説明

スイッチ基板の固定構造及び固定方法

【課題】スイッチ基板のスイッチケースへのガタツキない確実な固定において、基板レイアウトに制約を生じさせず、又、ショート等の事故を防止し、固定作業を容易とする。
【解決手段】スイッチ基板1の対向する側端部に嵌合突起12を設け、スイッチケース2の対向する側壁21には、嵌合突起12に対応する嵌合孔22を設けると共に、支持ピン挿入用孔23を設け、嵌合突起12を嵌合孔22に挿入して、支持ピン3を支持ピン挿入用孔23に挿入し、スイッチ基板1を支持ピン3で嵌合孔22に押し付けて、スイッチ基板1をスイッチケース2に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ基板、主に自動車電装用スイッチ基板のスイッチケースへの固定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図7に示すように、補強板付きのフレキシブル基板又はリジット基板等の基板90上に実装されたスイッチ91を押し易くする為に、スイッチトップ92をスイッチケース93に入れたスイッチ装置が使用されている。そして、このようなスイッチ基板90とスイッチケース93の固定は、スイッチケース93の対向する側壁の下部に嵌合用の孔94を設けると共に、基板90には嵌合突起95を設け、嵌合孔94に嵌合突起95を嵌合させて、スイッチケース93にスイッチ基板90を固定させていた。
【0003】
このような固定構造の場合、スイッチ91の接点保障の為、スイッチ基板90上面とスイッチトップ92は一定の精度内の位置関係を有する必要があるが、スイッチ基板90に生じる反りや前記嵌合孔94と嵌合突起95との嵌合で生じてしまう嵌合ガタにより、一定の精度が保てなくなる場合があった。スイッチ基板90の反りは、スイッチ基板90が大きい場合(例えば幅や長さが100mm程度以上の場合)や大きいLEDや抵抗等の電子部品96をリフローする場合にはんだの熱収縮により大きくなる。例えば、縦100mm、横100mmの基板で最大0.2mm程度になることもある。
【0004】
又、スイッチが実装されたフレキシブル基板を筐体に固定する方法として、フレキシブル基板に設けた穴及び筐体に設けたねじ穴に保持ねじを取り付けることによりフレキシブル基板を筐体に固定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
そこで、スイッチ基板90の反り量が無視できない場合や、スイッチケース93とスイッチ基板90の嵌合ガタが大きい場合には、図7に示すように、必要に応じてネジ97を用いて、スイッチ基板90にネジ用貫通孔98を設けると共に、スイッチケース93にネジ嵌合用穴99を設け、ネジ97をネジ用貫通孔98及びネジ嵌合用穴99に螺入してスイッチケース93とスイッチ基板90を密着、固定する構造が採られている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−92174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のような固定構造では、スイッチ基板をスイッチケースにガタツキなく固定しようとした場合に、スイッチ基板にネジ用貫通孔を設けるため、回路形状や部品配置等の基板レイアウトに制約が生じてしまうといった問題点があった。
【0008】
又、ネジに付着した金属粉、粉塵等、又、ネジ螺入時に生じるスイッチ基板又はスイッチケースから生じる粉塵等がスイッチ基板上に付着し、ショート等の事故が生じるおそれがあった。
【0009】
又、ネジの締め付けの工程が必要となり、ネジの締め付け作業は煩雑であり、加工工程数がふえるといった欠点もあった。
【0010】
更に、スイッチ基板に嵌合用の突起を設けた固定構造では、基板形状が複雑になり、加工費が増加し、特に基板の反りを矯正する目的で突起の数を増やすとより加工費が増加するといった欠点があった。
【0011】
そこで、本発明は上記従来技術の欠点を解消し、スイッチケースにスイッチが実装されたスイッチ基板をガタツキなく確実に固定するに際して、回路形状や部品配置等の基板レイアウトに制約を生じさせないことを目的とする。
