説明

スペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置

【課題】インクジェット装置による基板上へのスペーサ粒子の配置を連続的に安定して行うことができ、表示品質に優れる液晶表示装置を得ることができるスペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置を提供する。
【解決手段】インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を基板上の任意の位置に配置するためのスペーサ粒子分散液であって、スペーサ粒子と溶剤とを含有し、前記スペーサ粒子は、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を有するスペーサ粒子分散液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット装置による基板上へのスペーサ粒子の配置を連続的に安定して行うことができ、表示品質に優れる液晶表示装置を得ることができるスペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、現在、パソコン、携帯電子機器等に広く用いられている。この液晶表示装置は、一般に、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、線状透明電極、及び、配向膜等が形成された2枚の基板に液晶を挟持させてなる構造を有する。ここで、2枚の基板の間隔を規制し、適正な液晶層の厚みを維持しているのがスペーサ粒子である。
【0003】
従来の液晶表示装置の製造方法においては、スペーサ粒子を配置する方法としては、イソプロパノール等の溶剤を用いてスペーサ粒子を基板上に散布する湿式散布法や、溶剤を使用せずに空気の圧力を利用してスペーサ粒子を基板上に散布する乾式散布法等が用いられていた。
しかしながら、このような方法では、画素電極が形成された基板上にスペーサ粒子がランダムかつ均一に散布するため、画素電極上、すなわち、液晶表示装置の表示部(画素領域)にスペーサ粒子が配置されやすかった。
一般的なスペーサ粒子は、合成樹脂やガラス等からなるため、スペーサ粒子が画素電極上に配置されると、偏光が乱されて偏光性を失うという現象、いわゆる消偏現象が生じて、スペーサ粒子部分が光漏れを起こすという問題が発生することがあった。また、スペーサ粒子表面において液晶の配向が乱れることにより、光抜けが起こりコントラストや色調が低下して表示品質が悪化するという問題が発生することがあった。
更に、TFT液晶表示装置においては、基板上にTFT素子が配置されているが、このTFT素子上にスペーサ粒子が配置されたときに、基板に圧力が加わると、素子が破損することがあった。
【0004】
スペーサ粒子のランダム散布に伴う問題点を解決するために、スペーサ粒子を非画素領域に配置する種々の試みがなされている。
スペーサ粒子を非画素領域、すなわち特定の位置のみに配置する方法として、例えば、特許文献1には、スペーサ粒子を配置させる部分にマスクの開口部を合致させた後、マスクを通してスペーサ粒子を散布する方法が示されている。また、例えば、特許文献2には、感光体に静電的にスペーサ粒子を吸着させた後、透明基板にスペーサ粒子を転写する方法が示されている。更に、特許文献3には、基板上の画素電極に電圧を印加し、帯電させたスペーサ粒子を散布することで、静電的斥力によってスペーサ粒子を特定の位置に配置する液晶表示装置の製造方法が示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、基板表面にマスクや感光体を直接接触させるために、基板表面に形成されている配向膜が損傷することがあり、液晶表示装置の画質が低下することがあった。一方、特許文献3に記載の方法では、スペーサ粒子の配置パターンに従って電極を構成する必要があるため、任意の位置にスペーサ粒子を配置することが困難であった。
【0006】
他方、特許文献4には、インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を基板上に配置する方法が示されている。この方法では、基板上にマスクや感光体を直接接触させることがないため、基板表面に形成されている配向膜が損傷することなく、特定の位置に特定のパターンでスペーサ粒子を配置できるので有効な方法であるといえる。
【0007】
インクジェット装置を用いてスペーサ粒子を基板上に配置する方法では、スペーサ粒子と該スペーサ粒子を分散させる分散溶剤とを含有するスペーサ粒子分散液をインクジェット装置内に充填し、ノズルからスペーサ粒子分散液の液滴を基板に向けて吐出している。しかしながら、実際にインクジェット装置を用いてスペーサ粒子分散液の吐出を行うと、スペーサ粒子の吐出不良等を起こすという問題があった。
【0008】
スペーサ粒子の吐出不良等を解決する手段として、例えば、スペーサ粒子に表面処理を施すことで(自己分散処理)、分散溶剤に対する分散性を付与し、吐出性等の向上を図る方法が知られている。
しかしながら、このような自己分散処理が施されたスペーサ粒子を含むスペーサ粒子分散液をインクジェット装置により吐出しようとすると、しばしば吐出中に吐出安定性が低下してしまったり、吐出した液滴中にスペーサ粒子が含まれない場合があったりするという問題があった。
【特許文献1】特開平4−198919号公報
【特許文献2】特開平6−258647号公報
【特許文献3】特開平10−339878号公報
【特許文献4】特開昭57−58124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記現状に鑑み、インクジェット装置による基板上へのスペーサ粒子の配置を連続的に安定して行うことができ、表示品質に優れる液晶表示装置を得ることができるスペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を基板上の任意の位置に配置するためのスペーサ粒子分散液であって、スペーサ粒子と溶剤とを含有し、上記スペーサ粒子は、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を有するスペーサ粒子分散液である。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
