説明

スタッカークレーンと物品収納設備

【課題】昇降マストを物品収納棚側に近接させて、移動通路に装備し易くする。
【解決手段】車体前後方向に長い台車フレームの端部に、物品搬送用の昇降台13を昇降自在に案内する昇降マスト11が立設されたスタッカークレーンであって、昇降台が、昇降マストから車体横幅方向の一側方に向けて延びる状態で設けられ、昇降マストに、車体前後方向に並ぶ状態で複数の昇降台案内レール部35が設けられ、昇降台には、複数の昇降台案内レール部の夫々に案内される複数の被案内部36が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前後方向に長い台車フレームの端部に、物品搬送用の昇降台を昇降自在に案内する昇降マストが立設されたスタッカークレーンと、そのスタッカークレーンを装備してある物品収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記スタッカークレーンは、昇降台を昇降させて物品収納棚の収納部に対する物品の入庫作業や出庫作業を行うために、物品収納棚に沿って形成してある移動通路に往復移動自在に装備されるものであり、昇降台の昇降姿勢を安定させることができるように、昇降台案内レール部とその昇降台案内レール部に案内される被案内部との組合せの複数を互いに離間させて設けてある。
従来のスタッカークレーンは、昇降マストの車体横幅方向の両側夫々に昇降台案内レール部を設け、それらの昇降台案内レール部の夫々に案内される被案内部を、昇降マストを車体横幅方向から挟む両側に位置させて昇降台に設けてある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−305514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、例えばメンテナンス用の作業車を移動通路に沿って走行させる際に、昇降マストが作業車の走行の邪魔にならないようにする等、昇降マストを物品収納棚側に近づけて移動通路に装備したい場合は、被案内部が物品収納棚側に干渉しない限度で、昇降マストを物品収納棚側に近づける必要があり、昇降マストを物品収納棚側に近接させ難い欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、昇降マストを物品収納棚側に近接させて、移動通路に装備し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、車体前後方向に長い台車フレームの端部に、物品搬送用の昇降台を昇降自在に案内する昇降マストが立設されたスタッカークレーンであって、
前記昇降台が、前記昇降マストから車体横幅方向の一側方に向けて延びる状態で設けられ、前記昇降マストに、車体前後方向に並ぶ状態で複数の昇降台案内レール部が設けられ、前記昇降台には、前記複数の昇降台案内レール部の夫々に案内される複数の被案内部が設けられている点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
昇降台が、昇降マストから車体横幅方向の一側方に向けて延びる状態で設けられているので、例えばメンテナンス用の作業車を移動通路に沿って走行させる際に、昇降マストが作業車の走行の邪魔になり難くなるようにする等、昇降マストを物品収納棚側に近づけて移動通路に装備しても、昇降台が物品収納棚側に干渉し難い。
また、昇降台の昇降姿勢が安定するように、昇降マストに、車体前後方向に並ぶ状態で複数の昇降台案内レール部が設けられ、昇降台には、複数の昇降台案内レール部の夫々に案内される複数の被案内部が設けられていて、昇降台案内レール部とその昇降台案内レール部に案内される被案内部との組合せを車体前後方向に並設してあるので、昇降マストの車体横幅方向における寸法を小さくすることができる。
従って、昇降マストを物品収納棚側に近接させて、移動通路に装備し易い。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記昇降マストが、前記昇降台の一側方にのみ配置されている点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
連結部材で互いに連結してある複数の昇降マストを昇降台の側方に配置してある場合に比べて、構造の簡略化や軽量化を図り易いと共に、昇降台と物品収納棚とに亘って物品を移載する際の邪魔にならないように昇降マストを配置し易い。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記昇降台案内レール部が、前記被案内部としての摺動体が摺動自在に嵌合するガイド体である点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
被案内部としての摺動体を、昇降台案内レール部としてのガイド体に嵌合させて、摺動体とガイド体との面接触により、昇降台をがたつきが少ない状態で昇降案内することができ、昇降台の昇降姿勢を安定させることができる。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記昇降台案内レール部が、前記被案内部としてのローラが、転動自在に嵌合する案内溝であり、前記ローラが、車体横幅方向よりも車体前後幅方向に傾斜した傾斜軸芯周りで回転するように傾斜姿勢で設けられ、前記案内溝が、前記ローラの傾斜姿勢に合せた傾斜状態で設けられている点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
被案内部としてのローラを、昇降台案内レール部としての案内溝に転動自在に嵌合させてあるので、昇降台を円滑に昇降案内させることができる。
また、ローラが、車体横幅方向よりも車体前後幅方向に傾斜した傾斜軸芯周りで回転するように傾斜姿勢で設けられ、案内溝が、ローラの傾斜姿勢に合せた傾斜状態で設けられているので、ローラの回転軸芯に直交する方向に沿ってローラ支持具を延設して昇降台に取り付けることにより、ローラの回転にこじれが生じ難い状態で、かつ、昇降マストが昇降台と物品収納棚とに亘って物品を移載する際の邪魔にならないように、昇降台を昇降マストに対して車体前後方向にずらせた位置に組み付けることができる。
【0013】
本発明の第5特徴構成は、前記昇降マストが、車体前後方向視にて、前記台車フレームの端部に備えさせる走行車輪よりも横側方であってかつ前記昇降台が延びる方向とは反対側に位置する状態で設けられている点にある。
【0014】
〔作用及び効果〕
走行車輪と物品収納棚との間隔を確保しながら、昇降台がその物品収納棚に干渉しないように、昇降マストを物品収納棚側に近接させることができる。
【0015】
本発明の第6特徴構成は、前記台車フレームが、一端部に前記走行車輪を備え、かつ、他端部に遊転輪を備えるように構成され、前記昇降マストが、前記台車フレームにおける前記走行車輪が配置される側の端部に設けられ、かつ、前記昇降台が、前記昇降マストに対して前記遊転輪が位置する側に配置されている点にある。
