説明

スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷装置の設定方法

【課題】スクリーンに対して回転印刷可能なスクリーン印刷装置を提供したい。
【解決手段】スクリーン印刷装置100において、正逆方向(Y方向)に移動する直進機構25を備えた基台20と、スキージ12を駆動してスクリーン印刷をおこなうスキージ駆動ユニット10と、上記基台20とスキージ駆動ユニット10と間に配置され、上記基台20の直進機構25の正逆方向の移動を、スキージ駆動ユニット10の弧回転に変換する直弧変換機構60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷方向を変えることができるスクリーン印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスクリーン印刷装置のスキージの移動方向は、スクリーン印刷装置に対して固定されている。
あるいは、スクリーン印刷装置のスキージの移動方向を、スクリーン印刷装置に対して自由に変更できるものも開示されている。
【特許文献1】特開2002−240239号公報
【特許文献2】特開2002−240240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スクリーン製版のパターン形状によっては、印刷方向を変えて行った方が印刷結果が向上する場合がある。
【0004】
この発明は、スクリーン製版に対して印刷方向を変えることができるスクリーン印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係るスクリーン印刷装置は、
正逆方向に移動する直進機構を備えた基台と、
スキージを駆動してスクリーン印刷をおこなうスキージ駆動ユニットと、
上記基台とスキージ駆動ユニットと間に配置され、上記基台の直進機構の正逆方向の移動を、スキージ駆動ユニットの弧回転に変換する直弧変換機構とを備えたことを特徴とする。
【0006】
上記直弧変換機構は、
上記基台の直進機構に取り付けられた直進板と、
上記直進板に対して上記直進板の正逆方向と直交する方向に移動可能に取り付けられるとともに、直進板の正逆方向への移動に伴って正逆方向と直交する方向へ移動するとともに、上記スキージ駆動ユニットに対して回転可能に取り付けられた緩衝板と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記緩衝板は、上記直進板の両側面に接しながら回転する一対のベアリング部と、上記一対のベアリング部の中間に回転軸となる軸部とを有し、
上記スキージ駆動ユニットは、上記緩衝板の軸部を受ける軸受け部と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記基台は、
印刷領域に空間を持つように対抗して配置された一対の基台盤と、
上記一対の基台盤に取り付けられた一対の直進機構と、
上記一対の基台盤に配置され、上記スキージ駆動ユニットをスクリーン印刷の中央部を中心にした一対の弧状レールとを有し、
上記スキージ駆動ユニットは、
上記一対の弧状レールに乗せられた一対のスキージ移動ガイドとを有し、
上記直弧変換機構は、
一対の直進機構と一対のスキージ移動ガイドとの間に、それぞれ設けられたことを特徴とする。
【0009】
この発明のスクリーン印刷装置の設定方法は、
基台の直進機構を正逆いずれかの方向に移動させる直進工程と、
直進工程による上記基台の直進機構の移動に伴って、直弧変換機構により、基台の弧状レールに乗ったスキージ駆動ユニットを弧状レール上を弧回転させる直弧変換工程と、
直弧変換工程後に、固定機構により、上記スキージ駆動ユニットを弧状レールに固定する固定工程と
を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明のスクリーン印刷装置は、
基台と、
印刷パターンを有するスクリーンを上記基台に固定する基台固定部と、
スキージを駆動してスクリーン印刷をおこなうスキージ駆動ユニットと、
上記基台とスキージ駆動ユニットと間に配置され、上記基台固定部により固定されたスクリーンの印刷パターンに対して、スキージ駆動ユニットが駆動するスキージの駆動方向を変更する印刷方向変更機構と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明の実施の形態によれば、スクリーン印刷パターンに対して、スキージの印刷方向を変えることができ、印刷パターンに適した印刷が可能となる。
