スピロキラルの炭素骨格を有する新規化合物、その製造方法及びそれを含む薬剤学的組成物
本発明は、新規な下記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像{きょうぞう}異性{いせい}体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を提供する。
【化1】
また、前記化学式1の化合物は、造骨細胞の分化能に優れており、肥満細胞の分化抑制能及び肝臓における脂肪酸の合成抑制能を有するため骨粗鬆症、脂肪肝及び肥満治療に画期的な役割を果たすことができる。
【化1】
また、前記化学式1の化合物は、造骨細胞の分化能に優れており、肥満細胞の分化抑制能及び肝臓における脂肪酸の合成抑制能を有するため骨粗鬆症、脂肪肝及び肥満治療に画期的な役割を果たすことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピロキラルの炭素骨格を有する新規化合物、その製造方法及びそれを含む薬剤学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の急速な経済成長と医学の発展は、過栄養及び老齢人口の増加をもたらし、肥満とこれによる脂肪肝患者の急激な増加とともに高齢化による骨粗鬆症患者の増加の原因となった。
【0003】
長い間、脂肪組織は、生体組織を保護し、体温を維持する機能とともに、身体活動のためのエネルギーの貯蔵所のみとして考えられてきたが、最近多くの研究結果は、脂肪組織が人体の生理や発生においても重要な役割を果たすことを証明している。特に、脂肪細胞で、adipsin、TNFa、leptin等のように、エネルギーの均衡、血糖調節、インスリン感受性の調節、血管生成等の色々な生理活性が調節できる物質を分泌するという事実が次々に発見されることにより脂肪細胞を人体の代謝調節の中心軸として考えるようになった。
【0004】
一方、肥満により深刻な社会的疾患が生じることにより脂肪細胞の形成を抑制する薬物の開発も活発に行われている。しかし、肥満による非アルコール性脂肪性肝炎患者の急激な増加は、現代人の健康に深刻な危険として作用しているにもかかわらず、これを治療するための効果的な薬物はまだ開発されていない。
【0005】
骨粗鬆症は、骨形成のバランス、即ち、造骨細胞による骨形成能と破骨細胞による骨吸収能とが崩れて生じた結果である。造骨細胞及び破骨細胞の生成調節は、ホルモン、外部栄養、遺伝的な側面から行われると知られているが、直接的に骨疾患の原因となる遺伝子はあまり知られていない。
【0006】
現在、治療方法として行われて方法は、ほとんど骨細胞の吸収能を抑制することで骨細胞のバランスを取る方法である。しかし、そのような薬物は副作用が酷いか微細な臨床効果を示すだけであるため、新しい概念の薬物開発が要求されている。したがって、多くの研究者が、直接的に骨細胞の形成、即ち、造骨細胞の活性化が促進できる薬物を開発しようと試みているが、良い効果を示す新しい薬物は、まだ開発されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、第一に、大変優れた造骨細胞の分化能を有する新規化合物を提供することを目的とする。
【0008】
第二に、優れた脂肪細胞の分化抑制能を有する新規化合物を提供することを目的とする。
【0009】
第三に、肝臓‐X‐受容体(LXR)に対して選択的かつ優秀な拮抗活性を有する新規化合物を提供することを目的とする。
【0010】
第四に、肝における脂肪生合成及び脂肪吸収を抑制する新規化合物を提供することを目的とする。
【0011】
第五に、前記の新規化合物を有効成分として含む骨粗鬆症、脂肪肝又は肥満治療用の薬剤学的組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、新規な下記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を提供する:
【0013】
[化学式1]
【0014】
前記式においてWはCO又はCHOR1であり、XはN2、NHR2、OR2、SR2、SeR2、又はTeR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、C4〜C20のヘテロアリール又は
の中から選ばれ、前記YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O、S、Se又はTeであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール又はC4〜C20のヘテロアリールの中から選ばれ、MとNはそれぞれ水素、OH又は存在せず、この時M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される。
【0015】
また、本発明は、(a)海綿動物Phorbas sp.を切断して乾燥させた後、C1〜C4のアルコールで抽出する段階;
【0016】
(b)前記(a)の段階から得た抽出物を水と塩化メチレンを用いて分配させた後、有機層の溶媒を取り除き、またノルマルヘキサンと、メタノール及び水の混合溶液を用いて分類させる段階;及び
【0017】
(c)前記(b)の段階から得たメタノール分液層の溶媒を取り除いた後、固定相としてシリカを用い、溶離液として溶離液の総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用い、クロマトグラフィーを行って分液を得る段階を含む前記化学式1の化合物の製造方法を提供する。
【0018】
また、本発明は、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする骨粗鬆症治療用の薬剤学的組成物を提供する。
【0019】
また、本発明は、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする脂肪肝治療用の薬剤学的組成物を提供する。
【0020】
また、本発明は、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肥満治療用の薬剤学的組成物を提供する。
【0021】
また、本発明は、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肝臓‐X‐受容体(LXR)拮抗用の薬剤学的組成物を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の化学式1の化合物は、大変優れた造骨細胞の分化能を有するため、骨粗鬆症の治療に画期的な役割を果たすことが期待される。また、前記化学式1の化合物は、肝臓‐X‐受容体(LXR)に対して強い拮抗作用を示し、肝臓における脂肪生合成及び脂肪吸収を抑制するため、脂肪肝の治療にも大変効果的に用いられることが期待される。また、前記化学式1の化合物は優れた脂肪細胞の分化抑制能を有するため、肥満治療にも大変効果的に用いられることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、(a)COSY実験から得た水素との相関性(太い線)とHMBC相関性(矢印は水素核における炭素核との相関結合を示す)を図示したものであり、(b)本発明の化合物1〜4の構造を図示したものである。
【図2】図2は、本発明の化合物1及び2が示す円二色性スペクトルである。
【図3】図3は、本発明の抽出分液116Vと化合物1乃至4の造骨細胞分化能の測定結果を示した写真である(試験例1)。
【図4】図4は、本発明の化合物1乃至4でC3H/10T1/2細胞株を六日間処理した後、リアルタイムPCR(RTPCR)を通じて造骨細胞の分化マーカー(Runx2,Osteocalcin,Msx2等)の転写程度を確認した結果を示すRTPCRデータである(試験例1)。
【図5】図5は、本発明の化合物1乃至4でC3H/10T1/2細胞株を六日間処理した後、ウェスタンブロット(Western Blot)を通じて造骨細胞の分化マーカーであるTAZのタンパク質発現を確認したウェスタンブロットデータである(試験例1)。
【図6】図6は、本発明の化合物1乃至4でC3H/10T1/2細胞株を六日間処理した後、ウェスタンブロット(Western Blot)を通じて造骨細胞の分化マーカーであるTAZ及びRunx2のタンパク質発現を確認したウェスタンブロットデータである(試験例1)。
【図7】図7は、前記試験例1で実施した本発明の化合物5の造骨細胞分化能の測定結果を示した写真である。
【図8】図8は、前記試験例2で実施した本発明の抽出分液116Vと化合物1乃至4の脂肪細胞(C3H/10T1/2)分化能の測定結果を示した写真である。
【図9】図9は、前記試験例2で実施した本発明の化合物1の脂肪細胞(3T3‐L1)分化抑制能の測定結果を示した写真である。
【図10】図10は、前記試験例3で実施した本発明の化合物1のLXR核受容体の拮抗活性の測定結果を示したグラフである。
【図11】図11は、前記試験例3で実施した本発明の化合物1の各種の核受容体に対する選択活性の測定結果を示したグラフである。
【図12】図12は、前記試験例3で実施した本発明の化合物1のLXR核受容体のタンパク質に対する直接結合の測定結果を示したグラフである。
【図13】図13は、試験例4で実施した本発明の化合物1のマウスの脾臓細胞に対する細胞毒性の測定結果を示したグラフである。
【図14】図14は、前記試験例5で実施した本発明の化合物1の肝細胞(AML12及びHepG2細胞)における遺伝子発現調節機能の測定結果を示したグラフである。
【図15】図15は、前記試験例6で実施した本発明の化合物1のマウスへの投与実験において、投与期間の間、処理群及び対照群間の体重変化を示したグラフである。
【図16】図16は、前記試験例6で実施した本発明の化合物1の疾患動物モデルにおける脂肪肝抑制効能の結果を示したグラフ及び写真である。
【図17】図17は、前記試験例6で実施した本発明の化合物1の疾患動物モデルにおける効能の立証後、この動物モデルにおいて化合物1により現れる遺伝子発現調節効能の測定結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、新規な下記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内における加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩に関するものである。
【0025】
[化学式1]
【0026】
前記式においてWはCO又はCHOR1であり、XはN3、NHR2、OR2、SR2、SeR2、又はTeR2であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、C4〜C20のヘテロアリール又は
の中から選ばれ、前記YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O、S、Se又はTeであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール又はC4〜C20のヘテロアリールの中から選ばれ、MとNはそれぞれ水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される。
【0027】
前記化学式1の化合物は、国内で生息する海綿動物Phorbas sp.の抽出物(KNUE116)から分離されたり、前記の分離された化合物を出発物質として合成できるものであり、スピロキラル(spiro chiral)炭素骨格を有する新規化合物である。前記化学式1の化合物は造骨細胞分化を画期的に促進し、脂肪細胞の分化能を顕著に抑制し、肝臓における脂肪生成及び脂肪吸収を抑制するため、骨粗鬆症の治療、脂肪肝治療及び肥満治療に画期的な役割を果たすと期待される。
【0028】
前記化学式1の化合物を具体的に例示すると次のとおりである:
【0029】
【0030】
前記化学式において、X1は、N3、NH2、OH、SH、SeH又はTeHであり、
