説明

スピーカー振動板およびその製造方法

【課題】 軽量で、かつ、優れた内部損失、耐熱性、強度、品質安定性および成形性を有するスピーカー振動板およびその簡便安価な製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明のスピーカー振動板は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で90/10〜70/30の割合で含有するアロイと、無機充填材とを含む樹脂組成物から成形されてなる。好ましくは、この樹脂組成物は、アロイ100重量部に対して、無機充填材を5〜30重量部の割合で含む。好ましくは、無機充填材は、グラファイト、タルク、マイカ、二硫化モリブデンおよびガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1つである。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカー振動板およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、軽量で、かつ、優れた内部損失、耐熱性、強度、品質安定性および成形性を有するスピーカー振動板およびその簡便安価な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカー振動板の材料としては、用途に応じて種々の材料が採用されている。例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話および携帯型ゲーム機器などに用いられるマイクロスピーカーの振動板については、代表的には、金属箔、コーティング布、高分子フィルムが用いられている。しかし、これらの材料は、それぞれ問題を有している。金属箔は高い剛性を有するが、内部損失が小さいため金属特有の固有音が発生しやすく、結果としてS/N比が悪くなる。コーティング布とは、代表的には、織布(例えば、綿または合成繊維)に熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂)を含浸し、その表面にアクリル樹脂またはウレタン樹脂等をコーティングしたものである。このようなコーティング布は、剛性および内部損失のいずれにも優れるが、振動板の通気を防止するために何層ものコーティングを施す必要があるので、重量が増大し、かつ、音圧が低下する。
【0003】
高分子フィルムとしては、エンジニアリングプラスチックのフィルムが用いられることが多くなってきている。エンジニアリングプラスチックは、汎用プラスチックに比べて剛性が大きく、かつ、金属箔およびコーティング布に比べて軽量であるからである。エンジニアリングプラスチック(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI))のフィルムは、優れた剛性および耐熱性を有するが、内部損失が小さい。その結果、S/N比が劣悪となり、歪の多い特性を有する振動板しか得られない。さらに、エンジニアプラスチックは一般的に比重が大きくなるので、音圧が低下するという問題も生じる。
【0004】
エンジニアリングプラスチックフィルムから得られる振動板の内部損失を向上させる手段として、当該フィルムの少なくとも片面に、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂をバインダーとして含む塗料をコーティングする技術が提案されている。この技術は、コーティングによって、振動時の内部摩擦を生じさせることを意図している。しかし、この技術によれば、重量がさらに増大して音圧低下の問題が大きくなり得るだけでなく、コーティングの厚みのばらつきに起因して、品質が安定しないという問題がある。
【0005】
一方、特許文献1には、優れた特性を有する振動板として、ポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン樹脂の混合物、あるいは、ポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン樹脂のグラフト重合体と結晶性ポリアミド樹脂のアロイと、ゴム状物質と、無機充填材と、相溶化剤とを含む樹脂組成物から成形された大口径スピーカー振動板が提案されている。特許文献1によれば、音速、接着性、耐熱性、内部損失に優れ、かつ、安価な大口径スピーカー振動板が得られる旨が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特許第3317052号
【0007】
しかし、特許文献1に記載の樹脂組成物は溶融時の流動性が不十分である。その結果、大口径でかつ単純な形状の振動板(例えば、コーン型振動板)は問題なく成形できるが、複雑な形状を有し、かつ、薄肉成形が必要とされる小口径振動板(例えば、図1および図2に示すような形状を有するマイクロスピーカーおよび/またはツィーター)の成形は実質的に不可能である。実際、特許文献1の技術によれば、ミリメートルオーダーの厚みを有する振動板しか成形できない。
【0008】
以上のように、軽量で、かつ、優れた内部損失、品質安定性および成形性を有するスピーカー振動板およびその簡便安価な製造方法が強く望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、軽量で、かつ、優れた内部損失、耐熱性、強度、品質安定性および成形性を有するスピーカー振動板およびその簡便安価な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの局面によれば、スピーカー振動板が提供される。この振動板は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で90/10〜70/30の割合で含有するアロイと、無機充填材とを含む樹脂組成物から成形されてなる。
