説明

スナック菓子

【課題】成型性が良好で、かつ食感・口どけが良好なスナック菓子、特に成型フライドスナック菓子を提供すること
【解決手段】下記の特性値を有するマルトオリゴ糖組成物を用いて得られたスナック菓子。
(1)DE:20〜25
(2)粘度:1000mPa・s以下
(3)甘味度:25以下
(4)分子量が10000を超える成分の比率で示される分子量特性値a:3質量%以下
(5)分子量が1000以下の成分の分子量が1000〜10000の成分に対する比で示される分子量特性値b:0.8〜1.5
(6)糖組成物中の2糖類〜10糖類の比率:65質量%以上。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は穀類、穀類粉末、澱粉等の澱粉質原料を主原料とするスナック菓子、特に成型フライドスナック菓子に関する。さらに詳細には、成型性が良好で、かつ食感・口どけ等の製品特性が改善されたスナック菓子に関する。
【背景技術】
【0002】
米、小麦粉、コーン、馬鈴薯、甘藷、澱粉などの澱粉質原料、糖質、乾燥野菜、ペースト類、香辛料などの副原料を用いた成型スナック菓子の製造方法については、よく知られている。成型方法としては、エクストルーダーのような押し出し成型法で所定の形状を得る方法や、一対のシート化ロールでシート化した後、スタンピング等で所定の形状を得る方法などがある。
成型スナック菓子の製造方法については、数々の研究がなされている。具体的な例としては脱脂ナッツ類を入れた薄層状スナック食品や(特許文献1)、二枚のシートを重ねて製造したスナック菓子や(特許文献2、特許文献3)、コーンと米などの複数の原料と蛋白系原料を組み合わせたスナック製品(特許文献4)などが挙げられる。これらの特許はスナックの製法に関するものであり、製品特性の改善を目的としたものではない。
【0003】
また、成型スナック菓子において、代表的な存在ともいえるポテトを主原料としたポテトスナック類についても数多くの研究がなされている。例えば、乳化剤を使用することで風味・食感・外観の製品特性を改善する方法が知られている(特許文献5、特許文献6)。これらの方法によれば、乳化剤を使用することで製品特性を改善する効果は得られるが、コスト的に高価であり、かつ使用することが好まれない添加物であることから、汎用性の高い手法であるとは言えない。
また、製法を工夫することによって食感を改善する方法が知られているが(特許文献7)、生地水分の管理を行う為の設備が必要となり、簡便な方法であるとは言えない。
さらに、加水分解デンプンを使用し、低脂肪フライドスナックを製造する方法が知られているが(特許文献8)、低脂肪化を主目的とした方法であり、かつ成型性の改善や製品特性の改善については十分な効果が得られない。
【0004】
【特許文献1】特開昭60−94060
【特許文献2】特開昭63−313544
【特許文献3】特開2007−82481
【特許文献4】特開平7−115907
【特許文献5】特開平8−242804
【特許文献6】特開2000−245384
【特許文献7】特開2002−360211
【特許文献8】特開平3−168050
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のごとき従来の欠点や実状を鑑みてなされたものであり、成型性が良好で、かつ食感・口どけが良好なスナック菓子、特に成型フライドスナック菓子を提供することを目的とする。
また本発明は、既存の設備をそのまま利用でき、かつ、澱粉質原料に混合するだけで製造できるスナック菓子、特に成型フライドスナック菓子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記の公知技術の問題点を解決するために種々検討した結果、特定条件を満たすマルトオリゴ糖を配合することにより、成型性を良好にし、かつ食感・口どけが良好なスナック菓子、特に成型フライドスナック菓子を簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下に示すスナック菓子を提供するものである。