この発明の実施の形態によれば、スクリーンを基台に固定し、スクリーンに対してスキージの印刷方向(駆動方向)を変更することができるので、スクリーンの印刷パターンに対して最適な印刷をすることができる。
また、一方向だけのスキージ駆動では、印刷パターンの孔にインクが入り込みにくい印刷パターンがある場合でも、印刷方向の角度を変更でき、インクが確実に印刷パターンの孔に入り込むので、確実な印刷をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、スキージ駆動ユニット10と基台20とを有するスクリーン印刷装置100を示す平面図である。
図2は、スキージ駆動ユニット10が基台20に対して回転(回動)したスクリーン印刷装置100を示す平面図である。
図3は、図1のA−A断面図である。
図4は、直弧変換機構60の斜視図である。
図5は、直弧変換機構60の動作説明図である。
この実施の形態1に係るスクリーン印刷装置100は、図1に示すように、正逆方向(Y方向)に移動する直進機構25を備えた基台20と、
スキージ12を駆動してスクリーン印刷をおこなうスキージ駆動ユニット10と、
上記基台20とスキージ駆動ユニット10と間に配置され、上記基台20の直進機構25の正逆方向の移動を、スキージ駆動ユニット10の弧回転に変換する直弧変換機構60とを備えている。
直弧変換機構60を備えているので、リニアガイドなどの直進機構25を用いて、スキージ駆動ユニット10を回転運動させることができる。直弧変換機構60は、基台に固定されたスクリーンの印刷パターンに対して、スキージ駆動ユニットが駆動するスキージの駆動方向を変更する印刷方向変更機構の一例である。
【0013】
図1は、印刷方向がY方向の場合を示しており、図2は、一対の直進機構25がそれぞれプラスマイナスLだけ移動し、スキージ駆動ユニット10が基台20に対して、Θ(シータ)度回転し、印刷方向がY方向に対してΘ度回転した場合を示している。
【0014】
図3,図4に示すように、上記直弧変換機構60は、
上記基台20の直進機構25に取り付けられた直進板24と、
上記直進板24に対して上記直進板24の正逆方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に移動可能に取り付けられるとともに、直進板24の正逆方向(Y方向)への移動に伴って正逆方向(X方向)へ移動するとともに、上記スキージ駆動ユニット10に対して回転可能に取り付けられた緩衝板26と、
を備えている。
緩衝板26を備えることにより、直進運動と弧状運動とによる直進板24とスキージ駆動ユニット10との距離の変化が吸収できる。
【0015】
上記緩衝板26は、上記直進板直進機構25の両側面に接しながら回転する一対のベアリング部29と、上記一対のベアリング部29の中間に回転軸となる軸部27を有し、
上記スキージ駆動ユニット10は、上記緩衝板26の軸部27を受ける軸受け部15を備えている。
ベアリング部29を備えることにより、摩擦がなくなり、緩衝板26と直進機構25とのスライドが容易になる。また、軸部27と軸受け部15により、緩衝板26とスキージ駆動ユニット10とが相対的に回転可能になる。
【0016】
上記基台20は、
印刷領域に空間を持つように対抗して配置された一対の基台盤21と、
上記一対の基台盤21に取り付けられた一対の直進機構25と、
上記一対の基台盤21に配置され、上記スキージ駆動ユニット10をスクリーン印刷の中央部を中心にした一対の弧状レール弧状レール22とを有し、
上記スキージ駆動ユニット10は、
上記一対の弧状レール弧状レール22に乗せられた一対のスキージ移動ガイド14とを有し、
上記直弧変換機構60は、
一対の直進機構25と一対のスキージ移動ガイド14との間に、それぞれ設けられている。
基台盤21、弧状レール22、直進機構25が対向しているので、その間で、テーブル30がY方向に移動可能な構成になる。
また、一対の直進機構25、一対の弧状レール22、一対の直弧変換機構60があるので、スキージ移動ガイド14が個別にあるスクリーン印刷装置100でも、個別のスキージ移動ガイド14を同角度だけ回転させることができる。
【0017】
以下、各部の詳細について説明する。
スクリーン印刷装置100は、スキージ駆動ユニット10、基台20、テーブル30、スクリーン40、制御部50、直弧変換機構60を備えている。