【0031】
X2は、NH、O、S、Se又はTeであり、
【0032】
Zは、単結合、NH、O、S、Se又はTeであり、
【0033】
R1は、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、C4〜C20のヘテロアリール又は
であり、
【0034】
R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、又はC4〜C20のヘテロアリールである。
【0035】
前記化学式1の化合物のうち、より好ましい化合物としては、前記WはCO又はCHOR1であり、XはN3、NHR2、OR2、SR2、SeR2又はTeR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル又は
の中から選ばれ、前記YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O又はSであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニルの中から選ばれ、MとNはそれぞれ水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される化合物が挙げられる。
【0036】
前記化学式1の化合物のうち、より好ましい化合物としては、WはCO又はCHOR1であり、XはN3、OR2、又はSR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル又は
の中から選ばれ、前記YはO又はSであり、Zは単結合であり、R3は水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニルの中から選ばれ、MとNはそれぞれ水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される化合物が挙げられる。
【0037】
前記化学式1の化合物をより具体的に例示すると次のとおりである。
【0038】
【0039】
また、本発明は、前記化学式1の化合物の製造方法を提供する。
【0040】
本発明の製造方法は、
【0041】
(a)海綿動物Phorbas sp.を切断して乾燥させた後、C1〜C4のアルコールで抽出する段階;
【0042】
(b)前記(a)の段階から得た抽出物を水と塩化メチレンを用いて分配させた後、有機層の溶媒を取り除き、またノルマルヘキサンと、メタノール及び水の混合溶液を用いて分配させる段階;及び
【0043】
(c)前記(b)の段階から得たメタノール分液層の溶媒を取り除いた後、固定相としてシリカを用い、溶離液として溶離液の総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用い、クロマトグラフィーを行って分液を得る段階を含む。
【0044】
また、前記製造方法は、前記(c)の段階の後、(d)前記(c)の段階から得た分液を精製する段階をさらに含むことができる。
【0045】
前記(a)の段階において、乾燥は凍結乾燥の方式を用いるのが好ましく、C1〜C4のアルコールのうち、メタノールを用いるのが好ましい。また、抽出は室温で行うことができ、2時間以上行うのが好ましい。
【0046】
前記(b)の段階において、前記メタノールと水の混合溶液は、溶液の総重量に対してメタノール60〜90重量%と水10〜40重量%を含むことが好ましい。
【0047】
前記(c)の段階においては、逆相のフラッシュクロマトグラフィーを行うのが好ましく、溶離液として総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用いる前に、それより極性の高い水とメタノールの混合溶液を溶離液として用い、高い極性有する溶離液から低い極性を有する溶離液の順に1回以上のクロマトグラフィーを行うのが好ましい。特に、前記溶離液としては、水とメタノールの混合液を用いるのが好ましい。
【0048】
前記(d)の段階における精製は、高性能の液体クロマトグラフィー(reversephased semiprep HPLC)により行うことができ、溶離液としては溶離液の総重量に対してアセトニトリル(ACN)50〜80重量%と水20〜50重量%の混合液を用いるのが好ましい。
【0049】
一方、本発明の化学式1の化合物は、前記のような方法により分離された化合物を出発物質として、エステル反応、アジド置換反応、エーテル化反応等の方法により合成され得る。
【0050】
本発明は、また、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする骨粗鬆症治療、脂肪肝治療及び肥満治療用の薬剤学的組成物に関するものである。
【0051】
本発明は、また、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肝臓‐X‐受容体(LXR)拮抗用の薬剤学的組成物を提供する。
【0052】
前記薬剤学的組成物において薬剤学的に許容できる担体は、薬剤投与に利用できるビヒクル又は媒体であり、本分野において通常使用されるものを制限なく使用することができる。例えば、溶媒、分散媒、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0053】
本発明の薬剤学的組成物は、通常の方法により、散剤、粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾル等の経口剤、外用剤、座剤、滅菌注射溶液等の形に剤形化され得る。
【0054】
本発明の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩の好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾患の程度、薬物形態、投与経路及び期間により異なるが、当業者によって適切に選択することができる。例えば、1日に0.01mg/kg乃至200mg/kgに投与することができる。投与は一日一度投与することもでき、数回に分けて投与することもできる。従って、前記投与量はどのような面からみても発明の範囲を限定するものではない。
【0055】
本発明の薬剤学的組成物は、ラット、マウス、家畜、人間等の哺乳動物に様々な経路で投与できる。既存に知られている投与の全ての方式が適用できるが、例えば、経口、直腸又は静脈、筋肉、皮下、子宮内膜又は脳血管内(intracerebroventricular)注射により投与することができる。
【0056】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。しかし、下記の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明は下記の実施例により限定されず、多様に修正及び変更することができる。
【実施例1】
【0057】
新規化合物の分離及び精製
国内に生息する海綿動物Phorbas sp.をスキューバダイビングで採集した後、約10cm以下の大きさに切断し、三日間凍結乾燥させて乾燥重量として約1kgを準備した。乾燥生物にメタノール3.0Lを加え、室温で二日間計2回に分けて抽出した。前記抽出物は、水と塩化メチレン溶媒を用いて分配した後、減圧濃縮により有機層から溶媒を取り除いた後、またノルマルヘキサンとメタノール85重量%及び水15重量%の混合溶液を用いて分配した。このうち85重量%のメタノール分液層から溶媒を取り除いた後、約5gの分液を得た。これらの分液を対象に逆相シリカフラッシュクロマトグラフィーを行った。この際、固定相は、逆相シリカC18を用い、溶離液は高い極性から低い極性の溶媒の順に使用した。その順序は、50%水/50%メタノール、40%水/60%メタノール、30%水/70%メタノール、20%水/80%メタノール、10%水/90%メタノール、100%メタノール、100%アセトンがあった。各層に該当する物質を対象に造骨細胞の分化能を測定した結果、10%水/90%メタノール分液(116V)と100%メタノール分液(116VI)においてその効能を確認し、二つの分液をそれぞれ1g内外に得た。
【0058】
活性を有した二つの分液に対して化合物を精製するために、高性能の液体クロマトグラフィー(reversephased semiprep HPLC)を行った。先ず、分液116Vに対して次のような条件でクロマトグラフィーを行い、化合物1、9及び10を得た。
【0059】
[カラム:YMC ODSC18、粒径:5μm、カラムの大きさ:250×10mm(長さ×直径)、溶出速度:2.0ml/min、検出器:屈折率検出器、溶離液:65重量%アセトニトリル(ACN)と35重量%の水混合液]
【0060】
この分液50mgを注入したとき、保持時間33分(化合物1)、15分(化合物9)、40分(化合物10)程度で、オレンジ色のオイル状の成分が、それぞれ約25mg、1.5mg、1.0mgに分離された。次の分液116VIに対しても同じHPLCを用いたが、追加的な成分を分離するために展開溶媒の条件を異にした。この場合には、70重量%アセトニトリルと30重量%の水の混合液を使用した。1回の総展開時間は1時間30分程度かかり、そのうち1時間10分ごろ、オレンジ色のオイル状の化合物2、1時間40分ごろ化合物3、最後に、1時間57分ごろ化合物4が分液5mgを1回を注入した際、それぞれ0.5mg、0.08mg、0.004mgの量に分離精製され、取得された。
【実施例2】
【0061】
新規化合物の化学構造の分析
前記分液116Vと116VIから得た化合物1‐4また9、10に対して、先ず、水素核磁気共鳴分光法で測定し、純度を検査した後、次のような機器を用いて分光学的なデータを得た。先ず、各化合物に対する分子量を測定するために、質量分析器(Jeo社のJMS700 spectrometer)を用い、精密な化学構造の分析は、核磁気共鳴分光器(Varian社のVNMRS500 spectrometer)を活用して行われた。その他の分子の紫外線吸収帯及び赤外線吸収帯の測定のために、Varian社のCary50とJACSO社のFT_IR4100 spectrometerをそれぞれ用い、偏光角はJACSO社のP1010偏光器を用いた。
【0062】
化合物1は淡いオレンジ色のオイル状に分離され、高性能のFAB質量分析データ([M+H]+m/z399.2533)から前記化合物1を分子式がC25H34O4であることが確認された。赤外線スペクトル分析による特徴的な吸収帯が3433cm−1と1680cm−1から現れるため、前記化合物1は水酸基と、カルボニル官能基を有していることが推定された、また、C13NMRとHNMRにより化合物の構造を明らかにした。
【0063】
前記化合物1に対する化学シフト値は下記の表1に整理した。
【0064】
【表1】
【0065】
一方、この化合物に対する相対的な立体構造を決定するために、ROESY実験を行った。特に、4.49ppmと2.59ppmにある二つの水素間のNOEから鎖AとBがcis状に連結されており、5.28ppmにある水素は5.54ppmと2.43ppmの二つの水素とのNOE情報から鎖Cの立体的な配向を決定することができた。
【0066】
最後に、16番の炭素に結合した水素の空間的配向は、隣の水素間の対相関関数(11.3、7.8、3.4Hz)から推定することができ、また、19番のメチル水素が、5番また6番水素とのNOE関係を有しているため、これを間接的に証明している。
【0067】
化合物1の絶対的立体化学構造は、円二色性スペクトル(CD)分析を通じて決定された。シクロヘキサノン内のキラル中心の絶対立体配向は、Snatzkeの区域法則(sector rule)によって決定された。鎖Aのシクロヘキサノンにある7番炭素のキラル中心がSの絶対立体配向を有する場合、化合物1は円二色性スペクトルのnπ*転移領域(330nm、350nm)において正の吸光を示す。化合物1は330nm350nmにおいて正の吸光を示し、これを通じて前記化合物1乃至7番炭素周りの絶対立体配向をSに決定した(図2)。
【0068】