スペーサ粒子分散液においては、例えば、イソプロパノール、水、エチレングリコールの3元系のような複数の溶剤の混合溶剤を媒体としたスペーサ粒子分散液においては、例えば、図1に示すようにスペーサ粒子分散液を吐出してからスペーサ粒子が基板に配置されるまでに溶剤組成が変化する。この溶剤組成の変化により、疎水性が高まったり親水性が高まったりするが、従来のような自己分散処理を施したスペーサ粒子は、溶剤組成の変化に対応できず、分散性が低下してしまい、配置させたい箇所以外の場所にもスペーサ粒子が配置されてしまうことがあることが明らかになってきた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を基材微粒子の表面に有するスペーサ粒子を用いることにより、図2に示すように溶剤組成の変化によってグラフト鎖のコンフォメーションが変化するため、インクジェット装置から吐出されてからスペーサ粒子が基板に配置されるまでスペーサ粒子の分散性に優れたスペーサ粒子分散液となるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子と溶剤とを含有し、上記スペーサ粒子は、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を有する。
【0013】
上記基材微粒子は、表面にブロック共重合体が存在すればシリカ粒子等の無機系粒子であっても、有機高分子等からなる有機系粒子であってもよい。なかでも、液晶表示装置の基板上に形成された配向膜を傷つけない適度の硬度を有し、熱膨張や熱収縮による厚みの変化に追随しやすく、かつ、セル内部でのスペーサ粒子の移動が比較的少ないことから、有機系粒子が好適である。
【0014】
上記有機系粒子としては特に限定されないが、強度等を適切な範囲に調整することができることから、単官能単量体と多官能単量体との共重合体が好適である。
上記単官能単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。これら単官能単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0015】
上記多官能単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びその誘導体、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等の2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシポリプロポキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら多官能単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0016】
また、上記単官能単量体又は多官能単量体は、親水基を有するものであってもよい。上記親水基としては特に限定されず、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホフォニル基、アミノ基、アミド基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基が挙げられる。
上記親水基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸、及び、それらのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル誘導体等のカルボキシル基を有する単量体;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホニル基を有する単量体;ビニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のホスフォニル基を有する単量体;ジメチルアミノエチルメタクリレートやジエチルアミノエチルメタクリレート等のアクリロイル基を有するアミン類等のアミノ基を有する化合物;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基とエーテル基とをともに有する単量体;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する単量体;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等のアミド基を有する単量体等が挙げられる。
【0017】
上記有機系粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等の各種重合法が挙げられる。
上記懸濁重合法は、得られる粒子の粒子径分布が比較的広く多分散の粒子が得られるため、スペーサ粒子として利用する場合には分級操作を行って、所望の粒子径や粒子径分布を有する多品種の粒子を得る際に好適に用いられる。一方、シード重合、分散重合は、分級工程を経ることなく単分散粒子が得られるので、特定の粒子径の粒子を大量に製造する際に好適である。
【0018】
上記懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等において用いられる重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。
【0019】
また、上記基材微粒子としては、ミクロパール(積水化学工業社製)等も好適に用いられる。
【0020】
上記ブロック共重合体は、親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するものであれば特に限定されないが、AB型又はABA型であることが好ましい。
なかでも、基材微粒子の表面側(内層)に親水性官能基ブロックを有し、その外側(外層)に疎水性官能基ブロックを配したAB型のブロック共重合体であることが好ましい。
ここで、AB型のブロック共重合体とは、下記(1)のようにAで示される重合性単量体の重合鎖とBで示される重合鎖とがそれぞれブロックとして連鎖されている共重合体であり、ABA型のブロック共重合体とは、下記(2)のような共重合体である。なお、本発明においては、親水性官能基ブロック、疎水性官能基ブロックのいずれがA、Bに対応してもよい。
AAA・・・・AAABBB・・・・BBB (1)
AA・・・・AABB・・・・BBAA・・・・AA (2)
また、上記ブロック共重合体は、A型(n、m=50〜2000)、A型(n,m,o=100〜2000)のように、ABブロックで重合度が異なっていてもよいし、前後のAブロックで重合度が異なっていてもよい。
【0021】
図1に示すように、例えば、本発明のスペーサ粒子分散液の溶剤がイソプロパノール、水及びエチレングリコールの混合溶剤からなる場合には、まず、スペーサ粒子分散液をインクジェット装置から吐出させたときには、イソプロパノール、水及びエチレングリコールが存在し、疎水性の状態である(図1(1))。時間の経過とともに、まずイソプロパノールが揮発し、親水性の状態になる(図1(2))。さらに時間が経過すると水が揮発し、弱親水性(疎水性)の状態になる(図1(3))。
