説明

スティックを回転させることで様々な像を表すことができるスティック装飾具

【課題】簡単に帯状部材を固定することが可能なスティック装飾具を提供する。
【解決手段】スティック2の端部に固定具18を用いて固定される円形の第1固定部材3、およびスティック2が挿通される貫通孔を有しスティック2に移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材4は、円形の第1ベース部材および第2ベース部材からなる。第1ベース部材には、複数のリブおよび複数の突起が設けられ、第2ベース部材にはリブと勘合する凹部、および突起と勘合する孔が設けられる。複数の曲げ可能な帯状部材5の両端を第1ベース部材に設けられた突起に嵌合し、隣り合うリブの間に配置する。第1及び第2ベース部材は帯状部材5を挟み込むようにして、リブと凹部、および突起と孔を勘合させて固定することで、帯状部材5の両端を第1および第2固定部材3,4に固定する。スティック装飾具1はスティック2を回転させることで帯状部材5が回転し様々な形状を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊園地、催し物会場等の人が集まる場所で、子供達の目を引く装飾具に関するものであり、より詳細には、手などでスティックを回転させて残像効果によって様々な像を表すことのできるスティック装飾具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手等の回転操作などにより、ファンタステックな画像、映像を出すような装飾具や玩具は種々提案されている。例えば、手で動かすことによって、文字、記号や図形が空中に現れるよう見える空中残像顕出式団扇(特許文献1参照)等があるが、このような玩具の1つとしてスティックを回転させて残像効果によって様々な像を表すことができるスティック玩具等がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用第3081811号公報
【特許文献2】実用第3116440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記スティック玩具は、スティックと、前記スティックの先端部に固定される第1の結束部材と、中心部に孔を有し、前記孔にスティックが挿通された状態で、前記スティック軸に対して移動可能に取り付けられる第2の結束部材と、第1の結束部材と第2の結束部材との間に配せられる屈曲可能で腰のある複数の帯状部材であって、両端部が両結束部材に取り付けられている複数の帯状部材とからなっている。
【0005】
前記帯状部材の結束部材への取り付け方法について説明すると、結束部材は2枚の円形の板状の円盤片から構成され、2枚の円盤片が貼り合わされており、この時に、前記帯状部材の端部は張り合わせ面の間に挿入され固定されている。
【0006】
このような従来の方法は、単に2枚の円盤片で帯状部材の端部を挟みこむ方法であり、これだと、帯状部材を固定する際に複数の帯状部材を等間隔で配置する位置決めするのが難しく、製品の精度にも問題が生じ、さらに、手間がかかりコストの点でも問題があった。
【0007】
そこで本発明は、従来技術の前記した問題点に鑑みて、より簡単に帯状部材を固定することが可能なスティック装飾具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のスティック装飾具は、スティックと、前記スティックの端部に固定される円形の第1固定部材と、前記スティックが挿通される貫通孔を有し、前記スティックに移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材と、一端が第1固定部材に固定され、他端が第2固定部材に固定された曲げ可能な複数の帯状部材とからなり、前記スティックを回転させることで帯状部材が回転し様々な形状を表すスティック装飾具であって、前記第1固定部材および前記第2固定部材は、円形の第1ベース部材および第2ベース部材からなり、前記第1ベース部材には、外周から中心に向って所定の長さに形成され、互いに等間隔で放射状に形成された複数のリブ、および、前記リブよりも中心側に同心円状に互いに等間隔で形成された複数の突起が設けられ、前記第2ベース部材には、前記第1ベース部材に設けられた前記リブと勘合する凹部および前記突起と勘合する孔が設けられ、前記第1ベース部材および第2ベース部材の中心には前記スティックが挿通される貫通孔が設けられ、前記帯状部材は、長手方向に等間隔で設けられた複数のスリットにより分離され、両端が一体となった複数の帯から構成され、両端に前記第1及び第2固定部材の第1及び第2ベース部材に設けられた前記突起と嵌合する孔が設けられ、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材の第1ベース部材に設けられた前記突起に嵌合し、前記帯状部材の帯を隣り合うリブの間に配置し、前記第1及び第2ベース部材を、前記帯状部材を挟み込むようにして、前記リブと前記凹部、および前記突起と前記孔を勘合させて固定することで、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材に固定し、前記第2固定部材の貫通孔に上記スティックを挿入し、前記第1固定部材の貫通孔に挿入して固定している固定具を用いて、前記第1固定部材を前記スティックの端部に固定していることを特徴とする。
