説明

スタンプ台

【課題】ICチップと確実に通信を行うことを可能とするICチップを用いたスタンプ台を提供する。
【解決手段】スタンプ台2は、RFIDリーダライタが送受信する電波を共振により増幅する共振電波をアンテナ部4を介して発信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスタンプラリーに用いられるスタンプ台等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、展覧会やテーマパーク等の複数の拠点において利用者がスタンプをスタンプ用台紙に押印していくスタンプラリーが知られている。かかるスタンプラリーでは、例えば基準数のスタンプがスタンプ用台紙に押印されると、景品と交換できるようになっている。
【0003】
また、上記スタンプには、各拠点の特質(例えば、展覧会のマスコットやテーマパークの外観等)を表した審美性を有する図柄が付されており、利用者は、押印されたスタンプを見ることによって、かかる図柄の審美性を鑑賞することができ、さらに過去に訪れた上記各拠点を回想することもできる。
【0004】
このような特質を有するスタンプは、利用者に、多くの押印されたスタンプ用台紙を収集したいとするコレクション欲を惹起させるという効果を奏している。
【0005】
また、本出願人は、上記スタンプがもつ“思い出”的な要素、及び利用者にとってコレクション欲を惹起させる要素を備えつつ、利用者毎の各拠点におけるスタンプ獲得状況を端末装置において電子的に管理すべく、ICチップを用いた電子スタンプシステムを発明した(特願2008−245363号)。
【0006】
かかる先行発明では、非接触通信によりデータを書き込み可能なICチップとスタンプを押印可能な印面とを有するスタンプ帖の当該印面に対してスタンプを押印するスタンプ装置を複数備え、夫々のスタンプ装置が複数の異なる拠点に設置されている。
【0007】
このスタンプシステムにおいて、夫々の拠点におけるスタンプ装置は、自己が設置される拠点を示す拠点データを記憶しており、印版部によりスタンプが印面に押印される際に、通信可能範囲内に入ったスタンプ帖のICチップを検知し、当該ICチップへの拠点データの書き込みを非接触通信により行う。
【0008】
そして、利用者は、スタンプ帖を持って異なる複数の拠点を回り、各拠点においてスタンプ装置を用いてスタンプ帖の印面にスタンプを押すが、このとき、当該拠点の通過履歴及びタイムスタンプを有するデータがスタンプ帖のICチップに非接触通信により書き込まれる。つまり、各拠点におけるスタンプ獲得状況を示す情報が、スタンプ帖のICチップ内に格納される。最終的に、利用者は、スタンプ帖を景品交換所に持っていくと、ICチップから上記スタンプ獲得状況を示す情報が処理端末により読み取られ、当該スタンプ獲得状況に応じて例えば抽選により景品交換等を行うことができるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のスタンプ帖では、スタンプ帖の印面とスタンプ帖のICチップの距離が通信可能範囲を超えている場合(例えば、スタンプ帖の一の頁に印面が複数あり、当該印面の一部とスタンプ帖のICチップの距離が通信可能範囲を超えてしまう場合)には、スタンプ装置は、当該ICチップに対して拠点データの書き込みを行うことができなきなくなってしまう可能性がある。
【0010】
かかる事態を防止するためには、上記印面に対して一のICチップを配置することが考えられるが、スタンプ帖に埋め込むICチップの個数が増加してしまい、管理上及び製造コストが増加してしまうこととなってしまう。
【0011】
そこで、本発明はこのような問題等に鑑みてなされたものであり、その目的は、スタンプ帖のICチップと確実に通信を行うことを可能とするスタンプ台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、情報を記憶する情報記憶部を備えたシート状記録媒体にスタンプを押印する際に前記シート状記録媒体を載荷するスタンプ台であって、前記シート状記録媒体にスタンプを押印する際に、前記情報記憶部に記録されている情報を電波の送受信により非接触で読み取るスタンプ装置が使用されるときは、スタンプ装置が送信する電波を増幅させる増幅手段を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、スタンプ台は、スタンプ装置から送受信される、記録媒体の前記媒体情報記憶部に記憶されている情報を読み取るための電波を増幅させることができる。
【0014】
