説明

ステアリドン酸のオイル組成物に関する利用

エステル交換された構造化脂質の構成要素を含有するオイル組成物が、ここに提供され、当該構成要素は、一定量の中鎖トリグリセリド、一定量の長鎖の家庭用オイル、及び一定量のステアリドン酸の供給源からなるエステル交換反応の生成物である。構造化脂質の構成要素は、食用オイルの組成物において使用することができる。当該オイル組成物は、一定量のフィトステロール構成要素を含有することができる。ここに開示される当該オイル組成物は、好適な安定性を有し、同様に食用オイルの組成物にとって有用な他の特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年2月17日に出願された米国特許出願番号12/707,603の利益を享受するものであり、その全体を参照することにより本願に含む。
【0002】
ステアリドン酸を含有するオイル組成物を、ここに提供する。特定の実施形態において、ここに提供する組成物は、ステアリドン酸を含有する構造化脂質であり、ステアリドン酸の安定性が向上しているものである。当該組成物の使用及びそのような組成物の製造方法も、同様に提供する。
【背景技術】
【0003】
ステアリドン酸(SDA,18:4n−3)は、高度に不飽和化されたオメガ−3−脂肪酸である。SDAは、エイコサペンタエン酸(eicosapentanoic acid)(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)といった、オメガ−3−脂肪酸の生合成における中間体であるため、ヒトの栄養において非常に重要である。これらオメガ−3−脂肪酸の両方は、細胞膜の機能及び良好な健康のための、ヒトの食事に必須である(Coupland and Hebard, Stearidonic acid containing plant-seed oils: Their potential for use in healthy foods, 93rd AOCS Annual meeting and Expo, May 5-8, 2002, Montreal, Quebec, Canada)。オメガ−3−脂肪酸をより多く摂取することは、ヒトにおける心疾患、関節炎、炎症性疾患、及び自己免疫疾患の予防に肯定的に関係する(Simopoulos A.P., 1999, Essential fatty acids in health and chronic disease, Am. J. Clin. Nutr. 70:560-569.)。
【0004】
ステアリドン酸は、他のエチウム属種(E. vulare L.)、大麻種子(Cannabis sativa L., Cannabaceae)(2%〜3%)(Callaway et al. 1996, Occurrence of “omega-3” stearidonic acid(cis-6,9,12,15-octadecatetraenoic acid)in hemp (Cannabis sativa L.) seed,J. Int. Hemp Assoc. 3(2):61-63)、及び、クロフサスグリの実の種(Ribes nigrum L., Grossulariaceae)(約2%)(Clough 1993, Sources and production of specialty oils containing GLA and srearidonic acid, Lipid Technol. 5(3):9-12)において見られる。
【0005】
SDAの健康上の利益のため、SDAを組み入れた生成物を得るために、様々な研究が試みられている。
【発明の概要】
【0006】
特定の実施形態において、SDAを含有する構造化脂質をここに提供する。特定の実施形態において、構造化脂質を含有するオイル組成物をここに提供する。特定の実施形態において、オイル組成物は、家庭用オイル類のような従来の食用オイル製品の代替として、又は、これと組み合わせて使用する。
【0007】
ここに提供する構造化脂質は、食用の家庭用オイル、中鎖トリグリセリド、及び、SDAの供給源、をエステル交換して得られる生成物である。
【0008】
特定の実施形態において、構造化脂質は、フィトステロールエステルと結合している。
【0009】
ここに提供する構造化脂質は、エステル交換の反応物質チャージであり、ここで、反応物質チャージは、長さにして6〜12の炭素原子の脂肪鎖を有する一定量の中鎖トリグリセリド、長さにして少なくとも16の炭素原子の脂肪鎖を有する一定量の長鎖の家庭用オイル、及び、一定量のSDAの供給源、を含有する。
【0010】
特定の実施形態において、ここに提供するオイル組成物は、フィトステロールエステル構成要素、及び、必要に応じて1以上の他の食用オイルを、必要に応じて含有することができる。
【0011】
ここに提供する構造化脂質の組成物は、様々な食品の系統、特に焼いたり、ソテーしたり、炒めたりするために有用であり、ドレッシング、マリネ、又は、室温若しくは冷凍温度において使用され、かつ/若しくは、貯蔵されるその他の製品のオイル成分として有用である。
【0012】
特定の実施形態において、構造化脂質にSDAを組み入れる方法をここに提供する。特定の実施形態において、上記方法は、中鎖トリグリセリド、SDAの供給源、及び、長鎖の食用オイルに対する、無作為のエステル交換を包含する。特定の実施形態において、SDAの供給源は、エチウムオイルを含有する。1つの実施形態において、SDAの供給源は、エチウムオイルである。
【0013】
特定の実施形態において、ここに提供するオイル組成物は、さらにフィトステロールを含有する。
【発明の詳細な説明】
【0014】
SDAを含有する組成物を、ここに提供する。さらに、当該組成物の製造方法及び当該組成物の利用を提供する。当該製造方法及び組成物については、以下の項に詳細に記載する。
【0015】
〔定義〕
他に定義されていない場合においても、ここに使用されるすべての技術的かつ科学的用語は、当業者に一般に理解された意味と同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開された出願、及び、他の刊行物は、参照することによってそのすべてが組み込まれる。ここで、1つの用語に対する複数の定義がある場合には、他に述べられていなければ、この項における定義を優先する。
【0016】
ここで使用するように、エステル交換とは、トリアシルグリセロール構造の公知の反応であり、トリグリセリドの位置におけるエステル交換された個々の脂肪酸構造を、グリセロール部において置換する反応である。
【0017】
ここで使用するように、無作為のエステル交換とは、個々の脂肪酸構造をグリセロール部において無作為に置換するエステル交換である。
【0018】