【0009】
前記帯状部材の両端の孔をそれぞれ複数設け、前記第1ベース部材の突起を半径方向に複数列設け、前記第2ベース部材の孔を半径方向に複数列設ける。
【0010】
前記スティックに、前記第2固定部材の移動を制限するつばを設ける。あるいは、前記スティックを分割するジョイントを設ける。
【0011】
前記スティックの端部にスタンドを取り付けることも可能である。
【0012】
可動部材を前記固定具に上下動および回転可能に係合させてもよい。
【0013】
また、本発明のスティック装飾具は、スティックと、前記スティックの端部に固定される円形の第1固定部材と、前記スティックが挿通される貫通孔を有し、前記スティックに移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材と、一端が第1固定部材に固定され、他端が第2固定部材に固定された曲げ可能な複数の帯状部材とからなるスティック装飾具であって、前記第1固定部材および前記第2固定部材は、円形の第1ベース部材および第2ベース部材からなり、前記第1ベース部材には、外周から中心に向って所定の長さに形成され、互いに等間隔で放射状に形成された複数のリブ、および、前記リブよりも中心側に同心円状に互いに等間隔で形成された複数の突起が設けられ、前記第2ベース部材には、前記第1ベース部材に設けられた前記リブと勘合する凹部および前記突起と勘合する孔が設けられ、前記第1ベース部材および第2ベース部材の中心には前記スティックが挿通される貫通孔が設けられ、前記帯状部材は、長手方向に等間隔で設けられた複数のスリットにより分離され、両端が一体となった複数の帯から構成され、両端に前記第1及び第2固定部材の第1及び第2ベース部材に設けられた前記突起と嵌合する孔が設けられ、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材の第1ベース部材に設けられた前記突起に嵌合し、前記帯状部材の帯を隣り合うリブの間に配置し、前記第1及び第2ベース部材を、前記帯状部材を挟み込むようにして、前記リブと前記凹部、および前記突起と前記孔を勘合させて固定することで、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材に固定し、前記第1固定部材の貫通孔および前記第2固定部材の貫通孔に上記スティックを挿入し、前記第固定部材および前記第2固定部材が前記スティックに対して移動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のスティック装飾具は、スティックと、前記スティックの端部に固定される円形の第1固定部材と、前記スティックが挿通される貫通孔を有し、前記スティックに移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材と、一端が第1固定部材に固定され、他端が第2固定部材に固定された曲げ可能な複数の帯状部材とからなり、前記第1固定部材および前記第2固定部材は、円形の第1ベース部材および第2ベース部材からなり、前記第1ベース部材には、外周から中心に向って所定の長さに形成され、互いに等間隔で放射状に形成された複数のリブ、および、前記リブよりも中心側に同心円状に互いに等間隔で形成された複数の突起が設けられ、前記第2ベース部材には、前記第1ベース部材に設けられた前記リブと勘合する凹部および前記突起と勘合する孔が設けられ、前記第1ベース部材および第2ベース部材の中心には前記スティックが挿通される貫通孔が設けられ、前記帯状部材は、長手方向に等間隔で設けられた複数のスリットにより分離され、両端が一体となった複数の帯から構成され、両端に前記第1及び第2固定部材の第1及び第2ベース部材に設けられた前記突起と嵌合する孔が設けられ、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材の第1ベース部材に設けられた前記突起に嵌合し、前記帯状部材の帯を隣り合うリブの間に配置し、前記第1及び第2ベース部材を、前記帯状部材を挟み込むようにして、前記リブと前記凹部、および前記突起と前記孔を勘合させて固定することで、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材に固定することにより、帯状部材を等間隔で、簡単にそして正確に固定部材に固定することができるので、精度の高いスティック装飾具を簡単に製造することが可能となる。
【0015】
前記帯状部材の両端の孔をそれぞれ複数設け、前記第1ベース部材の突起を半径方向に複数列設け、前記第2ベース部材の孔を半径方向に複数列設けることにより、前記突起に帯状部材の孔を嵌めることで、簡単に帯状部材の向きを整えることができ、誰でもが正確にそして簡単に帯状部材を取り付けることができるようになる。
