説明

スプリング、ポンプディスペンサ用スプリング及びそれを備えるポンプディスペンサ

【課題】軽量で、ポンプディスペンサへの組み込みが容易であり、確実にポンプ復元力を付与可能なスプリングを提供すること。
【解決手段】本発明は、合成樹脂からなる筒状のスプリング10であって、左ベローズ部15と右ベローズ部16とが隣接してなり、長手方向に伸縮可能となるように壁面11がベローズ状になっているスプリング10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリング、ポンプディスペンサ用スプリング及びそれを備えるポンプディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の容器に収容された吐出液を、供給管から吐出液収容部に流入させ、ポンプ作用により、所定のノズル口から吐出液を吐出するポンプディスペンサが知られている。
【0003】
ところで、このポンプディスペンサにおいては、一般にポンプを復元する力(以下「ポンプ復元力」という。)を付与するためにスプリングが内装される。
このようなスプリングとしては、コイル状のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−118724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載のスプリングを含めた従来のポンプディスペンサ用スプリングは、コイル状であるので、ポンプディスペンサに組み込む場合、ポンプディスペンサの構成物品に引っ掛かり易いという欠点がある。
また、スプリングが金属製である場合、重量が大きくなる欠点がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、軽量で、ポンプディスペンサへの組み込みが容易であり、確実にポンプ復元力を付与可能なポンプディスペンサ用スプリングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、長手方向に伸縮可能となるように壁面を合成樹脂からなるベローズ状とすることにより、上記課題を一挙に解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(1)合成樹脂からなる筒状のスプリングであって、左ベローズ部と右ベローズ部とが隣接してなり、長手方向に伸縮可能となるように壁面がベローズ状になっているスプリングに存する。
【0008】
本発明は、(2)合成樹脂からなる筒状のポンプディスペンサ用スプリングであって、左ベローズ部と右ベローズ部とが隣接してなり、長手方向に伸縮可能となるように壁面がベローズ状になっているポンプディスペンサ用スプリングに存する。
【0009】
本発明は、(3)左ベローズ部と右ベローズ部とがヒンジ部を介して連結されており、
該ヒンジ部を中心として折り重ねることにより、左ベローズ部と右ベローズ部とが隣接してなる上記(2)記載のポンプディスペンサ用スプリングに存する。
【0010】
本発明は、(4)左ベローズ部と右ベローズ部とがヒンジ部に対して対称になっている上記(3)記載のポンプディスペンサ用スプリングに存する。
【0011】
本発明は、(5)上端にポンプディスペンサに取り付けるための円筒状の装着部が形成されている上記(2)記載のポンプディスペンサ用スプリングに存する。
【0012】
本発明は、(6)底面に吐出液が流通するための流通口が形成されている上記(2)記載のポンプディスペンサ用スプリングに存する。
【0013】
本発明は、(7)左ベローズ部と右ベローズ部とが複数のヒンジ部を介して連結されており、底面に吐出液が流通するための流通口が形成されており、且つ流通口がヒンジ部同士の間に位置している上記(3)記載のポンプディスペンサ用スプリングに存する。
【0014】
本発明は、(8)合成樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンである上記(2)記載のポンプディスペンサ用スプリングに存する。
【0015】
本発明は、(9)上記(2)〜(8)のいずれか一つに記載のポンプディスペンサ用スプリングを備えるポンプディスペンサに存する。
【0016】
なお、本発明の目的に添ったものであれば上記(1)から(9)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のスプリングは、合成樹脂からなるので、軽量化されており、金属のように錆びることがない。
また、上記スプリングによれば、左ベローズ部と右ベローズ部とが隣接してなり、長手方向に伸縮可能となるように壁面がベローズ状になっているので、確実にポンプ復元力を付与可能である。
さらに、保管されている多数のスプリングの中から1つを取り出す場合に、スプリング同士が絡まることなく、容易に取り出せる。
因みに従来のコイル状のスプリングは引っ掛かり易く且つ相互に絡まり易い。
【0018】