他の五つの化合物に対しても前記のような方法で化学構造を解釈した。三つの化合物に対するそれぞれの炭素NMRデータと水素NMRデータは、下記の表2乃至4にそれぞれ示し、その他の物理的及び分光的データは、表5に整理した。
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【実施例3】
【0073】
化合物Iのエステル化反応誘導体の合成
【0074】
本発明の化合物1をテトラヒドロフランに溶かした。温度を0〜5℃に下げた後、ジイソプロピルエチルアミンとブチリルクロライドを順に添加した。0〜5℃で1時間攪拌した後、エチルアセテートと水を添加して抽出し、有機溶媒層を分離して蒸留した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)で精製し化合物5を得た。
【0075】
化合物5(C29H41O5)の[M+H]+=469.29
【実施例4】
【0076】
化合物1アジド置換反応誘導体の合成
【0077】
本発明の化合物1を塩化メチレンに溶かした後、0〜5℃に温度を下げた。ジ−tert−ブチルメチルピリジンとトリフルオロメタンスルホン無水物を順に添加し、30分間攪拌した。塩化メチレンと水を添加して抽出した後、有機溶媒層を分離して蒸留した。溶媒を全て飛ばした後、ジメチルホルムアミドに再度溶かした。アジ化ナトリウムを添加した後、3時間の間常温にて攪拌し、塩化メチレンを添加して希釈させた後、水で何度も洗浄した。有機溶媒層を分離して蒸留した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)で精製し化合物6を得た。
【0078】
化合物6(C25H34N3O3)の[M+H]+=424.26
【実施例5】
【0079】
化合物1のエーテル誘導体の合成
【0080】
本発明の化合物1とジ−tert−ブチルメチルピリジンを塩化メチレンに溶かした。メタントリフルオロスルホン酸塩を添加した後、常温にて3時間攪拌した。溶媒を飛ばした後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)で精製し化合物7を得た。
【0081】
化合物7(C26H37O4)の[M+H]+=413.27
【実施例6】
【0082】
化合物1の炭酸塩誘導体の合成
【0083】
本発明の化合物1を塩化メチレンに溶かした後、温度を0〜5℃に下げた。ピリジンとクロロギ酸ビニルを順に添加した後、常温にて1時間攪拌した。塩化メチレンで希釈した後、水で洗浄した。有機溶媒層を分離して蒸留した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)で精製し化合物8を得た。
【0084】
化合物8(C28H37O6)の[M+H]+=469.26
【0085】
[試験例1]新規化合物に対する造骨細胞の形成能測定(Calcium Deposition Assay)
【0086】
ATCCから購入したマウスの間葉前駆細胞であるC3H/10T1/2を5.958g/L HEPES、3.7g/L重曹(sodium bicarbonate)、10%のウシ胎仔血清(FBS:fetal bovine serum)を含むDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地に希釈し、24ウェル培養皿に4×104cells/wellの濃度にして37℃、5%CO2の存在下で二日間培養した。培養された細胞が培養皿に90〜100%に育つと、10%のFBSを含むDMEM培地に、10mM βグリセロリン酸塩(βglycerophosphate)、50μ/mlアスコルビン酸(ascorbic acid)を添加し、37℃、5%CO2の存在下で六日間培養して造骨細胞への分化を誘導した。また、分化する間、培地は二日に一度ずつ変更した。造骨細胞への分化を誘導したC3H/10T1/2細胞株をPBS(phosphate Buffered Saline)で一回洗浄し、70%エタノールで20℃にて一時間固定させた。固定が終わった細胞を冷たいPBSで3度洗浄し、40mM Alizarin Red S染色溶液で常温にて20分間染色した。造骨細胞に分化された細胞のみを選択的に観察するために、染色液を取り除き、蒸留水で3度洗浄した。
【0087】
海綿で抽出、分配した分液(116V)と分液(116VI)をDMSO溶液に溶かした後、 間葉前駆細胞であるC3H/10T1/2細胞株に1、2.5、5、10、20ug/mlの濃度で処理した結果、濃度依存的に顕著に増加した造骨細胞分化能を示し、20ug/mlの濃度においては弱い細胞毒性が観察された。その後、分液116Vと116VIを純粋に分離した化合物1(1163)、化合物2(1162)、化合物3(1161)及び化合物4(1164)に対して同一の実験を行った結果、化合物1、3及び4で増加した造骨細胞の分化能が確認できた。最大活性を示す濃度は少ずつ相違した。化合物3(116‐1)2.5μg/mlで最大活性を示し、その後の濃度では細胞毒性が観察できた。化合物1(116‐3)は純粋に分離されていない分液(116V)の活性と類似に、濃度依存的に10μg/mlの濃度まで顕著に増加した活性を示し、20μg/mlの濃度において細胞毒性を示した。化合物4は、5μg/ml濃度において最大活性を示した後、その以上では細胞毒性が観察された(図3)。造骨細胞の分化能を示す作用機構に対する研究のために、C3H/10T1/2細胞株を化合物1及び化合物4でそれぞれ六日間処理した後、リアルタイムPCR(RTPCR)を通じて造骨細胞の分化マーカー(Runx2、Osteocalcin、Msx2等)の転写程度が顕著に増加することを究明した(図4)。また、C3H/10T1/2細胞株を化合物1及び化合物4でそれぞれ六日間処理した後、ウェスタンブロット(Western Blot)を通じてRunx2とTAZのタンパク質発現が増加することを確認した(図5及び6)。従って、本発明の化合物はRunx2とTAZタンパク質の転写後、調節段階を通じてその量的増加が行われ、これを通じて造骨細胞の分化が促進され得るということが分かった。また、これとともに、化合物の処理を通じてTAZとRunx2との結合が増加し、これに伴うRunx2を媒介とした転写活性の増加が確認できた。より生理活性の良い物質を形成するために、化合物1(1163)のエステル誘導体である化合物5を合成し、このように形成された化合物5の構造もまた究明した。さらに形成された誘導体の生理活性(造骨細胞の分化能)をカルシウム沈着分析(calcium deposition assay)を通じて確認した結果、化合物1の誘導体である化合物5もまた類似した程度で造骨細胞の分化を促進することが確認された(図7)。従って、本発明の化合物及びこれらの誘導体は、造骨細胞の分化を促進することにより骨粗鬆症の治療に画期的な役割を果たすことが期待される。
【0088】
[試験例2]新規化合物に対する脂肪細胞分化抑制能の測定
【0089】
ATCCから購入したマウスの間葉前駆細胞であるC3H/10T1/2細胞を5.958g/L HEPES、3.7g/L重曹(sodium bicarbonate)、10%のウシ胎仔血清(FBS:fetal bovine serum)を含むDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地に希釈し、24ウェル培養皿に4×104cells/wellの濃度にして37℃、5%CO2の存在下で二日間培養した。培養された細胞が培養皿に90〜100%に育つと、10%のFBSを含むDMEM培地に5μ/mlインスリン、1μMデキサメタゾン(dexamethason)、5μMトログリタゾン(troglitazone)を添加し、37℃、5%CO2の存在下で八日間培養して脂肪細胞の分化を誘導した。また、分化する間、培地は二日に一度ずつ変更した。脂肪細胞に分化を誘導したC3H/10T1/2細胞株を3.7%ホルムアルデヒドで常温にて30分間固定させた。イソプロパノールに0.5%になるように溶かしたOil Red O溶液を6:4の割合で蒸留水に希釈し、0.2μmのフィルタでろ過させ、固定された細胞株に分株けし、常温にて一時間の間染色した。脂肪細胞に分化された細胞のみを観察するために、染色液を取り除き、蒸留で二度洗浄した。
【0090】
海綿で抽出した116V試料をDMSO溶液に溶かした後、間葉前駆細胞であるC3H/10T1/2細胞株に1、2.5、5、10、20μg/mlの濃度で処理した結果、濃度依存的に顕著に減少された脂肪細胞の分化能を示した。その後、116Vと116VIの試料を純粋に分離した化合物1(1163)、化合物2(1162)、化合物3(1161)及び化合物4(1164)の試料を確保した後、同一の実験を行った結果、同一の10μg/mlの濃度において顕著に減少された脂肪細胞の分化能が確認できた。特に、化合物1(116‐3)試料は、低濃度(1μg/ml)においても他の試料と比較して顕著な脂肪細胞の分化抑制能を示した。脂肪細胞の分化過程において各試料から顕著な細胞毒性は観察されなかった(図8)。化合物1は、3T3‐L1細胞に対する効能検証の結果、この細胞においても大変優れた脂肪細胞分化抑制能を示した(図9)。
【0091】
[試験例3]新規化合物に対する肝臓‐X‐受容体(LXR)拮抗効能及び選択性の測定
【0092】
トランスフェクション検索には、動物細胞株CV‐1を用いた。細胞は、5%の二酸化炭素が含まれた37℃細胞培養器からDMEM培地に培養された。培地には10%ウシ胎仔血清(FBS)、100U/mlペニシリンまた100μg/mlのストレプトマイシンが含まれた。実験最初の日、CV‐1細胞を96ウェル(well)プレート(plate)に5,000cells/wellで接種した。二日目に接種された細胞にGAL‐hLXRを発現するプラスミド(plasmid)、ルシフェラーゼ遺伝子を発現するプラスミドまた、β-ガラクトシダーゼを発現するプラスミドをトランスフェクション試薬であるSuperfect(QIAGEN)を用いてトランスフェクションした。16時間後、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶けている化合物1を効能剤であるTO901317(2.5μM)とともにトランスフェクションされた細胞に濃度別に処理した。陰性対照群としてはジメチルスルホキシドを最終濃度1%になるように処理した。陽性対象群としてはTO901317を最終濃度500nMになるように処理した。24時間培養した後、細胞溶解試薬(lysis buffer)を用いて細胞を溶解し、照度計(luminometer)でルシフェリン(luciferin)を添加してルシフェラーゼ活性を測定した。β-ガラクトシダーゼ活性はONPG試薬を添加した後、 ELISAリーダー(ELISA reader)で測定された。測定されたルシフェラーゼ数値をβ-ガラクトシダーゼ活性数値に補正した。この実験の結果、化合物1はLXRα及びβに対してそれぞれIC50値18.7及び20.4nMを示した(図10)。また、様々な核受容体に対する選択性を測定するために、同一の方法にて各種の核受容体に対する活性を測定した。しかし、化合物1は他の核受容体に対しては全く活性を示さなかった(図11)。また、化合物1はBiacore実験を通じてLXRタンパク質に直接結合することを立証した(図12)。
【0093】
[試験例4]新規化合物に対する細胞毒性の測定
【0094】
マウスの脾臓細胞を正常細胞における毒性を測定することに用いた。マウスの脾臓細胞は、次のように準備された。5〜6週齢のマウスから脾臓を取り出して細かく刻んだ後、100μmの孔の大きさを有する網を通して浮遊された脾臓細胞のみをろ過した。脾臓細胞と混ざっている赤血球は赤血球溶解試薬を用いて溶解させた後、細胞を遠心分離し沈殿させて洗浄する過程を通じて取り除いた。準備された脾臓細胞は、5×105cells/wellの濃度で96ウェル(well)プレート(plate)に接種した。この際、毒性測定を行おうとする化学式1の化合物で、濃度別に分離された脾臓細胞を処理した。次の日、16〜18時間の間培養された細胞に、CellTiter‐Glo Luminescent Cell Viability Assay試薬(Promega)を処理した後、10分後に照度計(luminometer)で細胞の生存率を測定した。化合物1はマウスの脾臓細胞に対して細胞毒性IC50値は63μMを示し、LXRに対する拮抗濃度に比べて1,000倍以上高い値を示していることで正常細胞に対する細胞毒性はほとんどないことが判明された(図13)。