【0016】
前記スティックに、前記第2固定部材の移動を制限するつばを設けることにより、静止している状態でも、帯状部材が伸びきった状態となるのを防ぐことができるので、長期間の使用でも初期の状態を保つことが可能となる。
【0017】
前記スティックを分割するジョイントを設けることにより、ジョイントでスティックを分割すると、第2固定部材をスティックから簡単に取り外すことができるので、帯状部材が絡まった場合でも簡単に元の状態に戻すことができるようになる。
【0018】
前記スティックの端部にスタンドを取り付けることにより、スティック装飾具を使用しない時に立てて置いておくことが可能となる。
【0019】
可動部材を前記固定具に上下動および回転可能に係合させることで、スティックの先端から可動部材が突出したり、回転することでさらなる動きが加わり使用者を楽しませることができる。
【0020】
また、本発明のスティック装飾具は、スティックと、前記スティックの端部に固定される円形の第1固定部材と、前記スティックが挿通される貫通孔を有し、前記スティックに移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材と、一端が第1固定部材に固定され、他端が第2固定部材に固定された曲げ可能な複数の帯状部材とからなるスティック装飾具であって、前記第1固定部材および前記第2固定部材は、円形の第1ベース部材および第2ベース部材からなり、前記第1ベース部材には、外周から中心に向って所定の長さに形成され、互いに等間隔で放射状に形成された複数のリブ、および、前記リブよりも中心側に同心円状に互いに等間隔で形成された複数の突起が設けられ、前記第2ベース部材には、前記第1ベース部材に設けられた前記リブと勘合する凹部および前記突起と勘合する孔が設けられ、前記第1ベース部材および第2ベース部材の中心には前記スティックが挿通される貫通孔が設けられ、前記帯状部材は、長手方向に等間隔で設けられた複数のスリットにより分離され、両端が一体となった複数の帯から構成され、両端に前記第1及び第2固定部材の第1及び第2ベース部材に設けられた前記突起と嵌合する孔が設けられ、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材の第1ベース部材に設けられた前記突起に嵌合し、前記帯状部材の帯を隣り合うリブの間に配置し、前記第1及び第2ベース部材を、前記帯状部材を挟み込むようにして、前記リブと前記凹部、および前記突起と前記孔を勘合させて固定することで、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材に固定し、前記第1固定部材の貫通孔および前記第2固定部材の貫通孔に上記スティックを挿入し、前記第固定部材および前記第2固定部材が前記スティックに対して移動可能に取り付けられていることにより、第1および第2固定部材が共に動くことで新たな動きを見せることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のスティック装飾具の斜視図である。
【図2】第1,2固定具の斜視図であり、(a)は第1ベース部材と第2ベース部材を重ね合わせた状態を示し、(b)は第1ベース部材と第2ベース部材をばらした状態を示す。
【図3】帯状部材の平面図である。
【図4】第1ベース部材に帯状部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図5】固定具の斜視図である。
【図6】第1,2固定部材で帯状部材を固定した状態を示す斜視図である。
【図7】帯状部材を固定した第1,2固定部材にスティックを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図8】固定具にマスコットを取り付けた第1固定部材の斜視図である。
【図9】鈴を取り付けた状態の第1固定部材の斜視図である。
【図10】本発明のスティック装飾具により表出される暫時像の例を示す図である。
【図11】第2の実施形態のスティック装飾具のスティックの斜視図である。
【図12】第2の実施形態のスティック装飾具の斜視図である。
【図13】ジョイントを設けたスティックを分割した状態の斜視図である。
【図14】第3の実施形態のスティック装飾具のスティックの斜視図である。
【図15】第4の実施形態のスティック装飾具のスティックの斜視図である。
【図16】可動部の拡大斜視図でああり、(a)が可動部が下に移動した状態、(b)が可動部が上に移動した状態を示す。
【図17】第5の実施形態のスティック装飾具のスティックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図を用いて本発明のスティック装飾具について詳しく説明する。図1が第1の実施形態のスティック装飾具1の斜視図である。
【0023】