【0016】
〔作用及び効果〕
昇降マストが、台車フレームにおける走行車輪が配置される側の端部に設けられ、かつ、昇降台が、昇降マストに対して遊転輪が位置する側に配置されているので、走行車輪と走行レールとの摩擦力を昇降マストの重量で確保し易く、空荷での走行時においても、スリップが生じにくい状態で効率良く走行させ易い。
【0017】
本発明の第7特徴構成は、前記遊転輪が、平面視において、前記昇降台よりも車体前後方向に離れて位置するように配備されている点にある。
【0018】
〔作用及び効果〕
昇降台を、台車フレームに対して、走行車輪と遊転輪との間の位置に配置してあるので、走行車輪の浮き上がり難い安定した姿勢で走行させ易い。
【0019】
本発明の第8特徴構成は、前記昇降マストが、車体横幅方向視にて、その走行車輪側部分を前記走行車輪に重複させる状態で設けられている点にある。
【0020】
〔作用及び効果〕
昇降マストと走行車輪とを車体前後方向に並べて配置してある場合に比べて、昇降マストの車体前後方向長さを長くして車体前後方向の曲げ剛性を高めながら、台車フレームの車体前後方向長さを短くすることができるとともに、昇降マストの重量を走行車輪に効率良く伝達させることができ、空荷での走行時においても、スリップが生じにくい状態で一層効率良く走行させ易い。
【0021】
本発明の第9特徴構成は、前記台車フレームに、走行車輪を支持する車輪支持枠が設けられ、前記昇降マストに沿って上下方向に延びる状態に巻回され且つ前記昇降台側に接続された昇降用無端体を配設するための空間が、前記昇降マストの走行車輪側部分と台車フレーム及び車輪支持枠との間に形成されている点にある。
【0022】
〔作用及び効果〕
昇降用無端体を低い位置に亘って巻回することができ、昇降台の最大下降位置を低い位置に設定し易い。
【0023】
本発明の第10特徴構成は、請求項1〜9のいずれか1項記載のスタッカークレーンを装備してある物品収納設備であって、
物品を収納する複数の収納部を縦横に並ぶ状態で備える収納棚に沿って移動通路が形成され、前記移動通路に、前記昇降マストを前記移動通路の横幅方向の一方側に位置させてあるスタッカークレーンと、前記昇降マストを前記移動通路の横幅方向の他方側に位置させてあるスタッカークレーンとの少なくとも2台のスタッカークレーンが往復移動自在に装備され、前記2台のスタッカークレーンが、往復移動に伴って、一方のスタッカークレーンに備える昇降台が他方のスタッカークレーンの昇降マストに接当しないように配置して、互いにすれ違い移動できるように設けられ、前記2台のスタッカークレーンのうちの少なくとも1台が、前記昇降マストを前記収納棚側に位置させて装備されている点にある。
【0024】
〔作用及び効果〕
スタッカークレーンの夫々に備える昇降台は、昇降マストから車体横幅方向の一方に向けて延びる状態で設けられており、昇降マストを移動通路の横幅方向の一方側に位置させてあるスタッカークレーンと、昇降マストを移動通路の横幅方向の他方側に位置させてあるスタッカークレーンとの少なくとも2台のスタッカークレーンが、往復移動に伴って、一方のスタッカークレーンに備える昇降台が他方のスタッカークレーンの昇降マストに接当しないように配置して、2台のスタッカークレーンのすれ違い時における昇降台の高さ位置を互いに異ならせることにより、2台のスタッカークレーンが昇降台に物品を載せて互いにすれ違い移動できるように設けられているので、移動通路において2台のスタッカークレーンを効率よく移動させて、搬送能力の向上を図ることができ、しかも、2台のスタッカークレーンを移動通路にコンパクトに配置することができる。
そして、2台のスタッカークレーンのうちの少なくとも1台が、昇降マストを収納棚側に位置させて装備されているので、メンテナンス用の作業車を移動通路に沿って走行させる際に、昇降マストが作業車の走行の邪魔になり難くい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係るスタッカークレーンと、そのスタッカークレーンを装備してある物品収納設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この第1実施形態における物品収納設備は、図1に示すように、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの収納棚1と、2つの収納棚1同士の間に沿って形成された移動通路2を移動自在なスタッカークレーン3と、移動通路2の両端部において、収納棚1に入庫する物品Bや収納棚1から出庫した物品Bを支持する入出庫部9とが設けられている
【0026】
収納棚1は、図1及び図3に示すように、棚前後方向に間隔を隔てて立設してある一対の支柱4a,4bの複数対を棚左右方向に並設して、棚左右方向で隣り合う一対の支柱4a,4b同士を上下で複数の棚板17で連結して、棚左右方向で隣り合う支柱4a,4b間の夫々に、物品Bをその移動通路2側が棚板17から突出するように載置収納する複数の収納部6が備えられている。
入出庫部9は、左右に並ぶ一対の物品載置用ビーム9aに亘って物品Bを載置支持するように設けられている。
【0027】
移動通路2には、図1〜図3に示すように、横断面形状がH形の走行用レール7がフランジ部7a,7bを上下に位置させてその下方側に配設され、横断面形状が矩形の上部案内レール8がその上方側に配設されている。
走行用レール7及び上部案内レール8は、移動通路2の長手方向に沿う状態で移動通路2の横幅方向の両端部の夫々に配設されている。
スタッカークレーン3は、走行用レール7及び上部案内レール8にて案内される状態で収納棚1の全長及び入出庫部9に亘って移動自在に設けられている。
【0028】
スタッカークレーン3は、昇降体10を上下方向に延びる昇降マスト11にて昇降自在に案内し、且つ、移動通路2に配設された走行用レール7及び上部案内レール8に沿って案内走行される走行移動体12にて移動通路2を往復移動するように構成され、移動通路2の長手方向での走行移動体12の走行位置を検出する走行用測距計33が設けられている。
【0029】
走行用測距計33は、走行移動体12に設けられた走行用反射体34に向けて移動通路2の長手方向に沿って測距用のビーム光を投射して、走行用反射板34にて反射される光を受光することにより、走行用反射体34までの距離を検出して走行移動体12の走行位置を検出するように構成されている。
【0030】
昇降体10は、図10にも示すように、物品搬送用の昇降台13と、昇降台13と収納部6及び入出庫部9とに亘って物品Bを移載するための物品移載装置14とを備え、物品移載装置14は昇降台13に設けてあり、物品移載装置14等の作動を制御するための制御部などを内装してある縦長の制御ボックス15を取り付け枠5を介して昇降台13の一側部に固定して、側面視で略L字状に形成してある。