スキージ駆動ユニット10は、レールスライダ11、スキージ12、スキージ移動ビーム13、スキージ移動ガイド14、ガイド溝17、固定機構18、ブレーキバー19を備えている。
スキージ駆動ユニット10は、スキージ12を取り付けたスキージ移動ビーム13を備えている。スキージ移動ビーム13は、平行な一対のスキージ移動ガイド14にブリッジ状(梁状)に乗せられている。スキージ移動ビーム13はリニアモータとリニアガイドによりスキージ移動ガイド14のガイド溝17を前後に移動し、その移動により、スキージ12がスクリーン印刷をする。
各スキージ駆動ユニット10の底には、レールスライダ11が複数設けられている。複数のレールスライダ11は弧状レール22に乗せられており、複数のレールスライダ11が弧状レール22をスライドすることにより、スキージ駆動ユニット10が基台20に対して、弧状に移動する。レールスライダ11の数は、一個でも構わない。
また、各スキージ駆動ユニット10の底には、一対の固定機構18がある。固定機構18は、複数のレールスライダ11の間(スキージ移動ガイド14のほぼ中央)に配置されている。固定機構18は、ブレーキバー19を有している。一対のブレーキバー19が固定機構18を挟むことにより、スキージ駆動ユニット10が弧状レール22に固定され、結果として、スキージ駆動ユニット10が基台20に対して固定される。
各スキージ移動ガイド14のほぼ中央部には、スキージ駆動ユニット10から内側に突出した軸受け部15が設けられている。軸受け部15には、緩衝板26の軸部27を通す穴または孔からなる軸受け16がある。
【0018】
基台20は、基台盤21、弧状レール22、リニアガイド23、直進機構25を備えている。
基台20には、平面図においてコ字状をしており、平行な一対の基台盤21がある。一対の基台盤21の間に、テーブル30があり、テーブル30の上にスクリーン40がある。被印刷物であるセラミック基板やガラス基板などのワークは、テーブル30とスクリーン40の間にあり、テーブル30の上の搬入される。
一対の弧状レール22は、テーブル30の中心Sあるいはスクリーンの中心Sを中心とした半径Rの円の円周の一部分である。たとえば、Θ度をX方向に対して正逆方向の片側で最大12度の場合を考えると、弧状レール22の中心角は、12度×2=24度である。基台盤21は、24度の中心角を持つ弧状レール22を配置するのに十分な幅(X方向の長さ)を有している。
直進機構25には直進板24が固定されている。直進機構25は、リニアモータとリニアガイド23より、直進機構25をY方向に移動し、その移動により、直進板24がY方向に移動する。一対の直進機構25のうち、一方の直進機構25が、正方向(+Y方向)に移動するときは、他方の直進機構25が、負方向(−Y方向)に移動する。このため、一方のスキージ移動ガイド14は、+Θ度回転し、他方のスキージ移動ガイド14は−Θ度回転する。したがって、一対のスキージ移動ガイド14は、常に、平行を保つことになり、スキージ移動ビーム13が、スキージ移動ガイド14のガイド溝17を直進することができる。
なお、一対のスキージ移動ガイド14が平行を保つことができれば、一方の弧状レール22の半径と他方の弧状レール22の半径とが異なっていてもよく、その場合には、制御部50が、一方の直進機構25の正方向(+Y方向)への移動距離と他方の直進機構25の負方向(−Y方向)への移動距離を個別に計算すればよい。
【0019】
直弧変換機構60は、軸受け部15、軸受け16、直進板24、緩衝板26、軸部27、ピン28、ベアリング部29を備えている。
直進板24は、直進機構25に固定され、直進機構25とともに、Y方向に直進移動する。
直進板24は凸形状(T字形状)をしており、凸部91の両側の平行な2辺が一対のベアリング部29に挟まれている。
緩衝板26は、四角形の平板である。緩衝板26の中央下部には、円筒形の軸部27が固定されている。軸部27は、軸受け部15の軸受け16に差し込まれ、スキージ駆動ユニット10に対して、緩衝板26が回転可能になっている。緩衝板26の両端上部には、一対のピン28が上面から垂直方向に延びるように固定され、ピン28の先端にはベアリング部29がある。ベアリング部29は、ベアリング機構によりピン28に対して回転可能であり、ベアリング部29の外周は直進板24の凸部の平行な2辺に接している。一対のベアリング部29の距離は、直進板24の凸部の幅(平行な2辺の距離)に等しい。ベアリング部29がベアリング機構によりピン28の周囲を回転することにより、緩衝板26が直進板24の凸部の抜き差し方向(X方向)に移動できる。
