説明

スイッチ用接点板及びそれを用いた押釦スイッチ

【課題】 キートップからの押圧力を板ばねに確実に伝達でき、レイアウト自由度の向上が可能なスイッチ用接点板及びこれを用いた押釦スイッチを提供する。
【解決手段】 金属薄板からなり反転可能なドーム部2aを有する板ばね2と、板ばね2のドーム部2aの頂部に対応させて板ばね2の上面側に形成された押圧力伝達用の突部4とを備え、突部4を、突部4よりも大きくて板ばね2よりも小さい外形を持つ粘着剤付きシート3の上面側に形成し、粘着剤付きシート3の粘着剤により突部4を板ばね2上に貼り付けた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧操作によって接点の切り換えを行なうスイッチ用接点板及びこれを用いた押釦スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチ用接点板を用いた押釦スイッチの構造としては、固定接点を有する回路基板上に設けられた上部シートの上面に、固定接点と対向して載置された可動接点に対応する位置に突起を形成し、この突起を介してキートップからの押圧力を可動接点に伝達するようにした構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来のスイッチ用接点板用いた押釦スイッチの構造を図6に示す。図6は従来のスイッチ用接点板を用いた押釦スイッチの断面図であり、同図において、押釦スイッチは、下部基板31と、下面にタクトばね32が接着された上部シート33と、タクトばね32を駆動するためのキートップ34とによって概略構成されている。
【0003】
下部基板31の表面には光源としてのLED35が実装されると共に、中央固定接点36とそれを包囲する周縁固定接点37が設けられている。実施例では中央固定接点36と周縁固定接点37の対がマトリクス状に複数配列されている。
【0004】
タクトばね32は可動接点として機能するもので、リン青銅等の金属ばね材料を円椀状にフォーミングして形成されている。タクトばね32の周縁部は周縁固定接点37に常時接触しているが、その頂部は中央固定接点36と所定間隔を存して離間している。タクトばね32の頂部は上部シート33の下面に接着されており、実施例では中央固定接点36と周縁固定接点37の配列に合わせて複数のタクトばね32が上部シート33の下面にマトリクス状に配設されている。
【0005】
上部シート33はPETフィルム等の材料からなり、その上面に突起38が形成されている。この突起38の形成位置は上部シート33の下面に接着されたタクトばね32の頂部に対応しており、実施例では複数の突起38が上部シート33の上面にマトリクス状に形成されている。これら突起38は例えばウレタン系樹脂を上部シート33の上面に印刷することによって形成されている。また、上部シート33の周縁部と下部基板31は接着剤等を用いて枠体39に一体化されており、これら各部材でスイッチユニット部が構成されている。
【0006】
キートップ34はアクリル樹脂等で成形されている。キートップ34の上部は外装ケース40のガイド孔40aから突出しており、外装ケース40はねじ止めや接着剤等を用いて枠体39に固定されている。キートップ34の底面は上部シート33の突起38に対向しており、したがって、実施例では複数のキートップ34が外装ケース40にマトリクス状に配列されている。
【0007】
上記押釦スイッチは、キートップ34が押圧されると、その押圧力が突起38と上部シート33を介して下方のタクトばね32の頂部に伝達されるため、タクトばね32が反転し、頂部が中央固定接点36に接触してスイッチオン状態となる。その際、各部材の寸法誤差や組立誤差等で各キートップ34とスイッチユニット部の相対位置が多少ずれたとしても、突起38と上部シート33を介してタクトばね32が押圧されるため、タクトばね32の動作フィーリングが悪化することはない。
【0008】
【特許文献1】特開平11−7862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来のスイッチ用接点板及びこれを用いた押釦スイッチにおいては、可動接点であるタクトばね32の配置に合わせて上部シート33の上面に突起38を形成するため、多様なレイアウトに対応するのが難しく、安価にできないという問題があった。
【0010】