ここで使用するように、構造化脂質とは、化学的及び/又は酵素的な触媒反応及び/又は遺伝子工学によって、脂肪酸組成物及び/又はグリセロール骨格におけるそれらの位置分布を変化することを目的として改質されたトリアシルグリセロール類である。1つの実施形態において、構造化脂質は、栄養上又は機能上の特性が改良された、改質されたトリアシルグリセロールである。
【0019】
ここで使用するように、反応チャージ(reaction charge)は、長さにしてC6〜C12の脂肪酸鎖を有する中鎖トリグリセリド(MCT)、長さにして少なくともC16の脂肪酸鎖を有する長鎖の家庭用オイル、及び、SDAの供給源を含有する、ここに提供するエステル交換反応の反応物質に関する。
【0020】
〔組成物〕
特定の実施例において、中鎖トリグリセリド、家庭用オイル、及び、SDAの供給源の化学的なエステル交換によって生成する構造化脂質を含有する組成物をここに提供する。
【0021】
特定の実施例において、ここに提供する構造化脂質におけるSDAの供給源は、エチウムオイルである。特定の実施例において、エステル交換反応において使用するエチウムオイルの量は、反応物質の総重量に対して、約20〜50重量%である。特定の実施例において、エステル交換反応において使用するエチウムオイルの量は、反応物質の総重量に対して、約20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、又は40重量%である。1つの実施形態において、エステル交換反応に使用するエチウムオイルの量は、反応物質の総重量に対して、約30重量%である。
【0022】
ヒトの食事におけるMCTの使用は、例えば、Traulらによる“Review Of The Toxicologic Properties Of Medium-Chain Triglyceride”,Food and Chemical Toxicology, 38, pages 79-98(2000)、及び、Ingaleらによる“Dietary Energy Value of medium-chain Triglycerides”,Journal of Food Science,Volume64,No.6, pages960-963(1999)に見られるように、これまでにも文献によく記載されている。Traulらによれば、ヒトの消化におけるMCTの安全性は、体重1キログラム当たり1グラムの以上の水準で表されている。
【0023】
特定の実施例において、エステル交換処理において使用する中鎖トリグリセリド又は“MCT”は、ココナッツオイル又はパーム核油から脂肪酸を分離し、蒸留することによって、商業的に製造される。特定の実施例において、中鎖トリグリセリドの生成は、グリセリンをエステル化することによって、C6〜C12の脂肪酸鎖を有するトリグリセリドを形成することを包含する。食用オイル、例えばココナツオイル又はパーム核油は、通常、約4〜8重量%のC8カプリル脂肪酸及び約3〜7重量%のC10カプリン脂肪酸を含有する。微小な水準では、通常、約1〜2重量%のC6カプロン脂肪酸及びC12ラウリン脂肪酸のいずれか一方又は両方を、そのような製品に存在させてもよい。
【0024】
典型的な中鎖トリグリセリド製品には、NEOBEE(登録商標)M−5(Stepan Companyの商標及び製品)のようないくつかのNEOBEE(登録商標)製品、Aldo MCT(Lonza Inc.の商標及び製品)、CAPTEX(登録商標)300(Abitec Corp.の商標及び製品)、及び、MIGLYOLO812(Clionova, Incの商標及び製品)が含まれる。
【0025】
特定の実施例において、エステル交換反応において使用するMCTの量は、反応物質の総重量に対して、約25〜45重量%である。特定の実施例において、エステル交換反応において使用するMCTの量は、反応物質の総重量に対して、約25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、又は45重量%である。1つの実施例において、エステル交換反応において使用するMCTの量は、反応物質の総重量に対して、約35重量%である。
【0026】
ここに提供する構造化脂質は、さらに家庭用オイルを含有する。ここで使用する家庭用オイルは、大豆油、コーン油、綿実油、キャノーラ油、紅花油、ヒマワリオイル、ピーナツオイル、オリーブオイル、穀類植物から得られたオイル、及び、分別生産流通キャノーラ油等のような分別生産流通オイルを含む。ここで使用する食用オイルは、液体オイルである。特定の実施形態において、当該オイルを、水素添加せずに使用する。ここで使用する家庭用オイルは、同様に長鎖脂質としても知られる。特定の実施形態において、家庭用オイルの鎖の長さは、C16〜C22の間である。
【0027】
特定の実施形態において、ここで使用する家庭用オイルは、概ね不飽和オイルである。1つの実施形態において、家庭用オイルは、大豆、コーン、綿実、又は、キャノーラのオイルを含む。特定の実施形態において、家庭用オイルは、分別生産流通キャノーラ油、並びに、精製、漂白及び脱臭した、安定性の高いオイルを含有する、特定のオイルである。これに適したオイルの1つとして、Nutrim(登録商標)の商標で表される低リノレン酸大豆油であり、Bunge DuPont Biotech Alliance, St. Louis, Missouriが提供しており利用できる。更なる例は、参照することによりここに組み込まれる、Sornykらによる米国特許第5965755号、及び、Lanuzaらによる米国特許第6169190号に記載されている。
【0028】
特定の実施形態において、エステル交換反応において使用する家庭用オイルの量は、反応物質の総重量に対して、約25〜45重量%である。特定の実施形態において、エステル交換反応において使用する家庭用オイルの量は、反応物質の総重量に対して、約25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、又は45重量%である。1つの実施形態において、エステル交換反応において使用する家庭用オイルの量は、反応物質の総重量に対して、約35重量%である。
【0029】
特定の実施形態において、ここに提供するSDAを含有する構造化脂質は、約1、2、3、4、5、6週間、又はそれ以上の間において安定である。特定の実施形態において、ここに提供するSDAを含有する構造化脂質は、およそ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、24、28、30,36、40、48ヶ月間、又はそれ以上の間において安定である。構造化脂質の安定性は、当業者に公知の方法を使用することによって、測定することができる。特定の実施形態において、ここに提供する構造化脂質の、遊離脂肪酸、アニシジン価、過酸化物価、酸化安定性、色度、及び、FAMEを分析することによって、当該安定性を分析的に測定する。特定の実施形態において、ここに提供する構造化脂質は、エチウムオイル、並びに/又は、高オレイン酸のキャノーラ油、MCT及びエチウムオイルの物理的混合物よりも安定である。