例えば、スペーサ粒子について、図2のようにブロック共重合体がAB型であり、基材微粒子に対して親水性官能基ブロックが結合している場合、溶剤組成が図1(1)の場合には、上記スペーサ粒子はイソプロパノールになじみやすい疎水性官能基ブロックが表面に存在したコンフォメーションを形成する(図2(1))。溶剤組成が図1(2)になると、親水性官能基ブロックが内側になるようにコンフォメーション変化を行う(図2(2))。さらに溶剤組成が図1(3)になると、親水性官能基ブロックが完全に内側に取り込まれ、エチレングリコールとなじみやすい疎水性官能基ブロックが表面に存在するようにコンフォメーション変化を行う(図2(3))。
このようにスペーサ粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体が存在すると、溶剤組成に追従して表面に相溶するようにブロック共重合体のコンフォメーション状態が変わるのでスペーサ粒子の分散を良好な状態で継続させることができる。
【0022】
上記親水性官能基ブロックを形成するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸、及び、それらのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル誘導体等のカルボキシル基を有する単量体;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホニル基を有する単量体;ビニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のホスフォニル基を有する単量体;ジメチルアミノエチルメタクリレートやジエチルアミノエチルメタクリレート等のアクリロイル基を有するアミン類等のアミノ基を有する化合物;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基とエーテル基とをともに有する単量体;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する単量体;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等のアミド基を有する単量体等が挙げられる。
【0023】
上記疎水性官能基ブロックを形成するモノマーとしては、例えば、炭素数1〜22のアルキル基を有するモノマーが挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ノナデシル基、エイコデシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、イソボルニル基等を有するモノマーが挙げられる。
【0024】
上記親水性官能基ブロックは、溶解度パラメータ(SP値)が10以上、かつ、水酸基、エーテル基、カルボキシル基等の少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。また、SP値は11以上であることがより好ましい。
また、上記疎水性官能基ブロックは、SP値が10未満であることが好ましい。より好ましくは10未満、7以上である。7未満であるとスペーサ粒子の分散性が落ちることがある。
また、上記親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとのSP値の差は1以上であることが好ましい。1未満であると、溶剤組成の変化に対してスペーサ粒子がコンフォメーション変化を部分的に起こすことが難しい。
【0025】
上記スペーサ粒子表面のSP値は、接着40巻8号(1996)p342−350[高分子刊行会]の沖津らによるパラメータ(当該文献 表3−3)を用い、スペーサ粒子表面の場合は、式(3・4)(3・5)を用いて計算により算出した値である。
【0026】
上記ブロック共重合体において、各ブロックの重合度としては特に限定されないが、好ましい下限は10、好ましい上限は2000である。この範囲を外れると、溶剤組成の変化に対してスペーサ粒子がコンフォメーション変化を起こすことができないことがある。より好ましい下限は100、より好ましい上限は1000である。
【0027】
また、上記ブロック共重合体においては、上述したコンフォメーション変化を起こしやすいことから、全体として親水性官能基ブロックの鎖のほうが疎水性官能基ブロックの鎖よりも長いことが好ましい。すなわち、親水性官能基ブロックの重合度のほうが疎水性官能基ブロックの重合度よりも大きいことが好ましい。
【0028】
上記基材微粒子の表面に上記ブロック共重合体を形成させる方法としては特に限定されないが、上述したようなコンフォメーション変化をするためには基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックが結合されていることが好ましく、例えば、次のような方法が挙げられる。
基材微粒子を溶剤(無水溶剤)に分散させ、これにハロゲン化された無水物(例えば、無水クロロ酢酸)を加え、窒素雰囲気下12時間撹拌し、溶剤にて洗浄することにより、微粒子の表面にハロゲン基が導入された(好ましくは化学結合にて導入された)基材微粒子分散液を得る。
これに、イニファーター化合物であるジチオ化合物(例えば、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム(SDC))を加え、遮光下にて12時間撹拌する。得られたイニファーター固定化基材微粒子分散液に疎水性官能基ブロックを形成するモノマー(例えば、イソブチルメタクリレート)を加え、紫外線を照射しながら撹拌する。
ついで、親水性官能基ブロックを形成するモノマー(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート)を加え、30分紫外線を照射する。
これを溶剤にて超音波洗浄を行うことにより、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を有するスペーサ粒子を得ることができる。
【0029】
本発明のスペーサ粒子分散液中のスペーサ粒子の固形分濃度としては特に限定されないが、好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は10重量%である。0.01重量%未満であると、吐出された液滴中にスペーサ粒子を含まない確率が高くなり、10重量%を超えると、インクジェット装置のノズルが閉塞しやすくなることがあり、また、着弾した分散液滴中に含まれるスペーサ粒子の数が多くなりすぎて、乾燥過程でスペーサ粒子の移動が起こりにくくなる。より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は3重量%である。
