説明

スイッチ装置

【課題】回路基板に対する半田付け時に、ステムの熱膨張に起因したケースの変形を抑えることができるスイッチ装置を提供すること。
【解決手段】可動接点部材23が収容される収容部11を有し、可動接点部材23に離接される固定接点部21が設けられたケース2と、軟質弾性材で形成され、収容部11を覆うようにケース2の一面に配置されて可動接点部材23を固定接点部21、22に接触させるように押圧操作されるステム3と、ケース2との間にステム3を挟持するように、ケース2に装着されたカバー4とを備え、ステム3に熱膨張を逃がす溝部36を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関し、特に、ポータブル機器、PC周辺機器等の電子機器に組み込まれるスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器に組み込まれるスイッチ装置として、軟質弾性材で形成されたラバーステムを介してスイッチングするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このスイッチ装置は、樹脂製のケースの開口された上面にラバーステムを載置し、金属製のカバーをラバーステムの上方からケースに装着して組み立てられる。組み立てられたスイッチ装置は、回路基板に対して半田付けにより固定される。そして、スイッチ装置は、ラバーステムの押圧操作によりケース内の可動接点部材を固定接点部に接触させ、回路基板の回路をスイッチングする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−120397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したような従来のスイッチ装置においては、回路基板に対する半田付け時に、リフロー熱によりラバーステムが熱膨張し、金属製のカバーよりも強度の低い樹脂製のケースを変形させるおそれがあった。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、回路基板に対する半田付け時に、ステムの熱膨張に起因したケースの変形を抑えることができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスイッチ装置は、可動接点部材が収容される収容部を有し、前記可動接点部材に離接される固定接点部が設けられたケースと、軟質弾性材で形成され、前記収容部を覆うように前記ケースの一面に配置されて前記可動接点部材を前記固定接点部に接触させるように押圧操作されるステムと、前記ケースとの間に前記ステムを挟持するように、前記ケースに装着されたカバーとを備え、前記ステムおよび前記ケースの少なくとも一方には、前記ステムの熱膨張を逃がす逃げ部が形成されたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、スイッチ装置の半田付時に、軟質弾性材で形成されたステムのリフロー熱による熱膨張が逃げ部に逃がされる。したがって、ステムの熱膨張が逃げ部に逃げた分だけ、ステムの熱膨張によってケースに作用する圧力が軽減され、ケースの変形を抑えることができる。特に、ケースが樹脂製でカバーが金属製のスイッチ装置の場合には、ステムの熱膨張が強度の低いケースに強く作用するため、ステムの熱膨張を逃げ部に逃がすことでケースの変形を効果的に抑えることができる。
【0008】
また本発明は、上記スイッチ装置において、前記ケースは、前記収容部を囲う4つの側壁部を有する略直方体形状に形成され、前記逃げ部は、前記4つの側壁部のそれぞれに対応して設けられたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、逃げ部が4つの側壁部のそれぞれに対応して設けられるため、ステムの熱膨張をバランスよく逃げ部に逃がして、ケースの変形を効果的に抑えることができる。
【0010】
また本発明は、上記スイッチ装置において、前記収容部は、円筒状であり、前記ケースの四隅を厚肉にすると共に前記ケースの隣り合う二隅の間を薄肉にし、前記逃げ部は、前記ケースの薄肉部分に対応して設けられたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、逃げ部が耐久性の低いケースの薄肉部分に対応して設けられるため、ステムの熱膨張による圧力がケースの薄肉部分において軽減され、ケースの変形を効果的に抑えることができる。
【0012】
