ25の雄端子挿入孔(図示せず)に続いている。各収容溝28〜30は各バスバー5〜7の平面視形状に整合し、左端の収容溝30の後端はL字状に屈曲し、中間の収容溝29はL字屈曲部30aの手前で終端し、右端の収容溝28は一番長く後方に延びている。各収容溝28〜30の後端にはバスバー係止用の孔31が設けられている。
【0032】
ブロック壁27の左右上端には水平な鍔部(レール部)32が形成され、鍔部32はブロック壁27の後端の手前で終端している。鍔部32にスイッチノブ2の左右端のフック爪14がスライド自在に係合して、上記装着構造を成す。
【0033】
図1,図6の如く、各バスバー5〜7はハウジング8の段差部33とコネクタ25の雄端子挿入孔(図示せず)に合わせて適宜折り曲げ形成され、図1で左端のバスバー7は、図6の如く、下向きの雄端子26と、雄端子26に続く前半の水平部7bと、水平部7bに続く中間の垂直部7cと、垂直部7cに続く後半の水平部7dと、水平部7dの後端側で内向き水平に屈曲した交差板部(バスバーの一部)7aとで構成されている。
【0034】
中間のバスバー6は、下向きの雄端子26と前半の水平部6aと中間の垂直部6bと後半の水平部6cとで構成され、後半の水平部6cの端部6dの延長上(同一軸線上)に左端のバスバー7の交差板部7aが配置されている。右端のバスバー5は前後二つに分割され、抵抗34を介して相互に接続される。抵抗34は例えばバッテリの12V電源をLEDランプ用に減圧する。前側のバスバー5は下向きの雄端子26と短い水平部5aから上向きに突出した圧接片5bとで成り、後側のバスバー5は上向きの圧接片5bと短い水平部5cと垂直部5dと後半の水平部5eとで成る。各バスバー5〜7の後端には、ハウジング8(図1)の孔31に係合する垂直な突片35が設けられている。
【0035】
図7の如く、ハウジング8のブロック壁27の上壁面の収容溝28〜30内に各バスバー5〜7が収容配置(固定)され、本例で、右端のバスバー5はバッテリ電源に続くプラス(+)極の回路、中央のバスバー6はアース用のマイナス(−)極の回路、左端のバスバー7はカーテシ回路ないしドア連動回路(信号回路)をなす。図7では左端のバスバー7の後端の交差板部7aと右端のバスバー5とにLED本体3の各端子部11(図2)が接触している。
【0036】
図8(a)(b)の如く、カバー4の開口21の中央にスイッチノブ2の操作部13とその内側のLED本体3が位置した際に、LED本体3は右端のプラス回路のバスバー5と、左端のドア連動回路のバスバー7とに接続され、自動車ドアの開時にドアのカーテシランプ(図示せず)の点灯と同時にLED本体3の発光部9が点灯する。
【0037】
図9(a)(図8(a)のA−A断面)の如く、スイッチノブ2は、板部12の左右の側端に設けたフック爪14の内側のガイド溝14aにハウジング8のブロック壁27の左右端の鍔部(レール部)32をスライド自在に係合させている。フック爪14は下側の傾斜面14bを鍔部32に上方から押圧摺接させて係合させ、その状態でスイッチノブ2の突出した操作部(ノブ)13がカバー4の開口21に下側から上向きに進入して組み付けられる。カバー4の周壁22の内面にハウジング8の底壁24の側面24aが当接してガタ付きなく支持される。LED本体3は左右の規制リブ16で支持されている。図9で24bは鍔部32を樹脂成形するための型抜き孔である。
【0038】
図9(b)(図8(a)のB−B断面図)の如く、LED本体3はスイッチノブ2の前後の規制ばね片17でバスバー7に押し付けられた状態でスライド可能である。バスバー5〜7とLED本体3の端子部11との間にはグリス等を塗布して摺動抵抗を低減させることが好ましい。図9(b),図9(c)(図8(b)のC−C断面図)の如く、LED本体3の一方の端子部11が図8(b)で左端のドア連動回路であるバスバー7の交差板部7aに接触し、他方の端子部11がプラス回路である右端のバスバー5に接触している。各端子部11と各バスバー5〜7との接触は規制ばね片17のばね力で弾性的に隙間なく確実に行われる。
【0039】
図10(a)(b)の如く、スイッチノブ2を前方にスライド移動させた際に、スイッチノブ2はストッパ(例えばハウジング8の垂直に立ち上げられた前端壁36)に当接して前端位置で停止し、同時にLED本体3がスイッチノブ2と一体に移動し、LED本体3の各端子部11はバスバー5〜7の表面を摺接し、図11(a)〜(c)の如く、プラス回路の右端のバスバー5と中央のマイナス回路のバスバー6とに接触して、LED本体3の発光部9がドアの開閉とは無関係に点灯する。LED本体3は規制ばね片17で各バスバー5,6に押し付けられて弾性的に接触することは言うまでもない。
【0040】
図12(a)(b)の如く、スイッチノブ2を後方にスライド移動させた際に、スイッチノブ2はストッパ(例えばカバー4の後壁22b)に当接して後端位置で停止し、同時にLED本体3がスイッチノブ2と一体に移動し、LED本体3の各端子部1はバスバー5〜7の表面を摺接し、図13(a)〜(c)の如く、中央のマイナス回路6のバスバーと左端のドア連動回路のバスバー7の終端7aを通過して、一方の端子部11のみがプラス回路の右端のバスバー5に接触して、LED本体3の発光部9がドアの開閉とは無関係に消灯する。図12(b)の状態からスイッチノブ2を前方にスライドさせる際に、各バスバー5〜7の表面とハウジング8のブロック壁27の上面とは略同一面に位置し、且つばね17で弾性付勢されているので、LED本体3は引っ掛かりなくスムーズにスライド移動する。
【0041】
上記実施形態によれば、スイッチノブ2が通常時にドア連動のポジションにあり、点灯、消灯の動作時にスライドするが、同時にLED本体3もスイッチノブ2の規制リブ16によってスイッチノブ2と一体にスライドし、導通ポイントに切り替えることができるので、スイッチと通電の両方の機能を果たすことができる。
【0042】