【0030】
また、本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子が単粒子状に分散されていることが好ましい。本発明のスペーサ粒子分散液中にスペーサ粒子の凝集物が存在すると、吐出精度が低下するばかりでなく、著しい場合はインクジェット装置のノズルに閉塞を起こす場合がある。
【0031】
本発明のスペーサ粒子分散液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、接着性を付与するための接着成分、スペーサ粒子の分散を改良したり、表面張力や粘度等の物理特性を制御して吐出精度を改良したり、スペーサ粒子の移動性を改良する目的で各種の界面活性剤、粘性調整剤等が添加されていてもよい。
【0032】
本発明のスペーサ粒子分散液は溶剤を含有する。
上記溶剤としては特に限定されないが、インクジェット装置のノズルから吐出される温度において液体である各種溶剤であることが好ましい。なかでも、水溶性又は親水性の溶剤が好ましい。本発明のスペーサ粒子分散液の溶剤として疎水性の強い溶剤を用いると、ノズルを構成する部材を溶剤が侵したり、部材を接着している接着剤の一部が溶剤に溶解したりすることがある。
【0033】
本発明のスペーサ粒子分散液は、沸点が150℃以上である溶剤を含むことが好ましく、更に、沸点が150℃以上、かつ、表面張力が30mN/m以上である溶剤を含むことがより好ましい。沸点が150℃以上、かつ、表面張力が30mN/m以上である溶剤を含むと、後述する後退接触角(θr)を大きくすることができる。
また、沸点が150℃以上、かつ、表面張力が30mN/m以上である溶剤を含むと、基板にスペーサ粒子分散液を吐出し着弾させたときの液滴径が小さくなるため、液滴の拡がりが生じ難い。更に、液滴の着弾中心に向かってスペーサ粒子が移動し易くなる。よって、基板にスペーサ粒子を高精度に配置することができる。
【0034】
上記沸点が150℃以上の溶剤としては特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び、ネオペンチルグリコールからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、エチレングリコール、プロピレングリコールが好ましく、そのなかでもエチレングリコールが最も好ましい。
【0035】
本発明のスペーサ粒子分散液を乾燥させる際には、沸点が低い溶剤が先に揮発する。沸点が低い溶剤が先に揮発することにより、残存しているスペーサ粒子分散液における沸点150度以上で表面張力が30mN/m以上の溶剤の比率が高くなる。沸点150度以上で表面張力が30mN/m以上の溶剤の比率が高くなると、残存しているスペーサ粒子分散液の表面張力がより一層高くなり、スペーサ粒子が着弾地点中心に向かって移動し易くなる。
【0036】
本発明のスペーサ粒子分散液の表面張力を調整するため、具体的には高くしすぎないために(例えば50mN/m以下とするために)、スペーサ粒子分散液の溶剤は、沸点が150℃未満の溶剤を更に含むことがより好ましい。沸点が70℃以上、100℃未満の溶剤を含むことが更に好ましい。
具体的には、上記溶剤は、水と、沸点が150℃未満の溶剤と、沸点が150℃以上の溶剤とを含有し、上記水の含有量が0〜60重量%、上記沸点が150℃未満の溶剤の含有量が2〜50重量%、上記沸点が150℃以上の溶剤の含有量が30〜96重量%であることが好ましい。
【0037】
上記沸点が150℃未満の溶剤としては特に限定されないが、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等の低級モノアルコール類、及び、アセトンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、2−プロパノールが最も好ましい。
【0038】
上記沸点が150℃未満の溶剤は、本発明のスペーサ粒子分散液を基板上に吐出した後、乾燥させる際に比較的低い温度で揮発する。特に、本発明のスペーサ粒子分散液においては、配向膜に溶剤が高温で接触すると配向膜を汚染して液晶表示装置の表示品質を損なうため、乾燥温度をあまり高くすることができない。従って、上記沸点が150℃未満の溶剤を用いることが好ましい。但し、上記沸点が150℃未満の溶剤が室温で揮散しやすいと、本発明のスペーサ粒子分散液の製造時や貯蔵時に凝集粒子が発生しやすくなったり、インクジェット装置のノズル付近のスペーサ粒子分散液が乾燥しやすくなって、インクジェット吐出性が損なわれたりするので、室温で揮散しやすい溶剤は好ましくない。
【0039】
基板に吐出された本発明のスペーサ粒子分散液を乾燥させる温度が高温であると、配向膜が損傷し、液晶表示装置の表示画質が劣化することがあるが、上記沸点が150℃未満である溶剤を使用することにより、乾燥温度を低くでき、配向膜の損傷を防ぐことができる。
【0040】
上記沸点が150℃未満である溶剤は、20℃における表面張力が28mN/m未満であることが好ましく、25mN/m以下であることがより好ましい。溶剤の表面張力が28mN/m以上であると、本発明のスペーサ粒子分散液の表面張力が高くなり、インクジェット装置のノズルの接液部分の表面張力によっては、吐出性が悪くなることがある。
【0041】
本発明のスペーサ粒子分散液が、沸点150℃未満、表面張力が28mN/m未満である溶剤を含むと、後述するインクジェット装置にスペーサ粒子分散液を導入し易くなり、吐出する際には吐出性が向上する。
【0042】
本発明のスペーサ粒子分散液には、媒体として沸点が200℃以上、かつ、20℃における表面張力が42mN/m以上である溶剤Xを含有させることもできる。なお、本明細書において、「沸点」とは、1気圧下における沸点を言うものとする。上記溶剤Xを含有させると、更に、種々の基板で、後退接触角(θr)を大きくすることができる。
【0043】
上記溶剤Xとしては、上述した沸点及び表面張力を有するものであれば特に限定されず、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン、ニトロベンゼン等が挙げられる。なかでも、乾燥時に短時間で効果的にスペーサ粒子を寄せ集めることができるため、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール及びグリセリンが好ましく用いられる。乾燥時に短時間でより一層効果的にスペーサ粒子を寄せ集めることができるため、グリセリンがより好ましく用いられる。溶剤Xとして、上述した溶剤が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0044】
溶剤Xの含有量としては特に限定されないが、好ましい範囲は上記溶剤中0.1〜50重量%、より好ましい範囲は1〜30重量%、更に好ましい範囲は1〜10重量%である。