第1の実施形態のスティック装飾具1は、スティック2と、前記スティック2の端部に固定される円形の第1固定部材3と、前記スティック2に移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材4と、一端が第1固定部材3に固定され、他端が第2固定部材4に固定された曲げ可能な複数の帯状部材5とからなり、スティックを回転させたり、あるいは前記第2固定部材4を上下に移動させることで、帯状部材5が変形し、様々な像を表すことができる。
【0024】
前記第1固定部材3および前記第2固定部材4は、図2(a)に示すように、それぞれ同じ大きさの円形の第1ベース部材6および第2ベース部材7を重ね合わせたものであり、第1ベース部材6および第2ベース部材7を重ね合わせる際に、前記帯状部材5の両端を挟み込んで固定するものである。図2(b)に示すように、前記第1ベース部材6には、外周から中心に向って所定の長さに形成され、互いに等間隔で放射状に形成された複数のリブ8、および、前記リブ8よりも中心側に同心円状でかつ放射状に2列で、互いに等間隔で形成された複数の突起9が設けられ、中心には前記スティックが挿通される貫通孔10が設けられている。本実施形態では、前記リブ8は等間隔で24個設けており、前記突起9は同心円状に8個を半径方向に2列、合計16個設けている。前記リブ8は平面形状が略三角形に形成され、隣接するリブ8の間に前記帯状部材5が配置されるので、前記帯状部材5の幅よりも間隔が広くなるようにしている。
【0025】
前記第2ベース部材7には、図2(b)に示すように、前記第1ベース部材6に設けられた前記リブ8と勘合する凹部12および前記突起9と勘合する孔11が、前記第1ベース部材6と前記第2ベース部材7を重ね合わせた際に、前記リブ8と前記突起9と対向する位置に設けられ、前記第1ベース部材6と同じように中心には前記スティックが挿通される貫通孔13が設けられている。前記貫通孔13の大きさは、スティック2が挿通された状態で前記第2固定部材4が移動可能とするために、スティック2の直径よりも少し大きくする必要がある。そして、前記孔11は底を設けてもよく、貫通させてもよい。本実施形態では、前記第1ベース部材6に合わせて、前記凹部12は等間隔で24個設けており、前記孔11は同心円状に8個、半径方向に2列、合計16個設けている。前記第1ベース部材6および前記第2ベース部材7は、プラスチックの一体成形で形成されている。材質等については特にこれに限定するものではない。
【0026】
前記帯状部材5は厚さ10〜120μmであり、材質としては、フィルム、あるいは紙、プラスチック等、適度な弾性力を有する材質を用いており、表面にホログラム加工、ミラー加工、蓄光加工、蛍光加工を施したり、様々色を組み合わせたりすることで、像を表す際により綺麗な視覚効果を与えることができる。前記帯状部材5は本実施形態では、図3に示すように、長手方向に等間隔で設けられた2つのスリット14により中間部分が3つの帯15に分離され、前記帯15の両端は一体となっている。さらに、前記帯状部材5の両端部には、前記第1ベース部材6に設けられた突起9に勘合する孔17をそれぞれ2個設けている。そして、前記帯状部材5の前記スリット14の両端付近の両側面に、切込み16を設けて、3つの帯15に分離し易くしている。前記スリット14および切込み16はトムソン抜きを用いて形成することができる。トムソン抜きを用いることで、より正確な寸法の帯15を形成することができる。前記孔17の数は、2個に限定するものではなく、1個でもよく、2個以上とすることもできる。前記孔17の数に合わせて、突起9および孔11の列数も変えることが可能である。
【0027】
本実施形態ではスリット14の数を2としているが、特にこれに限定するものではなく、また、スリットを設けない場合も可能である。上述のような帯状部材5を、本実施形態では8本用い、帯15が24本となる。前記帯15の本数や幅によって、視覚効果も変わってくるが、本数が少なければ像が綺麗に表現できず、多すぎるともつれやすくなるので、適切に選択する必要がある。
【0028】
前記スティック2は、手で回しやすくするために、直径3mm〜6mmの円形の断面を有しており、プラスチック等の材質で形成する。また、前記スティック2を手で回すだけでなく、モーター等の別途の動力を用いて回したり上下動させるようにすることも可能である。
【0029】
本発明の特徴である、前記帯状部材5の固定方法について説明する。図4に示すように、前記帯状部材5の端部に設けられた2つの孔17を前記第1ベース部材6の2列に配置された突起9に嵌め込んで固定し、3つの帯15を広げてそれぞれを前記リブ8の間に配置させる。このようにして8本の帯状部材5を第1ベース部材6に固定し、24本の帯15をリブ8の間に1本ずつ配置する。全ての帯状部材5が固定でき、適切に帯15が配置できたら、第2ベース部材7を前記第1ベース部材6に、リブ8と凹部12、突起9と孔11が勘合するように重ね合わせる。この時、接着剤あるいは、超音波溶着を用いて固定する。同じ作業を前記帯状部材5の反対側の端部でも行うことで、前記帯状部材5の両端が図6に示すように、第1固定部材3と第2固定部材4に固定される。