特に、上記スプリングにおいては、上記合成樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンであると、弾性及び耐久性に優れるばかりか、射出成形により安価且つ容易に製造することが可能となる。
【0019】
また、上記スプリングがポンプディスペンサに用いられるポンプディスペンサ用スプリングであると、上述した効果に加え、他部所に引っ掛かり難いので、ポンプディスペンサへの組み込みが容易になる。
さらに、上記ポンプディスペンサ用スプリングは、肉厚、材質を適宜選択することにより、ポンプ復元力を調整可能である。
【0020】
本発明のポンプディスペンサ用スプリングが、ヒンジ部と、該ヒンジ部の左右に設けられた左ベローズ部及び右ベローズ部とからなると、ヒンジ部を中心として左ベローズ部と右ベローズ部とを折り重ねるのみで確実にポンプ復元力を付与可能である。
したがって、この場合、射出成形により更に安価且つ容易に製造することが可能となる。
【0021】
また、上記ポンプディスペンサ用スプリングは、中央のヒンジ部からポンプディスペンサの円筒状のシリンダ等に組み込むことにより、左ベローズ部と右ベローズ部とが自動的に折り重ねられる。
したがって、この場合、ポンプディスペンサへの組み込みがより一層容易となる。
【0022】
ここで、上記ポンプディスペンサ用スプリングにおいては、左ベローズ部と右ベローズ部とがヒンジ部に対して対称となっていると、ポンプディスペンサ用スプリングが伸縮する際に、ポンプ復元力が長手方向に均一に働くので、十分な量の吐出液を吸引又は吐出できる。
【0023】
本発明のポンプディスペンサ用スプリングは、上端にポンプディスペンサに取り付けるための円筒状の装着部が形成されていると、スプリングが伸縮しても、この装着部は変形しないため、取付け安定性が十分担保される。
【0024】
本発明のポンプディスペンサ用スプリングは、底面に吐出液が流通するための流通口が形成されていると、吐出液の流通を妨げない。
また、リークバルブの挿入口とすることもできる。
【0025】
本発明のポンプディスペンサ用スプリングは、左ベローズ部と右ベローズ部とが複数のヒンジ部を介して連結されており、底面に吐出液が流通するための流通口が形成されており、且つ流通口がヒンジ部同士の間に位置していると、射出成形により、更に安価且つ容易に製造することができる。
【0026】
上記ポンプディスペンサ用スプリングは、上下押圧式ポンプディスペンサ又はトリガー式ポンプディスペンサに好適に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0028】
本実施形態に係るポンプディスペンサ用スプリング(以下単に「スプリング」という。)は、ポンプディスペンサに用いられる。
ここで、本発明においてポンプディスペンサとは、ポンプの容積の拡張、収縮に基づいて、所定の容器に収容された吐出液を吸引し、或いは、ノズル口から吐出液を吐出するディスペンサをいう。
上記スプリングは、このポンプの容積が拡張、収縮された場合、ポンプ復元力を有する。
【0029】
図1の(a)は、本実施形態に係るスプリングの一例を示す正面図であり、図1の(b)は、図1の(a)に示すスプリングの断面図であり、図1の(c)は、図1の(a)に示すスプリングの底面図である。
【0030】
図1の(a)に示すように、本実施形態に係るスプリング10は、壁面11がベローズ状の形態を有している。
また、かかる壁面11は、合成樹脂からなるものである。
したがって、スプリング10は、長手方向に伸縮可能であると共に、軽量化されており、金属のように錆びることがない。
【0031】
ここで、上記合成樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール等が挙げられる。
これらの他に、各種エラストマーや合成ゴム等であってもよい。
合成樹脂が、これらの化合物であると、弾性及び耐久性に優れるばかりか、射出成形により安価且つ容易に製造することが可能となる。
なお、これらの中でも、上記合成樹脂がリサイクル可能なポリエチレン又はポリプロピレンであることが好ましい。
【0032】
図1の(b)及び(c)に示すように、スプリング10は、壁面11の内部が空洞となっており、筒状に形成されている。
また、底面には流通口13が設けられている。
したがって、スプリング10をポンプディスペンサに用いる場合は、吐出液Aが流通口13から容易に流入し、壁面11の内部を流通することになる。
なお、流通口13は後述するリークバルブの挿入口ともなる(図4,図6参照)。
よって、上記スプリング10は、ポンプ復元力を有し、且つ吐出液Aの流通を妨げない。
【0033】
図2の(a)は、本実施形態に係るスプリングが収縮した状態を示す正面図であり、図2の(b)は、図2の(a)に示すスプリングの断面図である。
図2の(a)及び(b)に示すように、スプリング10は、壁面11が変形することにより収縮する。