また本発明は、上記スイッチ装置において、前記逃げ部は、前記ステムに設けられており、前記収容部内と外部とを連通する孔部であることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ステムの押圧操作時に収容部内の空気を外部に逃がす空気流通路として孔部を機能させ、ステムの押圧操作をスムーズに行うことができる。
【0014】
また本発明は、上記スイッチ装置において、前記逃げ部は、前記ステムの前記ケースに接触される接触部分および前記ケースの前記ステムに接触される接触部分の少なくとも一方に設けられ、前記収容部内と外部とを連通する溝部であることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、ステムの押圧操作時に収容部内の空気を外部に逃がす空気流通路として溝部を機能させ、ステムの押圧操作をスムーズに行うことができる。また、溝部は、ケースとステムとの接触部分に設けられるため、ケースとステムとの接触面積を少なくして、ステムの熱膨張によってケースに作用する圧力を軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スイッチ装置の回路基板に対する半田付け時に、ステムの熱膨張に起因したケースの変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るスイッチ用可動接点の実施の形態を示す図であり、スイッチ装置の全体斜視図である。
【図2】本発明に係るスイッチ用可動接点の実施の形態を示す図であり、スイッチ装置の分解斜視図である。
【図3】本発明に係るスイッチ用可動接点の実施の形態を示す図であり、ステムの模式図である。
【図4】本発明に係るスイッチ用可動接点の実施の形態を示す図であり、スイッチ装置の変形防止構造の説明図である。
【図5】本発明に係るスイッチ用可動接点の実施の形態を示す図であり、スイッチ装置の押圧操作の説明図である。
【図6】本発明に係るスイッチ用可動接点の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明をポータブル機器、PC周辺機器等に組み込まれるスイッチ装置に適用する場合について説明する。しかしながら、本実施の形態に係るスイッチ装置の適用対象については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0019】
図1および図2を参照して、スイッチ装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の全体斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の分解斜視図である。
【0020】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係るスイッチ装置1は、各種電気部品の操作スイッチとして使用されるものであり、中央固定接点部21および一対の周辺固定接点部22が設けられたケース2に可動接点部材23を収容し、ケース2との間にステム3を挟み込むようにカバー4をケース2に装着して組み立てられる。この組み立てられたスイッチ装置1は、押圧操作時の可動接点部材23の反転動作により、操作フィーリングが向上されている。
【0021】
ケース2は、合成樹脂により上面が開放された箱型に形成され、内部に可動接点部材23が収容される円筒状の収容部11を有している。ケース2は、円筒状の収容部11により上面視における四隅に厚肉部分12に形成されると共に、隣り合う二隅の間に薄肉部分13が形成される。ケース2の上面には、ステム3の下面に食い込む環状凸部14が収容部11を囲うように上方に突出して形成されている。ケース2の対向する一組の側壁部15a、15bには、カバー4を係止する係止部16が外側面から外方に突出して形成されている。
【0022】
中央固定接点部21および一対の周辺固定接点部22は、金属板により形成され、インサート成形等によりケース2の底壁部に一体的に配設されている。中央固定接点部21は、ケース2の底壁部の中央に配設され、一対の周辺固定接点部22は、中央固定接点部21を挟んで対向する位置に配設されている。中央固定接点部21は、平板部分から上方に突出した接点部分を有し、接点部分は円形の外形を有している。
【0023】
一対の周辺固定接点部22は、それぞれ平板部分から上方に突出した接点部分を有し、接点部分は矩形状の外形を有している。また、中央固定接点部21および一対の周辺固定接点部22には、それぞれ外部端子部24が接続されており、各外部端子部24はケース2の四隅から外部に延出されている。各外部端子部24は、半田付けにより図示しない回路基板に固定される。
【0024】