【0012】
又、金属粉、粉塵等がスイッチ基板上に付着することを防止し、ショート等の事故を防止することを目的とする。
【0013】
又、固定作業を容易とすること、固定工程数を減少させることを目的とする。
【0014】
更に、基板形状を簡易として加工費を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決する為の本発明は、スイッチ基板の側端部をスイッチケースに設けた受部に挿入すると共に、押さえ具で該受部に押し付けて、スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定構造である。
【0016】
又、上記の固定構造において、前記スイッチ基板の対向する側端部には少なくとも一対の嵌合突起を設け、前記スイッチケースの対向する側壁には、前記嵌合突起に対応する嵌合孔を設けると共に、押さえ具設置用孔を設け、前記受部を該嵌合孔で構成し、該嵌合突起を該嵌合孔に挿入して、前記スイッチ基板を前記スイッチケースに設けた受部に挿入し、
前記押さえ具を該押さえ具設置用孔に挿入し、前記スイッチ基板を前記押さえ具で該嵌合孔に押し付けて、スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定構造である。
【0017】
又、上記の固定構造において、前記押さえ具設置用孔は支持ピン挿入用孔で構成し、前記押さえ具はピンセット状の支持ピンで構成し、該支持ピンを前記スイッチケースの対向する側壁に設けた一対の支持ピン挿入用孔に挿入し、前記スイッチ基板を該支持ピンで前記嵌合孔に押し付けて、スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定構造である。
【0018】
又、上記の固定構造において、前記押さえ具設置用孔は楔挿入用孔で構成し、前記押さえ具は楔で構成し、該楔を該楔挿入用孔に挿入し、前記スイッチ基板を該楔で前記嵌合孔に押し付けて、スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定構造である。
【0019】
又、上記の固定構造において、前記押さえ具設置用孔は突部挿入用孔で構成し、前記押さえ具は突部を有する下蓋で構成し、該突部を該突部挿入用孔に挿入し、前記スイッチ基板を該下蓋で前記嵌合孔に押し付けて、スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定構造である。
【0020】
又、上記の固定構造において、前記スイッチ基板の対向する側端部には少なくとも一対の切欠きを設け、前記スイッチケースの対向する側壁には、該切欠きに対応してガイドと基板固定部を設け、前記受部は該ガイドと該基板固定部間に形成される嵌合用凹部で構成し、前記押さえ具は該ガイド又は該基板固定部で構成し、前記スイッチ基板を該嵌合用凹部に挿入し、前記スイッチ基板を該ガイド又は該基板固定部で該嵌合用凹部に押し付けて、スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定構造である。
【0021】
更に、上記の固定構造を有するスイッチ装置である。更に、スイッチ基板の側端部をスイッチケースに設けた受部に挿入し、スイッチ基板を押さえ具で該受部に押し付けて、スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定方法である。
【発明の効果】
【0022】
以上のような本発明によれば、スイッチケースにスイッチが実装されたスイッチ基板をガタツキなく確実に固定するに際して、スイッチ基板にネジ用貫通孔を設ける必要がないので、回路形状や部品配置等の基板レイアウトに制約がなく、基板設計の自由度が増した。
【0023】
又、ネジを用いないので、ネジに付着した金属粉、粉塵等、又、ネジ螺入時に生じる基板又はスイッチケースから生じる粉塵等が基板上に付着することがなく、ショート等の事故を防止でき、製品の安全性、信頼性が高まった。
【0024】
又、ネジの締め付けの工程が不要となり、加工工程数の減少、加工作業の簡素化を図ることが出来た。