【0030】
〔生成方法〕
特定の実施形態において、構造化脂質を生成するための方法をここに提供する。特定の実施形態において、SDAの供給源、中鎖トリグリセリド、及び、家庭用オイルを含有する反応物質を、エステル交換反応容器に入れる。特定の実施形態において、そのような容器は、撹拌中の反応物質を、減圧又は真空状態下において加熱する手段を有する。1つの実施形態において、上記反応を、適切なエステル交換触媒の存在下において実施し、通常、反応が完了するまで又は反応が実質的に完了するまで、迅速に処理する。特定の実施形態において、エステル交換は、完全に無作為を目的とした又は目指した反応であり、アシル鎖の100%がエステル交換される程度と同程度の反応である。
【0031】
特定の実施例において、エステル交換触媒は、金属アルコキシド類、アルカリ金属類、アルカリ金属合金類、及び金属水酸化物を含む。特定の実施例において、アルコキシドは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、及びカリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドを含む。アルカリ金属は、ナトリウムを含む。特定の実施例において、アルカリ金属合金は、ナトリウム/カリウム合金を含む。特定の実施例において、金属水酸化物は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物を含む。1つの実施形態において、触媒はナトリウムメトキシドである。特定の実施例において、触媒は、エステル交換混合物の重量に対して1%未満で存在し、特定の実施形態において、0.5%未満又は0.2%未満で存在する。
【0032】
一旦、目的とする構造化脂質を形成するためのエステル交換が進行すると、処理を、反応条件から離れる条件に変更することができる。特定の実施形態において、当該変更は、触媒を不活性すること、温度を低下させること、適用した真空状態を低減すること、撹拌を停止すること、又は、これら変化の任意の組み合わせを包含する。これら変更の遂行は、当業者によって理解され得る。
【0033】
特定の実施形態において、エステル交換のための反応温度は、約85℃〜約92℃(約185°F〜約197°F)の範囲に及ぶ。1つの実施形態において、反応のための温度は、約88℃(191°F)である。特定の実施形態において、当該反応は、真空下で行われる。
【0034】
特定の実施例において、エステル交換のための反応時間は、約30分〜約2時間である。1つの実施形態において、反応時間は、約30、45、又は55分である。1つの実施形態において、反応時間は、約45分である。この反応は、例えば触媒を中和するタイミングを決めることによって制御される。ナトリウムメトキシドのような触媒の中和は、当業者に知られる任意の方法によって行うことができる。1つの実施形態において、ナトリウムメトキシドの中和は、約50%濃度のクエン酸溶液の約0.5〜0.7重量%、又は、約50%濃度のクエン酸溶液の約0.59重量%を用いて行う。1つの実施形態において、中和段階の継続期間は約20分であるが、使用される個々の反応物質および触媒次第で、より長い又はより短い時間が採用される。
【0035】
エステル交換された構造化脂質は、必要に応じて、残留する石鹸を除去するため、及び/又は、すべての色付の物体を除去する処理を行ってもよい。これらは、ろ過助剤、及び、植物オイルの精製に使用されるTRISYL(登録商標)S−615(商標、W.R.Grace&Co.が提供しており利用できる)のようなシリカ源を含む。脱色には、漂白粘土又は同種のものを用いることができる。特定の実施形態において、構造化脂質は、従来公知のアプローチによる脱臭の対象となる。
【0036】
特定の実施形態において、脱臭は、約3〜5又は約4時間、約0.114〜0.870mbarの真空下、約214℃〜226℃(417.2°F〜438.8°F)の温度に反応生成物を保つことによって行なわれる。
【0037】
特定の実施形態において、エステル交換された構造化脂質は、食用オイル製品として直接使用できる組成物を形成するために、1以上のフィトステロールエステルと組み合わせるか、又は、同様に当業者によって一般的に理解されるであろう目的とする最終製品を製造するための他の構成要素を組み合わせることもできる。例えば、消費される食品等の製法において、当該組成物と、1以上の他の食用オイル及び他の食品構成要素と組み合わせることを包含する。
【0038】
特定の実施形態において、製品の総重量に対して、約88〜約98重量%の間の水準;特定の実施形態においては、約90〜約96重量%の間の範囲;特定の実施形態においては、約92〜約94重量%の間の範囲の構造化脂質を含有する組成物を、ここに提供する。フィトステロールエステル構成要素は、組成物の総重量に対して、約2〜約12重量%の間;特定の実施形態においては、約4〜約10重量%の間;特定の実施形態においては、約6〜約8重量%の間の水準で含有することができる。1以上の付加的なオイルも同様に使用できる。
【0039】
典型的なフィトステロールエステル組成物は、米国特許第6117475号、第6139897号及び第6277431号、米国特許出願公開番号2002/0031595及び2002/0045000、並びに、国際公開番号WO01/13733、WO01/32029及びWO01/91587において、見ることができる。フィトステロールエステル及びフィトステロールエステルの微粒子に関する具体的な記述は、米国特許第6087353号及び米国特許出願公開番号2002/0048606において見られる。これら特許及び特許公報は、ここに参照することによって組み込まれる。
【0040】
ここに提供する組成物において使用することができるフィトステロール構成要素は、フィトステロール及び/若しくはフィトスタノール、又は、化合物のこれらのタイプの誘導体を含む。ステロール構成要素は、血清コレステロール及び血清トリグリセリドの水準をより低下させるのみならず、全面的な食事療法の効果を高めることに役立つことが認められている。どんな特定の理論に結び付けずとも、これは、それら個別の化学的な構造の間における類似性によって説明することができる。この説明に基づいて、フィトステロールは、ミセル相からコレステロールを移動させる。それによってコレステロールの吸収を低減し、並びに/又は、コレステロール吸収過程における受容体部位及び/若しくは担体部位と競合する。
【0041】