従って、本発明は上記した問題点を解決し、キートップからの押圧力を板ばねに確実に伝達でき、レイアウト自由度の向上が可能なスイッチ用接点板及びこれを用いた押釦スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、金属薄板からなり反転可能なドーム部を有する板ばねと、この板ばねのドーム部の頂部に対応させて前記板ばねの上面側に形成された押圧力伝達用の突部とを備え、前記突部を、該突部よりも大きくて前記板ばねよりも小さい外形を持つ粘着剤付きシートの上面側に形成し、前記粘着剤付きシートの粘着剤により前記突部を前記板ばね上に貼り付けた構成とした。
また、第2の解決手段として、前記突部を、固着面から先端側に向かって先細状に形成した構成とした。
【0012】
また、第3の解決手段として、第1、又は第2の解決手段に記載のスイッチ用接点板と、可撓性を有し上下に貫通する挿通孔を介して上面側に前記突部が突出され下面側に前記スイッチ用接点板が貼り付けられた絶縁シートと、固定接点が設けられ該固定接点上に前記スイッチ用接点板が載置された状態で前記絶縁シートが積層される回路基板とを備えた構成とした。
また、第4の解決手段として、第1、又は第2の解決手段に記載のスイッチ用接点板と、収納部を有しこの収納部の内底面に固定接点が配設されたハウジングと、このハウジングの上面側に設けられ、前記収納部に収納された前記スイッチ用接点板を前記固定接点に対向させて保持する保持手段とを備えた構成とした。
また、第5の解決手段として、前記保持手段を、前記ハウジングの上面側に嵌着される金属フレームで形成し、この金属フレームに前記スイッチ用接点板の突部を突出する挿通孔を設け、この挿通孔の下面周縁部と前記粘着材付きシートの上面部とを対向させて配置した構成とした。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、本発明のスイッチ用接点板は、金属薄板からなり反転可能なドーム部を有する板ばねと、板ばねのドーム部の頂部に対応させて板ばねの上面側に形成された押圧力伝達用の突部とを備え、突部を、突部よりも大きくて板ばねよりも小さい外形を持つ粘着剤付きシートの上面側に形成し、粘着剤付きシートの粘着剤により突部を板ばね上に貼り付けた構成としたことから、スイッチ用接点板となる板ばねのドーム部の頂部に合わせて、板ばねの上面側に突部を有する粘着剤付きシートを後付けで形成できるので、レイアウトの自由度が向上すると共に、容易に製造できる。また、粘着剤付きシートの外形を、板ばねの外形よりも小さくしたことから、押圧された際に板ばねの反転動作を阻害せずに良好なクリック感が得られる。
また、突部を、固着面から先端側に向かって先細状に形成したことから、突部に当接される押圧用のキートップが傾いても突部のセンターで押せるので、板ばねの頂部への押圧力伝達を確実に行なうことができる。
【0014】
また、本発明の押釦スイッチは、第1、又は第2の解決手段に記載のスイッチ用接点板と、可撓性を有し上下に貫通する挿通孔を介して上面側に突部が突出され下面側にスイッチ用接点板が貼り付けられた絶縁シートと、固定接点が設けられ固定接点上にスイッチ用接点板が載置された状態で絶縁シートが積層される回路基板とを備えた構成としたことから、多様なレイアウトに容易に対応できるスイッチ用接点板を備えた押釦スイッチを安価に提供できる。
また、第1、又は第2の解決手段に記載のスイッチ用接点板と、収納部を有し収納部の内底面に固定接点が配設されたハウジングと、ハウジングの上面側に設けられ、収納部に収納されたスイッチ用接点板を固定接点に対向させて保持する保持手段とを備えた構成としたことから、押圧用のキートップの板ばねの頂部への押圧力伝達を確実に行なうことができる押釦スイッチを容易に提供できる。
また、保持手段を、ハウジングの上面側に嵌着される金属フレームで形成し、金属フレームにスイッチ用接点板の突部を突出する挿通孔を設け、挿通孔の下面周縁部と粘着材付きシートの上面部とを対向させて配置した構成としたことから、金属フレームとスイッチ用接点板との短絡を防止でき、収納部を覆うことができるので固定接点やスイッチ用接点板を外部の塵埃などから保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図5に示す。図1は本発明の実施例に係るスイッチ用接点板を示すフープ状態の平面図、図2は本発明のスイッチ用接点板を用いたコンタクトシートを示す断面図、図3は本発明のスイッチ用接点板を用いたシート状の押釦スイッチ示す断面図、図4は本発明のスイッチ用接点板を用いた単キーの押釦スイッチを示す断面図、図5は本発明のスイッチ用接点板を用いた単キーの押釦スイッチの他の実施例を示す断面図である。
【0016】
図1及び図2において、本発明のスイッチ用接点板1は、例えば円形状の導電性の金属薄板からなり、中央に反転可能なドーム部2aを有し、可動接点としての機能を備えている板ばね2と、前記板ばね2の前記ドーム部2aの頂部に対応して、前記板ばね2の上面側に貼り付けられた、可撓性を有する合成樹脂等の絶縁材でシート状に形成され、下面に粘着剤が一面に塗布された粘着剤付きシート3とで構成されている。