可動接点部材23は、導電性のある金属板、例えば、リン青銅板等によりドーム状に形成されている。可動接点部材23は、膨出方向を上方に向けて一対の周辺固定接点部22上に載置され、その中央部分が中央固定接点部21の上方に離間するように配置される。可動接点部材23は、押圧操作による反転動作時に中央固定接点部21と接触され、中央固定接点部21と一対の周辺固定接点部22とを導通する。
【0025】
ステム3は、エラストマーやシリコンゴム等のようにケース2およびカバー4よりも熱膨張率の高い軟質弾性材で形成され、収容部11を覆うようにケース2の上面に配置される。ステム3の上面には、中央部分から上方に突出した円柱状の操作部31が形成されている。また、ステム3の下面には、中央部分から下方に突出した円柱状の押圧部32が形成されている(図3参照)。押圧部32は、ステム3がケース2に載置された状態で、可動接点部材23の中央部分に当接する。ステム3は、操作部31の押圧操作により押圧部32を介して可動接点部材23に反転動作させる。なお、ステム3の詳細については、後述する。
【0026】
カバー4は、金属等の弾性板材を折り曲げて形成され、中央部分が円形に開口された上板部41と、上板部41の対向する二辺から下向きに折り曲げられた一対の係合板部42とを有している。上板部41は、中央の開口43から操作部31を突出させた状態でステム3を上方から押えている。一対の係合板部42には、係合孔44が形成されており、この係合孔44がケース2の側壁部15a、15bから突出した係止部16に挿通されることで、カバー4がケース2に固定される。
【0027】
また、各係合板部42は、上板部41に対して、略直角よりも僅かに内向きとなる角度に折り曲げられ、ケース2の側壁部15a、15bに弾性接触する。よって、各係合板部42によるケース2の側壁部15a、15bへの弾性接触により、係合板部42と係止部16との係合性が高められる。さらに、カバー4がケース2に装着された状態では、ステム3からの反力が上板部41を介して各係合板部42に上向きに作用する。よって、係合板部42に上向きに作用する力により、係合板部42と係止部16との係合性がさらに高められる。
【0028】
図3を参照して、ステムの詳細構成について説明する。図3は、本実施の形態に係るステムの模式図である。なお、図3においては、(a)が背面図、(b)が(a)のA−A断面における断面図をそれぞれ示している。
【0029】
図3(a)、(b)に示すように、ステム3は、上面視略矩形状であり、押圧部32の周囲に凹部33が形成されている。凹部33は、押圧部32の周囲から円形に広がり、ケース2の収容部11と共に可動接点部材23を収容する収容空間を形成する。このステム3の下面に形成された凹部33により、ケース2の上面に載置される載置部34が厚肉に形成されると共に、載置部34と押圧部32とを連ねる連結部35が薄肉に形成される。このように、押圧部32は、薄肉に形成された連結部35を介して載置部34に上下動可能に支持される。
【0030】
載置部34には、凹部33から四方に延びる4つの溝部36が形成されている。各溝部36は、ステム3の四隅の隣接する二隅の中間位置に形成されており、ケース2の薄肉部分13に対応する位置に形成されている。そして、各溝部36は、スイッチ装置1が組み立てられた状態で、収容空間と外部とを連通する空気流通路として機能する。また、各溝部36は、スイッチ装置1の半田付け時に、リフロー熱によるステム3の熱膨張を逃がす逃げ部としても機能する。
【0031】
このように構成されたスイッチ装置1は、外部端子部24の半田付けによって回路基板に固定される。このとき、半田付け時のリフロー熱によって、ステム3が熱膨張しても、ステム3の熱膨張が4つの溝部36に逃がされるため、ケース2の変形が抑制される。以下、図4を参照して、ステムの熱膨張に起因したケースの変形を防止する変形防止構造について説明する。
【0032】
図4は、本実施の形態に係るスイッチ装置の変形防止構造の説明図である。図4において、(a)は比較例に係るスイッチ装置であり、(b)は本実施の形態に係るスイッチ装置である。なお、比較例に係るスイッチ装置は、ステムに溝部が形成されていない点においてのみ、本実施の形態に係るスイッチ装置と相違する。
【0033】
図4(a)に示すように、比較例に係るスイッチ装置51は、回路基板に対する半田付け時に、リフロー熱によりステム53が熱膨張する。ステム53の熱膨張により、金属製のカバー54よりも強度の低い樹脂製のケース52が変形される。この場合、ケース52の側壁部には、円筒状の収容部により厚肉部分と薄肉部分とが形成されており(図2参照)、主に耐久性の低い薄肉部分がステム53の熱膨張により変形される。このように、比較例に係るスイッチ装置51においては、ステム53の熱膨張の逃げ場がないため、ケース52の変形を抑えることができない。
【0034】
一方、図4(b)に示すように、本実施の形態に係るスイッチ装置1は、ステム3におけるケース2の薄肉部分13に対応する位置に、ステム3の熱膨張を逃がす溝部36が形成されている。したがって、スイッチ装置1では、ステム3の熱膨張が溝部36に逃がされ、ステム3の熱膨張によるケース2の変形が抑えられる。特に、溝部36の周辺部分Pにおいては、溝部36内に向かってステム3が膨張されるため、周辺部分Pにおけるケース2の薄肉部分13に対する圧力が、比較例に係るスイッチ装置51と比較して大きく軽減される。
【0035】
また、溝部36によってステム3とケース2の薄肉部分13との接触面積が少なくなるため、ステム3からの圧力がケース2の薄肉部分13においてさらに軽減される。このように、溝部36の周辺部分Pにおいては、耐久性の低い薄肉部分13に作用する圧力が軽減され、ケース2の変形を抑えることが可能となる。また、溝部36は、ケース2の側壁部15a、15b、15c、15dに対応してステム3の4箇所に設けられている。このため、ステム3の熱膨張をバランスよく溝部36に逃がすことができ、ケース2の変形を効果的に抑えることが可能となる。
【0036】
図5を参照して、本実施の形態に係るスイッチ装置の押圧操作について説明する。図5は、本実施の形態に係るスイッチ装置の押圧操作の説明図である。図5においては、(a)がスイッチ装置の初期状態、(b)がスイッチ装置の押圧状態をそれぞれ示している。
【0037】
図5(a)に示すように、ステム3が押圧されていない初期状態においては、可動接点部材23の弾性力によりステム3が上方に押し上げられている。この場合、可動接点部材23は、外周縁部が一対の周辺固定接点部22の接点部分に接触し、中央部分が中央固定接点部21から離間している。この初期状態からステム3が押圧されると、ステム3の連結部35および可動接点部材23が徐々に撓み始め、ケース2の収容空間内の空気が溝部36を介して外部に排出される。
【0038】
さらに、可動接点部材23に加わる荷重が所定荷重以上になると、可動接点部材23が反転し始める。そして、図5(b)に示すように、可動接点部材23の反転が完了すると、可動接点部材23の中央部分が中央固定接点部21に接触され、中央固定接点部21と一対の周辺固定接点部22とが可動接点部材23を介して導通する。このステム3が押圧された押圧状態から押圧力を除去すると、可動接点部材23の復元力によりステム3が押し上げられ、可動接点部材23と中央固定接点部21とが離間される。そして、ステム3の押し上げに伴って、外部の空気が溝部36を介して収容空間内に吸入される。
【0039】
このように、スイッチ装置1は、ステム3の押圧操作時に収容空間内の空気を外部に排出する空気流通路として溝部36を機能させて、スムーズな押圧操作を可能としている。このため、溝部36は、ステム3の熱膨張を逃がす逃げ部として機能すると共に、空気流通路として機能する。よって、スイッチ装置1に逃げ部と空気流入路とを個別に設ける構成と比較して簡易な構成とすることが可能となる。
【0040】
以上のように、本実施の形態に係るスイッチ装置1によれば、スイッチ装置1の半田付時に、軟質弾性材で形成されたステム3のリフロー熱による熱膨張が溝部36に逃がされる。したがって、ステム3の熱膨張が溝部36に逃げた分だけ、金属製のカバー4よりも強度の低いケース2に作用する圧力が軽減され、ケース2の変形を抑えることが可能となる。また、溝部36が、特に耐久性の低いケース2の薄肉部分13に対応して設けられるため、ステム3の熱膨張による薄肉部分に作用する圧力が減少され、ケース2の変形を効果的に抑えることが可能となる。
【0041】
なお、上記した実施の形態においては、逃げ部としての溝部をステムに設ける構成としたが、この構成に限定されるものではない。逃げ部は、ステムおよびケースの少なくとも一方に設けられていればよく、例えば、図6(a)に示すように、ケース56に溝部59を設ける構成としてもよい。この場合、溝部59は、ケース56においてステム57に接触される接触部分に設けられ、ステム57の熱膨張を下方に逃がすように構成されている。このように構成した場合でも、ステム57の熱膨張によってケース56に作用する圧力が軽減され、ケース56の変形を抑えることが可能となる。
【0042】
また、上記した実施の形態においては、逃げ部を溝状に形成された溝部としたが、この構成に限定されるものではない。逃げ部は、ステムの膨張を逃がすことが可能であれば、どのような形状でもよく、例えば、図6(b)に示すように、ステム63に形成された孔部65であってもよい。このように構成した場合でも、ステム63の熱膨張によってケース62に作用する圧力が軽減され、ケース62の変形を抑えることが可能となる。