【0030】
この時、一つの前記第1ベース部材6と前記第2ベース部材7の組み合わせには、前記貫通孔10,13に図5に示すような固定具18を挿入しておき、前記第1ベース部材6と前記第2ベース部材7と共に固定しておく。このようにして、前記固定部材18が取り付けられた前記第1ベース部材6と前記第2ベース部材7の組み合わせが第1固定部材3となり、中央に貫通孔10,13が残っている前記第1ベース部材6と前記第2ベース部材7の組み合わせが第2固定部材4となる。
【0031】
このように、本発明のスティック装飾具1では、突起9を用いて帯状部材5を固定することで、帯状部材5の長手方向の位置決めが簡単にかつ正確に行うことができる。また、リブ8を設けることで、帯状部材5の帯15を正確に等間隔で配置することができる。また、1つの帯状部材5を固定することで複数の帯15を同時に固定できるので、作業時間の短縮も可能である。そして、突起9を2列に配置することで、帯状部材5の向きは固定されるので、位置決めもより簡単となる。このように、従来であれば、位置決めが難しく時間を要していた帯状部材の固定作業が、簡単に、そして正確に行うことができるようになり、精度の高い製品を低コストで提供することができる。
【0032】
続いて、帯状部材5が固定された第1固定部材3および第2固定部材4にスティック2への取り付けについて説明する。前記第2固定部材4の貫通孔10,13に、図7に示すように、下側から前記スティック2を挿入し、上記スティック2の先端を、前記1固定部材3の固定具18に設けられた孔に挿入し、前記固定具18と勘合させて固定する。これにより、前記第1固定部材3はスティック2の先端で固定され、前記第2固定部材4は、貫通孔10,13によって、上下動あるいは回転可能な状態となる。
【0033】
このようにして、第1固定部材3および第2固定部材4をスティック2に取り付けた後、スティック3の下端に安全キャップ19を取り付けると、図1に示すような状態となり、本発明のスティック装飾具1が完成する。スティック装飾具1をさらに楽しいものとするために、例えば、図9に示すように、鈴20を第1固定部材3に取り付けて使用時に音が出るようにして視覚だけでなく聴覚でも楽しめるようにできる。あるいは、図8に示すように、固定具18の上部に様々なキャラクターのマスコット21を上記固定具18に設けた突起に取り付けたり、さらにLEDを使用してスティック2の上下どちらかの端部から光を出すことも可能である。
【0034】
次に、本発明のスティック装飾具1の使用方法について説明する。スティック2を手で回転させると、回転速度に応じて、帯15が変形して、図10(a)に示すような、球体の像が表れる。図10(a)では楕円形の像が表れているが、回転速度をさらに上げると第2固定部材4がスティック2に沿って上方へと移動し、像は薄い円盤状に変化する。また、回転速度を下げると、今度は第2固定部材4が下方へと移動し、縦長の楕円へと変化する。
【0035】
さらに、スティック2の回転を素早く、繰り返して逆回転させると、第1固定部材3はスティック2に固定されているのでスティック2と同じ方向に回転するが、第2固定部材4は固定されていないので、第1固定部材3と逆回転をしている状態が生じて、前記帯15が途中で捻れて、図10(b)に示すような、ひょうたんあるいはだるまのような2つの楕円あるいは円を組み合わせた像が表れる。
【0036】
その他にも、スティック2を上下動さる、あるいは、回転させながら上下動を行うといった、様々な方法を用いることで、くらげや、ワイングラス、ぼんぼり、チューリップといった様々な像を生じさせることが可能であり、工夫次第では、さらなる表現が可能である。また、オルゴールに取り付けてオルゴールのメロディーに合わせてゆっくりと回転する構造とすることも可能である。
【0037】
本発明のスティック装飾具1は、様々な用途で用いることができる。装飾具としてディスプレイ等に様々形状に変化させた状態で用いることもできるし、玩具として、像が変化するのを楽しむこともできる。
【0038】
本発明のスティック装飾具は、叙述のように、従来よりも簡単にそして正確に組み立てることができるので、従来よりも低コストで高品質の製品を提供することが可能となる。
【0039】
次に、第2の実施形態のスティック装飾具1’について説明する。第2の実施形態のスティック装飾具1’は、第1の実施形態のスティック装飾具1のスティック2に、図11に示すように、つば22を設けたものである。その他の構造については第1の実施形態と同じであるので、詳細については省略する。
【0040】
前記つば22は、スティック2’の所定の位置に固定されており、本実施形態ではその形状を円盤状としている。前記つば22は第2固定部材4の移動を制限するものであり、前記つば22をスティック2’に設けると、前記第2固定部材4はつば22よりも下方には移動できなくなる。つば22の形状や大きさについては特に限定するものではなく、第2固定部材4の移動を制限できれば良い。また、固定方法についても、スティック2’とつば22を一体形成することも可能であり、ねじによってつば22を取り外し可能に固定することもできる。