【0017】
この粘着剤付きシート3は、外形が、前記板ばね2よりも小さく形成されている。この場合の外形形状は、前記板ばね2の外形より小さければ円形でも矩形状でも多角形でも良い。尚、本実施例では、外形形状は前記板ばね2に合わせて円形状に形成されている。このように、前記粘着剤付きシート3の外形の大きさが、前記板ばね2の外形よりも小さく形成されているので、前記板ばね2が押圧された際には、前記板ばね2のドーム部2aの反転動作を阻害せずに良好なクリック感が得られるものとなっている。
【0018】
前記粘着剤付きシート3の上面側には、前記板ばね2の前記ドーム部2aの頂部に対応した位置に、図示しないキートップ等の下面と当接して押圧される、押圧力伝達用の突部4が設けられている。この突部4は、例えばウレタン等からなる合成樹脂や接着剤等の樹脂材を接着することにより固着形成されるもので、この場合、前記突部4の形状は、固着面が前記粘着剤付きシート3の外形よりも小さくて、前記粘着剤付きシート3の上面の固着面から先端側に向かって先細状に形成されている。このため、図示しないキートップが傾いて押圧された場合においても、前記突部4の略センター位置で押せることになるので、前記板ばね2の頂部への押圧力伝達を確実に行なうことができるものとなっている。
【0019】
また、前記粘着剤付きシート3を、透光性を有するシートで形成するようにしても良い。このように、透光性シートで前記粘着剤付きシート3を形成することにより、前記突部4を、前記粘着剤付きシート3の上面に、UV(紫外線)硬化型の接着剤を使用してUV接着することが可能となる。この場合には、前記粘着剤付きシート3に前記突部4を、UV(紫外線)を用いて容易に確実に接着することができるものとなる。
【0020】
また、図示はしないが、前記粘着剤付きシート3にプレス等でエンボス加工を施すことにより、前記突部4を前記粘着剤付きシート3に一体的に成形加工することもできる。この場合には、合成樹脂や接着剤等の樹脂材を接着することにより前記粘着剤付きシート3に前記突部4を固着形成する必要がないので、製造工程が簡易となり、安価対応が可能となる。
【0021】
尚、図1に示すのは、上記スイッチ用接点板1を帯状の金属板からなるフープ材5に複数個連設した状態を示している。この場合、スイッチ用接点板1は外周縁部の両側が一対の繋ぎ桟5aでフープ材5に連結されたものとなっている。スイッチ用接点板1を製造する場合には、まず帯状のフープ材5にプレスなどの方法で繋ぎ桟5aに連結した複数の円形からなる板ばね2を形成する。この場合、フープ材5をガイド穴5bでガイドして順次送ることで連続加工が可能となっている。次に、板ばね2の上面側に同じく順次送ることで突部4が設けられた粘着剤付きシート3を順次貼り付け、最後に両側の繋ぎ桟5aを切断することにより個々のスイッチ用接点板1が形成されるものとなる。
【0022】
このように、本発明のスイッチ用接点板1は、金属薄板からなり反転可能なドーム部2aを有する前記板ばね2と、この板ばね2のドーム部2aの頂部に対応させて該板ばね2の上面側に形成された押圧力伝達用の前記突部4とを備えており、前記突部4を、該突部4よりも大きくて前記板ばね2よりも小さい外形を持つ前記粘着剤付きシート3の上面側に形成し、前記粘着剤付きシート3の粘着剤により前記突部4を前記板ばね2上に貼り付けた構成としたことから、スイッチ用接点板1となる前記板ばね2のドーム部2aの頂部に合わせて、前記板ばね2の上面側に前記突部4を有する前記粘着剤付きシート3を後付けで形成できるので、容易に製造できると共に、レイアウトの自由度が向上するものとなる。
【0023】
図2は、上記スイッチ用接点板1を用いたコンタクトシートを示している。絶縁シート6は、可撓性を有する合成樹脂等の絶縁材で、例えば矩形状のシート状に形成されており、適宜位置に上下に貫通した複数の挿通孔6aが設けられ、その下面には粘着剤が一面に塗布されている。そして、前記挿通孔6aに前記スイッチ用接点板1の上面側に貼着された粘着剤付きシート3の突部4が挿通され、該突部4が絶縁シート6の上面側に突出された状態で、前記絶縁シート6の下面側に、前記スイッチ用接点板1が粘着剤によって貼り付けられている。
【0024】
また、前記絶縁シート6の下面側には、合成樹脂等の絶縁材でシート状に形成されたスペーサシート7が、前記絶縁シート6の下面側に塗布された粘着剤によって貼り付けられている。このスペーサシート7には、上下に貫通した円形の収容孔7aが設けられており、この収容孔7aには前記絶縁シート6の下面に貼り付けられた前記スイッチ用接点板1の板ばね2が収容されている。そして、前記絶縁シート6、前記板ばね2、前記粘着剤付きシート3(前記突部4含む)、前記スペーサシート7によりコンタクトシートが構成されている。