【0031】
スタッカークレーン3としては、昇降マスト11を移動通路2の横幅方向の一方側、つまり、一方の収納棚1側に位置させてある第1スタッカークレーン3aと、昇降マスト11を移動通路2の横幅方向の他端側、つまり、他方の収納棚1側に位置させてある第2スタッカークレーン3bとの少なくとも2台のスタッカークレーン3が移動通路2に往復移動自在に装備されている。
【0032】
尚、第1スタッカークレーン3a及び第2スタッカークレーン3bのうちの少なくとも一方が、移動通路2に対して複数台装備されている。この実施形態では、図示しないが、移動通路2に対して、第1スタッカークレーン3a及び第2スタッカークレーン3bを2台ずつ装備されている。
【0033】
以下、第1スタッカークレーン3a及び第2スタッカークレーン3bについて説明を加える。まず、走行移動体12、昇降マスト11及び昇降体10について、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとの関係において説明する。
【0034】
図1〜図3に示すように、第1スタッカークレーン3aに備える走行移動体12は、移動通路2の横幅方向の一端部に配設された走行用レール7及び上部案内レール8にて案内される状態で移動通路2を往復移動するように設けられ、第2スタッカークレーン3bに備える走行移動体12は、移動通路2の横幅方向の他端部に配設された走行用レール7及び上部案内レール8にて案内される状態で移動通路2を往復移動するように設けられている。
このようにして、第1スタッカークレーン3a及び第2スタッカークレーン3bの夫々に備える走行移動体12は、移動通路2の横幅方向に間隔を隔てて配設して、互いにすれ違い移動できるように装備されている。
【0035】
第1スタッカークレーン3aに備える昇降マスト11は、移動通路2の横幅方向の一方側においてその端部に位置され、第2スタッカークレーン3bに備える昇降マスト11は、移動通路2の横幅方向の他方側においてその端部に位置されている。
このようにして、第1スタッカークレーン3a及び第2スタッカークレーン3bが、それに備える昇降マスト11を移動通路2の横幅方向の端部に位置させるように構成されている。
【0036】
第1スタッカークレーン3a及び第2スタッカークレーン3bの夫々に備える昇降体10は、収納部6及び入出庫部9との間で物品Bを授受する物品授受姿勢にて昇降マスト11に支持されている。
第1スタッカークレーン3aに備える昇降体10は、昇降マスト11に支持された状態において、第2スタッカークレーン3bの昇降体10と移動通路2の横幅方向において重複する部分を備える状態で、且つ、往復移動に伴って第2スタッカークレーン3bの昇降マスト11に接当しない範囲で第2スタッカークレーン3b側に突出された状態、つまり、昇降台13が昇降マスト11から車体横幅方向の一側方に向けて延びる状態の片持ち姿勢で支持されている。
【0037】
第2スタッカークレーン3bに備える昇降体10は、昇降マスト11に支持された状態において、第1スタッカークレーン3aの昇降体10と移動通路2の横幅方向において重複する部分を備える状態で、且つ、往復移動に伴って第1スタッカークレーン3aの昇降マスト11に接当しない範囲で第1スタッカークレーン3a側に突出された状態、つまり、昇降台13が昇降マスト11から車体横幅方向の他側方に向けて延びる状態の片持ち姿勢で支持されている。
【0038】
第1スタッカークレーン3a及び第2スタッカークレーン3bの夫々に備える昇降体10は、昇降マスト11にて物品授受姿勢に支持された状態において、相手側の昇降体10と移動通路2の横幅方向にその全長に亘って重複する状態で、且つ、相手側の昇降マスト11に接当しない範囲でその昇降マスト11の近くまで突出する状態で設けられている。
したがって、昇降体10が昇降マスト11に支持された物品授受姿勢において、昇降体10を互いの干渉を回避するように上下方向において異なる位置に位置させることにより、昇降体10のすれ違い移動を行うことができる。
【0039】
このようにして、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとは、図3に示すように、第1スタッカークレーン3aが移動通路2の横幅方向において昇降体10が突出する側とは反対側において収納部6との間で物品Bを移載しているときであっても、第2スタッカークレーン3bの昇降体10を第1スタッカークレーン3aの昇降体10との干渉を回避するように上下方向に異なる位置に位置させることによって、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとを互いにすれ違い移動させることができる。
【0040】
次に、走行移動体12、昇降マスト11及び昇降体10について、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとの夫々において説明するが、第1スタッカークレーン3と第2スタッカークレーン3bとでは、走行移動体12や昇降マスト11の配設位置や昇降体10の突出方向が移動通路2の横幅方向に反対側になるように移動通路2の横幅方向に対称となるように構成している。
そこで、図6〜図12に基づいて、第1スタッカークレーン3aについてのみ説明し、第2スタッカークレーン3bについては説明を省略する。
【0041】
走行移動体12は、走行用レール7にて走行案内される走行台車16と上部案内レール8にて案内される上部走行フレーム18とを備え、走行台車16と上部走行フレーム18は昇降マスト11にて一体に連結されている。
【0042】
走行台車16は、図4〜図7に示すように、車体前後方向(走行方向)に長い台車フレーム19と、走行用レール7の上面部に当接して回転する走行車輪20と、走行用レール7の上面部に当接して遊転する遊転輪21と、走行車輪20の走行用レール7からの浮き上がりが規制されるように、走行用レール7のうちの走行車輪20が当接する上側フランジ部7aに対して下面側から当接させる規制輪体(バックアップローラ)22と、台車フレーム19の前後位置の夫々において、走行用レール7に対して側方への移動が規制されるように水平方向から挟み込む状態で当接して、第1スタッカークレーン3aを走行用レール7に沿って案内する下部案内輪体23,24と、走行用レール7に沿って設置してある集電レールに接触させる集電子32とを備えている。
上部走行フレーム18には、上部案内レール8を水平方向から挟み込む状態で上部案内レール8の側面部に当接して遊転する左右一対の上部案内輪体25が前後に設けられている。
【0043】
走行車輪20は、台車フレーム19の一端部にそのフレーム長手方向に続く状態でボルト連結してある車輪支持枠26に駆動回転自在に支持して、車体横幅方向において、台車フレーム19と同じ位置に位置する状態で設けられ、遊転輪21は、台車フレーム19の他端部に遊転自在に支持されて、平面視において、昇降台13よりも車体前後方向に離れて位置するように配備されている。