【0095】
[試験例5]新規化合物に対する肝細胞における遺伝子発現機能の確認
【0096】
開発された肝臓‐X‐受容体拮抗剤の効能を確認するために、マウス及び人間の肝細胞における遺伝子発現調節機能を確認した、本実験においては、マウスの肝細胞であるAML12細胞と、人間の肝細胞であるHepG2細胞が用いられた。ALM12細胞は5%の二酸化炭素が含まれた37℃の細胞培養器からDMEM培地に培養された。培地には10%ウシ胎仔血清(FBS)、100U/mlのペニシリンまた100μg/mlのストレプトマイシンが含まれた。実験最初の日、AML12細胞を6ウェル(well)プレート(plate)に接種した。二日目に80%程度育った細胞の培地を血清が含まれていないDMEM培地に交換した後、TO901317と開発された肝臓‐X‐受容体拮抗剤を処理群当り3つのwellに処理した。陰性対照群としては、ジメチルスルホキシドを最終濃度0.2%になるように処理し、陽性対照群としてはTO901317を最終濃度500nMになるように処理した。拮抗剤の効能を知るために開発された化合物1を1μMの濃度で単独処理したり、500nMのTO901317とともに処理した。18時間培養した後、肝細胞の全てのRNAをRNeasy total RNA extraction kit(QIAGEN)を用いて抽出した。抽出されたRNAは定量してcDNA合成に各サンプル当り1μgずつ使用した。cDNAの合成にはTranscriptor First Strand cDNA Synthesis kit(Roche)を用いた。合成された肝細胞のcDNAはリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を通じて遺伝子分析が行われた。リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応のために合成されたcDNAにACCI又はActin遺伝子に選択的なプライマーとQuantiTech Master Mix(QIAGEN)を混合した。ポリメラーゼ連鎖反応は、95度10秒、60度15秒、また72度20秒の反応を45回繰り返して行った。全てのcDNAサンプルはtriplicateで反応を行った。各遺伝子の処理群当り発現量の比較のために、各サンプル当りのCt値をリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応の分析ソフトウェアを用いて得た。各処理群当りのCt値は陰性対照群のCt値と比較され、遺伝子発現量の差が計算された。各処理群当りの関心がある遺伝子の発現量の差は、GADPH遺伝子発現量の差で補正された。この実験の結果、化合物1は、脂肪肝発病の原因となる脂肪酸生合成遺伝子SREBP1c、ACC及びFASの発現を大変効果的に抑制すると判明された(図14)。
【0097】
[試験例6]新規化合物に対する実験動物モデルにおける脂肪肝の抑制効能の測定
【0098】
本発明で開発された化合物1の脂肪肝の抑制効能を検証するために、C57BL/6背景のマウスで実験が行われた。10週齢のC57BL/6マウスを一般飼料を与えながら脂肪肝を発生させるT091317物質を投与し、脂肪肝モデルを構築した。化合物1による脂肪肝抑制効能は、この化合物を経口投与して観察した。陰性対照群としては、薬物伝達体である0.75%カルボキシメチルセルロースのみを与えたマウスが用いられ、陽性対照群としては、T0901317物質のみを与えたマウスが用いられた。また、C57BL/6マウスの肝臓の遺伝子発現を分析するために、陰性対照群、陽性対照群及び処理群のマウスの肝臓を摘出し、Trizolを用いてRNAを得た。得られたRNAは、吸光分光計(Nanodrop)を用いて定量化され、各グループ間の同一の量のRNAからoligo dTとreverse transcriptaseを用いたRT−PCR方法を通じてcDNAが得られた。グループ間のmRNA変化を分析するために得られたcDNAをtemplateにし、脂肪合成と肝臓への脂肪流入に関する遺伝子(transporter)のプライマーを用いるリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応が行われた。この実験の結果、化合物1は脂肪肝が誘導されたマウスに投与する際、処理群と対象群との間に体重の差はなく、実験動物モデルにおいても大変優れた脂肪肝抑制効能を示した(図15及び16)。また、遺伝子発現を分析した結果、脂肪肝発病の原因となる脂肪酸生合成遺伝子と肝臓に脂肪を移送するトランスポータの遺伝子発現を大変効果的に抑制すると判明された(図17)。従って、本発明の化合物及びこれらの誘導体は、アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝、ウイルス感染による脂肪肝の治療に大変画期的な役割をすることが期待される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピロキラルの炭素骨格を有する新規化合物、その製造方法及びそれを含む薬剤学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の急速な経済成長と医学の発展は、過栄養及び老齢人口の増加をもたらし、肥満とこれによる脂肪肝患者の急激な増加とともに高齢化による骨粗鬆症患者の増加の原因となった。
【0003】
長い間、脂肪組織は、生体組織を保護し、体温を維持する機能とともに、身体活動のためのエネルギーの貯蔵所のみとして考えられてきたが、最近多くの研究結果は、脂肪組織が人体の生理や発生においても重要な役割を果たすことを証明している。特に、脂肪細胞で、adipsin、TNFa、leptin等のように、エネルギーの均衡、血糖調節、インスリン感受性の調節、血管生成等の色々な生理活性が調節できる物質を分泌するという事実が次々に発見されることにより脂肪細胞を人体の代謝調節の中心軸として考えるようになった。
【0004】
一方、肥満により深刻な社会的疾患が生じることにより脂肪細胞の形成を抑制する薬物の開発も活発に行われている。しかし、肥満による非アルコール性脂肪性肝炎患者の急激な増加は、現代人の健康に深刻な危険として作用しているにもかかわらず、これを治療するための効果的な薬物はまだ開発されていない。
【0005】
骨粗鬆症は、骨形成のバランス、即ち、造骨細胞による骨形成能と破骨細胞による骨吸収能とが崩れて生じた結果である。造骨細胞及び破骨細胞の生成調節は、ホルモン、外部栄養、遺伝的な側面から行われると知られているが、直接的に骨疾患の原因となる遺伝子はあまり知られていない。
【0006】
現在、治療方法として行われて方法は、ほとんど骨細胞の吸収能を抑制することで骨細胞のバランスを取る方法である。しかし、そのような薬物は副作用が酷いか微細な臨床効果を示すだけであるため、新しい概念の薬物開発が要求されている。したがって、多くの研究者が、直接的に骨細胞の形成、即ち、造骨細胞の活性化が促進できる薬物を開発しようと試みているが、良い効果を示す新しい薬物は、まだ開発されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、第一に、大変優れた造骨細胞の分化能を有する新規化合物を提供することを目的とする。
【0008】
第二に、優れた脂肪細胞の分化抑制能を有する新規化合物を提供することを目的とする。
【0009】
第三に、肝臓‐X‐受容体(LXR)に対して選択的かつ優秀な拮抗活性を有する新規化合物を提供することを目的とする。
【0010】
第四に、肝における脂肪生合成及び脂肪吸収を抑制する新規化合物を提供することを目的とする。
【0011】
第五に、前記の新規化合物を有効成分として含む骨粗鬆症、脂肪肝又は肥満治療用の薬剤学的組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、新規な下記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を提供する:
【0013】
[化学式1]
【0014】
前記式においてWはCO又はCHOR1であり、XはN2、NHR2、OR2、SR2、SeR2、又はTeR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、C4〜C20のヘテロアリール又は
の中から選ばれ、前記YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O、S、Se又はTeであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール又はC4〜C20のヘテロアリールの中から選ばれ、MとNはそれぞれ水素、OH又は存在せず、この時M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される。
【0015】
また、本発明は、(a)海綿動物Phorbas sp.を切断して乾燥させた後、C1〜C4のアルコールで抽出する段階;
【0016】
(b)前記(a)の段階から得た抽出物を水と塩化メチレンを用いて分配させた後、有機層の溶媒を取り除き、またノルマルヘキサンと、メタノール及び水の混合溶液を用いて分類させる段階;及び
【0017】
(c)前記(b)の段階から得たメタノール分液層の溶媒を取り除いた後、固定相としてシリカを用い、溶離液として溶離液の総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用い、クロマトグラフィーを行って分液を得る段階を含む前記化学式1の化合物の製造方法を提供する。
【0018】
また、本発明は、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする骨粗鬆症治療用の薬剤学的組成物を提供する。
【0019】
また、本発明は、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする脂肪肝治療用の薬剤学的組成物を提供する。
【0020】
また、本発明は、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肥満治療用の薬剤学的組成物を提供する。
【0021】
また、本発明は、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肝臓‐X‐受容体(LXR)拮抗用の薬剤学的組成物を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の化学式1の化合物は、大変優れた造骨細胞の分化能を有するため、骨粗鬆症の治療に画期的な役割を果たすことが期待される。また、前記化学式1の化合物は、肝臓‐X‐受容体(LXR)に対して強い拮抗作用を示し、肝臓における脂肪生合成及び脂肪吸収を抑制するため、脂肪肝の治療にも大変効果的に用いられることが期待される。また、前記化学式1の化合物は優れた脂肪細胞の分化抑制能を有するため、肥満治療にも大変効果的に用いられることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、(a)COSY実験から得た水素との相関性(太い線)とHMBC相関性(矢印は水素核における炭素核との相関結合を示す)を図示したものであり、(b)本発明の化合物1〜4の構造を図示したものである。
【図2】図2は、本発明の化合物1及び2が示す円二色性スペクトルである。
【図3】図3は、本発明の抽出分液116Vと化合物1乃至4の造骨細胞分化能の測定結果を示した写真である(試験例1)。
