説明

スクリーンテスト機能付きLED表示装置

【課題】スクリーンを構成するLEDユニットの異常箇所を目視によって効率良く特定できるスクリーンテスト機能付きLED表示装置を提供する。
【解決手段】スクリーンテスト回路部170は、映像メモリ160から入力する映像入力データに所定の透過率αを乗じる第1の乗算器171aと、選択されたテスト色に透過率(1−α)を乗じる第2の乗算器171bと、第1の乗算器171aの出力データと第2の乗算器171bの出力データを加算する加算器172と、スクリーンテストエリア選択信号に基づいて映像入力デ
ータと加算器172の出力データのいずれかを選択し、選択したデータをスクリーンの表示
映像として出力するセレクタ173aを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コントローラとスクリーンとで構成された大型のLED表示装置に関するものであり、さらに詳しくは、スクリーンに表示された映像の異常箇所を容易に特定することが可能な「スクリーンテスト機能付きLED表示装置」に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来のLED表示装置においては、スクリーンを構成する複数のLEDユニットの故障箇所を特定するためのブロックテストは、白色あるいは黒色の不透明なブロックを使用しており、ブロックテストはスクリーンテスト中に行っていた。
また、クロスラインテストにおいても白色あるいは黒色の不透明なクロスラインを使用しており、クロスラインテストはスクリーンテスト中に行っていた。
なお、ブロックテストとは、スクリーン上の所望の位置に小さなテスト用のブロック(例えば、四角形状をした区画)を表示し、表示されたブロックにおいて、スクリーンを構成するLEDユニットに発光異常(例えば、LEDの不点灯や所望外の発光など)がないかを検査者が目視にて確認し、異常がある箇所を容易に効率良く(容易に)特定するためのテストである。
また、クロスラインテストとは、スクリーン上の所望の位置にテスト用のクロスライン(十字線)を表示し、表示されたクロスライン上において、スクリーンを構成するLEDユニットに発光異常がないかを検査者が目視にて確認し、異常がある箇所を効率良く(容易に)特定するためのテストである。
【0003】
従来では、ブロックテストで用いられるブロックあるいはクロスラインテストで用いられるクロスラインは、不透明な白色あるいは黒色であるので、ブロックあるいはクロスラインによってスクリーン上に表示されている映像を隠してしまう。
従って、検査者は、スクリーンテスト中において、スクリーンに表示されている映像の全てを見ることができない。
なお、特開2004−056614号公報、特開2004−333802号公報、特開2007−322814号公報などに記載されている従来の大型表示装置では、ブロックテストは、不透明な白色あるいは黒色のブロックを用いて、画像制御部あるいは映像メモリ部によりスクリーンテスト中に行っていた。 注 上記4行の記載は正しいですか。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−056614号公報
【特許文献2】特開2004−333802号公報
【特許文献3】特開2007−322814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のLED表示装置のスクリーンテストでは、ブロックテストで用いられるブロックあるいはクロスラインテストで用いられるクロスラインは、不透明な白色あるいは黒色であるので、スクリーンに映像を表示中にブロックテストあるいはクロスラインテストを行うと、数字や文字情報などの重要情報を表示している映像の一部が、ブロックあるいはクロスラインで隠れてしまうことがある。
従って、スクリーンテストを行う検査者は、スクリーンに表示されている映像の全てを目視(検査)することができないので、映像を表示して行うスクリーンテストを中断してブロックあるいはクロスラインで隠れている映像を確認する必要があった。
すなわち、状来では、スクリーンに映像を表示中において効率良く(容易に)スクリーンテストを行えないという問題点があった。
【0006】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、スクリーンに映像を表示中でも映像表示を中断することなく、効率良く(容易に)スクリーンテストを実施することが可能な「スクリーンテスト機能付きLED表示装置」を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係わるスクリーンテスト機能付きLED表示装置は、コントローラに入力される映像データを制御して複数のLED表示ユニットで構成されるスクリーンに送信し、前記スクリーンに表示された映像のスクリーンテストを行うスクリーンテスト機能付きLED表示装置であって、