フィトステロールの意味の範囲に含まれる化合物の実例は、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、デモステロール、ポリフェラステロール、コイオアナステロール(coioanasterol)、及び、天然の若しくは合成された形態又は誘導体を含み、上記のものの異性体を含む。フィトステロールという用語によって分類される化合物であり、飽和又は水素化フィトステロール並びにすべての天然又は合成された形態及び誘導体を含み、上記異性体を含むものも含まれる。これら構成要素は、側鎖を加える等によって修飾することかでき、同様にフィトステロールという用語の範囲に含まれると理解される。
【0042】
フィトステロールは、通常、自然源から、最も典型的には植物オイルの処理から得られる。生成源は、コーン油、小麦の胚種油、大豆抽出物、米抽出物、米ぬか、キャノーラ油、ごま油、クルミ油、他のナッツ油、ピーナツオイル、及び、すべての植物源のオイルを含む。他の生成源は、ウッドステロールと呼ばれる山林業の副生成物のような、トール油ピッチ又は石鹸を含むことができる。
【0043】
フィトステロールエステルは、Forbes Medi−Tech,Incを含む一般の供給元から入手できる。実例としては、Forbes Medi−Tech,Incの登録商標であるREDUCOL(登録商標)の名の下で販売されるフィトステロール製品がある。組成物は、このブランド名の下、コレステロール降下薬として販売されている。典型的なそのような組成物は、14.5%のカンペステロール、2.4%のカンポスタノール、50.9%のベータシトステロール、並びに、18.9%のシトステロールを有する植物ステロール及びスタノールから構成される。REDUCOL(登録商標)製品は、品質の良い結晶質のろう状粉末である。その粒子サイズの特性は、80%を超える粒子が、0.8mmの篩を通過し、98%を越える粒子が、2.0mmの篩を通過する様になっている。PHYTROL(登録商標)というフィトステロール組成物は、無水組成物の重量の合計に基づき、38〜79重量%のシトステロール、4〜25重量%のカンペステロール、6〜18重量%のシトスタノール、及び、0〜14重量%のカンポスタノールを含有している。上記構成要素のうちの少なくとも97重量%が、ステロールエステルの形であり、わずか3重量%が遊離ステロールである。これに関する典型的なステロールエステルは、フィト−S−ステロール−10エステルである。そのようなものは、15℃〜30℃の間の軟化点を有し、大部分が25℃における水に不溶である。そのようなステロールエステルは、40℃より上において液体である。
【0044】
特定の実施形態において、フィトステロール構成要素に含まれるスタノール構造の量は、最小限であり、特定の実施形態において、フィトステロールエステルの総重量に対して、約20、15、10、又は5重量%を超えない。
【0045】
〔組成物の使用〕
ここに提供する組成物は、安定化したSDAを提供するための食品中に調合し、ここでフィトステロールエステルは、コレステロールの総吸収量を低減するために体内に供給される十分な水準のフィトステロールを生成するために使用される。加えて、MCT構造は、リンパ系を通してよりも肝臓系を通してオイルの代謝作用を促進させ、同等の量の他のオイルを調合した製品と比較した場合、これらオイル製品による脂肪組織の堆積の低減を誘引する。当該組成物は、同様に、エネルギー消費及び基質の酸化のための要素を増大することも意図する。加えて、SDAは、特有の健康への利益を提供すると確信する。上述したようにエステル交換された場合、SDAは安定化し、これによって、そのような食品は、エチウムオイル、又は、高オレイン酸のキャノーラ油、MCT及びエチウムオイルの物理的混合物、を使用するものに比べて、より卓越した安定性を有することができる。
【0046】
ここに記載した構造化脂質は、その使用のための好適な透明性、物質的な特性、及び、低いトランス異性体の割合を有する、食用オイル製品のための優秀な組成物を提供する。ここに提供する組成物は、フライパンでソテーしたり焼いたりする機能性と同時に、SDAの存在と直接関係する健康への利益を提供するような、サラダオイルをもたらす健康的なオイルを提供する。特定の実施形態において、ここに提供するSDAを含有する構造化脂質は、焼いた食品、乳製品、スプレッド、マーガリン、スポーツ製品、栄養バー及び調整粉乳、餌、水産養殖、栄養補助食品、並びに、医薬品において使用される。
【0047】
ここに提供する、構造化脂質を主成分とするフィトステロールエステル含有オイル組成物の投与は、管理された食生活に含む場合、有利な水準において行うことができる。1つの実施形態において、1回分の投与量は、1日当たり、体重1キログラム当たり、少なくとも0.4グラムのオイル組成物である。1つの実施形態において、投与量の範囲は、1日当たり、体重1キログラム当たり、約0.8〜1グラムのオイル組成物である。例として管理された食生活において、(カロリーによって概算される)食事における総エネルギー量のうち40%は脂肪に、45%のエネルギーは炭水化物に、15%のエネルギーはたんぱく質に由来する。脂肪源のうち70%を構造化脂質によって提供することができる。
【0048】
以下に続く実施例は、特定の典型的な実施形態を提示し、限定としてではなく実施例として意図される。ここに実施例のそれぞれにおいて、他に示されなくとも、割合は混合物全体の重量%を示す。
【実施例】
【0049】
〔実施例1〜6〕
実施例1〜6のそれぞれにおいて、高オレイン酸のキャノーラ油、中鎖トリグリセリド、及び、エチウムオイルのエステル交換チャージを、以下の表1に明記される割合で、95%純ナトリウムメトキシド粉末0.125重量%と共に、エステル交換反応チャンバに投入した。当該チャンバは、88℃(191°F)にすることを目的として、85℃〜92℃(185°F〜197°F)の温度にした。反応を、真空(約4〜75mmHg又は約18〜22mmHg)下で45分間行った。次いで、反応混合物の総重量%に対して0.59重量%の50%クエン酸を用いて反応混合物を中和し、中和を約20分間続けた。次いで、中和した反応チャージを、0.5重量%のTrisyl S−615及び0.5重量%のろ過助剤と共に、90℃〜94℃(194°F〜201°F)において、約10分間攪拌することによって、石鹸を除去した。石鹸の除去に続き、必要な場合、色付の物体を除去するために、反応混合物を0.5%の漂白粘土及び0.5%のろ過助剤を用いて処理した。次いで、反応混合物を、約4時間、約0.114〜0.870mbarの真空下、214℃〜226℃(417.2°F〜438.8°F)の温度に維持することによって、脱臭処理した。SDAは揮発性であるため、当該脱臭処理の温度は、そのような反応生成物に対する通常の温度よりも低い。
【0050】
【表1】