したがって、スプリング10は、壁面11の肉厚、材質を適宜選択することにより、ポンプ復元力を調整することが可能である。
【0034】
図3は、本実施形態に係るスプリングの展開図である。
図3に示すように、スプリング10は、左ベローズ部15及び右ベローズ部16とからなる。
そして、両者が隣接されることにより上記スプリング10が形成される。
このとき、スプリング10の壁面がベローズ状に形成されるので、スプリング10は、長手方向に伸縮可能となる。
【0035】
また、左ベローズ部15と右ベローズ部16とは、複数のヒンジ部12を介して連結されている。
そのため、ヒンジ部12を中心として左ベローズ部15と右ベローズ部16とを折り重ねることにより簡単に隣接される。
このとき、左ベローズ部15と右ベローズ部16とは必ずしも接着する必要はない。
スプリング10がポンプディスペンサの内部に組み込まれた場合、ヒンジ部12があることにより左ベローズ部15と右ベローズ部16との隣接状態が維持される。
この左ベローズ部15と右ベローズ部16とを隣接された状態とすることにより、確実に安定したポンプ復元力が付与可能となる。
【0036】
上記スプリング10において、左ベローズ部15と右ベローズ部16とがヒンジ部12に対して、対称となっている。
このように、左ベローズ部15と右ベローズ部16とが対称となっているので、スプリングが伸縮する際に、ポンプ復元力が長手方向に均一に働くことになる。
また、ヒンジ部12を介することにより、隣接させる際、左ベローズ部15及び右ベローズ部16の位置決めがなされるので、確実にポンプ復元力を発揮することができる。
【0037】
また、左ベローズ部15と右ベローズ部16との上端には、それぞれ半円筒状の装着部18が形成されている。
したがって、左ベローズ部15と右ベローズ部16とを隣接させたスプリング10には、上端にポンプディスペンサ(例えばポンプ部)に取り付けるための円筒状の装着部が形成されている。
このように、スプリング10は、上端に装着部を備えるので、スプリング10が伸縮しても、この装着部は変形せず、取付け安定性が十分に担保される。
【0038】
さらに、左ベローズ部15と右ベローズ部16との底面には、それぞれ上述した流通口13が形成されている。
したがって、左ベローズ部15と右ベローズ部16とを隣接させたスプリング10には、底面に吐出液が流通するための流通口が形成されている。
なお、かかる流通口は、2箇所のヒンジ部12同士の間に位置している。
【0039】
また、上記スプリング10においては、射出成形により、スライドコアー等を省略でき、シンプルな金型構造とすることができる。
したがって、より一層安価且つ容易に製造することができる。
【0040】
このようなスプリング10は、特に上下押圧式又はトリガー式のポンプディスペンサに好適に用いられる。
なお、スプリング10をポンプディスペンサに組み込む際には、中央のヒンジ部12側からポンプディスペンサの内部に挿入することにより、左ベローズ部15と右ベローズ部16とが自動的に(必然的に)折り重ねられる。
したがって、スプリング10は、ポンプディスペンサへの組み込みがより一層容易である。
【0041】
次に、本実施形態に係るスプリング10をトリガー式ポンプディスペンサに用いた例について説明する。
【0042】
図4は、本実施形態に係るスプリングをトリガー式ポンプディスペンサに用いた例を示す部分断面図であり、図5は、図4に示すトリガー式ポンプディスペンサのトリガーを引いた状態を示す部分断面図である。
図4に示すように、トリガー式ポンプディスペンサ20は、吐出液供給管21と、該吐出液供給管21に連通するシリンダ22と、吐出液供給管21内及びシリンダ22内の間に設けられたバルブ26と、シリンダ22の内壁に沿って摺動可能となるように設けられ、内部にピストン流路29を有するピストン23と、シリンダ22に内設され、ピストン流路29を封止可能なリークバルブ28と、ピストン流路29に連通されたノズル部24と、ノズル部24の先端に設けられ、吐出液を吐出可能なノズル口27と、ピストン23に接続されたトリガー25とを備える。
【0043】
また、トリガー式ポンプディスペンサ20においては、ピストン23が下降移動した場合、すなわち、ポンプ容積が収縮した場合に、ピストン23を上方に復元するためのスプリング10がシリンダ22に内設されている。なお、リークバルブ28は、スプリング10に内挿されている。
【0044】
図5に示すように、上記トリガー式ポンプディスペンサ20においては、トリガー25を引くことにより、ピストン23が下降移動し、スプリング10が収縮する。
このとき、リークバルブ28がピストン流路29を開封し、バルブ26が吐出液供給管21及びシリンダ22の間を封止する。
【0045】
一方、トリガー25を開放すると、スプリング10のポンプ復元力により、ピストン23が上昇移動する。
このとき、図示しないセカンドバルブがピストン流路29を封止するので、シリンダ22内が負圧になり、バルブ26が吐出液供給管21内及びシリンダ22内の間を開封する。
