説明

スケジュール作成装置

【課題】複数の施設を効率よく利用するスケジュール、及び選択された施設を視覚的に理解できるスケジュール作成装置を提供する。
【解決手段】スケジュール作成装置は、複数の施設のうち1以上の施設を利用する選択が可能な状態で、複数の施設に関する情報を表示する選択表示、及び複数の施設を含む地図を表示する地図表示を行う表示部140を備える。選択された施設を利用するスケジュールを、選択された施設の待ち時間を考慮して作成する制御部を備える。表示部140は、選択表示、地図の表示、及び制御部により作成されたスケジュールの表示を切り替えて行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケジュール作成装置に関し、特に、アミューズメントパークなどの一定の領域内にある複数の施設を効率よく利用するためのスケジュールを作成するスケジュール作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のアトラクション(施設)を効率よく利用するためのスケジュール作成装置が提案されている。
【0003】
特許文献1は、利用するアトラクションを選択し、選択された内容に基づいてスケジュールを作成する装置を開示する。
【特許文献1】特開2003−47783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の装置は、選択したアトラクションの場所を特定できないため、初めて訪れた使用者は、別途用意した地図を見ながら使用することになり不便である。
【0005】
したがって本発明の目的は、複数の施設を効率よく利用するスケジュール、及び選択された施設を視覚的に理解できるスケジュール作成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスケジュール作成装置は、複数の施設のうち1以上の施設を利用する選択が可能な状態で、複数の施設に関する情報を表示する選択表示、及び複数の施設を含む地図を表示する地図表示を行う表示部と、選択された施設を利用するスケジュールを、選択された施設の混雑状況を考慮して作成する制御部とを備え、表示部は、選択表示、地図の表示、及び制御部により作成されたスケジュールの表示を切り替えて行う。
【0007】
好ましくは、複数の施設のうち、予約が可能な施設に対する利用が選択された場合に、制御部は、予約が可能な施設に対応する端末と通信を行い、予約可否の確認、及び予約手続きを行う。
【0008】
さらに好ましくは、緯度経度情報を取得する計測部を更に備え、表示部は、地図の表示において、緯度経度情報に基づいて自者位置を表示し、予約した施設の予約時間と、予約した施設と自者位置との距離に応じた時間だけ予約時間より前に、予約時間が迫っている旨の警告を行う。
【0009】
また、好ましくは、緯度経度情報を取得する計測部と、表示部が保持されている方向を特定する方位計測部を更に備え、表示部は、地図の表示において、緯度経度情報に基づく自者位置と、方位計測部に基づく方向とを表示する。
【0010】
また、好ましくは、表示部は、複数の施設のうち利用のための選択を行った施設について、選択を行っていない施設と異なる表示を、地図上で行う。
【0011】
また、好ましくは、制御部は、スケジュール作成装置と異なる別のスケジュール作成装置の制御部により作成されたスケジュールに関する情報を受信し、表示部は、別のスケジュール作成装置で作成されたスケジュールを表示する。
【0012】
さらに好ましくは、緯度経度情報を取得する計測部を更に備え、制御部は、別のスケジュール作成装置の計測部で取得された緯度経度情報を受信し、表示部は、地図の表示において、緯度経度情報に基づく自者位置、及び別のスケジュール作成装置の緯度経度情報に基づく他者位置を表示する。
【0013】
また、好ましくは、表示部は、地図表示において、施設の混雑状況に関する情報を表示する。
【0014】
また、好ましくは、混雑状況の考慮は、施設の過去の混雑状況に基づいて行われる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、複数の施設を効率よく利用するスケジュール、及び選択された施設を視覚的に理解できるスケジュール作成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態におけるスケジュール作成装置1は、携帯情報端末100、PC(パーソナルコンピュータ)200、及び第1〜第9施設側端末300a〜300a12を備える(図1、図2参照)。