【0025】
更に、基板に嵌合用の突起を設けない構成では、基板形状の簡素化を図ることが出来、加工費の減少により製品のコストを下げることが出来た。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下本発明の実施の形態を図に従って説明する。図1及び2は、本発明のスイッチ装置及びスイッチ基板のスイッチケースへの固定構造の第一の実施形態の斜視図であり、スイッチ基板1が固定されたスイッチケース2を下方から見た図である。フレキシブル基板を用いたスイッチ基板1の裏面には補強板11が設けられ、補強板11が設けられた部分の上面には図示しないスイッチ、LEDや抵抗等の電子部品が実装され、回路が形成されている。スイッチ基板1の対向する側端部の略中央には、スイッチ基板1と水平方向に突出する一対の嵌合突起12が設けられている。
【0027】
スイッチケース2は、底部が開口した筐体で構成され、スイッチ基板1のスイッチが実装された部分が収納されると共に、該スイッチの押圧を容易とするスイッチトップ29がその頭部をスイッチケース2の上面に設けた図示しない孔から突出させて収納されている。スイッチケース2の対向する側壁21の下部(図面では上側)には、スイッチ基板1の対向する側端部に設けられた嵌合突起12に対応する、一対の受部としての嵌合孔22が設けられ、更に、嵌合孔22を挟んで2対の押さえ具設置用孔としての支持ピン挿入用孔23が設けられている。
【0028】
尚、嵌合孔22及び支持ピン挿入用孔23の設置数は、夫々嵌合突起12又は押さえ具としての支持ピン3の設置数に対応すれば特に限定されず、嵌合孔22は2対以上設けてもよく、支持ピン挿入用孔23は1対或いは3対以上設けてもよい。又、支持ピン挿入用孔23はスイッチ基板2の確実な固定のために嵌合孔22を挟んで設けることが好ましいが、嵌合孔22の一側方にのみ設けてもよい。
【0029】
支持ピン3は、バネ部材であり、1本の棒状体の中間部を曲折して、棒状体を対向させてピンセット状、板ばね状に形成し、少なくとも曲折部33は弾性を有し、対向する棒状体間を接近、当接させる方向に力を作用させない自然状態では、棒状体間は、離隔している。尚、支持ピン3は棒状体以外の板状体等で形成してもよく、2本の棒状体、板状体等の一端部を結合して形成してもよい。又、曲折部33と反対側の先端部は曲折して、支持ピン挿入用孔23からの意図しない抜けを防止可能とすることが好ましい。
【0030】
スイッチ基板1は、嵌合突起12をスイッチケース2の嵌合孔22に挿入、嵌合している。又、対向する一対の支持ピン挿入用孔23には一本の支持ピン3が挿入される。支持ピン挿入用孔23は、支持ピン3が挿入された時に、対向する棒状体のうちの1本がスイッチ基板1の裏面に接し、スイッチ基板1をスイッチケース2の上方(図面では下方)に押圧することが出来る位置に、スイッチケース2に穿孔されている。そして、支持ピン3は、棒状体間が離隔した状態を保とうとするバネ部材であるので、スイッチ基板1は支持ピン3により、スイッチケース2の上方(図面では下方)に押圧され、嵌合突起12が嵌合孔22内で、嵌合孔22の内壁上方に、即ちスイッチケース2の上方(図面では下方)に押え付けられる。このようにして、スイッチ基板1の嵌合ガタを吸収し、スイッチ基板1に反りが生じていても、スイッチ基板1をスイッチケース2にガタツキなく固定することが出来る。
【0031】
尚、支持ピン挿入用孔23は、支持ピン3が挿入された時に、対向する棒状体のうちの1本がスイッチ基板1の表面に接し、押圧することが出来る位置に、スイッチケース2に穿孔することとしてもよい。このような構成の場合、スイッチ基板1は支持ピン3により、スイッチケース2の下方(図面では上方)に押圧され、嵌合突起12が嵌合孔22内で、嵌合孔22の内壁下方に、即ちスイッチケース2の下方(図面では上方)に押え付けられる。
【0032】
次に図3は、本発明第二の実施形態の斜視図であり、スイッチ基板1が固定されたスイッチケース2を下方から見た図である。図1及び2に示した実施形態で設けた支持ピン挿入用孔23に替えて押さえ具設置用孔として楔挿入用孔25を設けると共に、支持ピン3に替えて押さえ具として楔4を用いている。