【0044】
規制輪体22は、二個を一組にして、走行用レール7の左右両側に位置させて設けてあり、各組の二個の規制輪体22は、車体横幅方向に沿う横軸芯周りで揺動自在な車輪支持アーム57を車輪支持枠26に設けて、その車輪支持アーム57の遊端部の夫々に支持してあり、走行車輪20の下側において上側フランジ部7aに圧接させて浮き上がりを規制する状態と、圧接を解除する状態とに切り換え自在に設けてある。
【0045】
走行車輪20を駆動する走行用電動モータ(以下、単に走行モータという)M1は、走行車輪20の横側方に位置する状態で、図8に示す車輪支持枠26に取り付けられ、走行モータM1の出力を減速する遊星歯車式の減速装置27が走行車輪20に内装されている。
車輪支持枠26は、後述する昇降用電動モータ(以下、単に昇降モータという)M2を取り付けるための取付用板部28がその上面から上方に延びる姿勢で備える状態に鋳造されている。
【0046】
走行台車16の車輪支持枠25側の端部には、図9にも示すように、昇降マスト11の下端部を載置する載置部29及びその下端部の横側面を受け止める平面視で略L字状の受け部30とを備える昇降マスト取り付け枠部31が設けられ、この昇降マスト取り付け枠部31は、載置部29及び受け部30が台車フレーム19の横側方に突出するように設けられている。
【0047】
そして、昇降マスト11の下端部を載置部29に載置して、その下端部の横側面を受け部30にボルト固定することにより、昇降マスト11が、車体前後方向視にて、走行車輪20よりも横側方に位置する状態で、昇降台13が延びる方向とは反対側に立設されているとともに、台車フレーム19における走行車輪20が配置される側の端部に設けられ、かつ、昇降台13が昇降マスト11に対して遊転輪21が位置する側に配置され、しかも、車体横幅方向視にて、昇降マスト11の走行車輪側部分を走行車輪20に重複させる状態で設けられている。
【0048】
昇降マスト11は、図11にも示すように、移動通路2の横幅方向厚さが薄いアルミ押し出し材やマグネシウム押し出し材で構成され、制御ボックス15側に対向させて昇降台13の一側方にのみ配置され、昇降台13との対向部分には、台車フレーム19の前後方向に並ぶ状態で複数の昇降台案内レール部35が設けられ、昇降台13側には、複数の昇降台案内レール部35の夫々に案内される複数の被案内部36を備えた昇降ガイド部61が制御ボックス15の取り付け枠5に設けられている。
【0049】
昇降台案内レール部35の夫々は、被案内部としての上下複数の摺動体36が摺動自在に嵌合するガイド体としての、昇降マスト11にその上下方向に沿って固定してある略矩形断面形状の鋼製昇降ガイドレール37を設けて構成してあり、この昇降ガイドレール37は昇降マスト11に上下方向に形成してある縦溝38の溝底部に固定してあり、被案内部としての摺動体36は、昇降ガイドレール37に対して嵌合する嵌合溝39を形成してある鋼製厚板部材で構成してある。
【0050】
図2,図10に示すように、昇降体10を駆動昇降自在に吊り下げ支持する昇降用無端帯としての昇降チェーン40を駆動回動させる昇降駆動部41が設けられている。
昇降チェーン40は、上部走行フレーム18に車体前後方向に並べて設けられた一対の上部案内スプロケット42と、車輪支持枠26に設けられた駆動スプロケット43及びアイドーラスプロケット44と、台車フレーム19に車体前後方向に並べて設けられた一対の下部案内スプロケット45とに亘って、昇降マスト11に沿って上下方向に延びる状態に巻回されて、その両端部が昇降体10に接続されている。
【0051】
昇降駆動部41は、駆動スプロケット43と昇降モータM2とを備え、昇降モータM2にて駆動スプロケット43を駆動回転させることにより、昇降チェーン40をその長手方向に移動操作して、昇降台13を略水平姿勢に維持しながら昇降体10を駆動昇降させるように構成してある。
【0052】
昇降モータM2は、車輪支持枠26の上部、つまり、車輪支持枠26に設けてある取付用板部28に取り付けられており、昇降チェーン40を配設するための空間46が、昇降マスト11の走行車輪側部分と台車フレーム19及び車輪支持枠26との間に形成されている。
【0053】
昇降体10には、物品移載装置14などに給電するための集電子47や、上昇限度位置と下降限度位置とを検出するための昇降限度検出センサー48が設けられ、昇降マスト11には、集電子47が接触する給電レール49や、昇降限度検出センサー48による上昇限度位置検出用や下降限度位置検出用のドグが設けられている。
【0054】
走行台車16には、上下方向での昇降体10の昇降位置を検出する昇降用測距計50が設けられている。昇降用測距計50は、昇降体10に設置された昇降用反射体51に向けて昇降体10の昇降方向に沿って測距用のビーム光を投射して、昇降用反射体51にて反射される光を受光することにより、昇降体10までの距離を検出して昇降体10の昇降位置を検出するように構成されている。
【0055】
物品移載装置14は、図10に示すように、物品Bを載置支持した状態で移動通路2の横幅方向(移載方向)に搬送する左右一対の搬送ベルト52を備えたコンベヤ装置53と、載置支持した物品Bの車体前後方向の位置ずれを規制する一対のガイド板54と、コンベヤ装置53を昇降台13に対して移動通路2の横幅方向の一方の収納棚1側と、他方の収納棚1側とに亘って往復移動させるコンベヤ移動装置55とを備え、コンベヤ装置53を駆動するためのコンベヤ駆動用電動モータ(以下、単にコンベヤ駆動モータという)M3と、コンベヤ移動装置55を駆動するためのコンベヤ移動用電動モータ(以下、単にコンベヤ移動モータという)M4とが設けられている。
【0056】
コンベヤ装置53は、収納棚1や入出庫部9との間での物品Bの移載動作を行わない時は、スタッカークレーン3が走行する時に相手方のスタッカークレーン3の昇降マスト11に接当しない搬送位置に停止しており、収納棚1や入出庫部9との間で物品Bを移載するときにコンベヤ移動モータM4を駆動して、その収納棚1側や入出庫部9側に近接する移載位置に移動される。
【0057】
図12に示すように、スタッカークレーン3の夫々に対応して、管理コントローラ56からの指令に基づいて、物品Bを搬送する物品搬送作動を行うべく、スタッカークレーン3の作動を制御するクレーン制御装置59が設けられている。物品搬送作動では、クレーン制御装置59が、収納部6又は入出庫部9に対する物品移載用停止位置に物品移載装置14を移動させるべく、走行移動体12の走行作動及び昇降体10の昇降作動を制御し、且つ、物品移載装置14を物品移載用停止位置に停止させた状態において収納部6又は入出庫部9に支持された物品Bを取り出す或いは収納部6又は入出庫部9に物品Bを卸すべく、物品移載装置14の移載作動を制御するように構成されている。
【0058】