【0041】
つば22を設けていない第1の実施形態のスティック装飾具1は、静止状態では、図1に示すように、帯状部材5が、帯状部材5の自重と第2固定部材4の重さによって伸びた状態となる。この時、帯状部材5の弾性力によってスティック装飾具1は縦長の球形状態を保っているが、この状態が長期間続くと帯状部材5の弾性力が弱まり、弾性部材5が固定部材3,4との固定場所で折れ曲がる可能性があり、また、使用時に綺麗な像を描くことができなくなる恐れがある。
【0042】
しかしながら、第2の実施形態のスティック装飾具1’では、前記つば22によって第2固定部材4の移動を制限することで、図12に示すように、静止状態での第2固定部材4を、第1の実施形態のスティック装飾具1の固定部材4の位置よりも、高い位置で停止させることができる。これにより、静止状態では第2固定部材4の重さは帯状部材5に加えられなくなり、図12に示すように、図1よりも円形に近い状態を保つことができる。よって、静止状態での帯状部材5への負担が無くなり、長期間使用しても帯状部材の変形を抑制することができるようになる。このような効果をもたらすためには、つば22を固定する位置は、図1に示すようなつば22が無い場合に、静止状態での第2固定部材4が停止する位置よりも高い位置とする必要がある。
【0043】
さらに、使い勝手を向上させるために、図13に示すように、スティック2’にジョイント26を設けて、上段のスティック23と下段のスティック24に分割可能な構造とすることもできる。このようにスティック2’を分割可能とすると、帯状部材5が絡まったときでも、スティック2’を分割し、第2固定部材4をスティック2’から取り外して帯状部材5を元の状態に戻し、再び組み立てることで、簡単に帯状部材5の絡まりを解消できるようになる。
【0044】
本実施形態では、下段のスティック24につば25を設け、つば25の部分でジョイント26を固定する構造としている。ジョイント26にはねじを用い、つば25にねじ穴を設けることで、簡単に取り外し可能なジョイントとすることもできる。ジョイントの形態については限定するものではなく、また、本実施形態のようなつばを設けないスティックでもジョイントを設けることができる。例えば、第1の実施形態のスティック2をジョイントで2分割可能な構造とすることも可能である。さらに分割数も2分割に限定するものではなく、3分割、4分割とすることも可能である。
【0045】
このように、スティックにジョイントを設けることは、単に、使い勝手が向上するだけでなく、スティックを分割した状態で販売あるいは持ち運びができるようになり、販売する際の大きさを従来よりも小さくすることができるので、パッケージにかかるコストを削減することができ、また、持ち運びも容易になるという効果がある。
【0046】
次に、第3の実施形態のスティック装飾具1’’について説明する。第3の実施形態のスティック装飾具1’’は、第1の実施形態のスティック装飾具1のスティック2の端部に、図14に示すように、スタンド27を設けたものである。その他の構造については第1の実施形態と同じであるので、詳細については省略する。
【0047】
前記スタンド27はスティック2の下端に固定されている。そして、前記スタンド27は、裾広がりの形状であり前記スティック装飾具1’’を立てて置くことが可能な大きさとなっており、これにより、図14に示すような状態で、使用しない時に装飾具として棚等に飾っておくことができる。スタンド27の形状は特に限定するものではなく、その他にも立方体や円筒形等、様々な形状が可能であり、スティック装飾具1’’を立てることができるものであればよい。
【0048】
また、スティック2に前記固定具18を用いてスタンド27を取り付けることも可能であり、その場合、図14とは上下逆さまな状態で、前記スティック装飾具1’’を立てることができ、さらに、スティック2の両端にスタンド27を設けることもできる。
【0049】
次に、第4の実施形態のスティック装飾具1’’’について説明する。第4の実施形態のスティック装飾具1’’’は、第1の実施形態のスティック装飾具1の固定具18に可動部材28を上下動および回転可能に係合させたものである。その他の構造については第1の実施形態と同じであるので、詳細については省略する。
【0050】
本実施形態のスティック装飾具1’’’は、図15に示すように、スティック2と、前記スティック2に移動可能に取り付けられる円形の第1固定部材3と、前記スティック2に移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材4と、一端が第1固定部材3に固定され、他端が第2固定部材4に固定された曲げ可能な複数の帯状部材5とからなり、固定具18’を用いて前記第1固定部材3をスティック2に固定し、前記スティック2の先端に可動部材28を取り付ける。
【0051】
