説明

スティック形状、棒形状または流動可能な製品の複数の部分を組み合わせるとともに部分を同期して包装装置に搬送するための装置および方法

【課題】スティック形状、棒形状または流動可能な製品を組み合わせ計量し包装装置に搬送するサイクルタイムを短縮する装置の提供。
【解決手段】部分量組み合わせ天秤12の天秤容器18から落下する製品を揺動分配する製品シュート22と、複数の部分を収集するとともに包装装置に搬送するための収集漏斗32との間に、閉止システム28を設けた複数の搬送室から構成される製品容器24を設け、計量された製品を各搬送室に振分け導入して緩衝貯留する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載の装置と、請求項7のプレアンブルに記載の方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ出願公開DE 198 07 775 A1からは、部分量組み合わせ天秤に接続されている、スティック形状の製品の種々の部分を組み合わせるための装置が公知になっている。その装置において、部分量組み合わせ天秤の調量シャーレに、所定の数のスティック形状の製品(そこでは塩のスティック)が供給され、調量シャーレに充分な部分が形成されると、その部分はそれぞれ、天秤容器にさらに転送されて、そこで正確に重量が計量される。このような部分量組み合わせ天秤は、最大で32個までの別個の調量シャーレと天秤容器とを備えることができる。ただし、16個の調量シャーレおよび16個の天秤容器のみが設けられていることが好ましい。個々の部分の重量を計量した後で、天秤容器のうち、合計すると包装すべき製品の目標重量に可能な限り近似している部分を有している天秤容器が選出される。その後ただちに、選出された天秤容器が開放されて、スティック形状の製品が、その下に設けられているシュートを滑り落ちて、そこから適切な包装容器内に、たとえば、袋または箱に入れられる。スティック形状の製品が包装部内に滑り落ちる間に、空になった天秤容器が新たに充填されて、工程を繰り返すことができる。設備の容量は、当然のことながら限定されている。その理由は、スティック形状の製品、特に塩のスティックは、製品シュートから容器に落ちるまでに所定の時間が必要であるからである。この場合、あるサイクルの長さは、最も時間がかかる製品によって決定される。
【特許文献1】ドイツ出願公開 DE 198 07 775 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記に鑑みて、本発明の課題は冒頭に記載した装置の容量を改善することである。その際本発明は、落下経路が短縮される場合には個々のサイクルの期間もまた短縮することができるので、所定の時間においてより多くのサイクルを行うことができるようになり、その結果、設備の容量が改善されるという認識に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題の技術的解決策として、本発明によると、請求項1の特徴部を備える装置と請求項7の特徴を有する方法と、が提案される。この装置およびこの方法の有利な変形形態は、それぞれ従属請求項から分かる。
【0005】
このような技術的思想から構成された装置と、このような技術的思想に基づいて実施される方法とは、部分量組み合わせ天秤の下方に設けられている搬送室によって、製品の落下経路が短くなり、この短くなった落下経路によって、迅速なサイクルが可能になることで、結果として設備全体の容量が向上するという利点を有している。
【0006】
さらなる利点は、部分を選択することは天秤容器において行われるのではなく、搬送室において行われる、ということである。これによって天秤容器は、搬送室内において部分を一緒にし、個々の製品を包装ユニットに搬出することが行われている間に既に、新たに充填されることができる。このように並行して作業することによって、各サイクルがさらに短縮され、結果として設備の容量がさらに向上される。
【0007】
さらなる利点は、たとえば1つの天秤容器に対して2つの搬送室がある場合には可能な組み合わせの数が二倍になる、ということである。同様のことが、1つの天秤容器に対して3つの搬送室がある場合になどに当てはまる。このように可能な組み合わせの数が増加することによって、目標とする重量を正確に達成することができ、それによってこのスティック形状、棒形状または流動可能な製品をより正確に計画および計算することができるようになる。
【0008】
好適な一実施形態において、計量された部分を選出された各搬送室に搬送することと、搬送室の閉止部が開放されることと、よって部分を包装ユニットに搬送することと、は同時に行われるので、結果として、個々の製品が天秤容器から搬送室へ、そして搬送室から包装ユニットへ、並行してすなわち同時に搬送されることになる。その結果、サイクルがさらに短縮され、設備の容量がさらに向上されることになる。
【0009】
他のさらなる好適な一実施形態において、ステップcにおいて、選出された搬送室が同時に開放される。これによって、製品が同時に搬送ユニットに滑り落ちて包装され得るようになる。このことは、塩のスティックが意図せぬかたちで積み上げられて束になることが防止されるので、スティック形状の製品、たとえば塩のスティックの場合に好適である。
【0010】
さらなる好適な一実施形態において、ステップcにおいて、選出された搬送室が次々に開放される。このことには、搬送室に滑り落ちる製品が同時に狭い場所に、すなわち、包装部に到達してしまいそこで衝突することがなくなり、製品が次々に包装部に滑り落ちるようになる、という利点がある。
【0011】
さらなる好適な一実施形態において、製品シュートは、製品切り替え装置として構成されている。この場合、製品シュートが旋回可能に支持されており、それによって製品シュートの端部が、以下のように旋回可能になっていることが有利であるということが分かっている。すなわち、製品シュートの端部が後置の搬送室内につながることで、その搬送室内に部分が到達することができるようになっていることである。これによって、構造上安価でありながら高機能の製品切り替え装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る装置および本発明に係る方法のさらなる利点は、添付の図面および以下に記載する実施形態から明らかになる。同様に、前述するとともに以下で具体的に述べられる特徴は、本発明によると、それぞれ別個にまたは任意の組み合わせで使用することができる。記載した実施形態は、排他的なリストであると理解されるべきではなく、例示的な性質を有している。
【0013】
図1ないし図3には、本発明に係る、スティック形状、棒形状または流動可能な製品の複数の部分を組み合わせるとともに部分10を同期して搬送するための装置が図示されている。この装置は、部分量組み合わせ天秤12が接続されている。また、この装置10には包装ユニット14が接続されている。この包装ユニット内で、スティック形状、棒形状または流動可能な製品が包装される。ここで図示されている装置は、塩のスティックを包装するための設備である。
【0014】
ここでは詳細には図示されていない装置によって、スティック形状の製品が複数の調量シャーレ16に以下のように搬送される。すなわち、各調量シャーレ16内にスティック形状の製品の一部分が載置される。部分量組み合わせ天秤12の全周にわたって、合計で16個の調量シャーレが同間隔をおいて配置されている。各調量シャーレ16には、天秤容器18が対応して設けられている。この天秤容器内では、一部分が正確に計量される。出口側で、各天秤容器18は、閉止部20によって閉止されている。ただし、各天秤容器18は、別個に開放または閉止することができる。
【0015】
複数の部分を組み合わせるとともに搬送するための装置は、16個の製品シュート22を有しており、それによって、各天秤容器18にそれぞれ1つの固有の製品シュートが対応して設けられている。この製品シュート22は、製品容器24に到達する。この製品容器の上側領域は漏斗形状に拡径しおり、それによって、製品シュート22が製品容器の漏斗形状の領域まで到達するようになっている。製品容器は、内側に2つの搬送室26を有している。ここで、各搬送室26は、固有の閉止システム28によって別個に開放または閉止することができる。この閉止システム28は、搬送室26の開口部を横断するとともにその下方に設けられているスライダを有している。搬送室26を開放するためには、スライダを迅速に引き戻し、それによって開口部を完全に使用可能にする。
【0016】
図3から特に分かるように、製品シュート22は、その上側領域において旋回可能に設けられているので、製品シュート22は同時に製品切り替え装置30としても機能する。都度の必要に応じて、製品シュート22は、自身の中に滑り落ちてきた製品を、右側または左側の搬送室26に導入することができる。このことは、製品シュート22がそれぞれ所望の位置に旋回されることによって行われる。
【0017】
製品容器24の下側には、搬送室26に対して、収集漏斗32が設けられている。この収集漏斗は、下側に滑り落ちてきた製品を、包装ユニット14に導くものである。その後、包装ユニットにおいて、製品が出荷可能な状態に包装される。
【0018】
ここに図示されている設備の場合、部分量組み合わせ天秤12は、16個の調量シャーレと、16個の天秤容器18とを有しているので、装置10も同様に、16個の製品シュート22と、16個の製品容器24とを有している。しかしながら、本発明によると、合計で32個の搬送室26が使用可能になっている。このように搬送室の数を増加させることによって、大量の部分から選択して、目標とする重量をはるかにより正確に到達可能とすることができる。
【0019】
天秤容器18から搬送室26へ組み合わせたものを選択して移動させることには、それによって個々の部分を選択している間に既に天秤容器18を新たに充填することができ、かつ、同時に部分を計量することができる、というさらなる利点がある。このように並行して作業することによって、製品の量を包装するためのサイクルが顕著に短縮されるので、設備全体の容量が向上される。
【0020】
以下に、製品を包装する際の手順を詳細に説明する。
【0021】
まず、スティック形状の製品、この場合は塩のスティックが、調量シャーレによって部分化され、天秤容器28で計量される。その際、製品または複数の部分は、天秤容器18の閉止部20が開放されるまで天秤容器に留まる。閉止部20が開放された後で、各天秤容器18のスティック形状の製品は、付属の製品シュート22を経て、搬送室26へ、そして製品容器24へ滑り落ちる。この搬送室26は、個別の閉止部28によって閉止されているので、スティック形状の製品はここで静止することになる。
【0022】
天秤容器18内では、部分の重量が電気的に検出され、続いて、この重量は各搬送室26に対応させられるので、各搬送室26内に存在する部分の重量が常に分かるようになっている。32個の搬送室26から、複数の部分が選出されて、その部分の重量を合計すると、目標重量に可能な限り近くなる。これら選出された部分が検出されるとただちに、各選出された搬送室26の閉止システム28が開放され、それによって、その中にあった部分が収集漏斗32を経て包装ユニット14に到達し、そこで包装されることができるようになっている。ここで、選出された搬送室26の閉止システム28は同時に開放されるので、これによって、スティック形状の製品、ここでは塩のスティックが、収集漏斗32を経て包装部に滑り落ちている間に積み上げられて束になることが防止される。
【0023】
図示していない他の実施例では、選出された搬送室26の閉止システム28は、間をあまりおかずに次々に開放されるので、搬送室内にある製品は、次々に収集漏斗23を経て包装部に滑り落ちることができるようになっている。このようなやり方は、収集漏斗32の終端部で滞留する危険性がある製品の場合に有利である。
【0024】