1.澱粉質原料に、下記の特性値を有するマルトオリゴ糖組成物を配合し、加熱調理して得られるスナック菓子。
(1)DE:20〜25
(2)粘度:1000mPa・s以下
(3)甘味度:25以下
(4)分子量が10000を超える成分の比率で示される分子量特性値a:3質量%以下
(5)分子量が1000以下の成分の分子量が1000〜10000の成分に対する比で示される分子量特性値b:0.8〜1.5
(6)糖組成物中の2糖類〜10糖類の比率:65質量%以上。
2.澱粉質原料100質量部に対する、上記マルトオリゴ糖組成物の配合量が、1〜20質量部である上記1に記載のスナック菓子。
3.澱粉質原料100質量部に対する、上記マルトオリゴ糖組成物の配合量が、3〜10質量部である上記1に記載のスナック菓子。
4.成型フライドスナック菓子である上記1〜3のいずれか1項記載のスナック菓子。
5.ポテト成型フライドスナック菓子である上記1〜4のいずれか1項記載のスナック菓子。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスナック菓子は、成型性が良好で、かつ食感・口どけが良好である。また、本発明のスナック菓子は、既存の設備をそのまま利用し、かつ、澱粉質原料に特定のマルトオリゴ糖組成物を混合し、加熱調理するという簡便な手法で製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のスナック菓子は、澱粉質原料に、上記特性値を有するマルトオリゴ糖組成物を配合し、加熱調理することにより得られるものである。本発明のスナック菓子、特に成型フライドスナック菓子は、澱粉質原料に、上記特性値を有するマルトオリゴ糖組成物を配合し、公知の方法により成型し、フライ処理を行うことにより容易に製造することができる。
【0009】
本発明において主原料として使用する澱粉質原料は特に限定されない。通常、スナック菓子の製造に使用される米、小麦粉、コーン、馬鈴薯、甘藷、澱粉、加工澱粉などの澱粉質原料が挙げられる。
また副原料としては、通常、スナック菓子の製造に使用される副原料、例えば、砂糖などの糖質、乾燥野菜、肉エキスなどのペースト類、香辛料などが挙げられる。
【0010】
本発明に使用するマルトオリゴ糖組成物は、でん粉を酸により加水分解した後、α−アミラーゼまたはα−アミラーゼと枝切り酵素で加水分解して製造される。
さらに詳しくは、でん粉をボーメ度18〜22程度のスラリーとした後、塩酸、蓚酸などの酸を加えてpHを1.8〜2.0程度に調整する。ついでオートクレーブ、加熱加圧蒸煮釜などの加熱装置を用いて、100〜130℃程度に加熱して40〜80分間程度加水分解を行いDE=10〜15程度、好ましくは12〜13程度に液化する。
炭酸カルシウムなどにより中和後、pHを5.5〜6.5程度に調整し、液化型α−アミラーゼを添加して80〜95℃程度で酵素反応を行い、DE=20〜25程度に加水分解した後、温度を130℃程度まで上げるか、蓚酸などの酸を用いてpHを3.5以下に調整してα−アミラーゼの酵素作用を終了させる。この液化型α−アミラーゼとしては市販品が使用できるが、例えばクライスターゼKM(大和化成(株)社製)やターマミル120L(ノボザイムズジャパン社製)などがある。酵素の失活に酸を用いた場合は、炭酸カルシウムなどの中和剤でpHを5〜6程度に調整する。
【0011】
また、前記酸加水分解後、液化型α−アミラーゼでDEを15〜20程度としてpHを4〜5程度に調整した後、さらに枝切り酵素、又は枝切り酵素と糖化型α−アミラーゼによってDE=20〜25程度に加水分解して製造することも出来る。この枝切り酵素、糖化型α−アミラーゼはいずれも市販品が使用できるが、例えば枝切り酵素としてはOptimax L−1000(ジェネンコア協和社製)やプロモザイムD2(ノボザイムズジャパン社製)などが、また糖化型α−アミラーゼとしては、ファンガミル800L(ノボザイムズジャパン社製)やビオザイムL(天野エンザイム(株)社製)などがある。
【0012】