【0025】
また、前記スペーサシート7の下面側には、前記収容孔7aを除く一面に粘着剤が塗布されている。そして、前記スペーサシート7の下面側には、搬送時等に、コンタクトシートの下面側に貼り付けられて前記板ばね2を保護すると共に、組立時に、位置決めや送りなどに使用された後、剥離される、剥離シートを構成する送りシート8とカバーシート9が貼り付けられている。
【0026】
図3は、上記スイッチ用接点板1を用いたシート状の押釦スイッチを示している。本発明では、図3に示すように、絶縁シート6に貼着されたスイッチ用接点板1が、中央固定接点10a及び周辺固定接点10bを有する固定接点10が設けられた回路基板11上に載置され、絶縁シート6の下面側に貼着されたスペーサシート7の下面側の粘着剤によりコンタクトシートが回路基板11上に積層されることにより、押釦スイッチが構成されるものとなっている。そして、図示しない電子機器等のキートップが押圧された際には、前記絶縁シート6の上面側に突出された、前記粘着剤付きシート3の前記突部4が、キートップの下面によって押し下げられることにより、前記板ばね2のドーム部2aが下方に反転し、前記固定接点10の中央固定接点10aと周辺固定接点10bが前記板ばね2を介して導通し、スイッチがオン状態となる。
【0027】
このように、本発明の押釦スイッチは、前記スイッチ用接点板1と、可撓性を有し上下に貫通する複数の前記挿通孔6aを有すると共に、この挿通孔6aの上面側に前記突部4が突出されて下面側に前記板ばね2が保持されるように前記スイッチ用接点板1が貼り付けられた前記絶縁シート6と、前記固定接点10が設けられ該固定接点10上に前記スイッチ用接点板1が載置された状態で前記絶縁シート6が積層される前記回路基板11とを備えた構成としたことから、多様なレイアウトに容易に対応できる複数のスイッチ用接点板を備えた押釦スイッチを安価に提供できるものとなっている。
【0028】
図4は、上記スイッチ用接点板1を用いた単キーの押釦スイッチを示している。本発明では、図4に示すように、単一のスイッチ用接点板1が、中央固定接点12a及び周辺固定接点12bを有する固定接点12が収納部13aの内底面に配設されたハウジング13の収納部13aに載置され、このハウジング13の上面側に設けられ、前記収納部13aに収納された前記スイッチ用接点板1を前記固定接点12に対向させて保持する保持手段とから、押釦スイッチが構成されるものとなっている。この場合の保持手段としては、前記ハウジング13の上面側の周壁13bを前記収納部13a側へ押し潰すことにより前記スイッチ用接点板1の板ばね2の外周縁部を挟持してハウジング13にスイッチ用接点板1を保持するものとなっている。
【0029】
そして、図示しない電子機器等のキートップが押圧された際には、前記スイッチ用接点板1の上面側に貼着された、前記粘着剤付きシート3の前記突部4が、キートップの下面によって押し下げられることにより、前記板ばね2のドーム部2aが下方に反転し、前記固定接点12の中央固定接点12aと周辺固定接点12bが前記板ばね2を介して導通し、スイッチがオン状態となる。
【0030】
このように、本発明の押釦スイッチは、前記スイッチ用接点板1と、前記収納部13aを有し該収納部13aの内底面に前記固定接点12が配設された前記ハウジング13と、このハウジング13の上面側に設けられ、前記収納部13aに収納された前記スイッチ用接点板1を前記固定接点12に対向させて保持する前記保持手段である内側へ押し潰された前記周壁13b部とを備えた構成としたことから、押圧用のキートップの前記板ばね2の頂部への押圧力伝達を確実に行なうことができる押釦スイッチを容易に提供できるものとなっている。また、前記ハウジング13の周壁13bを内側へ押し潰すことで前記スイッチ用接点板1を収納部13aに保持することができるので、構成が簡易となり、安価化が可能となる。
【0031】
図5は、上記スイッチ用接点板1を用いた単キーの押釦スイッチの他の実施例を示している。本発明では、図5に示すように、ハウジング15の収納部15aに収納された前記スイッチ用接点板1を固定接点14に対向させて保持する保持手段を、ハウジング15の上面側に嵌着される金属フレーム16で形成し、この金属フレーム16に前記スイッチ用接点板1の板ばね2の上面側に設けられた前記突部4を突出する挿通孔16aを設け、この挿通孔16aの下面周縁部と前記板ばね2の上面側に貼着された前記粘着材付きシート3の上面部とを対向させて配置することにより、押釦スイッチが構成されるものとなっている。