【0011】
好ましい実施形態においては、上記樹脂組成物は、上記アロイ100重量部に対して、上記無機充填材を5〜30重量部の割合で含む。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記無機充填材は、グラファイト、タルク、マイカ、二硫化モリブデンおよびガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1つである。さらに好ましい実施形態においては、上記無機充填材は二硫化モリブデンである。
【0013】
本発明の別の局面によれば、スピーカーが提供される。このスピーカーは、上記スピーカー振動板を含む。
【0014】
本発明のさらに別の局面によれば、スピーカー振動板の製造方法が提供される。この製造方法は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で90/10〜70/30の割合で溶融混練してアロイを調製する工程と;該アロイと無機充填材とを溶融混練して樹脂組成物を調製する工程と;該樹脂組成物を260℃〜300℃で押し出してフィルムを成形する工程と;該フィルムを、所定の形状を有する金型を用いて熱プレス成形する工程とを含む。
【0015】
別の実施形態においては、本発明の方法は、重量比で90/10〜70/30の割合のポリフェニレンエーテル樹脂およびポリスチレン樹脂と、無機充填材とを溶融混練して樹脂組成物を調製する工程と;該樹脂組成物を260℃〜300℃で押し出してフィルムを成形する工程と;該フィルムを、所定の形状を有する金型を用いて熱プレス成形する工程とを含む。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、特定の比率でポリフェニレンエーテル樹脂およびポリスチレン樹脂を含有するアロイと無機充填材とを含有する樹脂組成物から振動板を成形することにより、優れた強度および耐熱性を有しかつ複雑な形状を有する小型スピーカーの薄肉成形(従来は実質的に不可能であった)が可能となる。より詳細には、ポリフェニレンエーテル樹脂およびポリスチレン樹脂が特定の比率で含有されることにより、ポリフェニレンエーテル樹脂本来の優れた強度および耐熱性を低下させることなく、流動性(例えば、メルトフローレート:MFR)を効果的に改善することが可能となる。その結果、優れた強度および耐熱性を有し、かつ、複雑な形状および/または非常に厚みが薄い形状を成形する際の成形性が改善されたスピーカー振動板が得られる。さらに、ポリフェニレンエーテル樹脂分子とポリスチレン樹脂分子の振動時の摩擦に起因して、本発明のスピーカー振動板は優れた内部損失を有する。しかも、本発明に用いられる樹脂組成物は、相溶化剤を必要としないので、優れた流動性が維持される。
【0017】
好ましい実施形態においては、無機充填材として二硫化モリブデンを用いることにより、樹脂組成物の流動性(例えば、MFR)を実質的に低下させることなく、強度および耐熱性を向上させることができる。その結果、さらに優れた強度および耐熱性を有するスピーカー振動板が得られる。加えて、無機充填材と樹脂分子との摩擦により、内部損失がさらに向上し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0019】
本発明のスピーカー振動板は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で90/10〜70/30の割合で含有するアロイと、無機充填材とを含む樹脂組成物から成形されてなる。好ましくは、当該アロイは、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で85/15〜75/25の割合で含有する。アロイ中のポリフェニレンエーテル樹脂の割合が大きすぎると、樹脂組成物の流動性が不十分となり、複雑な形状を有する薄肉の振動板が成形できない場合が多い。アロイ中のポリフェニレンエーテル樹脂の割合が小さすぎると、得られる振動板の耐熱性が不十分である場合が多い。このような特定の割合でポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とをアロイ化することにより、従来は困難であった樹脂組成物の流動性および寸法安定性と耐熱性および強度との両立が可能となる。その結果、優れた強度および耐熱性を有しかつ複雑な形状を有する小型スピーカーの薄肉成形(従来は実質的に不可能であった)が可能となる。
【0020】
上記ポリフェニレンエーテル樹脂は、一般的には、下記化学式で表される:
【化1】

ここで、nは、好ましくは42〜8400、さらに好ましくは84〜4200、最も好ましくは250〜2500である(このようなnに対応する数平均分子量は、好ましくは5000〜1000000、さらに好ましくは10000〜500000、最も好ましくは30000〜300000である)。n(すなわち、重合度または分子量)が小さすぎると、所望の耐熱性および強度が得られない場合が多い。nが大きすぎると、流動性が不十分となり、複雑な形状を有する薄肉の振動板が成形できない場合がある。ポリフェニレンエーテル樹脂は、数多く市販されている。ポリフェニレンエーテル樹脂とアロイ化されるポリスチレン樹脂は、好ましくは400〜500000、さらに好ましくは7000〜100000、最も好ましくは10000〜30000の数平均分子量を有する。ポリスチレン樹脂がこのような範囲の分子量を有することにより、ポリフェニレンエーテル樹脂本来の耐熱性や強度を低下させることなく、流動性および寸法安定性を効果的に改善することができる。
【0021】