【0033】
スイッチケース2の対向する側壁21の下部(図面では上側)には、受部としての嵌合孔22を挟んで2対の楔挿入用孔25が設けられている。尚、楔挿入用孔25の設置数は、楔4の設置数に対応すれば特に限定されず、楔挿入用孔25は1対或いは3対以上設けてもよい。対向する側壁21に異なる数の楔挿入用孔25を設けることとしてもよい。又、楔挿入用孔25はスイッチ基板2の確実な固定のために嵌合孔22を挟んで設けることが好ましいが、嵌合孔22の一側方にのみ設けてもよい。
【0034】
楔4は、スイッチケース2に設置した際、少なくともスイッチケース2の上下方向(図面でも上下方向)に厚みが変化する楔を用いる。
【0035】
楔挿入用孔25には楔4がスイッチケース2の外側から挿入される。楔挿入用孔25は、楔4が挿入された時に、楔4の上面がスイッチ基板1の裏面に接し、スイッチ基板1をスイッチケース2の上方(図面では下方)に押圧することが出来る位置に、スイッチケース2に穿孔されている。そして、楔4が楔挿入用孔25に挿入されると、スイッチ基板1は楔4により、スイッチケース2の上方(図面では下方)に押圧され、嵌合突起12が嵌合孔22内で、嵌合孔22の内壁上方に、即ちスイッチケース2の上方(図面では下方)に押え付けられる。このようにして、スイッチ基板1の嵌合ガタを吸収し、スイッチ基板1に反りが生じていても、スイッチ基板をスイッチケース2にガタツキなく固定することが出来る。
【0036】
尚、楔挿入用孔25は、楔4が挿入された時に、楔4の下面がスイッチ基板1の表面に接し、押圧することが出来る位置に、スイッチケース2に穿孔することとしてもよい。このような構成の場合、スイッチ基板1は楔4により、スイッチケース2の下方(図面では上方)に押圧され、嵌合突起12が嵌合孔22内で、嵌合孔22の内壁上方に、即ちスイッチケース2の下方(図面では上方)に押え付けられる。又、楔4はスイッチケース2の内側から挿入することとしてもよい。尚、他の構成は第一の実施形態と同様であるので、図面に同一の符号を付して、説明は割愛する。
【0037】
次に図4は、本発明第三の実施形態の斜視図であり、スイッチ基板1が固定されたスイッチケース2を下方から見た図である。図1及び2に示した実施形態で設けた支持ピン挿入用孔23に替えて押さえ具設置用孔として突部挿入用孔26を設けると共に、支持ピン3に替えて押さえ具として突部51を有する下蓋5を用いている。
【0038】
スイッチケース2の対向する側壁21の下部(図面では上側)には、受部としての嵌合孔22を挟んで2対の突部挿入用孔26が設けられている。尚、突部挿入用孔26の設置数は、後述の突部51の設置数に対応すれば特に限定されず、突部挿入用孔26は1対或いは3対以上設けてもよい。又、突部挿入用孔26はスイッチ基板2の確実な固定のために嵌合孔22を挟んで設けることが好ましいが、嵌合孔22の一側方にのみ設けてもよい。
【0039】
下蓋5はスイッチケース2の開口した底部を閉鎖する蓋部材であり、平板状の下蓋5の側端部には、下蓋5と水平方向に突出する突部51が突部挿入用孔26に対応して、図面では2対、4個設けられている。下蓋5の対向する側端部に異なる数の突部51を設けることとしてもよい。
【0040】
突部挿入用孔26には下蓋5の突部51がスイッチケース2の内側から挿入される。突部挿入用孔26は、突部51が挿入された時に、下蓋5の上面がスイッチ基板1の裏面に接し、スイッチ基板1をスイッチケース2の上方(図面では下方)に押圧するように、スイッチケース2に穿孔されている。そして、突部51が突部挿入用孔26に挿入されると、スイッチ基板1は下蓋5により、スイッチケース2の上方(図面では下方)に押圧され、嵌合突起12が嵌合孔22内で、嵌合孔22の内壁上方に、即ちスイッチケース2の上方(図面では下方)に押え付けられる。尚、突部51の突部挿入用孔26への挿入は、スイッチケース2及び下蓋5を弾性変形させながら行う。このようにして、スイッチ基板1の嵌合ガタを吸収し、スイッチ基板1に反りが生じていても、スイッチ基板をスイッチケース2にガタツキなく固定することが出来る。尚、他の構成は第一の実施形態と同様であるので、図面に同一の符号を付して、説明は割愛する。