【0043】
また、上記した実施の形態においては、逃げ部によりケース内とケース外とを連通する構成としたが、この構成に限定されるものではない。逃げ部は、上記したようにステムの膨張を逃がすことが可能であれば、どのような形状でもよく、貫通しない形状であってもよい。なお、この場合には、逃げ部は、空気流通路として機能しないため、逃げ部の他に空気流通路を設けるようにする。
【0044】
また、上記した実施の形態においては、本発明を、側壁部に厚肉部分と薄肉部分とを有するケースに適用する構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。本発明を、有底円筒状のケースのように、側壁部の厚みが一様にケースに適用することも可能である。この場合には、逃げ部は周方向に沿って所定の距離をおいて適宜配置すればよいが、逃げ部を等間隔に配置すればステムの膨張をより効率的に逃がすようにできるのでより望ましいものとなる。
【0045】
また、上記した実施の形態においては、逃げ部は、ケースの側壁部のそれぞれに対応するようにステムに設けられる構成としたが、この構成に限定されるものではない。逃げ部は、ケースの側壁部のいずれかに対応して設けられていてもよい。
【0046】
また、上記した実施の形態においては、逃げ部は、ケースの薄肉部分に対応するようにステムに設けられる構成としたが、この構成に限定されるものではない。逃げ部は、ケースの厚肉部分に対応して設けられていてもよい。
【0047】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、本発明は、回路基板に対する半田付け時に、ステムの熱膨張に起因したケースの変形を抑えることができるという効果を有し、特に、ポータブル機器、PC周辺機器等の電子機器に組み込まれるスイッチ装置に有用である。
【符号の説明】
【0049】
1 スイッチ装置
2 ケース
3 ステム
4 カバー
11 収容部
12 厚肉部分
13 薄肉部分
15a、15b、15c、15d 側壁部
16 係止部
21 中央固定接点部(固定接点部)
22 周辺固定接点部
23 可動接点部材
31 操作部
32 押圧部
36 溝部(逃げ部)
65 孔部(逃げ部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動接点部材が収容される収容部を有し、前記可動接点部材に離接される固定接点部が設けられたケースと、
軟質弾性材で形成され、前記収容部を覆うように前記ケースの一面に配置されて前記可動接点部材を前記固定接点部に接触させるように押圧操作されるステムと、
前記ケースとの間に前記ステムを挟持するように、前記ケースに装着されたカバーとを備え、
前記ステムおよび前記ケースの少なくとも一方には、前記ステムの熱膨張を逃がす逃げ部が形成されたことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記ケースは、前記収容部を囲う4つの側壁部を有する略直方体形状に形成され、
前記逃げ部は、前記4つの側壁部のそれぞれに対応して設けられたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記収容部は、円筒状であり、前記ケースの四隅を厚肉にすると共に前記ケースの隣り合う二隅の間を薄肉にし、
前記逃げ部は、前記ケースの薄肉部分に対応して設けられたことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記逃げ部は、前記ステムに設けられており、前記収容部内と外部とを連通する孔部であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記逃げ部は、前記ステムの前記ケースに接触される接触部分および前記ケースの前記ステムに接触される接触部分の少なくとも一方に設けられ、前記収容部内と外部とを連通する溝部であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスイッチ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−113652(P2011−113652A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266147(P2009−266147)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】