説明

ストローの包装袋

【課題】紙容器に備えるストローの包装袋から容易にストローを取出すことができる包装袋を提供する。
【解決手段】紙容器1の紙容器本体1aの裏面5にストロー8を収納した包装袋9が固着され、ストロー8はスライド式二重管で先端側部8aと吸口側部8bから成る。包装袋9は矩形状の外側樹脂フィルム11と内側樹脂フィルム12の四周縁部が熱圧着シールされ、一短辺9dのシール部Sにプルタブ13が外側樹脂フィルム11と内側樹脂フィルム12に挟まれる一方で包装袋9から突出する状態で熱圧着される。外側樹脂フィルム11にストロー8に沿って長辺方向に一対の易破断部Gが形成され、易破断部Gは一短辺9dから吸口側部8bを囲む位置まで形成される。外側樹脂フィルム11は二層の外面層11aと内面層11bで形成され、内面層11bに易破断部Gとしてのミシン目G1が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体食品を充填した紙容器に取付けるストローの包装袋に関し、詳しくは、容易に取出せるストローを包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体食品用紙容器のストローの包装袋に関して様々な構成が知られている。例えば特許文献1には、図10に示すように、外観直方体に形成した紙容器22に牛乳やジュース等の内容液23が充填され、内容液23を飲用するためのスライド式二重管のストロー24が外側樹脂フィルム25aと内側樹脂フィルム25bで成る包装袋25に収容され紙容器22の側面22aに固着される。
【0003】
ところが、ストロー24を使用する際に、ストロー24の開封位置が分かり難く消費者個々によって取出し方が異なる。たとえば、包装袋25の外部からストロー24の吸口部24aを矢印Y1で示すように指先で押込んでストロー24を下方向にずらし、矢印Y2で示すように先端部24bで包装袋25を引き裂いてストロー24を取出し、先端部24bを紙容器22の頂面22bに形成されたストロー孔26に突刺して内容液23を飲用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−167087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ストロー24を包装袋25から取出す際に外部から矢印Y1で示すようにストロー24を指先で押込んでも、ストローの先端部24bが軟質なので包装袋25が容易に引き裂かれずストロー24を取り出すことができない。
【0006】
本発明は、このような従来の包装袋の問題点を解決して、紙容器に備える包装袋からストローを容易に取出すことができる包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、紙容器に装着するストローの包装袋であって、包装袋は矩形状の外側樹脂フィルムと内側樹脂フィルムが長辺と短辺に沿って四周シールされる。ここで、一短辺のシール部にプルタブが包装袋から突出するように挟持され、外側樹脂フィルムにストローに沿って一対の易破断部が形成されることを特徴としている。
【0008】
この発明の好ましい態様では、プルタブは着色されることを特徴としている。
【0009】
この発明の好ましい態様では、易破断部は外側樹脂フィルムをミシン目状に抉る凹部であることを特徴としている。
【0010】
この発明の好ましい態様では、外側樹脂フィルムは外面層と内面層から成り、易破断部は内面層をミシン目状に貫通して形成されることを特徴としている。
【0011】
この発明の好ましい態様では、易破断部は一短辺から長辺方向の中間部に亘って形成されることを特徴としている。
【0012】
この発明による、紙容器に装着するストローの包装袋の製造方法であって、包装袋は各々リール状の外側樹脂フィルムと内側樹脂フィルムとプルタブを用いて連続形成される。このとき、外側樹脂フィルムと内側樹脂フィルムが長辺と短辺で矩形状に四周シールして各ストローを内包する一方で、一短辺のシール部にプルタブを突出して挟持し、さらに、外側樹脂フィルムにストローに沿って一対の易破断部が予め形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、包装袋は矩形状の外側樹脂フィルムと内側樹脂フィルムが長辺と短辺に沿って四周シールされる一方で、一短辺のシール部にプルタブを突出した状態で挟持する。そして、外側樹脂フィルムにストローに沿って一対の易破断部が形成される。このため、プルタブを簡単に指先で把持して持上げ、外側樹脂フィルムを一対の易破断部で長手方向に引裂いてストローを容易且つ確実に取り出すことができるので、包装袋は開封信頼性及び機能的に優れる。プルタブによって開封位置が判り易いので消費者が迅速に開封できる。
