説明

ステッピングモータを用いた作動装置

【課題】開口部を開閉する建築用シャッターの開閉装置に報知手段を設けて、開閉装置の作動状態を報知するように構成するにあたり、部品点数の削減を果せるようにする。
【解決手段】開閉装置1を、駆動源としてステッピングモータ3を用いて構成し、ステッピングモータ3を駆動制御するための制御部8に、開閉装置1の作動状態を検知して報知する作動状態報知手段を設け、該作動状態報知手段による報知を、ステッピングモータ3を脱調させることによる振動音を報知音として報知する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の開口部に設けられる建築用シャッターの開閉装置等のステッピングモータを用いた作動装置の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、作動装置を建築用シャッター等の開閉装置とした場合、開閉装置を構成する電動モータは、制御部による駆動制御により開閉作動するように構成したものがある。このようなものにおいて、前記制御部に作動状態報知手段を設けて、シャッターカーテンの設置時においては、上限位置や下限位置を設定する場合の設定完了検知に基づく報知、シャッターカーテンの通常使用時においては、開放、あるいは、閉鎖異常が生じたことの検知に基づく報知、停電復帰したことの検知に基づく報知、さらには、自己診断(作動履歴)をしたときの報知等、種々の作動状態を検知して使用者にシャッターカーテンの作動状態を報知する報知機能を備えた構成として、開閉装置の異常、故障等に速やかに対応して、円滑な操作が提供できるようにしたものが提唱されている。
【0003】
このように報知機能が付与された開閉装置では、制御部に音波、光波、電波等を介して報知作動をする報知手段を接続し、該報知手段により作動状態報知手段による報知を行うようにしたものが提唱されている。
【特許文献1】特開平7−4163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記従来のものは、開閉装置の駆動源としてのアナログ方式の電動モータが用いられ、該電動モータを駆動制御する制御部には、作動状態報知手段による報知作動をするためのブザー装置が別途設けられる構成となっている。このため、報知手段を別途設ける分、部品点数が増加してコスト高になるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、作動装置を構成するステッピングモータを駆動制御するべく信号を出力する制御部に、作動装置に関する情報を報知する報知手段を設けるにあたり、該報知手段は、前記制御部が駆動停止しているステッピングモータに対し、該ステッピングモータが有する最大起動周波数を越える周波数の信号を出力して、ステッピングモータの脱調に基づく振動音を報知音として報知作動する構成としたステッピングモータを用いた作動装置である。
請求項2の発明は、報知音は、ステッピングモータの振動に伴うステッピングモータ周辺部材との共鳴音である請求項1に記載のステッピングモータを用いた作動装置である。
請求項3の発明は、報知音は、制御部からの信号を、最大起動周波数を越える周波数領域において周波数変化させることにより音階制御がなされている請求項1または2に記載のステッピングモータを用いた作動装置である。
請求項4の発明は、報知音は、制御部からの信号を、最大起動周波数を越える周波数領域において電流値変化させることにより音量制御がなされている請求項1乃至3の何れか1項に記載のステッピングモータを用いた作動装置である。
請求項5の発明は、報知音は、制御部からの信号を、最大起動周波数を越える周波数領域において任意の周波数の信号を所定時間ごとに間欠的に出力するものとし、前記所定時間を変化させることにより間欠音の長さ制御がなされている請求項1乃至4の何れか1項に記載のステッピングモータを用いた作動装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、部材の兼用化が果せ、部品点数の削減が図れてコスト低下に寄与できる。
請求項2の発明とすることにより、周辺部材の配置、素材等により、音量の増加、音色の変化を期待できる。
請求項3乃至5の発明とすることにより、作動装置の情報内容に応じて最適な報知作動を実現できるうえ、使用者に情報内容を区別して認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
つぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図面において、1は建築物の開口部に設けられる図示しない建築用シャッターのシャッターカーテンを開閉制御するための開閉装置であって、本発明の作動装置に相当する。前記開閉装置1は、開口部上方に配設されるシャッターケース(図示せず)に一体的に固定される左右方向横長状のベース体2を備えて構成されている。前記ベース体2の左方には開閉装置1の駆動源としてのステッピングモータ3が一体的に固定されており、該ステッピングモータ3の左側には、ステッピングモータ3の回転駆動を減速して駆動スプロケット4aから出力するための減速機4が隣接状態で固定され、前記駆動スプロケット4aは、ベース体2の左側端から左方に突出配設されている。そして、駆動スプロケット4aを、シャッターカーテンが巻装される巻き取りドラム5と一体回転するよう連結された従動スプロケット5aにチエン5bを用いて連動連結することにより、駆動スプロケット4aの回転駆動に伴うシャッターカーテンの開閉作動がなされるように構成されており、これらの基本構成は従来通りとなっている。
【0008】
さらに、前記ベース部2には制御基板6が一体的に設けられており、該制御基板6には、複数の電子機器7、コンピュータにより構成され、予め設定される周波数の信号(パルス信号)を出力する制御装置8、および、該制御装置8からの信号を受けてステッピングモータ3に電力供給するためのドライバ(駆動装置)9等の部材が設けられ、これらによってステッピングモータ3を駆動制御するための制御部Cが構成されている。
そして、制御装置8には、開口部に設けられる操作スイッチ(図示せず)が接続されており、開放用スイッチPBU、閉鎖用スイッチPBD、停止用スイッチPBSが操作されることに基づいて開放信号、閉鎖信号、停止信号が入力されるように設定されている。
一方、ステッピングモータ3には、ステッピングモータ3の回転数に基づいてシャッターカーテンの開閉位置を検知するエンコーダ10が設けられており、該エンコーダ10からの検知値が制御装置8に入力されるように設定されている。
そして、制御装置8には開閉制御手段が設けられており、前記開放、閉鎖、停止信号の何れかの信号の入力と、エンコーダ10からの検知値とに基づいて、これらに対応する開放指令信号、閉鎖指令信号、停止指令信号をドライバ9に対して出力し、該ドライバ9から前記各指令信号に対応して出力される電力によりステッピングモータ3が正逆回転駆動して、シャッターカーテンの開閉作動を行うように設定されている。
【0009】
ここで、前記ステッピングモータ3の構成について詳述する。
ステッピングモータ3は、近年、回転速度や回転角度の制御が容易で、しかも、汎用性が高く安価に入手できるという特性から、種々の作動装置の構成部材として用いられており、その構成は、図1および3に示すように、ケーシング3aに回転自在に設けられる回転軸3b、外周面に複数の小歯11a、12aが形成され、回転軸3b方向に積層され、かつ、互いに周回り方向に位置ズレする状態で回転軸3bに一体的に外嵌する一対のロータ11、12、ケーシング3aの内周面に固定され、内径側に突出する複数のティース13aが形成されたステータ13、前記ティース13aにそれぞれ巻線を巻装して構成されるコイル14等の部材を備えて構成されている。そして、前記各ティース13aの内径側周面には、前記ロータ11の小歯に対向する小歯13bが形成されており、制御装置8から予め設定される所定の周波数の信号(パルス信号)が出力されることに伴い、前記所定の周波数に基づいて所定の電流値の電力が、ドライバ9から各ティース13aに巻装されるコイル14に順次供給され、各ティース13aを順次励磁することにより、ティース13aの小歯13bと、これに対向するロータ11、12外周面の小歯11a、12aとのあいだに生じる磁気変化によりロータ11、12(回転軸3b)の回転がなされるように設定されている。
【0010】
ところで、このように構成されるステッピングモータ3において、ステッピングモータ3の回転軸3bのトルクと制御装置8からドライバ9に出力される出力信号の周波数とのあいだには、図4に示すような特性を備えている。このため、制御装置8の開閉制御手段によりシャッターカーテンを開閉制御する場合では、ステッピングモータ3の停止状態(シャッターカーテンの作動停止中)では、制御装置8からの指令信号として、最大起動周波数(A)を越えない起動特性カーブの内側である第一領域の範囲内の周波数に設定されたパルス信号を出力することにより、前記信号に対応するドライバ9からの電力供給に基づいて、ステッピングモータ3を第一領域の範囲内のトルクで起動して、シャッターカーテンの開閉作動を開始させることができる。また、ステッピングモータ3が起動(駆動)している状態(シャッターカーテンの作動中)では、制御装置8からの信号を、最大連続応答周波数(B)を越えない連続特性カーブの内側である第一、第二領域の範囲内の周波数に設定されたパルス信号による指令信号を出力することにより、前記信号に対応するドライバ9からの電力供給に基づいて、ステッピングモータ3を第一、第二領域の範囲内のトルクで駆動を継続して、シャッターカーテンの開閉作動を継続したり、シャッターカーテンの駆動停止作動を行うことができる。
【0011】
一方、ステッピングモータ3が停止している状態において、制御装置8からの出力信号が、最大起動周波数(A)を越える第二、第三領域の周波数に設定された周波数となり、該信号に基づいてドライバ9から電力供給がなされると、ステッピングモータ3は脱調する。また、ステッピングモータ3の駆動状態において、制御装置8からの出力信号が、最大連続応答周波数(B)を越える第三領域の周波数に設定された周波数となり、該信号に基づいてドライバ9からの電力供給がなされると、ステッピングモータ3は脱調する。さらには、ステッピングモータ3の駆動状態において、制御装置8からの出力信号は最大連続応答周波数(B)を越えない第一、第二領域の周波数に設定された周波数であるが、ステッピングモータ3に作用するトルクが第三領域におけるトルクになると、ステッピングモータ3は脱調する。そして、このようにステッピングモータ3が脱調した場合、ステッピングモータ3は振動して振動音を発生する。
【0012】
そこで、本発明が実施された開閉装置1は、制御装置8に開閉制御手段の他に作動状態報知手段(本発明の報知手段に相当する)を設け、開閉装置1の情報である作動状態の検知に基づいて使用者に対して報知作動する場合に、ステッピングモータ3を意図的に脱調させることによりステッピングモータ3を振動せしめ、該振動により発生する振動音を報知音として報知作動するように構成されている。これによって、報知機能を備えた開閉装置1において、専用の報知手段を設けることなく報知音を発生することができ、部材の兼用化が果せて、部品点数の削減がを果せてコスト低下に寄与できるように構成されている。
【0013】
そして、ステッピングモータ3を脱調させることにより報知作動を行う場合に、本実施の形態では、ステッピングモータ3を予め駆動停止状態として脱調させるように設定されている。このため、制御装置8は、理論的には図4のグラフ図の第二、第三領域の周波数、即ち、最大起動周波数を越える周波数領域におけるパルス信号をドライバ9に対して出力すれば報知音を発生するが、本実施の形態では確実な脱調現象を確保するために、第三領域の周波数、即ち、最大連続応答周波数を越える周波数領域におけるパルス信号を、報知音発生用の報知信号として出力するように設定されている。
ここで、ステッピングモータ3を脱調して報知音とする場合に、ステッピングモータ3は、ベース部2に支持され、減速機4が隣接して配設されている。このため、ステッピングモータ3が振動した場合に、ステッピングモータ3の周辺部材であるベース部2や減速機4、さらには、ベース部2に支持されている部材が振動しており、報知音はこれらの共鳴音となっている。因みに、ステッピングモータは、脱調することにより単体でも振動して発音するが、本実施の形態のように、減速機4とともにベース部2に組み込まれた状態で脱調することにより、ステッピングモータ単体のときの振動音よりも音量が大きく、音色も異なることが確認された。そこで、本実施の形態では、前記共鳴音を報知音とすることにより、報知音を一層明瞭な音として発音できるようにしている。
【0014】
また、本実施の形態では、開閉装置1の作動状態を検知した場合に、制御装置8により、報知信号の周波数、ドライバ9から出力される電力(電流値)を制御することにより、報知音の音階、音圧、発音形態を制御して異なる報知状態となるようにしている。これによって、検知した作動状態の種類に応じてそれぞれ異なる報知状態として、報知しようとする情報内容に対して最適な報知をすることができ、しかも、使用者が開閉装置1の作動状態を識別することができるように構成されている。
【0015】
つまり、制御装置8からの報知信号は、第三領域の範囲内において低周波側の報知信号と高周波側の報知信号との二種類を区別して選択的に出力するように設定されており、低周波側である第一報知信号とすることにより低音の報知音(振動音)を発生させ、高周波側である第二報知信号とすることにより高音の報知音を発生させるようにすることができ、これによって、周波数の高低に応じて音階(音程)を変化させる制御ができるように設定されている。
さらに、制御装置8からの報知信号は、前記第一、第二報知信号をドライバ9からの電力の電流値が大小二種類になるよう区別して選択的に出力するように設定されており、電流値を大きくすることにより報知音の音圧(音量)を上げ、電流値を小さくすることにより報知音の音圧を下げるようにすることができ、これによって、電流値の大小に応じて音圧を変化させる制御ができるように設定されている。
また、制御装置8は、第一、第二報知信号を連続して出力し続ける状態と、予め設定される長、短二種類の出力時間を所定の間隙時間を存して出力する状態とを区別して選択的に出力するように設定されており、これによって、第一、第二報知信号に基づく報知音の発音形態を、連続音(ピーーー)、短い間欠音(ピ、ピ、ピ・・・)、長い間欠音(ピー、ピー、ピー・・・)の三種類に変化させる制御を行うことができるように設定されている。
因みに、周波数変化による音階の変化、電流値による音量の変化は、前記二段階に限定されることはなく、複数段階に設定することも可能である。さらには、一つの連続音のなかで音階を変化させたり(例えば低音から次第に高音にする)、音量を変化させたり(例えば小音量から次第に大音量にする)することも可能であり、報知音は、周波数、電流値、出力時間の設定等を適宜変化させることにより発音状態を変えることができる。さらに、間欠音を出力する場合に、予め設定される時間のあいだ出力することの他に、予め設定される出力回数を出力するようにしてもよい。
【0016】
このように、ステッピングモータ3の駆動停止時に、制御装置8から第三領域における周波数の報知信号を、前述のように制御して出力することで、ステッピングモータ3の脱調音が変化し、これによって、作動状態に対する報知音の報知状態を区別して報知することができるが、図5に作動状態に対する報知音の報知状態(制御状態)の例を一覧として示し、以下、図5に基づいて説明する。
前記制御装置8は、前述したように、開閉制御手段においては、開放、閉鎖、停止信号の何れかの信号の入力と、エンコーダ10からの検知値とに基づいて指令信号をドライバ9に出力し、ステッピングモータ3を正逆駆動せしめてシャッターカーテンの開閉が制御される。前記開閉制御状態において、シャッターカーテンに強風が吹き付けたり、障害物との当接等により、シャッターカーテンに大きな負荷が作用した(過負荷状態になった)場合、開放または閉鎖指令信号の周波数に対するトルク値、即ち、駆動スプロケット4aに作用するトルク値が、ステッピングモータ3の特性における第三領域の範囲に達すると、ステッピングモータ3が脱調して回転軸3b(ロータ11)の回転が停止する。このため、本実施の形態では、閉鎖指令信号の出力の過程で脱調現象が生じると、制御装置8は、これをエンコーダ10の検知値から障害物検知と判断し、直ちに開放指令信号を所定時間のあいだ出力してステッピングモータ3を反転駆動をせしめた後、駆動停止するように設定されている。そして、前記障害物検知状態では、制御装置8は、作動状態報知手段に基づいて、第一報知信号を、大電流値で、長い出力時間で間欠的に、所定時間のあいだ(例えば20秒間、あるいは、間欠音を10回)出力するように設定されている。
【0017】
また、制御装置8は、シャッターカーテンの設置時に、初期設定としてシャッターカーテンの上限位置、下限位置をエンコーダ10を用いて設定する作業を行うが、この場合に、所定の操作により上限位置、下限位置の設定がなされた場合では、制御装置8は、第二報知信号を、小電流値で、短い出力時間で間欠的に、所定時間のあいだ(例えば5秒間)出力するように設定されている。
【0018】
さらに、本実施の形態の建築用シャッターには、図示しない非常開放レバーが設けられており、該非常開放レバーの操作がなされると、ステッピングモータ3に設けられたブレーキ装置が開放されて、シャッターカーテンを手動操作できるように設定されている。そして、制御装置8は、非常開放レバーの操作がなされている状態で操作スイッチの操作がなされたときに、操作スイッチの操作が無効になることを報知するべく、第二報知信号を、小電流値で、短い出力時間で間欠的に、所定時間のあいだ(例えば3秒間)出力するように設定されている。
【0019】
また、本実施の形態の制御装置8には防犯制御手段が設けられており、シャッターカーテンの全閉状態において、ステッピングモータ3が非駆動状態であるのにエンコーダ10の検知値からシャッターカーテンの開放が検知されたことを不審者の侵入と判断するように設定されており、該不審者侵入を検知した状態では、第一報知信号を、大電流値で、連続して、所定時間のあいだ(例えば5分間)出力するように設定されている。
