説明

ストリーンミングコンテンツからダイジェストコンテンツを作成する携帯端末、方法及びプログラム

【課題】携帯端末であっても、デジタル放送によるストリーミングコンテンツを容易に作成することができるダイジェストコンテンツ作成方法等を提供する。
【解決手段】デジタル放送には、ストリーミングコンテンツにおける注目時点を表すハイライトイベントが含まれる。携帯端末は、複数の部分コンテンツを蓄積する部分コンテンツ蓄積手段と、ストリーミングコンテンツを受信順に先入れ先出し形式で蓄積する小容量のバッファメモリ手段と、ハイライトイベントを検出した際に、バッファメモリ手段へ、当該バッファメモリ手段に蓄積されている部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積手段へ出力するべく指示するメモリ制御手段と、部分コンテンツ蓄積手段に蓄積された複数の部分コンテンツを時系列に連結し、ダイジェストコンテンツを生成するダイジェストコンテンツ作成手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーンミングコンテンツからダイジェストコンテンツを作成する携帯端末、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送の発展に伴って、様々な番組のストリーミングコンテンツが放送されている。ストリーミングコンテンツとは、主に動画映像及び音声からなる時系列のパケットであって、受信と同時に再生することができるフォーマットを有する。視聴者は、チューナ機能を有する端末を所持し、ストリーミングコンテンツを視聴することができる。また、視聴者は、DVD(Digital Video Disk)又はハードディスクを搭載した端末を用いることにより、そのストリーミングコンテンツを録画することもできる。
【0003】
視聴者は、ストリーミングコンテンツを録画しても、全ての放送内容を視聴したいとは限らず、そのストリーミングコンテンツにおける注目部分のみを視聴できればよいとする場合も多い。例えば、野球中継などのスポーツ番組の場合、得点シーンのような試合の勝敗を左右する場面のみを視聴したい場合もある。また、ドラマや映画番組の場合、概略的な注目シーンだけを把握したい場合もある。このような場合、利用者は、通常、視聴したくないシーンを早送りして、視聴する。
【0004】
これに対し、放送されたストリーンミングコンテンツから、ダイジェストコンテンツを作成する技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、放送局は、切り出し部分に対応するダイジェスト情報も送信する。端末は、放送されたストリーミングコンテンツを全て、ハードディスクに録画する。そして、端末は、ダイジェスト情報に基づいて、ストリーミングコンテンツを切り出し、切り出された部分コンテンツを連結してダイジェストコンテンツを作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−143558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された技術によれば、端末は、そのストリーミングコンテンツを全て録画するための記憶容量を必要とする。少なくともハードディスクのような大容量の記憶装置を必要とする。しかしながら、携帯電話機に代表される携帯端末では、装置容量の制約から、大容量の記憶装置を備えることが難しい。また、ダイジェスト編集のために一時的に蓄積するメモリの制約もある。
【0007】
そこで、本発明は、小容量のメモリしか搭載していない携帯端末であっても、デジタル放送によるストリーミングコンテンツのダイジェストを容易に作成することができる携帯端末、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、ストリーミングコンテンツを含むデジタル放送を受信する携帯端末であって、
デジタル放送には、ストリーミングコンテンツにおける注目時点を表すハイライトイベントが含まれており、
デジタル放送からハイライトイベントを検出するイベント検出手段と、
複数の部分コンテンツを蓄積する部分コンテンツ蓄積手段と、
ストリーミングコンテンツを受信順に先入れ先出し形式で蓄積する小容量のバッファメモリ手段と、
ハイライトイベントを検出した際に、バッファメモリ手段へ、当該バッファメモリ手段に蓄積されている部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積手段へ出力するべく指示するメモリ制御手段と、
部分コンテンツ蓄積手段に蓄積された複数の部分コンテンツを時系列に連結し、ダイジェストコンテンツを生成するダイジェストコンテンツ作成手段と