軸部27の中心Cは、一対のベアリング部29の回転軸(一対のピン28)中央にあり、直進板24のY方向への力を軸部27に直接伝達することできる。
【0020】
スクリーン40(スクリーン製版)は、基台20(基台盤21)に、スクリーン固定部(図示せず)により固定されており、回転することはない。スクリーン固定部は、スクリーン40(スクリーン製版)のスクリーン枠の四コーナーを上下から挟みこんでスクリーンを基台20(基台盤21)に固定する。
【0021】
制御部50には、基台20に収納された中央処理装置(CPU)、メモリ、プログラムなどの電子計算機処理が可能なハードウエア・ソフトウエアがある。また、制御部50は、操作卓や表示画面を備え、操作者に対して、キー入力操作や画面表示などのインターフェース提供している。制御部50からは、直進機構25を直進させるリニアモータに対する電気信号や、固定機構18に対するブレーキ信号が出力される。また、制御部50は、テーブル30の移動や、スキージ移動ガイド14の移動や、スキージ12の印刷のための制御信号を生成して、各部に出力する。
【0022】
図5により、この実施の形態のスクリーン印刷装置100の直弧変換機構60がΘ度だけ弧状に回転する場合の動作原理を説明する。
図5において、Sは、弧状レール22の弧の中心である。
即ち、
距離SP=距離SQ=半径R
である。
また、軸部27の中心をCおよびNとすると、
距離SC=距離SN
である。
1.まず、直弧変換機構60からのΘ度回転のためのモータ信号により、リニアモータが回転し、リニアガイドにより、直進板24が直進機構25によりY方向に直線移動し始める。
2.直進板24の凸部91の両側にある一対のベアリング部29も、直進板24の移動に伴い、一緒にY方向に直線移動し始める。一対のベアリング部29がY方向に直線移動し始めるので、緩衝板26もY方向に直線移動し始める。
3.そして、緩衝板26がY方向に直線移動し始めるので、軸部27もY方向に直線移動し始める。軸部27がY方向に直線移動し始めるので、軸受け部15にY方向に直線移動させる力が働く。
4.軸受け部15を備えたスキージ駆動ユニット10は、Y方向に直線移動できないが、弧状レール22に乗っているので弧状に移動できる。したがって、軸受け部15に働いたY方向の力は、スキージ駆動ユニット10を弧状に移動させることになる。
5.こうして、スキージ駆動ユニット10が弧状に移動すると、軸受け部15と直進板24との距離が小さくなろうとする。このため、ベアリング部29が回転して、緩衝板26が、凸部を根元方向に移動するために軸受け部15と直進板24との距離が小さくなる。軸受け部15(即ち、スキージ駆動ユニット10)は、弧状レール22を移動するので、中心Sからの距離は半径Rのままであり一定である。
つまり、直進板24のY方向への直線運動により、軸受け部15が弧状に移動することになるが、直進板24と軸受け部15とのX方向への距離の変化は、緩衝板26が直進板24をX方向にスライドすることにより吸収されるのである。
なお、Θ度移動させる場合の直進板24の移動距離Lは、直角三角形SMNにおいて、距離SNとΘ度とが既知であれば、
(sinΘ)=距離MN÷距離SN
であるから、
距離MN=(sinΘ)×距離SN
として、移動距離L(距離MN)を求めることができるので、移動距離L(距離MN)を制御部50で計算して、リニアモータに電気信号を発生すればよい。
制御部50は、一方の直進機構25を、正方向(+Y方向)に移動させるときは、他方の直進機構25が、負方向(−Y方向)に同距離だけ移動させる。一対のスキージ移動ガイド14は、弧状レール22を回転しても、常に、平行を保つことになる。
【0023】
この実施の形態のスクリーン印刷装置の設定方法(印刷動作)について、説明する。
1.入力工程(S1)
操作者が操作卓から、正逆方向付きのΘ度(+Θ度または−Θ度)を入力する。
2.計算工程(S2)
入力工程(S1)の後、制御部50が、直進機構25の直進移動距離L(距離NM)を計算する。
3.直進工程(S3)
計算工程(S2)の後、制御部50が、ブレーキ信号を解除して、スキージ駆動ユニット10が弧状レール22を回転移動できるようにする。制御部50が、直進機構25のリニアモータにモータ信号を発生する。
リニアガイド23により、基台20の直進機構25が、指定された正逆いずれかの方向(Y方向)に移動し始める。
4.直弧変換工程(S4)