クレーン制御装置59は、走行用測距計33の検出情報に基づいて、水平方向での物品移載用停止位置に物品移載装置14を移動させるべく、走行移動体12の走行作動を制御する走行制御部59a、昇降用測距計50の検出情報に基づいて、上下方向での物品移載用停止位置に物品移載装置14を移動させるべく、昇降体10の昇降作動を制御する昇降制御部59b、収納部6又は入出庫部9に支持された物品Bを取り出す或いは収納部6又は入出庫部9に物品Bを卸すべく、物品移載装置14の移載作動を制御する移載制御部59cから構成されている。
【0059】
走行制御部59aは、走行モータM1を駆動することにより走行移動体12を走行作動させる。走行制御部59aは、走行移動体12の走行中、走行用測距計33の検出情報に基づいて水平方向での物品移載装置14の位置を監視している。走行制御部59aは、物品移載装置14が水平方向での物品移載用停止位置になると、走行モータM1を駆動停止させて走行移動体12の走行を停止させることにより、水平方向での物品移載用停止位置に物品移載装置14を位置させるようにしている。
【0060】
昇降制御部59bは、昇降モータM2を駆動することにより、昇降体10を昇降作動させる。昇降制御部59bは、昇降体10の昇降中、昇降用測距計50の検出情報に基づいて上下方向での物品移載装置14の位置を監視している。昇降制御部59bは、物品移載装置14が上下方向での物品移載用停止位置になると、昇降モータM2を駆動停止させて昇降体10の昇降を停止させることにより、上下方向での物品移載用停止位置に物品移載装置14を位置させるようにしている。
【0061】
移載制御部59cの制御動作について説明するが、まず、物品Bを収納部6又は入出庫部9から昇降台13に移載する場合について説明する。
上下方向での物品移載用停止位置に物品移載装置14を位置させると、図13(a)に示すように、コンベヤ装置53の搬送ベルト先端部が棚板17に載置されている物品Bの棚板17から移動通路2側に突出している部分の下面側に入り込むように、コンベヤ移動モータM4の作動を制御した後、搬送ベルト先端部に物品Bが載る高さ位置までコンベヤ装置53が上昇移動するように、昇降モータM2の作動を制御する。
【0062】
この後、図13(b)に示すように、物品Bが、その全体がコンベヤ装置53に載り移るように、コンベヤ駆動モータM3の作動を制御した後、図13(c)に示すように、コンベヤ装置53が搬送位置に移動するようにコンベヤ移動モータM4の作動を制御する。
このようにして、物品Bが収納部6又は入出庫部9から昇降台13に移載される。
【0063】
次に、物品Bを昇降台13から移載収納部6又は入出庫部9に移載する場合について説明するが、基本的には、物品Bを収納部6又は入出庫部9から昇降台13に移載する場合と逆の動作を行う。
移載制御部59cは、コンベヤ装置53の搬送ベルト先端部が、棚板17に対して、その棚板17よりも少し高い位置に近接する移載位置に移動するように、コンベヤ移動モータM4の作動を制御した後、物品Bの移載方向先端側が棚板17に載る高さ位置までコンベヤ装置53が下降移動するように、昇降モータM2の作動を制御する。
【0064】
この後、物品Bが、その全体が棚板17に載り移るように、コンベヤ駆動モータM3の作動を制御した後、コンベヤ装置53が搬送位置に移動するようにコンベヤ移動モータM4の作動を制御する。
このようにして、物品Bが昇降台13から収納部6又は入出庫部9に移載される。
【0065】
管理コントローラ56は、第1スタッカークレーン3aのクレーン制御装置59及び第2スタッカークレーン3bのクレーン制御装置59の夫々に指令を与えることにより、第1スタッカークレーン3a及び第2スタッカークレーン3bの作動を制御するように構成されている。
【0066】
管理コントローラ56は、例えば、クレーン制御装置59に対して、入出庫部9の物品Bを複数の収納部6の何れかに入庫する入庫指令、複数の収納部6の何れかに収納されている物品Bを入出庫部9に出庫する出庫指令等の移動指令を与えるように構成されている。このとき、管理コントローラ56は、移載対象となる収納部6又は入出庫部9に対応する移載用停止位置も併せて指令するように構成されている。
【0067】
管理コントローラ56は、各スタッカークレーン3のクレーン制御装置59に各別に指令を与えることにより、スタッカークレーン3を各別に物品搬送作動させるように構成されている。つまり、管理コントローラ56は、入出庫部9の物品Bを複数の収納部6の何れかに入庫する入庫要求や、複数の収納部6の何れかに収納されている物品Bを入出庫部9に出庫する出庫要求等の移動要求があると、複数のスタッカークレーン3のうちから、物品搬送作動させるスタッカークレーン3を選択し、選択したスタッカークレーン3を物品搬送作動させるようにクレーン制御装置59に指令を与える。
【0068】
管理コントローラ56は、各スタッカークレーン3を各別に物品搬送作動させる際に、第1スタッカークレーン3a同士又は第2スタッカークレーン3b同士において移動通路2の移動範囲が互いに干渉する場合には、スタッカークレーン3の移動を制限するように移動制限指令を与えることにより、第1スタッカークレーン3a同士又は第2スタッカークレーン3b同士の衝突を回避している。
【0069】
例えば、管理コントローラ56は、第1スタッカークレーン3a同士で移動通路2における移動範囲が互いに干渉すると、先に物品搬送作動を行っている第1スタッカークレーン3aにおける移動通路2の移動範囲を侵入禁止範囲として、後に物品搬送作動を行う第1スタッカークレーン3aが侵入禁止範囲に入らないように、第1スタッカークレーン3aのクレーン制御装置59に移動制限指令を与えるようにしている。クレーン制御装置59は、移動制限指令を受けると、スタッカークレーン3を侵入禁止範囲の手前で停止させたり、スタッカークレーン3を侵入禁止範囲外に移動させるように、スタッカークレーン3の作動を制御する。
【0070】
管理コントローラ56は、各スタッカークレーン3を各別に物品搬送作動させる際に、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとにおいて移動通路2の移動範囲が互いに干渉する場合には、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとをすれ違い移動させるようにスタッカークレーン3のクレーン制御装置59にすれ違い移動指令を与えるようにしている。クレーン制御装置59は、すれ違い移動指令を受けると、昇降体10を互いの干渉を回避するように上下方向において異なる位置に位置させた状態で第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとをすれ違い移動させるように、スタッカークレーン3の作動を制御する。
【0071】