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、
デジタル放送が、IP(Internet Protocol)データキャストである場合、ハイライトイベントは、DTD(Document Type Definition)によって記述されることも好ましい。
【0010】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、
デジタル放送が、地上波/衛星デジタル放送である場合、ハイライトイベントは、汎用イベントメッセージ記述子におけるプライベートデータ部分に記述されることも好ましい。
【0011】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、
ハイライトイベントは、イベントタイトルを更に含み、
メモリ制御手段は、イベントタイトルを関連付けて部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積手段へ出力するべく指示し、
ダイジェストコンテンツ作成手段は、ユーザによって指定されたイベントタイトルに一致する部分コンテンツのみを連結する
ことも好ましい。
【0012】
本発明によれば、ストリーミングコンテンツを含むデジタル放送を受信する携帯端末におけるダイジェストコンテンツ作成方法であって、
デジタル放送には、ストリーミングコンテンツにおける注目時点を表すハイライトイベントが含まれており、
携帯端末は、複数の部分コンテンツを蓄積する部分コンテンツ蓄積部と、ストリーミングコンテンツを受信順に先入れ先出し形式で蓄積する小容量のバッファメモリとを有しており、
デジタル放送からハイライトイベントを検出する第1のステップと、
ハイライトイベントを検出した際に、バッファメモリへ、当該バッファメモリに蓄積されている部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積部へ出力するべく指示する第2のステップと、
第1のステップ及び第2のステップを繰り返した後、部分コンテンツ蓄積部に蓄積された複数の部分コンテンツを時系列に連結し、ダイジェストコンテンツを生成する第3のステップと
を有することを特徴とする。
【0013】
本発明のダイジェストコンテンツ作成方法における他の実施形態によれば、
デジタル放送が、IPデータキャストである場合、ハイライトイベントは、DTDによって記述されることも好ましい。
【0014】
本発明のダイジェストコンテンツ作成方法における他の実施形態によれば、
デジタル放送が、地上波/衛星デジタル放送である場合、ハイライトイベントは、汎用イベントメッセージ記述子におけるプライベートデータ部分に記述されることも好ましい。
【0015】
本発明のダイジェストコンテンツ作成方法における他の実施形態によれば、
ハイライトイベントは、イベントタイトルを更に含み、
第2のステップは、イベントタイトルを関連付けて部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積部へ出力するべく指示し、
第3のステップは、ユーザによって指定されたイベントタイトルに一致する部分コンテンツのみを連結する
ことも好ましい。
【0016】
本発明によれば、ストリーミングコンテンツを含むデジタル放送を受信する携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
デジタル放送は、ストリーミングコンテンツにおける注目部分を表すハイライトイベントを更に含み、
1つ以上の部分コンテンツを蓄積する部分コンテンツ蓄積手段と、
ストリーミングコンテンツよりも小さい容量であって、ストリーミングコンテンツを受信順に先入れ先出し形式で蓄積するバッファメモリ手段と、
デジタル放送に含まれるイベントを検出した際に、バッファメモリ手段に蓄積されている部分コンテンツを、部分コンテンツ蓄積手段へ出力することを指示するメモリ制御手段と、
部分コンテンツ蓄積手段に蓄積された複数の部分コンテンツを時系列に連結し、ダイジェストコンテンツを生成するダイジェストコンテンツ作成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の携帯端末、方法及びプログラムによれば、ダイジェスト編集のための部分コンテンツを逐次切り出すことができるので、小容量のメモリしか搭載していない携帯端末であっても、デジタル放送によるストリーミングコンテンツのダイジェストを容易に作成することができる。また、ストリーミングコンテンツの放送が終了する前であっても、その時点までのダイジェストコンテンツを、放送番組に遡って視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明におけるシステム構成図である。