【0045】
上記スペーサ粒子分散液を乾燥させる際には、沸点が低い溶剤が先に揮発する。沸点が低い溶剤が先に揮発することにより、残存しているスペーサ粒子分散液における溶剤Xの比率が高くなる。溶剤Xの比率が高くなると、残存しているスペーサ粒子分散液の表面張力がより一層高くなり、スペーサ粒子が着弾地点中心に向かって移動し易くなる。
【0046】
上記した溶剤以外で使用可能な溶剤としては以下のものが挙げられる。水溶性又は親水性の溶剤としては、水の他、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のモノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコールの多量体;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のプロピレングリコールの多量体;グリコール(上記エチレングリコールやプロピレングリコールを指す)類のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等の低級モノアルキルエーテル類;グリコール類のジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル等の低級ジアルキルエーテル類;グリコール類のモノアセテート、ジアセテート等のアルキルエステル類、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類、ジオール類のエーテル誘導体、ジオール類のアセテート誘導体、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類又はそのエーテル誘導体、アセテート誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、スルフォラン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、α−テルピネオール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビス−β−ヒドロキシエチルスルフォン、ビス−β−ヒドロキシエチルウレア、N,N−ジエチルエタノールアミン、アビエチノール、ジアセトンアルコール、尿素等が挙げられる。
【0047】
本発明のスペーサ粒子分散液は、本発明の目的を阻害しない範囲において、スペーサ粒子の分散を改良したり、表面張力や粘度等の物理特性を制御して吐出精度を改良したり、スペーサ粒子の移動性を改良する目的で各種の界面活性剤、粘性調整剤等を含有してもよい。
【0048】
本発明のスペーサ粒子分散液は、pHの下限が7であることが好ましい。7未満であると、SUS性フィルターへのスペーサ粒子付着を阻害する効果が不充分となり、フィルターに目詰まりを生じることがある。より好ましい下限は8である。
【0049】
本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子を除く不揮発成分の含有量が少ないこと、具体的には1μmよりも小さい粒径を有する不揮発成分の含有割合が本発明のスペーサ粒子分散液全体に対して、0.001重量%未満であることが好ましい。0.001重量%を超えると、液晶や配向膜が汚染されて、液晶表示装置のコントラスト等の表示品質が劣ることがある。
上記不揮発成分には、例えば、大気中のゴミ、スペーサ粒子を分散させるのに用いた溶剤中に含まれていた不純物、スペーサ粒子の粉砕物、金属イオン等のイオン性化合物等が含まれ、スペーサ粒子分散液中における保形性を有さない固形分や非球形の微粒子を含むものとする。
【0050】
本発明のスペーサ粒子分散液中の不揮発成分を少なくする方法としては、例えば、まずスペーサ粒子の粒子径よりも大きい濾過径を有するフィルターで本発明のスペーサ粒子分散液を濾過して大きなゴミを除いた後、本発明のスペーサ粒子分散液を遠心してスペーサ粒子を沈殿させた後、上澄み液を捨てて、更に濾取したスペーサ粒子を1μmの濾過径を有するフィルターで濾過した溶剤を加えてスペーサ粒子を分散させる方法;スペーサ粒子の粒子径よりも小さい濾過径を有するフィルターでスペーサ粒子を濾取し、濾取したスペーサ粒子を1μmの濾過径を有するフィルターで濾過した溶剤に分散させる方法;層状珪酸塩等のイオン吸着性固体を用いる方法等が挙げられる。これらの方法は、繰り返して行われてもよい。
【0051】
本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子の比重と、スペーサ粒子を除く液状部分の比重との差が0.5以下であることが好ましい。0.5を超えると、本発明のスペーサ粒子分散液を保存中にスペーサ粒子が沈降してしまい、吐出した本発明のスペーサ粒子分散液中のスペーサ粒子の数が不均一になることがある。
【0052】
本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子の表面の溶解度パラメータ値と、スペーサ粒子を除く液状部分の溶解度パラメータ値との差が5.0以下であることが好ましい。5.0を超えると、本発明のスペーサ粒子分散液中におけるスペーサ粒子の分散性が劣り、吐出した本発明のスペーサ粒子分散液中のスペーサ粒子の数が不均一になることがある。
【0053】
本発明のスペーサ粒子分散液は、表面張力が25〜50mN/mであることが好ましい。表面張力がこの範囲外であるとインクジェット装置で安定的に吐出することが難しいことがある。
また上記スペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子分散液の表面張力の値から基板の表面張力の値を減じた値が−2〜40mN/mであることが好ましい。−2mN/m未満であると、本発明のスペーサ粒子分散液が基板上に着弾した際の着弾径が非常に大きくなってしまうことがあり、40mN/mを超えると、着弾したスペーサ粒子分散液が容易に移動してしまい、正確にスペーサ粒子を配置できないことがある。
なお、本明細書において、上記表面張力は、白金板を使用するウイルヘルミー法にて測定された値である。
【0054】
本発明のスペーサ粒子分散液においては、例えば、表面張力について上記要件を満たすように上述の低沸点低表面張力の溶剤と高沸点高表面張力の溶剤とを混合することが好ましい。このような組み合わせを選択することにより、着弾した本発明のスペーサ粒子分散液の液滴が乾燥するにつれ表面張力が高くなるので、液滴が乾燥するに従って液滴の径が小さくなるような力が働き、最終的なスペーサ粒子が配置される範囲を限定することができる。
【0055】