【0014】
この発明の好ましい態様では、プルタブは着色されるので開封開始位置が判り易いので、上述と同様の効果が更に迅速確実に得られる。
【0015】
この発明の好ましい態様では、易破断部は外側樹脂フィルムをミシン目状に抉る凹部なので破断効果が向上し、上述との効果と同様の効果が得られる。
【0016】
この発明の好ましい態様では、外側樹脂フィルムは外面層と内面層から成り易破断部は内面層をミシン目状に貫通して形成されるので、ミシン目が均一で確実且つ容易に形成される。そして、ミシン目が外面層によって保持されるので、外側樹脂フィルムが破断するまでストローの品質性と衛生性を保持できて紙容器の商品価値が維持できるので、上述と同様の効果が確実に得られる。
【0017】
この発明によれば、易破断部は一短辺から長辺方向の中間部に亘って形成されるので、外側樹脂フィルムを易破断部に沿って引裂いた状態でもストローの一部分が外側樹脂フィルムで覆われた状態なので、ストローが不用意に落下するのを防止できるので衛生性が向上し、上述と同様の効果が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一の実施形態における、外観が直方体形状の紙容器1の紙容器本体1aの裏面5にストロー8を収納した包装袋9が易破断部Gとプルタブ13を備えて固着された状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における、ストロー8を内包する包装袋9が連続形成されて成るストローラダー14の状態を示す平面図で、一本のストロー8のみ図示しその他は省略されている。
【図3】本発明の第一の実施形態における、図2のA−A断面図でストロー8が収納された包装袋9に易破断部Gが形成された状態を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施形態における、図2のB−B断面図で包装袋9の一短辺9dのシール部Sにプルタブ13を挟持した状態を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施形態における、図2のC−C断面図で包装袋9の一短辺9dのシール部Sにプルタブ13が挟持された状態を示す図である。
【図6】本発明の第一の実施形態における、紙容器本体1aを折り曲げ形成するための包材15に形成された折り曲げ線16、17、18とストロー孔10の配置を示す平面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態における、プルタブ13を持上げて一対の易破断部Gで上フィルム11が破断する状態を示す図である。
【図8】本発明の第二の実施形態における、ストロー8を内包する包装袋9の一短辺9dの平面図で、プルタブ13に易破断部G2が形成された状態を示す平面図である。
【図9】本発明の第二の実施形態における、図8のD−D断面図でプルタブ13に形成される易破断部G2の状態を示す図である。
【図10】従来例における、紙容器22の内容液23を飲用するためストロー24を包装袋25から取出す状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の第一の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0020】
<ストローの包装袋の構成>
図1、図2、図3、図4、図5に示すように、紙容器1の紙容器本体1aは頂面2、底面3、正面4、裏面5、二側面6、7で外観直方体に形成され内部に内容液Qが充填される。ストロー8を収納した包装袋9が裏面5の対角線上に固着され、紙容器本体1aの頂面にストロー8挿入用のストロー穴10を備える。
【0021】
ストロー8はスライド式二重管で柔軟材質の熱可塑性樹脂材質が使用され、縮小時の全長L、先端側部8aの直径D1≒4mm、吸口側部8bの直径D2≒6mmである。先端側部8aの先端8cは約45度で傾斜するので、頂面2に形成された直径≒6mmのストロー孔10を容易に突刺して内容液Qを吸飲することができる。
【0022】