前記コントローラは、前記スクリーンの画面全体の映像データを記憶可能な映像メモリと、外部システムより受信したコマンドに基づいて外部より送信されてくる前記映像データの前記映像メモリへの書込み・読出しを制御する画像制御部と、前記画像制御部により制御されるスクリーンテスト回路部および前記映像メモリに記憶された前記映像データを前記スクリーンに送信する映像送信回路部とを備え、
前記スクリーンテスト回路部は、前記映像メモリから入力する映像入力データに所定の透過率αを乗じる第1の乗算器と、スクリーンテストエリアに対して選択されたテスト色に透過率(1−α)を乗じる第2の乗算器と、前記第1の乗算器の出力データと前記第2の乗算器の出力データを加算する加算器と、スクリーンテストエリア選択信号に基づいて前記映像入力データと前記加算器の出力データのいずれかを選択し、選択したデータを前記スクリーンに表示する表示映像として出力するセレクタとを有しているものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、スクリーンテストエリアであるブロックやクロスラインの部分は半透明になるので、ブロックテストあるいはクロスラインテストなどのスクリーンテストを行っても、ブロックやクロスラインによって表示映像が隠れることがない。
従って、重要情報を含む一部の映像が不透明なブロックあるいはクロスラインで隠れてしまうという従来の問題点が解消され、映像表示中に映像表示を中断することなく、効率良く、スクリーンテストを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明によるスクリーンテスト機能付きLED表示装置の全体構成を示す図である。
【図2】実施の形態1によるスクリーンテスト回路部の構成を示す図である。
【図3】実施の形態2によるスクリーンテスト回路部の構成を示す図である。
【図4】実施の形態3によるスクリーンテスト回路部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態例について説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものであることを表す。
実施の形態1.
図1は、本発明に係わる「スクリーンテスト機能付きLED表示装置」の全体構成を示す図である。
また、図2は、実施の形態1におけるスクリーンテスト回路部の構成を示した図であって、図1に示したスクリーンテスト回路部170の構成を概念的に示す図である。
図1に示すように、本発明に係わる「スクリーンテスト機能付きLED表示装置」は、大別して、コントローラ100と縦横m個×n個の複数個のLED表示ユニット220に
より構成されたスクリーン200とが配置されている。
【0011】
ここで、コントローラ100は、センターシステム(図示なし)から入力される映像データをデコードするデコーダ110と、デコーダ110より出力する映像データを切り換える映像切換部120と、コントローラ100全体の制御を行う画像制御部130と、通信に関する制御を行う通信制御部140と、通信制御部140で受信したコマンドの解析を行うコマンド解析部150と、スクリーンの1画面全体の映像データを記憶することが可能な映像メモリ160と、映像メモリ160より出力する映像データとスクリーンテストの映像を切り換えるスクリーンテスト回路部170と、スクリーンテスト回路部170から出力する映像データにブロックテストを行うためのブロックやクロスラインテストを行うためのクロスラインを重ね合わせた映像をスクリーン200に送信する映像送信回路部180とによって構成される。
【0012】
なお、デコーダ110は、センターシステム(図示なし)の種々な信号源から入力する複数種類の映像データを、コントローラ100の内部で処理可能な映像データに変換するものである。
また、映像切換部120は、デコーダ110から出力する複数種類の映像データを切り換えて、スクリーン200に表示できるようにするものである。
また、通信制御部140は、外部のPC(センターシステムのPC)からの「ブロックテストやクロスラインテストを実施するためのコマンド」や「表示を切り換えるコマンド」などを受け取るためのものである。
また、画像制御部130は、コマンド解析部150からの指示により映像切換部120および映像メモリ160を制御する。
【0013】
ところで、図1に示すように、映像送信回路部180には、映像送信回路1、映像送信回路2、・・・映像送信回路kのk個の映像送信回路が設けられている。