直進工程(S3)による上記基台20の直進機構25のY方向の移動に伴って、直弧変換機構60が、基台20の弧状レール22に乗ったスキージ駆動ユニット10を弧状レール上で弧回転させる。
5.固定工程(S5)
直弧変換工程(S4)により、スキージ駆動ユニット10がΘ度だけ回転した後、制御部50がブレーキ信号を発生し、固定機構18がブレーキバー19により弧状レール22を挟み、上記スキージ駆動ユニット10を弧状レール22に固定する。
6.印刷工程(S6)
固定工程(S5)の後、スキージ駆動ユニット10が、スクリーン40を介して、テーブル30に置かれたワークに対して、Y方向に対してΘ度傾いた方向にスクリーン印刷をする。
なお、さらに、角度を変えて印刷する場合には、上記1から6の動作を繰り返せばよい。
角度を変えて連続自動印刷させる場合には、上記1において、複数の角度を入力させ、制御部50のプログラムにより、上記2から6の動作を自動的に繰り返せばよい。
【0024】
実施の形態2.
以下に、直弧変換機構60の他の実施の形態を説明する。
上記実施の形態1では、スキージ駆動ユニット10に軸受け16があり、緩衝板26に軸部27がある場合を示したが、スキージ駆動ユニット10に軸部27があり、緩衝板26に軸受け16がある場合でもよい。また、軸部27の回転軸と中心Sとの距離が一定の距離のまま、スキージ駆動ユニット10と緩衝板26とが相対的に回転できるように取り付けられるならば、その回転機構はどのような構造でもよい。
【0025】
また、上記実施の形態1では、直進板24が、凸形状の場合を示したが、ベアリング部29が平行な2辺をX方向にスライドできればよく、直進板24を四角形や長方形にして、四角形や長方形の両側の平行な2辺をスライドさせてもかまわない。また、緩衝板26が、スキージ駆動ユニット10に対してX方向にスライドできればよく、直進板24にX方向のスリット(開口形状がX方向に細長い長方形の孔)を設け、スリットをX方向にスライドするピンを緩衝板26に設けてもよい。
また、直進板24にX方向のスリットを設け、緩衝板26に軸部27だけを設けて、直進板24のX方向のスリットに軸部27を差し込み、その後、軸部27を軸受け部15の軸受け16に差し込んでもかまわない。
【0026】
また、上記実施の形態1では、ピン28にベアリング部29がある場合を示したが、ベアリング部29を設けないで、凸部の平行な側面に接触する平行な一対のピン28だけでも構わない。
【0027】
また、上記実施の形態1では、軸部27が裏面にあり、ピン28とベアリング部29が表面にある場合を示したが、軸部27と、ピン28とベアリング部29が同一の面にあってもかまわない。
【0028】
また、上記実施の形態1では、軸受け部15がスキージ駆動ユニット10から中心S方向に突出していた場合を示したが、軸受け部15がスキージ駆動ユニット10から中心Sの方向に突出していなくてもよい。また、軸受け部15がスキージ駆動ユニット10の中央にある場合を示したが、軸受け部15がスキージ駆動ユニット10の中央になくてもよい。
【0029】
また、上記実施の形態1では、軸部27の中心Cは、一対のベアリング部29の回転軸(一対のピン28)の中央にある場合を示したが、軸部27の中心Cがいずれか一方のベアリング部29に近くてもよい。また、軸受け16と軸部27の中心Cとが弧状レール22の上にあってもよく、軸部27の中心Cが一対のベアリング部29の回転軸(一対のピン28)を結んだ直線上になくてもよい。一対のベアリング部29は、緩衝板26をX方向に直線移動させるものであり、軸部27は、緩衝板26に対して軸受け部15を回転させるものであり、ベアリング部29と軸部27との役割は異なっており、ベアリング部29と軸部27との相対的位置関係は、限定されない。
【0030】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、直進機構25が一対ある場合を示したが、一対のスキージ移動ガイド14がコ字状又は環状に連結されているのであれば、1個の直進機構25により、スキージ駆動ユニット10を回転させることも可能である。
上記実施の形態1では、スキージ駆動ユニット10がY方向に対して左右両方に回転する場合を示したが、スキージ駆動ユニット10がY方向に対して単に左回転のみあるいは右回転のみする場合でも構わない。