【0051】
〔実施例7:安定性の検討〕
この実験において、上述の実施例1〜6に記載のように作られた組成物の安定性を実験し、遊離脂肪酸、アニシジン価、過酸化物価、酸化安定性、色度、及びFAMEを分析することによって、i)エチウムオイル、及び、ii)高オレイン酸のキャノーラオイル、MCT、及びエチウムオイルの物理的混合物と比較した。この検討のためのサンプルを、約2ポンドのオイルを収容し、窒素によりガスシールした32ozの高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルを使用して準備した。サンプルを調合する前に、200ppmのターシャリーブチルヒドロキノン(TBHQ)を、物理的混合物及びエステル交換されたオイルに添加した。3種のオイルを、70°F、85°F、及び100°Fの3つの保管温度において載置した。サンプルの取り出しは、2、4、6、8、及び10週目に行った。サンプルを、個々にマーキングしたボトルから取り出し、遊離脂肪酸、アニシジン価、過酸化物価、酸化安定性、色度、及び、脂肪酸メチルエステル(FAME)を含む分析的な解析のために提出した。オイル内のSDAを検出するための魚油方法(AOCS法#Ce1i−07)を使用して、FAMEを実施した。
【0052】
サンプルの過酸化物価を表2に示す。
【0053】
【表2】