この時、所定の容器から吐出液がシリンダ22内に流入する。
【0046】
そして、再び、トリガー25を引くと、上述のように作用すると共に、吐出液がスプリング10の内部を流通し、次いで、ピストン流路を流通し、ノズル部24に流入される。
さらにノズル部24を流入した吐出液は、ノズル口27から吐出されることになる。
【0047】
上記トリガー式ポンプディスペンサ20においては、このような操作を繰り返すことにより、連続して吐出液が吐出される。
以上より、上記トリガー式ポンプディスペンサ20は、軽量で、確実にポンプ復元力を付与可能なスプリング10を備えるので、取扱い性に優れ、十分な量の吐出液を吸引又は吐出することができる。
【0048】
次に、本実施形態に係るスプリング10を上下押圧式ポンプディスペンサに用いた例について説明する。
【0049】
図6は、本実施形態に係るスプリングを上下押圧式ポンプディスペンサに用いた例を示す部分断面図であり、図7は、図6に示す上下押圧式ポンプディスペンサのノズル部を押し下げた状態を示す部分断面図である。
図6に示すように、上下押圧式ポンプディスペンサ30は、吐出液供給管31と、該吐出液供給管31に連通するシリンダ32と、吐出液供給管31内及びシリンダ32内の間に設けられたバルブ36と、シリンダ32の内壁に沿って摺動可能となるように設けられ、内部にピストン流路39を有するピストン33と、シリンダ32に内設され、ピストン流路39を封止可能なセカンドバルブ38と、ピストン流路39に連通されたノズル部34と、ノズル部34の先端に設けられ、吐出液を吐出可能なノズル口37とを備える。
【0050】
また、上下押圧式ポンプディスペンサ30においては、ピストン33が下降移動した場合、すなわち、ポンプ容積が収縮した場合に、ピストン33を上方に復元するためのスプリング10がシリンダ32に内設されている。
【0051】
図7に示すように、上記上下押圧式ポンプディスペンサ30においては、ノズル部34を押し下げることにより、ピストン33が下降移動し、スプリング10が収縮する。
このとき、セカンドバルブ38がピストン流路39を開封し、バルブ36が吐出液供給管31内及びシリンダ32内の間を封止する。
【0052】
一方、ノズル部34を開放すると、スプリング10のポンプ復元力により、ピストン33が上昇移動する。
このとき、セカンドバルブ38がピストン流路39を封止するので、シリンダ32内が負圧になり、バルブ36が吐出液供給管31内及びシリンダ32内の間を開封する。
この時、所定の容器から吐出液がシリンダ32内に流入する。
【0053】
そして、再び、ノズル部34を押し下げると、上述のように作用すると共に、吐出液がスプリング10の内部を流通し、次いで、ピストン流路を流通し、ノズル部34に流入される。
さらにノズル部34を流入した吐出液は、ノズル口37から吐出されることになる。
【0054】
上記上下押圧式ポンプディスペンサ30においては、このような操作を繰り返すことにより、連続して吐出液が吐出される。
以上より、上記上下押圧式ポンプディスペンサ30は、軽量で、確実にポンプ復元力を付与可能なスプリング10を備えるので、取扱い性に優れ、十分な量の吐出液を吸引又は吐出することができる。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0056】
例えば、本実施形態に係るスプリング10は、ヒンジ部12を2箇所有しているが、1箇所であってもよく、3箇所以上であってもよい。
【0057】
本実施形態に係るスプリング10においては、左ベローズ部15と右ベローズ部16とがヒンジ部12に対して対称となっているが、対称でなくてもよい。
すなわち、壁面における凹凸のピッチの数が左ベローズ部と右ベローズ部とで異なっていてもよく、凹凸の大きさが左ベローズ部と右ベローズ部とで異なっていてもよい。
【0058】
また、左ベローズ部と右ベローズ部との先端部分に、それぞれ係止部(例えば、雄部と雌部)が設けられていてもよい。
この場合、左ベローズ部と右ベローズ部と固定することができる。
【0059】
本実施形態に係るスプリング10を用いた例として、トリガー式ポンプディスペンサ20及び上下押圧式ポンプディスペンサ30を例示したが、これらに限定されず、その他のポンプディスペンサ等に用いてもよい。
また、スプリングの弾発効果を発揮できる部分であれば、ポンプディスペンサ以外の種々の装置に適用可能である。
【0060】
本発明のポンプディスペンサ用スプリングは、本実施形態に係るスプリング10に限定されず、以下のような形態であってもよい。
例えば、図8〜10の(a)は、他の実施形態に係るスプリングを示す正面図であり、図8〜10の(b)は、それらの断面図である。
図8の(a)及び(b)に示すように、壁面11aが台形状のベローズであってもよい。
また、図9の(a)及び(b)に示すように、壁面11bがネジ形状のベローズであってもよい。