その後、活性炭、イオン交換樹脂などを用いて精製し、濃縮後、噴霧乾燥等により粉末とするか、75質量%程度に濃縮して液状品とする。さらに、でん粉加水分解物をクロマト分離装置や膜分離装置を用いて分画処理を行ない、高分子や低分子成分を必要最低限に分離除去しても良い。このようにして、目的の下記の特性を有するマルトオリゴ糖組成物が得られる。
(1)DE:20〜25
(2)粘度:1000mPa・s以下、好ましくは700mPa・s以上1000mPa・s以下
(3)甘味度:25以下、好ましくは20以上23以下。
(4)分子量が10000を超える成分の比率で示される分子量特性値a:3質量%以下、好ましくは2質量%以下
(5)分子量が1000以下の成分の分子量が1000〜10000の成分に対する比で示される分子量特性値b:0.8〜1.5、好ましくは1.0〜1.5
(6)糖組成物中の2糖類〜10糖類の比率:65質量%以上、好ましくは66質量%以上75質量%以下。75質量%を超えるとクリスピー感が減少する傾向がある。
【0013】
本発明における「粘度」とは、Rapid Visco Analyser-4(Newport Scientific Pty. Ltd.製)により以下の条件で測定する。
濃度:70質量%、測定温度:30℃、
回転数:160rpm、ホールド時間:7.5分
本発明における「甘味度」とは、砂糖を100とした時の比較値を意味し、試料溶液と甘味的に近い砂糖溶液を1%間隔で4段階用意して、飲み比べにより相当する砂糖濃度を求め、次式により甘味度を計算する。
甘味度=相当する砂糖濃度/試料濃度 ×100
【0014】
分子量はゲルろ過クロマトグラフィーを用いて、以下の条件により測定する。
カラム:TSKgelG2500PWXL、G3000PWXL、G6000PWXL(東ソー(株)社製)、カラム温度:80℃、移動相:蒸留水、流速:0.5ml/分、
検出器:示差屈折計、サンプル注入量:1質量%溶液100μL、
検量線:プルラン標準品(分子量788,000〜5,900までの8種類)、及びマルトトリオース(分子量504)、グルコース(分子量180)、
分析装置:マルチステーションGPC-8020(東ソー(株)社製)
【0015】
分子量比率は、積分分子量分布曲線から求めるべき分子量の積分分布値(%)を読みとることにより、また、分子量特性値は、一方の分子量分布値と他方の分子量分布値の比を計算することにより、それぞれ求める。
本発明で使用する分子量特性値aは、分子量10000を超える成分の比率(質量%)である。
また、本発明で使用する分子量特性値bは、分子量1000以下の成分の分子量1000〜10000に対する比であり、分子量10000以下の成分の分散の指標となる。好ましい分子量特性値bは、0.8〜1.5であり、1.0に近いほど均等な分散である。
【0016】
糖組成の分析は高速液体クロマトグラフィーを用いて以下の方法で行い、単純面積%を組成比として表示する。
カラム:MCI GELCK04SS(三菱化成(株)社製)、カラム温度:80℃、
移動相:蒸留水、流速:0.3ml/分、検出器:示差屈折率計、
サンプル注入量:10μL(5質量%溶液)
本発明におけるDEとは、「[(直接還元糖(ブドウ糖として表示)の質量)/(固形分の質量)]×100」の式で表わされる値で、ウイルシュテッターシューデル法による分析値である。
【0017】
このようなマルトオリゴ糖組成物の市販品としては、例えば松谷化学工業株式会社の「パインオリゴ20」、「パインオリゴ20L」が挙げられる。
本発明のスナック菓子中のマルトオリゴ糖組成物の配合量は、穀粉類、澱粉等の澱粉質原料100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部であり、さらに好ましくは、3〜10質量部である。添加量がこれより少ないと、発明の効果が得にくく、これより多いと、硬い食感になりやすい。
本発明のマルトオリゴ糖組成物の添加方法、添加時期は特に限定されない。粉体のまま添加することも出来るし、一旦水に溶解して添加することも出来る。