【0054】
サンプルの遊離脂肪酸価を表3に示す。
【0055】
【表3】

【0056】
サンプルの酸化安定性指数を表4に示す。
【0057】
【表4】

【0058】
サンプルのアニシジン価を表5に示す。
【0059】
【表5】

【0060】
サンプルの黄色度を表6に示す。
【0061】
【表6】

【0062】
サンプルの赤色度を表7に示す。
【0063】
【表7】

【0064】
サンプルのSDA値を表7に示す。
【0065】
【表8】

【0066】
表2におけるデータから見られるように、物理的混合物及びエステル交換された混合物における過酸化物価は、実験過程を通じて同程度であった。エステル交換されたサンプルは、70°Fにおいて、純エチウムオイル及び物理的混合物より好適に機能した。温度がより高い場合(85°F及び100°F)、エステル交換された混合物の過酸化物価は、実験の終盤に近づくにつれて、物理的混合物より高くなった。しかしながら、過酸化物価の平均は、エステル交換された混合物はより低かった。純エチウムオイルは、3つの温度環境のすべてにおいて、実験過程全体を通じて、過酸化物価が著しく増大した。
【0067】
表3におけるデータから見られるように、10週間の実験過程の間、平均して、物理的混合物と、化学的にエステル交換された混合物との間のFFA価に、顕著な変化は認められなかった。純エチウムオイルは、物理的混合物及び化学的にエステル交換された混合物の両方に比べて、より高いFFA価を有していた。
【0068】
表4におけるデータから見られるように、70°Fにおいて、エステル交換された混合物と比較した場合、物理的混合物サンプルは、最も遅いOSI値の低下を示し、最後には最も高いOSI値を有していた。物理的混合物サンプルは、エステル交換された混合物に比べて、より高いOSI値を有しているが、両方の混合物にとって最適の保管温度の環境は、70°Fと見られる。当該データは、OSIの検討に対して、物理的混合物が、エステル交換された混合物と比較して、良好であることを明示している。物理的混合物及びエステル交換された混合物の両方は、実験過程の間、3つの温度環境のすべてにわたって、純エチウムオイルに比べて、より著しく安定であった。
【0069】
表5におけるデータから見られるように、エステル交換された混合物サンプルは、物理的混合物及び純エチウムオイルのサンプルと比較した場合、顕著により低いアニシジン価を有している。
【0070】
表6におけるデータから見られるように、黄色度は、実験過程の間、着実なペースで増大した。エステル交換された混合物サンプルにおける黄色度は、オイルの処理に起因し得るものであり、物理的混合物より濃くなり始めていた。実験過程の全体を通して、物理的混合物及びエステル交換された混合物と比較して、純エチウムオイルの黄色度はより濃かった。
【0071】
表7におけるデータから見られるように、赤色度は、実験過程の間、着実なペースで増大した。エステル交換された混合物サンプルにおける赤色度は、オイルの処理に起因し得るものであり、物理的混合物より濃くなり始めていた。純エチウムオイルの赤色度は、物理的混合物及び化学的にエステル交換された混合物に比べて、より濃かった。
【0072】
上述のデータから見られるように、物理的混合物及び化学的にエステル交換された混合物の内部に存在するSDAの品質は、10週間の実験過程の全体を通して低下しなかった。エステル交換されたSDAの割合は、計量時のわずかな過剰量によって、物理的混合物に比べて、わずかに低くなった。
【0073】
エチウムオイルにおいて存在するSDAの含有量に対して、エステル交換された混合物(blind)における理論的なSDAの含有量は、3.798%SDAである。実際のエステル交換値は、理論的な値に合致する。
【0074】
〔実施例8:専門の感覚委員会〕
この実験において、オイルサンプルについて、様々な温度環境における物理的混合物及びエステル交換された混合物間の香りの変化を、専門の感覚委員会によって試験した。当該実験において使用した温度は、70°F及び85°Fであった。感覚実験からのデータを、下記の表8及び9に示す。解答者の誰も香りを感知しなければ、そのときの値はゼロとした。
【0075】
【表9】