【0017】
また、簡易地図10に対応し、スケジュール作成装置1が使用される一定の領域は、第1〜5エリアA〜Eで構成される(図3参照)。第1エリアAは、第1アトラクションA(1)、及び第1レストランR(1)を有する。第2エリアBは、第2アトラクションA(2)、及び第2レストランR(2)を有する。第3エリアCは、第3アトラクションA(3)、第3レストランR(3)、及び第2、第3イベントE(2)、E(3)が行われる場所を有する。第4エリアDは、第4アトラクションA(4)、及び第1イベントE(1)が行われる場所を有する。第5エリアEは、第5アトラクションA(5)、及び第4レストランR(4)を有する。
【0018】
携帯情報端末100は、スケジュール作成装置1が使用される一定の領域にある施設を利用する使用者が使用する情報端末であり、使用者側操作部110、計測部130、使用者側表示部140、使用者側記録部150、使用者側送受信部180、及び使用者側制御部190を有する。本実施形態では、説明の簡素化のため、携帯情報端末100が1台であるとして説明するが、複数あってもよい。
【0019】
PC200は、使用者が使用する形態情報端末100、及び第1〜第12施設側端末300a〜300a12とのデータ送受信を行うサーバであり、PC側操作部210、PC側表示部240、PC側記録部250、第2送受信部280、及びPC側制御部290を有する。
【0020】
第1〜第5施設側端末300a〜300aは、それぞれ第1〜第5アトラクションA(1)〜A(5)に設置された端末であり、第6〜第8施設側端末300a〜300aは、それぞれ第1〜第3イベントE(1)〜E(3)が行われる場所に設置された端末であり、第9〜第12施設側端末300a〜300a12は、それぞれ第1〜第4レストランR(1)〜R(4)に設置された端末である。本実施形態では、12の施設(5つのアトラクション、3つのイベントが行われる場所、4つのレストラン)が、スケジュール作成装置1が使用される一定の領域にあるとして説明するが、施設の数、及びこれに対応する施設側端末の数はこれに限られない。
【0021】
第1〜第12施設側端末300a〜300a12は、それぞれ、第1〜第12撮影部370a〜370a12、第1〜第12施設側送受信部380a〜380a12、及び第1〜第12施設側390a〜390a12を有する。図2は、1以上12以下の整数であるnを使って、第n施設側端末300aの構成を示す。
【0022】
使用者側操作部110は、使用者側表示部140のタッチパネルを介して使用者の操作によりコマンドを制御部190に送る装置である。但し、タッチパネルに代えて、使用者側表示部140の周辺などに配置したキーによる操作やリモートコントローラによる遠隔操作であってもよい。使用者が使用者側操作部110を操作することにより、使用者側表示部140で表示させる表示パターンの種類(選択画面、スケジュール画面、地図画面)が切り替えられる。また、スケジュールに取り入れるアトラクションなどの選択が行われる。
【0023】
計測部130は、GPS、PHSなど携帯情報端末100を保持する者の実位置(緯度経度情報)を第1時間おきに計測する装置である。但し、一定時間(第1時間)おきに計測する形態に限られない。
【0024】
使用者側表示部140は、使用者側表示部140で表示可能な地図データに変換された簡易地図10を使った地図画面、選択画面141、及びスケジュール画面145のいずれかを表示する。
【0025】
簡易地図10は、実際の地形に合わせた地図に対して、特徴的な形状に関する情報(使用者の欲しい情報)を強調し、それ以外の情報を省略したデフォルメ地図である(図1参照)。但し、簡易地図10は、実際の地形を撮影して得られた航空写真であってもよいし、実際の地形に合わせた地図であってもよい。簡易地図10は、簡易地図10上の複数のエリア(第1〜第5エリアA〜E)で構成される。各エリア上の複数の基準ポイント(A〜A、B〜B、C〜C、D〜D、E〜E)には、緯度経度情報が設定される(図3参照)。
【0026】
基準ポイントが多く設定されると、正確な自者位置を表示することが可能になる。但し、隣接する基準ポイントとの距離は、計測部130の計測誤差よりも大きく設定される。
【0027】
アミューズメントパークや公園などの一定の領域が、簡易地図10に使用される。本実施形態では、簡易地図10としてアミューズメントパークの地図が使用される。簡易地図10には、アミューズメントパークにある道路の他、スケジュール管理の対象となる施設(第1〜第5アトラクションA(1)〜A(5)、第1〜第4レストランR(1)〜R(4)、第1〜第3イベントE(1)〜E(2)が行われる場所)が、表示される。スケジュール管理の対象となる施設は、それぞれの緯度経度情報が設定される。