【0041】
次に図5及び6は、本発明第四の実施形態を示す図であり、図5はスイッチケース2を下方から見た斜視図であり、図6は一部断面図である。フレキシブル基板を用いたスイッチ基板1の裏面には補強板11が設けられ、補強板11が設けられた部分の上面には図示しないスイッチ、LEDや抵抗等の電子部品が実装され、回路が形成されている。スイッチ基板1の対向する側端部には対向する2対の切欠き15が設けられている。
【0042】
スイッチケース2は、底部が開口した筐体で構成され、スイッチ基板1のスイッチが実装された部分が収納されると共に、図示しないスイッチトップがその頭部をスイッチケース2から突出させて収納されている。スイッチケース2の対向する側壁21の内面には、スイッチ基板1の対向する側端部に設けられた切欠き15に対応する位置に、2対の保持部7が設けられている。
【0043】
スイッチケース2には、上記の第一乃至第三の実施形態のような受部としての嵌合孔、押さえ具設置用孔は設けず、又、スイッチ基板1には嵌合突起が設けられていない。嵌合突起を設けないので、基板形状の簡素化を図ることが出来、加工費の減少により製品のコストを下げることが出来る。
【0044】
保持部7はガイド71と基板固定部72で構成され、ガイド71と基板固定部72間に受部を構成する嵌合用凹部77が形成される。押さえ具としてのガイド71はスイッチケース2の上方(図面では下方)に向かってスイッチケース2内方への突出幅を徐々に大きくした縦断面略L字型の突起であり、その内壁を曲面状にすることにより突出幅の変化を形成すると共に、スイッチ基板1の嵌合用凹部77への円滑な挿入を可能にしている。基板固定部72はガイド71のスイッチケース2の上方(図面では下方)側に設けた、スイッチケース2内方へ突出した突起で構成されている。嵌合用凹部77はガイド71と基板固定部72でスイッチ基板1を挟持可能な間隔をもって形成されている。尚、保持部7の設置数は限定されないが、スイッチ基板1の確実な固定のために2対以上設けることが好ましい。又、スイッチ基板1の対向する側端部に異なる数の切欠き15を設けると共に、スイッチケース2の対向する側壁21に異なる数の保持部7を設けることとしてもよい。
【0045】
スイッチ基板1のスイッチケース2への固定は、スイッチ基板1の切欠き15をガイド71に合わせて押込み、スイッチケース2及びスイッチ基板1を弾性変形させ、切欠き15及びその周辺部をスイッチケース2の嵌合用凹部77に挿入し、切欠き15の周辺部をガイド71と基板固定部72で挟持し、言い換えれば、嵌合用凹部77に切欠き15の周辺部を嵌合させて行う。スイッチケース2の変形を容易とするために、側壁21の角隅部に切れ込み26を形成すること、スイッチケース2、ガイド71及び基板固定部72を樹脂で成型することが好ましい。
【0046】
このように、スイッチ基板1が嵌合用凹部77に挿入されると、スイッチ基板1はガイド71により、スイッチケース2の上方(図面では下方)に押圧され、嵌合用凹部77の壁面を構成する基板固定部72に押え付けられ、スイッチケース2の上方(図面では下方)に押え付けられると共に、押さえ具としての基板固定部72により、スイッチケース2の下方(図面では上方)に押圧され、嵌合用押さえ具77の壁面を構成するガイド71に押え付けられ、スイッチケース2の下方(図面では上方)に押え付けられる。即ち、スイッチケース2の上下方向に押え付けられる。このようにして、スイッチ基板1の嵌合ガタを吸収し、スイッチ基板1に反りが生じていても、スイッチ基板をスイッチケース2にガタツキなく固定することが出来る。
【0047】
尚、上記説明及び図面では、スイッチ基板として補強板を設けたフレキシブル基板を例に説明したが、このような基板に限定されることなく、リジット基板を用いることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第一の実施形態の支持ピン挿入前の斜視図
【図2】本発明の第一の実施形態の支持ピン挿入後の斜視図
【図3】本発明第二の実施形態の斜視図
