説明

ストレージシステムの自動セットアップ方法

【課題】サーバとストレージ間で自動的にセットアップされた状態にすることのできるストレージシステムを提供する。
【解決手段】サーバとストレージ間をセットアップ用専用ネットワークで接続し、その後セットアップを行うプログラムを格納した外部記憶装置をサーバに取り付けることで、自動的にセットアップされた状態にする。セットアップ用プログラムが実行されると、セットアップ専用ネットワークは、データ通信用ネットワークを介してデータ通信するためのサーバ及びストレージの固有情報を交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はストレージシステムにおいて、セットアップを自動的に行う手法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィールドにてエンドユーザが自分でストレージシステムのセットアップを行う場合、以下のような作業が必要である。すなわち、サーバとストレージ間のデータ通信用ネットワークの制御ソフトウェアをインストールする。サーバとストレージ間のデータ通信を可能にするための設定をする。この設定の際、サーバ側の固有情報をストレージに設定し、逆にストレージ側の固有情報をサーバ側に設定するという作業を行う必要がある。ストレージに論理ディスクを作成し、サーバがストレージの論理ディスクにアクセスできるように設定する。パス冗長化ソフトをサーバにインストールする。このように多くの煩雑な作業を行う必要があるため、ストレージシステムのセットアップには設定ミスをすることが多い。また、作業ミスなどにともない作業時間が多くかかってしまっている。なお、サーバを構成する方法としては、例えば、特許文献1などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4117116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セットアップの際に設定ミスを少なくすることができれば、エンドユーザは早くストレージシステムのセットアップを完了することができ、一方、ストレージベンダーにとっても設定ミスによる問い合わせ対応を減らすことができる。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み、サーバとストレージ間で自動的にセットアップされた状態にすることのできるストレージシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、サーバとストレージ間をセットアップ用専用ネットワークで接続し、その後セットアップを行うプログラムを格納した外部記憶装置をサーバに取り付けることで、自動的にセットアップされた状態にする。セットアップ用プログラムが実行されると、セットアップ専用ネットワークは、データ通信用ネットワークを介してデータ通信するためのサーバ及びストレージの固有情報を交換する。なお、本発明において、「セットアップ」とは、サーバからストレージのデータにアクセスできる状態にすることを意味する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第一に、データ通信用ネットワークで通信するためのサーバおよびストレージそれぞれを識別する固有情報を、セットアップ専用ネットワークを経由してやりとりするため、ヒューマンエラーによる設定ミスが発生しないという効果を奏する。第二に、システムのセットアップに必要な作業はセットアップ専用ネットワークおよび外部記憶装置を取り付けることのみであるため、作業者のストレージセットアップに関する知識力を問わないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るストレージシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例において、ストレージシステムを自動でセットアップする処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るストレージシステムの概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、本ストレージシステムは、サーバ1とストレージ2とがデータ通信用ネットワーク5を介して相互に接続されて構成される。ストレージシステムはセットアップが行われた後、データ通信用ネットワーク5を介したデータ通信が可能になる。本ストレージシステムは、セットアップを行うために、サーバ1とストレージ2とを相互に接続するセットアップ専用ネットワーク3と、サーバ1に接続される外部記憶装置4とを備える。
【0011】
外部記憶装置4は、ストレージシステムをセットアップするための一連の手続を行うプログラムが格納されている。外部記憶装置4がサーバ1に接続されると、それに応答して、セットアップ用のプログラムが実行され、ストレージシステムのセットアップが行われる。
【0012】
セットアップ専用ネットワーク3は、サーバ1とストレージ2間で各々の固有情報を交換するためのネットワークである。外部記憶装置4に格納されているセットアップ用プログラムが実行されると、サーバ1及びストレージ2それぞれの固有情報を交換する。サーバ1及びストレージ2それぞれの固有情報は、サーバ1及びストレージ2がデータ通信用ネットワーク5を介してデータ通信するための情報である。セットアップ専用ネットワーク3がサーバ1及びストレージ2に取り付けられることにより、サーバ1とストレージ2の間でセットアップ専用ネットワーク3を介して、固有情報等の通信が可能になる。
【0013】
次に、本実施例の動作を説明する。
【0014】
図2は、本実施例において、ストレージシステムを自動でセットアップする処理の流れを示すフローチャートである。
【0015】
作業者は、サーバ1とストレージ2の間をセットアップ専用ネットワーク3で接続する(S21)。次に、作業者は、外部記憶装置4をサーバ1に取り付ける(S22)。外部記憶装置4がサーバに取り付けられると、それを契機として外部記憶装置4に格納されているプログラムが実行され、以下の作業が自動で行われる。
【0016】