また、本発明のスナック菓子は、原料の種類や成型方法に関わらず、澱粉質原料に、上記所定の特性を有するマルトオリゴ糖組成物を配合し、加熱調理することにより製造することができる。加熱調理法としては、フライ(例えば、150〜180℃で10〜50秒間)、焼成(例えば、160〜250℃で3〜15分間)のみ行う場合だけでなく、焼成後にフライ、フライ後に焼成などの複数の工程を経る場合においても、本発明の効果が奏される。しかし、製造工程中にフライ工程を有する場合には本発明の効果がより顕著である。
また、フライ、焼成方法については特に限定されない。
【0018】
本発明のスナック菓子の製造には上記主原料、副原料のほか、必要に応じて他の配合原料を添加することができる。このような配合原料としては、スナック菓子の製造に用いられるものであれば適宜添加使用することが出来る。例えば、色素、増粘多糖類、タンパク質、調味料、食物繊維、ビタミン類、乳化剤、砂糖などが挙げられる。
また、フライ処理に用いる油としては、一般に食用に供することの出来るものであれば特に限定されず、通常は、植物油脂などが好ましい。
【0019】
実施例
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明におけるマルトオリゴ糖組成物の特性値を満たすマルトオリゴ糖としてパインオリゴ20(松谷化学工業(株)製)を用いた。更に比較例として、TK−16(松谷化学工業(株)製)、パインデックス#3(松谷化学工業(株)製)、フジオリゴ#450(日本食品化工(株)製)、フジオリゴG67(日本食品化工(株)製)、ペントラップ((株)林原商事製)、ハローデックス((株)林原商事製)、オリゴトース(三和澱粉工業(株))を用いた。表1にこれらのDE、粘度、甘味度、分子量特性値、2〜10糖類の比率を分析したものを示す。
【0020】
【表1】

【0021】
DE:ウイルシュテッターシューデル法
粘度:70質量%、30℃(mPa・S)
甘味度:砂糖100に対する相対値
分子量特性a:分子量10000を超える成分の比率(質量%)
分子量特性b:分子量1000以下の成分の分子量1000〜10000に対する比で示される分子量特性値
糖組成:2糖類〜10糖類の比率(質量%)
【0022】
実施例1、2、3
ポテトフレーク:90質量部、ポテトグラニュール:10質量部、乳化剤(サンレシチンA-1、太陽化学(株)製):0.5質量部を混合し、表2に示すような割合でマルトオリゴ糖組成物を分散、溶解または懸濁した水を加えて生地を調製し、ロールで厚さ0.8ミリのシート状にしたのち、打抜き成型により円形状(直径53mm)に成型し、180℃の油で10秒間揚げ、ポテト主原料の成型フライドスナックを得た。その評価結果も表2に示した。なお、原材料A〜Hについては、固形分が表の通りに配合されるようにし、それらの水分は配合の中の水に含まれるようにした。
【0023】
【表2】

【0024】
下記評価基準(成型性)について、5点満点で本発明者が評点した。また、下記評価基準(食感・口溶け)について、5点満点で10名のパネラーにより評点し、その平均値を求めた。
〔評価基準〕
(1)成型性:成型性についての総評:
非常に成型しやすいものを5点とし、非常に成型しにくいものを1点とし、中間的な成型性を評価し、数値を付した。
(2)食感:成型フライドスナックの食感(クリスピー感)の評価:
カリカリとした食感でクリスピー感の強いものを5点とし、モソモソとした食感でクリスピー感の弱いものを1点とし、中間的な食べやすさを評価し、数値を付した。
(3)口どけ:成型フライドスナックの口どけの官能評価:
咀嚼回数が少なくて口どけの良いものを5点とし、咀嚼回数が多くて口どけの悪いものを1点とし、中間的な口どけを評価し、数値を付した。
【0025】
表2より明らかなように、実施例1、2、3で得られたポテト主原料の成型フライドスナックは成型性・食感・口どけにおいて、本発明のマルトオリゴ糖組成物を含まない比較例1よりも優れていた。また、本発明のマルトオリゴ糖組成物の要件を満足しない組成物を用いた比較例2〜8においては、成型性は良好だが、食感あるいは口どけの点で劣る場合が多く、総合的に実施例1、2、3の方が優れていた。
【0026】
実施例4、5、6