包装袋9は矩形状の外側樹脂フィルム11と内側樹脂フィルム12が長辺9a、9bと短辺9c、9dに沿って四周縁部を熱圧着シールされる。そして、一短辺9dのシール部Sには着色したプルタブ13が外側樹脂フィルム11と内側樹脂フィルム12に挟まれる一方で包装袋9から長さK突出する状態で熱圧着シールされる。外側樹脂フィルム11にはストロー8を囲むようにストロー8に沿って長辺方向に一対の易破断部Gが幅Eで平行に形成される。この易破断部Gは一短辺9dから吸口側部8bに沿って長辺の中間部まで形成される。より詳しくは、破断部Gは吸口側部8bを囲む位置まで設けられ、ストロー袋9の長手方向の略3/4の領域である。
【0023】
外側樹脂フィルム11は外面層11aと内面層11bの二層で形成され、内面層11bに易破断部Gとしてのミシン目G1が貫通して形成される。外側樹脂フィルム11(11a、11b)と内側樹脂フィルム12とプルタブ13はそれぞれ熱可塑性樹脂性で図示しないリール状に巻かれて用意される。そして、ストロー8を図示しない手段で逐次支給して、外側樹脂フィルム11と内側樹脂フィルム12の四周縁部をプルタブ13と共に熱圧着により密封してシール部Sを形成し、ストロー8を収納した包装袋9が連続して成るストローラダー14が形成される。
ストローラダー14では、包装袋9の長辺9aのシール部Sは隣接する包装袋9の長辺9bのシール部Sと一体的に形成される。尚、帯状のストローラダー41の幅を揃えるために他短辺9cは外側樹脂フィルム11(11a、11b)及び内側樹脂フィルム12の縁部分を切り揃えて仕上げることが好ましい。
【0024】
内側樹脂フィルム12は厚さ20μのOPP(延伸ポリプロピレン)で外側樹脂フィルム11に対応する片面がヒートシーラブルで形成される。外側樹脂フィルム11は、内面層11bの厚さ20μのOPPに、厚さ12μのCPP(未延伸ポリプロピレン)が外面層11aとして押出しコートされる。包装袋9を形成する際は、内側樹脂フィルム12の上記ヒートシーラブル面と、外側樹脂フィルム11の内面層11bとが熱圧着される。包装袋9の内側樹脂フィルム10は平面状で、外側樹脂フィルム11はストロー8を覆って断面視コ字状に形成される。
【0025】
ミシン目G1の形成方法は、図示しない等ピッチで連続する凸形状のエンボスを機械的に押付けるか又は加熱したエンボスを押付けて形成される。ストロー8を内包する包装袋9は図示しないストロー取付装置でストローラダー14から一組毎切り離して内側樹脂フィルム10を介して各紙容器本体1aに固着される。
【0026】
図6に示すように、紙容器本体1aを成型する帯状の包材15は、両端部T1、T2間に、折り曲げ容易とするための複数の折り目16、17、18が形成され、紙容器一個分に該当する領域Pにおいて、縦方向の折り目16(16a、16b、16c、16d)、横方向の折り目17(17a、17b、17c、17d)、及び斜め方向の複数の折り目18(18a、18b)と、ストロー孔10が形成される。
【0027】
包材15の図示しない断面構成は、外側から内側にかけて、外側層、紙基材、バリヤー層、内側層から成り、紙基材の外側面にデザイン等が予め印刷される。外側層、内側層は低密度ポリエチレン樹脂、バリヤー層はアルミ箔等で形成される。ストロー孔10はストロー8で開口容易とするため紙基材を直径略6mmの円形孔で刳り貫き、この円形孔を覆って外側層と接着層が溶着する。
【0028】
「紙容器1の製造工程の説明」
紙容器1は、図示しない充填機において、帯状包材15を連続的に下方に搬送すると同時に両端T1、T2を縦線シールで筒状にして内容液を充填する。そして、一対の横線シールで密封且つ切断して連続的に紙容器一個分に該当する原型容器を形成する。さらに、帯状包材に備える縦方向の折り目16a、16b、16c、16d、横方向の折り目17a、17b、17c、17d、及び斜め方向の複数の折り目18a、18bを折り曲げて矩形の頂面と底面を形成すると同時に四側面を形成して成る外観直方体形状の紙容器本体1aが形成される。
【0029】
そして、図示しないストロー取付装置によってストロー8を内包する包装袋9をストローラダー14から一組毎切り離して紙容器本体1aに固着される。包装袋9は長手方向の少なくとも2箇所で内側樹脂フィルム10を介してホットメルト又は溶着で固着される。ここで、上記ストローラダー14の他短辺9cは外側樹脂フィルム11(11a、11b)と内側樹脂フィルム12の端面を均一に切り揃え仕上げてあるので、この端面を基準にして各ストロー8を確実に紙容器本体1aの所定位置に配置することができる。
【0030】
<ストローの包装袋の作用>