【0028】
基準ポイントは、簡易地図10に対応する実際の地形において、使用者が通る場所で且つ、GPSなどを使って予め緯度経度情報を入手できる場所が設定される。例えば、使用者が通る道路上の曲がり角など、実際の場所と、簡易地図10上の場所とが明確に対応づけできる場所が設定される。基準ポイントは、後述するエリア特定のために、各エリアに3点以上設定されるのが望ましい。
【0029】
使用者側表示部140は、計測部130による実位置の緯度経度情報に基づいて、簡易地図10上に自者位置を表示する。自者位置は、実位置の緯度経度に最も近い緯度経度を有する基準ポイントに設定される。従って、厳密に実位置を簡易地図10上で特定することは出来ないが、形状などが正確に表されない簡易地図10上で、おおまかな自者位置を特定することが可能になる。
【0030】
また、携帯情報端末100がジャイロセンサや方位磁石など方向(携帯情報端末100が保持されている方向)を特定できるセンサを備え、自者位置表示に加えて進行方向を表示させてもよい。進行方向は、例えば、携帯情報端末100を保持する使用者の顔が向いている方向とほぼ一致する表示部140の上面部が向いている方向などが挙げられる。図1は、表示部140の上面部(携帯情報端末100を保持する使用者)が、簡易地図10上の斜め下方向を向いているとして、人の形をした自者位置マーク近傍に斜め下方向の矢印を表示させている例を示す。
【0031】
また、表示部140におけるエリアに関する情報の表示は、使用者の選択した言語で行われるのが望ましい。この場合、使用者が言語設定を行うための操作手段(不図示)を更に備える。
【0032】
また、使用者側表示部140は、計測部130による実位置の緯度経度情報に基づいて、簡易地図10上に自者(携帯情報端末100の使用者)が居るエリアに関する情報を表示する。自者が居るエリアの特定は、使用者側制御部190によって行われる。具体的には、実位置の緯度経度に最も近い3つの基準ポイントで構成される三角形の中に、実位置が位置し、且つ3つの基準ポイントが同じエリアに属する場合に、実位置がそのエリア内に居ると判断され、そうでない場合は、隣接するエリアの境界付近に居るとして、自者が居るエリアは特定されない。
【0033】
例えば、図4のように、実位置の緯度経度に最も近い3つの基準ポイントが、A、A、Aであり(最も近い基準ポイントはA)、これらの基準ポイントで構成される三角形(点線表示)の中に、実位置(白抜き四角表示)が有る場合は、自者が居るエリアが第1エリアAであると特定される。この場合、使用者側表示部140は、基準ポイントA近傍に自者位置マークを表示し、且つ自者が居るエリア名称を、自者が居るエリアに関する情報として表示する(図1参照)。自者位置マークは人の形に限られない。
【0034】
また、図5のように、実位置の緯度経度に最も近い3つの基準ポイントが、A、A、Cであり(最も近い基準ポイントはA)、これらの基準ポイントで構成される三角形(点線表示)の中に、実位置(黒塗り四角表示)がある場合は、第1エリアAと第3エリアCの境界付近に居るとして、自者が居るエリアは特定されない。この場合、使用者側表示部140は、基準ポイントA近傍に自者位置マークを表示するが、自者が居るエリア名称は表示しない。
【0035】
図3〜図5における基準ポイント(A〜A、B〜B、C〜C、D〜D、E〜E)、上述の点線で示した三角形や、白抜き四角や黒塗り四角で示した実位置は、上述の説明のために示したものであり、使用者側表示部140で表示される簡易地図10上には表示されない。
【0036】
簡易地図10が表示される場合、表示部140は、選択画面切り替えキー11を表示する。選択画面切り替えキー11をタッチすることにより、表示部140は、選択画面141の表示に切り替える。
【0037】
選択画面141は、スケジュール作成装置1の使用者が、簡易地図10に対応する一定の領域(アミューズメントパーク)において利用する施設(アトラクション、イベント、及びレストラン)やこれらの営業時間、予約の有無を選択する画面である。選択画面141の表内の×印部分を、一度クリックすると項目が選択されたとして○印に切り替えられる。選択画面141の表内の○印部分を、一度クリックすると項目の選択が解除されたとして×印に切り替えられる。
【0038】
図6は、選択画面141において、いずれの項目も選択されていない状態を示す。