薄力粉:90質量部、小麦澱粉(松谷あやめ、松谷化学工業(株)製):5質量部、α化ワキシーコーンスターチ(マツノリンFA102、松谷化学工業(株)製):5質量部、粉末チーズ:5質量部、食塩:1質量部、グルタミン酸ソーダ:0.1質量部を混合し、表3に示すような割合でマルトオリゴ糖組成物を分散、溶解または懸濁した水を加えて生地を調製し、ロールで厚さ0.9ミリにシート状にしたのち、打抜き成型により円形状(直径53mm)に成型し、180℃の油で15秒間揚げ、小麦粉主原料の成型フライドスナックを得た。その評価結果を表3に示した。なお、原材料A〜Hについては、固形分が表の通りに配合されるようにし、それらの水分は配合の中の水に含まれるようにした。
【0027】
【表3】

【0028】
〔評価基準〕
実施例1、2、3の評価基準に従い評価した。
表3より明らかなように、実施例4、5、6で得られた小麦粉主原料の成型フライドスナックは成型性・食感・口どけにおいて、本発明のマルトオリゴ糖組成物を含まない比較例9よりも優れていた。また、本発明のマルトオリゴ糖組成物の要件を満足しない組成物を用いた比較例10〜16においては、成型性は良好だが、食感あるいは口どけの点で劣る場合が多く、総合的に実施例4、5、6の方が優れていた。
【0029】
実施例7、8、9
アセチル化タピオカ澱粉(松谷さくら、松谷化学工業(株)製):50質量部、架橋化タピオカ澱粉(SMS707、松谷化学工業(株)製):20質量部、α化小麦澱粉(マツノリンW、松谷化学工業(株)製):30質量部、乾燥えび粉末:7質量部、食塩:1質量部、乳化剤(サンレシチンA-1、太陽化学(株)製):0.5質量部、グルタミン酸ソーダ:0.1質量部を混合し、表4に示すような割合でマルトオリゴ糖組成物を分散、溶解または懸濁した水を加えて生地を調製し、打抜き成型により円形状(直径53mm)に成型し、180℃の油で20秒間揚げ、澱粉主原料の成型フライドスナックを得た。その評価を表4に示した。なお、原材料A〜Hについては、固形分が表の通りに配合されるようにし、それらの水分は配合の中の水に含まれるようにした。
【0030】
【表4】

【0031】
〔評価基準〕
実施例1、2、3の評価基準に従い評価した。
表4より明らかなように、実施例7、8、9で得られた澱粉主原料の成型フライドスナックは成型性・食感・口どけにおいて、本発明のマルトオリゴ糖組成物を含まない比較例17よりも優れていた。また、本発明のマルトオリゴ糖組成物の要件を満足しない組成物を用いた比較例18〜24においては、成型性は良好だが、食感あるいは口どけの点で劣る場合が多く、総合的に実施例7、8、9の方が優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉質原料に、下記の特性値を有するマルトオリゴ糖組成物を配合し、加熱調理して得られるスナック菓子。
(1)DE:20〜25
(2)粘度:1000mPa・s以下
(3)甘味度:25以下
(4)分子量が10000を超える成分の比率で示される分子量特性値a:3質量%以下
(5)分子量が1000以下の成分の分子量が1000〜10000の成分に対する比で示される分子量特性値b:0.8〜1.5
(6)糖組成物中の2糖類〜10糖類の比率:65質量%以上。
【請求項2】
澱粉質原料100質量部に対する、上記マルトオリゴ糖組成物の配合量が、1〜20質量部である請求項1に記載のスナック菓子。
【請求項3】
澱粉質原料100質量部に対する、上記マルトオリゴ糖組成物の配合量が、3〜10質量部である請求項1に記載のスナック菓子。
【請求項4】
成型フライドスナック菓子である請求項1〜3のいずれか1項記載のスナック菓子。
【請求項5】
ポテト成型フライドスナック菓子である請求項1〜4のいずれか1項記載のスナック菓子。

【公開番号】特開2009−273416(P2009−273416A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128082(P2008−128082)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000188227)松谷化学工業株式会社 (102)
【Fターム(参考)】