【0076】
【表10】

【0077】
70゜Fの環境において、エステル交換された混合物と比較した場合、物理的混合物において、豆のような香りは、より強く感知された。85°Fの環境において、エステル交換された混合物における豆のような香りは、物理的混合物と比較して、より高い強さであった。
【0078】
物理的混合物と比較した場合、エステル交換された混合物における草のような香りは、実験過程の全体を通して、平均してより低かった。
【0079】
物理的混合物において、魚のような香りが継続して感知され、エステル交換された混合物と比較して、概ねより強かった。
【0080】
70°Fの環境のサンプルにおいて、解答者は、物理的混合物内に、エステル交換された混合物と比較して、より強い鼻を突くような香りを感知した。
【0081】
解答者が感知した木の実のような香りは、物理的混合物に比べて、化学的にエステル交換された混合物においてより多く存在した。
【0082】
解答者が感知した果実のような香りは、物理的混合物に比べて、化学的にエステル交換された混合物においてより多く存在した。
【0083】
解答者が観察した土のような香りは、物理的混合物及び化学的にエステル交換された混合物において類似していた。
【0084】
物理的混合物は、化学的にエステル交換された混合物に比べて、より強いゴムのような香りを有していた。
【0085】
物理的混合物は、化学的にエステル交換された混合物に比べて、より強い絵の具のような香りを有していた。
【0086】
当該データは、物理的に混同したオイルと比較して、エステル交換されたオイルは、特に魚のような香り、鼻を突くような香り、及び、絵の具のような香りに関して、時間が経っても、様々な良くない香りに発展しそうにない。多くの場合に魚のような又は鼻を突くような香りと記載される物理的な混合物と比較した場合、エステル交換されたサンプルは、極めて清涼感があり、心地よい傾向であることを解答者らは感知した。
【0087】
〔実施例9:マリネにおける使用〕
この実験において、エステル交換されたオイルサンプルを、以下に続く処方を使用してマリネを作るのに使用した。各オイルを用いた各マリネを試験するために、各分量を2つ作製した。
【0088】
ホワイトワインマリネ
1+1/2カップの白ワイン
1/4カップのオイル
スライスした1個の玉葱(小)
4分割して絞った1個のレモン
大さじ1の乾燥タラゴン
小さじ1の黒胡椒
ライム及びチリマリネ
1カップのライムジュース
1+1/2のハラペーニョ
4かけのニンニク
スライスした1個の玉葱(大)
小さじ1の赤唐辛子
1/4カップのオイル
細長い紐状に切断した約16オンスの鶏ムネ肉を、エステル交換されたオイルを用いて作製したホワイトワインマリネ、及び、エクストラバージンオリーブオイルを用いて作製したホワイトワインマリネに添加した。両方の鶏肉とマリネとの混合物を、冷蔵庫において一晩保管した。
【0089】
同一の電気フライパンを300°Fまで加熱した。それぞれのオイル大さじ1を、それぞれのフライパンに添加した。鶏肉の切断片を当該フライパンに加え、よく焼けるまで調理した。鶏肉の切断片は取り出し、分析のために200gのサンプルを収集した。
【0090】
細長い紐状に切断した約12オンスのわき腹のステーキ肉を、エステル交換されたオイルを用いて作製したライム及びチリマリネ、並びに、エクストラバージンオリーブオイルを用いて作製したライム及びチリマリネに添加した。両方のステーキとマリネとの混合物を、冷蔵庫において一晩保管した。
【0091】
同一の電気フライパンを、375°Fまで加熱した。それぞれのオイル大さじ1を、それぞれのフライパンに添加した。わき腹のステーキ肉の切断片を当該フライパンに加え、よく焼けるまで調理した。ステーキの切断片を取り出し、分析のために200gのサンプルを収集した。
【0092】
エステル交換されたオイルのサンプルを、コントロール(大豆油)と比較した。エステル交換されたオイルのサンプルからは、良くない香りは感知されなかった。エステル交換されたオイルのサンプルは、構造化脂質内のMCTの存在に概ね起因する、かすかな煙が生じた。
【0093】
〔実施例10:ベーキングへの使用〕
この実験において、Duncan Hines(登録商標)からのYellow Cake Mixを使用してケーキを焼くため、及び、Duncan Hines(登録商標)からのBrownie Mixを使用してブラウニーを焼くために、エステル交換されたオイルのサンプル及び植物オイルを使用した。
【0094】
試験したオイル及び植物オイルにおいて、極めて類似した結果が得られた。
【0095】
〔実施例11:炒め物への使用〕
この実験において、エステル交換されたオイルのサンプルを、炒め物に使用した。約1/4カップのオイルを、電気フライパンに添加し、約325°Fまで加熱した。植物オイルをコントロールとして使用した。1/2インチの賽の目切りにした約150gの鶏肉、及び、300gの炒め用野菜をフライパンに添加し、約4分間かき混ぜた。
【0096】
実施例9〜11において、使用した上記オイルのサンプルにおけるステアリドン酸の量及び食品中に移行したステアリドン酸の量を、所定の分析方法を使用して分析した。以下の表10に、実験した各食品におけるステアリドン酸の量を示す。
【0097】
【表11】