例えば、管理コントローラ56は、すれ違い移動指令として、昇降体10を上下方向において間隔を隔てて位置させるすれ違い位置を設定し、その設定したすれ違い位置をクレーン制御装置59に指令する。クレーン制御装置59は、昇降体10をすれ違い位置に昇降させたのち行移動体12を走行させ、その後昇降体10を昇降させて、物品移載用停止位置に物品移載装置14を位置させるべく、スタッカークレーン3の作動を制御する。
【0072】
また、管理コントローラ56は、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとにおいて移動通路2の移動範囲が互いに干渉する場合に、常時、すれ違い移動指令を与えるわけではなく、スタッカークレーン3の移動を制限するように移動制限指令を与えることもある。先に物品搬送作動しているスタッカークレーン3が移動通路2の横幅方向の昇降体10が突出する側において収納部6との間で物品Bを移載しているときには、コンベヤ装置53が移載位置に移動しているので、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとのすれ違い移動を行えない。そこで、このようなときには、スタッカークレーン3の移動を制限するように移動制限指令を与えている。
【0073】
管理コントローラ56の指令について、図14のフローチャートに基づいて説明する。
管理コントローラ56は、移動要求があると、複数のスタッカークレーン3のうちから、物品搬送作動させるスタッカークレーン3を選択する(ステップ1,2)。管理コントローラ56は、先に物品搬送作動しているスタッカークレーン3の移動範囲と今回選択したスタッカークレーン3の移動範囲とが干渉するか否かを判別し、移動範囲が干渉していなければ、今回選択したスタッカークレーン3のクレーン制御装置59に移動指令を与える(ステップ3,4)。
第1スタッカークレーン3a同士又は第2スタッカークレーン3b同士において移動範囲が干渉するときには、管理コントローラ56が、今回選択したスタッカークレーン3のクレーン制御装置59に移動制限指令を与える(ステップ5,6)。
【0074】
第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとの間で移動範囲が干渉しても、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとはすれ違い移動できる。しかしながら、先に物品搬送作動しているスタッカークレーン3が移動通路2の横幅方向の昇降体10が突出する側において収納部6との間で物品Bを移載しているときには、移載位置に移動しているコンベヤ装置53が邪魔になり、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとのすれ違い移動を行えない。そこで、先に物品搬送作動しているスタッカークレーン3が移動通路2の横幅方向の昇降体10が突出する側において収納部6との間で物品Bを移載しているときをすれ違い禁止用移載中とし、管理コントローラ56は、すれ違い禁止用移載中であると、今回選択したスタッカークレーン3のクレーン制御装置59に移動制限指令を与える(ステップ7,6)。
【0075】
第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとの間で移動範囲が干渉する場合に、すれ違い禁止用移載中でなければ、管理コントローラ56は、今回選択したスタッカークレーン3のクレーン制御装置59にすれ違い移動指令を与える(ステップ7,8)。このようにして、先に物品搬送作動しているスタッカークレーン3が収納部6との間で移載を行っていないときだけでなく、先に物品搬送作動しているスタッカークレーン3が移動通路2の横幅方向の昇降体10が突出する側とは反対側において収納部6との間で物品Bを移載しているときにも、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bとをすれ違い移動させて、スタッカークレーン3を物品搬送作動させる。
【0076】
〔第2実施形態〕
図15〜図17は、本発明によるスタッカークレーン3における走行台車16の別実施形態を示し、第1実施形態で示した遊転輪21に代えて、走行用レール7のうちの、走行車輪20が当接する上側フランジ部7aに対して下面側から当接して遊転する遊転輪21を設けてある。
【0077】
この遊転輪21は、二個を一組にして、走行用レール7の左右両側に位置させて設けてあり、各組の二個の遊転輪21は、車体横幅方向に沿う横軸芯周りで揺動自在な車輪支持アーム58を台車フレーム19に設けて、その車輪支持アーム58の遊端部の夫々に遊転自在に支持してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0078】
〔第3実施形態〕
図18〜図23は、本発明によるスタッカークレーン3における走行台車16の別実施形態を示し、昇降マスト取り付け枠部31を、図23に示すように載置部29及び受け部30が台車フレーム19の上面側に位置するように設けて、昇降マスト11が台車フレーム19の横側方に突出しないように取り付けられているとともに、車輪支持枠26が、ブラケット60を介して、台車フレーム19の一端側端部において台車フレーム19よりも横外側方に位置するように設けられ、台車フレーム19の他端側端部に遊転輪21が支持されている。
【0079】
そして、走行用レール7の横断面形状を、下側フランジ部7bの一側部が上側フランジ部7aよりも横側方に延設されて、その端縁部が立ち上げられた形状に形成して、走行車輪20が上側フランジ部7aの上面に当接して転動し、遊転輪21が下側フランジ部7bの上面に当接して転動し、遊転輪21側の下部案内輪体23が、走行用レール7のウエブ部7cと立ち上がり部7dとの間に沿って、スタッカークレーン3の走行を案内するように構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0080】
〔第4実施形態〕
図24〜図27は、本発明によるスタッカークレーン3における走行台車16の別実施形態を示し、走行用レール7の横断面形状を、下側フランジ部7bの一側部が上側フランジ部7aよりも横側方に延設された形状に形成して、台車フレーム19の端部下面側に支持した前後一対の遊転輪21が下側フランジ部7bの上面に当接して転動し、台車フレーム19の遊転輪21近くに支持した下部案内輪体23aと、ブラケット60に支持した下部案内輪体23bとで走行用レール7を水平方向から挟み込んで、スタッカークレーン3の走行を案内するように構成してある。
その他の構成は第3実施形態と同様である。
【0081】
〔第5実施形態〕
図28,図29は、本発明によるスタッカークレーン3における昇降体10と昇降マスト11の別実施形態を示し、昇降体10は、昇降台13の下面側に固定してある連結アーム62を物品移載装置14による物品移載方向に対して斜め方向に沿って、昇降台13の横側方に片持ち状に延設して、その先端部に昇降ガイド部61を固定して構成してあり、昇降マスト11には、車体前後方向に並ぶ状態で二つの昇降台案内レール部35が設けられ、昇降ガイド部61には、二つの昇降台案内レール部35の夫々に案内される二つの被案内部36が設けられている。