まず、サーバ1とストレージ2間のセットアップ専用ネットワーク3の通信用の制御ソフトウェアが、サーバ1にインストールされる(S23)。加えて、サーバ1とストレージ2間のデータ通信用ネットワーク5の通信用の制御ソフトウェアが、サーバ1にインストールされる(S24)。
【0017】
次に、データ通信用ネットワーク5でデータ通信をするための設定が行われる。この際、データ通信用ネットワーク5においてストレージ2がサーバ1を識別するための固有情報をセットアップ専用ネットワーク3経由で取得し、ストレージ2に登録する。データ通信用ネットワーク5においてサーバ1がストレージ2を識別するための固有情報をセットアップ専用ネットワーク3経由で取得し、サーバ1に登録する(S25)。
【0018】
登録後、ストレージ2に論理ディスクを作成し、サーバ1がデータ通信用ネットワーク5を経由してストレージ2の論理ディスクにアクセスできるように設定する(S26)。そして、マルチパスソフトウェアのインストールを行う(S27)。このマルチパスソフトウェアをインストールすることによって、データ通信用ネットワーク5を複数のパスで構成した場合、障害発生時に自動的にアクセスパスの代替を行うことが可能になる。
【0019】
こうして、ストレージシステムのセットアップが完了する。このように、データ通信用ネットワーク5で通信するためのサーバ1およびストレージ2それぞれを識別する固有情報を、セットアップ専用ネットワーク3を経由してやりとりするため、ヒューマンエラーによる設定ミスが発生しない。また、システムのセットアップに必要な作業はセットアップ専用ネットワーク3をサーバ1とストレージ2に接続し、外部記憶装置4をサーバ1取り付けることのみであるため、ストレージセットアップに関する作業者の知識力を問うことなく、セットアップを行うことができる。
【0020】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述の各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0021】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限
られない。
【0022】
(付記1)サーバとストレージとがデータ通信用ネットワークを介して相互に接続されたストレージシステムにおいて、サーバとストレージとを相互に接続するセットアップ専用ネットワークと、サーバに接続される外部記憶装置と、を備え、外部記憶装置は、ストレージシステムをセットアップするための一連の手続を行うプログラムが格納され、セットアップ専用ネットワークは、サーバ及びストレージがデータ通信用ネットワークを介してデータ通信するための、サーバ及びストレージの固有情報を交換する、ことを特徴とするストレージシステム。
【0023】
(付記2)外部記憶装置がサーバに接続されることに応答して、プログラムが実行され、ストレージシステムのセットアップが行われることを特徴とする付記1に記載のストレージシステム。
【0024】
(付記3)サーバとストレージとがデータ通信用ネットワークを介して相互に接続されたストレージシステムをセットアップする方法であって、サーバとストレージとがセットアップ専用ネットワークに接続されるステップと、サーバが外部記憶装置に接続されるステップと、外部記憶装置に格納された、ストレージシステムをセットアップするための一連の手続を行うプログラムが実行されるステップと、セットアップ専用ネットワークが、サーバ及びストレージがデータ通信用ネットワークを介してデータ通信するための、サーバ及びストレージの固有情報を交換するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【0025】
(付記4)ストレージシステムをセットアップするための一連の手続を行うプログラムが実行されるステップは、外部記憶装置がサーバに接続されることに応答して、プログラムが実行されることを特徴とする付記3に記載の方法。
【符号の説明】
【0026】
1 サーバ、2 ストレージ、3 セットアップ専用ネットワーク、4 外部記憶装置、5 データ通信用ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバとストレージとがデータ通信用ネットワークを介して相互に接続されたストレージシステムにおいて、
前記サーバと前記ストレージとを相互に接続するセットアップ専用ネットワークと、
前記サーバに接続される外部記憶装置と、
を備え、
前記外部記憶装置は、ストレージシステムをセットアップするための一連の手続を行うプログラムが格納され、
前記セットアップ専用ネットワークは、前記サーバ及び前記ストレージが前記データ通信用ネットワークを介してデータ通信するための、前記サーバ及び前記ストレージの固有情報を交換する、
ことを特徴とするストレージシステム。
【請求項2】
前記外部記憶装置が前記サーバに接続されることに応答して、前記プログラムが実行され、ストレージシステムのセットアップが行われることを特徴とする請求項1に記載のストレージシステム。
【請求項3】
サーバとストレージとがデータ通信用ネットワークを介して相互に接続されたストレージシステムをセットアップする方法であって、
前記サーバと前記ストレージとがセットアップ専用ネットワークに接続されるステップと、
前記サーバが外部記憶装置に接続されるステップと、
前記外部記憶装置に格納された、ストレージシステムをセットアップするための一連の手続を行うプログラムが実行されるステップと、
前記セットアップ専用ネットワークが、前記サーバ及び前記ストレージが前記データ通信用ネットワークを介してデータ通信するための、前記サーバ及び前記ストレージの固有情報を交換するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項4】
前記ストレージシステムをセットアップするための一連の手続を行うプログラムが実行されるステップは、前記外部記憶装置が前記サーバに接続されることに応答して、前記プログラムが実行されることを特徴とする請求項3に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate