スイッチ装置及びこれを用いた入力装置
【課題】主に自動車の空調や音響機器等の操作に用いられるスイッチ装置及びこれを用いた入力装置に関し、見易く、操作の容易なものを提供することを目的とする。
【解決手段】略円盤状の操作体１１と、この下面の発光素子６の間に、略リング状の表示板１５を設けると共に、操作体１１の内周中央に可視部１２を形成することによって、機器の機能を示す文字や記号、絵柄等が表示された表示板１５が、操作体１１とは別体に設けられているため、操作体１１を回転操作しても表示部１６の表示が横向きや逆さになることがなく、見易く、操作の容易なものを得ることができる。
【解決手段】略円盤状の操作体１１と、この下面の発光素子６の間に、略リング状の表示板１５を設けると共に、操作体１１の内周中央に可視部１２を形成することによって、機器の機能を示す文字や記号、絵柄等が表示された表示板１５が、操作体１１とは別体に設けられているため、操作体１１を回転操作しても表示部１６の表示が横向きや逆さになることがなく、見易く、操作の容易なものを得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主に自動車の空調や音響機器等の操作に用いられるスイッチ装置、及びこれを用いた入力装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、車室内のフロントパネル部に、様々な操作体を備えた照光式のスイッチ装置を配置し、これらによってエアコンやオーディオ等の各種電子機器の操作を行うものが増えている。
【０００３】
このような従来のスイッチ装置及びこれを用いた入力装置について、図４及び図５を用いて説明する。
【０００４】
図４は従来の入力装置の断面図、図５は同分解斜視図であり、同図において、１は絶縁樹脂製で略円盤状の操作体で、操作体１上面にはレーザ加工や二色成形等によって、黒色等の不透光部１Ａから、透明や明色等の透光部１Ｂが文字や記号、絵柄等の所定形状に露出した表示部２が形成されている。
【０００５】
そして、３は上方へ操作軸３Ａが突出したスイッチで、このスイッチ３内には操作軸３Ａの回転及び上下動によって、電気的接離を行う複数のスイッチ接点（図示せず）が形成されると共に、操作軸３Ａが操作体１下面の筒状の突出部１Ｃに固定装着されている。
【０００６】
また、４は上下面に複数の配線パターン（図示せず）が形成された配線基板、５は絶縁樹脂製で略箱状のケースで、配線基板４の上面にはスイッチ３や発光ダイオード等の発光素子６が実装されると共に、これらをケース５が覆い、ケース５中央の筒状の開口孔５Ａからは操作体１が回転及び上下動可能に突出して、スイッチ装置が形成されている。
【０００７】
さらに、７はマイコン等の電子部品によって配線基板４上面に形成された制御手段で、スイッチ３や発光素子６が配線パターンを介して、この制御手段７に接続されて入力装置が構成されている。
【０００８】
そして、このような入力装置は、車室内のフロントパネル部等に装着され、制御手段７がコネクタやリード線（図示せず）によって、エアコンやオーディオ等の各種電子機器や、自動車の電子回路（図示せず）に電気的に接続される。
【０００９】
以上の構成において、操作体１を左右方向へ回転操作すると、操作体１下面に固定装着された操作軸３Ａが回転し、スイッチ３内のスイッチ接点の電気的接離が行われ、この信号が制御手段７から電子機器や電子回路に出力されて、例えば、エアコンの温度の増減が行われる。
【００１０】
また、操作体１を下方向へ押圧操作すると、操作軸３Ａが押圧されてスイッチ３内のスイッチ接点の電気的接離が行われ、例えば、エアコンの温度設定が自動から手動に切換わる。
【００１１】
さらに、夜間等の周囲が暗い場合には、発光素子６が発光し、この光が操作体１を下面から照光し、透光部１Ｂを通過した光が上面の表示部２を照光するため、周囲が暗い場合でも、表示部２の文字や記号、絵柄等の視認が可能となり、操作体１の識別や操作を容易に行うことができるように構成されている。
【００１２】
つまり、操作体１の回転操作や押圧操作によって、エアコン等の電子機器の様々な機能を操作すると共に、操作体１の表示部２を照光することによって、周囲が暗い場合にも操作を容易に行えるようになっているものであった。
【００１３】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献１が知られている。
【特許文献１】特開２００５−２１６７９８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１４】
しかしながら、上記従来のスイッチ装置及びこれを用いた入力装置においては、文字や記号、絵柄等の表示部２が操作体１上面に一体に形成されており、操作体１を回転操作すると表示部２も回転し、文字等が横向きや逆さになるため、操作に慣れるまでは見づらく、誤操作も生じ易いという課題があった。
【００１５】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、見易く操作の行い易いスイッチ装置及びこれを用いた入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１６】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【００１７】
本発明の請求項１に記載の発明は、略円盤状の操作体と、この下面の発光素子の間に、略リング状の表示板を設けると共に、操作体の内周中央に可視部を形成してスイッチ装置を構成したものであり、機器の機能を示す文字や記号、絵柄等が表示された表示板が、操作体とは別体に設けられているため、操作体を回転操作しても表示が横向きや逆さになることがなく、見易く、操作の容易なスイッチ装置を得ることができるという作用を有する。
【００１８】
請求項２に記載の発明は、請求項１記載の発明において、操作体の可視部を暗色に形成したものであり、周囲が明るい場合には表示が見えづらく、照光した時のみ表示が明確に視認できる等の、多様な照光を行うことができるという作用を有する。
【００１９】
請求項３に記載の発明は、請求項１記載のスイッチ装置に制御手段を接続し、制御手段がスイッチ接点の電気的接離に応じて、発光素子を消点灯させるようにして入力装置を構成したものであり、見易く、操作の容易な入力装置を実現することができるという作用を有する。
【発明の効果】
【００２０】
以上のように本発明によれば、見易く操作の行い易いスイッチ装置及びこれを用いた入力装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下、本発明の実施の形態について、図１〜図３を用いて説明する。
【００２２】
なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【００２３】
（実施の形態）
図１は本発明の一実施の形態による入力装置の断面図、図２は同分解斜視図であり、同図において、１１は略円盤状の操作体で、不透光性の黒色等のアクリルやポリカーボネート等の絶縁樹脂から形成されると共に、内周中央には、黒色や褐色等の暗色ではあるが透光性でスモーク状の可視部１２が、二色成形等によって一体に設けられている。
【００２４】
そして、３は上方へ操作軸３Ａが突出したスイッチで、このスイッチ３内には操作軸３Ａの回転及び上下動によって、電気的接離を行う複数のスイッチ接点（図示せず）が形成されると共に、操作軸３Ａが操作体１１下面の筒状の突出部１２Ａに固定装着されている。
【００２５】
また、１４は紙フェノールやガラス入りエポキシ等の配線基板で、この上下面には銅箔等によって複数の配線パターン（図示せず）が形成されると共に、この上面にはスイッチ３や発光ダイオード等の複数の発光素子６が実装されている。
【００２６】
さらに、１５は絶縁樹脂製で略リング状の表示板で、印刷等によって透光性の基材の上面または下面に、透明や明色等の透光性で文字や記号、絵柄等の複数の表示部１６が形成されると共に、その他の箇所には黒色等の不透光部が形成されている。
【００２７】
また、１７はＡＢＳやポリオキシメチレン等の絶縁樹脂製で略円筒状のカバーで、下面の爪部１７Ａによって配線基板１４に固定装着されると共に、カバー１７上面には表示板１５が貼付されて、操作体１１と発光素子６の間に表示板１５が配置されている。
【００２８】
そして、１８は絶縁樹脂製で略箱状のケースで、このケース１８が配線基板１４上面を覆うと共に、中央の開口孔１８Ａをカバー１７が挿通し、カバー１７上面に操作体１１が回転及び上下動可能に装着されて、スイッチ装置が形成されている。
【００２９】
さらに、１９はマイコン等の電子部品によって配線基板１４上面に形成された制御手段で、スイッチ３や発光素子６が配線パターンを介して、この制御手段１９に接続されて入力装置が構成されている。
【００３０】
そして、このような入力装置は、車室内のフロントパネル部等に装着され、制御手段１９がコネクタやリード線（図示せず）によって、エアコンやオーディオ等の各種電子機器や、自動車の電子回路（図示せず）に電気的に接続される。
【００３１】
以上の構成において、操作体１１を左右方向へ回転操作すると、操作体１１下面に固定装着された操作軸３Ａが回転し、スイッチ３内のスイッチ接点の電気的接離が行われ、この信号が制御手段１９から電子機器や電子回路に出力されて、例えば、エアコンの温度の増減が行われる。
【００３２】
また、操作体１１を下方向へ押圧操作すると、操作軸３Ａが押圧されてスイッチ３内のスイッチ接点の電気的接離が行われ、例えば、エアコンの温度設定が自動から手動に切換わる。
【００３３】
さらに、夜間等の周囲が暗い場合には、発光素子６が発光し、この光がカバー１７内を通って表示板１５を下方から照光し、操作体１１の可視部１２から表示部１６の文字や記号、絵柄等が視認できるため、周囲が暗い場合でも、操作体１１の識別や操作を容易に行うことができるように構成されている。
【００３４】
なお、この時、機器の機能を示す文字や記号、絵柄等が表示された表示板１５は、カバー１７上面に貼付され、操作体１１とは別体に設けられているため、操作体１１を回転操作しても表示が横向きや逆さになることはなく、見易く、誤操作等も生じないようになっている。
【００３５】
また、操作体１１内周中央の可視部１２が、透光性でスモーク状の暗色に形成されているため、周囲が明るく発光素子６が消灯した状態では、操作体１１下面の表示板１５の表示部１６が、可視部１２上面からは見えづらくなり、発光素子６が点灯し照光した時のみ表示が明確に視認できる等の、多様な照光が可能なようになっている。
【００３６】
そして、操作体１１の押圧操作時にも、スイッチ３の電気的接離に応じて制御手段１９が、例えば、図３（ａ）の平面図に示すように、表示部１６Ａは常時点灯させ、エアコンの温度設定が自動時には表示部１６Ｂを消灯し、操作体１１が押圧操作され手動に切換わった時には、表示部１６Ｂを点灯するようにすれば、エアコンの温度設定が自動か手動かを容易に判別でき、より多様で操作の行い易いものとすることができる。
【００３７】
さらに、左右の表示部１６Ｃや１６Ｄ下方の配線基板１４上に、各々の表示部の数や色に合わせた発光素子６を配置し、例えば図３（ｂ）に示すように、操作体１１を右方向へ回転操作し、エアコンの温度を上げる場合には、制御手段１９が左側の寒色の表示部１６Ｃは消灯し、右側の暖色の表示部１６Ｄを回転操作した分だけ点灯するようにすれば、どれだけ操作し温度を上げたかが一目で判り、操作をさらに容易に行うことが可能となる。
【００３８】
このように本実施の形態によれば、略円盤状の操作体１１と、この下面の発光素子６の間に、略リング状の表示板１５を設けると共に、操作体１１の内周中央に可視部１２を形成することによって、機器の機能を示す文字や記号、絵柄等が表示された表示板１５が、操作体１１とは別体に設けられているため、操作体１１を回転操作しても表示部１６の表示が横向きや逆さになることがなく、見易く、操作の容易なスイッチ装置を得ることができるものである。
【００３９】
また、操作体１１の可視部１２を透光性でスモーク状の暗色にすることによって、周囲が明るい場合には表示が見えづらく、照光した時のみ表示が明確に視認できる等の、多様な照光を行うことができる。
【００４０】
そして、このようなスイッチ装置に制御手段１９を接続し、制御手段１９がスイッチ接点の電気的接離に応じて、発光素子６を消点灯させることによって、より多様で見易く、操作の行い易い入力装置を実現することができる。
【００４１】
なお、以上の説明では、操作体１１の回転及び押圧操作によって電気的接離を行うスイッチ接点に、中央の略円柱状の操作軸３Ａが上方へ突出したスイッチ３を用いた構成について説明したが、操作軸３Ａが大きな径で中空のものを用いたり、或いは、こうした回転操作型のスイッチと押圧操作型のスイッチを組合わせて用いたりしても、本発明の実施は可能である。
【産業上の利用可能性】
【００４２】
本発明によるスイッチ装置及びこれを用いた入力装置は、見易く、操作の容易なものを実現することができ、主に自動車の空調や音響機器等の操作用として有用である。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】本発明の一実施の形態による入力装置の断面図
【図２】同分解斜視図
【図３】同平面図
【図４】従来の入力装置の断面図
【図５】同分解斜視図
【符号の説明】
【００４４】
３ スイッチ
３Ａ 操作軸
６ 発光素子
１１ 操作体
１２ 可視部
１２Ａ 突出部
１４ 配線基板
１５ 表示板
１６、１６Ａ、１６Ｂ、１６Ｃ、１６Ｄ 表示部
１７ カバー
１７Ａ 爪部
１８ ケース
１８Ａ 開口孔
１９ 制御手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主に自動車の空調や音響機器等の操作に用いられるスイッチ装置、及びこれを用いた入力装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、車室内のフロントパネル部に、様々な操作体を備えた照光式のスイッチ装置を配置し、これらによってエアコンやオーディオ等の各種電子機器の操作を行うものが増えている。
【０００３】
このような従来のスイッチ装置及びこれを用いた入力装置について、図４及び図５を用いて説明する。
【０００４】
図４は従来の入力装置の断面図、図５は同分解斜視図であり、同図において、１は絶縁樹脂製で略円盤状の操作体で、操作体１上面にはレーザ加工や二色成形等によって、黒色等の不透光部１Ａから、透明や明色等の透光部１Ｂが文字や記号、絵柄等の所定形状に露出した表示部２が形成されている。
【０００５】
そして、３は上方へ操作軸３Ａが突出したスイッチで、このスイッチ３内には操作軸３Ａの回転及び上下動によって、電気的接離を行う複数のスイッチ接点（図示せず）が形成されると共に、操作軸３Ａが操作体１下面の筒状の突出部１Ｃに固定装着されている。
【０００６】
また、４は上下面に複数の配線パターン（図示せず）が形成された配線基板、５は絶縁樹脂製で略箱状のケースで、配線基板４の上面にはスイッチ３や発光ダイオード等の発光素子６が実装されると共に、これらをケース５が覆い、ケース５中央の筒状の開口孔５Ａからは操作体１が回転及び上下動可能に突出して、スイッチ装置が形成されている。
【０００７】
さらに、７はマイコン等の電子部品によって配線基板４上面に形成された制御手段で、スイッチ３や発光素子６が配線パターンを介して、この制御手段７に接続されて入力装置が構成されている。
【０００８】
そして、このような入力装置は、車室内のフロントパネル部等に装着され、制御手段７がコネクタやリード線（図示せず）によって、エアコンやオーディオ等の各種電子機器や、自動車の電子回路（図示せず）に電気的に接続される。
【０００９】
以上の構成において、操作体１を左右方向へ回転操作すると、操作体１下面に固定装着された操作軸３Ａが回転し、スイッチ３内のスイッチ接点の電気的接離が行われ、この信号が制御手段７から電子機器や電子回路に出力されて、例えば、エアコンの温度の増減が行われる。
【００１０】
また、操作体１を下方向へ押圧操作すると、操作軸３Ａが押圧されてスイッチ３内のスイッチ接点の電気的接離が行われ、例えば、エアコンの温度設定が自動から手動に切換わる。
【００１１】
さらに、夜間等の周囲が暗い場合には、発光素子６が発光し、この光が操作体１を下面から照光し、透光部１Ｂを通過した光が上面の表示部２を照光するため、周囲が暗い場合でも、表示部２の文字や記号、絵柄等の視認が可能となり、操作体１の識別や操作を容易に行うことができるように構成されている。
【００１２】
つまり、操作体１の回転操作や押圧操作によって、エアコン等の電子機器の様々な機能を操作すると共に、操作体１の表示部２を照光することによって、周囲が暗い場合にも操作を容易に行えるようになっているものであった。
【００１３】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献１が知られている。
【特許文献１】特開２００５−２１６７９８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１４】
しかしながら、上記従来のスイッチ装置及びこれを用いた入力装置においては、文字や記号、絵柄等の表示部２が操作体１上面に一体に形成されており、操作体１を回転操作すると表示部２も回転し、文字等が横向きや逆さになるため、操作に慣れるまでは見づらく、誤操作も生じ易いという課題があった。
【００１５】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、見易く操作の行い易いスイッチ装置及びこれを用いた入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１６】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【００１７】
本発明の請求項１に記載の発明は、略円盤状の操作体と、この下面の発光素子の間に、略リング状の表示板を設けると共に、操作体の内周中央に可視部を形成してスイッチ装置を構成したものであり、機器の機能を示す文字や記号、絵柄等が表示された表示板が、操作体とは別体に設けられているため、操作体を回転操作しても表示が横向きや逆さになることがなく、見易く、操作の容易なスイッチ装置を得ることができるという作用を有する。
【００１８】
請求項２に記載の発明は、請求項１記載の発明において、操作体の可視部を暗色に形成したものであり、周囲が明るい場合には表示が見えづらく、照光した時のみ表示が明確に視認できる等の、多様な照光を行うことができるという作用を有する。
【００１９】
請求項３に記載の発明は、請求項１記載のスイッチ装置に制御手段を接続し、制御手段がスイッチ接点の電気的接離に応じて、発光素子を消点灯させるようにして入力装置を構成したものであり、見易く、操作の容易な入力装置を実現することができるという作用を有する。
【発明の効果】
【００２０】