上記無機充填材としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な無機充填材が採用され得る。このような無機充填材の代表例としては、グラファイト、タルク、マイカ、二硫化モリブデンおよびガラス繊維が挙げられる。これらの無機充填材は、単独で、または、目的に応じて適宜組み合わせて用いられ得る。特に好ましい無機充填材は、二硫化モリブデンである。二硫化モリブデンは、他の充填材に比べて樹脂組成物の流動性(例えば、メルトフローレート)を低下させる度合いが小さいので、複雑な形状を成形する際の成形性を低下させることなく、耐熱性や強度を改善することができる。無機充填材は、上記アロイ100重量部に対して、好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは10〜20重量部の割合で含む。無機充填材が5重量部未満の場合には、強度や耐熱性の改善効果が不十分となる場合がある。無機充填材が30重量部を超える場合には、流動性が低下し、複雑な形状を有する薄肉の振動板が成形できない場合がある。
【0022】
上記樹脂組成物のメルトフローレート(MFR:流動性の指標)は、無機充填材の種類および添加量に応じて変化し得る。MFRは、JIS K−6760に準拠して測定される。無機充填材を20重量部添加した場合の樹脂組成物のMFRは、好ましくは17g/10分以上、さらに好ましくは22g/10分以上、最も好ましくは30g/10分以上である。MFRの実現可能な上限は、42g/10分である。樹脂組成物のMFRがこのような値を有することにより、薄いフィルムを成形する際に厚みの精密なコントロールが可能となる。その結果、複雑な形状を有する薄肉の振動板の成形が可能となる。
【0023】
上記樹脂組成物は、任意の適切な添加剤(例えば、水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)のような表面改質剤)をさらに含有し得る。添加剤の種類および量は、目的に応じて適宜調整され得る。
【0024】
次に、本発明のスピーカー振動板の製造方法の好ましい一例について説明する。まず、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で90/10〜70/30の割合、好ましくは85/15〜75/25の割合で溶融混練してアロイを調製する。次いで、当該アロイと無機充填材とを溶融混練して樹脂組成物を調製する。あるいは、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂と無機充填材とを一括で溶融混練して樹脂組成物を調製してもよい。溶融混練は、任意の適切な手段(例えば、ヘンシェルミキサー、ユニバーサルミキサー)を用いて行われる。溶融混練温度は、目的とする樹脂組成物の組成等に応じて変化し得るが、代表的には240〜290℃である。
【0025】
次いで、上記樹脂組成物を260℃〜300℃、好ましくは275〜285℃で押し出してフィルムを成形する。押出成形は、代表的には、Tダイを用いて行われる(したがって、押出時の温度は、代表的にはTダイの温度である)。押出時の温度が260℃未満では、樹脂組成物の流動性が不十分となるので、フィルムの成形が困難となる場合がある。その結果、複雑な形状を有する薄肉の振動板が成形できない場合がある。押出時の温度が300℃を超えると、組成物中の樹脂が分解してしまい、所望の特性を有する振動板が得られない場合がある。押出成形における吐出量は、好ましくは25〜35kg/時間である。スクリュー速度は、好ましくは50〜70rpmである。吐出量およびスクリュー速度をこのような範囲に制御することにより、精密なフィルム成形が可能となる。その結果、複雑な形状を有する薄肉の振動板の成形が可能となる。押出成形によって得られるフィルムの厚みは目的に応じて変化し得るが、代表的には25〜75μmである。例えば、携帯電話のスピーカーに用いられる場合には、フィルム厚みは、好ましくは25〜50μmである。例えば、ツィーターに用いられる場合には、フィルム厚みは、好ましくは50〜75μmである。ポリフェニレンエーテル樹脂を用いてこのように薄いスピーカー振動板用フィルムの成形を実現したことが、本発明の特徴の1つである。
【0026】
最後に、上記フィルムを、所定の形状を有する金型を用いて熱プレス成形し、スピーカー振動板を得る。金型の形状は、目的に応じて任意の適切な形状(複雑な形状を含む)が採用され得る。好ましくは、熱プレス時の金型温度は180〜200℃、プレス圧は300〜400kg/cm、成形時間は5〜15秒である。このような条件で熱プレス成形することにより、薄いフィルムを用いて複雑な形状の振動板を成形することが可能となる。
【0027】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されない。なお、特に示さない限り、実施例中の部およびパーセントは重量基準である。
【実施例1】
【0028】
ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で80/20の割合で、ヘンシェルミキサーを用いて260℃で溶融混練し、アロイを調製した。当該アロイには無機充填材を添加せず、フィルム成形に供した。フィルム成形の条件は、Tダイ温度280℃、吐出量30kg/時間、および、スクリュー速度60rpmであった。得られたフィルムの厚みは55μmであった。次いで、図2のような形状を有する金型を用いて、金型温度は200℃、プレス圧350kg/cm、および、成形時間10秒で熱プレス成形を行い、スピーカー振動板を得た。得られた振動板の密度、弾性率および内部損失(tanδ)を通常の方法により測定した。得られた結果を、後述の実施例2〜3および比較例1〜2の結果と併せて下記表1に示す。

【0029】
【表1】

【実施例2】
【0030】