従って、スタンプ装置は、スタンプ装置における通信可能範囲外にあるスタンプ帖に埋め込まれたICチップと電波の送受信を行う場合であっても、ICチップの個数を増やすことなく、当該ICチップとかかる電波の送受信を行うことができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスタンプ台であって、前記増幅手段は、前記電波を共振させる共振電波を生成する増幅回路と、前記共振電波を送信するアンテナとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、スタンプ台は、スタンプ装置から送受信される、記録媒体の前記媒体情報記憶部に記憶されている情報を読み取るための電波を増幅させるため、スタンプ装置は、スタンプ装置における通信可能範囲外にあるスタンプ帖に埋め込まれたICチップと電波の送受信を行う場合であっても、ICチップの個数を増やすことなく、当該ICチップと電波の送受信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るスタンプシステムの概要構成例を示す図である。
【図2】本実施形態に係るスタンプ装置1及びスタンプ台2の構成を説明するための断面図である。
【図3】本実施形態にかかるスタンプシステムSの動作を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0019】
1.スタンプシステムSの構成及び機能
先ず、本発明の一実施形態に係るスタンプシステムの構成及び機能について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るスタンプシステムの概要構成例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、スタンプシステムSは、スタンプ帖T(本願のシート状記録媒体の一例)にスタンプを押印可能なスタンプ装置1、及びスタンプ台2、ホスト6、及びサーバ7等を備えて構成されている。
【0022】
このようなスタンプシステムSがスタンプラリーに利用される場合、スタンプ装置1、スタンプ台2、及びスタンプ装置1が接続されるホスト6のセットは、複数の異なる拠点に設置される。そして、スタンプラリーを行う利用者は、スタンプ帖Tを持って各拠点をまわり、各拠点においてスタンプ装置1を用いてスタンプをスタンプ帖Tに押印するが、その際、情報がホスト6を介して7に収集される。
【0023】
2.スタンプ装置1、スタンプ台2、及びスタンプ帖Tの構成及び機能]
ここで、スタンプ装置1、スタンプ台2、及びスタンプ帖Tの構成及び機能について図1及び図2を用いて説明する。
【0024】
図2は、本実施形態に係るスタンプ装置1及びスタンプ台2の構成を説明するための断面図である。
【0025】
スタンプ装置1は、図2に示すように、USB端子11、筐体グリップ部12、筐体スタンプ部13、化粧・認識用LED(発光ダイオード)14、ホスト6との間で通信を行うための通信I/F(インターフェイス)等を備えた制御基板15、スピーカ(又はブザー)16、スペーサ17、図示しないRFID(Radio Frequency Identification System)リーダライタ通信スイッチ(以下、「R/W通信スイッチ」という)及びRFIDアンテナが備えられるRFIDアンテナ基板18、RFIDリーダライタ通信スイッチ用ゴム19、印面貼り付け部20、スタンプ帖Tの印面に対してスタンプを押印するための印版部としてのゴム印21、グリップ部に埋設された盗難防止金具22、及び盗難防止金具22に係止されグリップ部に収納可能に設置される盗難防止リング23、等をそなえて構成されている。なお、通信I/Fは、USBケーブル及びUSB端子11を通じてホスト6に接続される。なお、通信I/Fは、RS232Cケーブル、又はBluetooth(登録商標)による無線等を通じてホスト6に接続されるものであってもよい。
【0026】
制御基板15は、CPU,RAM,ROM,不揮発性メモリ等を備え、RFIDリーダライタの機能を有する。
【0027】
かかるRFIDリーダライタは、例えば非接触ICカード技術である公知のFeliCa(登録商標)技術を採用しており、当該FeliCa技術を採用したICチップ(以下、「RFIDチップ」という)からのデータの読み取り及び当該RFIDチップへのデータの書き込みを非接触で(非接触通信により)行うことが可能になっている。なお、非接触ICカード技術として上記FeliCa以外の技術を適用しても良く、例えば、MIFARE(R)ウルトラライト(ISO 14443A)の技術を適用しても良い。また、NFC(Near Field Communication)(登録商標)等を適用することもできる。
【0028】