本発明のスペーサ粒子分散液は、基板に対する後退接触角(θr)が5度以上であることが好ましい。後退接触角が5度以上あれば、基板に着弾した本発明のスペーサ粒子分散液の液滴が乾燥するときに、その中心に向かって縮小していくとともに、その液滴中に1個以上含まれるスペーサ粒子がその液滴中心に寄り集まることが可能となる。5度未満であると、基板上で液滴の着弾した箇所の中心(着弾中心)を中心として液滴が乾燥し、その液滴径が縮小するとともに、スペーサ粒子がその中心に集まり難くなる。
本明細書において後退接触角とは、基板上に置かれた本発明のスペーサ粒子分散液の液滴が、基板上に置かれてから乾燥するまでの過程で、基板上に最初に置かれた際の着弾径より小さくなりだした時(液滴が縮みだした時)に示す接触角、又は、液滴の揮発成分の内80〜95重量%が揮発した際に示す接触角をいう。
【0056】
なお、上記後退接触角は、いわゆる接触角(液滴を基板に置いた際の初期接触角で通常はこれを接触角と呼ぶことがほとんどである)に比べ小さくなる傾向がある。これは、初期の接触角は、本発明のスペーサ粒子分散液を構成する溶剤に接触していない基板表面上での液滴の基板に対する接触角であるのに対し、後退接触角は本発明のスペーサ粒子分散液を構成する溶剤に接触した後の基板表面上での液滴の基板に対する接触角であるためと考えられる。すなわち、後退接触角が初期接触角に対して著しく低い場合は、それらの溶剤によって配向膜が損傷を受けていることを示しており、これらの溶剤を使用することが配向膜汚染に対して好ましくないことを示すと考えられる。
【0057】
本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子分散液と基板面との初期接触角θの好ましい下限が10度、好ましい上限が110度である。10度未満であると、基板上に吐出された本発明のスペーサ粒子分散液液滴が、基板上に濡れ拡がった状態となりスペーサ粒子の配置間隔を狭くできないことがあり、110度を超えると、少しの振動で液滴が基板上を動き回り易く、結果として配置精度が悪化したり、スペーサ粒子と基板との密着性が悪くなったりすることがある。
【0058】
本発明のスペーサ粒子分散液は、少なくともインクジェット装置からの吐出時において、E型粘度計又はB型粘度計により測定した吐出時のヘッド温度における粘度の好ましい下限が0.5mPa・s、好ましい上限が15mPa・sである。0.5mPa・s未満であると、インクジェット装置から吐出するときの吐出量をコントロールすることが困難になることがあり、15mPa・sを超えると、インクジェット装置で吐出できないことがある。より好ましい下限は5mPa・s、より好ましい上限は10mPa・sである。
なお、本発明のスペーサ粒子分散液を吐出する際に、インクジェット装置のヘッド温度をペルチェ素子や冷媒等により冷却したり、ヒーター等で加温したりして、スペーサ粒子分散液の吐出時の液温を−5℃から50℃の間に調整してもよい。
【0059】
本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子の配向膜溶剤溶解度が5%未満であることが好ましい。5%を超えると、配向膜を損傷したり、液晶汚染の原因となったりすることがある。
上記配向膜溶剤溶解度は、例えば、以下の方法により測定することができる。すなわち、固形分で100mg相当の本発明のスペーサ粒子分散液を90℃で5時間、150℃で5時間真空で乾燥させることで、乾固させたあと、220℃で1時間ベークする。硬化物の重量(Wa)を測定した後、10gのN−メチル2−ピロリドンに入れ振とうさせながら5時間放置し、固形分を濾別し、150℃で5時間真空で乾燥させ乾固させた重量(Wb)を測定する。配向膜溶剤溶解度は、下記式により求めることができる。
配向膜溶剤溶解度=(Wa−Wb)/Wa
【0060】
本発明のスペーサ粒子分散液は、該スペーサ粒子分散液の液滴をインクジェット装置を用いて吐出して基板上の所定の位置に着弾させた後、乾燥させることによりスペーサ粒子を基板上に所定の位置に配置することができる。
すなわち、画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、本発明のスペーサ粒子分散液を、インクジェット装置を用いて第1の基板又は第2の基板の非画素領域に対応する特定の位置に配置する工程、前記スペーサ粒子分散液を乾燥させる工程、及び、前記第1の基板と第2の基板とを、液晶及びスペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程を有する液晶表示装置の製造方法もまた、本発明の1つである。
【0061】
本発明の液晶表示装置の製造方法に供される基板としては特に限定されず、ガラスや樹脂等、通常液晶表示装置のパネル基板として使用されるものを用いることができる。また、一対の基板のうち、一方の基板には画素領域にカラーフィルタが設けられた基板を用いることができる。この場合、画素領域は、実質的にほとんど光を通さないクロム等の金属やカーボンブラック等が分散された樹脂等のブラックマトリックスで画されている。このブラックマトリックスが非画素領域を構成することになる。
【0062】
本発明の液晶表示装置の製造方法では、上述した本発明のスペーサ粒子分散液を用いるため、インクジェット装置のSUS性フィルターに目詰まりが生じることがなく、連続的かつ安定的にスペーサ粒子の配置ができ、表示品質に優れる液晶表示措置を製造することができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法により製造されてなる液晶表示装置もまた、本発明の1つである。
【発明の効果】
【0063】
本発明によれば、インクジェット装置による基板上へのスペーサ粒子の配置を連続的に安定して行うことができ、表示品質に優れる液晶表示装置を得ることができるスペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
(スペーサ粒子の作製)
基材微粒子(商品名「ミクロパール」、積水化学工業社製)10重量部を無水ジメチルホルムアミド(DMF)100重量部に分散させ、無水クロロ酢酸2重量部を加え、窒素雰囲気下12時間撹拌した。DMFにて洗浄した後、クロロメチル化された基材微粒子DMF分散液を得た。
これに、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム(SDC)2重量部を加え、遮光下にて12時間撹拌した。得られたN,N−ジエチルジチオカルバメート系光iniferter固定化基材微粒子DMF分散液に2−ヒドロキシエチルメタクリレート5重量部を加え、30分紫外線を照射しながら撹拌した。ついで、イソブチルメタクリレート5重量部を加え、さらに30分紫外線を照射した。
ついで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部を加え、30分紫外線を照射した。