アロイ100部に対してタルク粉末20部を加えたこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板を得た。得られた振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【実施例3】
【0031】
アロイ100部に対して二硫化モリブデン粉末10部を加えたこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板を得た。得られた振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0032】
(比較例1)
ポリエーテルイミド樹脂(三菱樹脂(株)製、スペリオUT)のフィルム(厚み55μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてスピーカー振動板を得た。得られた振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0033】
(比較例2)
ポリエーテルイミド樹脂のフィルムの片面に、ポリエステル系樹脂をバインダーとした粉体塗料を5μmコーティングしたこと以外は比較例1と同様にしてスピーカー振動板を得た。得られた振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0034】
(樹脂組成物のメルトフローレート)
本発明のスピーカー振動板に用いられる樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)を、JIS K−6760にしたがって220℃で測定した。測定結果を表2に示す。これらはいずれも、マイクロメートルオーダーの厚みで良好なフィルム成形が可能であった。一方、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを95/5(重量比)で混合した組成物は、ダイの温度を300℃より高くしてもMFRは15g/10分程度にしかならず、ポリフェニレンエーテル樹脂が分解してしまい、良好なフィルム成形が困難であった。
【0035】
【表2】

【0036】
表1から明らかなように、本発明の実施例のスピーカー振動板は、密度が低く(すなわち、軽量で)、かつ、優れた弾性率および内部損失を有する。さらに、表2から明らかなように、本発明のスピーカー振動板に用いられる樹脂組成物は、流動性に優れる。その結果、複雑な形状を有する薄肉(マイクロメートルオーダーの厚み)の振動板の成形が可能となる。このような流動性評価から判断すると、アロイ中のポリスチレン含有量については、5%〜10%の間のどこかでマイクロメートルオーダーの厚みのフィルム成形が可能か否かの臨界点が存在すると考えられる。このような臨界的ポリスチレン含有量に対応する臨界的MFRは、15g/10分近辺に存在すると考えられる。なお、上記特許文献1に記載の処方を用いた場合、成形可能な厚みは、代表的には0.7mm〜5mmである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のスピーカー振動板は、任意の適切なスピーカーに用いられ得、特にマイクロスピーカーおよびツィーターに好適に用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】スピーカー振動板の形状を説明するための概略断面図である。
【図2】スピーカー振動板の形状を説明するための概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で90/10〜70/30の割合で含有するアロイと、無機充填材とを含む樹脂組成物から成形されてなる、スピーカー振動板。
【請求項2】
前記樹脂組成物が、前記アロイ100重量部に対して、前記無機充填材を5〜30重量部の割合で含む、請求項1に記載のスピーカー振動板。
【請求項3】
前記無機充填材が、グラファイト、タルク、マイカ、二硫化モリブデンおよびガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載のスピーカー振動板。
【請求項4】
前記無機充填材が二硫化モリブデンである、請求項1から3のいずれかに記載のスピーカー振動板。
【請求項5】
ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とを重量比で90/10〜70/30の割合で溶融混練してアロイを調製する工程と、
該アロイと無機充填材とを溶融混練して樹脂組成物を調製する工程と、
該樹脂組成物を260℃〜300℃で押し出してフィルムを成形する工程と、
該フィルムを、所定の形状を有する金型を用いて熱プレス成形する工程と
を含む、スピーカー振動板の製造方法。
【請求項6】
重量比で90/10〜70/30の割合のポリフェニレンエーテル樹脂およびポリスチレン樹脂と、無機充填材とを溶融混練して樹脂組成物を調製する工程と、
該樹脂組成物を260℃〜300℃で押し出してフィルムを成形する工程と、
該フィルムを、所定の形状を有する金型を用いて熱プレス成形する工程と
を含む、スピーカー振動板の製造方法。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載のスピーカー振動板を含む、スピーカー。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−33024(P2006−33024A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204344(P2004−204344)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】