説明

スクリュー式搬送コンベア

【課題】 被搬送物の付着による不具合を防ぐことができるスクリュー式搬送コンベアを提供する。
【解決手段】 可動筒体2と、可動筒体2内に設けられたスクリュー4と、可動筒体2をスクリュー4の軸方向に往復動させる往復動手段5と、スクリュー4を回転駆動させる駆動手段6とを備え、スクリュー4は、シャフト15と、その外周に設けられたスクリュー羽根16とを備え、スクリュー羽根16が、羽根本体17と、羽根本体17の外周縁の一部に、シャフト15から離れる方向に突出して形成された突出部18とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜の糞尿、生ごみ、下水汚泥等の有機廃棄物を発酵分解処理する廃棄物分解処理装置などに用いられるスクリュー式搬送コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、廃棄物分解処理装置の一例を示すものである(特許文献1を参照)。
廃棄物分解処理装置30では、有機廃棄物Mが搬入コンベア33、分配コンベア34によって円形槽31内に搬入され、攪拌機32による掻き揚げ攪拌によって円形槽31の中央側に移動し、最終的に、有機廃棄物Mが発酵、分解された堆肥等の製品が、円形槽31の底部の取出口35からスクリュー式搬送コンベア36によって搬出される。搬送コンベア36は、筒体37と、筒体37内に設けられたスクリュー38とを有する。
【特許文献1】特開2002−192131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記処理装置30に用いられるスクリュー式搬送コンベア36では、筒体37の内面に有機廃棄物M(被搬送物)が付着しやすく、この有機廃棄物Mによってスクリュー38が回転駆動しにくくなることがあり、メンテナンスに膨大な労力を要する問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、被搬送物の付着による不具合を防ぐことができるスクリュー式搬送コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のスクリュー式搬送コンベアは、可動筒体と、該可動筒体内に設けられたスクリューと、前記可動筒体をスクリューの軸方向に往復動させる往復動手段と、前記スクリューを回転駆動させる駆動手段とを備え、前記スクリューが、シャフトと、その外周に設けられたスクリュー羽根とを備え、該スクリュー羽根が、羽根本体と、該羽根本体の外周縁の一部に、シャフトから離れる方向に突出して形成された突出部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明では、被搬送物の付着による不具合を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1〜図3は、本発明のスクリュー式搬送コンベアの一実施形態を示すもので、スクリュー式搬送コンベア1は、可動筒体2と、可動筒体2の両端に設けられた支持筒体3と、これら筒体2、3内に設けられたスクリュー4と、可動筒体2をスクリュー4の軸方向に往復動させる往復動モータ5(往復動手段)と、スクリュー4を回転駆動させる回転駆動モータ6(駆動手段)とを備えている。
【0007】
可動筒体2は、円筒状の可動筒体本体11と、その外周面に設けられたガイド部材12とを有する。
可動筒体本体11は、支持筒体3の内面側に設けられたベアリング13に回転自在に支持されている。可動筒体本体11は、支持筒体3に対しスクリュー4の軸方向(図中左右方向)に移動可能となっている。
スクリュー4は、シャフト15と、その外周に螺旋状に設けられたリボンスクリュー羽根16とを備え、スクリュー羽根16は、羽根本体17と、その外周縁に形成された突出部18とを有する。突出部18は、外方(シャフト15から離れる方向)に突出して形成されている。
【0008】
図2および図3に示すように、突出部18は、可動筒体2内面に付着した被搬送物を掻き落とすためのもので、羽根本体17の外周縁の一部に設けられている。図示例では、羽根本体17の周方向に間隔をおいて複数設けられている。突出部18の数は、1周分の羽根本体17に対し2〜5とするのが好ましい。突出部18は、先端が可動筒体2の内面近傍に達するように形成するのが好ましい。突出部18は可動筒体2内面に接してもよいし、接していなくてもよい。
往復動モータ5の軸には、ガイド部材12に係合する回転板24が取り付けられており、回転板24の回転駆動によって、可動筒体2はスクリュー4の軸方向に移動するようになっている。
【0009】
以下、スクリュー式搬送コンベア1の動作を詳しく説明する。
図1に示すように、有機廃棄物などの被搬送物は、導入部21を通して、スクリュー4の一端側(図中左端)の支持筒体3内に導入される。
回転駆動モータ6を駆動すると、無端ベルト等を介してモータ6の駆動力がプーリ22に伝達され、スクリュー4が回転する。被搬送物は可動筒体2内に導入され、スクリュー羽根16によってスクリュー4の他端方向(図中右方)に搬送され、他端側の支持筒体3の導出部23を通して系外に導出される。
被搬送物が可動筒体2内で搬送される際には、往復動モータ5を駆動する。往復動モータ5の駆動により、回転板24が回転駆動し、可動筒体2がスクリュー4の軸方向に移動する。回転板24の回転方向を所定時間ごとに変更することによって、可動筒体2を往復動させることができる。可動筒体2の往復動により、可動筒体2と突出部18との軸方向の相対位置が変化するため、突出部18は可動筒体2の内面全体に達するようになる。
可動筒体2は常時往復動させてもよいし、断続的に往復動させてもよい。
突出部18は、羽根本体17の外周縁の一部にのみ形成されているので、突出部18が可動筒体2内面に接する場合でも、スクリュー4が回転する際の接触抵抗は小さい。
含水率が高い有機廃棄物などの被搬送物は可動筒体2内面に付着しやすいが、可動筒体2内面に付着した被搬送物は、羽根本体17に設けられた突出部18によって掻き取られる。このため、可動筒体2内面に付着した被搬送物によってスクリュー4の回転が阻害されるのを防ぐことができる。
従って、メンテナンスを容易にすることができる。また、駆動力が低い回転駆動モータ6を使用でき、装置の小型化や低コスト化が可能となる。
【0010】
本発明のスクリュー式搬送コンベアは、図4に示す廃棄物分解処理装置において、スクリュー式搬送コンベア36に代えて用いることができる。
可動筒体を往復動させる手段は、例示のものに限らず、可動筒体を軸方向に移動させるシリンダなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のスクリュー式搬送コンベアの一例の概略構成図である。
【図2】図1に示す搬送コンベアの横断面図である。
【図3】図1に示す搬送コンベアの要部を拡大した一部断面図である。
【図4】従来の搬送コンベアの一例を用いた廃棄物処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0012】
1…スクリュー式搬送コンベア、2…可動筒体、4…スクリュー、5…往復動モータ(往復動手段)、6…回転駆動モータ(駆動手段)、15…シャフト、16…スクリュー羽根、17…羽根本体、18…突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動筒体(2)と、該可動筒体内に設けられたスクリュー(4)と、前記可動筒体をスクリューの軸方向に往復動させる往復動手段(5)と、前記スクリューを回転駆動させる駆動手段(6)とを備え、
前記スクリューは、シャフト(15)と、その外周に設けられたスクリュー羽根(16)とを備え、
該スクリュー羽根が、羽根本体(17)と、該羽根本体の外周縁の一部に、シャフトから離れる方向に突出して形成された突出部(18)とを有することを特徴とするスクリュー式搬送コンベア(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−69780(P2006−69780A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258172(P2004−258172)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(591248234)株式会社岡田製作所 (2)
【Fターム(参考)】