以上のように本発明によれば、見易く操作の行い易いスイッチ装置及びこれを用いた入力装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下、本発明の実施の形態について、図１〜図３を用いて説明する。
【００２２】
なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【００２３】
（実施の形態）
図１は本発明の一実施の形態による入力装置の断面図、図２は同分解斜視図であり、同図において、１１は略円盤状の操作体で、不透光性の黒色等のアクリルやポリカーボネート等の絶縁樹脂から形成されると共に、内周中央には、黒色や褐色等の暗色ではあるが透光性でスモーク状の可視部１２が、二色成形等によって一体に設けられている。
【００２４】
そして、３は上方へ操作軸３Ａが突出したスイッチで、このスイッチ３内には操作軸３Ａの回転及び上下動によって、電気的接離を行う複数のスイッチ接点（図示せず）が形成されると共に、操作軸３Ａが操作体１１下面の筒状の突出部１２Ａに固定装着されている。
【００２５】
また、１４は紙フェノールやガラス入りエポキシ等の配線基板で、この上下面には銅箔等によって複数の配線パターン（図示せず）が形成されると共に、この上面にはスイッチ３や発光ダイオード等の複数の発光素子６が実装されている。
【００２６】
さらに、１５は絶縁樹脂製で略リング状の表示板で、印刷等によって透光性の基材の上面または下面に、透明や明色等の透光性で文字や記号、絵柄等の複数の表示部１６が形成されると共に、その他の箇所には黒色等の不透光部が形成されている。
【００２７】
また、１７はＡＢＳやポリオキシメチレン等の絶縁樹脂製で略円筒状のカバーで、下面の爪部１７Ａによって配線基板１４に固定装着されると共に、カバー１７上面には表示板１５が貼付されて、操作体１１と発光素子６の間に表示板１５が配置されている。
【００２８】
そして、１８は絶縁樹脂製で略箱状のケースで、このケース１８が配線基板１４上面を覆うと共に、中央の開口孔１８Ａをカバー１７が挿通し、カバー１７上面に操作体１１が回転及び上下動可能に装着されて、スイッチ装置が形成されている。
【００２９】
さらに、１９はマイコン等の電子部品によって配線基板１４上面に形成された制御手段で、スイッチ３や発光素子６が配線パターンを介して、この制御手段１９に接続されて入力装置が構成されている。
【００３０】
そして、このような入力装置は、車室内のフロントパネル部等に装着され、制御手段１９がコネクタやリード線（図示せず）によって、エアコンやオーディオ等の各種電子機器や、自動車の電子回路（図示せず）に電気的に接続される。
【００３１】
以上の構成において、操作体１１を左右方向へ回転操作すると、操作体１１下面に固定装着された操作軸３Ａが回転し、スイッチ３内のスイッチ接点の電気的接離が行われ、この信号が制御手段１９から電子機器や電子回路に出力されて、例えば、エアコンの温度の増減が行われる。
【００３２】
また、操作体１１を下方向へ押圧操作すると、操作軸３Ａが押圧されてスイッチ３内のスイッチ接点の電気的接離が行われ、例えば、エアコンの温度設定が自動から手動に切換わる。
【００３３】
さらに、夜間等の周囲が暗い場合には、発光素子６が発光し、この光がカバー１７内を通って表示板１５を下方から照光し、操作体１１の可視部１２から表示部１６の文字や記号、絵柄等が視認できるため、周囲が暗い場合でも、操作体１１の識別や操作を容易に行うことができるように構成されている。
【００３４】
なお、この時、機器の機能を示す文字や記号、絵柄等が表示された表示板１５は、カバー１７上面に貼付され、操作体１１とは別体に設けられているため、操作体１１を回転操作しても表示が横向きや逆さになることはなく、見易く、誤操作等も生じないようになっている。
【００３５】
また、操作体１１内周中央の可視部１２が、透光性でスモーク状の暗色に形成されているため、周囲が明るく発光素子６が消灯した状態では、操作体１１下面の表示板１５の表示部１６が、可視部１２上面からは見えづらくなり、発光素子６が点灯し照光した時のみ表示が明確に視認できる等の、多様な照光が可能なようになっている。
【００３６】
そして、操作体１１の押圧操作時にも、スイッチ３の電気的接離に応じて制御手段１９が、例えば、図３（ａ）の平面図に示すように、表示部１６Ａは常時点灯させ、エアコンの温度設定が自動時には表示部１６Ｂを消灯し、操作体１１が押圧操作され手動に切換わった時には、表示部１６Ｂを点灯するようにすれば、エアコンの温度設定が自動か手動かを容易に判別でき、より多様で操作の行い易いものとすることができる。
【００３７】