さらに、図10の(a)及び(b)に示すように、壁面11cがソロバン玉形状のベローズであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1の(a)は、本実施形態に係るスプリングの一例を示す正面図であり、図1の(b)は、図1の(a)に示すスプリングの断面図であり、図1の(c)は、図1の(a)に示すスプリングの底面図である。
【図2】図2の(a)は、本実施形態に係るスプリングが収縮した状態を示す正面図であり、図2の(b)は、図2の(a)に示すスプリングの断面図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るスプリングの展開図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るスプリングをトリガー式ポンプディスペンサに用いた例を示す部分断面図である。
【図5】図5は、図4に示すトリガー式ポンプディスペンサのトリガーを引いた状態を示す部分断面図である。
【図6】図6は、本実施形態に係るスプリングを上下押圧式ポンプディスペンサに用いた例を示す部分断面図である。
【図7】図7は、図6に示す上下押圧式ポンプディスペンサのノズル部を押し下げた状態を示す部分断面図である。
【図8】図8の(a)は、他の実施形態に係るスプリングを示す正面図であり、図8の(b)は、図8の(a)に示すスプリングの断面図である。
【図9】図9の(a)は、他の実施形態に係るスプリングを示す正面図であり、図9の(b)は、図9の(a)に示すスプリングの断面図である。
【図10】図10の(a)は、他の実施形態に係るスプリングを示す正面図であり、図10の(b)は、図10の(a)に示すスプリングの断面図である。
【符号の説明】
【0062】
10・・・スプリング(ポンプディスペンサ用スプリング)
11,11a,11b,11c・・・壁面
12・・・ヒンジ部
13・・・流通口
15・・・左ベローズ部
16・・・右ベローズ部
18・・・装着部
20・・・トリガー式ポンプディスペンサ
21,31・・・吐出液供給管
22,32・・・シリンダ
23,33・・・ピストン
24,34・・・ノズル部
25・・・トリガー
26,36・・・バルブ
27,37・・・ノズル口
28・・・リークバルブ
29,39・・・ピストン流路
30・・・上下押圧式ポンプディスペンサ
38・・・セカンドバルブ
A・・・吐出液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂からなる筒状のスプリングであって、
左ベローズ部と右ベローズ部とが隣接してなり、
長手方向に伸縮可能となるように壁面がベローズ状になっていることを特徴とするスプリング。
【請求項2】
合成樹脂からなる筒状のポンプディスペンサ用スプリングであって、
左ベローズ部と右ベローズ部とが隣接してなり、
長手方向に伸縮可能となるように壁面がベローズ状になっていることを特徴とするポンプディスペンサ用スプリング。
【請求項3】
前記左ベローズ部と前記右ベローズ部とがヒンジ部を介して連結されており、
該ヒンジ部を中心として折り重ねることにより、前記左ベローズ部と前記右ベローズ部とが隣接してなることを特徴とする請求項2記載のポンプディスペンサ用スプリング。
【請求項4】
前記左ベローズ部と前記右ベローズ部とが前記ヒンジ部に対して対称になっていることを特徴とする請求項3記載のポンプディスペンサ用スプリング。
【請求項5】
上端にポンプディスペンサに取り付けるための円筒状の装着部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のポンプディスペンサ用スプリング。
【請求項6】
底面に吐出液が流通するための流通口が形成されていることを特徴とする請求項2記載のポンプディスペンサ用スプリング。
【請求項7】
前記左ベローズ部と前記右ベローズ部とが複数のヒンジ部を介して連結されており、
底面に吐出液が流通するための流通口が形成されており、且つ
前記流通口が前記ヒンジ部同士の間に位置していることを特徴とする請求項3記載のポンプディスペンサ用スプリング。
【請求項8】
前記合成樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンであることを特徴とする請求項2記載のポンプディスペンサ用スプリング。
【請求項9】
請求項2〜8のいずれか一項に記載のポンプディスペンサ用スプリングを備えることを特徴とするポンプディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−284410(P2008−284410A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128842(P2007−128842)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(390028196)キャニヨン株式会社 (42)
【Fターム(参考)】