図16に示すように、前記可動部材28は、前記第1ベース部材6と前記第2ベース部材7をスティック2に固定するのに用いらている固定具18’に、上下動および回転可能に係合されている。前記固定具18’は、円筒形で前記スティック2の端部に固定される第1固定具29と、前記第1固定部材3が固定される円筒形の第2固定具30とから構成される。
【0052】
前記第2固定具30は、前記第ベース部材6と前記第2ベース部材7の貫通孔10,13に挿入して、前記第ベース部材6と前記第2ベース部材7を固定し、一部が前記第1固定具29に挿入されて接着剤等を用いて前記第1固定具29に固定される
【0053】
前記可動部材28は先端に球形のふくらみが設けられた棒状の芯部31と、前記芯部31の先端に固定される台部32とから構成され、前記芯部31が第1固定具29および第2固定具30に挿入されている。前記芯部31は、前記第2固定具30を前記第1固定具29に固定する前に、前記第2固定具30に挿入しておき、先端のふくらみが前記第1固定具29内に位置するように、前記第2固定具30を前記第1固定具29に固定する。その後、前記芯部31と前記台部32を接着剤等で固定する。
【0054】
これにより、前記可動部材28は、前記芯部の先端に設けられた球形のふくらみがストッパーとなり、前記第2固定具30から抜けないように前記固定具18’に保持される。さらに、芯部31の先端のふくらみは前記第1固定具29内を上下動可能となっているので、前記可動部材28は前記固定具18’によって、上下動および回転可能に保持されており、図16(a),(b)に示すように、可動部材28は上下に移動する。
【0055】
このような可動部材28は、スティック装飾具1’’’を回転させながら上下動させると、回転あるいは上下動する。これにより、前記台部32に様々なキャラクターのマスコットを取り付けておくと、マスコットが動くことでさらなる視覚効果を高めることができる。また、下向きでスティック装飾具1’’’を回転および上下動させることで、可動部材28にさらなる動きを与えることもできる。
【0056】
さらに、第5の実施形態のスティック装飾具1’’’’について説明する。第5の実施形態のスティック装飾具1’’’’は、第1の実施形態の第1固定部材3を、第2固定部材4と同じくスティック2に移動可能に取り付けたものである。その他の構造については第1の実施形態と同じであるので、詳細については省略する。
【0057】
本実施形態のスティック装飾具1’’’’は、スティック2と、前記スティック2に移動可能に取り付けられる円形の第1固定部材3と、前記スティック2に移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材4と、一端が第1固定部材3に固定され、他端が第2固定部材4に固定された曲げ可能な複数の帯状部材5とからなる。
【0058】
前記帯状部材5の固定方法については、第1の実施形態と同じであるが、帯状部材5が固定された第1固定部材3および第2固定部材4のスティック2への取り付け方法が異なる。
【0059】
本実施形態では、第1固定部材3および第2固定部材4をスティック2に取り付ける際に、固定具18を用いないで、前記第1固定部材3の貫通孔10,13および前記第2固定部材4の貫通孔10,13にスティック2を挿入し、前記スティック2の両端を安全キャップ19等を用いて、第1固定部材3および第2固定部材4が前記スティック2から脱落しないようにする。これにより、第1固定部材3および第2固定部材4は、貫通孔10,13によって、前記スティック2に対して上下動あるいは回転可能に取り付けられる。
【0060】
本実施形態のスティック装飾具1’’’’は、図17に示すように、スティック2の両端を支持枠33によって回転可能に保持することで、横方向にセットし、手で直接帯状部材5を回転させて楽しむこともできる。
【符号の説明】
【0061】
1、1’、1’’、1’’’、1’’’’ スティック装飾具
2、2’ スティック
3 第1固定部材
4 第2固定部材
5 帯状部材
6 第1ベース部材
7 第2ベース部材
8 リブ
9 突起
10 貫通孔
11 孔
12 凹部
13 貫通孔
14 スリット
15 帯
16 切込み
17 孔
18 固定具
19 安全キャップ
20 鈴
21 マスコット
22 つば
23 上段のスティック
24 下段のスティック
25 つば
26 ジョイント
27 スタンド
28 可動部材
29 第1固定具
30 第2固定具
31 芯部
32 台部
33 支持枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティックと、前記スティックの端部に固定される円形の第1固定部材と、前記スティックが挿通される貫通孔を有し、前記スティックに移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材と、一端が第1固定部材に固定され、他端が第2固定部材に固定された曲げ可能な複数の帯状部材とからなり、前記スティックを回転させることで帯状部材が回転し様々な形状を表すスティック装飾具であって、