これをDMFにて超音波洗浄を行うことにより、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを含有するブロック共重合体を有するスペーサ粒子を得た。
なお、得られたスペーサ粒子は、親水性官能基ブロックの重合度が600、疎水性官能基ブロックの重合度が400、親水性官能基ブロックの重合度が750のABA型ブロック共重合体であった。
なお、各重合度は、測定された分子量をもとに換算した。基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体の分子量は銀蒸着/飛行時間型二次イオン質量(TOF−SIMS)法を用いて行った。
上記反応中において、10分ごとに抜き取り行った。上記スペーサ粒子をDMFにて洗浄した。ついで、アセトンで洗浄し、真空乾燥した乾燥スペーサ粒子を得た。上記乾燥スペーサ粒子を金属プレートに付着させ、表面に銀を蒸着し蒸着面をTOF−SIMS分析した。得られた分子量の積算によりブロックの分子量を得た。
【0066】
(スペーサ粒子分散液の調製)
得られたスペーサ粒子から所定の粒子濃度(1.5重量%)となる必要量を、エチレングリコールが75重量%、イソプロピルアルコールが15重量%、水が10重量%の混合溶剤にゆっくり添加し、ソニケータを使用しながら充分撹拌することによって分散させた。その後、20μmの目開きのステンレスメッシュで濾過して凝集物を除去することにより、スペーサ粒子分散液を得た。
【0067】
(比較例1)
セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン1000重量部、メタクリロイルイソシアナート150重量部、及び、基材粒子(商品名「ミクロパール」、積水化学工業社製)50重量部を秤量し、均一に攪拌混合して室温で30分間反応させることにより、表面に重合性ビニル基を有するスペーサ粒子を得た。
メチルエチルケトンにより洗浄した後、メチルエチルケトン1000重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート10重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート100重量部、及び、過酸化ベンゾイル2.5重量部を添加し、窒素気流下70℃で4時間グラフト重合反応を行った後、メチルエチルケトンで洗浄することにより親水性モノマー及び疎水性モノマーからなるランダム共重合体を有する液晶スペーサ(2)を得た。
その後、実施例1と同様にしてスペーサ粒子分散液(2)を調製した。
【0068】
(比較例2)
比較例1と同様にして、表面に重合性ビニル基を有するスペーサ粒子を得た。
ついで、ヒドロキシエチルメタクリレートを用いて、比較例1と同様の表面処理をおこない、重合度700である親水性ブロックを有するスペーサ粒子分散液(3)を得た。
【0069】
(液晶表示装置の作製)
(1)カラーフィルタモデル基板の準備
ガラス基板上に通常の方法により、金属クロムからなるブラックマトリックス(幅25μm、縦間隔150μm、横間隔75μm、厚み0.2μm)を設けた。ブラックマトリックス上及びその間に赤、緑、青の3色からなるカラーフィルタ画素(厚み1.5μm)を表面が平坦となるように形成した。その上にほぼ一定の厚みのオーバーコート層及びITO透明電極を設けた。更に、積水化学社製の「常圧プラズマ表面処理装置」により、CF/N混合ガスで撥水処理を行い、カラーフィルタモデル基板を準備した。
なお、得られたカラーフィルタモデル基板の表面張力は27.4mN/mであった。
【0070】
(2)対向TFTアレイモデル基板の準備
ガラス基板上に通常の方法により、金属クロムからなるブラックマトリックス(幅25μm、縦間隔600μm、横間隔200μm、厚み0.2μm)を設けた。ブラックマトリックス上及びその間に赤、緑、青の3色からなるカラーフィルタ画素(厚み1.5μm)を表面が平坦となるように形成した。次いで、ブラックマトリックスに相対する位置において、ガラス基板上に、従来公知の方法により銅からなるよる段差(幅8μm、高低差5nm)を設けた。その上に、ほぼ一定の厚みのITO透明電極を設けた。
次いで、更にその上に、スピンコート法によってポリイミド樹脂溶液(日産化学社製、サンエバーSE1211)を均一に塗布した。塗布後、80℃で乾燥した後、210℃で1時間焼成して硬化させ、ほぼ一定の厚さを有する配向膜を形成して、TFTアレイモデル基板を準備した。
なお、形成された配向膜の表面張力は30.2mN/mであった。
【0071】
(3)インクジェット装置の準備
ピエゾ方式の口径50μmのヘッドを搭載したインクジェット装置を用意した。このヘッドのインク室の接液部は、ガラスセラミック材料により構成した。ノズル面には、フッ素系撥水加工を施した。
【0072】
(4)スペーサ粒子の配置
得られた液晶スペーサ粒子分散液を用いて、インクジエット装置によりカラーフィルタモデル基板上に、以下の方法でスペーサ粒子を配置した。なお、スペーサ粒子を配置する際には、インクジェット装置のノズルから吐出される初期の液晶スペーサ粒子分散液0.5mLを捨てた後に、配置を開始した。
まず、ヒーターで45℃に加熱されたステージ上に、基板を載せた。この基板上に、上述したインクジェット装置を用いて、ブラックマトリックスに対応する位置を狙って、縦のライン1列おきに、縦のラインの上に、110μm間隔で、液晶スペーサ粒子分散液の液滴を縦110μm×横150μmピッチで吐出し、配置し、乾燥させた。吐出の際のノズル先端と基板の間隔は0.5mmとし、ダブルパルス方式で吐出した。
吐出後、90℃で液滴を乾燥し溶剤を蒸発させ、その後、220℃で1時間ベークし接着成分を硬化させた。
【0073】
その後、スペーサ粒子が配置されたカラーフィルタモデル基板上に、スピンコート法によってポリイミド樹脂溶液(日産化学社製、サンエバーSE1211)を均一に塗布した。塗布後、80℃で乾燥した後、210℃で1時間焼成して硬化させ、ほぼ一定の厚さを有する配向膜を形成した。
【0074】
(5)液晶表示装置の完成
スペーサ粒子が配置されたカラーフィルタモデル基板と対向基板となるTFTアレイモデル基板とを、周辺シール剤を用いて貼り合わせた。貼り合わせた後、シール剤を150℃で1時間加熱して硬化させてセルギャップがスペーサ粒子の粒子径と等しくされている空セルを作製し、次いで真空法で液晶を充填し、封口剤で注入口封止して液晶表示装置を作製した。
【0075】
<評価>
実施例1、及び、比較例1〜2で得られたスペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0076】
(液晶スペーサ粒子分散液の分散性の評価)