上記実施の形態1では、スクリーン印刷装置の場合を示したが、スクリーンが存在しない塗装印刷装置の場合でも構わない。また、スキージによる印刷装置でなくてもよく、刷毛のよる印刷装置や噴射式の印刷装置であってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】スキージ駆動ユニット10と基台20とを有するスクリーン印刷装置100を示す図。
【図2】スキージ駆動ユニット10が基台20に対して回転したスクリーン印刷装置100を示す図。
【図3】図1のA−A断面図。
【図4】直弧変換機構60の斜視図。
【図5】直弧変換機構60の動作説明図。
【符号の説明】
【0032】
10 スキージ駆動ユニット、11 レールスライダ、12 スキージ、13 スキージ移動ビーム、14 スキージ移動ガイド、15 軸受け部、16 軸受け、17 ガイド溝、18 固定機構、19 ブレーキバー、20 基台、21 基台盤、22 弧状レール、23 リニアガイド、24 直進板、25 直進機構、26 緩衝板、27 軸部、28 ピン、29 ベアリング部、30 テーブル、40 スクリーン、50 制御部、60 直弧変換機構(印刷方向変更機構)、100 スクリーン印刷装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正逆方向に移動する直進機構を備えた基台と、
スキージを駆動してスクリーン印刷をおこなうスキージ駆動ユニットと、
上記基台とスキージ駆動ユニットと間に配置され、上記基台の直進機構の正逆方向の移動を、スキージ駆動ユニットの弧回転に変換する直弧変換機構とを備えたことを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
上記直弧変換機構は、
上記基台の直進機構に取り付けられた直進板と、
上記直進板に対して上記直進板の正逆方向と直交する方向に移動可能に取り付けられるとともに、直進板の正逆方向への移動に伴って正逆方向と直交する方向へ移動するとともに、上記スキージ駆動ユニットに対して回転可能に取り付けられた緩衝板と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
上記緩衝板は、上記直進板の両側面に接しながら回転する一対のベアリング部と、上記一対のベアリング部の中間に回転軸となる軸部とを有し、
上記スキージ駆動ユニットは、上記緩衝板の軸部を受ける軸受け部と
を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のスクリーン印刷装置。
【請求項4】
上記基台は、
印刷領域に空間を持つように対抗して配置された一対の基台盤と、
上記一対の基台盤に取り付けられた一対の直進機構と、
上記一対の基台盤に配置され、上記スキージ駆動ユニットをスクリーン印刷の中央部を中心にした一対の弧状レールとを有し、
上記スキージ駆動ユニットは、
上記一対の弧状レールに乗せられた一対のスキージ移動ガイドとを有し、
上記直弧変換機構は、
一対の直進機構と一対のスキージ移動ガイドとの間に、それぞれ設けられたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項5】
スクリーン印刷装置の設定方法において、
基台の直進機構を正逆いずれかの方向に移動させる直進工程と、
直進工程による上記基台の直進機構の移動に伴って、直弧変換機構により、基台の弧状レールに乗ったスキージ駆動ユニットを弧状レール上を弧回転させる直弧変換工程と、
直弧変換工程後に、固定機構により、上記スキージ駆動ユニットを弧状レールに固定する固定工程と
を備えたことを特徴とするスクリーン印刷装置の設定方法。
【請求項6】
基台と、
印刷パターンを有するスクリーンを上記基台に固定する基台固定部と、
スキージを駆動してスクリーン印刷をおこなうスキージ駆動ユニットと、
上記基台とスキージ駆動ユニットと間に配置され、上記基台固定部により固定されたスクリーンの印刷パターンに対して、スキージ駆動ユニットが駆動するスキージの駆動方向を変更する印刷方向変更機構と
を備えたことを特徴とするスクリーン印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−142990(P2010−142990A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320467(P2008−320467)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(593039856)マイクロ・テック株式会社 (21)
【Fターム(参考)】