【図3】本発明におけるダイジェストコンテンツを作成するまでの説明図である。
【図2】本発明における端末の機能構成図である。
【図4】IPデータキャストにおけるハイライトイベントの記述例である。
【図5】地上波/衛星デジタル放送におけるハイライトイベントの記述例である。
【図6】ダイジェストコンテンツの連結を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明におけるシステム構成図である。
【0021】
図1によれば、放送局4は、放送番組のストリーミングコンテンツを放送する。ストリーミングコンテンツは、地上波放送アンテナ2又は放送衛星3を介して、携帯端末1によって受信される。携帯端末1は、地上波放送アンテナ2から、IPデータキャスト又は地上波デジタル放送によってストリーミングコンテンツを受信する。また、放送衛星3から、衛星デジタル放送によってストリーミングコンテンツを受信する。
【0022】
IPデータキャストとは、IPプロトコルによってデータを一斉配信する技術であり、例えばMediaFLO(メディアフロー)又はISDB−Tがある。MediaFLOは、ITU(International
Telecommunication Union:国際電気通信連合)勧告で国際標準化された携帯端末向け多チャンネル放送サービスである。ISDB−Tは、ARIB(社団法人電波産業会)によって策定された地上波デジタル放送の規格である。
【0023】
また、放送局は、ストリーミングコンテンツにおける注目部分を表すハイライトイベントを放送する。ハイライトイベントは、IPデータキャストによって送信されるものであってもよいし、ストリーミングコンテンツと一緒に送信されるものであってもよい。ハイライトイベントは、ストリーミングコンテンツの放送中に、注目時点でのみ送信される。例えば、スポーツ番組の場合、例えば「得点シーン」でハイライトイベントが送信されてもよい。また、ドラマ又は映画の場合、ハイライトシーンが把握できているので、ストリーミングコンテンツに当初から多重化しておくことができる。
【0024】
ハイライトイベントは、ストリーミングコンテンツに多重化される。IPデータキャストの場合、ハイライトイベントは、DTD(Document Type Definition)によって記述される。また、地上波/衛星デジタル放送の場合、汎用イベントメッセージ記述子におけるプライベートデータ部分に記述される。
【0025】
図2は、本発明におけるダイジェストコンテンツを作成するまでの説明図である。
【0026】
ダイジェストコンテンツとは、注目時点(ハイライト)を含む部分コンテンツを複数個、時系列に連結したものである。これによって、視聴者は、ストリーミングコンテンツの中のハイライトシーンのみを短時間で視聴することができる。
【0027】
図2によれば、時間方向に受信されていくストリーミングコンテンツと、バッファメモリと、部分コンテンツ蓄積部とが表されている。バッファメモリは、小容量であって、ストリーミングコンテンツを受信順に、FIFO(First In First Out:先入れ先出し)形式で蓄積する。部分コンテンツ蓄積部は、ハイライトシーンを含む部分コンテンツを複数個、蓄積する。
【0028】
図2(a)によれば、時間方向にストリーンミングコンテンツが受信されており、先入れ先出し形式のバッファメモリに入力される。
【0029】
図2(b)によれば、時間経過と共に、バッファメモリに蓄積される部分コンテンツも更新されていく。先入れ先出しによって、バッファメモリから溢れた部分コンテンツは、破棄される。
【0030】
図2(c)によれば、時間経過と共に、バッファメモリに蓄積される部分コンテンツも更新されていく。この時点で、ハイライトイベントを検出したとする。この時、端末は、バッファメモリに含まれる部分コンテンツを全て、部分コンテンツ蓄積部へ出力する。これによって、ハイライトイベントの受信時点から過去に遡って、バッファメモリの容量分の部分コンテンツが、部分コンテンツ蓄積部に蓄積される。例えば、野球中継のシーンの場合、選手がホームベースを踏んで得点された後にハイライトイベントを受信することによって、過去に遡って、どのようにして得点されたかを表す過程のシーンを部分コンテンツとして視聴することができる。
【0031】
図2(d)によれば、時間経過と共に、バッファメモリに蓄積されている部分コンテンツも更新されていく。
【0032】
図2(e)によれば、時間経過と共に、バッファメモリに蓄積されている部分コンテンツも更新されていく。この時点で、ハイライトイベントを検出したとする。この時、端末は、バッファメモリに含まれる部分コンテンツを全て、部分コンテンツ蓄積部へ出力する。
【0033】
図2(f)によれば、時間経過と共に、バッファメモリに蓄積されている部分コンテンツが更新されていく。
【0034】
図2(g)によれば、時間経過と共に、バッファメモリに蓄積されている部分コンテンツも更新されていく。この時点で、ハイライトイベントを検出したとする。この時、端末は、バッファメモリに含まれる部分コンテンツを全て、部分コンテンツ蓄積部へ出力する。
【0035】
図2(h)によれば、部分コンテンツ蓄積部に蓄積された複数の部分コンテンツを、時系列に連結する。これによって、ダイジェストコンテンツが生成される。
【0036】
図3は、本発明における端末の機能構成図である。
【0037】
図3によれば、携帯端末1は、ハードウェアとして、デジタル放送受信部100と、スピーカ101と、ディスプレイ102と、ユーザ操作部103とを有する。また、端末1は、復調部111と、イベント検出部112と、デマルチプレクサ113と、音声デコーダ部114と、映像デコーダ部115と、メモリ制御部121と、バッファメモリ122と、部分コンテンツ蓄積部123と、ダイジェストコンテンツ作成部124とを有する。これら機能構成部は、携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0038】
デジタル放送受信部100は、アンテナによってデジタル放送信号を受信し、所定の周波数信号を抽出する。抽出されたデジタル放送信号は、復調部111へ出力される。復調部111は、デジタル放送信号を復調し、誤り訂正及びデスクランブルの処理を実行する。復調されたストリーミングコンテンツは、イベント検出部112へ出力される。
【0039】
イベント検出部112は、ストリーミングコンテンツに多重化されているハイライトイベントを検出する。ストリーミングコンテンツは、デマルチプレクサ113及びバッファメモリ122へ出力される。ハイライトイベントは、メモリ制御部121へ出力される。
【0040】
デマルチプレクサ113は、ストリーミングコンテンツについて音声データと映像データとに分離する。音声データは、音声デコーダ部114へ出力される。映像データは、映像デコーダ部115へ出力される。音声デコーダ部114は、音声データを復号し(例えばMPEG−2 AAC)、復号された音声を、スピーカ101へ出力する。映像デコーダ部115は、映像データを復号し(例えばH.264/MPEG−4 AVC)、復号された映像を、ディスプレイ102へ出力する。
【0041】
メモリ制御部121は、ハイライトイベントを取得した際に、バッファメモリ122へ、蓄積している部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積部123へ出力するべく指示する。また、ハイライトイベントが、イベントタイトルを更に含む場合、メモリ制御部121は、イベントタイトルを関連付けて部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積部123へ出力するべく指示する。
【0042】
バッファメモリ122は、ストリーミングコンテンツを受信順に、FIFO形式で蓄積する小容量のメモリである。バッファメモリの容量は、例えば10Mバイト程度である。バッファメモリ122から溢れた部分コンテンツは、破棄される。バッファメモリ122は、メモリ制御部121からの指示に応じて、当該バッファメモリに蓄積されている部分コンテンツを全て、部分コンテンツ蓄積部123へ出力する。
【0043】
部分コンテンツ蓄積部123は、バッファメモリ122から出力された複数の部分コンテンツを蓄積する。
【0044】
ダイジェストコンテンツ作成部124は、部分コンテンツ蓄積部123に蓄積された複数の部分コンテンツを時系列に連結し、ダイジェストコンテンツを生成する。また、ダイジェストコンテンツ作成部124は、ユーザ操作部103から、ユーザにイベントタイトルを指定させることもできる。これによって、ダイジェストコンテンツ作成部124は、ユーザによって指定されたイベントタイトルに一致する部分コンテンツのみを連結することができる。ユーザが所望するイベントタイトルのみもダイジェストコンテンツを作成することができる。
【0045】
図4は、IPデータキャストにおけるハイライトイベントの記述例である。
【0046】
ハイライトイベント"highlight"は、DTD(Document Type Definition)の<!DOCTYPE>によって定義される。"highlight"は、"(time,content)"の引数を有する。"time"は、注目時点(ハイライト)の時間間隔を指定することができる。"content"は、イベントタイトルを指定することができる。
【0047】
図4(a)によれば、"channel=2"のストリームコンテンツについて、現時点が注目時点のハイライトであることを意味する。ここでは、イベントタイトルも定義されていない。このハイライトイベントを受信した時点で、メモリ制御部は、バッファメモリ122へ、蓄積している部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積部123へ出力するべく指示する。
【0048】
図4(b)によれば、"channel=2"のストリームコンテンツについて、注目時間"21:35:00〜21:36:00"のハイライトであることを意味する。ここでは、イベントタイトル"日本チーム得点シーン"が定義されている。メモリ制御部は、バッファメモリ122へ、蓄積している21:35:00〜21:36:00の部分コンテンツを切り出し、その部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積部123へ出力するべく指示する。また、その部分コンテンツには、「日本チーム得点シーン」というメタ情報を付与する。
【0049】
図5は、地上波/衛星デジタル放送におけるハイライトイベントの記述例である。
【0050】
図5(a)は、地上波/衛星デジタル放送におけるイベントメッセージの記述例である。この汎用イベントメッセージのデータ構造は、ARIB TR-B13及びTR-B14に規定されている。ハイライトイベントは、プライベートデータ部分(private_data_byte)に記述される。ここでは、ストリームコンテンツ"channel=3"について、注目時間"7:02:00〜7:03:30"であり、イベントタイトル"トップニュース"が記述されている。メモリ制御部は、バッファメモリ122へ、蓄積している7:02:00〜7:03:30の部分コンテンツを切り出し、その部分コンテンツを部分コンテンツ蓄積部123へ出力するべく指示する。また、その部分コンテンツには、"トップニュース"というメタ情報を付与する。
【0051】
図5(b)は、端末のBML(Broadcast Markup Language)記述例である。この記述は、関数rec()を実行するためのものである。関数recは、getBrowserSupport()によってダイジェスト作成機能の有無を確認し、getResidentAppVersion()によってバージョンを確認する。そして、ダイジェストコンテンツを作成可能である場合、X_XXX_startResidentApp()によってダイジェストコンテンツ作成部を機能させる。
【0052】
図6は、ダイジェストコンテンツの連結を表す説明図である。
【0053】
図6によれば、部分コンテンツ蓄積部に、メタ情報"イングランドチーム得点シーン"の部分コンテンツと、メタ情報"日本チーム得点シーン"の部分コンテンツとが含まれている。ここで、ユーザが、ダイジェストコンテンツとしてイベントタイトル"日本チーム得点シーン"を指定したとする。この場合、メタ情報"日本チーム得点シーン"の部分コンテンツのみを連結したダイジェストコンテンツを作成する。これによって、視聴者は、所望のダイジェストコンテンツを作成することができる。
【0054】
以上、詳細に説明したように、本発明の携帯端末、方法及びプログラムによれば、ダイジェスト編集のための部分コンテンツを逐次切り出すことができるので、小容量のメモリしか搭載していない携帯端末であっても、デジタル放送によるストリーミングコンテンツを容易に作成することができる。また、ストリーミングコンテンツの放送が終了する前であっても、その時点までのダイジェストコンテンツを視聴することができる。
【0055】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0056】
1 携帯端末
100 デジタル放送受信部
101 スピーカ
102 ディスプレイ
103 ユーザ操作部
111 復調部
112 イベント検出部
113 デマルチプレクサ
114 音声デコーダ部
115 映像デコーダ部
121 メモリ制御部
122 バッファメモリ
123 部分コンテンツ蓄積部
124 ダイジェストコンテンツ作成部
2 地上波放送アンテナ
3 放送衛星
4 放送局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリーミングコンテンツを含むデジタル放送を受信する携帯端末であって、
前記デジタル放送には、前記ストリーミングコンテンツにおける注目時点を表すハイライトイベントが含まれており、
前記デジタル放送から前記ハイライトイベントを検出するイベント検出手段と、
複数の部分コンテンツを蓄積する部分コンテンツ蓄積手段と、
前記ストリーミングコンテンツを受信順に先入れ先出し形式で蓄積する小容量のバッファメモリ手段と、
前記ハイライトイベントを検出した際に、前記バッファメモリ手段へ、当該バッファメモリ手段に蓄積されている部分コンテンツを前記部分コンテンツ蓄積手段へ出力するべく指示するメモリ制御手段と、