例えば、RFIDリーダライタは、R/W通信スイッチがON(オン)であるときに通信可能範囲内(例えば、10cm程度)に入ったRFIDチップを、RFIDアンテナを介して検知し、当該RFIDチップに電波(例えば13.56MHz)を発信することでRFIDチップに電力を供給(電磁誘導による)し、キャリアの変調により当該RFIDチップ間でデータ通信(RFIDの非接触通信)を行うことにより、当該RFIDチップからのデータの読み取り及び当該RFIDチップへのデータの書き込みを非接触で行う。
【0029】
また、制御基板15に備えられるROM(又は不揮発性メモリ)の所定の記憶領域には、スタンプ装置毎に固有のスタンプR/WIDを記憶するようにしてもよい。
【0030】
R/W通信スイッチは、アンテナ基板18のスタンプ台2側の面に設けられるスイッチであり、例えば基板に実装可能なプッシュスイッチ等が適用される。
【0031】
プッシュスイッチは公知の製品であるため詳しい説明は省略するが、当該プッシュスイッチは、プッシュスイッチの筐体から外部に突出する突起部を備える。当該突起部は、プッシュスイッチの筐体内部に備えられたバネによって、当該筐体の外部へ向けて付勢される。そして、上記突起部に所定の外力が付勢されると、当該突起部は上記筐体内部へ押し込まれ、プッシュスイッチは電気的にONの状態となる。一方、上記付勢がとかれると、プッシュスイッチは電気的にOFFの状態となる。
【0032】
本実施形態では、R/W通信スイッチは、ゴム印21の印面がスタンプ帖Tの印面に押し当てられスタンプ装置1によってスタンプが押印された場合には、R/W通信スイッチの突起部に押し当てによって外力が付勢されるためONとなる。
【0033】
スイッチ用ゴム20は、R/W通信スイッチのスタンプ台2側の面(例えば、上記突起部の天面部)に設けられる弾性部材であり、例えば、ゴム、ウレタンゴム又はシリコンゴム等が適用される。
【0034】
ゴム印21のスタンプ台2側の印面には、所定の文字、図形等のキャラクタの像形状が形成されており、反対の面は図示のように印面貼り付け部20に接着されている。そして、スタンプ帖Tを所持する利用者がスタンプ装置1を持ち上げ、ゴム印21の印面を、スタンプ帖Tの印面(紙面)に押し当てると上記像形状のスタンプが押印されることになる。なお、印版部としては、ゴム印の他にも、撓み易い材質の印であっても良い。
【0035】
スタンプ帖Tは、図1に示すように、スタンプを押印可能な複数の印面T1〜T4を有し、当該複数の印面それぞれにスタンプを押印するようになっている。
【0036】
さらに、スタンプ帖Tには、上述したRFIDチップとしてのRFIDチップC(情報記憶部の一例)が埋め込まれている。かかるRFIDチップCには、例えば、固有の識別番号であるスタンプ帖ID等、所定の情報が記憶される。
【0037】
なお、RFIDチップCはスタンプ帖Tに埋め込まれるのではなく、貼り付けられるようにしても良い。また、RFIDチップCが埋め込まれたICカードが、スタンプ帖Tに埋め込まれ(又は貼り付けられ)る構成としても良い。また、RFIDチップC又はこれが埋め込まれたICカードが、スタンプ帖Tに設けられたポケットに挿入されるように構成しても良い。
【0038】
そして、スタンプ装置1のゴム印21によりスタンプがスタンプ帖の印面T1〜T4に押印される際に、スタンプ装置1のRFIDリーダライタによりスタンプ帖TのRFIDチップCからスタンプ帖ID等が非接触で読み取られるが、このとき、制御基板15のCPUは、当該読み取られたスタンプ帖ID及び不揮発性メモリに記憶されているスタンプR/WIDを通信I/F等を介してホスト6に送信する。ホスト6は、これを受信し、当該読み取られたスタンプ帖ID及び不揮発性メモリに記憶されているスタンプR/WIDをサーバ7に送信する。
【0039】
サーバ7は、受信されたスタンプ帖ID及びスタンプR/WIDと、スタンプ帖IDが読み取られた年月日時等とを対応づけて記憶するデータベースを有している。さらに、ホスト6は、新にスタンプ帖ID及びスタンプR/WIDが受信されると、上記データベースに対して、新に受信されたスタンプ帖ID及びスタンプR/WIDが既に上記データベースに登録されているか否か問合せし、問合せ結果が既に登録されている(重複する)場合には、重複するスタンプ獲得を許可せず失敗(NG)と判定し、登録されていない場合には成功(OK)と判定する。そして、ホスト6は、上記判定結果を制御基板15のCPUへ送信する。
【0040】
なお、サーバ7は、新たに受信されたスタンプ帖ID及びスタンプR/WIDが、上記データベースに登録されていない場合(上記重複しない場合)には、かかるデータベースに当該スタンプ帖ID及びスタンプR/WIDを登録する(当該データベースを更新する)。
【0041】
すると、制御基板15のCPUは、ホスト6から送信された判定結果に応じた音光制御を行う。
【0042】
かかる音光制御により、判定結果に応じた情報が化粧・認識用LED14及びスピーカ16を通じて出力される。