【図4】図4は、本発明の化合物1乃至4でC3H/10T1/2細胞株を六日間処理した後、リアルタイムPCR(RTPCR)を通じて造骨細胞の分化マーカー(Runx2,Osteocalcin,Msx2等)の転写程度を確認した結果を示すRTPCRデータである(試験例1)。
【図5】図5は、本発明の化合物1乃至4でC3H/10T1/2細胞株を六日間処理した後、ウェスタンブロット(Western Blot)を通じて造骨細胞の分化マーカーであるTAZのタンパク質発現を確認したウェスタンブロットデータである(試験例1)。
【図6】図6は、本発明の化合物1乃至4でC3H/10T1/2細胞株を六日間処理した後、ウェスタンブロット(Western Blot)を通じて造骨細胞の分化マーカーであるTAZ及びRunx2のタンパク質発現を確認したウェスタンブロットデータである(試験例1)。
【図7】図7は、前記試験例1で実施した本発明の化合物5の造骨細胞分化能の測定結果を示した写真である。
【図8】図8は、前記試験例2で実施した本発明の抽出分液116Vと化合物1乃至4の脂肪細胞(C3H/10T1/2)分化能の測定結果を示した写真である。
【図9】図9は、前記試験例2で実施した本発明の化合物1の脂肪細胞(3T3‐L1)分化抑制能の測定結果を示した写真である。
【図10】図10は、前記試験例3で実施した本発明の化合物1のLXR核受容体の拮抗活性の測定結果を示したグラフである。
【図11】図11は、前記試験例3で実施した本発明の化合物1の各種の核受容体に対する選択活性の測定結果を示したグラフである。
【図12】図12は、前記試験例3で実施した本発明の化合物1のLXR核受容体のタンパク質に対する直接結合の測定結果を示したグラフである。
【図13】図13は、試験例4で実施した本発明の化合物1のマウスの脾臓細胞に対する細胞毒性の測定結果を示したグラフである。
【図14】図14は、前記試験例5で実施した本発明の化合物1の肝細胞(AML12及びHepG2細胞)における遺伝子発現調節機能の測定結果を示したグラフである。
【図15】図15は、前記試験例6で実施した本発明の化合物1のマウスへの投与実験において、投与期間の間、処理群及び対照群間の体重変化を示したグラフである。
【図16】図16は、前記試験例6で実施した本発明の化合物1の疾患動物モデルにおける脂肪肝抑制効能の結果を示したグラフ及び写真である。
【図17】図17は、前記試験例6で実施した本発明の化合物1の疾患動物モデルにおける効能の立証後、この動物モデルにおいて化合物1により現れる遺伝子発現調節効能の測定結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、新規な下記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内における加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩に関するものである。
【0025】
[化学式1]
【0026】
前記式においてWはCO又はCHOR1であり、XはN3、NHR2、OR2、SR2、SeR2、又はTeR2であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、C4〜C20のヘテロアリール又は
の中から選ばれ、前記YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O、S、Se又はTeであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール又はC4〜C20のヘテロアリールの中から選ばれ、MとNはそれぞれ水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される。
【0027】
前記化学式1の化合物は、国内で生息する海綿動物Phorbas sp.の抽出物(KNUE116)から分離されたり、前記の分離された化合物を出発物質として合成できるものであり、スピロキラル(spiro chiral)炭素骨格を有する新規化合物である。前記化学式1の化合物は造骨細胞分化を画期的に促進し、脂肪細胞の分化能を顕著に抑制し、肝臓における脂肪生成及び脂肪吸収を抑制するため、骨粗鬆症の治療、脂肪肝治療及び肥満治療に画期的な役割を果たすと期待される。
【0028】
前記化学式1の化合物を具体的に例示すると次のとおりである:
【0029】
【0030】
前記化学式において、X1は、N3、NH2、OH、SH、SeH又はTeHであり、
【0031】
X2は、NH、O、S、Se又はTeであり、
【0032】
Zは、単結合、NH、O、S、Se又はTeであり、
【0033】
R1は、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、C4〜C20のヘテロアリール又は
であり、
【0034】
R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、又はC4〜C20のヘテロアリールである。
【0035】
前記化学式1の化合物のうち、より好ましい化合物としては、前記WはCO又はCHOR1であり、XはN3、NHR2、OR2、SR2、SeR2又はTeR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル又は
の中から選ばれ、前記YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O又はSであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニルの中から選ばれ、MとNはそれぞれ水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される化合物が挙げられる。
【0036】
前記化学式1の化合物のうち、より好ましい化合物としては、WはCO又はCHOR1であり、XはN3、OR2、又はSR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル又は
の中から選ばれ、前記YはO又はSであり、Zは単結合であり、R3は水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニルの中から選ばれ、MとNはそれぞれ水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される化合物が挙げられる。
【0037】
前記化学式1の化合物をより具体的に例示すると次のとおりである。
【0038】
【0039】
また、本発明は、前記化学式1の化合物の製造方法を提供する。
【0040】
本発明の製造方法は、
【0041】
(a)海綿動物Phorbas sp.を切断して乾燥させた後、C1〜C4のアルコールで抽出する段階;
【0042】
(b)前記(a)の段階から得た抽出物を水と塩化メチレンを用いて分配させた後、有機層の溶媒を取り除き、またノルマルヘキサンと、メタノール及び水の混合溶液を用いて分配させる段階;及び
【0043】
(c)前記(b)の段階から得たメタノール分液層の溶媒を取り除いた後、固定相としてシリカを用い、溶離液として溶離液の総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用い、クロマトグラフィーを行って分液を得る段階を含む。
【0044】
また、前記製造方法は、前記(c)の段階の後、(d)前記(c)の段階から得た分液を精製する段階をさらに含むことができる。
【0045】
前記(a)の段階において、乾燥は凍結乾燥の方式を用いるのが好ましく、C1〜C4のアルコールのうち、メタノールを用いるのが好ましい。また、抽出は室温で行うことができ、2時間以上行うのが好ましい。
【0046】
前記(b)の段階において、前記メタノールと水の混合溶液は、溶液の総重量に対してメタノール60〜90重量%と水10〜40重量%を含むことが好ましい。
【0047】
前記(c)の段階においては、逆相のフラッシュクロマトグラフィーを行うのが好ましく、溶離液として総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用いる前に、それより極性の高い水とメタノールの混合溶液を溶離液として用い、高い極性有する溶離液から低い極性を有する溶離液の順に1回以上のクロマトグラフィーを行うのが好ましい。特に、前記溶離液としては、水とメタノールの混合液を用いるのが好ましい。
【0048】
前記(d)の段階における精製は、高性能の液体クロマトグラフィー(reversephased semiprep HPLC)により行うことができ、溶離液としては溶離液の総重量に対してアセトニトリル(ACN)50〜80重量%と水20〜50重量%の混合液を用いるのが好ましい。
【0049】
一方、本発明の化学式1の化合物は、前記のような方法により分離された化合物を出発物質として、エステル反応、アジド置換反応、エーテル化反応等の方法により合成され得る。
【0050】
本発明は、また、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする骨粗鬆症治療、脂肪肝治療及び肥満治療用の薬剤学的組成物に関するものである。
【0051】
本発明は、また、薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として、前記化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肝臓‐X‐受容体(LXR)拮抗用の薬剤学的組成物を提供する。
【0052】
前記薬剤学的組成物において薬剤学的に許容できる担体は、薬剤投与に利用できるビヒクル又は媒体であり、本分野において通常使用されるものを制限なく使用することができる。例えば、溶媒、分散媒、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0053】
本発明の薬剤学的組成物は、通常の方法により、散剤、粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾル等の経口剤、外用剤、座剤、滅菌注射溶液等の形に剤形化され得る。
【0054】
本発明の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩の好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾患の程度、薬物形態、投与経路及び期間により異なるが、当業者によって適切に選択することができる。例えば、1日に0.01mg/kg乃至200mg/kgに投与することができる。投与は一日一度投与することもでき、数回に分けて投与することもできる。従って、前記投与量はどのような面からみても発明の範囲を限定するものではない。
【0055】
本発明の薬剤学的組成物は、ラット、マウス、家畜、人間等の哺乳動物に様々な経路で投与できる。既存に知られている投与の全ての方式が適用できるが、例えば、経口、直腸又は静脈、筋肉、皮下、子宮内膜又は脳血管内(intracerebroventricular)注射により投与することができる。
【0056】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。しかし、下記の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明は下記の実施例により限定されず、多様に修正及び変更することができる。
【実施例1】
【0057】
新規化合物の分離及び精製
国内に生息する海綿動物Phorbas sp.をスキューバダイビングで採集した後、約10cm以下の大きさに切断し、三日間凍結乾燥させて乾燥重量として約1kgを準備した。乾燥生物にメタノール3.0Lを加え、室温で二日間計2回に分けて抽出した。前記抽出物は、水と塩化メチレン溶媒を用いて分配した後、減圧濃縮により有機層から溶媒を取り除いた後、またノルマルヘキサンとメタノール85重量%及び水15重量%の混合溶液を用いて分配した。このうち85重量%のメタノール分液層から溶媒を取り除いた後、約5gの分液を得た。これらの分液を対象に逆相シリカフラッシュクロマトグラフィーを行った。この際、固定相は、逆相シリカC18を用い、溶離液は高い極性から低い極性の溶媒の順に使用した。その順序は、50%水/50%メタノール、40%水/60%メタノール、30%水/70%メタノール、20%水/80%メタノール、10%水/90%メタノール、100%メタノール、100%アセトンがあった。各層に該当する物質を対象に造骨細胞の分化能を測定した結果、10%水/90%メタノール分液(116V)と100%メタノール分液(116VI)においてその効能を確認し、二つの分液をそれぞれ1g内外に得た。
【0058】
活性を有した二つの分液に対して化合物を精製するために、高性能の液体クロマトグラフィー(reversephased semiprep HPLC)を行った。先ず、分液116Vに対して次のような条件でクロマトグラフィーを行い、化合物1、9及び10を得た。
【0059】
[カラム:YMC ODSC18、粒径:5μm、カラムの大きさ:250×10mm(長さ×直径)、溶出速度:2.0ml/min、検出器:屈折率検出器、溶離液:65重量%アセトニトリル(ACN)と35重量%の水混合液]
【0060】
この分液50mgを注入したとき、保持時間33分(化合物1)、15分(化合物9)、40分(化合物10)程度で、オレンジ色のオイル状の成分が、それぞれ約25mg、1.5mg、1.0mgに分離された。次の分液116VIに対しても同じHPLCを用いたが、追加的な成分を分離するために展開溶媒の条件を異にした。この場合には、70重量%アセトニトリルと30重量%の水の混合液を使用した。1回の総展開時間は1時間30分程度かかり、そのうち1時間10分ごろ、オレンジ色のオイル状の化合物2、1時間40分ごろ化合物3、最後に、1時間57分ごろ化合物4が分液5mgを1回を注入した際、それぞれ0.5mg、0.08mg、0.004mgの量に分離精製され、取得された。
【実施例2】
【0061】
新規化合物の化学構造の分析
前記分液116Vと116VIから得た化合物1‐4また9、10に対して、先ず、水素核磁気共鳴分光法で測定し、純度を検査した後、次のような機器を用いて分光学的なデータを得た。先ず、各化合物に対する分子量を測定するために、質量分析器(Jeo社のJMS700 spectrometer)を用い、精密な化学構造の分析は、核磁気共鳴分光器(Varian社のVNMRS500 spectrometer)を活用して行われた。その他の分子の紫外線吸収帯及び赤外線吸収帯の測定のために、Varian社のCary50とJACSO社のFT_IR4100 spectrometerをそれぞれ用い、偏光角はJACSO社のP1010偏光器を用いた。
【0062】
化合物1は淡いオレンジ色のオイル状に分離され、高性能のFAB質量分析データ([M+H]+m/z399.2533)から前記化合物1を分子式がC25H34O4であることが確認された。赤外線スペクトル分析による特徴的な吸収帯が3433cm−1と1680cm−1から現れるため、前記化合物1は水酸基と、カルボニル官能基を有していることが推定された、また、C13NMRとHNMRにより化合物の構造を明らかにした。
【0063】
前記化合物1に対する化学シフト値は下記の表1に整理した。
【0064】
【表1】
【0065】
一方、この化合物に対する相対的な立体構造を決定するために、ROESY実験を行った。特に、4.49ppmと2.59ppmにある二つの水素間のNOEから鎖AとBがcis状に連結されており、5.28ppmにある水素は5.54ppmと2.43ppmの二つの水素とのNOE情報から鎖Cの立体的な配向を決定することができた。
【0066】
最後に、16番の炭素に結合した水素の空間的配向は、隣の水素間の対相関関数(11.3、7.8、3.4Hz)から推定することができ、また、19番のメチル水素が、5番また6番水素とのNOE関係を有しているため、これを間接的に証明している。
【0067】
化合物1の絶対的立体化学構造は、円二色性スペクトル(CD)分析を通じて決定された。シクロヘキサノン内のキラル中心の絶対立体配向は、Snatzkeの区域法則(sector rule)によって決定された。鎖Aのシクロヘキサノンにある7番炭素のキラル中心がSの絶対立体配向を有する場合、化合物1は円二色性スペクトルのnπ*転移領域(330nm、350nm)において正の吸光を示す。化合物1は330nm350nmにおいて正の吸光を示し、これを通じて前記化合物1乃至7番炭素周りの絶対立体配向をSに決定した(図2)。
【0068】
他の五つの化合物に対しても前記のような方法で化学構造を解釈した。三つの化合物に対するそれぞれの炭素NMRデータと水素NMRデータは、下記の表2乃至4にそれぞれ示し、その他の物理的及び分光的データは、表5に整理した。
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【実施例3】
【0073】
化合物Iのエステル化反応誘導体の合成
【0074】
本発明の化合物1をテトラヒドロフランに溶かした。温度を0〜5℃に下げた後、ジイソプロピルエチルアミンとブチリルクロライドを順に添加した。0〜5℃で1時間攪拌した後、エチルアセテートと水を添加して抽出し、有機溶媒層を分離して蒸留した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)で精製し化合物5を得た。
【0075】
化合物5(C29H41O5)の[M+H]+=469.29
【実施例4】
【0076】
化合物1アジド置換反応誘導体の合成
【0077】
本発明の化合物1を塩化メチレンに溶かした後、0〜5℃に温度を下げた。ジ−tert−ブチルメチルピリジンとトリフルオロメタンスルホン無水物を順に添加し、30分間攪拌した。塩化メチレンと水を添加して抽出した後、有機溶媒層を分離して蒸留した。溶媒を全て飛ばした後、ジメチルホルムアミドに再度溶かした。アジ化ナトリウムを添加した後、3時間の間常温にて攪拌し、塩化メチレンを添加して希釈させた後、水で何度も洗浄した。有機溶媒層を分離して蒸留した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)で精製し化合物6を得た。
【0078】
化合物6(C25H34N3O3)の[M+H]+=424.26
【実施例5】
【0079】
化合物1のエーテル誘導体の合成
【0080】
本発明の化合物1とジ−tert−ブチルメチルピリジンを塩化メチレンに溶かした。メタントリフルオロスルホン酸塩を添加した後、常温にて3時間攪拌した。溶媒を飛ばした後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)で精製し化合物7を得た。
【0081】
化合物7(C26H37O4)の[M+H]+=413.27
【実施例6】
【0082】
化合物1の炭酸塩誘導体の合成
【0083】
本発明の化合物1を塩化メチレンに溶かした後、温度を0〜5℃に下げた。ピリジンとクロロギ酸ビニルを順に添加した後、常温にて1時間攪拌した。塩化メチレンで希釈した後、水で洗浄した。有機溶媒層を分離して蒸留した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)で精製し化合物8を得た。
【0084】
化合物8(C28H37O6)の[M+H]+=469.26
【0085】
[試験例1]新規化合物に対する造骨細胞の形成能測定(Calcium Deposition Assay)
【0086】
ATCCから購入したマウスの間葉前駆細胞であるC3H/10T1/2を5.958g/L HEPES、3.7g/L重曹(sodium bicarbonate)、10%のウシ胎仔血清(FBS:fetal bovine serum)を含むDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地に希釈し、24ウェル培養皿に4×104cells/wellの濃度にして37℃、5%CO2の存在下で二日間培養した。培養された細胞が培養皿に90〜100%に育つと、10%のFBSを含むDMEM培地に、10mM βグリセロリン酸塩(βglycerophosphate)、50μ/mlアスコルビン酸(ascorbic acid)を添加し、37℃、5%CO2の存在下で六日間培養して造骨細胞への分化を誘導した。また、分化する間、培地は二日に一度ずつ変更した。造骨細胞への分化を誘導したC3H/10T1/2細胞株をPBS(phosphate Buffered Saline)で一回洗浄し、70%エタノールで20℃にて一時間固定させた。固定が終わった細胞を冷たいPBSで3度洗浄し、40mM Alizarin Red S染色溶液で常温にて20分間染色した。造骨細胞に分化された細胞のみを選択的に観察するために、染色液を取り除き、蒸留水で3度洗浄した。
【0087】
海綿で抽出、分配した分液(116V)と分液(116VI)をDMSO溶液に溶かした後、 間葉前駆細胞であるC3H/10T1/2細胞株に1、2.5、5、10、20ug/mlの濃度で処理した結果、濃度依存的に顕著に増加した造骨細胞分化能を示し、20ug/mlの濃度においては弱い細胞毒性が観察された。その後、分液116Vと116VIを純粋に分離した化合物1(1163)、化合物2(1162)、化合物3(1161)及び化合物4(1164)に対して同一の実験を行った結果、化合物1、3及び4で増加した造骨細胞の分化能が確認できた。最大活性を示す濃度は少ずつ相違した。化合物3(116‐1)2.5μg/mlで最大活性を示し、その後の濃度では細胞毒性が観察できた。化合物1(116‐3)は純粋に分離されていない分液(116V)の活性と類似に、濃度依存的に10μg/mlの濃度まで顕著に増加した活性を示し、20μg/mlの濃度において細胞毒性を示した。化合物4は、5μg/ml濃度において最大活性を示した後、その以上では細胞毒性が観察された(図3)。造骨細胞の分化能を示す作用機構に対する研究のために、C3H/10T1/2細胞株を化合物1及び化合物4でそれぞれ六日間処理した後、リアルタイムPCR(RTPCR)を通じて造骨細胞の分化マーカー(Runx2、Osteocalcin、Msx2等)の転写程度が顕著に増加することを究明した(図4)。また、C3H/10T1/2細胞株を化合物1及び化合物4でそれぞれ六日間処理した後、ウェスタンブロット(Western Blot)を通じてRunx2とTAZのタンパク質発現が増加することを確認した(図5及び6)。従って、本発明の化合物はRunx2とTAZタンパク質の転写後、調節段階を通じてその量的増加が行われ、これを通じて造骨細胞の分化が促進され得るということが分かった。また、これとともに、化合物の処理を通じてTAZとRunx2との結合が増加し、これに伴うRunx2を媒介とした転写活性の増加が確認できた。より生理活性の良い物質を形成するために、化合物1(1163)のエステル誘導体である化合物5を合成し、このように形成された化合物5の構造もまた究明した。さらに形成された誘導体の生理活性(造骨細胞の分化能)をカルシウム沈着分析(calcium deposition assay)を通じて確認した結果、化合物1の誘導体である化合物5もまた類似した程度で造骨細胞の分化を促進することが確認された(図7)。従って、本発明の化合物及びこれらの誘導体は、造骨細胞の分化を促進することにより骨粗鬆症の治療に画期的な役割を果たすことが期待される。
【0088】
[試験例2]新規化合物に対する脂肪細胞分化抑制能の測定
【0089】
ATCCから購入したマウスの間葉前駆細胞であるC3H/10T1/2細胞を5.958g/L HEPES、3.7g/L重曹(sodium bicarbonate)、10%のウシ胎仔血清(FBS:fetal bovine serum)を含むDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地に希釈し、24ウェル培養皿に4×104cells/wellの濃度にして37℃、5%CO2の存在下で二日間培養した。培養された細胞が培養皿に90〜100%に育つと、10%のFBSを含むDMEM培地に5μ/mlインスリン、1μMデキサメタゾン(dexamethason)、5μMトログリタゾン(troglitazone)を添加し、37℃、5%CO2の存在下で八日間培養して脂肪細胞の分化を誘導した。また、分化する間、培地は二日に一度ずつ変更した。脂肪細胞に分化を誘導したC3H/10T1/2細胞株を3.7%ホルムアルデヒドで常温にて30分間固定させた。イソプロパノールに0.5%になるように溶かしたOil Red O溶液を6:4の割合で蒸留水に希釈し、0.2μmのフィルタでろ過させ、固定された細胞株に分株けし、常温にて一時間の間染色した。脂肪細胞に分化された細胞のみを観察するために、染色液を取り除き、蒸留で二度洗浄した。
【0090】
海綿で抽出した116V試料をDMSO溶液に溶かした後、間葉前駆細胞であるC3H/10T1/2細胞株に1、2.5、5、10、20μg/mlの濃度で処理した結果、濃度依存的に顕著に減少された脂肪細胞の分化能を示した。その後、116Vと116VIの試料を純粋に分離した化合物1(1163)、化合物2(1162)、化合物3(1161)及び化合物4(1164)の試料を確保した後、同一の実験を行った結果、同一の10μg/mlの濃度において顕著に減少された脂肪細胞の分化能が確認できた。特に、化合物1(116‐3)試料は、低濃度(1μg/ml)においても他の試料と比較して顕著な脂肪細胞の分化抑制能を示した。脂肪細胞の分化過程において各試料から顕著な細胞毒性は観察されなかった(図8)。化合物1は、3T3‐L1細胞に対する効能検証の結果、この細胞においても大変優れた脂肪細胞分化抑制能を示した(図9)。
【0091】
[試験例3]新規化合物に対する肝臓‐X‐受容体(LXR)拮抗効能及び選択性の測定
【0092】
トランスフェクション検索には、動物細胞株CV‐1を用いた。細胞は、5%の二酸化炭素が含まれた37℃細胞培養器からDMEM培地に培養された。培地には10%ウシ胎仔血清(FBS)、100U/mlペニシリンまた100μg/mlのストレプトマイシンが含まれた。実験最初の日、CV‐1細胞を96ウェル(well)プレート(plate)に5,000cells/wellで接種した。二日目に接種された細胞にGAL‐hLXRを発現するプラスミド(plasmid)、ルシフェラーゼ遺伝子を発現するプラスミドまた、β-ガラクトシダーゼを発現するプラスミドをトランスフェクション試薬であるSuperfect(QIAGEN)を用いてトランスフェクションした。16時間後、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶けている化合物1を効能剤であるTO901317(2.5μM)とともにトランスフェクションされた細胞に濃度別に処理した。陰性対照群としてはジメチルスルホキシドを最終濃度1%になるように処理した。陽性対象群としてはTO901317を最終濃度500nMになるように処理した。24時間培養した後、細胞溶解試薬(lysis buffer)を用いて細胞を溶解し、照度計(luminometer)でルシフェリン(luciferin)を添加してルシフェラーゼ活性を測定した。β-ガラクトシダーゼ活性はONPG試薬を添加した後、 ELISAリーダー(ELISA reader)で測定された。測定されたルシフェラーゼ数値をβ-ガラクトシダーゼ活性数値に補正した。この実験の結果、化合物1はLXRα及びβに対してそれぞれIC50値18.7及び20.4nMを示した(図10)。また、様々な核受容体に対する選択性を測定するために、同一の方法にて各種の核受容体に対する活性を測定した。しかし、化合物1は他の核受容体に対しては全く活性を示さなかった(図11)。また、化合物1はBiacore実験を通じてLXRタンパク質に直接結合することを立証した(図12)。
【0093】
[試験例4]新規化合物に対する細胞毒性の測定
【0094】
マウスの脾臓細胞を正常細胞における毒性を測定することに用いた。マウスの脾臓細胞は、次のように準備された。5〜6週齢のマウスから脾臓を取り出して細かく刻んだ後、100μmの孔の大きさを有する網を通して浮遊された脾臓細胞のみをろ過した。脾臓細胞と混ざっている赤血球は赤血球溶解試薬を用いて溶解させた後、細胞を遠心分離し沈殿させて洗浄する過程を通じて取り除いた。準備された脾臓細胞は、5×105cells/wellの濃度で96ウェル(well)プレート(plate)に接種した。この際、毒性測定を行おうとする化学式1の化合物で、濃度別に分離された脾臓細胞を処理した。次の日、16〜18時間の間培養された細胞に、CellTiter‐Glo Luminescent Cell Viability Assay試薬(Promega)を処理した後、10分後に照度計(luminometer)で細胞の生存率を測定した。化合物1はマウスの脾臓細胞に対して細胞毒性IC50値は63μMを示し、LXRに対する拮抗濃度に比べて1,000倍以上高い値を示していることで正常細胞に対する細胞毒性はほとんどないことが判明された(図13)。
【0095】
[試験例5]新規化合物に対する肝細胞における遺伝子発現機能の確認
【0096】
開発された肝臓‐X‐受容体拮抗剤の効能を確認するために、マウス及び人間の肝細胞における遺伝子発現調節機能を確認した、本実験においては、マウスの肝細胞であるAML12細胞と、人間の肝細胞であるHepG2細胞が用いられた。ALM12細胞は5%の二酸化炭素が含まれた37℃の細胞培養器からDMEM培地に培養された。培地には10%ウシ胎仔血清(FBS)、100U/mlのペニシリンまた100μg/mlのストレプトマイシンが含まれた。実験最初の日、AML12細胞を6ウェル(well)プレート(plate)に接種した。二日目に80%程度育った細胞の培地を血清が含まれていないDMEM培地に交換した後、TO901317と開発された肝臓‐X‐受容体拮抗剤を処理群当り3つのwellに処理した。陰性対照群としては、ジメチルスルホキシドを最終濃度0.2%になるように処理し、陽性対照群としてはTO901317を最終濃度500nMになるように処理した。拮抗剤の効能を知るために開発された化合物1を1μMの濃度で単独処理したり、500nMのTO901317とともに処理した。18時間培養した後、肝細胞の全てのRNAをRNeasy total RNA extraction kit(QIAGEN)を用いて抽出した。抽出されたRNAは定量してcDNA合成に各サンプル当り1μgずつ使用した。cDNAの合成にはTranscriptor First Strand cDNA Synthesis kit(Roche)を用いた。合成された肝細胞のcDNAはリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を通じて遺伝子分析が行われた。リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応のために合成されたcDNAにACCI又はActin遺伝子に選択的なプライマーとQuantiTech Master Mix(QIAGEN)を混合した。ポリメラーゼ連鎖反応は、95度10秒、60度15秒、また72度20秒の反応を45回繰り返して行った。全てのcDNAサンプルはtriplicateで反応を行った。各遺伝子の処理群当り発現量の比較のために、各サンプル当りのCt値をリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応の分析ソフトウェアを用いて得た。各処理群当りのCt値は陰性対照群のCt値と比較され、遺伝子発現量の差が計算された。各処理群当りの関心がある遺伝子の発現量の差は、GADPH遺伝子発現量の差で補正された。この実験の結果、化合物1は、脂肪肝発病の原因となる脂肪酸生合成遺伝子SREBP1c、ACC及びFASの発現を大変効果的に抑制すると判明された(図14)。
【0097】
[試験例6]新規化合物に対する実験動物モデルにおける脂肪肝の抑制効能の測定
【0098】
本発明で開発された化合物1の脂肪肝の抑制効能を検証するために、C57BL/6背景のマウスで実験が行われた。10週齢のC57BL/6マウスを一般飼料を与えながら脂肪肝を発生させるT091317物質を投与し、脂肪肝モデルを構築した。化合物1による脂肪肝抑制効能は、この化合物を経口投与して観察した。陰性対照群としては、薬物伝達体である0.75%カルボキシメチルセルロースのみを与えたマウスが用いられ、陽性対照群としては、T0901317物質のみを与えたマウスが用いられた。また、C57BL/6マウスの肝臓の遺伝子発現を分析するために、陰性対照群、陽性対照群及び処理群のマウスの肝臓を摘出し、Trizolを用いてRNAを得た。得られたRNAは、吸光分光計(Nanodrop)を用いて定量化され、各グループ間の同一の量のRNAからoligo dTとreverse transcriptaseを用いたRT−PCR方法を通じてcDNAが得られた。グループ間のmRNA変化を分析するために得られたcDNAをtemplateにし、脂肪合成と肝臓への脂肪流入に関する遺伝子(transporter)のプライマーを用いるリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応が行われた。この実験の結果、化合物1は脂肪肝が誘導されたマウスに投与する際、処理群と対象群との間に体重の差はなく、実験動物モデルにおいても大変優れた脂肪肝抑制効能を示した(図15及び16)。また、遺伝子発現を分析した結果、脂肪肝発病の原因となる脂肪酸生合成遺伝子と肝臓に脂肪を移送するトランスポータの遺伝子発現を大変効果的に抑制すると判明された(図17)。従って、本発明の化合物及びこれらの誘導体は、アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝、ウイルス感染による脂肪肝の治療に大変画期的な役割をすることが期待される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩:
[化学式1]
前記式においてWはCO又はCHOR1であり、XはN3、NHR2、OR2、SR2、SeR2又はTeR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、C4〜C20のヘテロアリール又は
の中から選ばれ、YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O、S、Se又はTeであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール又はC4〜C20のヘテロアリールの中から選ばれ、MとNはそれぞれ独立に水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される。
【請求項2】
WはCO又はCHOR1であり、XはN3、NHR2、OR2、SR2、SeR2又はTeR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、又は
の中から選ばれ、前記YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O又はSであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニルの中から選ばれ、MとNはそれぞれ独立に水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成されることを特徴とする請求項1に記載の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩。
【請求項3】
WはCO又はCHOR1であり、XはN3、OR2、又はSR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、又は