k個(複数個)の映像送信回路を設けたことにより、画面全体の映像データをスクリーンのエリアごとに分割して送信することが可能となり、大きいサイズのスクリーンに対応できる。
スクリーンサイズが大きくなった場合は、スクリーンサイズに合わせて(すなわち、分割された表示エリア数に対応させて)映像送信回路を増やす。
【0014】
また、スクリーン200は、縦m個、横n個のLED表示ユニット220で構成されており、コントローラ100内の映像送信回路部180から送信される映像データを受信し、且つ担当エリア(すなわち、1つの映像受信回路が担当する表示エリア)内のLED表示ユニット220に映像データを分配送信する映像受信回路部210が、スクリーン200の近辺あるいは内部に配置される。
なお、映像受信回路部210には、映像送信回路部180の複数の映像送信回路(映像送信回路1、2、3・・・k)のそれぞれに対応して、複数の映像受信回路(映像受信回路1、2、・・・k)が設けられる。
【0015】
次に、スクリーンテスト回路部170の動作について、図2に基づいて説明する。
図2に示すように、スクリーンテスト回路部170は、第1の乗算器171a、第2の乗算器171b、加算器172と、第1のセレクタ173a、第2のセレクタ173bとで構成される。
映像メモリ160から入力する映像データ(映像入力データ)に画像制御部130より指定された透過率α(0≦α≦1)を第1の乗算器171aで掛けあわせたデータAと、画像制御部130より指定された白色あるいは黒色のテスト色に透過率(1−α)を第2の乗算器171bで掛けあわせたデータBとを加算器172で足し合わせる。
そして、第1のセレクタ173aを介して、スクリーンテストエリア(ブロックテスト
あるいはロスラインテストを行うエリア、すなわち、ブロックあるいはクロスライン)を表示する場合は、スクリーンテスト回路部170は、第1のセレクタ173aを介して加算器172の出力Cをスクリーン200に表示させる。
【0016】
ここで、透過率αは、映像メモリから出力された映像データがスクリーンテストエリアを透過するときの透過率であり、透過率αの値が大きいと映像データの割合が強く、透過率αの値が小さいとテスト色の割合が強く表示される。
スクリーンテストのエリア以外を表示する場合には、第1のセレクタ173aによって映像メモリ160から出力される映像データをそのまま出力する。
【0017】
このように、第1のセレクタ173aは、スクリーンテストエリア選択信号に基づいて「映像メモリ160から出力する映像データ」あるいは「加算器172から出力するデータ」のいずれかのデータを選択し、選択されたデータを表示映像として映像送信回路部180へ出力する。
また、第2のセレクタ173bは、画像制御部130よりの指定によって白色あるいは黒色のいずれかのテスト色を選択し、第2の乗算器171bに出力する。
【0018】
ここで、第1のセレクタ173aに入力するスクリーンテストエリア選択信号の生成に関して、説明する。
スクリーンテストエリア選択信号は、スクリーンテスト回路部170内で生成され、スクリーンテスト回路部170がブロックテストあるいはクロスラインテストを行うエリアのデータ(加算器172の出力C)を出力する時は「1(Highレベル)」、それ以外の通常の映像データを出力する時(入力映像をそのまま出力してスクリーンに表示する場合)は「0(Lowレベル)」になる。
すなわち、第1のセレクタ173aは、スクリーンテストエリア選択信号が「1」の時は加算器172の出力Cを選択し、スクリーンテストエリア選択信号が「0」の時は映像入力を選択する。
また、ブロックテストの場合は、ブロックテストエリア内部分のピクセルデータを数値1とし、クロスラインテストの場合は、クロスライン上のクロスラインテストエリア内部分のピクセルデータを数値1とし、それ以外のピクセルデータを数値0として生成する。
【0019】
この結果、ブロックテストあるいはクロスラインテスト以外の部分は映像メモリ160から出力する映像データを表示したものとなり、ブロックテストあるいはクロスラインテストの部分は、「映像メモリ160から出力される映像データに透過率αを掛けたもの」と「テスト色に透過率(1−α)を掛けたもの」を加算器172で加算したものを表示したものとなる。
つまり、ブロックテストあるいはクロスラインテストの部分(すなわち、ブロックあるいはクロスラインの部分)は、映像データがテスト色から透過率α分透明になった表示となる。
従って、スクリーンに映像を表示した状態でブロックテストあるいはクロスラインテストを行っても、重要情報を含む一部の映像がブロックあるいはクロスラインで隠れてしまうという従来の問題点が解消され、映像表示中に映像表示を中断することなくスクリーンテストを実施することができる。