【0043】
この判定結果が成功である場合には、制御基板15のCPUは、化粧・認証用LED14を点灯させると共に、スピーカ16に成功を喚起させる音(例えば、明るいチャイム音等)を鳴らさせる。一方、判定結果が失敗(NG)である場合には、化粧・認識用LED14を点灯させると共に、スピーカ16に失敗を喚起させる音(例えば、警告音等)を鳴らさせる。
【0044】
さらに、制御基板15は、ホスト6との間で通信を行わず(上記通信I/Fを備えず)、例えば、ROM等に記録されたファームウェアを用いてスタンドアローンで動作をすることもできる。
【0045】
この場合、スタンプ帖TのRFIDチップCには、スタンプR/WIDと、スタンプ帖IDが読み取られた年月日時等とを対応づけて所定の記憶領域に記憶されている。
【0046】
そして、制御基板15のCPUは、上記ファームウェアの制御のもと、不揮発性メモリに記憶されているスタンプR/WIDが、既にスタンプ帖TのRFIDチップCに登録されているか否か検査し、既に登録されている(重複する)場合には、重複するスタンプ獲得を許可せず失敗(NG)と判定し、登録されていない場合には成功(OK)と判定する。
【0047】
また、スタンプ装置1の各機能を駆動させる電源は、USBケーブル及びUSB端子11を介して供給されるようにしてもよいし、スタンプ装置1に内部電池を設けることにより供給されるようにしてもよい。
【0048】
スタンプ台2は、図2に示すように、本願の増幅手段としての増幅回路部3及びアンテナ部4、及び増幅回路部3等へ電源を供給する電源部5等を含んで構成される。
【0049】
なお、本実施形態においては電源部5を含んで構成されているが、電源部5を構成に含まないようにしてもよい。
【0050】
増幅回路部3は、制御基板15のCPUから送信される電波を共振させる共振電波を生成するための回路である。
【0051】
具体的には、増幅回路部3は、図示しないコンデンサ、及びアンテナ部4から構成される発信回路であり、制御基板15の指示のもと、アンテナ基板18から電波が送受信されると、アンテナ部4と協働して、送信される電波を共振させて増幅する作用を引き起こす。
【0052】
例えば、増幅回路部3は、コンデンサの電気容量を可変とすることにより、上記共振電波の周波数を設定している。
【0053】
ここで電波の共振については公知の現象であるため詳しい説明は省略するが、ある周波数を示す電波に対して、所定の周波数を示す他の電波が重畳された場合に、当該電波が重畳された電波の振幅が急激に増大する現象をいう。
【0054】
3.スタンプシステムSの動作
次に、本実施形態に係るスタンプシステムSの動作について図3を用いて説明する。
【0055】
図3は、本実施形態にかかるスタンプシステムSの動作を示す概念図である。
【0056】
前提として、例えばスタンプラリーで使用されるスタンプ帖T(スタンプラリーのサービス提供者が用意)が利用者に配布される。
【0057】
そして、利用者が拠点においてスタンプ装置1を用いてスタンプ帖Tの印面T1にスタンプP1を押印すると、アンテナ基板18に設けられたR/W通信スイッチがONとなる。
【0058】
すると、RFIDリーダライタは、スタンプ帖TのRFIDチップCに記憶されているスタンプ帖IDを非接触で読み取るために、RFIDチップCへ電波を送信する(換言すれば、RFIDリーダライタは、スタンプ帖Tの印面T1の位置から、RFIDチップCへ電波を送信する)。
【0059】
かかる電波は、上述したように、RFIDチップCに電力を供給し、情報を外部へ送信させるためのエネルギーとコマンドであり、所定の周波数を示している。そして、当該電波が示す周波数に応じて、RFIDリーダライタとRFIDチップCの通信可能範囲は、異なる値を示している。
【0060】
具体的には、ISO/IEC18000-2〜ISO/IEC18000-7で定義されており、例えば、かかる電波が示す周波数が135kHz未満であった場合は、RFIDリーダライタとRFIDチップの通信可能範囲は数cm〜1mと、当該周波数が13.56MHzであった場合には、当該通信可能範囲は数cm〜数十cmと、当該周波数が950MHz(UHF帯)であった場合には、当該通信可能範囲は10m未満と、当該周波数が2.45GHzであった場合には、当該通信可能範囲は2m未満と、夫々定義されている。
【0061】
ここで、上述したように、RFIDリーダライタは、スタンプ帖Tの印面T1の位置から、RFIDチップCへ電波を送信するようになっている。従って、スタンプ帖Tの印面T1とRFIDチップCとの距離が上記通信可能範囲よりも離れていた場合(例えば、印面T1〜T4とRFIDチップCとの距離が数cm離れていた場合)には、RFIDリーダライタは、RFIDチップCに対して、電波を送信することができない。