前記部分コンテンツ蓄積手段に蓄積された複数の部分コンテンツを時系列に連結し、ダイジェストコンテンツを生成するダイジェストコンテンツ作成手段と
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記デジタル放送が、IP(Internet Protocol)データキャストである場合、前記ハイライトイベントは、DTD(Document Type Definition)によって記述されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記デジタル放送が、地上波/衛星デジタル放送である場合、前記ハイライトイベントは、汎用イベントメッセージ記述子におけるプライベートデータ部分に記述されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記ハイライトイベントは、イベントタイトルを更に含み、
前記メモリ制御手段は、前記イベントタイトルを関連付けて前記部分コンテンツを前記部分コンテンツ蓄積手段へ出力するべく指示し、
前記ダイジェストコンテンツ作成手段は、ユーザによって指定されたイベントタイトルに一致する前記部分コンテンツのみを連結する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
ストリーミングコンテンツを含むデジタル放送を受信する携帯端末におけるダイジェストコンテンツ作成方法であって、
前記デジタル放送には、前記ストリーミングコンテンツにおける注目時点を表すハイライトイベントが含まれており、
前記携帯端末は、複数の部分コンテンツを蓄積する部分コンテンツ蓄積部と、前記ストリーミングコンテンツを受信順に先入れ先出し形式で蓄積する小容量のバッファメモリとを有しており、
前記デジタル放送から前記ハイライトイベントを検出する第1のステップと、
前記ハイライトイベントを検出した際に、前記バッファメモリへ、当該バッファメモリに蓄積されている部分コンテンツを前記部分コンテンツ蓄積部へ出力するべく指示する第2のステップと、
第1のステップ及び第2のステップを繰り返した後、前記部分コンテンツ蓄積部に蓄積された複数の部分コンテンツを時系列に連結し、ダイジェストコンテンツを生成する第3のステップと
を有することを特徴とするダイジェストコンテンツ作成方法。
【請求項6】
前記デジタル放送が、IPデータキャストである場合、前記ハイライトイベントは、DTDによって記述されることを特徴とする請求項5に記載のダイジェストコンテンツ作成方法。
【請求項7】
前記デジタル放送が、地上波/衛星デジタル放送である場合、前記ハイライトイベントは、汎用イベントメッセージ記述子におけるプライベートデータ部分に記述されることを特徴とする請求項5に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記ハイライトイベントは、イベントタイトルを更に含み、
第2のステップは、前記イベントタイトルを関連付けて前記部分コンテンツを前記部分コンテンツ蓄積部へ出力するべく指示し、
第3のステップは、ユーザによって指定されたイベントタイトルに一致する前記部分コンテンツのみを連結する
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のダイジェストコンテンツ作成方法。
【請求項9】
ストリーミングコンテンツを含むデジタル放送を受信する携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
前記デジタル放送は、前記ストリーミングコンテンツにおける注目部分を表すハイライトイベントを更に含み、
1つ以上の部分コンテンツを蓄積する部分コンテンツ蓄積手段と、
前記ストリーミングコンテンツよりも小さい容量であって、前記ストリーミングコンテンツを受信順に先入れ先出し形式で蓄積するバッファメモリ手段と、
前記デジタル放送に含まれるイベントを検出した際に、前記バッファメモリ手段に蓄積されている部分コンテンツを、前記部分コンテンツ蓄積手段へ出力することを指示するメモリ制御手段と、
前記部分コンテンツ蓄積手段に蓄積された複数の部分コンテンツを時系列に連結し、ダイジェストコンテンツを生成するダイジェストコンテンツ作成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする携帯端末用のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−226434(P2010−226434A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71535(P2009−71535)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】