図7に示すように、飲用時にストロー8を包装袋9から取出す際に、指先でプルタブ13を引上げると、外側樹脂フィルム11は易破断部Gである一対のミシン目G1で簡単に引裂かれて、一対のミシン目G1で囲まれた外側樹脂フィルム11が容易に破断して捲れる。このとき、プルタブ13は着色されているので開封動作の開始位置が明確化されるので開封動作が容易且つ迅速にできる。
【0031】
さらに、ストロー8はスライド式二重管で先端側部8aと吸口側部8bから成り、ミシン目G1は吸口側部8bに沿う領域(ストロー袋9の長手方向の略3/4の領域)に形成され、先端側部8aの領域はミシン目G1が形成されない。このように、ミシン目G1の形成は長辺の中間部までであり中間部から他端部9dの領域は引裂かれないので、ストロー8はストロー袋9内に安定して保持されるため、ストロー8が不用意に紙容器本体1aから離れて落下することが無い。このため、指でストロー8を容易確実に保持してストロー袋9から取出してストロー孔10に突刺し内容液Qを吸飲することができる。また、ストロー8を取出した状態で外側樹脂フィルム11が散乱せず紙容器本体1aに固着して留まるので衛生的で環境に優しい。
【0032】
このように、包装袋9からストロー8を容易確実且つ衛生的に取出し、スポーツや屋内外活動等に手軽に持運びができて内容液を飲用することができるので利便性に優れる。
<本発明の第二の実施形態>
【0033】
本発明の第二の実施形態を図8、図9に基づいて説明するが、図2、図5と同様の構成に関しては同符号を用いて重複する説明を省く。
【0034】
プルタブ13には上フィルム11のミシン目G1と平面視同じ線上にミシン目G2が形成されるので、ストロー袋9の開封時にプルタブ13を持上げると、ミシン目G2が容易に裂けると同時に上フィルム11のミシン目G1が連動して避けるので、包装袋9をさらに確実且つ容易に開封できる。
【0035】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、外側樹脂フィルムが一層で形成される場合には、易破断部は外側樹脂フィルムを貫通せず凹部に抉るミシン目状で形成される。ミシン目G1、G2は所定長さの二列の切れ目で千鳥状に形成する構成でも構わない。ストローの種類は、U字状ストロー、一本棒状ストロー、三段式伸縮ストロー等々に応用できる。包装袋9はプルタブ13が紙容器の頂面側に向くように取付けても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 紙容器
1a 紙容器本体
5 裏面
8 ストロー
8a 先端側部
8b 吸口側部
9 包装袋
9d 短辺
11 外側樹脂フィルム
11a 外面層
11b 内面層
12 内側樹脂フィルム
13 プルタブ
S シール部
G 易破断部
G1 ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙容器に装着するストローの包装袋であって、
前記包装袋は矩形状の外側樹脂フィルムと内側樹脂フィルムが長辺と短辺に沿って四周シールされる一方で、一短辺のシール部にプルタブを突出して挟持し、
前記外側樹脂フィルムにストローに沿って一対の易破断部が形成されることを特徴とするストローの包装袋。
【請求項2】
前記プルタブは着色される、請求項1に記載のストローの包装袋。
【請求項3】
前記易破断部は前記外側樹脂フィルムをミシン目状に抉る凹部である、請求項1又は請求項2に記載のストローの包装袋。
【請求項4】
前記外側樹脂フィルムは外面層と内面層から成り、前記易破断部は前記内面層をミシン目状に貫通して形成される請求項3に記載の包装袋。
【請求項5】
前記易破断部は前記一短辺から長辺方向の中間部に亘って形成される、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のストローの包装袋。
【請求項6】
紙容器に装着するストローの包装袋の製造方法であって、前記包装袋は矩形状の外側樹脂フィルムと内側樹脂フィルムが長辺と短辺に沿って四周シールされてストローを内包する一方で、一短辺のシール部にプルタブを突出して挟持し、前記外側樹脂フィルムにストローに沿って一対の易破断部が形成されることを特徴とするストローの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−240942(P2011−240942A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112719(P2010−112719)
【出願日】平成22年5月15日(2010.5.15)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】