【0020】
以上説明したように、本実施の形態によるスクリーンテスト機能付きLED表示装置は、コントローラ100に入力された映像データを制御して複数のLED表示ユニット220で構成されるスクリーン200に送信し、スクリーン200に表示される映像のスクリーンテストを行うスクリーンテスト機能付きLED表示装置であって、
コントローラ100は、スクリーン200の画面全体の映像データを記憶可能な映像メモリ160と、図示しない外部システムより受信したコマンドに基づいて外部より送信さ
れてくる映像データの映像メモリ160への書込み・読出しを制御する画像制御部130と、画像制御部130により制御されるスクリーンテスト回路部170および映像メモリ130に記憶された映像データをスクリーン200に送信する映像送信回路部180とを備えている。
【0021】
そして、スクリーンテスト回路部170は、映像メモリ160から入力する映像入力データに所定の透過率αを乗じる第1の乗算器171aと、スクリーンテストエリアに対して選択されたテスト色に透過率(1−α)を乗じる第2の乗算器171bと、第1の乗算器171aの出力データと第2の乗算器171bの出力データを加算する加算器172と、スクリーンテストエリア選択信号に基づいて映像入力データと加算器172の出力データのいずれかを選択し、選択したデータをスクリーン200に表示する表示映像として出力するセレクタ173aとを有している。
【0022】
これにより、ブロックやクロスラインの部分(すなわち、スクリーンテストエリア)は半透明になるので、ブロックテストあるいはクロスラインテストなどのスクリーンテストを行っても、ブロックやクロスラインによって表示映像が隠れることがない。
従って、本実施の形態によれば、重要情報を含む一部の映像がブロックあるいはクロスラインで隠れてしまうという従来の問題点が解消され、映像表示中に映像表示を中断することなく、効率良く、スクリーンテストを実施することができる。
【0023】
実施の形態2.
前述した実施の形態1では、コントローラ100内のスクリーンテスト回路部170に白色あるいは黒色のテスト色を入力し、半透明のスクリーンテストを行うことについて述べた。
つまり、実施の形態1では、白色あるいは黒色のスクリーンテストエリアのテスト映像が半透明になるので、スクリーンテスト中でもスクリーンテストエリア内の映像が透けて見え、スクリーンテストのためのテスト映像の下で表示される映像の重要な情報を確認できることについて述べた。
本実施の形態では、このような実施の形態1における特徴的構成を踏襲しつつ、スクリーンテスト回路部内に所望のテスト色を生成する回路(スクリーンテスト色生成回路)を設け、白色あるいは黒色以外の色においても、半透明のスクリーンテストを行うことができる。
【0024】
図3は、実施の形態2におけるスクリーンテスト回路部の構成を概念的に示した図である。本実施の形態によるスクリーンテスト回路部は、実施の形態1におけるスクリーンテスト回路部170において、第2のセレクタ173bに代えてスクリーンテスト色生成回路174を設けたことを特徴とする。
【0025】
ここで、本実施の形態によるスクリーンテスト回路部の動作例について述べる。
画像制御部130によってスクリーンテスト色指定コマンドがスクリーンテスト回路部内のスクリーンテスト色生成回路174に入力され、スクリーンテスト色生成回路174内でスクリーンテスト色指定コマンドに対応するテスト色を生成し、半透明のスクリーンテストを行う。
スクリーンテスト色生成回路174は、画像制御部130からのスクリーンテスト色指定コマンド(例えば、R,G,Bのそれぞれ8ビットの階調データを指定するコマンド)により指定されたスクリーンテスト色を生成する。
そして、スクリーンテスト色生成回路174にて生成された「スクリーンテスト色指定コマンドで指定されたスクリーンテスト色」に対して第2の乗算器171bにより透過率(1−α)を掛けあわせる。
【0026】
また、実施の形態1の場合と同様に、映像メモリ160から入力する映像入力データに画像制御部130より指定された透過率α(0≦α≦1)を第1の乗算器171aで掛けあわせたデータAと、第2の乗算器171bの出力Bとを加算器172で足し合わせる。
そして、第1のセレクタ173aを介してスクリーンテストのエリア(ブロックテストやクロスラインテストを行うエリア)を表示する場合には、スクリーンテスト回路部170は、第1のセレクタ173aを介して加算器172の出力Cをスクリーン200に表示させる。スクリーンテストのエリア以外を表示する場合には、第1のセレクタ173aによって映像メモリ160から入力する映像入力データをそのまま出力する。
【0027】
この結果、ブロックテストあるいはクロスラインテストの部分(すなわち、スクリーンテストエリア)は、映像データが指定された白色あるいは黒色以外のテスト色から透過率α分透明になった表示となる。
従って、従来のLED表示装置での映像表示中のスクリーンテストにおいて、表示映像中の重要情報の一部が不透明なブロックやクロスラインで隠れてしまうという問題点が解消され、映像表示中に表示を中断することなく、且つ、スクリーンテスト色生成回路174で生成した色によりスクリーンテストを実施することができる。
なお、映像データ自体が白色や黒色の模様で生成されていた場合、テスト色として白色あるいは黒色しか使用できないと、いくら半透明になっても、「ブロックテストのブロック」や「クロスラインテストのライン」を判別し難いが、本実施の形態によれば、白色、黒色以外の所望のテスト色でも半透明のスクリーンテストを行えるので、さらに、スクリーンテストの効率・信頼性が良くる。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態によるスクリーンテスト機能付きLED表示装置のスクリーンテスト回路部は、スクリーンテスト色生成回路174を備え、スクリーンテスト色生成回路174で指定した所望のスクリーンテスト色にて半透明のスクリーンテストを行えることを特徴とする。
本実施の形態によれば、白色、黒色以外の所望のテスト色で半透明のスクリーンテストを行えるので、スクリーンテストの効率・信頼性がさらに良くる。
【0029】
実施の形態3.
前述した実施の形態1では、コントローラ100のスクリーンテスト回路部170にスクリーンテストエリア選択信号を入力し、半透明のスクリーンテストを行うことについて述べた。
本実施の形態では、このような実施の形態1における特徴的構成を踏襲しつつ、スクリーンテスト回路部内にスクリーンテストエリアを生成するスクリーンテストエリア生成回路を設け、ブロック以外の特殊な形のテストエリアにおいても半透明のスクリーンテストを行うことができる。
【0030】
図4は、実施の形態3におけるスクリーンテスト回路部の構成を概念的に示す図である。
本実施の形態によるスクリーンテスト回路部は、前述した実施の形態によるスクリーンテスト回路部170において、さらにスクリーンテストエリア生成回路175を設けたことを特徴とする。その他の構成は、実施の形態1の場合と同じである。
【0031】
ここで、実施の形態3におけるスクリーンテスト回路部の動作例について述べる。
実施の形態3におけるスクリーンテスト回路部は、第1の乗算器171a、第2の乗算器171b、加算器172、第1のセレクタ173a、第2のセレクタ173bに加えて、さらにスクリーンテストエリア生成回路175を設けていることを特徴とする。
画像制御部130によってスクリーンテストエリアを指定するコマンド(スクリーンテストエリア生成コマンド)がスクリーンテスト回路部内のスクリーンテストエリア生成回
路175に入力され、スクリーンテストエリア生成回路175内において入力されたコマンドに対応するスクリーンテストエリアを生成し、半透明のスクリーンテストを行う。
スクリーンテストエリア生成回路175においては、例えば、丸や三角あるいはそれらを組み合わせた所望の図形をコマンドにより指定して、コマンドに対応した所望の図形をスクリーンテストエリアとして生成する。
【0032】
また、映像メモリ160から出力する映像データ(映像入力)に画像制御部130より指定された透過率α(0≦α≦1)を第1の乗算器171aで掛けあわせたデータAと、画像制御部130より指定された白色あるいは黒色のテスト色に透過率(1−α)を第2の乗算器171bで掛けあわせたデータBとを加算器172で足し合わせる。
そして、第1のセレクタ173aを介して、スクリーンテストエリア生成回路175で生成されたスクリーンテストエリア(すなわち、丸や三角あるいはそれらを組み合わせた図形のスクリーンテストエリア)を表示する場合は、スクリーンテスト回路部は、第1のセレクタ173aを介して加算器172の出力Cをスクリーン200に表示させる。
入力映像をそのまま表示する場合は、第1のセレクタ173aを介してスクリーン200に入力映像を表示させる。
【0033】
この結果、スクリーンテストエリア生成回路175により生成した図形は、透過率α分は映像メモリ160から出力される映像データ、透過率(1−α)分はテスト色の半透明表示となり、従来のLED表示装置での映像表示中のスクリーンテストにおいて、表示映像中の重要情報の一部がスクリーンテストで隠れてしまうという問題点が解消される。
従って、映像表示中に表示を中断することなく、且つ、ブロックやクロスラインだけでなく、スクリーンテストエリア生成回路175により生成した丸や三角ふるいはそれらを組み合わせた図形のスクリーンテストエリアにおいてスクリーンテストを実施することができる。
特に、本実施の形態では、スクリーンにロゴなどの固定表示を行う場合に効果があり、丸や三角あるいはそれらを組み合わせた形状のロゴ部分を半透明にすることにより、スクリーンテスト中においても、ロゴも映像入力も認識できる。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態によるスクリーンテスト機能付きLED表示装置のスクリーンテスト回路部はスクリーンテストエリア生成回路175を備え、スクリーンテストエリア生成回路175で生成した所望の図形をしたスクリーンテストエリアにて半透明のスクリーンテストを行える。従って3スクリーンテスト中においても、ロゴも映像入力も認識できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、大型表示装置のスクリーンテストにおいて、スクリーンに表示される映像の異常箇所を効率良く特定することが可能な「スクリーンテスト機能付のLED表示装置」の実現に有用である。
【符号の説明】
【0036】
100 コントローラ 110 デコーダ 120 映像切換部
130 画像制御部 140 通信制御部 150 コマンド解析部
160 映像メモリ 170 スクリーンテスト回路部
171a 第1の乗算器 171b 第2の乗算器 172 加算器
173a 第1のセレクタ 173b 第2のセレクタ
174 スクリーンテスト色生成回路
175 スクリーンテストエリア生成回路 180 映像送信回路部
200 スクリーン 210 映像受信回路部 220 LED表示ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラに入力される映像データを制御して複数のLED表示ユニットで構成されるスクリーンに送信し、前記スクリーンに表示された映像のスクリーンテストを行うスクリーンテスト機能付きLED表示装置であって、
前記コントローラは、前記スクリーンの画面全体の映像データを記憶可能な映像メモリと、外部システムより受信したコマンドに基づいて外部より送信されてくる前記映像データの前記映像メモリへの書込み・読出しを制御する画像制御部と、前記画像制御部により制御されるスクリーンテスト回路部および前記映像メモリに記憶された前記映像データを前記スクリーンに送信する映像送信回路部とを備え、
前記スクリーンテスト回路部は、前記映像メモリから入力する映像入力データに所定の透過率αを乗じる第1の乗算器と、スクリーンテストエリアに対する選択されたテスト色に透過率(1−α)を乗じる第2の乗算器と、前記第1の乗算器の出力データと前記第2の乗算器の出力データを加算する加算器と、スクリーンテストエリア選択信号に基づいて前記映像入力データと前記加算器の出力データのいずれかを選択し、選択したデータを前記スクリーンに表示する表示映像として出力するセレクタとを有していることを特徴とするスクリーンテスト機能付きLED表示装置。
【請求項2】
前記スクリーンテストエリアは、ブロックテストを行うためのブロックあるいはクロスラインテストを行うためのクロスラインのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のスクリーンテスト機能付きLED表示装置。
【請求項3】
前記テスト色は、白色あるいは黒色であることを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーンテスト機能付きLED表示装置。
【請求項4】
前記スクリーンテスト回路部はスクリーンテスト色生成回路を備え、前記スクリーンテスト色生成回路で指定した所望のスクリーンテスト色にて半透明のスクリーンテストを行えることを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーンテスト機能付きLED表示装置。
【請求項5】
前記スクリーンテスト回路部はスクリーンテストエリア生成回路を備え、前記スクリーンテストエリア生成回路で生成したスクリーンテストエリアにて半透明のスクリーンテストを行えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスクリーンテスト機能付きLED表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−234121(P2012−234121A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104249(P2011−104249)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】