【0039】
図7は、選択画面141において、第1アトラクションA(1)を利用することを時間帯の指定無しで選択し、第2アトラクションA(2)を13時〜15時の間に利用することを選択し、第3アトラクションA(3)を13時〜15時の間に利用することを選択し、第4アトラクションA(4)を利用することを時間帯の指定無しで選択し、第3イベントE(3)を利用することを時間帯の指定無しで選択し、第2レストランR(2)を予約した上で利用することを時間帯の指定無しで選択し、第4レストランR(4)を利用することを時間帯の指定無しで選択した状態を示す。
【0040】
図9は、選択画面141において、第1アトラクションA(1)を利用することを時間帯の指定無しで選択し、第3アトラクションA(3)を13時〜15時の間に利用することを選択し、第2アトラクションA(2)を利用することを時間帯の指定無しで選択し、第3イベントE(3)を利用することを時間帯の指定無しで選択し、第2レストランR(2)を予約した上で使用することを時間帯の指定無しで選択し、第4レストランR(4)を利用することを時間帯の指定無しで選択した状態を示す。
【0041】
選択画面141が表示される場合、表示部140は、スケジュール画面切り替えキー142を表示する。スケジュール画面切り替えキー142をタッチすることにより、表示部140は、スケジュール画面145の表示に切り替える。また、切り替えの際、選択画面141における選択項目の内容に基づいて、使用者側制御部190は、スケジュール画面145のコンテンツ(スケジュール)を作成する。スケジュール画面145のコンテンツ作成の際、レストランの予約などPC200、及び第1〜第12施設側端末300a〜300a12のいずれかとの情報交換が必要な項目がある場合には、使用者側送受信部180、第2送受信部280を介してPC200、及び第1〜第12施設側端末300a〜300a12のいずれかと情報交換を行い、予約の可否を確認する。
【0042】
図8は、図7の選択画面141における選択項目の内容に従って作成されたスケジュール画面145を示す。スケジュール画面145のコンテンツ(待ち時間、使用時間、使用する施設の順序)は、時間帯の指定がされた施設、施設ごとの営業時間、施設ごとの利用する所用時間、過去の施設の混雑状況(待ち時間)に基づいて求められる。スケジュール画面145において、点線で囲った領域は、使用する施設(アトラクション)等の予想待ち時間(イベントについては場所取りに必要な時間)を示し、実線で囲った斜線領域は、使用する施設の予想使用時間を示す。
【0043】
図7の選択画面141において、第2アトラクションA(2)と第3アトラクションA(3)を同じ時間帯に利用する選択を行っているため、同じ時間帯(13時〜15時)に、複数のアトラクションを使用するスケジュールが作成される。この場合、待ち時間の長さ次第では、重複したアトラクションの総てを使用することが出来ない可能性があるため、図8のスケジュール画面145上に警告表示が行われる。
【0044】
図10は、図9の選択画面141における選択項目の内容に従って作成されたスケジュール画面145を示す。図9の選択画面141において、同じ時間帯に利用する施設の選択を行っていないため、時間帯ごとに、アトラクション等の施設を利用するスケジュールが作成される。
【0045】
スケジュール画面145が表示される場合、表示部140は、地図画面切り替えキー146、予約実行キー147、及び選択画面切り替えキー148を表示する。地図画面切り替えキー146をタッチすることにより、表示部140は、簡易地図10の表示に切り替える。予約実行キー147をタッチすることにより、予約指示コマンドが使用者側制御部190、使用者側送受信部180を介してPC200に転送され、PC200から、予約対象の施設に対応する施設側端末の予約手続きが行われる。選択画面切り替えキー148をタッチすることにより、表示部140は、選択画面141の表示に切り替える。
【0046】
簡易地図10の表示においては、利用するために選択された施設と、選択されなかった施設とを区別する表示を行っても良い。例えば、図11のように、選択された施設については、利用順序を記して強調して表示し、選択されなかった施設については、地図上で見えにくくする表示を行う。
【0047】
予約が完了した施設がある場合、予約時間前に、予約時間が迫っている旨の警告表示が、簡易地図10を表示した地図画面上に行われる(図12参照)。警告表示のタイミングは、予約時間の一定時間前に行っても良いが、自者位置(または実位置)と予約した施設との距離(直線距離)が緯度経度情報から求められるため、距離に応じて警告表示のタイミングを変えてもよい(近い場合は、遅いタイミングで警告し、遠い場合は早いタイミングで警告する)。