また、スイッチノブ2と光源部すなわちLED本体3とでスイッチ構造を兼ねているので、他の部分にスイッチ構造を設ける必要がなくなり、組立作業を容易に行うことができる。また、LED本体3の端子部11のハンダ付けが不要であるので、振動や熱によるハンダの劣化の懸念を払拭することができる。また、LED本体3とバスバー5〜7とを直接的に圧接(押圧接続)させているので、導通不良が起きにくい。
【0043】
このように、LED本体3をバスバー5〜7に固定せず、スイッチノブ2でバスバー5〜7に押し当てて導通させ、スイッチノブ2の点灯、消灯の動作に合わせてLED本体3も移動し、バスバー5〜7との導通ポイントを切り替えることで、スイッチと光源の両方の機能を備えたスイッチと光源部の一体構造を得ることができる。
【0044】
なお、上記実施形態においては、スイッチノブ2をハウジング8の鍔部(レール部)に32スライド自在に係合させたが、スイッチノブ2をハウジング8ではなくカバー4のレール部(図示せず)にスライド自在に係合させることも可能である。但し、スイッチノブ2をハウジング8にスライド係合させる方がLED本体3とハウジング8側のバスバー5〜7との接触が上下ガタ(隙間)なく確実に行われるので好ましい。
【0045】
また、上記実施形態においては、スイッチノブ2のフック爪14をハウジング8のレール部32に対するスライド部としたが、スライド部としてフック爪14に代えて断面L字状の前後方向に長い部材(図示せず)をスイッチノブ2に一体に設け、スイッチノブ2をレール部32に上方からではなく前後方向にスライド係合(嵌合)させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るスイッチ一体型LEDランプ装置は、例えば自動車のルームランプやマップランプ等の構成部品の削減やコンパクト化及び電気的接続の信頼性向上のために利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 スイッチ一体型LEDランプ装置
2 スイッチノブ
3 LED本体
4 カバー
5 +極のバスバー
6 −極のバスバー
6d 端部
7 ドア連動回路(信号回路)のバスバー
7a 交差板部(一部)
8 ハウジング
11 端子部
14 フック爪(スライド部)
16 規制リブ(リブ)
17 規制ばね片(ばね部)
21 開口
32 鍔部(レール部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド式のスイッチノブと、該スイッチノブに保持されるLED本体と、該スイッチノブを開口内にスライド自在に露出させるカバーと、該LED本体の端子部に接触するバスバーと、該バスバーを固定する絶縁性のハウジングとで構成され、該LED本体を該バスバーに押し付けるばね部が該スイッチノブに設けられたことを特徴とするスイッチ一体型LEDランプ装置。
【請求項2】
前記LED本体が前記スイッチノブの左右一対のリブの間に保持されると共に、前後一対の前記ばね部で前記バスバーに押し付けられたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ一体型LEDランプ装置。
【請求項3】
前記スイッチノブのスライド部が前記ハウジングのレール部にスライド自在に係合したことを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチ一体型LEDランプ装置。
【請求項4】
前記バスバーとして、−極のバスバーの端部の延長上に信号回路のバスバーの一部が位置し、該−極のバスバーと平行に該端部よりも延長されて+極のバスバーが位置し、該+極と該−極のバスバーとに沿って前記LED本体の各前記端子部が配置されたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスイッチ一体型LEDランプ装置。
【請求項1】
スライド式のスイッチノブと、該スイッチノブに保持されるLED本体と、該スイッチノブを開口内にスライド自在に露出させるカバーと、該LED本体の端子部に接触するバスバーと、該バスバーを固定する絶縁性のハウジングとで構成され、該LED本体を該バスバーに押し付けるばね部が該スイッチノブに設けられたことを特徴とするスイッチ一体型LEDランプ装置。
【請求項2】
前記LED本体が前記スイッチノブの左右一対のリブの間に保持されると共に、前後一対の前記ばね部で前記バスバーに押し付けられたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ一体型LEDランプ装置。
【請求項3】
前記スイッチノブのスライド部が前記ハウジングのレール部にスライド自在に係合したことを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチ一体型LEDランプ装置。
【請求項4】
前記バスバーとして、−極のバスバーの端部の延長上に信号回路のバスバーの一部が位置し、該−極のバスバーと平行に該端部よりも延長されて+極のバスバーが位置し、該+極と該−極のバスバーとに沿って前記LED本体の各前記端子部が配置されたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスイッチ一体型LEDランプ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−148462(P2011−148462A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12896(P2010−12896)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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