選出された搬送室26の閉止システム28が開放するのとほぼ同時に、製品切り替え装置30として機能する製品シュート22が、いまや空になった搬送室26内に次の部分が到達することができるように旋回する。同じくほぼ同時に、選出されかついまや空になった搬送室26を充填するために必要になっている天秤容器18の閉止部20が開放され、それによって、スティック形状の製品の新たな部分が、選出された部分が包装ユニット12内に滑り落ちているその間に、まさに空になった搬送室26に後から滑り落ちることができる。
【0025】
このように並行して作業することによって、充填サイクルにかかる時間を顕著に短縮することが出来るので、従来の設備を用いた場合と比べて、所定の時間の間にきわめて多くの製品を包装することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】部分量組み合わせ天秤が連結されている本発明に係る装置の概略側面図である。
【図2】図1の線II−IIで切って示した、図1に係る装置の上方から見た断面図である。
【図3】図1に係る装置の製品切り替え装置およびそれに後置されている2つの搬送室の拡大詳細図である。
【符号の説明】
【0027】
10 装置
12 部分量組み合わせ天秤
14 包装ユニット
16 調量シャーレ
18 天秤容器
20 閉止部
22 製品シュート
24 製品容器
26 搬送室
28 閉止システム
30 製品切り替え装置
32 収集漏斗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティック形状、棒形状または流動可能な製品の複数の部分を組み合わせるとともにこれら部分を同期して包装装置に搬送するための装置であって、該装置には、部分量組み合わせ天秤(12)が前置可能であり、天秤容器(18)から来た部分を収容およびさらに搬送するための前記部分量組み合わせ天秤(12)の各天秤容器(18)用の製品シュート(22)と、複数の部分を収集するとともに包装装置に搬送するための収集漏斗(32)とを備える、装置において、
前記製品シュート(22)と前記収集漏斗(32)との間に、少なくとも1つの搬送室(26)が設けられており、該搬送室内には、製品シュート(22)が前記天秤装置(18)から来た部分を導入するようになっていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記製品シュート(22)にはそれぞれ、少なくとも2つの搬送室(26)が対応して設けられており、前記製品シュート(22)は製品切り替え装置(30)として構成されており、それにより前記製品シュート(22)は後置の搬送室(26)それぞれに対して所定の部分を対応させることができるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記各搬送室(26)は、出口側において独立した閉止システム(28)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記閉止システム(28)はスライダとして構成されており、該スライダは、好適には部分の落下方向を横断するように設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記製品シュート(22)の上方縁部または上方縁部の近傍が、旋回可能に支持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記搬送室(26)は、入り口側において拡径されて構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
スティック形状、棒形状または流動可能な製品の複数の部分を組み合わせるとともに部分を同期して包装装置に搬送するための方法であって、複数の部分が同時に部分量組み合わせ天秤(12)において計量され、その際、各部分は、固有の天秤容器(18)内で計量される方法において、以下のステップ:
a) 計量された部分を前記天秤容器(18)からそれぞれ搬送室(26)内に搬送すること、
b) 複数の搬送室(26)であって、その搬送室の部分を合計すると目標重量に可能な限り近似する複数の搬送室、を選出すること、
c) 選出された搬送室(26)から部分を収集漏斗(32)に搬送すること、および、
d) ステップa)〜c)を繰り返すこと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記ステップc)の後に、以下のステップ:
cd) 選出された搬送室(26)を、天秤容器(18)からのそれぞれ新たに計量された部分で充填すること、および、
d’) ステップb)〜cd)を繰り返すこと、
が続くことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップc)は、
c1) すべての選出された搬送室(26)の閉止システム(28)を開放し、
c2) 部分が搬送室(26)から退去した後で、選出された搬送室(26)それぞれの閉止システム(28)を閉止する
ようにして実行されることを特徴とする、請求項7または8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップc1)において、選出された搬送室(26)は同時に開放されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップc1)において、選出された搬送室(26)は次々に開放されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップc1)およびcd)は、同時に開始することを特徴とする、請求項7または11のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−265878(P2008−265878A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106318(P2008−106318)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(508116539)ハスタマット バーパックングステクニック ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】