【0048】
本実施形態では、警告表示は、予約した施設に対してのみ行う形態を説明したが、選択画面141において利用する選択を行い、スケジュール画面145に表示された施設に対して行っても良い。
【0049】
使用者側記録部150は、計測日時と計測日時におけるエリア名称、及び簡易地図10に対応する画像を使用者側表示部140に表示するための地図データを記録した記録媒体であるが、記録媒体の種類は問わない。施設ごとの営業時間、施設ごとの利用する所用時間、過去の施設の混雑状況(待ち時間)は、PC側記録部250に記録されており、第2送受信部280、使用者側送受信部180を介して、使用者側記録部150に記録される。
【0050】
使用者側記録部150に記録する地図データは、スケジュール管理の対象となる施設(第1〜第5アトラクションA(1)〜A(5)、第1〜第4レストランR(1)〜R(4)、第1〜第3イベントE(1)〜E(3)が行われる場所)の情報を含む簡易地図10に関する画像データと、基準ポイントの緯度経度情報と、エリアに関する情報(各エリアの名称、及び領域に関する情報)を有する。
【0051】
簡易地図10に関する画像データは、簡易地図10をスキャナ(不図示)により読みとりするなどで電子化されたデータであり、スケジュール管理の対象となる施設及び基準ポイントに対応する場所との関連付け(緯度経度情報の設定)がされている。従って、本実施形態における簡易地図10の地図データは、複数の縮尺の地図や道路レイヤなどを有するカーナビゲーションシステムの地図データに比べて簡素化される。
【0052】
使用者側送受信部180は、PC200の第2送受信部280と、データの送受信を行う。送受信の手段は、無線LAN、携帯電話などが挙げられる。送受信されるデータは、携帯情報端末100で設定したレストランなどの施設の予約手続きに関する情報、及びアトラクションなどの施設の利用状況、混雑状況に関する情報などである。
【0053】
使用者側制御部190は、携帯情報端末100の各部を制御する。特に、使用者側制御部190は、使用者側表示部140に表示する自者位置や、自者が居るエリアを特定する演算、使用者により選択された施設に基づくスケジュール作成演算を行う。
【0054】
本実施形態では、緯度経度情報を有しない地図であっても、使用者側表示部140で表示可能なデータに変換(電子化)し、地図上の緯度経度情報が特定できる(実際の地形と対応できる)任意の点(基準ポイント)を複数箇所設定することにより、施設情報を含む地図表示及び、自者位置を表示することが可能になる。また自者が居るエリアに関する情報として、自者が居るエリア名称が表示されるので、自者位置に関する情報を文字(エリア名称)と、図形(地図と自者位置マーク)とを使って視覚的に認識することが可能になる。
【0055】
PC側操作部210は、使用者の操作によりコマンドをPC側制御部290に送る装置である。特に、過去の施設の混雑状況の経験値の入力に使用される。混雑状況は、施設、日付、曜日、祝祭日、天気と、時間帯ごとの待ち時間(待ち行列の長さ)である。
【0056】
施設毎の予想待ち時間は、日付、曜日、天気、時間帯の似通った条件下の平均的な待ち時間から求められる。施設の時間帯毎の待ち時間は、PC側操作部210を使った入力でもよいが、後述する第1〜第12施設側端末300a〜300a12から自動的に入力してもよい。この場合は、PC側操作部210で入力するのは、日付、曜日、祝祭日、天気など、施設に関連せず、施設を有する一定の領域全体に関わる情報である。
【0057】
PC側表示部240は、PC200の使用状況を表示する。特に、PC側表示部240は、過去の施設の混雑状況の入力状況を表示する。
【0058】
PC側記録部250は、過去の施設の混雑状況を記録する。過去の施設の混雑状況は、第2送受信部280、使用者側送受信部180を介して、使用者側記録部150に記録され、携帯情報端末100の使用者側制御部190により、使用する施設の予想待ち時間演算に用いられる。
【0059】
また、過去の施設の混雑状況に基づいて、現在位置表示において、施設に対応して混雑が予想される領域(待ち行列などの混雑状況)を表示してもよい。この場合、現在位置表示において、現在時刻の表示に加えて、現在時刻以降で近い時間帯に予想される混雑領域と、混雑する旨の警告が、簡易地図10を表示した地図画面上に行われるのが望ましい(図14参照)。