液晶スペーサ粒子分散液を、それを構成する同じ組成の混合溶剤にて0.1wt%になるように希釈する。これをスライドガラス上に滴下し直ちにカバーグラスをかけ、透過型顕微鏡にて400倍の倍率でスペーサ粒子の分散状態を5視野に付き観察し、分散性の度合いを下記の基準で判定した。
また、同様にして0.05wt%に希釈した液晶スペーサ粒子分散液1g程度を、45℃にて真空乾燥機を利用し減圧乾燥することで約50%の重量にまで濃縮する。濃縮した液晶スペーサ粒子分散液に超音波を1分程度照射し、照射後1分程度放置した後の、スペーサ粒子の分散状態を同様にして観察し、分散性の度合いを下記の基準で判定した。なお、この濃縮したスペーサ粒子分散液の分散性にて、乾燥過程で最後まで残存する溶剤に対する分散性とした。
○:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で1個以内、かつ、4個以上の凝集塊がない
△:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で1個〜10個、かつ、4個以上の凝集塊がない
×:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で10個を超える、あるいは4個以上の凝集塊がある
【0077】
(フィルターの詰まりの有無)
スペーサ粒子分散液1kgを密閉できる容器に取り、直径10mmのSUSフィルター(270/2000メッシュ、目開き10μm)を途中に設置したチューブによりポンプを用いて毎時150mLの流速により循環させた。そのまま3時間循環を行いフィルターの詰まり度合いを確認した。フィルターの詰まりの程度は下記の基準で判定した。
◎:3時間後フィルター上に固形物が全く無く、スペーサ粒子分散液の循環も停止しない。
○:3時間後フィルター上に目視で分かる程度の固形物が存在するが、スペーサ粒子分散液の循環は停止しない。
△:1時間以上、3時間未満の間でスペーサ粒子分散液の循環が停止する。
×:1時間未満でスペーサ粒子分散液の循環が停止する。
【0078】
(液滴乾燥時のスペーサ粒子の状態)
上述したカラーフィルタモデル基板表面にスペーサ粒子分散液を吐出し形成した液滴を乾燥させ、その重量減少に伴うスペーサ粒子の状態を観測し、下記の基準で判定した。
○:殆どすべてのスペーサ粒子が所定の位置に寄り集まった。
△:一部のスペーサ粒子が所定の位置に寄り集まっていなかった。
×:多くのスペーサ粒子が分散されていた。
【0079】
(スペーサ粒子配置精度)
液滴が乾燥した後のスペーサ粒子の配置状態を下記の基準で判定した。
○:スペーサ粒子の大部分が非画素領域に対応する領域にあった。
△:スペーサ粒子の一部が非画素領域に対応する領域からはみだしていた。
×:スペーサ粒子の多くが非画素領域に対応する領域からはみだしていた。
【0080】
(表示画質の評価)
液晶表示装置の表示画質を観察し、下記の基準で判定した。
○:表示領域中にスペーサ粒子が殆ど認められず、スペーサ粒子に起因する光抜けがなかった。また、スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)がなかった。
△:スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)はないものの、表示領域中にスペーサ粒子がわずかに認められ、スペーサ粒子に起因する光抜けがわずかにあった。
×:スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)があり、また表示領域中にスペーサ粒子が認められ、スペーサ粒子に起因する光抜けがあった。
【0081】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、インクジェット装置による基板上へのスペーサ粒子の配置を連続的に安定して行うことができ、表示品質に優れる液晶表示装置を得ることができるスペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明のスペーサ粒子分散液の溶剤組成の変化の一例を示した図である。
【図2】スペーサ粒子の表面のブロック共重合体のコンフォメーション変化を模式的に表した図である。
【符号の説明】
【0084】
1 スペーサ粒子分散液
2 基板
3 スペーサ粒子
4 親水性官能基ブロック
5 疎水性官能基ブロック


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を基板上の任意の位置に配置するためのスペーサ粒子分散液であって、
スペーサ粒子と溶剤とを含有し、前記スペーサ粒子は、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を有する
ことを特徴とするスペーサ粒子分散液。
【請求項2】
溶剤は、水と、沸点が150℃未満の溶剤と、沸点が150℃以上の溶剤とを含有し、前記水の含有量が0〜60重量%、前記沸点が150℃未満の溶剤の含有量が2〜50重量%、前記沸点が150℃以上の溶剤の含有量が30〜96重量%であることを特徴とする請求項1記載のスペーサ粒子分散液。
【請求項3】
沸点が150℃未満の溶剤は、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、及び、アセトンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載のスペーサ粒子分散液。
【請求項4】
沸点が150℃以上の溶剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び、ネオペンチルグリコールからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載のスペーサ粒子分散液。
【請求項5】
親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとは、重合度がそれぞれ10〜2000であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスペーサ粒子分散液。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5記載のスペーサ粒子分散液を用いてなることを特徴とする液晶表示装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−175547(P2009−175547A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15484(P2008−15484)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】