【0082】
昇降ガイド部61は、図29に示すように、板面が連結アーム62の延設方向に沿う複数のローラ支持板63を互いに略平行に備え、二つの被案内部36のうちの一方の被案内部36aは、上下二つの第1被案内ローラ64と、各第1被案内ローラ64に対して間隔を隔てて対向する上下二つの対向ローラ65とで構成され、他方の被案内部36bは、上下二つの第2被案内ローラ66で構成され、これらのローラ64,65,66は、いずれも、車体横幅方向よりも車体前後幅方向に傾斜した傾斜軸芯X周り、つまり、ローラ支持板63に対して略垂直な傾斜軸芯X周りで回転する傾斜姿勢でローラ支持板63に支持してある。
【0083】
昇降マスト11の昇降台案内レール部35の夫々は、第1被案内ローラ64と第2被案内ローラ66の夫々が、その回転軸芯Xを溝深さ方向に沿わせて転動自在に嵌合する案内溝78で構成してあり、その案内溝78は、第1,第2被案内ローラ64,66の傾斜姿勢に合せた傾斜状態で設けられ、第1被案内ローラ64とその対向ローラ65との間に挟み込まれるガイド板部67を案内溝78に沿って略平行に形成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0084】
〔第6実施形態〕
図30,図31は、本発明によるスタッカークレーン3における昇降体10と昇降マスト11の別実施形態を示し、昇降体10は、昇降台13の下面側に固定してある支持フレーム68を物品移載方向に対して直交する方向に沿って、昇降台13の横側方に片持ち状に延設して、その先端部に昇降ガイド部61を備えた昇降枠体69を固定して構成してあり、昇降マスト11には、車体前後方向に並ぶ状態で二つの昇降台案内レール部35が設けられ、昇降ガイド部61には、二つの昇降台案内レール部35の夫々に案内される二つの被案内部36が設けられている。
【0085】
二つの被案内部36の夫々は、図31に示すように、車体前後方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持してある上下二つの第1ローラ70と、車体横幅方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持してある上下二つの第2ローラ71と、第1ローラ70に対して間隔を隔てて、車体前後方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持してある上下二つのガイドローラ72とを設けて構成してある。
【0086】
昇降台案内レール部35の夫々は、第1ローラ70を転動させる車体前後方向に沿う第1ガイド面73と、第2ローラ71を転動させる車体横幅方向に沿う第2ガイド面74と、ガイドローラ72を転動させる車体前後方向に沿う第3ガイド面75とを備えている。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0087】
〔第7実施形態〕
図32,図33は、本発明によるスタッカークレーン3における昇降体10と昇降マスト11の別実施形態を示し、昇降体10は、第6実施形態と同様に、昇降台13の下面側に固定してある支持フレーム68を物品移載方向に対して直交する方向に沿って、昇降台13の横側方に片持ち状に延設して、その先端部に昇降ガイド部61を備えた昇降枠体69を固定して構成してある。
【0088】
昇降ガイド部61には、図33に示すように、車体前後方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持してある上下二つの第1ローラ70aと、車体横幅方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持してある上下二つの第2ローラ71aと、その第1ローラ70aに対して間隔を隔てて、車体前後方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持してある上下二つのガイドローラ72aとを設けてあるメインマスト用被案内部36aと、車体前後方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持してある上下二つの第1ローラ70bと、その第1ローラ70bに対して間隔を隔てて、車体前後方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持してある上下二つのガイドローラ72bとを設けてあるサブマスト用被案内部36bとが設けられている。
【0089】
昇降マスト11は、昇降台13側に近いメインマスト11aと、昇降台13側から遠いサブマスト11bとを車体前後方向に間隔を隔てて台車フレーム19に立設すると共に、メインマスト11aの上端部と、サブマスト11bの上端部とを上部走行フレーム18で一体に連結して構成してある。
【0090】
そして、メインマスト11aとサブマスト11bの夫々に、第1ローラ70a,70bを転動させる車体前後方向に沿う第1ガイド面73と、ガイドローラ72a,72bを転動させる車体前後方向に沿う第3ガイド面75とを設け、メインマスト11aには第2ローラ71aを回転軸芯が溝深さ方向に沿う姿勢で入り込ませて転動させる案内溝76を設けて、二つの昇降台案内レール部35a,35bが車体前後方向に並ぶ状態で設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0091】
〔第8実施形態〕
図34,図35は、本発明によるスタッカークレーン3の別実施形態を示し、台車フレーム19の前後に走行車輪20と一対の遊転輪21を設けて走行台車16を構成し、一対の遊転輪21は、台車フレーム19の下面側に支持して、走行レール7の下側フランジ部7bの上面に当接して転動するように設けてある。
【0092】
昇降マスト11の下端部を載置する載置部29及びその下端部の横側面を受け止める平面視で略L字状の受け部30とを備える昇降マスト取り付け枠部31が、走行車輪20と一対の遊転輪21との間の位置において台車フレーム19に固定され、その昇降マスト取り付け枠部31に昇降マスト11を立設してある。
【0093】
昇降マスト取り付け枠部31は、図35に示すように、載置部29が台車フレーム19の上面よりも低くなるように形成して、台車フレーム19に固定され、昇降マスト11の下端部が台車フレーム19の上面よりも低い位置で台車フレーム19の横側部に支持され、駆動スプロケット43と昇降モータM2とを備えた昇降駆動部41が、昇降マスト11の横側部において台車フレーム19に設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0094】
〔第9実施形態〕