【0062】
さらにこの場合、RFIDチップCは、RFIDリーダライタから送信される電波を受信することができない。従って、RFIDチップCには、電力が供給されず、その結果、RFIDチップCは、RFIDリーダライタへスタンプ帖IDを送信できない。即ち、RFIDリーダライタは、RFIDチップCに対して、電波を送受信することができないこととなる。
【0063】
本実施形態では、増幅回路部3は、アンテナ部4と協働してアンテナ基板18が送受信する電波に対する共振作用を引き起こす。その結果、RFIDリーダライタが送受信する電波が増幅され、RFIDリーダライタとRFIDチップCの通信可能範囲は、拡大されることとなる。
【0064】
従って、スタンプ帖Tの印面T1〜T4とRFIDチップCとの距離が上記通信可能範囲よりも離れていた場合であっても、かかる共振電波によって、RFIDリーダライタは、RFIDチップCに対して、電波を送受信することができる。
【0065】
スタンプシステムSの動作の説明に戻り、スタンプ装置1は、当該読み取られたスタンプ帖ID及び不揮発性メモリに記憶されているスタンプR/WIDを通信I/F等を介してホスト6に送信すると、ホスト6は、これを受信し、当該当該読み取られたスタンプ帖ID及び不揮発性メモリに記憶されているスタンプR/WIDをサーバ7に送信する。
【0066】
サーバ7は、上述した判定を行い、かかる判定結果をホスト6を介してスタンプ装置1へ送信する。
【0067】
スタンプ装置1は、サーバ7から送信された判定結果をホスト6を介して受信すると、上述したように、判定結果に応じた音光制御を行う。
【0068】
なお、当該音光制御はスタンプ装置1ではなく、判定結果を受信したホスト6が行うように構成してもよい。つまり、ホスト6は、受信した判定結果が成功である場合には、ディスプレイ上に成功を示す情報を表示させると共に、スピーカ16に成功を喚起させる音(例えば、チャイム音等)を鳴らさせる。一方、判定結果が失敗である場合には、ディスプレイ上に失敗を示す情報を表示させると共に、スピーカ16に失敗を喚起させる音(例えば、警告音等)を鳴らさせる。このように構成した場合、スタンプ装置1に表示機能及び音声出力機能を持たせなくともよく、スタンプ装置1にはスタンプ帖TのRFIDチップCからスタンプ帖IDを読み取る機能等、必要最小限の機能だけを持たせるようにすることができる。
【0069】
以上の処理は、スタンプ装置1によりスタンプ帖Tの印面にスタンプが押印される度に行われる。
【0070】
以上説明したように、上記実施形態によれば、スタンプ台2は、RFIDリーダライタが送受信する電波を共振により増幅する共振電波をアンテナ部4を介して発信する。
【0071】
従って、スタンプ装置1は、スタンプ装置1における通信可能範囲外にあるスタンプ帖Tに埋め込まれたRFIDチップCと電波の送受信を行う場合であっても、RFIDチップCの個数を増やすことなく、当該RFIDチップCと電波の送受信を行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 スタンプ装置
2 スタンプ台
3 増幅回路部
4 アンテナ部
5 電源部
11 USB端子
12 筐体グリップ部
13 筐体スタンプ部
14 化粧・認識用LED
15 制御基板
16 スピーカ(又はブザー)
17 スペーサ
18 RFIDアンテナ基板
19 RFIDリーダライタ通信スイッチ用ゴム
20 印面貼り付け部
21 ゴム印
22 盗難防止金具
23 盗難防止リング
T スタンプ帖
T1〜T4 スタンプ帖の印面
C RFIDチップ
S スタンプシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶する情報記憶部を備えたシート状記録媒体にスタンプを押印する際に前記シート状記録媒体を載荷するスタンプ台であって、
前記シート状記録媒体にスタンプを押印する際に、前記情報記憶部に記録されている情報を電波の送受信により非接触で読み取るスタンプ装置が使用されるときは、スタンプ装置が送信する電波を増幅させる増幅手段を備えることを特徴とするスタンプ台。
【請求項2】
請求項1に記載のスタンプ台であって、
前記増幅手段は、前記電波を共振させる共振電波を生成する増幅回路と、前記共振電波を送信するアンテナとを備えることを特徴とするスタンプ台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−76211(P2011−76211A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224633(P2009−224633)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】