前記第1固定部材および前記第2固定部材は、円形の第1ベース部材および第2ベース部材からなり、前記第1ベース部材には、外周から中心に向って所定の長さに形成され、互いに等間隔で放射状に形成された複数のリブ、および、前記リブよりも中心側に同心円状に互いに等間隔で形成された複数の突起が設けられ、前記第2ベース部材には、前記第1ベース部材に設けられた前記リブと勘合する凹部および前記突起と勘合する孔が設けられ、前記第1ベース部材および第2ベース部材の中心には前記スティックが挿通される貫通孔が設けられ、
前記帯状部材は、長手方向に等間隔で設けられた複数のスリットにより分離され、両端が一体となった複数の帯から構成され、両端に前記第1及び第2固定部材の第1及び第2ベース部材に設けられた前記突起と嵌合する孔が設けられ、
前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材の第1ベース部材に設けられた前記突起に嵌合し、前記帯状部材の帯を隣り合うリブの間に配置し、前記第1及び第2ベース部材を、前記帯状部材を挟み込むようにして、前記リブと前記凹部、および前記突起と前記孔を勘合させて固定することで、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材に固定し、前記第2固定部材の貫通孔に上記スティックを挿入し、前記第1固部材の貫通孔に挿入して固定している固定具を用いて、前記第1固定部材を前記スティックの端部に固定していることを特徴とするスティック装飾具。
【請求項2】
前記帯状部材の両端の孔をそれぞれ複数設け、前記第1ベース部材の突起を半径方向に複数列設け、前記第2ベース部材の孔を半径方向に複数列設けたことを特徴とする請求項1に記載のスティック装飾具。
【請求項3】
前記スティックに、前記第2固定部材の移動を制限するつばを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のスティック装飾具。
【請求項4】
前記スティックを分割するジョイントを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のスティック装飾具。
【請求項5】
前記スティックの端部にスタンドを取り付けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスティック装飾具。
【請求項6】
可動部材を前記固定具に上下動および回転可能に係合させたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスティック装飾具。
【請求項7】
スティックと、前記スティックの端部に固定される円形の第1固定部材と、前記スティックが挿通される貫通孔を有し、前記スティックに移動可能に取り付けられる円形の第2固定部材と、一端が第1固定部材に固定され、他端が第2固定部材に固定された曲げ可能な複数の帯状部材とからなるスティック装飾具であって、
前記第1固定部材および前記第2固定部材は、円形の第1ベース部材および第2ベース部材からなり、前記第1ベース部材には、外周から中心に向って所定の長さに形成され、互いに等間隔で放射状に形成された複数のリブ、および、前記リブよりも中心側に同心円状に互いに等間隔で形成された複数の突起が設けられ、前記第2ベース部材には、前記第1ベース部材に設けられた前記リブと勘合する凹部および前記突起と勘合する孔が設けられ、前記第1ベース部材および第2ベース部材の中心には前記スティックが挿通される貫通孔が設けられ、
前記帯状部材は、長手方向に等間隔で設けられた複数のスリットにより分離され、両端が一体となった複数の帯から構成され、両端に前記第1及び第2固定部材の第1及び第2ベース部材に設けられた前記突起と嵌合する孔が設けられ、
前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材の第1ベース部材に設けられた前記突起に嵌合し、前記帯状部材の帯を隣り合うリブの間に配置し、前記第1及び第2ベース部材を、前記帯状部材を挟み込むようにして、前記リブと前記凹部、および前記突起と前記孔を勘合させて固定することで、前記帯状部材の両端を第1および第2固定部材に固定し、前記第1固定部材の貫通孔および前記第2固定部材の貫通孔に上記スティックを挿入し、前記第固定部材および前記第2固定部材が前記スティックに対して移動可能に取り付けられていることを特徴とするスティック装飾具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−214089(P2010−214089A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239722(P2009−239722)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(509051495)有限会社ユニット (1)
【出願人】(593122686)株式会社ホログラムサプライ (3)
【Fターム(参考)】