【0060】
第2送受信部280は、携帯情報端末100の使用者側送受信部180と、データの送受信を行う。また、第2送受信部280は、第1〜第12施設側端末300a〜300a12と、データの送受信を行う。
【0061】
PC側制御部290は、PC200の各部の制御を行う。
【0062】
予約状況の確認の場合は、携帯情報端末100の使用者を含む予約する施設利用者数と利用時間帯に関する情報を、PC200を介して、予約可能な施設の第n施設側端末300aに送信(コマンド送信)し、第n施設側端末300aの第n施設側制御部390aは、施設利用者数と利用時間帯の条件が予約可能な状態にあるか否かを判断し、判断結果をPC200に送信し、携帯情報端末100に転送され、スケジュール画面145の内容に反映される。
【0063】
予約設定の場合は、携帯情報端末100の使用者名称、施設利用者数、及び利用時間帯に関する情報を、PC200を介して、第n施設側端末300aに送信する。第n施設側端末の第n施設側制御部390aは、予約内容を記録手段(不図示)に記録し、また表示手段(不図示)などに予約内容を出力する。
【0064】
次に第1〜第12施設側端末300a〜300a12について説明する。第1〜第12撮影部は、一定時間ごとに、第1〜第12施設側端末300a〜300a12に対応する施設を使用するために並んでいる人を撮影し、第1〜第12施設側制御部390a〜390a12は、撮影した画像の行列などから混雑状況を把握し、一定時間ごとの待ち時間を算出する。施設ごと、一定時間ごとの待ち時間に関する情報は、PC200に送信され、PC側記録部250に、過去の施設の混雑状況としてデータベース化されて記録される。一定時間ごとの待ち時間の算出は、人の目視によって確認、及び入力によって行われても良い。
【0065】
本実施形態では、簡易地図10を表示する地図表示、選択画面141、及びスケジュール画面145が切り替え可能な状態で表示されるため、利用するアトラクションなどの施設を視覚的に理解しやすいメリットを有する。
【0066】
また、過去の待ち時間などを考慮して、出来る限り多くのアトラクションなどの施設を利用できる可能性の高いスケジュールを作成することにより、効率よく一定の領域にある施設を利用することが可能になる。
【0067】
また、説明の簡素化のため、携帯情報端末100が1台であるとして説明したが、複数ある場合には、サーバ200を経由して(または直接的に)、スケジュールに関する情報や緯度経度情報を交換することにより、別の形態情報端末100の保持者の位置(他者位置)や、スケジュールを使用者側表示部140に表示させて視認することが可能になる(図13参照)。
【0068】
また、混雑状況は、過去の施設の混雑状況から推測される形態を説明したが、施設周辺を写真撮影や目視などにより随時混雑状況を特定する形態であっても良い。この場合は、リアルタイムの混雑状況を知ることが可能になりより正確な混雑状況を使用者に知らせることや、より正確な混雑状況に基づくスケジュール作成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態における携帯情報端末の構成図である。
【図2】携帯情報端末のブロック図である。
【図3】簡易地図の構成を示す図である。
【図4】自者が居るエリアを特定できる状態の、簡易地図の構成を示す図である。
【図5】自者が居るエリアを特定できない状態の、簡易地図の構成を示す図である。
【図6】選択画面の表示例で、どの項目も選択されていない状態を示す図である。
【図7】選択画面の表示例で、1つの時間帯に2つの施設の利用選択を行った状態を示す図である。
【図8】スケジュール画面の表示例で、1つの時間帯に2つの施設の利用選択を行った状態を示す図である。
【図9】選択画面の表示例で、1つの時間帯に1つの施設の利用選択を行った状態を示す図である。
【図10】スケジュール画面の表示例で、1つの時間帯に1つの施設の利用選択を行った状態を示す図である。
【図11】利用選択した施設と、選択しなかった施設を区別して表示する簡易地図表示例である。
【図12】簡易地図表示において、警告表示を行う状態の図である。
【図13】利用選択した施設と、選択しなかった施設を区別して表示する簡易地図表示例において、自者位置に加えて他者位置を表示する図である。
【図14】利用選択した施設と、選択しなかった施設を区別して表示する簡易地図表示例において、予想混雑状況を表示する図である。
【符号の説明】
【0070】
10 簡易地図