【0020】
さらに、制御装置8は、停電状態から復帰したことを検知することができるように構成されており、該停電復帰を検知した状態では、小電流値で、長い出力時間で間欠的に、所定時間のあいだ(例えば10秒間)出力するように設定されている。
【0021】
叙述の如く構成された本形態において、開閉装置1の作動状態を使用者に報知する手段として、開閉装置1の駆動源であるステッピングモータ3を意図的に脱調させることによる振動音としたので、従来のように、駆動源となるモータの他に報知手段としてブザー等を設ける必要がなくなり、部材の兼用化が果せ、部品点数の削減が図れてコスト低下に寄与できる。
【0022】
さらに、このものでは、報知音がステッピングモータ3の周辺部材の共鳴音となるので、周辺部材の配置、素材等により音色の変化が期待できる。
【0023】
しかも、このものでは、第一、第二報知信号を、周波数を変化させ、電流値を変化させ、出力時間を変化させる等制御して出力することにより、音階、音圧、発音形態を変えて多種、多様な報知状態とすることができるので、作動状態に応じて最適な報知作動を実現することができる。しかも、このようにすることにより、使用者に対して開閉装置1の作動状態を区別して認識させることができて、作動状態に応じて速やかな対応を図ることができる。
【0024】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、作動装置を構成するステッピングモータの制御部に、作動履歴を記憶せしめて自己診断機能を具備させ、作動履歴の報知をステッピングモータの脱調により行うように構成することも可能であり、この場合においても、前記作動状態制御手段における報知作動と同様に、制御部からステッピングモータのドライバに対して、ステッピングモータが脱調する領域の周波数の信号を出力することにより報知音を発音させることができ、その場合に、障害物検知の回数やシャッターカーテンの開閉回数等を、長い出力時間の報知音を前記回数分だけ間欠的に出力する等して報知することができる。
さらに、ステッピングモータを用いた作動装置としては、建築用シャッターの開閉装置に限定されることはなく、例えば引き戸装置等の開閉装置であっても勿論よく、ステッピングモータを用いた装置であればどのような作動装置であっても本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】開閉装置の一部断面正面図である。
【図2】制御部の制御状態を説明するブロック図である。
【図3】ステッピングモータの側面図である。
【図4】ステッピングモータの特性を示すグラフ図である。
【図5】ステッピングモータによる報知状態を説明する表図である。
【符号の説明】
【0026】
1 開閉装置
2 ベース体
3 ステッピングモータ
3b 回転軸
4 減速機
6 制御基板
8 制御部
9 ドライバ
10 エンコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動装置を構成するステッピングモータを駆動制御するべく信号を出力する制御部に、作動装置に関する情報を報知する報知手段を設けるにあたり、該報知手段は、前記制御部が駆動停止しているステッピングモータに対し、該ステッピングモータが有する最大起動周波数を越える周波数の信号を出力して、ステッピングモータの脱調に基づく振動音を報知音として報知作動する構成としたステッピングモータを用いた作動装置。
【請求項2】
報知音は、ステッピングモータの振動に伴うステッピングモータ周辺部材との共鳴音である請求項1に記載のステッピングモータを用いた作動装置。
【請求項3】
報知音は、制御部からの信号を、最大起動周波数を越える周波数領域において周波数変化させることにより音階制御がなされている請求項1または2に記載のステッピングモータを用いた作動装置。
【請求項4】
報知音は、制御部からの信号を、最大起動周波数を越える周波数領域において電流値変化させることにより音量制御がなされている請求項1乃至3の何れか1項に記載のステッピングモータを用いた作動装置。
【請求項5】
報知音は、制御部からの信号を、最大起動周波数を越える周波数領域において任意の周波数の信号を所定時間ごとに間欠的に出力するものとし、前記所定時間を変化させることにより間欠音の長さ制御がなされている請求項1乃至4の何れか1項に記載のステッピングモータを用いた作動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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