さらに、左右の表示部１６Ｃや１６Ｄ下方の配線基板１４上に、各々の表示部の数や色に合わせた発光素子６を配置し、例えば図３（ｂ）に示すように、操作体１１を右方向へ回転操作し、エアコンの温度を上げる場合には、制御手段１９が左側の寒色の表示部１６Ｃは消灯し、右側の暖色の表示部１６Ｄを回転操作した分だけ点灯するようにすれば、どれだけ操作し温度を上げたかが一目で判り、操作をさらに容易に行うことが可能となる。
【００３８】
このように本実施の形態によれば、略円盤状の操作体１１と、この下面の発光素子６の間に、略リング状の表示板１５を設けると共に、操作体１１の内周中央に可視部１２を形成することによって、機器の機能を示す文字や記号、絵柄等が表示された表示板１５が、操作体１１とは別体に設けられているため、操作体１１を回転操作しても表示部１６の表示が横向きや逆さになることがなく、見易く、操作の容易なスイッチ装置を得ることができるものである。
【００３９】
また、操作体１１の可視部１２を透光性でスモーク状の暗色にすることによって、周囲が明るい場合には表示が見えづらく、照光した時のみ表示が明確に視認できる等の、多様な照光を行うことができる。
【００４０】
そして、このようなスイッチ装置に制御手段１９を接続し、制御手段１９がスイッチ接点の電気的接離に応じて、発光素子６を消点灯させることによって、より多様で見易く、操作の行い易い入力装置を実現することができる。
【００４１】
なお、以上の説明では、操作体１１の回転及び押圧操作によって電気的接離を行うスイッチ接点に、中央の略円柱状の操作軸３Ａが上方へ突出したスイッチ３を用いた構成について説明したが、操作軸３Ａが大きな径で中空のものを用いたり、或いは、こうした回転操作型のスイッチと押圧操作型のスイッチを組合わせて用いたりしても、本発明の実施は可能である。
【産業上の利用可能性】
【００４２】
本発明によるスイッチ装置及びこれを用いた入力装置は、見易く、操作の容易なものを実現することができ、主に自動車の空調や音響機器等の操作用として有用である。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】本発明の一実施の形態による入力装置の断面図
【図２】同分解斜視図
【図３】同平面図
【図４】従来の入力装置の断面図
【図５】同分解斜視図
【符号の説明】
【００４４】
３ スイッチ
３Ａ 操作軸
６ 発光素子
１１ 操作体
１２ 可視部
１２Ａ 突出部
１４ 配線基板
１５ 表示板
１６、１６Ａ、１６Ｂ、１６Ｃ、１６Ｄ 表示部
１７ カバー
１７Ａ 爪部
１８ ケース
１８Ａ 開口孔
１９ 制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
略円盤状の操作体と、この操作体の下面に装着された操作軸の回転によって電気的接離を行うスイッチ接点と、上記操作体を下面から照光する発光素子からなり、上記操作体と上記発光素子の間に略リング状の表示板を設けると共に、上記操作体の内周中央に可視部を形成したスイッチ装置。
【請求項２】
操作体の可視部を暗色に形成した請求項１記載のスイッチ装置。
【請求項３】
請求項１記載のスイッチ装置と、これに接続された制御手段からなり、上記制御手段がスイッチ接点の電気的接離に応じて、発光素子を消点灯させる入力装置。
【請求項１】
略円盤状の操作体と、この操作体の下面に装着された操作軸の回転によって電気的接離を行うスイッチ接点と、上記操作体を下面から照光する発光素子からなり、上記操作体と上記発光素子の間に略リング状の表示板を設けると共に、上記操作体の内周中央に可視部を形成したスイッチ装置。
【請求項２】
操作体の可視部を暗色に形成した請求項１記載のスイッチ装置。
【請求項３】
請求項１記載のスイッチ装置と、これに接続された制御手段からなり、上記制御手段がスイッチ接点の電気的接離に応じて、発光素子を消点灯させる入力装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００７−２１４００６（Ｐ２００７−２１４００６Ａ）
【公開日】平成１９年８月２３日（２００７．８．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３３３７６（Ｐ２００６−３３３７６）
【出願日】平成１８年２月１０日（２００６．２．１０）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年８月２３日（２００７．８．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年２月１０日（２００６．２．１０）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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