の中から選ばれ、前記YはO又はSであり、Zは単結合であり、R3は水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、又はC2〜C8のアルキニルの中から選ばれ、MとNはそれぞれ独立に水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成されることを特徴とする請求項2に記載の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩。
【請求項4】
前記化学式1の化合物が、
からなる群より選ばれることを特徴とする請求項3に記載の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩。
【請求項5】
(a)海綿動物Phorbas sp.を切断して乾燥させた後、C1〜C4のアルコールで抽出する段階;
(b)前記(a)の段階から得た抽出物を水と塩化メチレンを用いて分配させた後、有機層の溶媒を取り除き、またノルマルヘキサンと、メタノール及び水の混合溶液を用いて分配させる段階;及び
(c)前記(b)の段階から得たメタノール分液層の溶媒を取り除いた後、固定相としてシリカを用い、溶離液として溶離液の総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用い、クロマトグラフィーを行って分液を得る段階を含む請求項1の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項6】
(a)の段階において、乾燥は凍結乾燥の方式を用い、C1〜C4のアルコールとしては、メタノールを用いることを特徴とする請求項5に記載の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項7】
(b)の段階において、メタノールと水の混合溶液は溶液の総重量に対してメタノール60〜90重量%と水10〜40重量%とを含むことを特徴とする請求項5に記載の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項8】
(c)の段階において、溶離液として総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用いる前に、それより極性の高い水とメタノールの混合溶液を溶離液として用い、高い極性を有する溶離液から低い極性を有する溶離液の順に1又は2回以上クロマトグラフィーを行うことを特徴とする請求項5に記載の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項9】
製造方法は、(d)前記(c)の段階から得た分液を精製する段階をさらに含み、前記精製は高性能の液体クロマトグラフィー(HPLC)により行い、溶離液として、溶離液の総重量に対してアセトニトリル(ACN)50〜80重量%と水20〜50重量%の混合液を用いることを特徴とする請求項5に記載の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項10】
薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として請求項1の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする骨粗鬆症治療用の薬剤学的組成物。
【請求項11】
薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として請求項1の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする脂肪肝治療用の薬剤学的組成物。
【請求項12】
薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として請求項1の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肥満治療用の薬剤学的組成物。
【請求項13】
薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として請求項1の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肝臓‐X‐受容体(LXR)拮抗用の薬剤学的組成物。
【請求項1】
下記の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩:
[化学式1]
前記式においてWはCO又はCHOR1であり、XはN3、NHR2、OR2、SR2、SeR2又はTeR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール、C4〜C20のヘテロアリール又は
の中から選ばれ、YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O、S、Se又はTeであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、C3〜C8のシクロアルキル、C6〜C20のアリール又はC4〜C20のヘテロアリールの中から選ばれ、MとNはそれぞれ独立に水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成される。
【請求項2】
WはCO又はCHOR1であり、XはN3、NHR2、OR2、SR2、SeR2又はTeR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、又は
の中から選ばれ、前記YはO、S又はNR4であり、Zは単結合、NH、O又はSであり、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニルの中から選ばれ、MとNはそれぞれ独立に水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成されることを特徴とする請求項1に記載の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩。
【請求項3】
WはCO又はCHOR1であり、XはN3、OR2、又はSR2であり、前記R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、C2〜C8のアルキニル、又は
の中から選ばれ、前記YはO又はSであり、Zは単結合であり、R3は水素、C1〜C8の直鎖又は分枝アルキル、C2〜C8のアルケニル、又はC2〜C8のアルキニルの中から選ばれ、MとNはそれぞれ独立に水素、OH又は存在せず、この際M又はNに連結された炭素は他の炭素と単結合又は二重結合を形成し、各炭素における二重結合は一つ以下で形成されることを特徴とする請求項2に記載の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩。
【請求項4】
前記化学式1の化合物が、
からなる群より選ばれることを特徴とする請求項3に記載の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩。
【請求項5】
(a)海綿動物Phorbas sp.を切断して乾燥させた後、C1〜C4のアルコールで抽出する段階;
(b)前記(a)の段階から得た抽出物を水と塩化メチレンを用いて分配させた後、有機層の溶媒を取り除き、またノルマルヘキサンと、メタノール及び水の混合溶液を用いて分配させる段階;及び
(c)前記(b)の段階から得たメタノール分液層の溶媒を取り除いた後、固定相としてシリカを用い、溶離液として溶離液の総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用い、クロマトグラフィーを行って分液を得る段階を含む請求項1の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項6】
(a)の段階において、乾燥は凍結乾燥の方式を用い、C1〜C4のアルコールとしては、メタノールを用いることを特徴とする請求項5に記載の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項7】
(b)の段階において、メタノールと水の混合溶液は溶液の総重量に対してメタノール60〜90重量%と水10〜40重量%とを含むことを特徴とする請求項5に記載の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項8】
(c)の段階において、溶離液として総重量に対して20重量%以下の水を含むか含まないメタノール溶液を用いる前に、それより極性の高い水とメタノールの混合溶液を溶離液として用い、高い極性を有する溶離液から低い極性を有する溶離液の順に1又は2回以上クロマトグラフィーを行うことを特徴とする請求項5に記載の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項9】
製造方法は、(d)前記(c)の段階から得た分液を精製する段階をさらに含み、前記精製は高性能の液体クロマトグラフィー(HPLC)により行い、溶離液として、溶離液の総重量に対してアセトニトリル(ACN)50〜80重量%と水20〜50重量%の混合液を用いることを特徴とする請求項5に記載の化学式1の化合物の製造方法。
【請求項10】
薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として請求項1の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする骨粗鬆症治療用の薬剤学的組成物。
【請求項11】
薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として請求項1の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする脂肪肝治療用の薬剤学的組成物。
【請求項12】
薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として請求項1の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肥満治療用の薬剤学的組成物。
【請求項13】
薬剤学的に許容できる担体及び活性成分として請求項1の化学式1の化合物、その立体異性体、その鏡像異性体、生体内で加水分解可能なその前駆体又は薬剤学的に許容できるその塩を含むことを特徴とする肝臓‐X‐受容体(LXR)拮抗用の薬剤学的組成物。
【図10】
【図14】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図14】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2012−507509(P2012−507509A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534397(P2011−534397)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/KR2009/006357
【国際公開番号】WO2010/050783
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511109331)エスエヌユー アール&ディービー ファウンデーション (3)
【氏名又は名称原語表記】SNU R&DB FOUNDATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/KR2009/006357
【国際公開番号】WO2010/050783
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511109331)エスエヌユー アール&ディービー ファウンデーション (3)
【氏名又は名称原語表記】SNU R&DB FOUNDATION
【Fターム(参考)】
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