【図4】本発明第三の実施形態の斜視図
【図5】本発明第四の実施形態の斜視図
【図6】本発明第四の実施形態の一部断面図
【図7】従来のスイッチケースへのスイッチ基板の固定構造を示す図
【符号の説明】
【0049】
1 スイッチ基板
11 補強板
12 嵌合突起
15 切欠き
2 スイッチケース
21 側壁
22 嵌合孔
23 支持ピン挿入用孔
25 楔挿入用孔
26 突部挿入用孔
3 支持ピン
4 楔
5 下蓋
51 突部
7 保持部
71 ガイド
72 基板固定部
77 嵌合用凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ基板の側端部をスイッチケースに設けた受部に挿入すると共に、
押さえ具で該受部に押し付けて、
スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定構造。
【請求項2】
前記スイッチ基板の対向する側端部には少なくとも一対の嵌合突起を設け、
前記スイッチケースの対向する側壁には、前記嵌合突起に対応する嵌合孔を設けると共に、押さえ具設置用孔を設け、
前記受部を該嵌合孔で構成し、該嵌合突起を該嵌合孔に挿入して、前記スイッチ基板を前記スイッチケースに設けた受部に挿入し、
前記押さえ具を該押さえ具設置用孔に挿入し、前記スイッチ基板を前記押さえ具で該嵌合孔に押し付けて、
スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とする請求項1記載のスイッチ基板の固定構造。
【請求項3】
前記押さえ具設置用孔は支持ピン挿入用孔で構成し、
前記押さえ具はピンセット状の支持ピンで構成し、該支持ピンを前記スイッチケースの対向する側壁に設けた一対の支持ピン挿入用孔に挿入し、前記スイッチ基板を該支持ピンで前記嵌合孔に押し付けて、
スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とする請求項2記載のスイッチ基板の固定構造。
【請求項4】
前記押さえ具設置用孔は楔挿入用孔で構成し、
前記押さえ具は楔で構成し、該楔を該楔挿入用孔に挿入し、前記スイッチ基板を該楔で前記嵌合孔に押し付けて、
スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とする請求項2記載のスイッチ基板の固定構造。
【請求項5】
前記押さえ具設置用孔は突部挿入用孔で構成し、
前記押さえ具は突部を有する下蓋で構成し、該突部を該突部挿入用孔に挿入し、前記スイッチ基板を該下蓋で前記嵌合孔に押し付けて、
スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とする請求項2記載のスイッチ基板の固定構造。
【請求項6】
前記スイッチ基板の対向する側端部には少なくとも一対の切欠きを設け、
前記スイッチケースの対向する側壁には、該切欠きに対応してガイドと基板固定部を設け、
前記受部は該ガイドと該基板固定部間に形成される嵌合用凹部で構成し、
前記押さえ具は該ガイド又は該基板固定部で構成し、
前記スイッチ基板を該嵌合用凹部に挿入し、
前記スイッチ基板を該ガイド又は該基板固定部で該嵌合用凹部に押し付けて、
スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とする請求項1記載のスイッチ基板の固定構造。
【請求項7】
請求項1から6のうちいずれか1項に記載のスイッチ基板の固定構造を有するスイッチ装置。
【請求項8】
スイッチ基板の側端部をスイッチケースに設けた受部に挿入し、
スイッチ基板を押さえ具で該受部に押し付けて、
スイッチ基板をスイッチケースに固定することを特徴とするスイッチ基板の固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−16250(P2009−16250A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178438(P2007−178438)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】