図36は、本発明によるスタッカークレーン3における昇降台13と制御ボックス15の取り付け枠5の別実施形態を示し、昇降台13と取り付け枠5の夫々を炭素繊維で補強してあるFRPで構成して、昇降台13の横側部において互いにボルト連結され、取り付け枠5の背面側に昇降ガイド部61がボルト連結され、取り付け枠5には、制御ボックス15を保守点検するための開口部77を形成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0095】
〔その他の実施形態〕
1.本発明によるスタッカークレーンは、収納棚の前面側に形成してある移動通路に、その横幅方向の片側にのみ装備されるものであっても良い。
2.本発明によるスタッカークレーンが装備されている物品収納設備は、収納棚の前面側に形成してある移動通路に、その横幅方向の片側にのみ装備されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】物品収納設備の平面図
【図2】物品収納設備の移動通路に装備してあるスタッカークレーンの側面図
【図3】物品収納設備の移動通路に装備してあるスタッカークレーンの正面図
【図4】走行台車の平面図
【図5】走行台車の側面図
【図6】走行台車の一部断面図
【図7】走行台車の一部断面図
【図8】走行台車の斜視図
【図9】要部の平面図
【図10】昇降体の平面図
【図11】要部の横断面図
【図12】物品収納設備の制御ブロック図
【図13】収納部との間での物品の移載動作を示す平面図
【図14】管理コントローラの制御動作を示すフローチャート
【図15】第2実施形態を示す走行台車の平面図
【図16】第2実施形態を示す走行台車の側面図
【図17】第2実施形態を示す走行台車の一部断面図
【図18】第3実施形態を示す走行台車の平面図
【図19】第3実施形態を示す走行台車の側面図
【図20】第3実施形態を示す走行台車の一部断面図
【図21】第3実施形態を示す走行台車の一部断面図
【図22】第3実施形態を示す走行台車の一部断面図
【図23】第3実施形態を示す要部の平面図
【図24】第4実施形態を示す走行台車の平面図
【図25】第4実施形態を示す走行台車の側面図
【図26】第4実施形態を示す走行台車の一部断面図
【図27】第4実施形態を示す走行台車の一部断面図
【図28】第5実施形態を示す要部の斜視図
【図29】第5実施形態を示す要部の横断面図
【図30】第6実施形態を示す要部の斜視図
【図31】第6実施形態を示す要部の横断面図
【図32】第7実施形態を示す要部の斜視図
【図33】第7実施形態を示す要部の横断面図
【図34】第8実施形態を示すスタッカークレーンの側面図
【図35】第8実施形態を示す要部の一部断面図
【図36】第9実施形態を示す要部の斜視図
【符号の説明】
【0097】
1 収納棚
2 移動通路
3 スタッカークレーン
6 収納部
11 昇降マスト
13 昇降台
19 台車フレーム
20 走行車輪
21 遊転輪
26 車輪支持枠
35 昇降台案内レール部
36 被案内部(摺動体)
37 ガイド体
40 昇降用無端体
46 空間
64 ローラ
66 ローラ
78 案内溝
B 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前後方向に長い台車フレームの端部に、物品搬送用の昇降台を昇降自在に案内する昇降マストが立設されたスタッカークレーンであって、
前記昇降台が、前記昇降マストから車体横幅方向の一側方に向けて延びる状態で設けられ、
前記昇降マストに、車体前後方向に並ぶ状態で複数の昇降台案内レール部が設けられ、
前記昇降台には、前記複数の昇降台案内レール部の夫々に案内される複数の被案内部が設けられているスタッカークレーン。
【請求項2】
前記昇降マストが、前記昇降台の一側方にのみ配置されている請求項1記載のスタッカークレーン。
【請求項3】
前記昇降台案内レール部が、前記被案内部としての摺動体が摺動自在に嵌合するガイド体である請求項2記載のスタッカークレーン。
【請求項4】
前記昇降台案内レール部が、前記被案内部としてのローラが、転動自在に嵌合する案内溝であり、
前記ローラが、車体横幅方向よりも車体前後幅方向に傾斜した傾斜軸芯周りで回転するように傾斜姿勢で設けられ、
前記案内溝が、前記ローラの傾斜姿勢に合せた傾斜状態で設けられている請求項2記載のスタッカークレーン。
【請求項5】
前記昇降マストが、車体前後方向視にて、前記台車フレームの端部に備えさせる走行車輪よりも横側方であってかつ前記昇降台が延びる方向とは反対側に位置する状態で設けられている請求項1〜4のいずれか1項記載のスタッカークレーン。
【請求項6】
前記台車フレームが、一端部に前記走行車輪を備え、かつ、他端部に遊転輪を備えるように構成され、
前記昇降マストが、前記台車フレームにおける前記走行車輪が配置される側の端部に設けられ、かつ、前記昇降台が、前記昇降マストに対して前記遊転輪が位置する側に配置されている請求項5記載のスタッカークレーン。
【請求項7】
前記遊転輪が、平面視において、前記昇降台よりも車体前後方向に離れて位置するように配備されている請求項6記載のスタッカークレーン。
【請求項8】
前記昇降マストが、車体横幅方向視にて、その走行車輪側部分を前記走行車輪に重複させる状態で設けられている請求項6又は7記載のスタッカークレーン。
【請求項9】
前記台車フレームに、走行車輪を支持する車輪支持枠が設けられ、
前記昇降マストに沿って上下方向に延びる状態に巻回され且つ前記昇降台側に接続された昇降用無端体を配設するための空間が、前記昇降マストの走行車輪側部分と台車フレーム及び車輪支持枠との間に形成されている請求項8記載のスタッカークレーン。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項記載のスタッカークレーンを装備してある物品収納設備であって、
物品を収納する複数の収納部を縦横に並ぶ状態で備える収納棚に沿って移動通路が形成され、
前記移動通路に、前記昇降マストを前記移動通路の横幅方向の一方側に位置させてあるスタッカークレーンと、前記昇降マストを前記移動通路の横幅方向の他方側に位置させてあるスタッカークレーンとの少なくとも2台のスタッカークレーンが往復移動自在に装備され、
前記2台のスタッカークレーンが、往復移動に伴って、一方のスタッカークレーンに備える昇降台が他方のスタッカークレーンの昇降マストに接当しないように配置して、互いにすれ違い移動できるように設けられ、
前記2台のスタッカークレーンのうちの少なくとも1台が、前記昇降マストを前記収納棚側に位置させて装備されている物品収納設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2009−269730(P2009−269730A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−122714(P2008−122714)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】