11 選択画面切り替えキー
100 携帯情報端末
130 計測部
140 使用者側表示部
141 選択画面
142 スケジュール画面切り替えキー
145 スケジュール画面
146 地図画面切り替えキー
147 予約実行キー
148 選択画面切り替えキー
150 使用者側記録部
180 使用者側送受信部
190 使用者側制御部
200 PC
210 操作部
240 PC側表示部
250 PC側記録部
280 PC側送受信部
290 PC側制御部
300a〜300a12 第1〜第12施設側端末
370a〜370a12 第1〜第12撮影部
380a〜380a12 第1〜第12送受信部
390a〜390a12 第1〜第12制御部
〜A 第1エリアの基準ポイント
〜B 第2エリアの基準ポイント
〜C 第3エリアの基準ポイント
〜D 第4エリアの基準ポイント
〜E 第5エリアの基準ポイント
A(1)〜A(5) 第1〜第5アトラクション
E(1)〜E(3) 第1〜第3イベント
R(1)〜R(4) 第1〜第4レストラン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設のうち1以上の施設を利用する選択が可能な状態で、前記複数の施設に関する情報を表示する選択表示、及び前記複数の施設を含む地図を表示する地図表示を行う表示部と、
前記選択された施設を利用するスケジュールを、前記選択された施設の混雑状況を考慮して作成する制御部とを備え、
前記表示部は、前記選択表示、前記地図の表示、及び前記制御部により作成されたスケジュールの表示を切り替えて行うことを特徴とするスケジュール作成装置。
【請求項2】
前記複数の施設のうち、予約が可能な施設に対する利用が選択された場合に、前記制御部は、前記予約が可能な施設に対応する端末と通信を行い、予約可否の確認、及び予約手続きを行うことを特徴とする請求項1に記載のスケジュール作成装置。
【請求項3】
緯度経度情報を取得する計測部を更に備え、
前記表示部は、前記地図の表示において、前記緯度経度情報に基づいて自者位置を表示し、前記予約した施設の予約時間と、前記予約した施設と前記自者位置との距離に応じた時間だけ前記予約時間より前に、予約時間が迫っている旨の警告を行うことを特徴とする請求項2に記載のスケジュール作成装置。
【請求項4】
緯度経度情報を取得する計測部と、
前記表示部が保持されている方向を特定する方位計測部を更に備え、
前記表示部は、前記地図の表示において、前記緯度経度情報に基づく自者位置と、前記方位計測部に基づく方向とを表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記表示部は、前記複数の施設のうち利用のための選択を行った施設について、選択を行っていない施設と異なる表示を、前記地図上で行うことを特徴とする請求項1に記載のスケジュール作成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記スケジュール作成装置と異なる別のスケジュール作成装置の制御部により作成されたスケジュールに関する情報を受信し、
前記表示部は、前記別のスケジュール作成装置で作成されたスケジュールを表示することを特徴とする請求項1に記載のスケジュール作成装置。
【請求項7】
緯度経度情報を取得する計測部を更に備え、
前記制御部は、前記別のスケジュール作成装置の計測部で取得された緯度経度情報を受信し、
前記表示部は、前記地図の表示において、前記緯度経度情報に基づく自者位置、及び前記別のスケジュール作成装置の緯度経度情報に基づく他者位置を表示することを特徴とする請求項6に記載のスケジュール作成装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記地図表示において、前記施設の混雑状況に関する情報を表示することを特徴とする請求項1に記載のスケジュール作成装置。
【請求項9】
前記混雑状況の考慮は、前記施設の過去の混雑状況に基づいて行われることを特徴とする請求項1に記載のスケジュール作成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−102822(P2008−102822A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−286156(P2006−286156)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(502181595)株式会社 ゼネテック (19)
【Fターム(参考)】