【0098】
〔実施例11:脱臭温度の検討〕
実施例4に記載された割合で、エステル交換されたオイルを作製した。反応混合物を、2つの分量に分割した。1つの分量を、約4時間、0.495〜0.76mbarの真空下、214℃〜226℃(417.2°F〜438.8°F)の温度において、脱臭処理した。もう1つの分量を、約4時間、0.495〜0.76の真空下、226.2℃〜232.2℃の温度において、脱臭処理した。
【0099】
脱臭処理の前及び後におけるSDAの割合を、以下の表11に示す。
【0100】
【表12】

【0101】
データから見られるように、サンプルにおいて、脱臭温度が低いほど、より高いSDAが保持された。
【0102】
上記で主張した主題の実施形態の記載は、単に例示を意図しており、当業者に理解されるか、又は、当業者がわずかな所定の実験をすることによって、特定の化合物、材料及び処置のための多数の均等物が明らかになる。そのような均等物のすべては、主張した主題の範囲内であり、かつ添付の特許請求の範囲に包含されるとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
6〜12個の炭素原子を有する中鎖脂肪酸、少なくとも16個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸、及び、ステアリドン酸を含有することを特徴とする、エステル交換された構造化脂質。
【請求項2】
請求項1に記載のエステル交換された構造化脂質と、フィトステロールエステル及び追加の食用オイルから選択される1つ以上の構成要素と、を含有することを特徴とするオイル組成物。
【請求項3】
上記構造化脂質は、上記オイル組成物の総重量に対して、少なくとも約88重量%の上記オイル組成物を含有することを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
上記構造化脂質は、上記オイル組成物の総重量に対して、少なくとも約92重量%の上記オイル組成物を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の組成物。
【請求項5】
一定量のフィトステロールエステルをさらに含有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
1つ以上の追加の食用オイルをさらに含有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
エステル交換された構造化脂質の構成要素と、フィトステロールエステル及び追加の食用オイルから選択される1つ以上の構成要素とを含有し;
上記構造化脂質の構成要素は、エステル交換の反応物質チャージの反応生成物であり、上記反応物質チャージは(i)C6〜C12の長さの脂肪酸鎖を有する一定量の中鎖トリグリセリド、(ii)少なくともC16の長さの脂肪酸鎖を有する一定量の長鎖の家庭用オイル、及び、(iii)一定量のステアリドン酸の供給源、を含有することを特徴とするオイル組成物。
【請求項8】
上記ステアリドン酸の供給源は、エチウムオイルであることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
上記エステル交換の反応物質チャージにおけるエチウムオイルの量が、約20〜40重量%であることを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
上記エステル交換の反応物質チャージにおけるエチウムオイルの量が、約30重量%であることを特徴とする請求項8又は9に記載の組成物。
【請求項11】
上記中鎖トリグリセリドが、トリカプリルグリセリド、トリカプリン酸グリセリド、及び、それらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
上記長鎖の家庭用オイルは、大豆油、コーン油、綿実油、キャノーラ油、オリーブオイル、ピーナツオイル、紅花油、ヒマワリオイル、穀類植物から得られるオイル、及び、それらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
上記中鎖トリグリセリドの量は、上記エステル交換の反応物質チャージの約30〜40重量%であることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
上記家庭用オイルの量は、上記エステル交換の反応物質チャージの約30〜40重量%であること特徴とする請求項7〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
上記エステル交換の反応物質チャージにおける、上記中鎖トリグリセリドの量は、約35重量%であり、上記家庭用オイルの量は、約35重量%であることを特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
エステル交換された構造化脂質を製造する方法であって、
C6〜C12の間の長さの炭素鎖を有する一定量の中鎖トリグリセリド、C16〜C22の間の長さの炭素鎖を有する一定量の家庭用オイル、及び、一定量のステアリドン酸の供給源、を含有する反応物質チャージを生成する工程と、
上記反応物質チャージをエステル交換することによって、エステル交換された構造化脂質を形成する工程を包含することを特徴するエステル交換された構造化脂質を製造する方法。
【請求項17】
上記エステル交換を、化学触媒によって促進させることを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
上記触媒は、ナトリウムメトキシドであることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
脱臭工程をさらに包含することを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
上記脱臭工程を、約214〜226℃において実施することを特徴とする請求項19に記載の製造方法。

【公表番号】特表2013−519394(P2013−519394A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553983(P2012−553983)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2011/025032
【国際公開番号】WO2011/103151
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512213929)バンジ オイルズ,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】BUNGE OILS,INC.
【住所又は居所原語表記】11720 BORMAN DRIVE,ST.LOUIS,MISSOURI 63146,UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】