【0032】
そして、同じように、図示しない電子機器等のキートップが押圧された際には、前記スイッチ用接点板1の上面側に貼着された、前記粘着剤付きシート3の前記突部4が、キートップの下面によって押し下げられることにより、前記板ばね2のドーム部2aが下方に反転し、前記固定接点14の中央固定接点14aと周辺固定接点14bが前記板ばね2を介して導通し、スイッチがオン状態となる。
【0033】
このように、保持手段を、前記ハウジング15の上面側に嵌着される前記金属フレーム16で形成し、この金属フレーム16に前記スイッチ用接点板1の突部4を突出する前記挿通孔16aを設け、この挿通孔16aの下面周縁部と前記板ばね2の上面側に貼着された前記粘着材付きシート3の上面部とを対向させて配置した構成としたことから、押圧用のキートップの前記板ばね2の頂部への押圧力伝達を確実に行なうことができる押釦スイッチを容易に提供できると共に、前記金属フレーム16と前記スイッチ用接点板1との短絡を防止でき、前記収納部15aを覆うことができるので前記固定接点14や前記スイッチ用接点板1を外部の塵埃などから保護することができるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例に係るスイッチ用接点板を示すフープ状態の平面図である。
【図2】本発明のスイッチ用接点板を用いたコンタクトシートを示す断面図である。
【図3】本発明のスイッチ用接点板を用いたシート状の押釦スイッチ示す断面図である。
【図4】本発明のスイッチ用接点板を用いた単キーの押釦スイッチを示す断面図である。
【図5】本発明のスイッチ用接点板を用いた単キーの押釦スイッチの他の実施例を示す断面図である。
【図6】従来のスイッチ用接点板を用いた押釦スイッチを示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1:スイッチ用接点板
2:板ばね
2a:ドーム部
3:粘着剤付きシート
4:突部
5:フープ材
5a:繋ぎ桟
5b:ガイド穴
6:絶縁シート
6a:挿通孔
7:スペーサシート
7a:収容孔
8:送りシート
9:カバーシート
10:固定接点
10a:中央固定接点
10b:周辺固定接点
11:回路基板
12:固定接点
12a:中央固定接点
12b:周辺固定接点
13:ハウジング
13a:収納部
13b:周壁(保持手段)
14:固定接点
14a:中央固定接点
14b:周辺固定接点
15:ハウジング
15a:収納部
16:金属フレーム(保持手段)
16a:挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属薄板からなり反転可能なドーム部を有する板ばねと、この板ばねのドーム部の頂部に対応させて前記板ばねの上面側に形成された押圧力伝達用の突部とを備え、前記突部を、該突部よりも大きくて前記板ばねよりも小さい外形を持つ粘着剤付きシートの上面側に形成し、前記粘着剤付きシートの粘着剤により前記突部を前記板ばね上に貼り付けたことを特徴とするスイッチ用接点板。
【請求項2】
前記突部を、固着面から先端側に向かって先細状に形成したことを特徴とする請求項1記載のスイッチ用接点板。
【請求項3】
請求項1、又は2記載のスイッチ用接点板と、可撓性を有し上下に貫通する挿通孔を介して上面側に前記突部が突出され下面側に前記スイッチ用接点板が貼り付けられた絶縁シートと、固定接点が設けられ該固定接点上に前記スイッチ用接点板が載置された状態で前記絶縁シートが積層される回路基板とを備えたことを特徴とする押釦スイッチ。
【請求項4】
請求項1、又は2記載のスイッチ用接点板と、収納部を有しこの収納部の内底面に固定接点が配設されたハウジングと、このハウジングの上面側に設けられ、前記収納部に収納された前記スイッチ用接点板を前記固定接点に対向させて保持する保持手段とを備えたことを特徴とする押釦スイッチ。
【請求項5】
前記保持手段を、前記ハウジングの上面側に嵌着される金属フレームで形成し、この金属フレームに前記スイッチ用接点板の突部を突出する挿通孔を設け、この挿通孔の下面周縁部と前記粘着材付きシートの上面部とを対向させて配置したことを特徴とする請求項4記載の押釦スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−164552(P2006−164552A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349766(P2004−349766)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】